JP2015051383A - エチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレン異性化触媒ならびにエチルベンゼンの脱アルキル化方法およびキシレン異性化方法 - Google Patents

エチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレン異性化触媒ならびにエチルベンゼンの脱アルキル化方法およびキシレン異性化方法 Download PDF

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泰佑 藤本
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Abstract

【課題】エチルベンゼンの共存下におけるキシレン類の異性化反応において、キシレン損失が少なく、パラキシレンを熱平衡状態以上の濃度にまで異性化することが可能であり、かつエチルベンゼンを蒸留分離が容易なベンゼンへ脱アルキル化することが可能な脱アルキル化・異性化用触媒およびこれを用いる脱アルキル化・異性化方法を提供することにある。
【解決手段】上記課題は、ZSM−5型ゼオライトと無機酸化物を配合してなる組成物で、バリウム、ならびに白金および/またはレニウムを含有し、さらにホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を前記ZSM−5型ゼオライトに担持させることを特徴とする、エチルベンゼン脱アルキル化およびキシレン異性化機能を有する二元機能触媒により、上記課題を解決することができる。および炭化水素混合物を水素の存在下当該二元機能触媒に接触させ転化反応させることによっても、上記課題を解決することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、キシレン類の異性化用触媒およびそれを用いるキシレン類の異性化方法に関するものであり、さらに詳しくは、エチルベンゼンおよびキシレン類を含有する炭素数8の芳香族炭化水素を主成分とする炭化水素混合物を原料とし水素の存在下においてキシレン類を異性化すると共にエチルベンゼンを分離容易な他の炭化水素に転化するためのキシレン類の異性化用触媒およびそれを用いるキシレン類の異性化方法に関するものである。
炭素数8の芳香族炭化水素のキシレン類の中でも特にパラキシレンはポリエステルの製造に使用されるテレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルの原料として使用されており、近年その需要はアジアを中心として旺盛である。
パラキシレンは、通常ナフサを改質処理し、その後芳香族抽出或いは分留によって得られる炭素数8の芳香族炭化水素混合物、または、ナフサの熱分解により副生する分解ガソリンを芳香族抽出或いは分留によって得られる炭素数8の芳香族炭化水素混合物などから製造される。この炭素数8の芳香族炭化水素混合物原料の組成は広範囲に変わるが、通常エチルベンゼンを10〜40重量%、パラキシレンを12〜25重量%、メタキシレンを30〜50重量%、オルソキシレンを12〜25重量%含む。
通常この原料は炭素数9以上の高沸点成分を含んでいるため、これらを蒸留により除去し、得られた炭素数8の芳香族炭化水素をパラキシレン分離工程に供給されパラキシレンは分離回収される。しかしながら、エチルベンゼン、オルソキシレン、メタキシレン、パラキシレンの沸点の差は極めて小さく、これらを直接に蒸留により分離回収するには多大のエネルギーを要し、非効率である。従って、一般的に融点差を利用して分離する深冷分離法か、ゼオライト吸着剤により吸着性の差を利用して分離する吸着分離法がある。分離工程を出たパラキシレンに乏しい炭素数8の芳香族炭化水素は次に異性化工程へ送られ、主にゼオライト触媒により熱力学的平衡組成に近いパラキシレン濃度まで異性化され、蒸留分離により低沸点である副生物を除去した後、上記の新たな炭素数8の芳香族炭化水素原料と混合されて高沸点成分を除去する蒸留塔にリサイクルされ、炭素数9以上の高沸点成分を蒸留除去後、パラキシレン分離工程で再度パラキシレンを分離回収する。
また、炭素数8の芳香族炭化水素原料に関してはかなりの量のエチルベンゼンを含んでおり、また、エチルベンゼンを蒸留により分離回収するには多大のエネルギーを要することから、エチルベンゼンを水素化脱アルキルし蒸留にて分離容易なベンゼンに転化する必要がある。エチルベンゼンを含むキシレン異性体混合物原料からエチルベンゼンを脱アルキル化し、ベンゼンに変換し、オルソキシレンおよびメタキシレンをパラキシレンに異性化させるに際し、エチルベンゼン分解率、および反応液中のパラキシレン濃度、つまりキシレン異性体中のパラキシレン濃度を熱力学的平衡組成に出来るだけ近づける(以下、パラキシレン平衡到達率)ことが好ましく、また、副反応によるキシレン損失を出来るだけ小さくすることが好ましい。
