JP2015060731A - 放射線発生管及びこれを用いた放射線発生装置、放射線撮影システム - Google Patents

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Kazuhiro Mitsumichi
和宏 三道
浮世 典孝
Noritaka Ukiyo
典孝 浮世
佐藤 安栄
Yasue Sato
安栄 佐藤
芳浩 柳沢
Yoshihiro Yanagisawa
芳浩 柳沢
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Abstract

【課題】ターゲットと冷却媒体との接触によるターゲット及び冷却媒体の損傷を防止するために、ターゲットの放射線放出側に密閉空間を設けた放射線発生管において、該密閉空間を設けるために遮蔽体に蓋体を接合するために用いた接合材による放射線の線量低下及び線質汚染を防止し、長時間使用可能な高信頼性の放射線発生装置を提供する。
【解決手段】遮蔽体8の開口端において、遮蔽体8と蓋体9の少なくとも一方に突出部を設け、該突出部において他方と当接させ、該突出部の外周において、遮蔽体8と蓋体9とに挟まれた収納部に接合剤10を配設して、遮蔽体8と蓋体9とを接合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば医療機器、非破壊検査装置等に適用できる放射線発生管及びそれを備えた放射線発生装置と放射線撮影システムに関する。
放射線発生管は、電子放出源から放出される電子を高エネルギーに加速してターゲットに照射することにより、ターゲットより放射線を発生させる装置である。この時、ターゲットは高温になるため、ターゲットで発生した熱を逃がすための放熱構造が必要となる。特許文献1では、ターゲット層を支持する透過基板に、ターゲットからの放射線を外部に放出するための開口部を持った放射線遮蔽体を接合した透過型放射線発生管が開示されている。係る放射線発生管では、遮蔽体の少なくとも一部が冷却媒体と接した構造をとることで、ターゲットで発生した熱を遮蔽体に伝え、遮蔽体を介して冷却媒体に伝えることで速やかに放熱する構造となっている。さらに、透過基板からの冷却媒体への熱伝導による冷却媒体の劣化を抑制するために、円筒形の遮蔽体の開口部の先端に蓋基板を接合し、遮蔽体とターゲットと蓋基板とで形成される空間を真空とする、もしくは気体を充填して断熱構造とする技術が開示されている。
また、特許文献2には、X線装置において、ターゲット材が設置された構造物の凹部に、X線を透過する蓋を付け、該凹部内を真空や不活性ガス等の非酸化雰囲気として、ターゲットの酸化を防止した技術が開示されている。
特開2012−124099号公報 米国特許第7831021号明細書
特許文献1,2に開示されたように、高温になるターゲットの放射線放出側に密閉された空間を設けることで、ターゲットによる冷却媒体の劣化や変質を防止すると同時に、ターゲットの酸化も防止することができる。しかしながら、特許文献1,2の如く、遮蔽体や凹部の開口に蓋を接合すると、接合に用いた接合材が蓋の放射線透過領域に付着する場合がある。通常、接合材としては粘度が負の温度依存性を有する材料を用いており、融点以上の高温状態になる接合時や放射線発生管の動作時の発熱により融点近くまで高温になった時に、接合箇所から流れ出してしまうからである。このように、蓋の放射線透過領域に接合材が付着すると、該接合材による放射線の吸収や接合材由来の放射線の放出により線量の低下や線質汚染を起こす恐れがあった。
本発明の課題は、上記問題に鑑み、ターゲットの放射線放出側に遮蔽体を用いて密閉された空間を設けた放射線発生管において、該空間を形成するために遮蔽体に蓋を接合するための接合材による線量低下や線質汚染を防止することにある。また、本発明は、係る課題を解決した放射線発生管を用いて、線量低下や線質汚染の防止された放射線発生装置及び放射線撮影システムを提供することを課題とする。
本発明の第1は、放射線透過性の支持基板とターゲット層とを有する透過型ターゲットと、
前記支持基板の外周を取り囲み、放射線放出側に突出する遮蔽体と、
前記遮蔽体の開口端を塞ぐ蓋体とを備え、
前記遮蔽体と蓋体とが、粘度が負の温度依存性を有する接合材により接合されている放射線発生管において、
前記遮蔽体と前記蓋体とが当接する当接部を有し、
前記当接部の外周であって、前記遮蔽体と蓋体とに挟まれた収納部に前記接合材が配設されていることを特徴とする。
本発明の第2は、上記本発明の第1の放射線発生管と、前記放射線発生管を収容し、前記放射線発生管から生じる放射線を取り出すための放出窓を有する収納容器と、を備え、前記収納容器の内部の余剰空間が絶縁性流体で満たされていることを特徴とする放射線発生装置である。
本発明の第3は、上記本発明の第2の放射線発生装置と、
前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
