JP2015072341A - スクリーンおよび映像表示システム - Google Patents

スクリーンおよび映像表示システム Download PDF

Info

Publication number
JP2015072341A
JP2015072341A JP2013207488A JP2013207488A JP2015072341A JP 2015072341 A JP2015072341 A JP 2015072341A JP 2013207488 A JP2013207488 A JP 2013207488A JP 2013207488 A JP2013207488 A JP 2013207488A JP 2015072341 A JP2015072341 A JP 2015072341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
screen
scattering
layer
light scattering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013207488A
Other languages
English (en)
Inventor
哲弥 貞弘
Tetsuya Sadahiro
哲弥 貞弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013207488A priority Critical patent/JP2015072341A/ja
Publication of JP2015072341A publication Critical patent/JP2015072341A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

【課題】いずれの側からも反対側の視認性に優れるスクリーンを提供する。【解決手段】映像光源(2)から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーン(10)であって、透光性を有するシート状の基材層(14)と、該基材層の一方の面に形成された、光を散乱可能な光散乱層(15)と、を備え、光散乱層が、基材層上に並列された、光を透過する光透過部(16)と、隣り合う光透過部間に形成された、光を散乱可能な光散乱部(17)と、を有し、光散乱部は、印加される電圧の変化によって光の透過および散乱反射を切り替えられるエレクトロクロミック物質を含み、さらに、エレクトロクロミック物質に電圧を印加可能な電極(30)を備える、スクリーンとする。【選択図】図2

