JP2015052529A - 電界撹拌装置及び電界撹拌方法 - Google Patents

電界撹拌装置及び電界撹拌方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015052529A
JP2015052529A JP2013185565A JP2013185565A JP2015052529A JP 2015052529 A JP2015052529 A JP 2015052529A JP 2013185565 A JP2013185565 A JP 2013185565A JP 2013185565 A JP2013185565 A JP 2013185565A JP 2015052529 A JP2015052529 A JP 2015052529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
droplet
electric field
upper electrode
lower electrode
stirring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013185565A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6206842B2 (ja
Inventor
鈴木 洋一
Yoichi Suzuki
洋一 鈴木
申吾 阿部
Shingo Abe
申吾 阿部
耕平 下山
Kohei Shimoyama
耕平 下山
太朗 青木
Taro Aoki
太朗 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akita Epson Corp
Original Assignee
Akita Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akita Epson Corp filed Critical Akita Epson Corp
Priority to JP2013185565A priority Critical patent/JP6206842B2/ja
Publication of JP2015052529A publication Critical patent/JP2015052529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6206842B2 publication Critical patent/JP6206842B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】免疫染色時間を短縮できる電界撹拌装置及び電界撹拌方法を提供する。【解決手段】上電極20に対向する下電極10に基板Wを載置し、基板上の液滴Sに上電極及び下電極が対向する方向の交流電界を印加して液滴を振動させる電界撹拌装置1において、下電極10を昇降させる昇降機構11と、上電極の下部に検出領域Rを有する頂点検出手段24と、液滴の頂点が検出領域に達したか否かを判別する制御手段40と、を備え、制御手段40は、液滴Sの頂点が検出領域Rに達しない場合には、下電極10を上昇させるよう昇降機構11を制御し、液滴Sの頂点が検出領域Rに達した場合には、下電極10の高さ位置を維持するよう昇降機構11を制御する、又は、液滴Sの頂点が検出領域Rに達しない場合には、上電極20を下降させるよう昇降機構11を制御し、液滴Sの頂点が検出領域Rに達した場合には、上電極20の高さ位置を維持するよう昇降機構11を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電界撹拌装置及び電界撹拌方法に関する。
近年、バイオテクノロジーの発展と共に、実験機器の高性能化が進んでいる。病理分野でがんの進行度等を調べるための免疫組織染色においても自動化が進んでいる。染色時間の短縮化を実現できれば、脳腫瘍や乳がん手術中に行われる術中迅速診断に免疫組織染色を導入できる。
現在の術中迅速診断では、比較的短時間で診断結果が得られるHE染色が広く普及している。しかしながら、HE染色では得られる診断結果が少ないため、誤診の可能性が高くなる問題がある。
