JP2015045725A - 画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光分離膜の光吸収により発生する温度分布を抑制し、温度分布に起因する内部応力に伴う複屈折の発生で偏光に位相差が生ずる光弾性ムラを抑え、画像のコントラスト特性を改善できる画像投射装置を提供する。【解決手段】異なる色光で画像表示素子を照明し、画像表示素子からの異なる色光を合成する第1の光学系と、色合成された画像表示素子の画像を被照射面に投射する第2の光学系と、を有する画像投射装置であって、第1の光学系は、第1の偏光光を透過し第2の偏光光を反射する偏光分離膜が第1の光学素子と第2の光学素子の間に挟まれた偏光ビームスプリッターを有し、第1の光学素子の光弾性定数をk1、熱伝導率をa1、第2の光学素子の光弾性定数をk2、熱伝導率をa2とするとき、夫々の値を所定範囲内とする。【選択図】図1
Description
本発明は、画像投射装置に関し、特に反射型パネルを用いた液晶プロジェクターに好適なものである。
反射型パネルを用いたプロジェクターでは、一般的に、色分離合成系において偏光ビームスプリッター(以下、PBS)を用いている。PBSには、平行平板状のワイヤーグリッドを用いるもの(特許文献1)や、プリズム形状を用いるもの(特許文献2、3)がある。
特許文献1では、パネル3板式で、ワイヤーグリッドをパネル入射側に2枚だけ配置する構成が提案されている。この構成では、ワイヤーグリッドを3枚配置する方式よりも色分離合成系を小型化できるが、一つのパネルから出射された光は45°に配置されたワイヤーグリッドを透過する。このため、ワイヤーグリッドで発生する非点収差によって、解像が劣化してしまうため、シリンドリカルレンズを用いて非点収差補正を行っている。
この非点収差に関する問題に対しては、様々な解決方法の提案がされてきたが、高コスト、解像への敏感度の高さ等の解決すべき点がある。また、空気の部分の長さが多くなるため、投射レンズバックが大きくなってしまう、およびワイヤーグリッド透過、反射特性による光損失があるという解決すべき点もある。
一方、特許文献2、3では、プリズム形状のPBSで、片方の三角柱状のプリズムの斜面に偏光分離膜(PBS膜)を蒸着し、その斜面において、もう一方の三角柱状のプリズムを接合して構成している。ここで、プリズム形状のPBSでは、PBS膜面に光が入射すると、PBS膜自身が光を僅かに吸収することによって、PBS膜近傍の温度が上昇してしまう。そして、PBS膜近傍の温度が上昇したときに、プリズムの光弾性定数が大きいとき、複屈折が生じることとなり、偏光に位相差が生じ、パネルの黒表示時において光弾性ムラの影響(画像のコントラストの劣化)が発生してしまう。
そのため、特許文献2では、光弾性定数が所定の数値以下となるように光弾性定数の小さい硝子プリズムを用いている。また、特許文献3では、光弾性定数が所定以上であっても、線膨張係数、ヤング率、光吸収率が所定条件を満足することにより、光弾性ムラが生じないとしている。
しかしながら、特許文献2にあるように、光弾性定数の小さい硝子プリズムを用いてPBSを作製した場合において、光弾性定数の小さい硝子プリズムは、磨耗度が大きく、製造上ヤケなどが発生しやすく管理が難しいため、量産時のコストアップとなってしまう。また、光弾性定数の小さい硝子は、一般的に短波長側の光吸収率が大きいため、特に青光路で用いたときに、硝子自体が発熱してしまい、硝子の熱膨張によって、画像投射時にスクリーン面において画素ずれが発生してしまうという問題も生じる。
また、特許文献3で硝子の線膨張係数、ヤング率、光吸収率を規定しているが、本発明者によって認識された光弾性ムラの主原因が、PBS膜の光吸収によるPBSプリズム内部温度分布の発生であり、ある程度の改善は見込めても、根本的な解決策とはならない。すなわち、硝子内部で発生する温度ムラに起因する内部応力を発散できないこととなる。
