JP2015067885A - 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法 - Google Patents

蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015067885A
JP2015067885A JP2013204776A JP2013204776A JP2015067885A JP 2015067885 A JP2015067885 A JP 2015067885A JP 2013204776 A JP2013204776 A JP 2013204776A JP 2013204776 A JP2013204776 A JP 2013204776A JP 2015067885 A JP2015067885 A JP 2015067885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor deposition
deposition mask
metal layer
thickness direction
metal plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013204776A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6221585B2 (ja
Inventor
崎 洋 島
Hiroshi Shimazaki
崎 洋 島
田 淳 一 山
Junichi Yamada
田 淳 一 山
謙太朗 関
Kentaro Seki
謙太朗 関
田 透 奥
Toru Okuda
田 透 奥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013204776A priority Critical patent/JP6221585B2/ja
Publication of JP2015067885A publication Critical patent/JP2015067885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6221585B2 publication Critical patent/JP6221585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F1/00Etching metallic material by chemical means
    • C23F1/02Local etching

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる蒸着マスクを提供する。
【解決手段】蒸着マスク20は、第1金属層30と、厚み方向における一方の側から第1金属層30に積層された第2金属層40と、を備える。第1金属層30及び第2金属層40を貫通する複数の貫通孔25が形成されている。隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、第2金属層40のうちの二つの貫通孔25の間に位置する部分の一方の側を向く一側面46は、両端において、厚み方向における最も一方の側に位置し、且つ、両端の間の少なくとも一部分において、厚み方向における他方の側へ凹んでいる。
【選択図】図4

Description

本発明は、所望のパターンで蒸着を行うために用いられる蒸着マスクに係り、とりわけ、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる蒸着マスクに関する。また、本発明は、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる蒸着マスクの製造方法に関する。
従来、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着用マスクを用い、所望のパターンで薄膜を形成する方法が知られている。そして、昨今においては、例えば有機EL表示装置の製造時において有機材料を基板上に蒸着する場合等、極めて高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことが要望されている。なお、蒸着用マスクは、一般的に、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成することにより、製造され得る。
一方、特許文献1では、金属層とめっき層とを有した蒸着マスクを次のようにして製造することが提案されている。まず、レジストパターンをマスクとして、金属板の一方の面上にめっき層を所望のパターンで形成する。次に、金属板の他方の面に形成されたレジストパターンをマスクとして、当該金属板を他方の面からエッチングして貫通孔を形成する。図12に示すように、特許文献1に開示された製造方法で製造された蒸着マスク120において、貫通孔125は、めっき層140のパターンにて画成される。フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングは、深さ方向だけでなく金属板135の板面に沿った方向への浸食(サイドエッチング)を必然的にともなう。したがって、エッチングのみによって金属板に貫通孔を形成した蒸着マスクと比較して、特許文献1の製造方法で製造された蒸着マスク120では、貫通孔130を高精細に形成することができる。
特開2005−314787号公報
図12に示すように、特許文献1の製造方法で製造された蒸着マスクは、めっき層が蒸着処理を施される被処理基板192に対面するようにして配置される。しかしながら、めっき層の表面は、厳密には平坦とはならい。電気めっきにおいては、電気力線がめっきエリアの外周部に集中する。このため、めっき膜厚がめっきエリアの外周部で相対的に厚く、中央部で薄くなる傾向が生じる。したがって、図14に示すように、厚み方向に沿った断面における二つの貫通孔の間に位置するめっき層140の一部分の中において、両側が厚くなる。また、1枚の蒸着マスクにおいては、外周部に位置するめっき層が厚くなる。めっき層の膜厚分布を均一化するための様々な工夫もされているが、めっき層の膜厚を完全に均一にすることは現状不可能である。
そして、厚さの均一性に欠けるめっき層のみを介して蒸着マスクが被処理基板に接触すると、蒸着マスクと被処理基板との相対位置関係が安定しない。例えば、蒸着マスクが、局所的に、被処理基板に対して傾斜する或いは被処理基板との間に隙間を形成する。特に、一枚の蒸着マスク内において、めっき層の厚みがばらつくと、被処理基板に接する面が同一平面でなくなるので、蒸着マスクと被処理基板との間の隙間が顕著となる。この場合、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことはできない困難となる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる蒸着マスク、並びに、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる蒸着マスクの製造方法を提供することを目的とする。
ところで、本件発明者らが特許文献1に開示された蒸着マスクの製造方法およびこの製造方法によって得られる蒸着マスクについて、検討を重ねたところ、次の不具合が生じ得ることが知見された。
蒸着処理において、蒸着材料は、蒸着マスクの板面への法線方向(以下、厚み方向とも呼ぶ)だけでなく、厚み方向に対して傾斜した方向にも進む。一方、特許文献1では、めっき層が、レジストパターンを利用して形成される。したがって、めっき層の断面形状は矩形形状となり、めっき層は、正面方向に切り立った側面を有するようになる。したがって、めっき層近傍となる被処理基板上の領域、言い換えると、蒸着マスクの貫通孔の周縁近傍に対面する被処理基板上の領域には、十分な量の蒸着材料が到達しにくくなる。この現象は、シャドウとも呼ばれ、予定した蒸着領域内で蒸着膜の膜厚が大きく変動する、さらには、予定した蒸着領域の周縁部に蒸着材料を付着させることができない、言い換えると所望のパターンでの蒸着を行うことができないといった不具合として現れる。
また、特許文献1の製造方法において、めっき層の厚みは、めっき層を形成する工程の条件によって変動する。めっき層の厚みが異なれば、同一の条件で蒸着処理を行っても、同様の成膜を行うことができなくなる。すなわち、ロット間で蒸着膜の構成が異なってしまうといった不具合が生じる。
さらに、めっき層の厚みが、局所的または全体的に厚くなると、シャドウの問題が生じる。
本件発明が、これらの不具合にも対処することができれば好ましい。
本発明による第1の蒸着マスクは、
第1金属層と、
厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記一方の側を向く一側面は、両端において、厚み方向における最も一方の側に位置し、且つ、前記両端の間の少なくとも一部分において、厚み方向における他方の側へ凹んでいる。
