JP2015067661A - ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性に優れ、カルボキシル末端基量が低いポリエステル樹脂を効率よく提供する。【解決手段】ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールを主原料として得られるポリエステル樹脂であって、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物を含むポリエステル樹脂。(i)MXn(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n=1または2)【選択図】なし

Description

本発明は、熱安定性に優れ、さらにカルボキシル末端基量が低いポリエステル樹脂およびそれを効率的に製造する方法に関するものである。
ポリエステルは機械的強度、化学的安定性、透明性に優れ、かつ安価であるため、繊維、ボトル、フィルム、シート、容器などとして世界中で最も多く使用されている合成樹脂のひとつである。
通常、ポリエステルは、チップ化したあと再溶融して成形加工するが、この際に250℃以上の熱履歴を受けると、熱分解による黄色化や分子量の低下、ゲル化による異物発生により、成形機の口金汚れの増加、製造工程上のフィルター詰まりなどの好ましくない現象が発生する課題がある。
ポリエステルの熱安定性を向上させる手段として、例えば、金属ハロゲン化物の添加が挙げられる。
特許文献1には、ヨウ化銅(I)を含有してなるポリエステルフィルムが開示されており、ヨウ化銅(I)を含有させることにより、熱安定性が向上することが記載されている。しかし、ポリエステルフィルムの原料となるポリエステル樹脂を製造するに際し、ヨウ化銅(I)を存在させると重合時間が長く、効率的に製造できない課題があった。
また、特許文献2では、銅塩およびハロゲン化物の少なくとも1つを有する二軸延伸ポリエステルフィルムが開示され、銅塩やヨウ化物が脱カルボキシル基化に有効であることが記載されている。しかし、銅塩として、Cu(I)塩の添加は望ましくない着色が生じることが開示されており、銅塩を含有させる場合に、着色が生じるような熱安定性に劣る課題が存在し、その改善が求められていた。
特開昭62−177057号公報 特開2010−265459号公報
本発明の目的は、熱安定性に優れ、さらにカルボキシル末端基量が低いポリエステル樹脂およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱安定性に優れ、さらにカルボキシル末端基量が低いポリエステル樹脂およびその製造方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールを主原料として得られるポリエステル樹脂であって、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物を含むポリエステル樹脂。
(i)MX(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n=1または2)
(2)前記金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜3mmol含む(1)に記載のポリエステル樹脂。
(3)前記ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルが芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸アルキルエステルであり、ジオールがエチレングリコールである(1)または(2)に記載のポリエステル樹脂。
(4)ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールをエステル化反応またはエステル交換反応させ、次いで重合反応させるポリエステル樹脂の製造方法において、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物を添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
(i)MX(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n:1または2)
(5)前記金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜3mmolとなるように添加することを特徴とする(4)に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
(6)前記金属ハロゲン化物を、重合反応開始時に添加することを特徴とする(4)または(5)に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
(7)前記ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルが芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸アルキルエステルであり、ジオールがエチレングリコールである(4)〜(6)のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
本発明により、熱安定性に優れ、カルボキシル末端基量が低いポリエステル樹脂を効率良く得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルとジオールから得られ、前記ポリエステル中に含まれる金属ハロゲン化物の純度は95%より高いものである。得られるポリエステル樹脂中の金属ハロゲン化物の純度は上記範囲より低いと、金属ハロゲン化物中に含まれる不純物により重合が遅延し効率的にポリエステル樹脂を得ることができない。
本発明のジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸、またはそれらのアルキルエステルなどが挙げられる。本発明で言うジカルボン酸アルキルエステルとは、先に述べたジカルボン酸の低級アルキルエステル、酸無水物、アシル塩化物などであり、メチルエステル、エチルエステル、ヒドロキシエチルエステルなどが好ましく用いられる。本発明のジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとしてより好ましい態様は、融点が高く、繊維やフィルムなどに加工しやすいポリエステル樹脂を得ることができる点で、テレフタル酸またはそのジメチルエステルである。