単一触媒の場合、上記パラキシレン平衡到達率とエチルベンゼン分解率が高く、キシレン損失が小さい触媒設計をすることが重要であるが、パラキシレン平衡到達率やエチルベンゼン分解率を高くすべく活性を上げるように、例えばゼオライトの酸強度を強くするようなイオン交換を行うと、キシレン損失の原因となる所望しない不均化反応、トランスアルキル化反応、芳香族の水添反応等の副反応が多くなる。特にエチルベンゼンの脱アルキル化反応と異なり、キシレンの異性化反応は平衡反応であるため、パラキシレン平衡到達率の温度に対する依存性は比較的小さく、従って、キシレン損失を小さく抑え、高いキシレン異性化活性を持つ触媒系を見つけることが極めて重要である。
このような状況下において、異性化用触媒について種々の改良が検討され、例えばMFI型ゼオライトとアルカリ土類金属および白金族の金属を含有する触媒(例えば特許文献1)が提案されている。しかしながら該触媒についてもキシレン損失が大きく、また、低温においてパラキシレン平衡到達率が低いという問題がある。
特許第4830944号公報
本発明の課題は、上記のような従来開発されてきたキシレン類の異性化用触媒の問題点に鑑み、エチルベンゼンの共存下におけるキシレン類の異性化反応において、キシレン損失が少なく、パラキシレンを熱平衡状態以上の濃度にまで異性化することが可能であり、かつエチルベンゼンを蒸留分離が容易なベンゼンへ脱アルキル化することが可能な異性化用触媒およびこれを用いる異性化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、キシレン損失を小さくするために、ゼオライトのバリウム担持を行い、またエチルベンゼンの分解を促進するため水素化金属である白金および/またはレニウム担持を行い、さらに高いパラキシレン平衡到達率を得るべく、ホウ素、アルミニウム、ガリウムのうち1種の担持を行うことにより、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一はZSM−5型ゼオライトと無機酸化物からなる組成物であってバリウム、ならびに白金および/またはレニウムを含有し、さらにホウ素、アルミニウム、ガリウムのうち1種を含有させることを特徴とするキシレン類の異性化用触媒に関するものである。また、本発明の第二は、エチルベンゼンとキシレン類を含有し、該キシレン中のパラキシレン濃度が熱平衡濃度より低い炭化水素混合物を、転化条件下において、水素の存在下、ZSM−5型ゼオライトと無機酸化物からなる組成物であってバリウム、白金および、またはレニウムを含有し、さらにホウ素、アルミニウム、ガリウムのうち1種を含有させた異性化用触媒と接触させることを特徴とするエチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化方法に関するものである。前記異性化方法等の転化条件は、反応温度:300℃〜500℃、圧力:大気圧〜2MPa計器圧の圧力、水素/原料炭化水素(モル/モル):0.1〜10および重量時間空間速度(WHSV):0.5〜25hr−1を包含するものであることが好ましい。また、本発明において、異性化反応とは上記の様にオルソキシレン、メタキシレン、パラキシレンの混合物に含まれるオルソキシレンおよび/またはメタキシレンをパラキシレンに転化し、よりパラキシレンの濃度の高い混合物を得る反応を言い、エチルベンゼンの脱アルキル化とはエチルベンゼンをベンゼン等の炭素数8未満の芳香族炭化水素へ転化する反応を言う。
ZSM−5型ゼオライトと無機酸化物からなる組成物であってゼオライトのカチオンの一部を水素型かおよびバリウムへ交換し、白金および/またはレニウムおよびにホウ素、アルミニウム、ガリウムのうち1種を担持することにより低温においてもパラキシレン平衡到達率を高くし、さらにキシレン損失を小さくすることができ、かつ、エチルベンゼンの脱アルキル化も行うことができる。
本発明は、ZSM−5型ゼオライトと無機酸化物からなる組成物であってバリウム、白金および/またはレニウムを含有し、さらにホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を前記ZSM−5型ゼオライトに担持させることを特徴とする、エチルベンゼン脱アルキル化およびキシレン異性化機能を有する触媒に関するものである。本発明に使用される触媒ゼオライトとしては、天然品、合成品いずれでも使用できるが、好ましくは、合成ゼオライトである。ゼオライトはZSM−5型ゼオライトである必要がある。その他の型のゼオライトでは、目的とするエチルベンゼンの脱アルキル化・キシレンの異性化といった反応が十分に進行しない可能性があるため好ましくない。また、同じゼオライト構造であっても、その組成、特に、シリカ/アルミナモル比(SiO/Alモル比)によってもその触媒性能は変化する。ゼオライトを構成するシリカ/アルミナモル比の好ましい範囲は、10〜100であり、さらに好ましくは50〜100である。シリカ/アルミナモル比が低すぎると、触媒活性が高くなり、以外の副反応が起こってしまう可能性がある。また、シリカ/アルミナ比が高すぎると、触媒活性が低下し、エチルベンゼンの脱アルキル化反応および/またはキシレンの異性化反応により想定できる効果(平衡到達率およびエチルベンゼン分解率の増加およびキシレン損失の減少等)を得ることが出来ない。