本発明の目的は、偏光分離膜の光吸収により発生する温度分布を抑制し、温度分布に起因する内部応力に伴う複屈折の発生で偏光に位相差が生ずる光弾性ムラを抑え、画像のコントラスト特性を改善できる画像投射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像投射装置は、異なる色光で画像表示素子を照明し、前記画像表示素子からの異なる色光を合成する第1の光学系と、前記第1の光学系で色合成された前記画像表示素子の画像を被照射面に投射する第2の光学系と、を有する画像投射装置であって、前記第1の光学系は、第1の偏光光を透過し前記第1の偏光光と偏光方向が直交する第2の偏光光を反射する偏光分離膜が第1の光学素子と第2の光学素子の間に挟まれた偏光ビームスプリッターを有し、前記第1の光学素子の光弾性定数をk1、熱伝導率をa1、前記第2の光学素子の光弾性定数をk2、熱伝導率をa2とするとき、
1.5<k1<10[nm/cm/105Pa]
1.5<k2<10[nm/cm/105Pa]
10<a1<20[W/mK]
10<a2<20[W/mK]
を満足することを特徴とする。
1.5<k1<10[nm/cm/105Pa]
1.5<k2<10[nm/cm/105Pa]
10<a1<20[W/mK]
10<a2<20[W/mK]
を満足することを特徴とする。
(原理・作用)
本発明者は、偏光分離膜近傍に熱伝導率の高い材料を用いることにより、偏光分離膜近傍の熱を効率的に発散させると同時に、第1、第2の光学素子内部の温度ムラを低減できるため、光弾性定数の小さい材料を用いずに光弾性ムラを低減できることを見出した。即ち、内部応力で複屈折を生じやすい材料を用いても温度ムラに起因する内部応力に伴う複屈折の発生を抑えることができる。そして、複屈折の発生を抑えることで、偏光に位相差が発生することを抑え、画像表示素子(パネル)の黒表示時において光弾性ムラの影響(画像のコントラストの劣化)を抑えることができる。
本発明者は、偏光分離膜近傍に熱伝導率の高い材料を用いることにより、偏光分離膜近傍の熱を効率的に発散させると同時に、第1、第2の光学素子内部の温度ムラを低減できるため、光弾性定数の小さい材料を用いずに光弾性ムラを低減できることを見出した。即ち、内部応力で複屈折を生じやすい材料を用いても温度ムラに起因する内部応力に伴う複屈折の発生を抑えることができる。そして、複屈折の発生を抑えることで、偏光に位相差が発生することを抑え、画像表示素子(パネル)の黒表示時において光弾性ムラの影響(画像のコントラストの劣化)を抑えることができる。
本発明によれば、偏光分離膜の光吸収により発生する温度分布を抑制し、温度分布に起因する内部応力に伴う複屈折の発生で偏光に位相差が生ずる光弾性ムラを抑え、画像のコントラスト特性を改善できる。
以下に図面を用いて、本発明を実施するための好ましい形態を例示的に詳しく説明する。
《第1の実施形態》
(画像投射装置)
図1は、本発明の実施形態に係る偏光ビームスプリッタを用いた画像投射装置の構成図である。1は光源、2は照明光学系、3は3色の色光に分離し合成する色分離合成光学系、4、5、6は夫々赤色、青色、緑色の色光に対応して複数設けられる画像表示素子としての反射型液晶表示素子(パネル)、12は投射光学系(投射レンズ)である。照明光学系2および色分離合成光学系は第1の光学系を構成し、投射光学系12は第2の光学系を構成する。なお、第1の光学系は、赤色、青色、緑色の色光であるR光、B光、G光に対応する夫々の光源(色分離された光源)を用いる場合は色合成光学系として機能する。
(画像投射装置)
図1は、本発明の実施形態に係る偏光ビームスプリッタを用いた画像投射装置の構成図である。1は光源、2は照明光学系、3は3色の色光に分離し合成する色分離合成光学系、4、5、6は夫々赤色、青色、緑色の色光に対応して複数設けられる画像表示素子としての反射型液晶表示素子(パネル)、12は投射光学系(投射レンズ)である。照明光学系2および色分離合成光学系は第1の光学系を構成し、投射光学系12は第2の光学系を構成する。なお、第1の光学系は、赤色、青色、緑色の色光であるR光、B光、G光に対応する夫々の光源(色分離された光源)を用いる場合は色合成光学系として機能する。