Description

本発明は、映像光源から投射された映像光を視認可能に表示するスクリーン、および該スクリーンを備えた映像表示システムに関する。
通常、映像光源から投射された映像光を視認可能に表示するスクリーンは、反射型、透過型を問わず映像光源から投射された映像光を表示することを目的としており、観察者からみてスクリーンの反対側(背面側)を観察することができない。透過型のスクリーンでは背面から投射された映像光を観察者側(正面側)に透過することにより映像を表示するので背面側からの光を透過することは可能である。しかしながら、このような透過型のスクリーンでは、映像光の視野角を広げること等を目的として表面に凹凸が設けられたり、光散乱層が設けられたりしており、光の透過は可能であるが背面側の様子を観察することはできない。
特許文献1には、スクリーン面に沿って1次元又は2次元方向に多数並べて配列され、光を透過可能な単位形状と、単位形状が並ぶ間に形成され、光を吸収する光吸収部と、少なくとも単位形状の裏面側に設けられ、単位形状を通過した前記映像光を反射し、かつ、映像光が投影される投影側とは反対側である裏面側からの光を透過可能な反射透過層と、を備える半透過型反射スクリーンが開示されている。
特開2006−243693号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような構成のスクリーンでは、光吸収部等が備えられていることによって、観察者から見て反対側の視認性が劣るという問題があった。
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、いずれの側からも反対側の視認性に優れるスクリーンを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、映像光源から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンであって、透光性を有するシート状の基材層と、該基材層の一方の面に形成された、光を散乱可能な光散乱層と、を備え、光散乱層が、基材層上に並列された、光を透過する光透過部と、隣り合う光透過部間に形成された、光を散乱可能な光散乱部と、を有し、光散乱部は、印加される電圧の変化によって光の透過および散乱反射を切り替えられるエレクトロクロミック物質を含み、さらに、エレクトロクロミック物質に電圧を印加可能な電極を備える、スクリーンである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスクリーンにおいて、電極が光散乱部の長手方向の両端部に備えられる。
請求項3に記載の発明は、映像光を出射する映像光源と、該映像光源からの映像光を観察者に視認可能に表示する請求項1又は2に記載のスクリーンと、を備える映像表示システムである。
本発明によれば、いずれの側からも反対側の視認性に優れるスクリーンを提供することができる。
スクリーン10を説明する斜視図である。 スクリーン10の断面を示し、層構成を模式的に表した図である。 光散乱層15の平面図である。 光散乱部17の機能を説明するための面である。 光散乱層15における映像光の他の光路例を説明する図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明は当該形態に限定されるものではない。なお、各図は概念的に示したものであり、各部材の形状を正確に示すものではない。
図1は1つの形態を説明する図で、映像表示システム1の斜視図である。図1からわかるように、映像表示システム1は、映像光源2およびスクリーン10を備えている。以下にそれぞれについて説明する。
映像光源2は、スクリーン10に向けて映像光を投射する装置であり、公知のプロジェクター等を用いることができる。本形態では、映像光源2はスクリーン10の画面中央より下方側で、スクリーン10に近い位置で斜めから映像光をスクリーン10に向けて投射する。このように、スクリーン10に対して斜めに映像光を投射すると、スクリーン10のスクリーン面の法線方向(以下単に「法線方向」と記載することがある。)におけるスクリーン10と映像光源2との距離を短くできる。
図2は、スクリーン10を設置した姿勢(すなわち、スクリーン面を鉛直に立てた姿勢)において図1にII−IIで示した線に沿った鉛直方向におけるスクリーン10の厚さ方向断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図2では見易さのため、繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。なお、図2では、紙面左が背面側、紙面右が正面側、紙面上方が天、紙面下方が地となる。
また、図3は、スクリーン10に備えられる光散乱層15の平面図である。図3では、紙面奥が背面側、紙面手前が正面側、紙面上方が天、紙面下方が地となる。
スクリーン10は、映像光源2から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンである。図示したスクリーン10は、常設される形態のスクリーンの例である。なお、図1ではAが観察者、Bが背面側物体を表しており、スクリーン10は映像光源2から投射された映像光を散乱反射して観察者に視認可能に表示している。従って、映像光源2が備えられる側を正面、これとは反対側(背面側物体Bが存在する側)が背面という。
図2に示したように、スクリーン10は、背面側からパネル11、該パネル11に貼合された積層体12を備えている。そして積層体12は、背面側から接着層13、光散乱層15、基材層14、およびハードコート層20を備えている。また、図3に示したように、スクリーン10の端部には電極30、30が備えられている。以下、スクリーン10を構成するこれらの構成要素について説明する。
パネル11は、ガラスパネルや樹脂パネル等、透光性を有する板状のパネルである。従って、パネル11を構成する部材としては公知の板ガラスや樹脂板を用いることができる。これにより固定型のスクリーンとして安定した設置が可能となる。
接着層13は、パネル11に積層体12を接着するための層である。接着層13を構成する材料としては、パネル11と積層体12とを接着できるものであれば特に限定されない。接着層13を構成する材料として、例えば、公知の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。これらの中からより具体的な例を挙げれば、アクリル系の粘着剤があり、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤がある。なお、接着層13を構成する材料は、スクリーン10の性質上、透光性、耐候性に優れることが好ましい。
接着層13の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。接着層13をある程度厚くすることによって、パネル11と積層体12とを十分に密着させやすくなる。また、接着層13をある程度薄くすることによって、接着層13の厚さを均一にすることが容易になる。
基材層14は、光散乱層15を形成するための基材となる層である。従って基材層14は、透光性を有するとともに光散乱層15の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層14を構成する材料の具体例として、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
基材層14の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層14の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。例えば、基材層14が薄過ぎればしわが生じやすくなる。一方、基材層14が厚過ぎれば、スクリーン10を製造する工程のうち中間工程において巻き取りが困難になる。
次に、光散乱層15について説明する。光散乱層15は基材層14の一方の面に形成された、光を透過または散乱できる層である。光散乱層15は、基材層14上に並列された、光を透過可能な光透過部16と、隣り合う光透過部16間に形成された、光を散乱可能な光散乱部17と、を備えている。光散乱層15は、図2に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する。すなわち、図2に表れる断面を有して光透過部16及び光散乱部17がスクリーン面に沿った一方向(本形態では水平方向)に延びるように配置されるとともに、該一方向とは異なる方向(本形態では鉛直方向)のスクリーン面に沿って複数の光透過部16が配列されている。そして光散乱部17は光透過部16の間に配置されている。
