JP2015072172A - タイヤの操縦安定性能の評価方法 - Google Patents

タイヤの操縦安定性能の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤの操縦安定性能の評価方法
【解決手段】タイヤの操縦安定性能を評価する方法である。この評価方法では、タイヤが装着された四輪自動車を走行させ、四輪自動車のハンドルを、中立状態から左及び右の一方に操舵した後、中立状態を経て、左及び右の他方に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期とする左右連続操舵を、周期を変化させながら連続的に行い、ハンドルの操舵角の時系列データを取得する工程S1と、ハンドルに加えられた操舵トルクを連続的に測定し、操舵トルクの時系列データを取得する工程S2と、2つの時系列データに基づいて、操舵トルク当たりの操舵角の周波数データを取得する工程S3と、操舵トルク当たりの操舵角の時系列データを周波数分析し、周波数応答特性のゲインを取得する工程S4と、予め設定された周波数領域でのゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能を評価する評価工程S5とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライバーの官能評価に近づけることができるタイヤの操縦安定性能の評価方法に関する。
従来、タイヤの操縦安定性能を評価するための方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。この評価方法では、先ず、評価対象のタイヤを装着した四輪自動車を走行させる。次に、四輪自動車のハンドルを、例えば、中立状態から左に操舵した後、中立状態を経て右に操舵し、再び中立状態に戻す操舵パターンを1周期とする操舵が行われる。この操舵は、例えば、前記周期を一定に維持、即ち、一定の周波数(速度)を維持して行われる。
次に、前記操舵パターンによって発生した横加速度等の物理量が測定され、該物理量の時系列データが取得される。そして、この時系列データに基づいて、タイヤの操縦安定性能が評価される。
特開2009−250766号公報
四輪自動車を運転するドライバーは、走行速度やカーブの曲率等に基づいて、ハンドルの操舵速度を変化させている。従って、ドライバーによるタイヤの操縦安定性能の官能評価により近づけるためには、ある範囲を持ったハンドルの操舵速度について、タイヤの操縦安定性能が評価されるべきである。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、ハンドルを操舵する速度(周波数)が一定であるため、タイヤの操縦安定性能を正しく評価できないおそれがある。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ドライバーの官能評価により近づけることができるタイヤの操縦安定性能の評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明に係るタイヤの操縦安定性能の評価方法は、タイヤの操縦安定性能を評価する方法であって、前記タイヤが装着された四輪自動車を走行させ、前記四輪自動車のハンドルを、中立状態から左及び右の一方に操舵した後、中立状態を経て、左及び右の他方に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期とする左右連続操舵を、前記周期を変化させながら連続的に行い、前記ハンドルの操舵角の時系列データを取得する工程と、前記ハンドルに加えられた操舵トルクを連続的に測定し、前記操舵トルクの時系列データを取得する工程と、前記2つの時系列データに基づいて、前記操舵トルク当たりの前記操舵角の周波数データを取得する工程と、前記操舵トルク当たりの操舵角の周波数データを周波数分析し、周波数応答特性のゲインを取得する工程と、予め設定された周波数領域での前記ゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能を評価する評価工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤの操縦安定性能の評価方法は、前記周波数領域は、0.2〜1.0Hzであるのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの操縦安定性能の評価方法は、前記評価工程は、前記周波数領域から選択される第1の周波数での前記ゲインと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数での前記ゲインとの差の絶対値に基づいて、前記操縦安定性能を評価するのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの操縦安定性能の評価方法は、前記ハンドルを中立状態から右に操舵したときのタイヤのスリップ角を正、かつ、中立状態から左に操舵したときのスリップ角を負としたときに、前記左右連続操舵は、前記タイヤに−1.5〜1.5度のスリップ角を与えるのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの操縦安定性能の評価方法は、前記左右連続操舵は、前記四輪自動車の走行速度が60〜120km/hで行われるのが望ましい。