本発明による第2の蒸着マスクは、
第1金属層及び
厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、前記他方の側に膨出した面となっている。
本発明による第3の蒸着マスクは、
第1金属層及び
厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、その両端をそれぞれ含む一対の端部領域において、前記第1金属層に覆われることなく前記貫通孔の内面を形成している。
本発明による第4の蒸着マスクは、
第1金属層及び
厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層の前記二つの貫通孔の間に位置する部分は、その両端において厚み方向における最も一方の側に位置するよう、少なくとも一部分において湾曲している。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、前記一側面は、両端をそれぞれ画成する一対の外側面と、一対の外側面の間に位置し且つ厚み方向における他方の側へ凹んだ凹面と、を含むようにしてもよい。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、前記一対の外側面は、厚さ方向に直交する同一仮想平面上に位置していてもよい。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、前記他方の側に膨出した面となっていてもよい。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、その両端をそれぞれ含む一対の端部領域において、前記第1金属層に覆われることなく前記貫通孔の内面を形成していてもよい。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記端部領域内の前記他側面は、対応する側の端に接近するにつれて、厚み方向における前記他方の側から前記一方の側へ向かうようにしてもよい。
本発明による第1〜4の蒸着マスクのいずれかにおいて、前記第1金属層は、厚み方向に沿った断面において前記貫通孔内に突出した周状の張り出し部を、当該貫通孔の内面を形成する部分の厚み方向における前記一方の側の端部と前記他方の側の端部との間に含むようにしてもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法は、
金属板の一方の側の面上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記一方の側の面から前記金属板をエッチングして凹部を形成する工程と、
前記レジストパターンが設けられた状態の前記金属板を前記一方の側からめっきして前記凹部の表面上にめっき層を形成する工程と、
前記金属板の他方の側の面上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記他方の側の面から前記金属板をエッチングする工程と、を備える。
本発明による蒸着マスクの製造方法の前記他方の側の面から前記金属板をエッチングする工程において、前記金属板に貫通孔を形成してもよい。
本発明による蒸着マスクの製造方法は、
前記金属板の一方の側の面上に形成された前記レジストパターンを除去する工程と、
前記金属板の前記一方の側の面から前記レジストパターンが除去された後に、前記金属板の一方の側の面上に形成された前記めっき層をマスクとして前記一方の側から前記金属板をエッチングする工程と、をさらに備えるようにしてもよい。
本発明の蒸着マスク、並びに、本発明の蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクによれば、高精細なパターンでの蒸着を精度良く行うことができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図である。 図3は、図1に示された蒸着マスクを示す部分平面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図6は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図7は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図8は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図9は、蒸着マスクの製造方法の一例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図10は、蒸着マスクの製造方法の一変形例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図11は、蒸着マスクの製造方法の一変形例を説明するための図であって、図4に対応する断面を示す図である。 図12は、図4に対応する図であって、従来の蒸着マスクを示す図である。 図13は、図8に対応する図であって、図12の蒸着マスクを説明するための図である。 図14は、図11に対応する図であって、図12の蒸着マスクを説明するための図である。 図15(a)は、図11の前の状態を示す図であり、図15(b)は、図14の前の状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図9は本発明による一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機ELディスプレイ装置を製造する際に有機発光材料を所望のパターンでガラス基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクの製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法に対し、本発明を適用することができる。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」はシートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、例えば「金属板」は、「金属シート」や「金属フィルム」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
まず、製造方法対象となる蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、主に図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す蒸着マスク装置の使用方法を説明するための図である。図3は、蒸着マスクを示す平面図であり、図4は、蒸着マスクの縦断面図である。
蒸着マスク装置10は、フレーム15と、フレーム15に架張された(張った状態で固定された)蒸着マスク20と、を有している。蒸着マスク20は、平板状に形成され、一対の主面として厚み方向における一方の側に位置する第1面20a及び他方の側に位置する第2面20bを有している。蒸着マスク20には、第1面20aと第2面20bとの間を貫通する多数の貫通孔25が形成されている。この蒸着マスク装置10は、図2に示すように、蒸着マスク20の第1面20aが、蒸着処理を施される被処理基板、例えばガラス基板92に対面するようにして蒸着装置90内に支持され、基板への蒸着材料の蒸着に使用される。
なお、厚み方向とは、蒸着マスク20の板面への法線方向である。そして、本実施の形態の説明において、厚み方向における一方の側とは、蒸着マスク20を蒸着処理に使用する際に、ガラス基板92に対面する側であり、厚み方向における他方の側とは、蒸着マスク20を蒸着処理に使用する際に、ガラス基板92とは反対側(つまり、るつぼ94の側)を向く側である。
蒸着装置90内では、不図示の磁石からの磁力によって、蒸着マスク20とガラス基板92とが密着するようになる。蒸着装置90内には、この蒸着マスク装置10を挟んだガラス基板92の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華してガラス基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を介してガラス基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98がガラス基板92の表面に成膜される。