本発明のジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物などが挙げられ、中でも、繊維やフィルムなどに加工しやすいポリエステル樹脂を得ることができる点で、エチレングリコールが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂としては、好ましいジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルを用い、好ましいジオールを用いて得ることができるポリエステル樹脂であれば、いずれでもよく、ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールをそれぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。本発明のポリエステル樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリプロピレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペートなどが挙げられる。ここで、「/」は共重合体を表す。中でも、テレフタル酸またはそのジメチルエステル、ジオール成分としてエチレングリコールを用いて得られるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の金属ハロゲン化物は、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物である。ここで純度とは、滴定法で測定したものである。
(i)MX(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n=1または2)
本発明の金属ハロゲン化物として、例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどを挙げることができ、特に熱安定性に優れる点で、ヨウ化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムのいずれかが好ましく、耐湿熱性に優れ、着色の少ないポリエステル樹脂を得ることができる点で、ヨウ化銅(I)またはヨウ化ナトリウムのいずれかがより好ましい。なお、本発明において、金属ハロゲン化物は1種でもよいが、熱安定性と耐湿熱性のいずれにも優れ、かつ、着色の少ないポリエステル樹脂を効率的に製造することができる点で、2種以上を併用することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂中において、金属ハロゲン化物は、どのような状態で存在していてもよいが、熱安定性と耐湿熱性のいずれにも優れ、かつ、着色の少ないポリエステル樹脂を効率的に製造することができる点で、金属成分が、二価の状態で存在していることが好ましい。金属成分の状態は、電子スピン共鳴法により分析することができる。
本発明の金属ハロゲン化物としては、熱安定性に優れるポリエステル樹脂を短時間で効率的に製造することができる点で、純度が95%より高いものを用いるが、純度が96%以上であることが好ましく、純度が99%以上であることがより好ましく、純度が99.5%以上であることがさらに好ましい。上限は100%である。なお、不純物として、どのようなものが存在していてもよいが、ポリエステル樹脂を効率的に製造することができる点で、モノカルボン酸やモノアルコールが少ないことが好ましい。
本発明において、金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜3mmol含むことを特徴とする。熱安定性に優れるポリエステル樹脂を効率的に製造することができる点で、金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜2mmol含むことが好ましく、金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.3〜1mmol含むことがより好ましく、金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.4〜0.8mmol含むことがさらに好ましい。得られるポリエステル樹脂中の金属ハロゲン化物の含有量は上記範囲より多いとポリエステル樹脂中の内部粒子が増大し透明性の低下などの問題が生じ、少ないと熱安定性向上効果はない。
本発明のジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルとジオールを主原料として得られるポリエステル樹脂の製造方法は、次の2段階の工程から成る。すなわち、(A)エステル化反応、または(B)エステル交換反応からなる1段階目の工程と、それに続く(C)重合反応からなる2段階目の工程である。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、金属ハロゲン化物は、(A)または(B)工程、それに続く(C)工程のいずれの段階で添加してもよいが、熱安定性に優れるポリエステル樹脂を効率的に製造することができる点で、(C)工程で添加することが好ましく、特に重合反応開始時に添加することが好ましい。金属ハロゲン化物は、ジオールと重量比3/100〜10/100で混合した状態で添加する。
1段階目の工程のうち、(A)エステル化反応の工程は、ジカルボン酸とジオールとを所定の温度でエステル化反応させ、所定量の水が留出するまで反応をおこない低重合体を得る工程である。また(B)エステル交換反応の工程は、はジカルボン酸アルキルエステルとジオールとを所定の温度でエステル交換反応させ、所定量のアルコールが留出するまで反応をおこない低重合体を得る工程である。
2段階目の工程である(C)重合反応は、(A)エステル化反応または(B)エステル交換反応で得られた低重合体が添加された反応器内を減圧にすることにより重合反応を開始し(以下「重合反応を開始する時点」という。)、反応器内の温度、圧力および攪拌速度を調節し重合反応を行い、攪拌トルクが所定の値に到達した時、すなわちポリエステルが所望の粘度に到達した時(以下「重合反応の最終到達の時点」という。)まで重合を行うことにより、高分子量ポリエステルを得る工程である。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、エステル化反応に用いられる触媒は、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウムなどの化合物を用いても良く、または無触媒であっても良い。また、エステル交換反応に用いられる触媒としては、マグネシウム、マンガン、カルシウム、コバルト、亜鉛、リチウム、チタンなどの化合物が用いられる。また、重合反応に用いられる触媒としては、アンチモン、チタン、アルミニウム、スズ、ゲルマニウムなどの化合物などが用いられる。
アンチモン化合物としては、アンチモンの酸化物、アンチモンカルボン酸、アンチモンアルコキシドなどが挙げられ、具体的には、アンチモンの酸化物として、3酸化アンチモン、5酸化アンチモン等が挙げられ、アンチモンカルボン酸として、酢酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリウム等が挙げられ、アンチモンアルコキシドとして、アンチモントリ−n−ブトキシド、アンチモントリエトキシド等が挙げられる。
チタン化合物としては、チタン錯体、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマーなどのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。中でも多価カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸および/または多価アルコールをキレート剤とするチタン錯体であることが、ポリマーの熱安定性、色調および口金まわりの堆積物の少なさの観点から好ましい。チタン化合物のキレート剤としては、乳酸、クエン酸、マンニトール、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。特に特開2010−100806号公報に記載の方法で得られるチタンマンニトールキレート錯体は、ポリマーの異物粒子の発生を抑制することが出来るため好ましい。