本発明によれば、高温になるターゲットの放射線放出側に密閉された空間を設けることで、ターゲットによる冷却媒体の劣化や変質を防止すると同時に、ターゲットの酸化も防止することができる。また、上記空間を密閉するための蓋体と遮蔽体との接合部位を、蓋体と遮蔽体との当接部の外周に設けたことにより、接合材による蓋体の汚染が防止され、接合材に起因する線量低下や線質汚染が防止される。よって、本発明によれば、長時間使用が可能な高い信頼性を備えた放射線発生管を提供することができ、さらに、係る放射線発生管を用いて、信頼性の高い放射線発生装置及び放射線撮影システムが提供される。
本発明の放射線発生管の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 図1のアノードの拡大図及び平面模式図である。 本発明の放射線発生管における遮蔽体と蓋体との接合形態の他の例を模式的に示す模式図である。 本発明の放射線発生装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線撮影装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図1、図2を用いて本発明の放射線発生管の構成について説明する。図1は本発明の放射線発生管の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。また、図2(a)は図1のアノード4の拡大図であり、図2(b)はアノード4の蓋体9を外した状態で開口側から見た平面図である。
本発明の放射線発生管1は、開口部を備えた外囲器3の内部に電子放出源2を備え、外囲器3の開口部にアノード4を配設してなる。電子放出源2から放出された電子は、電子放出源2に対向して配置されたアノード4に印加される30kV乃至150kVの電圧により加速され、電子線5として、アノード4に設置されている透過型ターゲット7に衝突することで放射線を発生する。即ち、本発明の放射線発生管1は透過型放射線発生管である。
電子放出源2の電子放出機構としては、真空容器の外部から電子放出量を制御可能な電子放出源であれば良く、熱陰極型電子放出源、冷陰極型電子放出源等を適宜適用することが可能である。電子放出源2は、外囲器3を貫通するように配置した電流導入端子6を有していて、電子放出量及び電子放出のオン・オフ状態を制御するための外部の駆動回路と電気的に接続することができるようになっている。
以下、図1,図2を用いて、アノード4の構成を詳細に説明する。アノード4は、透過型ターゲット7と遮蔽体8と蓋体9とから構成されている。
ターゲット7は、放射線透過性の支持基板7aとターゲット層7bとから構成され、電子放出源2から射出された電子線5がターゲット7に照射されることで放射線が発生する。
支持基板7aは、放射線の透過性が高く、熱伝導が良く、真空封止に耐える必要がある。例えば、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミ、グラファイト、ベリリウム等を用いることができる。より好ましくは、放射線の透過率がアルミニウムよりも小さく熱伝導率がタングステンよりも大きい、ダイヤモンド、窒化アルミ、窒化ケイ素が望ましい。支持基板7aの厚さは、上記の機能を満足すれば良く、材料によって異なるが、0.3mm以上2mm以下が好ましい。特に、ダイヤモンドは、他の材料に比べて熱伝導性が極めて大きく、放射線の透過性も高く、真空を保持しやすいためより優れている。
ターゲット層7bには、通常、原子番号26以上の金属材料を用いることができる。より好適には、熱伝導率が大きく融点が高いものほど良い。具体的には、タングステン、モリブデン、クロム、銅、コバルト、鉄、ロジウム、レニウム等の金属材料、又はこれらの合金材料を好適に用いることができる。ターゲット層7bの厚さは、加速電圧によってターゲット層7bへの電子線5の浸入深さ、即ち放射線の発生領域が異なるため、最適な値は異なるが、1μm乃至15μmである。支持基板7aへのターゲット層7bの一体化は、スパッタ、蒸着、スクリーン印刷、ジェットプリンティング等の手段により行なうことができ、ターゲットとすることができる。また、別の方法としては、別途、圧延や研磨により所定の厚さのターゲット層7bを作製し、支持基板7aに高温高圧下で拡散接合することによりターゲットとすることも可能である。
遮蔽体8は、ターゲット7の支持基板7aの外周を取り囲み、放射線放出側(放射線発生管1の外側)に突出する部材である。即ち、遮蔽体8は両端が開口した通路を有しており、該通路の電子放出源2側の端部もしくは途中にターゲット7を設置する。遮蔽体8の通路は、ターゲット7よりも電子放出源2側においては、電子線5をターゲット層7bの電子線照射領域に導くための通路となり、反対側は放射線を放射線発生管1の外部に導くための通路となる。