光透過部16は光を透過する部位である。また、本形態では光透過部16のうち基材層14側の面とその反対側面(接着層13側の面)とは平行に形成されている。これによって、後に説明するようにスクリーン10を通して背面側の景色が見やすくなる。このようにスクリーン10を通して背面側の景色を見易くするという観点から、光透過部16は光を散乱および吸収しないことが好ましい。ここで、「光を散乱および吸収しない」とは、光を散乱させる材料および光を吸収する材料を意図的に添加することなく形成されていることを意味する。よって、光透過部115を光が透過するときに不可避的に若干の散乱や吸収が生じることは許される。
光透過部16を構成する材料は、基材層14と同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし両者間で屈折率差があるとその界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
光透過部16と基材層14とを同じ材料で構成する場合には、基材層14と光透過部16とを一体に形成することもできる。また、光透過部16と基材層14とを異なる材料で構成する場合、及び同じ材料で構成する場合であっても、基材層14と光透過部16とを別々に形成し、公知の手段により積層してもよい。
光透過部16の形成方法の具体例は後で説明する。
光透過部16を構成する材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
次に光散乱部17について説明する。上述したように光透過部16はシート面に沿った方向に所定の間隔で並列され、光透過部16間には凹部が形成されている。本形態における凹部は、接着層13側(背面側)に下底、基材層14側(正面側)に下底より短い上底を有する略台形の断面を有した溝であり、ここに光散乱部17を構成する材料が充填されることにより光散乱部17が形成されている。従って光散乱部17も上記凹部に沿った略台形断面を具備している。
なお、図面には略台形断面の光散乱部17を例示しているが、光散乱部17の断面形状はこれに限定されない。光散乱部17の断面形状はスクリーン10に求められる性能に応じて適宜変更可能であり、三角形等であってもよい。光散乱部17の断面を三角形とする場合、上側の辺が水平であるとともに下側の辺が水平に対して傾いた三角形をすることができる。
光散乱部17は、電極30、30から印加される電圧の変化によって光の透過および散乱反射を切り替えられるエレクトロクロミック物質を含む。すなわち、光散乱部17は、電極30、30から印加される電圧を変化させることによって、光を散乱させずに透過する状態(透明)及び光を散乱反射させる状態(例えば、白色)を切り替えることができるエレクトロクロミック物質を含む。光散乱部17はこのようなエレクトロクロミック物質を含むことによって、入射した光を透過させたり散乱反射させたりする制御を可能とする機能を有する。なお、「散乱させずに透過する状態」とは、意図的に光を散乱させる状態ではないことを意味する。よって、不可避的に若干の散乱が生じることは許される。
図4は、光散乱部17の上記機能について説明するための図である。図4(A)および図4(B)はそれぞれ光散乱層15の断面の一部を示しており、図4(A)は光散乱部17が光を散乱させずに透過する状態(透明)であるとき、図4(B)は光散乱部17が光を散乱反射させる状態(例えば、白色)であるときを表わしている。なお、図4(A)および図4(B)に示した光路例は概念的なものであり、屈折、反射の程度等を厳密に表したものではない。
光散乱部17が光を散乱させずに透過する状態(透明)であるときは、図4(A)に示したように、光散乱部17に到達せずに光透過部16を透過する光L51に加え、光散乱部17に到達した光L52も光散乱部17を透過して光散乱層15から出射する。このように、光散乱部17が光を透過させる状態(透明)であるときは、光散乱層15に入射したあらゆる角度の光が反対側の面から出射する。従って、反対側の視認性に優れる。
一方、光散乱部17が光を散乱反射させる状態(例えば、白色)であるときは、図4(B)に示したように、光散乱部17に到達せずに光透過部16を透過する光L53はそのまま光透過部17を透過するが、光散乱層15の層面に対して斜めに入射して光散乱部17に達した光L54は光散乱部17において散乱反射される。すなわち、光L54を映像光源2から投射された映像光であるとすると、光散乱部17が光を散乱反射させる状態(例えば、白色)であるときは、映像光源2から投射された映像光を観察者に視認可能に表示することができる。
上記のような光散乱部17に用いることができるエレクトロクロミック物質は、印加される電圧の変化に応じて光を散乱させずに透過する状態(透明)と光を散乱反射させる状態(例えば、白色)とを切り替えられるものであれば特に限定されない。このようなエレクトロクロミック物質としては、例えば特開2012−107195号公報に開示されている組成物を挙げることができる。すなわち、光散乱部17には、(A)下記式(1)で表される四級アンモニウム塩または、下記式(2)で表される四級ホスホニウム塩、(B)臭素イオンを含む支持電解質、及び(C)水を必須成分とする溶媒を含有するエレクトロクロミック素子用組成物であって、前記(A)四級アンモニウム塩または、四級ホスホニウム塩は、前記(C)水を必須成分とする溶媒に可溶である、エレクトロクロミック素子用組成物を用いることができる。
Figure 2015072341
Figure 2015072341
上記式(1)および式(2)中、R、R、R及びRは、独立して、無置換または置換基を有する炭素数4以上のアルキル基、若しくは無置換または置換基を有するフェニル基であり、アルキル基またはフェニル基が置換基を有する場合、置換基はハロゲンまたは水酸基であり、Xn−はハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、リン酸イオン、六フッ化リン酸イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸水素イオン、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、亜硫酸イオン、亜硝酸イオン、亜塩素酸イオン、ヘキサシアノ鉄(II)酸イオン、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンから選択されるいずれかのアニオンである。
光散乱部17は、隣り合う光透過部16間の溝にエレクトロクロミック物質のみを充填して形成することも可能であるが、例えばエレクトロクロミック物質を溶媒に分散させた組成物を隣り合う光透過部16間の溝に充填した後に溶媒を除去することによっても形成できる。また、光散乱部17には必要に応じて公知の導電材を混合させることにより、通電しやすい形態にしてもよい。
光散乱部17に通電する電極30、30には公知の電極を用いることができる。電極30、30の形態は、光散乱部17に通電できる形態であれば特に限定されない。図示した形態では、一対の電極30、30が光散乱部17の長手方向の両端部に設けられている。なお、電極30、30は複数の部分に分けて電圧の印加を制御できるように構成されていてもよい。例えば、電極30、30を図3に示したaからhの8つの部分に分けて制御できるようにしてもよい。このように電極30、30を複数の部分に分けて制御できるように構成することによって、例えば、部分a、b、c、およびdは光散乱部17に電圧を印加し、部分e、f、gおよびhは光散乱部17に電圧を印加しないことによって、スクリーン10の上側には映像を表示し、スクリーン10の下側には映像を表示させないといった制御をすることができる。なお、ここでは電極30、30を8つの部分に分けて制御する方法を例示したが、電極30、30を複数の部分に分けて制御する場合、その部分の数(分けた方)は特に限定されない。
光散乱層15の厚さは特に限定されないが、10μm以上200μm以下であることが好ましい。光散乱層15が薄過ぎると光散乱部17の厚さ(光散乱層15の厚さ方向大きさ)が不足して所望の光学的効果が低減してしまったり、光散乱部17の加工自体が困難になったりする虞がある。一方、光散乱層15が厚過ぎると逆に光散乱部17が厚くなりすぎ、そのための金型の製造、及び金型からの材料の離型性が低下し、生産性が悪くなる虞がある。
ハードコート層20は、表面保護を目的として、スクリーン10のうちパネル11とは反対側の最表面に設けられる層である。ハードコート層20は透明な樹脂層として形成することができ、擦り傷、表面汚染に対する耐性の観点から、硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
また、ハードコート層20には、耐汚染性向上の機能を追加してもよい。これは例えばシリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加することにより可能となる。さらにその他の機能として帯電防止性向上、撥水性向上の機能を有するものとしてもよい。
帯電防止性向上のために用いることができる材料としては、電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)とを共存)などが挙げられ、イオン導電タイプではリチウム塩系材料等が挙げられる。