図1に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20は、規則的な配列で貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいる。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であり、基板へ蒸着されることを意図された蒸着材料が通過する領域ではない。例えば、有機ELディスプレイ装置用の有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク20においては、有効領域22は、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる基板(ガラス基板92)上の区域、すなわち、作製された有機ELディスプレイ装置用基板の表示面をなすようになる基板上の区域に対面する、蒸着マスク20内の領域のことである。ただし、種々の目的から、周囲領域23に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。図1に示された例において、各有効領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。
図示された例において、複数の有効領域22は、蒸着マスク20の一辺と平行な一方向に沿って所定の間隔を空けて配置されるとともに、前記一方向と直交する他方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。図示された例では、一つの有効領域22が一つの有機ELディスプレイ装置に対応するようになっている。すなわち、図1に示された蒸着マスク装置10(蒸着マスク20)によれば、多面付蒸着が可能となっている。ただし、図示された例に限られず、蒸着マスク20が、一方向に沿って一列に配列された複数の有効領域22を含み、且つ、蒸着マスク装置10が、その長手方向(一方向)に直交する方向に配列されてフレーム15に取り付けられた複数の蒸着マスク20を有するようにしてもよい。
図3に示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、格子配列にて配列されている。すなわち、複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿って、すなわち図3におけるx軸方向およびy軸方向に沿って、それぞれ所定のピッチで配列されている。図3に示された例では、y軸方向に隣り合う二つの貫通孔25の離間間隔が、x軸方向に隣り合う二つの貫通孔25の離間間隔よりも狭くなっている。したがって、図示された蒸着マスク20を用いた蒸着処理では、x軸方向よりもy軸方向に沿って蒸着材料を高精度に付着させていくことの方が、難易度が高くなる。
図3及び図4に示すように、蒸着マスク20は、第1金属層30と、厚み方向における一方の側から第1金属層30に積層された第2金属層40と、を含んでいる。第1金属層30は、金属製薄板である金属板35からなる層であり、互いに対向する第1面30a及び第2面30bを有している。第1金属層30の第1面30aは、厚み方向における一方の側を向き、第1金属層30の第2面30bは、厚み方向における他方の側を向いている。一方、第2金属層40は、多数の孔41を画成するパターンにて、第1金属層30の第1面30a上に設けられている。後述する製造方法において、第2金属層40は、めっき処理によって、形成される。
第1金属層30には、第2金属層40の各孔41に通じる孔31が形成されている。第1金属層30の孔31及び第2金属層40の孔41が接続することにより、貫通孔25が形成されている。図4に示すように、図示された例では、一つの貫通孔25に対して、孔31及び孔41がそれぞれ一つずつ形成されている。すなわち、一つの孔31と、当該孔31に対応して設けられた孔41とが接続することにより、各貫通孔25が形成されている。なお、後述する製造方法において、第1金属層30の孔31は、金属板35の第2面35b上に形成されたレジストパターン62をマスクとして、第2面35bの側から金属板35をエッチングすることにより形成される。
図3は、厚み方向における他方の側から蒸着マスク20を示す平面図である。第1金属層30に形成された孔31の大きさは、第2金属層40に形成された孔41の大きさよりも大きくなっている。とりわけ図3に示すように、厚み方向からの観察において、孔31の内周縁31aは、孔41の内周縁41aから離間して内周縁41aの外方を延びている。すなわち、厚み方向からの観察において、孔31の内周縁31aは、孔41の内周縁41aを内包している。したがって、図3に示すように、厚み方向における他方の側から蒸着マスク20を観察した場合、第2金属層40が、貫通孔25内に、周状に観察されるようになる。
一方、図4は、隣り合う二つの貫通孔25を横切る厚み方向に沿った蒸着マスク20の断面図である。具体的には、図3のIV−IV線に沿った蒸着マスク20の断面図である。図4に示すように、厚み方向における他方の側から一方の側へ向けて、すなわち、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側へ向けて、厚み方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った断面での各孔31の断面積は、しだいに小さくなっていく。言い換えると、厚み方向に沿った断面において、厚み方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った各孔31の幅は、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向けて、しだいに小さくなっていく。とりわけ図示された例では、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向け、各孔31の断面積は、小さくなるように変化し続けている。図4に示すように、孔31の壁面31bは、その全領域において厚み方向と非平行な方向に延びており、厚み方向に沿った他方の側に向けて露出している。
同様に、図4に示すように、厚み方向における他方の側から一方の側へ向けて、すなわち、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側へ向けて、厚み方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った断面での各孔41の断面積は、しだいに小さくなっていく。言い換えると、厚み方向に沿った断面において、厚み方向に沿った各位置における蒸着マスク20の板面に沿った各孔41の幅は、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向けて、しだいに小さくなっていく。とりわけ図示された例では、蒸着マスク20の第2面20bの側から第1面20aの側に向け、各孔41の断面積は、小さくなるように変化し続けている。図4に示すように、孔41の壁面41bは、その全領域または端部を除く概ね全領域において厚み方向と非平行な方向に延びており、厚み方向に沿った他方の側に向けて露出している。
図4に示された隣り合う二つの貫通孔25を横切る厚み方向に沿った断面において、第2金属層40の二つの貫通孔25の間に位置する部分は、その両端において厚み方向における最も一方の側に位置するよう、少なくとも一部分において湾曲している。図示された例において、第2金属層40は、薄い層として形成されており、厚み方向における他方の側に向けて凸となるように、そのほぼ全長に亘って湾曲した形状となっている。結果として、図4に示された断面において、第2金属層40のうちの二つの貫通孔25の間に位置する部分の一方の側を向く一側面46は、厚み方向に直交する方向(すなわち、蒸着マスク20の板面に沿った方向)での両端において、厚み方向における最も一方の側に位置し、且つ、当該両端の間の少なくとも一部分において、厚み方向における他方の側へ凹んでいる。
このような蒸着マスク20では、蒸着マスク20の二つの貫通孔25の間となる領域において、蒸着マスク20の第2金属層40の一側面46のうちの各貫通孔25に隣接する部位が、厚み方向において最も一方の側に位置する。すなわち、図4に示すように、二つの貫通孔25の間となる領域において、蒸着マスク20の第1面20aをなす第2金属層40のうちの貫通孔25に隣接する両側縁部のみが、図4に二点鎖線で示すように蒸着処理を行う際に、ガラス基板92に接触するようになり、当該両側縁の間となる部位は、ガラス基板92から厚み方向における他方の側へ離間する。このような蒸着マスク20によれば、蒸着処理の間、蒸着マスク20の第1面20aが、貫通孔25の周縁となる部位において、ガラス基板92に安定して密着することができる。これにより、蒸着マスク20とガラス基板92との間に隙間が形成されてしまうといった不具合が解消され、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
とりわけ図4に示された例では、後述する製造方法に起因して、蒸着マスク20の二つの貫通孔25の間となる領域において、第2金属層40の一側面46が、両端をそれぞれ画成する一対の外側面47aと、一対の外側面47aの間に位置し且つ厚み方向における他方の側へ凹んだ凹面47bと、を含んでいる。このような蒸着マスク20によれば、図4に二点鎖線で示すように蒸着処理の間、蒸着マスク20の第1面20aが、貫通孔25の周縁に位置する第2金属層40の外側面47aにおいてガラス基板92の表面に接触することが可能となる。結果として、高精細なパターンでの蒸着をより精度良く安定して実施することができる。