遮蔽体8は、放射線を遮蔽する部材であり、ターゲット層7bから放出される放射線のうち不要な放射線は遮蔽体8により遮蔽され、必要な放射線のみが先述した通路を通って、蓋体9を透過し、放射線発生管1の外部に放出されることになる。遮蔽体8は、また、放熱体としての機能を有する。電子線5がターゲット7に照射されることで発生した熱は遮蔽体8を通じて外部へ放熱される。遮蔽体8を構成する材料は、放射線の遮蔽部材としての観点からは放射線の吸収率が高いものが好ましく、放熱体としての観点からは熱伝導率の高いものが好ましい。例えば、タンタル、モリブデン等の金属材料を用いることができる。また、これらの放射線吸収率の高い材料と更に熱伝導率の高い材料(例えば銅やアルミ)との組み合わせで構成することも可能である。
遮蔽体8へのターゲット7の設置は、ろう付け等により接合することで行なわれる。接合に当たっては、外囲器3の内部を真空状態に維持できるような接合状態とすることが重要である。ターゲット7及び遮蔽体8は、ターゲット7の支持基板7aの側面部又は周縁部の一方もしくは両方で、全周にわたって気密性を保った状態で接合されている。
本発明においては、蓋体9を遮蔽体8の開口端に接合することにより、放射線発生管1外の原因によるターゲット7の損傷を抑制すると同時に、放射線発生管1外に充填された冷却媒体の、高温になったターゲット7による劣化や変質を防止することができる。
蓋体9は遮蔽体8の開口端に接合され、遮蔽体8とターゲット7の支持基板7aとで密閉空間を形成している。係る密閉空間の雰囲気は、必要に応じて、大気雰囲気、真空雰囲気、ArやN2等の非酸化雰囲気等より適宜選択することができる。蓋体9を設けることで、放射線を発生し高温となるターゲット7を放射線発生管1の外部環境と分離することができる。そのため、ターゲット7へのパーティクルの付着による汚染を防ぐことができ、また、高温になるターゲット7と冷却媒体が直接接触しないため、冷却媒体及びターゲット7の双方のダメージを防ぐことができる。蓋体9の材料としては、ダイヤモンド、ガラス、ベリリウム、アルミニウム、窒化シリコン、窒化アルミニウム等の放射線吸収率の低い材料が好ましい。また、基板としての強度を有し、且つ放射線の吸収を少なくするため、蓋体の厚みは数十μm乃至数mm程度が適当である。
遮蔽体8と蓋体9とは、当接部11において互いに当接しており、遮蔽体8と蓋体9とを接合する接合材10は、該当接部11の外周であって、遮蔽体8と蓋体9とに挟まれた収納部に配設されている。本発明においては、接合材10を当接部11の外周に配設したことにより、接合時や動作時に接合材10が軟化した場合でも、ターゲット7と遮蔽体8と蓋体9とで形成される空間内に接合材10が入り込むことを防止することができる。
本発明において、当接部11の形態としては、遮蔽体8と蓋体9の少なくとも一方が他方に向けて突出する突出部を有し、該突出部において遮蔽体8と蓋体9とが当接する形態が挙げられる。例えば、図2(a)や図3(a)に示す形態は、遮蔽体8に蓋体9に向かって突出する突出部12が設けられ、該突出部12の先端が蓋体9に当接している。また、図3(d)は蓋体9に遮蔽体8に向かって突出する突出部13を設けた形態であり、該突出部13の先端が遮蔽体8に当接している。これらの形態においては、突出部13の側面に接して、遮蔽体8と蓋体9とに挟まれた接合材10の収納部が形成される。
また、図3(b)は遮蔽体8の開口端が、平坦な当接部11の外周から外側に向かって、当接部11から後退する傾斜面を形成している。従って、接合材10の収納部は、該傾斜面によって、当接部11の外周から外側に向かって蓋体9との間に蓋体9との距離が漸増するテーパー状を有している。図3(c)は図3(b)とは逆に、蓋体9が平坦な当接部11の外周から外側に向かって当接部11から後退する傾斜面を形成している。従って、接合材10の収納部は、該傾斜面によって、当接部11の外周から外側に向かって蓋体9との間に蓋体9との距離が漸増するテーパー状を有している。いずれの場合も、接合材10は係るテーパー状の収納部において蓋体9と遮蔽体8とに挟まれており、これらを良好に接合する。尚、本発明において、蓋体9と遮蔽体8とに挟まれている収納部とは、遮蔽体8の長尺方向において、遮蔽体8と蓋体9のそれぞれの壁面が平行或いは傾斜して対向する領域を言う。
また、図2(a)、図3(a)、(c)、(d)は、いずれも遮蔽体8がターゲット7の支持基板7aより放射線放出側にのみ突出している、即ちターゲット7が遮蔽体8の通路の電子放出源2側の開口端を塞ぐ形態である。これに対し、図3(b)は遮蔽体8が電子放出源2側にも突出しており、電子放出源2から放出された電子線5をターゲット層7bに導く通路を有する形態である。
本発明においては、遮蔽体8の開口端において、開口部に近い側に当接部11を有し、該当接部11よりも外側に接合材10が配設されている。即ち、接合材10が軟化して流動したとしても、接合材10は当接部11に妨げられて遮蔽体8の開口部内に侵入することができない。よって、接合材10の塗布時や動作時において、軟化した接合材10が蓋体9の放射線透過領域に付着して線量低下や線質汚染を引き起こすことが防止される。