これに対し、免疫組織染色は、得られる診断結果が比較的多い。免疫組織染色が術中迅速診断に導入できれば、誤診の可能性を大きく低減できる。染色終了までに数時間ほど要する抗原抗体反応工程に電界撹拌装置を用いることで、免疫染色時間を短縮できることが知られている。電界撹拌装置として、抗体溶液を滴下した組織標本試料を電極間に載置し、交流電界を印加することで作用するクーロン力により試料を撹拌するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−13598号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電界撹拌装置では、撹拌強度が様々な要因(液滴の粘度、液滴量、表面張力、周囲温度、撥水円の描き方等)で変化することが考慮されておらず、最適な撹拌条件を得ることが難しかった。そして、目視により撹拌強度を調節するほかなく、誤差や手間が生じ、免疫染色時間の短縮が困難であるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑み、免疫染色時間を短縮できる電界撹拌装置及び電界撹拌方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、上電極に対向する下電極に基板を載置し、前記基板上の液滴に前記上電極及び前記下電極が対向する方向の交流電界を印加して前記液滴を振動させる電界撹拌装置において、前記下電極を昇降させる昇降機構と、前記上電極の下部に検出領域を有する頂点検出手段と、前記液滴の頂点が前記検出領域に達したか否かを判別するする制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記液滴の頂点が前記検出領域に達しない場合には、前記下電極を上昇させるよう前記昇降機構を制御し、前記液滴の頂点が前記検出領域に達した場合には、前記下電極の高さ位置を維持するよう前記昇降機構を制御する、又は、前記液滴の頂点が前記検出領域に達しない場合には、前記上電極を下降させるよう前記昇降機構を制御し、前記液滴の頂点が前記検出領域に達した場合には、前記上電極の高さ位置を維持するよう前記昇降機構を制御することを特徴とする電界撹拌装置にある。
かかる態様では、液滴の頂点が検出領域に達するまで、下電極を上昇させ、又は、前記上電極を下降させることができ、クーロン力の作用によって液滴の振幅を大きくすることができる。そして、液滴の頂点が検出領域に達したとき、下電極の高さ位置、又は前記上電極の高さ位置を維持することができ、これにより、液滴が上電極に接触せず、かつ振幅の大きい最適な撹拌条件を正確かつ容易に得ることができる。よって、撹拌効率を向上させて免疫染色時間を短縮できる。
ここで、前記制御手段は、前記交流電界の周波数と、前記下電極及び前記上電極の電極間距離と、が予め最適化された撹拌条件テーブルを参照した上で、前記液滴の頂点が前記検出領域に達したか否かを判別し、前記昇降機構を制御することが好ましい。これによれば、予め最適化された周波数及び電極間距離に基づいて、電界撹拌を行うことができる。このとき、液滴の頂点が検出領域に達していない場合には、液滴の頂点が検出領域に達するまで、下電極を上昇させ、又は上電極を下降させ、クーロン力の作用によって液滴の振幅を大きくし、撹拌条件をさらに最適化させることができる。よって、より最適な撹拌条件を正確かつ容易に得て、撹拌効率を向上させて免疫染色時間をより短縮できる。
また、前記頂点検出手段は、前記上電極に固定された発光器及び受光器からなるエリアセンサーであることが好ましい。これによれば、下電極や上電極の昇降に伴う振動がエリアセンサーに伝達するのを抑制し、検出安定性を向上させることができる。よって、最適な撹拌条件をさらに正確かつ容易に得て、撹拌効率を向上させて免疫染色時間をさらに短縮できる。
また、前記電界撹拌装置は、前記上電極を水平移動させるスライド部材を備えることが好ましい。これによれば、下電極の対向空間を一部開放させ、基板を正確かつ容易に載置できる。よって、全体として免疫染色時間を短縮できる。
また、本発明の他の態様は、上電極に対向する下電極に基板を載置し、前記基板上の液滴に前記上電極と前記下電極が対向する方向の交流電界を印加して前記液滴を振動させる電界撹拌方法において、前記上電極の下部に検出領域を有する頂点検出手段からの情報に基づいて、前記液滴を振動させながら最適な撹拌条件テーブルを得る最適化工程と、前記最適化工程で得られた前記最適な撹拌条件テーブルに基づいて、振動する前記液滴の頂点が前記検出領域に達したことが検出されるまで前記下電極を上昇又は前記上電極を下降させ、撹拌を行う本撹拌工程と、を有することを特徴とする電界撹拌方法にある。