また、図4に示された例では、蒸着マスク20の二つの貫通孔25の間となる領域において第2金属層40の一側面46の両端をなす一対の外側面47aは、厚さ方向に直交する同一の仮想面上、すなわち、蒸着マスク20の板面と平行な或る仮想面上に位置する。より厳密には、後述する製造方法に起因して、蒸着マスク20に含まれる外側面47aは、同一面上、より具体的には、第1金属層30の形成に用いられた金属板35の第1面35a上に位置するようになる。このような蒸着マスク20によれば、図4に二点鎖線で示すように蒸着処理の間、蒸着マスク20の第1面20aが、貫通孔25の周縁に位置する第2金属層40の外側面47aにおいてガラス基板92の表面に面接触することが可能となる。結果として、高精細なパターンでの蒸着をさらに精度良く安定してガラス基板92上に行うことができる。
また、図4に示された断面において、第2金属層40が湾曲した薄い層として形成されていることから、第2金属層40のうちの二つの貫通孔25の間に位置する部分の他方の側を向く他側面48は、他方の側に膨出した面となっている。そして、図4に示された断面において、第2金属層40のうちの二つの貫通孔25の間に位置する部分の他方の側を向く他側面48は、その両端をそれぞれ含む一対の端部領域49aにおいて、第1金属層30に覆われることなく貫通孔25の内面、すなわち、孔41の壁面41bを形成している。図4に示されているように、端部領域49a内の他側面48は、対応する側の端に接近するにつれて、厚み方向における他方の側から一方の側へ向かうようになっている。
ところで、図2に示すようにして蒸着マスク装置10が蒸着装置90に収容された場合、図4に二点鎖線で示すように、蒸着マスク20の第2面20bが蒸着材料98を保持したるつぼ94側に位置し、蒸着マスク20の第1面20aがガラス基板92に対面する。したがって、蒸着材料98は、次第に断面積が小さくなっていく孔31を通過してガラス基板92に付着する。蒸着材料98は、るつぼ94からガラス基板92に向けて蒸着マスク20内を厚み方向に沿って移動するだけでなく、図4に一点鎖線で示すように、厚み方向に対して大きく傾斜した方向に移動することもある。このとき、従来技術の欄で説明したように、めっき層140が厚みを有する矩形形状からなり切り立った側面を有する場合には、図12に示すように、斜めに移動する蒸着材料98は、蒸着マスク20に付着してガラス基板92まで到達しにくくなる。また、ガラス基板92上の貫通孔25に対面する領域内のうち、貫通孔25の周縁に対面するガラス基板92上の領域には、蒸着材料98が到達しにくくなる。この現象は、シャドウとも呼ばれ、予定した蒸着領域内で蒸着膜の膜厚が大きく変動する、さらには、予定した蒸着領域の周縁部に蒸着材料を付着させることができない、言い換えると所望のパターンでの蒸着を行うことができないといった不具合として現れる。
一方、第2金属層40の他側面48が上述した図4の形状となっている本実施の形態によれば、孔41をなす壁面が厚み方向に対して大きく傾斜しているので、斜め方向に進む蒸着材料98も、蒸着膜の形成に効率的に使用することができる。したがって、蒸着材料の利用効率(成膜効率:ガラス基板92に付着する割合)を高めて高価な蒸着材料を節約することが可能となる。また、高価な蒸着材料を用いた成膜を所望の領域内に安定してむらなく実施することができる、すなわち、シャドウの発生を効果的に抑制することができる。
また、図示された蒸着マスク20では、y軸方向に沿って、貫通孔25がより短い離間間隔で配置されている。そして、y軸方向に沿って隣り合う二つの貫通孔25の壁面は、金属板35の第1面35aと第2面35bとの間で合流している。後述するように、この孔31は、金属板35を第2面35bの側からエッチングすることによって形成されている。そして、孔31を形成する際、隣り合う二つの孔31の間に、金属板35の第2面35bが残存しないようにしている。このような孔31によって貫通孔25が形成された蒸着マスク20においては、次に説明するように、蒸着材料98の利用効率の改善およびシャドウの発生の回避を効果的に実現することができる。
エッチングによって形成される孔又は凹部の壁面は、一般的に、浸食方向に向けて凸な放物線に沿った曲面となる。したがって、エッチングによって形成された孔または凹部の壁面は、エッチングの開始側となる領域において切り立ち、エッチングの開始側とは反対側となる領域、すなわち孔または凹部の最も深い側においては、厚み方向に対して比較的に大きく傾斜するようになる。そして、図示された蒸着マスク20では、y軸方向に隣り合う二つの孔31の壁面31bが、エッチングの開始側において、合流しているので、貫通孔25の大部分をなす孔31の壁面31bを厚み方向に対して大きく傾斜させることができる。また、初めから厚みが薄くなっている金属板をエッチングして形成された孔と比較しても、図示された孔31の壁面31bは、エッチングの開始側となる切り立った部分を含まないようになるので、壁面の傾斜角度θを十分に大きくすることができる。これにより、ここで説明した蒸着マスク20を用いた場合、y軸方向に高精細なパターンでの蒸着を安定して高精度に実現し、同時に、蒸着材料98の利用効率の改善およびシャドウの発生の回避を実現することが可能となる。
さらに、図示された例においては、後述する製造方法に起因して、厚み方向に沿った断面での、二つの孔31の壁面31bの先端縁が合流する合流部分32の外輪郭が、面取された形状となっている。上述したように、一般的に、エッチングで形成される孔または凹部の壁面は、エッチングによる主たる進行方向に向けて凸となる曲面状となる。したがって、エッチングで形成された二つの孔を単純に部分的に重ね合わせると、図4に点線で示すように、合流部分32は、エッチングの開始側となる厚み方向における他方の側へ向けて、尖った形状となる。これに対して図示された蒸着マスク20では、合流部分32における尖った部分が面取されている。図4から理解されるように、この面取によって、貫通孔25の壁面がより大きく厚み方向に対して傾斜するようになる。これにより、より効果的に蒸着材料98の利用効率を改善し且つ所望のパターンでの蒸着を高精度且つ安定して実施することができる。
上述したように、本実施の形態では、貫通孔25が各有効領域22において所定のパターンで配置されている。一例として、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話やデジタルカメラ等のディスプレイ(2〜5インチ程度)を作製するために用いられる場合、貫通孔25の配列ピッチを、30μm以上40μm以下とすることも可能となる。なお、カラー表示を行いたい場合には、貫通孔25の配列方向(前述の一方向)に沿って蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)とガラス基板92とを少しずつ相対移動させ、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に蒸着させていってもよい。また、蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)が携帯電話のディスプレイを作製するために用いられる場合、各貫通孔25の配列方向(上述の一方向)に沿った幅(スリット幅)は、10μm以上13μm以下程度とすることができる。
なお、蒸着マスク装置10のフレーム15は、矩形状の蒸着マスク20の周縁部に取り付けられている。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように蒸着マスクを張った状態に保持する。蒸着マスク20とフレーム15とは、例えばスポット溶接により互いに対して固定されている。
蒸着マスク装置10は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部に保持される。したがって、蒸着マスク20およびフレーム15は、蒸着フレームの撓みや熱応力の発生を防止するため、熱膨張率が低い同一の材料によって作製されていることが好ましい。この観点から、蒸着マスク20の第1金属層30及びフレーム15は、例えば、36%Niインバー材を用いることができる。また、第2金属層40は、後述する製造方法を採用する場合、第1金属層30をなす金属板35のエッチング液に対する耐性を有した材料、例えば、金、金合金、ニッケル・りん合金、ニッケル・タングステン合金等を用いることができる。
以上のような蒸着マスク20によれば、隣り合う二つの貫通孔25を横切る厚み方向に沿った断面において、第2金属層40のうちの二つの貫通孔25の間に位置する部分の一側面46が、両端において、厚み方向における最も一方の側に位置し、且つ、両端の間の少なくとも一部分において、厚み方向における他方の側へ凹んでいる。このような蒸着マスク20によれば、蒸着処理の間、蒸着マスク20の第1面20aが、貫通孔25の周縁となる部位において、ガラス基板92に安定して密着することができる。これにより、蒸着マスク20とガラス基板92との間に隙間が形成されてしまうといった不具合が解消され、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