本発明に用いられる接合材10としては、ハンダや銀ロウ等の粘度が負の温度依存性を有する材料を、加熱により溶融して用いる。具体的な手法を選択する際には、蓋体9や遮蔽体8の材料などの耐熱性や放射線発生管1の使用環境等から耐熱性、接着力、気密性等を考慮して選択すればよい。
本発明において、外囲器3はガラスやセラミックス等で構成することができ、放射線発生管1の内部は真空排気(減圧)された空間となっている。放射線発生管1の内部は、平均自由行程として、電子放出源2と放射線を放出するターゲット層7bとの間の距離を、少なくとも電子が飛翔可能なだけの真空度であれば良く、1×10-4Pa以下の真空度が適用可能である。使用する電子放出源や、動作する温度等を考慮して適宜選択することが可能であり、冷陰極型電子放出源等の場合は、1×10-6Pa以下の真空度とするのがより好ましい。放射線発生管1内の真空度の維持の為に、ゲッタ(不図示)を外囲器3内部に配置するか、もしくは内部空間に連通している補助スペース(不図示)に設置することも可能である。
次に、本発明の放射線発生装置について説明する。図4は図1の放射線発生管1を備える放射線発生装置20の構成の一例を示す断面模式図である。本発明の放射線発生装置は、図4に示すように、本発明の放射線発生管1と、これを収容する収納容器22とを備え、収納容器22の余剰空間には冷却媒体として絶縁性流体23が満たされている。また、収納容器22には、放射線発生管1から生じる放射線を取り出すための放射線放出窓21を備えている。
収納容器22の内部には、不図示の回路基板及び絶縁トランス等から構成される駆動回路24を設けても良い。駆動回路24を設けた場合、例えば放射線発生管1に駆動回路24から所定の電圧信号が印加され、放射線の発生を制御することができる。
収納容器22は、容器としての十分な強度を有していれば良く、金属やプラスチックス材料等から構成される。収納容器22には、放射線を透過し収納容器22の外部に放射線を取り出すための放出窓21が設けられている。放射線発生管1から放出された放射線はこの放出窓21を通して外部に放出される。放出窓21には、ガラス、アルミニウム、ベリリウム等が用いられる。
絶縁性流体23は、電気絶縁性が高く、冷却能力が高く、熱による変質の少ない絶縁性液体が好ましく、例えば、シリコーン油、トランス油、フッ素系オイル等の電気絶縁油、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の絶縁性液体等が使用可能である。
次に、図5に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
図5に示すように、本発明の放射線発生装置20は、必要に応じて、その放射線放出窓21部分に設けられた可動絞りユニット25を備えている。可動絞りユニット25は、放射線発生装置20から照射される放射線26の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット25として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置32は、放射線発生装置20と放射線検出装置31とを連携制御する。駆動回路24は、システム制御装置32による制御の下に、放射線発生管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置20から放出される放射線26の放出状態が制御される。放射線発生装置20から放出された放射線26は、被検体34を透過して検出器36で検出される。検出器36は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部35に出力する。信号処理部35は、システム制御装置32による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置32に出力する。システム制御装置32は、処理された画像信号に基づいて、表示装置33に画像を表示させるための表示信号を表示装置33に出力する。表示装置33は、表示信号に基づく画像を、被検体34の撮影画像としてスクリーンに表示する。
放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生装置と放射線撮影システムは、X線発生装置とX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
本実施例では、図1、図2に示す構成の放射線発生管1を作製した。作製方法を以下に示す。
ターゲット7を作製するために、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の高圧合成ダイヤモンド基板を支持基板7aとして用意し、予め、UV−オゾンアッシャにより、表面の有機物を除去した。このダイヤモンド基板の一方の面上に、スパッタ法によりターゲット層7bとして直径3mm、厚さ6μmのタングステン膜をメタルマスクを使用して形成した。尚、本実施例ではタングステン膜のパターン形成をメタルマスクを使用して行なったが、フォトリソグラフィを使用してもよいし、印刷法等を使用することも可能である。