かかる態様では、予め最適化された周波数及び電極間距離に基づいて電界撹拌を行うことができる。このとき、液滴の頂点が検出領域に達していない場合には、液滴の頂点が検出領域に達するまで、下電極を上昇させ、又は前記上電極を下降させ、クーロン力の作用によって液滴の振幅を大きくし、撹拌条件をさらに最適化させることができる。よって、最適な撹拌条件を正確かつ容易に得て、撹拌効率を向上させて免疫染色時間をより短縮できる。
また、前記最適化工程は、前記液滴の頂点が前記検出領域に達するまで、前記交流電界の周波数を所定範囲で掃引し、前記下電極を上昇させ又は前記上電極を下降させる工程と、前記液滴の頂点が前記検出領域に達したとき、前記交流電界の周波数と、前記下電極及び前記上電極の電極間距離と、を最適な撹拌条件テーブルとして記憶する工程と、を有することが好ましい。これによれば、最適な撹拌条件テーブルを正確かつ容易に得ることができる。よって、撹拌効率を向上させて免疫染色時間をより短縮できる。
本実施形態に係る電界撹拌装置の構成を示す模式図である。 本実施形態に係るエリアセンサーの構成例を示す拡大図である。 本実施形態に係るエリアセンサーの検出原理を説明する図である。 本実施形態に係る制御手段の構成例を示すブロック図である。 交流電界の周波数と液滴の振幅との関係を説明する図である。 本実施形態に係る本撹拌制御について説明する図である。 準備工程について説明する図である。 基板の配置例について説明する図である。 本実施形態に係る電界撹拌方法を示すフロー図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。図1(a)〜(b)は、本実施形態に係る電界撹拌装置(以下、単に電界撹拌装置とも称する)の構成を示す模式図である。このうち、図1(a)は正面図を示し、図1(b)は図1(a)におけるX方向から見た側面図を示す。
図示するように、電界撹拌装置1は、基板Wが載置される下電極10と、基板Wを介して下電極10に対向する上電極20と、高圧アンプ等を含んで構成される電源装置30とを具備している。下電極10及び上電極20は酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性材料からなり、電源装置30に電気的に接続されている。
上電極20はスライド部材21に接続されている。スライド部材21は、略L字状を有しており、一端側が上電極20の上部中央にネジ固定され、他端側が装置本体に接続されている。スライド部材21は、例えば装置本体に設けられたガイドレール等に沿って、水平方向にスライド可能に構成されており、これにより、下電極10の対向空間を一部開放させ、基板Wを正確かつ容易に載置できるようになっている。本実施形態では、上電極20は、下電極10の短手方向(図1(a)での紙面に向かって裏表方向、すなわち図1(b)での左右方向)にスライド可能となっている。
下電極10は、重力方向(図1(a)〜(b)での上下方向)に昇降可能な昇降機構11に接続されている。これにより、下電極10及び上電極20の電極間距離が調節可能となる。昇降機構11は、例えば下電極10の下部に突設する昇降ピンである。尚、本明細書において、電極間距離は、基板Wを介して対向する下電極10及び上電極20の距離である。
下電極10の下方には、昇降機構11を介して支持台12が設けられている。支持台12には水準器13が設けられ、下電極10及び上電極20の水平状態が確認できるようになっている。水準器13は、例えば透明容器に気泡を充填した気泡水準器である。
このような下電極10、上電極20及び電源装置30を具備する電界撹拌装置1では、制御手段からの制御信号に基づき、電源装置30から下電極10及び上電極20に所定の交流電圧が印加される。そうすると、交流電界が発生し、クーロン力の作用によって基板W上の液滴Sが上下方向に振動する。
また、電界撹拌装置1では、制御信号に基づき昇降機構11が制御され、下電極10及び上電極20の電極間距離が調整されることとなる。下電極10が上昇(下降)すると、下電極10と上電極20との距離である電極間距離が大きく(小さく)なり、基板W上の液滴Sに作用するクーロン力が大きく(小さく)なる。その結果、液滴Sの振幅が大きく(小さく)なる。尚、本明細書において、振幅は、上下振動する液滴頂点の最高点の高さ位置と、液滴頂点の最下点の高さ位置との差である。
一般に、液滴の振幅が大きいほど撹拌効率は向上する。一方、液滴Sの頂点が上電極20に接触すると、上電極20が濡れて液滴Sが振動し難くなる。従って、免疫染色時間を短縮するには、液滴Sの頂点が上電極20に接触しない範囲で、液滴Sを大きく振幅させる必要がある。一方、撹拌強度は、液滴の粘度、液滴量、表面張力、周囲温度、撥水円の描き方等の様々な要因で変化する。