本発明のタイヤの操縦安定性の評価方法は、タイヤが装着された四輪自動車を走行させ、四輪自動車のハンドルを、中立状態から左及び右の一方に操舵した後、中立状態を経て、左及び右の他方に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期とする左右連続操舵を、周期を変化させながら連続的に行い、ハンドルの操舵角の時系列データが取得される。また、本発明の評価方法では、ハンドルに加えられた操舵トルクを連続的に測定し、操舵トルクの時系列データが取得される。
さらに、本発明では、上記2つの時系列データに基づいて、操舵トルク当たりの操舵角の時系列データを取得する工程と、操舵トルク当たりの操舵角の時系列データを周波数分析し、周波数応答特性のゲインを取得する工程と、予め設定された周波数領域でのゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能を評価する評価工程を含む。
このように、本発明の評価方法では、単一のハンドルの操舵速度ではなく、予め設定された周波数領域でゲインが取得される。この周波数領域は、例えば、実走行で頻繁に使用される操舵速度(周波数)範囲に設定されることにより、ドライバーの官能評価により近づけたタイヤの操縦安定性能の評価が可能になる。
本実施形態の評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の操舵角取得工程の一例を示すフローチャートである。 操舵角と時間との関係を示したグラフである。 操舵トルクと時間との関係を示したグラフである。 操舵トルク当たりの操舵角と、操舵角の周波数との関係を示したグラフである。 操舵トルク当たりの操舵角の周波数応答特性のゲインを示したグラフである。 実走行でのドライバーの操舵速度とその頻度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤの操縦安定性能の評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある)は、評価対象のタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)の操縦安定性能を、ドライバーの官能評価に近づけて評価するための方法である。本実施形態の評価方法では、評価対象のタイヤが四輪自動車に装着されて、操縦安定性能が評価される。
図1には、本実施形態の評価方法の具体的な処理手順が示される。本実施形態の評価方法では、先ず、タイヤが装着された四輪自動車を走行させて、ハンドルの操舵角の時系列データが取得される(操舵角取得工程S1)。
図2には、本実施形態の操舵角取得工程S1の具体的な処理手順が示される。本実施形態の操舵角取得工程S1では、先ず、評価対象のタイヤが四輪自動車に装着される(工程S11)。本実施形態では、評価対象のタイヤを、正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填して、四輪自動車の全輪に装着される。また、タイヤには、例えば、正規荷重の45〜70%程度の荷重が負荷されている。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" を意味する。
「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とする。
次に、ハンドルの操舵パターンが、自動操舵装置に入力される(工程S12)。自動操舵装置は、予め入力された操舵パターンに従って、四輪自動車のハンドルを自動的に操舵するものである。
操舵パターンとしては、例えば、ハンドルを、中立状態から左に操舵した後、中立状態を経て、右に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期とする左右連続操舵が設定される。なお、左右連続操舵は、ハンドルを、中立状態から右に操舵した後、中立状態を経て、左に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期としてもよい。また、操舵パターンは、左右連続操舵が、周期(操舵速度)を変化させながら連続的に行われている。本実施形態の操舵パターンは、時間の経過とともに、周期を漸減(本実施形態では、0.3Hz〜2.0Hzの範囲で操舵の周波数を漸増)させている。