かかるZSM−5型ゼオライトを適宜、選択して触媒として利用するが、成型時の触媒の強度を高めるため、ゼオライトに無機酸化物を混合することが必須である。無機酸化物としては、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリカ、チタニアまたはマグネシア等が知られている。いずれの無機酸化物でも使用できるが、好ましくはアルミナである。アルミナとしてはベーマイト、ベーマイトゲル、ジブサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ジアスポア、無定形アルミナゲル等が知られている。いずれのアルミナでも使用できるが、好ましくはベーマイトである。触媒中での無機酸化物の量はZSM−5型ゼオライトが100重量部に対して50〜700重量部好ましくは75〜200重量部である。無機酸化物の量が多すぎると触媒に占めるゼオライト量が減少し、脱アルキル化活性、およびキシレン異性化活性が低下する。一方、無機酸化物の量が少なすぎると、成型時の触媒強度が保てない、もしくは、単位体積当たりの活性点数が増大し、キシレン損失につながる副反応が促進されてしまう。
かかるゼオライトは固体酸性を付与するためのイオン交換処理が行われる。固体酸性を付与する方法としては、アンモニウムイオンを含む化合物(例えば、NHCl、NHNO、(NHSO等)でイオン交換処理し、ゼオライトのイオン交換サイトにNHイオンを導入し、しかる後、乾燥、焼成により水素イオンに交換する方法、あるいは、直接、酸を含む化合物(例えば、HCl、HNO、HPO等)で、ゼオライトのイオン交換サイトに水素イオンを導入する方法もあるが、後者はゼオライト構造を破壊する恐れがあるので、好ましくは前者、即ち、アンモニウムイオンを含む化合物でイオン交換処理される(イオン交換法)。
さらに、2価金属イオンをゼオライトイオン交換サイトに導入することにより、固体酸性強度の調整を行う。2価金属イオンとしては、アルカリ土類金属であるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+が好ましく、より好ましくはBa2+である。イオン交換処理は通常水溶液で、バッチ法或いは流通法で行われる。処理温度は、室温から100℃で行われるのが通常である。この方法により、本発明の触媒中に含有・担持されるバリウムは、ZSM−5型ゼオライト骨格中のAl1.0モルに対しに対し、0.01〜2.00モル、好ましくは0.5〜1.75モルである。硝酸バリウム、水酸化バリウムなど水溶性のバリウム化合物を用いて、このバリウム金属をゼオイライトイオン交換サイトに導入することができる。後述する白金および/またはレニウムと同時に含浸法により導入することもできる。
このようにしてイオン交換処理された後、本発明の触媒においては、水素化活性金属が担持される。水素化活性金属としては、白金および/またはレニウムが用いられる。白金の好ましい担持量は、ZSM−5型ゼオライトの重量に対して0.005〜1.00重量%であり、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量%である。レニウムの好ましい担持量は、ZSM−5型ゼオライトに対して0.01〜5.00重量%であり、さらに好ましくは0.2〜1.00重量%である。これら白金および/またはレニウムのZSM−5型ゼオライトへの担持量が多くなると芳香族炭化水素が核水添され好ましくない。また、担持量が少なすぎると、脱アルキル化反応の際の水素供給が十分でなくなるため触媒活性の低下を招く。これらの金属の担持法は白金およびレニウムを含む水溶液に触媒を浸漬し、担持される。白金成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸アンモニウム、硝酸テトラアンミン白金等が利用され、レニウム成分としては過レニウム酸、過レニウムアンモニウム等が利用される。