そこで、電界撹拌装置1は、上電極20の下部に検出領域を有し、液滴Sの頂点が検出領域に達したことを検出する頂点検出手段を備えている。これにより、液滴Sが上電極20に接触する可能性があるか否かを正確に判断できるようになる。本実施形態において、頂点検出手段は、例えば上電極20の長手方向の端部一対に設けられた発光器22及び受光器23からなるエリアセンサー24である。
図2は、エリアセンサー24の構成例を示す拡大図である。図に示すように、エリアセンサー24の発光器22及び受光器23は、それぞれスペーサー25を介して上電極20に固定されている。発光器22は、上電極20から例えば2.8mm下方に検出領域Rが位置するように調節され、この発光器22に対向して、光を検出する素子である受光器23がアレイ状に配列されている。
このようなエリアセンサー24の検出原理を、図3(a)〜(b)を参照しつつ説明する。同図は、基板W上の液滴Sに交流電界が印加された段階を示す。同図中、二点鎖線はエリアセンサーの検出領域を示し、破線は液滴Sの外形形状を示す。下電極10及び上電極20は、電極間距離dを介して対向して配置されている。
図3(a)に示すように、液滴Sが振動しても、その頂点がエリアセンサー24の検出領域Rに達しない限り受光器23で検知される受光量は変化しない。すなわち、発光器22の出力値aと受光器23の入力値bとの関係はa=bとなる。
一方、図3(b)に示すように、電極間距離dが小さくなり、クーロン力の作用によって液滴Sの振幅が大きくなると、液滴Sの頂点がエリアセンサー24の検出領域Rに達する。そうすると、発光器22から出力される光が液滴Sに遮られ、受光器23で検知される受光量が変化する。すなわち、発光器22の出力値aと受光器23の入力値bとの関係が、a≠bとなる。
このような検出情報は制御手段に送られる。かくして、液滴Sがエリアセンサー24の検出領域Rに達するまでは電極間距離dを小さくし、撹拌効果を向上させる。一方、液滴Sの頂点がエリアセンサー24の検出領域Rに達したときは、液滴Sが上電極20に接触する可能性がある。このため、エリアセンサー24の検出領域Rとしては、液滴Sが上電極20に接触しない領域が設定される。
次に、電界撹拌装置1の動作について図4を参照しつつ説明する。電界撹拌装置1は、最適な撹拌条件を検出する制御手段40を具備している。制御手段40は、公知の構成からなるマイクロコンピューターを中心に構成されており、各部は具体的にはマイクロコンピューターによるプログラムの実行によって実現される。この制御手段40は、各部の動作を制御するCPU41と、各部での検出結果等が記憶されるRAM42とを備えている。
RAM42には、予め、液滴量に応じたベースとなる撹拌条件テーブルが格納されている。一方、撹拌強度は様々な要因(液滴の粘度、液滴量、表面張力、周囲温度、撥水円の描き方等)で変化するため、撹拌条件テーブルを最適化させる必要がある。そこで、本実施形態の制御手段40では、液滴Sを振動させながら撹拌条件テーブルを最適させる最適化制御を行う。
図5(a)〜(d)に示すように、液滴Sの振幅は、液滴量や電極間距離によって所定の周波数で最大値をとる。すなわち、液適量や電極間距離によって、液滴Sの振幅の最大値を与える最適な周波数がある。このような最適な周波数をはじめとする最適な撹拌条件が、最適化制御によって検出される。
最適化制御では、CPU41は、周波数を所定範囲で掃引するように電源装置30を制御し、周波数の掃引が終わったとき、下電極10を上昇させるように昇降機構11を制御する。この制御を、液滴Sの頂点がエリアセンサー24によって検出されるまで繰り返す。そして、CPU41は、液滴Sの頂点がエリアセンサー24によって検出されたとき、電極間距離や周波数といった撹拌条件をRAM42に記憶させる。このとき記憶された撹拌条件は、電極間距離dが最も大きい、すなわち振幅が最も大きい最適な撹拌条件である。
最適化制御で得られる撹拌条件により、上記撹拌条件テーブルが最適化される。これにより、次回以降、最適化された撹拌条件に基づいて電界撹拌を開始でき、免疫染色時間を短縮できるようになる。
ここで、CPU41は、上記最適化制御で得られた撹拌条件テーブルを参照し、液滴Sを撹拌する本撹拌制御を行う。本撹拌制御について、図6(a)〜(d)を参照しつつ説明する。同図は、基板W上に液滴量(150μm、200μm、400μm及び600μm)が滴下された状態を示す。図中、各液滴について、下電極10を基準として、エリアセンサー24の検出領域Rの高さxと、上下振動する液滴の最高点の頂点高さyとが示されている。