続いて、遮蔽体8とターゲット7をろう付けにより一体化した。遮蔽体8は、材料としてタングステンを使用し、機械加工で図1(b)、(c)に示すような形状に加工した。また、ターゲット7にはろう付けのために側面周囲にチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成した。遮蔽体8の保持部9にターゲット7と銀、銅、チタンからなるろう材をセットして、850℃で焼成することで一体化した。
次に、図1(a)に示すように、ターゲット7と一体になった遮蔽体8を、含浸型の熱陰極を有する電子放出源2と対向させて、電子線5がターゲット7に照射できるように位置決めし、真空封止した。この際、外囲器3内にはゲッタ(不図示)も配置した。
最後に、接合材10としてSnを主成分とするハンダを使用して遮蔽体8の放射線放出側の開口端に蓋体9を接合した。蓋体9としては、厚さ1mmで径が16mmのアルミニウム製のものを使用した。蓋体9と遮蔽体8との接合は、遮蔽体8の開口端に設けられている環状の突出部12を蓋体9に突き当てた状態で、ハンダ付けによって行った。遮蔽体8に設けた突出部12は外径が14mm、内径が12mm、高さが2mmとした。遮蔽体8の蓋体9側の内径も12mmである。これにより、接合材10が蓋体9と遮蔽体8とターゲット7とにより囲まれる密閉空間に入りこむことなく蓋体9と遮蔽体8とを接合することができた。また、ターゲット7と蓋体9との距離も、蓋体9の位置が突出部12の位置で決まるため、精度よく決めることができた。
このようにして作製した放射線発生管1の放射線のスペクトルを測定した所、接合材10のハンダに含まれるSn等のスペクトルは観察されない所望のものだった。また、長時間連続使用した場合でも、安定して放射線を発生させることができる良好な性能のものであった。
(実施例2)
本実施例の放射線発生管は、アノード部が図3(c)に示した形状とした以外は実施例1と同様にして作製した。蓋体9は、遮蔽体8側において、直径が14mmの位置から外側に向かって厚みが漸減し、厚さ方向の断面が図3(c)に示すように台形となる形状とした。遮蔽体8は、突出部12を設けずに開口端を平坦な形状とした。本例においても、実施例1と同様に、ハンダに含まれるSn等のスペクトルは観察されない所望のものだった。また、長時間連続使用した場合でも、安定して放射線を発生させることができる良好な性能のものであった。
1:放射線発生管、7:ターゲット、7a:支持基板、7b:ターゲット層、8:遮蔽体、9:蓋体、10:接合材、11:当接部、12,13:突出部、20:放射線発生装置、21:放出窓、22:収納容器、23:絶縁性流体、24:駆動回路、31:放射線検出装置、32:制御装置、34:被検体、

Claims (6)

  1. 放射線透過性の支持基板とターゲット層とを有する透過型ターゲットと、
    前記支持基板の外周を取り囲み、放射線放出側に突出する遮蔽体と、
    前記遮蔽体の開口端を塞ぐ蓋体とを備え、
    前記遮蔽体と蓋体とが、粘度が負の温度依存性を有する接合材により接合されている放射線発生管において、
    前記遮蔽体と前記蓋体とが当接する当接部を有し、
    前記当接部の外周であって、前記遮蔽体と蓋体とに挟まれた収納部に前記接合材が配設されていることを特徴とする放射線発生管。
  2. 前記遮蔽体及び前記蓋体の少なくとも一方が他方に向けて突出する突出部を有し、前記突出部において、前記遮蔽体と前記蓋体とが当接していることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生管。
  3. 前記収納部が、前記当接部の外周から外側に向かって前記遮蔽体と前記蓋体との距離が漸増するテーパー状を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生管。
  4. 前記接合材は、ハンダ又は銀ろうである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線発生管。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線発生管と、前記放射線発生管を収容し、前記放射線発生管から生じる放射線を取り出すための放出窓を有する収納容器と、を備え、前記収納容器の内部の余剰空間が絶縁性流体で満たされていることを特徴とする放射線発生装置。
  6. 請求項5に記載の放射線発生装置と、
    前記放射線発生装置から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と、
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
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