アルミニウム化合物としては、カルボン酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物、塩基性アルミニウム化合物などが挙げられ、具体的には酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、塩基性酢酸アルミニウムなどが挙げられる。
スズ化合物としては、モノブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズオキサイド、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイドなどが挙げられる。
ゲルマニウム化合物としては、ゲルマニウムの酸化物、ゲルマニウムアルコキシドなどが挙げられ、具体的には、ゲルマニウムの酸化物として、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコキシドとして、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド等が挙げられる。
マグネシウム化合物としては、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
マンガン化合物としては、具体的には、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン等が挙げられる。
カルシウム化合物としては、具体的には、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルコキシド、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
コバルト化合物としては、具体的には、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト四水塩等が挙げられる。
亜鉛化合物としては、具体的には、酸化亜鉛、亜鉛アルコキシド、酢酸亜鉛等が挙げられる。
これら金属化合物は、水和物であってもよい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、安定剤としてリン化合物が添加されることが好ましい。具体的には、リン酸、リン酸トリメチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等が好ましく、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(PEP−36:旭電化社製)やテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(GSY−P101:大崎工業社製)などの3価リン化合物が色調や熱安定性改善の面からより好ましい。
また、必要に応じて、色調調整剤として樹脂等に用いられる染料が添加されてもよい。特にCOLOR INDEX GENERIC NAMEで具体的にあげると、SOLVENT BLUE 104やSOLVENT BLUE 45等の青系の色調調整剤、SOLVENT VIOLET 36等の紫系色調調整剤が装置腐食の要因となりやすいハロゲンを含有せず、高温での耐熱性が比較的良好で発色性に優れるため好ましい。これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、可塑剤もしくは消泡剤又はその他の添加剤等を必要に応じて配合してもよい。
また、本発明においてさらに高分子量のポリエステル樹脂を得るため、さらに固相重合を行ってもよい。固相重合は、装置・方法は特に限定されないが、不活性ガス雰囲気下または減圧下で加熱処理されることで実施される。不活性ガスはポリエステルに対して不活性なものであれば良く、例えば窒素、ヘリウム、炭酸ガスなどを挙げることができるが、経済性から窒素が好ましく用いられる。また、減圧下としては、より減圧条件にすることが固相重合反応に要する時間を短くできるため有利であるが、110Pa以上を保つことが好ましい。
また、本発明で得られるポリエステル樹脂はリサイクルすることも出来る。具体的には、ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合、その廃棄物を原料に用い、グリコール成分により解重合反応をおこない、まずビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る。これを再度重合してもよいが、好ましくはメタノールやエタノールでさらにエステル交換をおこない、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸ジエチルとする。これらテレフタル酸ジアルキルエステルは蒸留により高純度に精製することが可能であるため好ましい。このようにして得られたテレフタル酸ジアルキルエステルを用いて再度重合することが出来る。
本発明のポリエステル樹脂は、バッチ重合、半連続重合、連続重合で生産することができる。
本発明にて得られるポリエステル樹脂は、公知の加工方法で成形加工することができ、繊維、フィルム、ボトル、射出成形品など各種製品に加工することができる。
例えば、ポリエステル樹脂を繊維に加工する方法は、通常の溶融紡糸−延伸工程を適用することができる。具体的には、ポリエステル樹脂を融点以上に加熱して溶融させた後に、細孔から吐出し、冷却風にて冷却固化後、油剤を付与して、引き取りローラによって引き取り、引き取りローラ後に配置された巻き取り装置によって巻き取ることで未延伸糸を採取することができる。
このようにして巻き取られた未延伸糸は、加熱された一対以上のローラで延伸、最後に緊張又は弛緩熱処理を施すことで用途に応じた力学特性等の物性が付与された繊維となる。なお、この延伸工程においては、上記した溶融紡糸工程において引き取った後に一旦巻き取ることなく連続して行うことができ、生産性等の工業的な観点では連続延伸とすることが好ましい。ここで、この延伸−熱処理を施すにあたり、延伸倍率、延伸温度および熱処理条件は目標とする繊維の繊度、強度、伸度、収縮率等によって適宜選択することができる。
本発明のポリエステル樹脂を各種製品に加工する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、顔料および染料を含む着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、核剤、可塑剤、離型剤などの添加剤を1種以上添加することもできる。
本発明のポリエステル樹脂は、熱安定性に優れ、さらにカルボキシル末端基量が低い特徴を有することを活かし、繊維、フィルム、ボトル、射出成形品など各種製品として利用することができ、これらの製品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用である。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例において用いた原料は以下のとおりである。
・三井化学社製テレフタル酸、以下これをTPAと記すことがある。