液滴量が150μmである図6(a)を例にとると、電極間距離dは6mmである。また、図2に示すように、エリアセンサー24の検出領域Rは、上電極20から2.8mm下方であるため、検出領域Rの高さxは、下電極10を基準として3.2mmである。一方、上下振動する液滴の最高点の頂点高さyは、下電極10を基準として3.5mmである。このとき、上下に振動する液滴について、検出領域Rの高さxと液滴の最高点の頂点高さyとは、x<yの関係となる。これは、最適化制御で得られた撹拌条件で液滴Sを振動させたとき、液滴Sの頂点が検出領域Rに達し、エリアセンサー24の値が液滴の撹拌と同期して変わることを意味する。この場合、最適な撹拌条件がされていると装置が認識し、撹拌がそのまま進められる。
一方、様々な要因で撹拌強度が変わるため、最適化制御で得られた撹拌条件で撹拌しても、エリアセンサー24の値が液滴Sの撹拌と同期して変わらない場合もある。この場合、CPU41は、下電極10を例えば0.1mmずつ上昇させるように昇降機構11を制御する。これにより、液滴Sに作用するクーロン力が大きくなり、液滴Sの振幅が大きくなる。その後、エリアセンサー24からの情報を監視しながら下電極10を上昇させる制御を繰り返し、エリアセンサー24によって液滴Sが検出されたら、そのときの撹拌条件により撹拌条件テーブルを最適化し、かかる撹拌条件で電界撹拌を行う。
尚、図6(b)〜(d)に示す他の液滴量(200μm、400μm及び600μm)についても、図6(a)に示す液滴量が150μmである場合と同様に、検出領域Rの高さxと液滴の最高点の頂点高さyとは、x<yの関係となる。最適化制御で得られた撹拌条件で液滴Sを振動させ、エリアセンサー24の値が液滴の撹拌と同期して変わる場合、最適な撹拌条件がされていると装置が認識し、撹拌がそのまま進められる。
そして、エリアセンサー24の値が液滴Sの撹拌と同期して変わらない場合には、エリアセンサー24により液滴が検出されるまで、下電極10を上昇させる。エリアセンサー24によって液滴Sが検出されたら、そのときの撹拌条件を最適な撹拌条件として記憶し、撹拌条件テーブルを最適化する。
以上説明した制御手段40を備えることにより、昇降機構11や電源装置30の自動化が可能になる。よって、最適な撹拌条件をより正確かつ容易に得て、撹拌効率を向上させて免疫染色時間をより短縮できる。
次に、制御手段40により行われる本実施形態の電界撹拌方法を説明する。まず、電界撹拌方法を実施するに当たり、以下のような準備工程を行う。すなわち、図7(a)〜(c)に示すように、基板W(武藤化学株式会社製「New SilaneII」厚さ1.0mm)上に、テンプレートを用い、直径12mm又は直径20mmの撥水円を描く。直径12mmの場合は150μL又は200μL、直径20mmの場合は400μL又は600μLの試薬を滴下する。
滴下スポットは、例えば基板W1枚当たり1又は2箇所である。滴下スポットは、エリアセンサーの検出領域に応じて適宜変更が可能である。試薬を滴下した後、上電極を水平方向に移動させ、下電極に基板Wをセットする。
基板Wは、単数でも複数でもよく、例えば図8(a)に示すように、5枚の基板Wを一列に下電極10に載置することができる。図8(b)に示すように、5枚ずつ二列に基板Wを載置してもよい。この場合、複数の基板W上の液滴のうち、いずれかの基板W上の液滴Sの頂点が検出領域Rに達したとき、エリアセンサー24により検出される。本実施形態の電界撹拌方法では、複数の基板Wを下電極10に裁置する場合においても、最適化撹拌条件において効率よく安定して撹拌が行われる。尚、基板Wの数や配置は、エリアセンサーの検出領域や液滴スポット数に応じて適宜変更が可能である。
以上のような準備工程の後、本撹拌工程を行う。図9は、本実施形態の電界撹拌方法を示すフローチャート図である。図に示すように、本実施形態の電界撹拌方法では、ステップS1で基板W上の液滴量を検知して、ステップS2で撹拌条件を選択する。かかる撹拌条件は、上記最適化制御によって最適化される撹拌条件テーブルを参照して得ることができる。
ステップS3で、下電極10及び上電極20に所定の交流電圧を印加する準備が整ったことを検知する。ここでは、スライドする上電極20が下電極10の対向位置にあることや、電極間距離dが所定距離であること等を検知する。
次いで、ステップS4で、ステップS2において選択された撹拌条件に基づき、下電極10及び上電極20に交流電圧を印加する。これにより、基板W上の液滴Sに交流電界が印加され、クーロン力の作用によって液滴Sが上下に振動する。
ステップS5で、液滴Sの頂点がエリアセンサー24により検出されたか否かを判別する。ステップS5において液滴Sの頂点が検知されないと判別されたとき(ステップS5;No)は、ステップS6に進み、電極間距離dが限界値L未満であるか否かを判別する。