また、撥水性向上のために用いることができる材料としては、フッ素系化合物等が挙げられる。
以上説明した構成を具備するスクリーン10は例えば次のように製造することができる。
スクリーン10は、パネル11に積層体12を貼合することによって製造することができる。積層体12は、例えば次のように作製する。
光散乱層15は金型ロールを用いる方法により形成する。すなわち、円筒状であるロールの外周面に光散乱層15の光透過部16の形状を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備する。そして金型ロールとこれに対向するように配置されたニップロールとの間に、基材層14となる基材を挿入する。このとき基材の一方の面にはハードコート層20が予め形成されていることが好ましい。そして、基材のうちハードコート層20が配置されていない側の面と金型ロールとの間に光透過部16を構成する組成物を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。これにより金型ロールの表面に形成された凹凸の凹部内に光透過部16を構成する組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、光透過部16を構成する組成物としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。すなわち、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)を配合した光硬化型樹脂組成物を用いることができる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。なお、光透過部115の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金型ロールと基材との間に挟まれ、ここに充填された光透過部16を構成する組成物に対し、基材側から光照射装置により光を照射する。これにより、光透過部16を構成する組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。そして、離型ロールにより金型ロールから基材層14及び成形された光透過部16を離型する。
次に、光透過部16間に形成された凹部に光散乱部17を構成する材料を充填して硬化させることによって、光散乱部17を形成することができる。上述したエレクトロクロミック物質や該エレクトロミック物質を含む組成物を、上記凹部に過剰に供給してブレードによりスキージして余剰分を掻きとって除去するとともに凹部に充填する。このようにして充填された光透過部16間の凹部に充填した材料を適切な方法で硬化させることによって、光散乱部17を形成することができる。
以上により光散乱層15を形成することができる。
次に、上記のようにして形成した光散乱層15の表面に接着層13を形成することによって、積層体12を作製できる。そして、このように作製した積層体12を接着層13によりパネル11に貼合することでスクリーン10を製造することができる。
スクリーン10には上記した各層のいずれかに、他の機能を付加させるための構成を備えてもよい。これには例えば、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、又は近赤外線吸収剤を添加し、紫外線吸収機能、熱線吸収機能、又は近赤外線吸収機能を備えさせることが挙げられる。
近赤外線吸収機能は、近赤外線吸収剤(近赤外線吸収色素)を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。近赤外線吸収色素としては、800nm以上1100nm以下の波長領域の光を吸収するものを用いることが好ましい。該波長領域の近赤外線の透過率が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。一方で、近赤外線吸収色素は可視光領域、即ち、380nm以上780nm以下の波長領域で、十分な透過率を有することが好ましい。
紫外線吸収機能は、以下に例示する紫外線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN P、TINUVIN P FL、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 326 FL、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 329 FL、全てBASFジャパン株式会社製)や、トリアジン系紫外線吸収剤(TINUVIN 1577 ED、BASFジャパン株式会社製)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(CHIMASSORB 81、CHIMASSORB 81 FL、全てBASFジャパン株式会社製)、ベンゾエート系紫外線吸収剤(TINUVIN 120、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
熱線吸収機能は、以下に例示する熱線吸収剤を上記した各層の1つ又は複数に添加したり、塗布したりすることにより向上させることができる。熱線吸収剤としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)又はスズドープ酸化インジウム(ITO)、フタロシアニン化合物等の金属酸化物超微粒子などが挙げられる。
次に、スクリーン10を図1のようにして設置したときの作用について説明する。
映像光源2(図1参照)から投射された映像光は、ハードコート層20、および基材層14を透過して光散乱層15の光散乱部17に到達する。このとき、光散乱部17を光が散乱反射する状態にすることによって、上述したように、光散乱部17に達した映像光は散乱反射される。そして、散乱反射された光の少なくとも一部は映像光源2側、すなわち観察者側に向きが変えられる。また、光散乱部17と光透過部16との間に屈折率差がある場合、全反射臨界角より大きい角度で光散乱部17と光透過部16との界面に入射した映像光の一部は観察者側に全反射される。このようにして、映像光源2から投射された映像光をスクリーン10から出射して観察者に映像として提供することができる。
また、スクリーン10の背面側からスクリーン10を通過して観察者に達する光は光散乱部17に達することなくスクリーン10の光透過部16を透過して観察者に観察される。従って、基材層14の面に対して平行な面である光透過部16の基材層14側の面及びその反対側の面を介して背面側からの光が観察者に提供され、明確に明るくスクリーン10の背面側を観察することができる。
上記のように、スクリーン10によれば映像光を観察者側に提供できるとともに、正面側または背面側のいずれの側からも反対側の視認性に優れる。
このようなスクリーン10は、例えば、これまでオフィス等で用いられていたスクリーンの代わりにする等、従来のスクリーン用途に用いることができる。これに加え、ガラス張りで店内を視認できる店舗のショーウィンドウのガラスにスクリーン10を適用すれば、スクリーン10に効果的な映像を投射しつつ店内を視認することもできるので、ディスプレイ効果を向上させることができる。
これまでの説明では、観察者側に映像光源2が備えられる形態について説明したが、スクリーン10は背面側に映像光源2を設置しても映像を表示することができる。スクリーン10の背面側に映像光源2を設置した場合の映像光の光路例について、図5に示した。図5は図4(B)と同じ視点による図である。
スクリーン10の背面側に映像光源2を設置した場合、映像光源2から投射された映像光L55はパネル11および接着層13を透過して光散乱層15の光散乱部17に到達する。このとき、光散乱部17を光が散乱反射する状態にすることによって、上述したように、光散乱部17に達した映像光は散乱反射される。そして、散乱反射された映像光L55の光の少なくとも一部は図5に示したように観察者側に反射する。また、光散乱部17と光透過部16との間に屈折率差がある場合、全反射臨界角より大きい角度で光散乱部17と光透過部16との界面に入射した映像光の一部は観察者側に全反射される。このようにして、映像光源2から投射された映像光をスクリーン10から出射して観察者に映像として提供することができる。
なお、光散乱部17は光を散乱透過するので、光散乱部17に到達せずに光透過部16を透過する光に加え、光散乱部17に到達した光も一部は光散乱部17を散乱透過して光散乱層15から出射する。
また、これまでの説明では光散乱層15よりも基材層14側に観察者がいる例について説明したが、スクリーン10によれば、いずれの側からも映像を視認可能である。すなわち、映像光源2の配置位置および観察者の位置はともにスクリーン10のいずれの側であってもよい。
1 映像表示システム
2 映像光源
10 スクリーン
11 パネル
12 積層体
13 接着層
14 基材層
15 光散乱層
16 光透過部
17 光散乱部
18 接着層
19 保護層
20 ハードコート層