次に、このような蒸着マスク20の製造方法について、主に図5〜図9を用いて説明する。以下に説明する蒸着マスク20の製造方法では、帯状に延びる長尺の金属板35が供給され、この長尺金属板35にめっき層および貫通孔25が形成され、さらに長尺の金属板35を断裁することによって枚葉状の蒸着マスク20が得られる。
より具体的には、蒸着マスク20の製造方法は、帯状に延びる長尺の金属板35を供給する工程と、金属板35の第1面35a上に形成された第1レジストパターン61をマスクとして第1面35aの側から金属板35をエッチングして第1凹部36aを形成する工程と、第1レジストパターン61が設けられたままの状態の金属板35を第1面35aの側からめっき処理して第1凹部36aの表面上にめっき層からなる第2金属層40を形成する工程と、金属板35の第2面35b上に形成された第2レジストパターン62をマスクとして第2面35bの側から金属板35をエッチングする工程と、を含んでいる。以下に説明する製造方法では、第2凹部36bが金属板35の第1面35aまで到達することにより、金属板35に貫通孔25が形成される。また、以下に説明する製造方法では、第1凹部36aを形成する工程の前に、金属板35の第1面35a上に第1レジストパターン61を形成する工程が実施され、第2凹部36bを形成する工程の前に、金属板35の2面35b上に第2レジストパターン62を形成する工程が実施される。また、第1凹部36aを形成する工程の前に、金属板35の第2面35bを封止する工程が実施される。以下において、各工程の詳細を説明する。
まず、図5に示すように、金属板35の第1面35a上に第1レジストパターン61が形成されるとともに、金属板35の第2面35b上に第2レジストパターン62が形成される。一具体例として、次のようにしてネガ型のレジストパターン61,62が形成される。まず、金属板35の第1面35a上(図5の紙面における下側の面上)および第2面35b上に感光性レジスト材料を塗布し、金属板35上にレジスト膜を形成する。次に、レジスト膜のうちの除去したい領域に光を透過させないようにしたガラス乾板を準備し、ガラス乾板をレジスト膜上に配置する。その後、レジスト膜をガラス乾板越しに露光し、さらにレジスト膜を現像する。以上のようにして、金属板35の第1面35a上に第1レジストパターン61を形成し、金属板35の第2面35b上に第2レジストパターン62を形成することができる。
次に、図6に示すように、エッチング液に対する耐性を有した材料、例えば樹脂によって、第2レジストパターン62とともに金属板35の第2面35bが被覆される。すなわち、エッチング液に対する耐性を有した材料によって、金属板35の第2面35b上に封止層63が形成される。
その後、図7に示すように、金属板35上に形成された第1レジストパターン61をマスクとして、エッチング液(例えば塩化第二鉄溶液)を用いて、第1面35aの側から金属板35をエッチングする。例えば、エッチング液が、搬送される長尺の金属板35の第1面35aに対面する側に配置されたノズルから、第1レジストパターン61越しに金属板35の第1面35aに向けて噴射される。この結果、図7に示すように、金属板35のうちの第1レジストパターン61によって覆われていない領域で、まず、エッチング液による浸食が進む。ただし、図7に示すように、エッチング液により浸食は、金属板35のうちのエッチング液に触れている部分において行われていく。したがって、浸食は、金属板35の厚み方向だけでなく金属板35の板面に沿った方向にも進む。したがって、金属板35の第1面35aの形成された第1凹部36aは、第1レジストパターン61の裏面に対面する位置まで広がる。第1凹部36aの深さ(図8における深さd)は、5μm以下とすることが好ましい。以上のようにして、第1面35aの側から金属板35に多数の第1凹部36aが形成される。
次に、図8に示すように、めっき処理が施される。めっき処理は、例えば、電解めっき処理とすることができる。めっきされて第2金属層40を形成すべき材料は、上述のとおりである。めっき処理により、金属板35の露出した表面に、すなわち、金属板35に形成された第1凹部36aの表面に、めっきされた材料からなる第2金属層40が形成される。
図8に示すように、めっき処理の条件は、第2金属層40が第1凹部36aからはみ出さない条件、言い換えると、第2金属層40が第1凹部36a内に収まる条件とすることが好ましい。例えば、第2金属層40の厚みtが、第1凹部36aの浸食深さd以下とすることが好ましい。また、第1レジストパターン61の露出した裏面(厚み方向における他方の側となる面)の一部が、第2金属層40によって覆われていないようにすることが好ましい。このようなめっき処理の条件にて第2金属層40を形成した場合、上述した図7の第2金属層40を形成することができる。
すなわち、図4及び図7に示された断面において、第2金属層40の二つの貫通孔25の間に位置する部分は、その両端において厚み方向における最も一方の側に位置するよう、少なくとも一部分において湾曲する。また、上述した第2金属層40の一側面46は、一対の外側面47aと、一対の外側面47aの間を連結する凹面47bと、を有するようになる。そして、各外側面47aは、第1レジストパターン61の裏面によって形成される。したがって、各外側面47aは、金属板35の第1面35aと同一平面上に位置するようになる。このような第2金属層40によれば、上述したように、蒸着処理時に、蒸着マスク20の貫通孔25の周縁となる部分と、ガラス基板92との間の密着状態が確保され、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
これに対して、上述した特許文献1(特開2005−314787号公報)に開示された方法では、図12に示すように、第1凹部を形成することなく、レジストパターン161の開口によって露出した金属板135上にめっき層140が形成される。すなわち、第1レジストパターン61によって断面形状が整形され、これにより断面形状が安定する本実施の形態とは異なり、特許文献1に開示されためっき層140の厚みは、めっき処理の僅かな条件の相違に起因して変動する。そして、めっき層140の厚みが厚くなると、シャドウが発生する。加えて、蒸着処理時にガラス基板192上に発生するシャドウ領域の大きさが、使用される蒸着マスク120に応じて変化する。また、めっき層140の表面が平坦面とならならず、さらに、めっき層140の厚みに面内分布が生じてしまう。このように平面性の悪い蒸着マスク120を用いた場合、蒸着処理時に、蒸着マスク120とガラス基板192との間に隙間が生じ、高精細なパターンでのガラス基板192上への蒸着が困難となる。
さらに、図8に示された本実施の形態では、サイドエッチングを見込んで、第1レジストパターン61の開口部の幅wを、二つの貫通孔25の離間間隔(言い換えると、当該二つの貫通孔25の間に形成すべき第2金属層40の幅)wよりも小さくすることができる。その一方で、特許文献1の方法では、図13に示すように、第1レジストパターン161の開口部の幅w21を、二つの貫通孔25の間に形成すべきめっき層140の幅w22と同一にする必要がある。そして、第1レジストパターン161の開口幅w21が広くなる特許文献1の方法では、第1レジストパターン161の金属板135への密着状態が安定せず、これにより、蒸着マスク120を所定の形状に形成することが難しくなることもある。その一方で、本実施の形態では、第1レジストパターン61の開口幅w1が狭くなり、第1レジストパターン61の金属板35への密着状態が改善される。これにより、本実施の形態によれば、特許文献1に開示された従来技術と比較して、蒸着マスク20を精度良く作製することができ、これにより、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
次に、図9に示すように、封止層63を取り除く。封止層63は、例えばアルカリ系剥離剤により、除去することができる。なお、アルカリ系剥離剤を用いて封止層63を除去する場合、アルカリ系剥離剤によって第1レジストパターン61が金属板35から剥がれしまうことを防止する必要がある。例えば、アルカリ系剥離剤の使用に先立って、金属板35の第1面35aの側に第1レジストパターン61を覆うようにして保護膜を設けておく。この保護膜は、次に説明する二回目のエッチングが終了した後に、取り除く。或いは、金属板35の第1面35aの側に保護膜を設けることに代えて、封止層63として、アルカリ系剥離剤を用いることなく剥がし取ることができる粘着性の保護フィルムを用いるようにしてもよい。