次に、四輪自動車を走行させ、左右連続操舵が、周期を変化させながら連続的に行われ、ハンドルの操舵角の時系列データが取得される(工程S13)。工程S13では、先ず、四輪自動車を、所定の走行速度になるまで加速させる。次に、操舵入力パターンに従って、自動操舵装置により、左右連続操舵が自動的に行われる。そして、左右連続操舵が行われている間、ハンドルの操舵角が連続的に測定される。この操舵角の測定結果に基づいて、図3に示す操舵角Asと時間との関係を示したグラフ(操舵角Asの時系列データ)が取得される。
図3に示した操舵角Asの時系列データでは、操舵角Asが正弦波曲線に沿って連続的に変化している。操舵角0度は、中立状態のハンドルの位置を示している。また、正の操舵角は、中立状態から右に操舵した状態を示している。さらに、負の操舵角は、中立状態から左に操舵した状態を示している。なお、操舵角Asの測定は、ハンドルの操舵角及びハンドルに加えられる操舵トルクを測定できる操舵力角計が用いられるのが望ましい。また、本実施形態では、自動操舵装置によって、左右連続操舵が自動的に行われるものが例示されたが、ドライバーによって操舵されてもよい。
次に、ハンドルに加えられた操舵トルクが測定され、操舵トルクの時系列データが取得される(工程S2)。本実施形態の工程S2では、先ず、ハンドルが自動操舵されている間、ハンドルに加えられた操舵トルクが、操舵力角計によって連続的に測定される。そして、操舵トルクの測定結果に基づいて、図4に示す操舵トルクTsと時間との関係を示したグラフ(操舵トルクTsの時系列データ)が取得される。この操舵トルクTsの時系列データにおいて、正の操舵トルクTsは、中立状態から右に操舵した際のトルクの大きさを示している。また、負の操舵トルクTsは、中立状態から左に操舵した際のトルクの大きさを示している。なお、操舵角Asの時系列データ及び操舵トルクTsの時系列データの取得の際には、パワーステアリングをオフにしている。
次に、2つの時系列データに基づいて、操舵トルク当たりの操舵角の周波数データが取得される(工程S3)。この工程S3では、先ず、操舵角Asの時系列データ(図3に示す)、及び、操舵トルクTsの時系列データ(図4に示す)をフーリエ変換し、それらの周波数毎に計算されたパワースペクトルを割り算することにより、図5に示す操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)と、操舵角Asの周波数との関係を示したグラフ(操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)の周波数データ)が取得される。
本実施形態の操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)の周波数データでは、操舵角Asの周波数が0.3Hz〜1.35Hzにおいて、操舵角Asの周波数が大きくなるにしたがい、操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)が漸増する傾向がある。これは、操舵角Asの周波数が大きくなるほど、ドライバーが、ハンドルの操舵が軽いと感じる傾向があることを示している。一方、操舵角Asの周波数が1.35Hz〜2.0Hzにおいて、操舵角Asの周波数が大きくなるにしたがい、操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)が漸減する傾向がある。これは、操舵角Asの周波数が大きくなるほど、ドライバーが、ハンドルの操舵が重いと感じる傾向があることを示している。
次に、操舵トルク当たりの操舵角の周波数応答特性のゲインが取得される(工程S4)。この工程S4では、図5に示した操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)の周波数データが、操舵角Asの各周波数に基づいて、周波数分析(FFT処理)が実施される。これにより、図6に示す操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)の周波数応答特性のゲインが求められる。
なお、工程S4では、図5に示した操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)の周波数データに対して、窓関数を2秒刻みでずらしてFFT処理を複数回実施し、複数の処理結果から、各周波数のパワースペクトルの最大値を、各周波数の操舵トルク当たりの操舵角(As/Ts)のゲインGとするのが望ましい。これは、例えば、広い周波数領域を一度の窓関数をかけてFFT処理する場合に比べて、特定の周波数に含まれるノイズの影響を低減することができ、計算精度を高めることができるためである。
次に、予め設定された周波数領域でのゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能が評価される(評価工程S5)。