Claims (3)

  1. 映像光源から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンであって、
    透光性を有するシート状の基材層と、該基材層の一方の面に形成された、光を散乱可能な光散乱層と、を備え、
    前記光散乱層が、前記基材層上に並列された、光を透過する光透過部と、隣り合う前記光透過部間に形成された、光を散乱可能な光散乱部と、を有し、
    前記光散乱部は、印加される電圧の変化によって光の透過および散乱反射を切り替えられるエレクトロクロミック物質を含み、
    さらに、前記エレクトロクロミック物質に電圧を印加可能な電極を備える、
    スクリーン。
  2. 前記電極が前記光散乱部の長手方向の両端部に備えられる、請求項1に記載のスクリーン。
  3. 映像光を出射する映像光源と、該映像光源からの映像光を観察者に視認可能に表示する請求項1又は2に記載のスクリーンと、を備える映像表示システム。
JP2013207488A 2013-10-02 2013-10-02 スクリーンおよび映像表示システム Pending JP2015072341A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013207488A JP2015072341A (ja) 2013-10-02 2013-10-02 スクリーンおよび映像表示システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013207488A JP2015072341A (ja) 2013-10-02 2013-10-02 スクリーンおよび映像表示システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015072341A true JP2015072341A (ja) 2015-04-16