本発明においては、更にホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を前記ZSM−5型ゼオライトに担持させる必要がある。好ましくは上記白金および/またはレニウムを担持した後に、ホウ素、アルミニウム、ガリウムのうち1種以上が担持する方法で行うのが好ましい。これら金属の好ましい担持量は触媒を構成するZSM−5型ゼオライト骨格中のAl0.5モルに対し0.01〜1.00モル、好ましくは0.05〜0.8モルである。担持量が多すぎると、キシレン損失が増大し好ましくない。また、金属の担持量が少なすぎると、低温領域におけるパラキシレン平衡到達率の低下を招く。これらの金属の担持法は金属を含む水溶液に触媒を浸漬し、担持される。ホウ素成分としては、ホウ酸等が、アルミニウム成分としては、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等が、ガリウム成分としては、塩化ガリウム、硝酸ガリウム等が使用される。これらホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素の中では、アルミニウムを用いることが好ましい。
ゼオライトには通常アルミナ成分とシリカ成分が含まれていることから、ゼオライトにはアルミニウム原子(+3価、周期表における第13族[IIIA族]に属する。)が含まれており、ケイ素原子(+4価、周期表における第14族[IVA族]に属する。)の回りは電気的に中性となり、アルミニウム原子の回りは電気的に−1価となり、この負電荷を補償するためにゼオライト骨格中に陽イオンが必要となることが知られております。更に、この陽イオンを上述のようにイオン交換法等で他の金属イオンと交換することにより、ゼオライトに各種の機能を持たせることができることも知られています。よって当業者ならば、すでに第13族に属する元素が豊富に含まれているゼオイライトに、更に第13族に属する元素、且つアルミニウムと同じまたは近い原子番号を有するホウ素、アルミニウム、ガリウムを担持させることは検討しないものであります。しかし、我々は鋭意検討の結果、これらの元素をゼオライトに担持することにより異性化反応等に有用な触媒を見いだし、本発明に到達した。
このようにして調整された触媒は、50℃〜250℃で30分以上乾燥され、以下に示す転化反応への使用に先立って、350℃〜600℃で1時間以上焼成される。
次に、本発明によるエチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化方法について説明する。本発明によるエチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化方法(キシレン類の異性化方法、と称することがある。)は、エチルベンゼンとキシレン類を含有し、該キシレン中のパラキシレン濃度が熱平衡濃度よりも低い炭化水素混合物を主成分とする原料を供給し、水素の存在下で転化条件下において、上記異性化用触媒と接触させ転化反応させる工程を包含するものである。前記炭化水素混合物を主成分とする原料としては、炭素数8である芳香族炭化水素、すなわちキシレン、エチルベンゼンの含有比率が高いことが好ましいことは言うまでもない。
前記の炭化水素混合物である原料としては、通常エチルベンゼンを10〜40重量%、パラキシレンを12〜25重量%、メタキシレンを30〜50重量%、オルソキシレンを12〜25重量%の割合で含有するものを用いることが好ましい。まずはこの炭化水素混合物を蒸留工程および深冷分離工程、または蒸留工程および吸着分離工程などの精製操作によりパラキシレンの熱平衡濃度(下記参照。)以上の成分と、平衡組成未満の成分を分留し、得られた熱平衡濃度未満の成分を上記転化反応に投入する事が好ましく挙げることができる。また上記炭化水素混合物を主成分とする原料中におけるキシレン、エチルベンゼン以外に含まれている成分としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、トリメチルベンゼン、エチルトルエン、ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
本発明のキシレン類の異性化反応において、異性化用触媒は、固定床、流動床または沸騰床等いずれの形態でも用いることができるが、装置面および操作上から固定床を用いることが好ましい。ここで用いられる異性化用触媒の形状は特に限定されるものではなく、ペレット型、異形型、中空型、球型等のいずれのものも使用することができる。前記キシレン類の異性化反応において、転化条件としては、特に制限されるものではないが、反応温度:300℃〜500℃、圧力:大気圧〜2MPa計器圧の圧力、水素/(パラキシレンが熱平衡濃度未満の)炭化水素混合物(モル/モル):0.1〜10および重量時間空間速度(WHSV):0.5〜25hr−1等の条件を上げることができる。特に好ましい転化条件としては、反応温度:340℃〜450℃、圧力:0.5〜1.5MPa計器圧の圧力、水素/(パラキシレンが熱平衡濃度未満の)炭化水素混合物(モル/モル):0.9〜2および重量時間空間速度(WHSV):5〜20hr−1の各条件が選択される。本発明のキシレン類の異性化反応によりエチルベンゼンが他の炭化水素に転化され、パラキシレンの熱平衡濃度以上への異性化が行われる。これらの転化条件を採用する場合には、設備面で特段の問題なく連続的に運転することができ、パラキシレン平衡到達率、エチルベンゼン分解率、キシレン損失の3つがバランスよく良好となる効果が得られ、好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。転化反応に関しては、以下に示す方法で分析および指標の計算を行った。なお、供給原料および反応生成物の組成分析は水素炎検出器付きガスクロマトグラフィーを用いた。分離カラムは次の通りである。