限界値Lは、制御上、正常に動作している限りは取り得ない値であって、電界撹拌装置1の故障を推察できる値である。従って、ステップS6において電極間距離dが限界値L未満であると判別されたとき(ステップS6;Yes)は、ステップS7で警告ランプを点灯し、ユーザに故障を知らせた後、フローを終了する。
一方、ステップS6において電極間距離dが限界値L以上であると判別されたとき(ステップS6;No)は、ステップS8に進み下電極10を上昇させる。これにより、クーロン力の作用によって液滴Sの振幅が大きくなる。その後、ステップS5に戻る。
以降、ステップS5〜ステップS8を繰り返す。ステップS5において液滴Sの頂点が検知されたと判別されたとき(ステップS5;Yes)は、ステップS9に進み、この時点での電極間距離d及び周波数を最適な撹拌条件として記憶し、ステップS2における撹拌条件を最適化させる。次いで、ステップS10に進み、ステップS9において得られた最適な撹拌条件を用いて撹拌を継続し、その後にフローを終了する。
(他の実施形態)
以上、本実施形態に係る電界撹拌装置及び電界撹拌方法について説明したが、本発明はかかる実施形態に制限されない。例えば、頂点検出手段はエリアセンサーに限られず、画像処理手段等であってもよい。また、最適化制御は、所定の電極間距離ごとに周波数を掃引する制御に限られず、所定の周波数ごとに電極間距離を掃引する制御としてもよい。
尚、昇降機構として、上電極を昇降させる構成を採用し、又は上記実施形態に組み合わせて構成してもよい。ただし、上記実施形態のように下電極を昇降させる構成によれば、下電極の昇降に伴う振動がエリアセンサーに伝達するのを抑制でき、上電極に固定されたセンサーの検出安定性の点で有利となる。
また、液滴の振幅を調節するためのパラメーターとして、電極間距離の他に、下電極10及び上電極20に印加する交流電圧の大きさがある。よって、電圧装置が所定範囲で交流電圧を変化可能に構成される場合には、交流電圧の大きさによっても、液滴Sの振幅を調節するように構成してもよい。
本発明は、電界撹拌装置及び電界撹拌方法の産業分野で利用することができる。また、本発明の電界撹拌装置及び電界撹拌方法によれば、一次抗体と二次抗体との滴下量を染色ごとに変える場合であっても、最適な撹拌条件を正確かつ容易に得て、免疫染色時間を短縮できる。
1 電界撹拌装置、 10 下電極、 11 昇降機構、 12 支持台、 13 水準器、 20 上電極、 21 スライド部材、 22 発光器、 23 受光器、 24 エリアセンサー、 25 スペーサー、 30 電源装置、 40 制御手段、 41 CPU、 42 RAM

Claims (6)

  1. 上電極に対向する下電極に基板を載置し、前記基板上の液滴に前記上電極及び前記下電極が対向する方向の交流電界を印加して前記液滴を振動させる電界撹拌装置において、
    前記下電極を昇降させる昇降機構と、
    前記上電極の下部に検出領域を有する頂点検出手段と、
    前記液滴の頂点が前記検出領域に達したか否かを判別する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記液滴の頂点が前記検出領域に達しない場合には、前記下電極を上昇させるよう前記昇降機構を制御し、前記液滴の頂点が前記検出領域に達した場合には、前記下電極の高さ位置を維持するよう前記昇降機構を制御する、
    又は、
    前記液滴の頂点が前記検出領域に達しない場合には、前記上電極を下降させるよう前記昇降機構を制御し、前記液滴の頂点が前記検出領域に達した場合には、前記上電極の高さ位置を維持するよう前記昇降機構を制御する
    ことを特徴とする電界撹拌装置。
  2. 前記制御手段は、前記交流電界の周波数と、前記下電極及び前記上電極の電極間距離と、が予め最適化された撹拌条件テーブルを参照した上で、前記液滴の頂点が前記検出領域に達したか否かを判別し、前記昇降機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の電界撹拌装置。
  3. 前記頂点検出手段は、前記上電極に固定された発光器及び受光器からなるエリアセンサーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電界撹拌装置。
  4. 前記電界撹拌装置は、前記上電極を水平移動させるスライド部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電界撹拌装置。