図6に示す周波数応答特性のゲインでは、例えば、複数の周波数を含む周波数領域において、各周波数のゲインの変化が小さいほど、操舵トルクに対する操舵角(As/Ts)の線形性が高いことを示している。この場合、ドライバーがハンドルの操舵速度を変えても、ハンドルの重さが急に重くなったり、又は軽くなったりすることがない。このため、ドライバーの官能評価では、ハンドルの手応えが良好であり、タイヤの操縦安定性能が優れると判断される傾向がある。従って、本実施形態の評価工程S5では、周波数領域において、各周波数のゲインの変化が小さいほど、タイヤの操縦安定性能が良好と判断される。
一方、周波数応答特性のゲインでは、例えば、周波数領域において、各周波数のゲインの変化が大きいほど、操舵トルクに対する操舵角(As/Ts)の線形性が低いことを示している。この場合、ドライバーがハンドルの操舵速度を変えると、ハンドルの重さが急に重くなったり、又は軽くなったりする。このため、ドライバーの官能評価では、ハンドルの手応えが不良であり、タイヤの操縦安定性能が劣ると判断される傾向がある。従って、本実施形態の評価工程S5では、周波数領域において、各周波数のゲインの変化が大きいほど、タイヤの操縦安定性能が不良と判断される。
このように、評価工程S5では、周波数応答特性のゲインが求められることにより、ドライバーの官能評価に近づけて、タイヤの操縦安定性能を評価することができる。従って、本発明の評価方法では、周波数領域が、例えば、実走行で頻繁に使用される操舵速度(周波数)範囲に設定されることにより、ドライバーの官能評価により近づけたタイヤの操縦安定性能の評価が可能になる。
図7には、実走行でのドライバーの操舵速度(周波数)とその頻度との関係を示すグラフが示されている。このグラフから明らかなように、実走行で頻繁に使用される操舵速度(周波数)範囲は、0.2Hz〜1.0Hzである。このため、本実施形態のタイヤの操縦安定性能が評価される周波数領域は、0.2Hz〜1.0Hzが望ましい。これにより、評価工程S5では、実走行で頻繁に使用される周波数領域でのゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能が評価される。従って、評価工程S5では、ドライバーの官能評価に効果的に近づけて、タイヤの操縦安定性能を評価することができる。
なお、周波数領域の下限値が、0.2未満であると、実走行で頻繁に使用される周波数領域から外れるため、タイヤの操縦安定性能を精度良く評価できないおそれがある。また、周波数領域の上限値が、1.0を超えても、実走行で頻繁に使用される周波数領域から外れるおそれがある。このため、周波数領域は、より好ましくは0.3Hz以上が望ましく、また、より好ましくは0.8Hz以下が望ましい。
また、評価工程S5は、周波数領域から選択される第1の周波数でのゲインGaと、第1の周波数とは異なる第2の周波数でのゲインGbとの差(Ga−Gb)の絶対値に基づいて、操縦安定性能が評価されるのが望ましい。これにより、評価工程S5では、周波数領域において、ゲインの変化を定量的に求められるため、タイヤの操縦安定性能の評価のバラツキを防ぐことができる。
また、第1の周波数は、前記周波数領域のうち、最小の周波数が望ましく、また、第2の周波数は、周波数領域のうち、最大の周波数が望ましい。これにより、評価工程S5では、周波数領域の全範囲での差(Ga−Gb)に基づいて、タイヤの操縦安定性能が評価される。
また、評価工程S5では、差(Ga−Gb)の絶対値が0.002dB以下のときに、操縦安定性能が良好であると判断されるのが望ましい。なお、差(Ga−Gb)の絶対値が0.002dBを超えると、ゲインの変化が大きくなり、ドライバーの官能評価において、タイヤの操縦安定性能が劣ると判断される傾向がある。このため、差(Ga−Gb)の絶対値は、より好ましくは、0.001dB以下である。
左右連続操舵は、四輪自動車の走行速度が60〜120km/hで行われるのが望ましい。なお、四輪自動車の走行速度が60km/h未満であると、ハンドルに加えられた操舵トルクが小さくなり、評価対象の複数のタイヤ1間において、操縦安定性能の差を明確に評価することが難しくなるおそれがある。逆に、四輪自動車の走行速度が100km/hを超えると、ドライバーが通常走行する速度を超えてしまい、ドライバーの官能評価により近づけたタイヤの操縦安定性能の評価が難しくなるおそれがある。さらに、四輪自動車の走行速度が100km/hを超えると、タイヤ1のグリップ限界を迎えて、操舵トルクを測定できなくなるおそれがある。このような観点より、四輪自動車の走行速度は、より好ましくは、80〜100km/hである。