カラム シリカキャピラリーカラム 長さ50m、内径0.25mm、
理論段数3000(段/m)以上
キャリアガス He 流速0.9ml/分
カラム温度 90℃
Figure 2015051383
各数式中の記号は、以下の数値を示す。
PXfeed:転化前の原料における全キシレン中のパラキシレンの重量濃度
PXproduct:転化後の生成品における全キシレン中のパラキシレンの重量濃度
EBfeed:転化前の原料としてのエチルベンゼンの反応管内への供給量
EBproduct:転化後の生成品としてのエチルベンゼンの反応管外への排出量
Xylenefeed:転化前の原料としてのキシレン(オルソキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンの合計)の反応管内への供給量
Xyleneproduct:転化後の生成品としてのキシレン(オルソキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンの合計)の反応管外への排出量
[実施例1]
(触媒Aの調整)
クラリアント触媒より購入したシリカ/アルミナモル比90のZSM−5型ゼオライトに10gを純水30mlに加え、さらに過レニウム酸1gを純水50mlに溶解させた過レニウム酸水溶液4.5ml、硝酸テトラアンミン白金(II)1gを純水50mlに溶解させた硝酸テトラアンミン白金水溶液0.2ml、硝酸バリウム0.36gおよび硝酸アルミニウム1.02gを加え、含浸法により担持した。各成分の担持量は、ゼオライトのAl1モルに対しバリウムを0.75モル、レニウムをゼオライト重量対比、0.5重量%、白金をゼオライトの重量対比0.02重量%、アルミニウムをゼオライトのAl0.5モルに対し0.75モルとなるように各成分を担持した。
その後、ゼオライトと等重量のベーマイトを混合、成型した後に、110℃で8時間乾燥させ、その後に450℃で6時間焼成することで、触媒Aを得た。なお、金属の担持量に関しては、ICP法で測定した結果、上記の濃度となっていることを確認した。
[比較例1]
アルミニウムの担持を実施しなかったこと以外は、触媒Aと同一の方法で調整し、触媒Bを得た。なお触媒Bについて元素の担持量を実施例1と同様に測定した結果、アルミニウム元素はもちろんのこと、ホウ素元素、ガリウム元素も含まれていなかった。
[実施例2、比較例2]
上記触媒Aと触媒Bについて、それぞれ反応管に充填して水素流通下、反応テストを行った。使用した供給原料の組成を表1に示した。
Figure 2015051383
なお、上記表1において、NAは非芳香族炭化水素成分、Bzはベンゼン、TOLはトルエン、EBはエチルベンゼン、PXはパラキシレン、MXはメタキシレン、OXはオルソキシレンを表す。また、C9+は炭素数9以上の芳香族炭化水素成分を表す。上記の芳香族炭化水素混合物を主成分とする原料について、触媒Aおよび触媒Bを反応管に10g充填して次の条件で反応させた。
反応条件
WHSV(hr−1):20
反応温度(℃):360
反応圧力(MPaG):1.2
水素/炭化水素モル比:1.5
表2にそのテスト結果を示した。
Figure 2015051383
実施例2と比較例2の結果より、同じ反応温度においても、アルミニウムを担持した触媒の方がキシレン損失を抑制したまま360℃という低温においても高いパラキシレン平衡到達率を達成できることでき、大量に転化反応をさせる工業生産において極めて有用であることもわかる。
[実施例3]
クラリアント触媒より購入したシリカ/アルミナモル比90のZSM−5型ゼオライトと等重量のベーマイトを混合、成型した後に、450℃で6時間焼成を実施した。この成型体20gを純水30mlに加え、さらに過レニウム酸1gを純水50mlに溶解させた過レニウム酸水溶液4.5ml、硝酸テトラアンミン白金(II)1gを純水50mlに溶解させた硝酸テトラアンミン白金水溶液0.2ml、硝酸バリウム0.36gおよび硝酸アルミニウム1.02gを加え、含浸法により担持した。各成分の担持量は、ゼオライトのAl1モルに対してバリウムを0.75モル、レニウムをゼオライト重量対比、0.5重量%、白金をゼオライトの重量対比0.02重量%、アルミニウムをゼオライトのAl0.5モルに対して0.75モルとなるように各成分を担持した。110℃で8時間乾燥させ、その後に、450℃で6時間焼成することで、触媒Cを得た。なお、金属の担持量に関しては、ICP法で測定した結果、上記の濃度となっていることを確認した。