  5. 上電極に対向する下電極に基板を載置し、前記基板上の液滴に前記上電極と前記下電極が対向する方向の交流電界を印加して前記液滴を振動させる電界撹拌方法において、
    前記上電極の下部に検出領域を有する頂点検出手段からの情報に基づいて、前記液滴を振動させながら最適な撹拌条件テーブルを得る最適化工程と、
    前記最適化工程で得られた前記最適な撹拌条件テーブルに基づいて、振動する前記液滴の頂点が前記検出領域に達したことが検出されるまで前記下電極を上昇又は前記上電極を下降させ、撹拌を行う本撹拌工程と、
    を有することを特徴とする電界撹拌方法。
  6. 前記最適化工程は、
    前記液滴の頂点が前記検出領域に達するまで、前記交流電界の周波数を所定範囲で掃引し、前記下電極を上昇又は前記上電極を下降させる工程と、
    前記液滴の頂点が前記検出領域に達したとき、前記交流電界の周波数と、前記下電極及び前記上電極の電極間距離と、を最適な撹拌条件テーブルとして記憶する工程と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の電界撹拌方法。
JP2013185565A 2013-09-06 2013-09-06 電界撹拌装置及び電界撹拌方法 Active JP6206842B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013185565A JP6206842B2 (ja) 2013-09-06 2013-09-06 電界撹拌装置及び電界撹拌方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013185565A JP6206842B2 (ja) 2013-09-06 2013-09-06 電界撹拌装置及び電界撹拌方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015052529A true JP2015052529A (ja) 2015-03-19
JP6206842B2 JP6206842B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=52701661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013185565A Active JP6206842B2 (ja) 2013-09-06 2013-09-06 電界撹拌装置及び電界撹拌方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6206842B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116564A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 秋田エプソン株式会社 液滴振動装置及び液滴振動方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11153582A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Japan Science & Technology Corp 液体物性の測定方法とその装置
JP2004117661A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Seiko Epson Corp 光学部材の製造方法および光学部材の製造装置
JP2010119388A (ja) * 2008-10-23 2010-06-03 Akita Prefecture 非接触撹拌方法、非接触撹拌装置、それを用いた核酸ハイブリダイゼーション反応方法、反応装置、試料中の核酸を検出する方法、核酸検出装置、試料中の抗体を検出する方法、及び抗体検出装置
JP2012013598A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Akita Univ 免疫組織染色方法および免疫組織染色装置
WO2013096819A2 (en) * 2011-12-22 2013-06-27 Ibis Biosciences, Inc. Macromolecule positioning by electrical potential

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11153582A (ja) * 1997-11-21 1999-06-08 Japan Science & Technology Corp 液体物性の測定方法とその装置