・SKケミカル社製テレフタル酸ジメチル、以下これをDMTと記すことがある。
・日本触媒社製エチレングリコール、以下これをEGと記すことがある。
・和光純薬工業社製ヨウ化銅(I)、純度99.5%
・和光純薬工業社製臭化銅(I)、純度99.9%
・和光純薬工業社製臭化銅(II)、純度99.9%
・和光純薬工業社製ヨウ化カリウム、純度99.5%
・和光純薬工業社製ヨウ化ナトリウム、純度99.5%
・和光純薬工業社製ヨウ化銅(I)、純度95%
・和光純薬工業社製塩化銅(I)、純度99.9%
なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリエステルの固有粘度([η]、単位;dl/g)
オルソクロロフェノール(OCP)を溶媒として用い、7%の溶液を調製し、25℃で測定した。
(2)ポリエステルのカルボキシル末端基量(単位;eq/t)
オルソクレゾールを溶媒として用い、0.02規定のNaOH水溶液を25℃で調整し、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)にて測定した。
(3)ゲル化率(単位;%)
ポリエステル1gを凍結粉砕機(Sprex CertiPerp社製、6750−115)により粉砕して直径300μm以下の粉体状とした後、真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−451SD)を用いて、150℃、12時間真空乾燥させた。その後、オーブン(ヤマト科学社製、DN410I)中で、酸素1%雰囲気下、300℃で6時間熱処理したものを、50mlのOCP中、150℃の温度で0.5時間溶解させた。続いて、ブフナー型ガラス濾過器(最大細孔の大きさ20〜30μm)で濾過し、洗浄、真空乾燥する。濾過前後の濾過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル樹脂重量(1g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(%)とした。
実施例1
DMT100重量部とEG60重量部、得られるポリマー100gに対してマグネシウム原子換算で0.05mmolの酢酸マグネシウムを、150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら240℃まで4時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応をおこない、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHT)を得た。
BHTを試験管に投入し、250℃で溶融状態を保持した後、得られるポリマー100g当りアンチモン原子換算で0.2mmolの三酸化アンチモン、得られるポリマー100g当りリン原子換算で0.1mmolのリン酸トリメチル、得られるポリマー100g当り銅原子換算で0.26mmolの純度99.5%ヨウ化銅(I)を添加した。なお、ヨウ化銅(I)は、添加する30分前に、EGと重量比7/100で混合し、常温にて30分撹拌した後、その混合物を添加した。各化合物を投入後5分経過した後に、反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで60分かけて徐々に昇温するとともに、圧力を常圧から40Paまで60分かけて減圧し、290℃、40Paで所定時間重合反応させた。重合反応終了後、溶融物をストランド状に吐出して冷却後、直ちにカッティングしてペレットを得た。得られたペレットを用いて固有粘度、カルボキシル末端基量、ゲル化率を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
ヨウ化銅(I)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例3〜6
添加剤をヨウ化銅(I)から表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にした。
比較例1
ヨウ化銅(I)の添加を行わないこと以外は実施例1と同様にした。
比較例2、3
添加剤をヨウ化銅(I)から表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にした。
Figure 2015067661
本願発明の実施例1〜6は、比較例1〜3に比較し、短時間で効率的にポリマーを得ることができ、カルボキシル末端基量、ゲル化率ともに低い値を示した。実施例1、2においては、カルボキシル末端基量、ゲル化率ともに特に低い値を示した。

Claims (7)

  1. ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールを主原料として得られるポリエステル樹脂であって、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物を含むポリエステル樹脂。
    (i)MX(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n=1または2)
  2. 前記金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜3mmol含む請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 前記ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルが芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸アルキルエステルであり、ジオールがエチレングリコールである請求項1または2に記載のポリエステル樹脂。
  4. ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルおよびジオールをエステル化反応またはエステル交換反応させ、次いで重合反応させるポリエステル樹脂の製造方法において、下記(i)式で表され、純度が95%より高い金属ハロゲン化物を添加することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
    (i)MX(M:アルカリ金属または銅、X:臭素またはヨウ素、n:1または2)
  5. 前記金属ハロゲン化物をポリエステル樹脂100g当り0.1〜3mmolとなるように添加することを特徴とする請求項4に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 前記金属ハロゲン化物を、重合反応開始時に添加することを特徴とする請求項4または5に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  7. 前記ジカルボン酸またはジカルボン酸アルキルエステルが芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸アルキルエステルであり、ジオールがエチレングリコールである請求項4〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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