Family

ID=53014754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013207488A Pending JP2015072341A (ja) 2013-10-02 2013-10-02 スクリーンおよび映像表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015072341A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023128395A1 (ko) * 2021-12-28 2023-07-06 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
WO2023136484A1 (ko) * 2022-01-17 2023-07-20 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
WO2023136482A1 (ko) * 2022-01-17 2023-07-20 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000352608A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Dainippon Printing Co Ltd 光拡散シート
JP2004252265A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Seiko Instruments Inc スクリーン
JP2006243691A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd 反射スクリーン、反射スクリーンの製造方法
JP2006243693A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd 半透過型反射スクリーン、及び、半透過型反射スクリーンの製造方法
US20080030882A1 (en) * 2005-02-02 2008-02-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Reflecting Screen, Method of Manufacturing the Same, and Reflection-Type Projection System

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000352608A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Dainippon Printing Co Ltd 光拡散シート
JP2004252265A (ja) * 2003-02-21 2004-09-09 Seiko Instruments Inc スクリーン
JP2006243691A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd 反射スクリーン、反射スクリーンの製造方法
JP2006243693A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd 半透過型反射スクリーン、及び、半透過型反射スクリーンの製造方法
US20080030882A1 (en) * 2005-02-02 2008-02-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Reflecting Screen, Method of Manufacturing the Same, and Reflection-Type Projection System

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023128395A1 (ko) * 2021-12-28 2023-07-06 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
WO2023136484A1 (ko) * 2022-01-17 2023-07-20 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
WO2023136482A1 (ko) * 2022-01-17 2023-07-20 엘지이노텍 주식회사 광 경로 제어 부재 및 이를 포함하는 디스플레이 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6102193B2 (ja) スクリーン、及びスクリーンの製造方法
JP6186760B2 (ja) スクリーン、及びスクリーンの製造方法
JP5716733B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP2016080787A (ja) スクリーン、表示システム
JP2015072341A (ja) スクリーンおよび映像表示システム
JP6089605B2 (ja) スクリーン及びスクリーンの製造方法
JP5888450B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP6031986B2 (ja) 反射スクリーンおよび映像表示装置
JP6060596B2 (ja) スクリーン
JP2014115600A (ja) 表示システム
JP6194581B2 (ja) 透過スクリーンおよび映像表示装置
JP2014115589A (ja) スクリーン
JP2014115581A (ja) スクリーン構造体
JP5796691B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP6089680B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP2014115598A (ja) 映像表示装置
JP5919952B2 (ja) シートコイル、光学シート、これらの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2015031799A (ja) スクリーン
JP6215376B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP6037067B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP6037068B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP5888449B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP2014238474A (ja) スクリーン
JP6215375B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物
JP6036872B2 (ja) 採光シート、採光装置、及び建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171219