JP2004117661A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Seiko Epson Corp 光学部材の製造方法および光学部材の製造装置
JP2010119388A (ja) * 2008-10-23 2010-06-03 Akita Prefecture 非接触撹拌方法、非接触撹拌装置、それを用いた核酸ハイブリダイゼーション反応方法、反応装置、試料中の核酸を検出する方法、核酸検出装置、試料中の抗体を検出する方法、及び抗体検出装置
JP2012013598A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Akita Univ 免疫組織染色方法および免疫組織染色装置
WO2013096819A2 (en) * 2011-12-22 2013-06-27 Ibis Biosciences, Inc. Macromolecule positioning by electrical potential

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015116564A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 秋田エプソン株式会社 液滴振動装置及び液滴振動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6206842B2 (ja) 2017-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160178578A1 (en) Ph gradients controlled by electrolysis, and their use in isoelectric focusing
JPWO2014115478A1 (ja) 生体試料用インピーダンス測定装置および生体試料用インピーダンス測定システム
JP2018067689A (ja) 半導体基板の光電気化学エッチングに用いるエッチング装置
JP2016109636A (ja) 電界撹拌装置、抗原抗体反応装置、抗原抗体反応方法
JP6206842B2 (ja) 電界撹拌装置及び電界撹拌方法
US9488751B2 (en) Droplet oscillation device and droplet oscillation method
CN102937726A (zh) 一种改进型台式镜片染色设备
CN202204944U (zh) 一种改进型台式镜片染色设备
JP6735378B2 (ja) 細胞観察装置、電気刺激装置、及び細胞観察方法
CN103268853A (zh) 一种光学元件定量刻蚀及清洗装置
JP2015204811A (ja) 電界撹拌装置
JP2012103008A (ja) 生体組織処理装置
US20130344559A1 (en) Device and method for controlling nerve growth
JP2008263858A (ja) 細胞応答計測装置および細胞応答計測チップ
JP2007248252A (ja) 攪拌装置及び分析装置
JPH06297253A (ja) 極細針製作用電解研磨方法及び装置
CN203690123U (zh) 一种化成机
US20180179483A1 (en) Imaging apparatus for experimental use, experimental system, and control method of experimental system
JP6369682B2 (ja) 液滴振動装置及び液滴振動方法
KR101841842B1 (ko) 전해 가공 장치
JP6370544B2 (ja) 細胞観察装置及び細胞観察方法
JP4926930B2 (ja) ニードル
KR101681083B1 (ko) 곡면부를 포함하는 상대전극을 갖는 도금장치
JP6842750B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡及びその制御方法
KR101855031B1 (ko) 생체 분자 분석 장치

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6206842

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350