また、左右連続操舵は、ハンドルを中立状態から右に操舵したときのタイヤのスリップ角を正、かつ、中立状態から左に操舵したときのスリップ角を負としたときに、タイヤに−1.5〜1.5度の範囲でスリップ角を与えるのが望ましい。これにより、本実施形態では、例えば、高速走行時において、ドライバーが通常行う操舵の範囲内で、周波数応答特性のゲインが取得されるため、ドライバーの官能評価に近づけて、操縦安定性を評価しうる。
さらに、本実施形態の評価方法では、アンダーステアの四輪自動車で実施されるのが望ましい。なお、オーバーステアの四輪自動車で実施されると、ハンドルを操舵方向と車両が動く方向とが異なるため、ハンドルの手応えに基づく操縦安定性能の十分に評価できなくなるおそれがある。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1及び図2に示した処理手順に従って、左右連続操舵を、周期を変化させながら連続的に行い、周波数応答特性のゲインが取得された。そして、周波数応答特性のゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能が評価された(実施例1〜11)。
また、比較のために、左右連続操舵を、一定の周波数(0.3Hz)を維持して行い、タイヤの物理量(操舵角及び操舵トルク等)が測定された。そして、これらの物理量から、タイヤの操縦安定性能が評価された(比較例1、2)。なお、共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:175/65R14
リムサイズ:14×5J
内圧:230kPa
荷重:
前輪:2.75kN、後輪:2.25kN(正規荷重:4.66kN)
四輪自動車:本田技研工業株式会社製のフィット(排気量1300cc)
操舵入力:ドライバーによる操舵
操舵力角計:共和電業株式会社製の操舵力角計(SFA-E-SA20)
そして、10人のドライバー(評価経験:1〜10年)による官能評価(タイヤの操縦安定性能)が行われ、該官能評価と、実施例1〜11、及び、比較例1、2の評価結果との合致率が求められた。合致率が高いほど、評価方法が、ドライバーの官能評価に近づけうることを示している。テストの結果を表1に示す。
Figure 2015072172
Figure 2015072172
テストの結果、実施例の評価方法は、ドライバーの官能評価との合致率が高く、ドライバーの官能評価に近づけうることが確認できた。
S1 ハンドルの操舵角の時系列データを取得する工程
S2 操舵トルクの時系列データを取得する工程
S3 操舵トルク当たりの操舵角の時系列データを取得する工程
S4 タイヤの操縦安定性能を評価する評価工程

Claims (5)

  1. タイヤの操縦安定性能を評価する方法であって、
    前記タイヤが装着された四輪自動車を走行させ、前記四輪自動車のハンドルを、中立状態から左及び右の一方に操舵した後、中立状態を経て、左及び右の他方に操舵し、再び中立状態に戻す操舵を1周期とする左右連続操舵を、前記周期を変化させながら連続的に行い、前記ハンドルの操舵角の時系列データを取得する工程と、
    前記ハンドルに加えられた操舵トルクを連続的に測定し、前記操舵トルクの時系列データを取得する工程と、
    前記2つの時系列データに基づいて、前記操舵トルク当たりの前記操舵角の周波数データを取得する工程と、
    前記操舵トルク当たりの操舵角の周波数データを周波数分析し、周波数応答特性のゲインを取得する工程と、
    予め設定された周波数領域での前記ゲインに基づいて、タイヤの操縦安定性能を評価する評価工程とを含むことを特徴とするタイヤの操縦安定性能の評価方法。
  2. 前記周波数領域は、0.2〜1.0Hzである請求項1記載のタイヤの操縦安定性能の評価方法。
  3. 前記評価工程は、前記周波数領域から選択される第1の周波数での前記ゲインと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数での前記ゲインとの差の絶対値に基づいて、前記操縦安定性能を評価する請求項1又は2のいずれかに記載のタイヤの操縦安定性能の評価方法。
  4. 前記ハンドルを中立状態から右に操舵したときのタイヤのスリップ角を正、かつ、中立状態から左に操舵したときのスリップ角を負としたときに、前記左右連続操舵は、前記タイヤに−1.5〜1.5度のスリップ角を与える請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの操縦安定性能の評価方法。
  5. 前記左右連続操舵は、前記四輪自動車の走行速度が60〜120km/hで行われる請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの操縦安定性能の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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