封止層63が取り除かれた後、金属板35に対して第2回目のエッチングを行う。第2回目のエッチングにおいて、金属板35は第2面35bの側のみからエッチングされ、第2面35bの側から第2凹部36bの形成が進行していく。金属板35の第1面35aの側には、エッチング液に対する耐性を有した第1レジストパターン61及び第2金属層40が被覆されているからである。エッチングによる浸食は、金属板35のうちのエッチング液に触れている部分において行われていく。従って、浸食は、金属板35の厚み方向のみに進むのではなく、金属板35の板面に沿った方向にも進んでいく。この結果、図9に示すように、エッチングが金属板35の厚み方向に進んで第2凹部36bが第1レジストパターン61まで到達するだけでなく、隣り合って形成される二つの第2凹部36bが、第2レジストパターン62の裏側にて合流するようになる。
隣り合う二つの第2凹部36bが合流してなる合流部分32が第2レジストパターン62から離間して、第2レジストパターン62の下方にずれる。このとき、合流部分32でのエッチングによる浸食は、それまでのサイドエッチングによる方向とは異なり、厚み方向にも進むようになる。これにより、それまで厚み方向における他方の側へ向けて尖っていた合流部分32が、厚み方向における他方の側からエッチングされ、図4に示すように面取される。
また、上述したように、エッチングによって形成される凹部の壁面は、一般的に、浸食方向に向けて、本例では、厚み方向における他方の側から一方の側へ向けて凸となる放物線に沿った曲面状となる。このため、金属板35の第2面35bの側において第2凹部36bの壁面が切り立つようになる。ただし、隣り合う二つの第2凹部36bが、合流することによって、都合よく、この切り立った壁面が除去されるようになる。これにより、第2凹部36bの壁面が厚み方向に対してなす傾斜角度θを増大させることができる。
以上のようにして、金属板35の第2面35bの側からのエッチングが進行して、第2凹部36bが第1レジストパターン61及び第2金属層40まで到達することにより、金属板35に貫通孔25が形成され、また、金属板35が第1金属層30なすようになる。その後、金属板35からレジストパターン61,62が除去され、第1金属層30及び第2金属層40を含む蒸着マスク20が作製される。
以上のようにして、蒸着マスク20が得られる。そして、各蒸着マスク20に対してフレーム15を取り付けることにより、蒸着マスク装置10が得られる。なお、フレーム15は、蒸着マスク20の第1面20aに取り付けられてもよいし、蒸着マスク20の第2面20bに取り付けられてもよい。
以上のような本実施の形態による蒸着マスク装置の製造方法によれば、めっき層からなる第2金属層40を形成する工程の前に、金属板35の第1面35a上に形成されたレジストパターン61をマスクとして第1面35aの側から金属板35をエッチングして第1凹部36aを形成する。次に、レジストパターン61が形成された状態の金属板35を第1面35aの側からめっきして第1凹部36aの表面上に第2金属層40を形成する。このような本実施の形態による製造方法によれば、蒸着マスク20の第1面20a上において、貫通孔25の周縁が、めっき層からなる第2金属層40によって画成される。この第2金属層40は、第1面35aの側から金属板35に形成した第1凹部35aと、貫通孔25の内壁を形成する部分において相補的な形状を有することになる。なお、金属板の両側からそれぞれエッチングにより凹部を形成し、この凹部が通じてなる貫通孔を作製することも可能である。ただし、エッチングのみで形成される貫通孔と比較して、金属板35の第1面35aの側から行うエッチングの量を格段に少なくすることができる。すなわち、第1凹部35aの深さdを浅くすることができ、これにより、第1凹部35aは側方向への大きな浸食をきたすことなく形成されるようになる。結果として、第1凹部35aを極めて優れた寸法精度にて作製することが可能となる。一方、エッチングで形成された凹部からなる貫通孔では、凹部を形成するためのエッチングにおいて側方向への侵食が比較的に大きく生じるため、微細な孔を開ける上で制約を受ける。これにたいして本実施の形態によればこのような制約が少ないので、より微細な孔を開けることができる。また、本実施の形態によれば、図3に示された平面視における孔41のコーナーRを小さくすることもできる。以上のようにして、貫通孔25の寸法精度及び位置精度を大幅に向上させることができ、これにより、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
また、本実施の形態による製造方法によれば、上述した形状を有する第2金属層40を精度良く形成することができる。また、第2金属層40の一側面46をなす外側面47aの平面性を大幅に改善することができる。このような蒸着マスク20を用いた蒸着処理では、蒸着マスク20の第1面20aが、貫通孔25の周縁となる部位において、ガラス基板92に安定して密着することができる。これにより、蒸着マスク20とガラス基板92との間に隙間が形成されてしまうといった不具合が解消され、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
まず、上述した実施の形態において、第1凹部36aを形成する工程および第2金属層40を形成する工程の後に、第2面35bの側から金属板35をエッチングして第1面35aまで到達する第2凹部36bを形成することによって、金属板35を貫通する貫通孔25を形成する例を説明したが、この例に限られない。
図10に示すように、第2凹部36bの形成工程を、第2凹部36bが第1面35aに到達する前に終了し、次に、図11に示すように、第1面35aの側から金属板35をエッチングして第2凹部36bに通じる第3凹部36cを形成するようにしてもよい。この変形例では、第3凹部36cを形成する工程の前に、第2凹部36bを封止する工程と、第1レジストパターン61を取り除く工程と、が実施される。第2凹部36bを封止する工程において、第2凹部36bは、エッチング液に対して耐性を有した材料、例えば樹脂からなる封止層64によって、厚み方向における他方の側から封止される。この際、第2レジストパターン62を取り除かれていてもよい。封止層64は、第3凹部36cの形成後、除去される。
この変形例によって形成された蒸着マスク20では、密接配置された貫通孔25の間に位置する第1金属層30、すなわち図3におけるy軸方向に配列された貫通孔25の間に位置する第1金属層30の断面形状を増大させることができる。これにより、蒸着マスク20の剛性が向上される。この結果、例えばフレーム15への架張時における蒸着マスク20の変形を効果的に抑制し、高精細なパターンでの蒸着をガラス基板92上に精度良く実施することができる。なお、図11に示すように、この変形例に係る蒸着マスク20において、第1金属層30は、厚み方向に沿った断面において貫通孔25内に突出した周状の張り出し部33を、当該貫通孔25の内面を形成する孔31の厚み方向における一方の側の端部と他方の側の端部との間に含むようになる。張り出し部33は、孔31の内周縁31aを画成する。この張り出し部33は、貫通孔25内への突出量は僅かであることから蒸着材料98の通過を大きく妨げることがない一方で、蒸着マスク20の剛性の向上に役立つ。また、金属板35の第2面35bのレジストパターン62がない部分にレジスト残渣や異物などがあるとエッチングされずに金属層が残ってしまい、欠陥となるが、変形例では第3の凹部36cをエッチングで形成する際に残った金属層を除去することができるので、欠陥を低減することができる。
これに対して、上述した特許文献1(特開2005−314787号公報)に開示された製造方法では、この第3凹部36cの形成工程を追加する変形例を実質的に採用することができない。図14には、図11に示された変形例と同程度の高さの金属板35が残存するように第2凹部136bの形成工程を終了し、その後、第2凹部136bの側から金属板135を封止層164で封止した状態にて、第1面135aの側から金属板135をエッチングして第2凹部136bに通じる第3凹部136cを形成した様子を示している。図14に示された蒸着マスク120では、第2金属層140上に位置する第1金属層130が、厚み方向における一方の側(第2金属層140の側)において大きく浸食されている。
ここで図15(a)及び図15(b)は、第2凹部36b,136bの形成が終了し且つ第3凹部36c,136cの形成を開始する前の状態を示している。図15(a)に示すように、上述した本実施の形態の変形例においては、第2金属層40が法線方向における他方の側に突出し、第1金属層30内に入り込んでいる。したがって、本実施の形態およびその変形例においては、第2金属層40の端部上に位置する第1金属層30の厚みは、図15(b)に示された特許文献1に開示された製造方法で得られる第2金属層140の端部上に位置する第1金属層130の厚みと比較して、大幅に薄くすることができる。この結果、図14に示された蒸着マスク120では、第2金属層140上に位置する第1金属層130が、厚み方向における一方の側(第2金属層140の側)において大きく浸食されることになる。また、本実施の形態及びその変形例においては、第2凹部36bの底部から金属板35の第1面35aまでの距離d2(図15(a)参照)を、特許文献1に開示された製造方法にて形成された第2凹部36bの底部から金属板35の第1面35aまでの距離d102(図15(b)参照)よりも大きく設定して、蒸着マスクの剛性を効果的に改善することができる。