[比較例3]
アルミニウムの担持を実施しなかったこと以外は、触媒Cと同一の方法で調整し、触媒Dを得た。なお触媒Dについて元素の担持量を実施例3と同様に測定した結果、アルミニウム元素はもちろんのこと、ホウ素元素、ガリウム元素も含まれていなかった。
[実施例4、比較例4]
上記触媒AとBについて、それぞれ反応管に充填して水素流通下、反応テストを行った。使用した供給原料は実施例2および比較例2の反応で用いたものと同様の原料を使用した。上記原料について、触媒Cおよび触媒Dを反応管に10g充填して次の条件で反応させた。
反応条件
WHSV(hr−1):20
反応温度(℃):360
反応圧力(MPaG):1.2
水素/炭化水素モル比:1.5
表3にそのテスト結果を示した。
Figure 2015051383
実施例4と比較例4の結果より、ベーマイトとの混合および成型を先に実施したとしても、同じ反応温度において、アルミニウムを担持した触媒の方がキシレン損失を抑制したまま360℃という低温においても高いパラキシレン平衡到達率を達成できることでき、大量に反応をさせる工業生産において極めて有用であることもわかる。
本発明の二元機能触媒を用いることにより、炭素数8の芳香族炭化水素混合物を主成分とする原料から、エチルベンゼン分解率、キシレン損失のいずれもほとんど増加させることなく、パラキシレン平衡到達率を高い数値にて、エチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化を行うことができる。その結果、パラキシレンをより安価に製造できるようになることが期待できる。

Claims (10)

  1. ZSM−5型ゼオライトと無機酸化物を配合してなる組成物で、バリウム、ならびに白金および/またはレニウムを含有し、さらにホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を前記ZSM−5型ゼオライトに担持させることを特徴とする、エチルベンゼン脱アルキル化およびキシレン異性化機能を有する二元機能触媒。
  2. 前記ZSM−5型ゼオライト中のシリカ/アルミナのモル比が10〜100である請求項1記載の二元機能触媒。
  3. 前記無機酸化物がベーマイトである請求項1〜2のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  4. 前記二元機能触媒中に含まれるバリウム含有量が、前記ZSM−5型ゼオライト骨格中のAlの1モルに対して0.01〜2.00モルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  5. 前記二元機能触媒中のレニウム含有量が、前記ZSM−5型ゼオライトの重量に対して0.01〜5.00重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  6. 前記二元機能触媒中の白金含有量が、前記ZSM−5型ゼオライトの重量に対して0.005〜1.00重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  7. 前記ZSM−5型ゼオライトに担持させる、ホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素担持量が、前記ZSM−5型ゼオライト骨格中のAlの0.5モルに対して0.01〜1.00モルである請求項1〜6のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  8. 前記ホウ素、アルミニウムおよびガリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素がアルミニウムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の二元機能触媒。
  9. エチルベンゼンとキシレンを含有し、該キシレン中のパラキシレン濃度が熱平衡濃度よりも低い炭化水素混合物を、水素の存在下において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の二元機能触媒に接触させ転化反応させることを特徴とするエチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化方法。
  10. 前記転化反応条件が、以下に示す範囲であることを特徴とする請求項9に記載のエチルベンゼンの脱アルキル化およびキシレンの異性化方法。
    反応温度:300℃〜500℃
    圧力:大気圧〜2MPa計器圧の圧力
    前記水素/前記炭化水素混合物(モル/モル):0.1〜10
    重量時間空間速度(WHSV):0.5〜25hr−1
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