第2金属層140上に位置する第1金属層130が、厚み方向における一方の側(第2金属層140の側)において大きく浸食されると、第1金属層130と第2金属層140との接触面積が小さくなり、第1金属層130と第2金属層140との密着状態が著しく不安定となる。また、第1金属層130の幅が狭くなるので、蒸着マスクの剛性が低下することになる。さらに、張り出し部133の貫通孔125内への突出量が大きくなり、シャドウが発生し、蒸着材料の利用効率も著しく低下する。これらのことから、短ピッチで貫通孔が配列された蒸着マスクを製造する際に、特許文献1(特開2005−314787号公報)に開示された製造方法に対して第1の変形例を適用することは実質的に不可能となる。
なお、第3凹部36cを形成する工程を設ける場合、第3凹部36cの形成工程が、第2凹部36bの形成工程の前に実施されるようにしてもよい。具体的には、第2金属層40の形成工程の後に、第1レジストパターン61の除去工程、第3凹部36cの形成工程、金属板35及び第2金属層40を厚み方向における一方の側から封止する工程、封止層63の除去工程、第2凹部36bの形成工程が、順に実施されるようにしてもよい。また、第2凹部36bを形成する際のエッチングによる金属板35の浸食量が、第3凹部36cを形成する際のエッチングによる金属板35の浸食量よりも多いことから、第3凹部36cの形成工程と第2凹部36bの形成工程とが金属板35の両側から同時に並行して行われ、その後、第2凹部36bの形成工程のみが引き続き行われるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、金属板35の第1面35aへの第1レジストパターン61の作製と、金属板35の第2面35bへの第2レジストパターン62の作製との両方が、同時に並行して実施される必要はなく、レジストパターン61,62の一方が、他方に先行して作製されるようにしてもよい。第1レジストパターン61は、第1凹部36aの形成工程の前に実施されればよく、第2レジストパターン62は、第2凹部36bの形成工程の前に実施されればよい。
さらに他の変形例として、蒸着マスク20に形成される貫通孔25のパターンを変更してもよい。上述の実施の形態で説明した貫通孔25の配列パターンは例示に過ぎず、種々のパターン、例えば千鳥配列及びストライプパターンにて貫通孔25が配列された蒸着マスク20を製造してもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 蒸着マスク装置
15 フレーム
20 蒸着マスク
20a 第1面
20b 第2面
22 有効領域
23 周囲領域
25 貫通孔
30 第1金属層
30a 第1面
30b 第2面
31 孔
31a 内周縁
31b 壁面
32 合流部分
33 張り出し部
35 金属板
35a 第1面
35b 第2面
36a 第1凹部
36b 第2凹部
36c 第3凹部
40 第2金属層
41 孔
41a 内周縁
41b 壁面
46 一側面
47a 外側面
47b 凹面
48 他側面
49a 端部領域
61 第1レジストパターン
62 第2レジストパターン
63 封止層
64 封止層
90 蒸着装置
92 ガラス基板
94 るつぼ
96 ヒータ
98 蒸着材料

Claims (11)

  1. 第1金属層と、
    厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
    前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
    隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記一方の側を向く一側面は、両端において、厚み方向における最も一方の側に位置し、且つ、前記両端の間の少なくとも一部分において、厚み方向における他方の側へ凹んでいる、蒸着マスク。
  2. 前記一側面は、両端をそれぞれ画成する一対の外側面と、一対の外側面の間に位置し且つ厚み方向における他方の側へ凹んだ凹面と、を含む、請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記一対の外側面は、厚さ方向に直交する同一仮想平面上に位置している、請求項2に記載の蒸着マスク。
  4. 隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、前記他方の側に膨出した面となっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  5. 隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層のうちの前記二つの貫通孔の間に位置する部分の前記他方の側を向く他側面は、その両端をそれぞれ含む一対の端部領域において、前記第1金属層に覆われることなく前記貫通孔の内面を形成している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  6. 隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記端部領域内の前記他側面は、対応する側の端に接近するにつれて、厚み方向における前記他方の側から前記一方の側へ向かう、請求項5に記載の蒸着マスク。
  7. 第1金属層及び
    厚み方向における一方の側から前記第1金属層に積層された第2金属層と、を備え、
    前記第1金属層及び前記第2金属層を貫通する複数の貫通孔が形成され、
    隣り合う二つの貫通孔を横切る厚み方向に沿った断面において、前記第2金属層の前記二つの貫通孔の間に位置する部分は、その両端において厚み方向における最も一方の側に位置するよう、少なくとも一部分において湾曲している、蒸着マスク。
  8. 前記第1金属層は、厚み方向に沿った断面において前記貫通孔内に突出した周状の張り出し部を、当該貫通孔の内面を形成する部分の厚み方向における前記一方の側の端部と前記他方の側の端部との間に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  9. 金属板の一方の側の面上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記一方の側の面から前記金属板をエッチングして凹部を形成する工程と、
    前記レジストパターンが設けられた状態の前記金属板を前記一方の側からめっきして前記凹部の表面上にめっき層を形成する工程と、
    前記金属板の他方の側の面上に形成されたレジストパターンをマスクとして前記他方の側の面から前記金属板をエッチングする工程と、を備える、蒸着マスクの製造方法。
  10. 前記他方の側の面から前記金属板をエッチングする工程において、前記金属板に貫通孔を形成する、請求項9に記載の蒸着マスクの製造方法。
  11. 前記金属板の一方の側の面上に形成された前記レジストパターンを除去する工程と、
    前記金属板の前記一方の側の面から前記レジストパターンが除去された後に、前記金属板の一方の側の面上に形成された前記めっき層をマスクとして前記一方の側から前記金属板をエッチングする工程と、をさらに備える、請求項9に記載の蒸着マスクの製造方法。
JP2013204776A 2013-09-30 2013-09-30 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法 Active JP6221585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204776A JP6221585B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204776A JP6221585B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015067885A true JP2015067885A (ja) 2015-04-13
JP6221585B2 JP6221585B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=52834883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013204776A Active JP6221585B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6221585B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017057495A (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 大日本印刷株式会社 蒸着マスク、蒸着マスク製造方法および有機半導体素子製造方法
JP2017057494A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 大日本印刷株式会社 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法及び有機半導体素子の製造方法
KR20180054952A (ko) * 2016-11-14 2018-05-25 주식회사 포스코 증착용 마스크 제조방법, 이에 의해 제조된 증착용 마스크 및 이를 이용한 유기 발광 소자 제조방법
CN108796438A (zh) * 2018-07-24 2018-11-13 京东方科技集团股份有限公司 一种掩膜板的制备方法、掩膜板、蒸镀设备
WO2022030612A1 (ja) * 2020-08-06 2022-02-10 大日本印刷株式会社 蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004218034A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toppan Printing Co Ltd メタルマスクの製造方法およびメタルマスク
JP2004235138A (ja) * 2003-01-09 2004-08-19 Hitachi Ltd 有機elパネルの製造方法および有機elパネル
JP2005314787A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Kenseidou Kagaku Kogyo Kk メタルマスクの製作方法
JP2008255449A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 蒸着マスクとその製造方法
JP2009074160A (ja) * 2007-08-24 2009-04-09 Dainippon Printing Co Ltd 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法
JP2012059627A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Hitachi Displays Ltd 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235138A (ja) * 2003-01-09 2004-08-19 Hitachi Ltd 有機elパネルの製造方法および有機elパネル
JP2004218034A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toppan Printing Co Ltd メタルマスクの製造方法およびメタルマスク
JP2005314787A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Kenseidou Kagaku Kogyo Kk メタルマスクの製作方法
JP2008255449A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 蒸着マスクとその製造方法
JP2009074160A (ja) * 2007-08-24 2009-04-09 Dainippon Printing Co Ltd 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法
JP2012059627A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Hitachi Displays Ltd 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017057495A (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 大日本印刷株式会社 蒸着マスク、蒸着マスク製造方法および有機半導体素子製造方法
JP2017057494A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 大日本印刷株式会社 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法及び有機半導体素子の製造方法
KR20180054952A (ko) * 2016-11-14 2018-05-25 주식회사 포스코 증착용 마스크 제조방법, 이에 의해 제조된 증착용 마스크 및 이를 이용한 유기 발광 소자 제조방법
KR101889165B1 (ko) 2016-11-14 2018-09-21 주식회사 포스코 증착용 마스크 제조방법, 이에 의해 제조된 증착용 마스크 및 이를 이용한 유기 발광 소자 제조방법
CN108796438A (zh) * 2018-07-24 2018-11-13 京东方科技集团股份有限公司 一种掩膜板的制备方法、掩膜板、蒸镀设备
WO2022030612A1 (ja) * 2020-08-06 2022-02-10 大日本印刷株式会社 蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6221585B2 (ja) 2017-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3556899B1 (en) Vapor deposition mask device and method for manufacturing vapor deposition mask device
CN110551973B (zh) 蒸镀掩模
US11211558B2 (en) Deposition mask device and method of manufacturing deposition mask device
JP7125678B2 (ja) 蒸着マスク、有機el基板の製造方法および有機el基板
JP6086305B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク
KR101749435B1 (ko) 금속판, 금속판의 제조 방법, 및 금속판을 사용해서 증착 마스크를 제조하는 방법
JP6221585B2 (ja) 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法
JP6186897B2 (ja) 樹脂層付き金属マスクの製造方法
JP6631897B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク
US11739412B2 (en) Deposition mask and production method of deposition mask
JP5534093B1 (ja) メタルマスクおよびメタルマスクの製造方法
JP2013245392A (ja) 蒸着マスク及び蒸着マスクの製造方法
JP2015036436A (ja) 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク
JP6548085B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法
JP6167526B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法、及び有機半導体素子の製造方法
JP2016148113A (ja) 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク
JP2014133932A (ja) 蒸着マスクの製造方法
JP5935629B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法
KR100700660B1 (ko) 마스크 및 그의 제조 방법
JP2015148002A (ja) 蒸着マスク、蒸着マスク準備体、及び有機半導体素子の製造方法
JP6701543B2 (ja) 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法
JP2018059130A (ja) 蒸着マスクの製造方法、及び蒸着マスクを製造するために用いられる金属板の製造方法
JP7047828B2 (ja) 蒸着マスクおよび蒸着マスクの製造方法
JP2018080377A (ja) 蒸着マスク及び蒸着マスク製造方法
JP2016199775A (ja) 蒸着マスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6221585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150