ここで、照明光学系2において、偏光を所定方向の直線偏光に揃えるための不図示の偏光変換素子が設けられているため、照明光学系2を出射した光は、S偏光として出射する。色分離合成光学系3は、ダイクロイックミラー7、偏光ビームスプリッター8、9(以下PBSと言う)、波長選択性位相板11、色合成素子10を有している。ダイクロイックミラー7では2つの色光に分離され、本実施形態ではG光が透過、R光およびB光が反射される。PBS8、9では、図2に示すように、偏光分離膜(PBS膜)13が共にプリズムである第1の光学素子14、第2の光学素子15で挟まれている。
PBS9は、ダイクロイックミラー7を透過したG光のP偏光成分(第1の偏光光であるP偏光光)を透過し、S偏光成分(第2の偏光光であるS偏光光)を反射するPBSである。S偏光成分は、PBS膜13で反射した後、Gパネル6に入射する。Gパネル6に入射した光は、再びPBS9に入射し、検光されて、色合成素子10に導かれる。
一方、ダイクロイックミラー7を反射したR光およびB光は、波長選択性位相板11に入射する。R光およびB光のうち、B光は、波長選択性位相板11によってS偏光から偏光方向が直交するP偏光に変化し、PBS8に入射する。またR光は、波長選択性位相板11によって偏光は変えられず、そのまま透過しPBS8に入射する。そして、B光は、PBS8を透過し、Bパネル5に導かれ、画像変調を受けて出射し、再びPBS8に入射する。PBS8によって検光され、S偏光成分は反射されて合成素子10に入射する。
R光は、PBS8で反射され、Rパネル4に入射し、Rパネル4により画像変調を受けて、再びPBS8に入射すし、PBS8によって検光されて、P偏光成分はPBS8を透過して色合成素子10に入射する。ここで、色合成素子10は、G光については反射の作用を有し、R光については偏光分離の作用を有する(S偏光は反射、P偏光は透過)。また、B光については偏光によらず透過する特性を有する。色合成素子10に入射したRGBの3色の画像光は、合成されて、投射光学系12に入射し、画像を被照射面であるスクリーン面に投射する。
ここで、偏光分離膜(PBS膜)13での第2の偏光光であるS偏光光の入射方向および反射方向に直交する方向を長手方向とするとき、図3は、偏光ビームスプリッタの長手方向(x方向)に直交する断面の温度分布説明図である。また、図4は偏光ビームスプリッタの長手方向(x方向)における温度分布説明図である。図3では温度の等高線が示されており、PBS膜13の近傍では高温になっているが、PBS膜から離れるに従って温度が低下することが分かる。そして、PBS膜13に垂直な方向(長手方向)をx軸としており、図4はx軸と平行でPBS中心部を通る断面における温度勾配を示している。
図4の縦軸は温度であり、実線で示す曲線が従来PBSにおける温度勾配を示し、点線で示す曲線が、本実施形態の温度分布を示している。
本実施形態のPBS8、9では、偏光分離膜(PBS膜)13を熱伝導率の高い材料の第1の光学素子14、第2の光学素子15で挟んでいるので、PBS膜13での熱を効率的に発散できる。このため、図4に示すように、PBS内部の温度分布が平坦化すると同時に、温度の絶対値も下がっている。
従って、内部応力で複屈折を生じやすい材料を用いても温度ムラに起因する内部応力に伴う複屈折の発生を抑えることができる。そして、複屈折の発生を抑えることで、偏光に位相差が発生することを抑え、画像表示素子(パネル)の黒表示時において光弾性ムラの影響(画像のコントラストの劣化)を抑えることができる。
ここで、本実施形態では、以下の式を満足させるために第1の光学素子14、第2の光学素子15は、化学組成がMgAl2O4となるスピネル(尖晶石)で形成されている。第1の光学素子14、第2の光学素子15の材料としてスピネルを用いると、サファイアのような異方性がないため、偏光を乱さないという利点もある。
そして、第1の光学素子14の光弾性定数をk1、熱伝導率をa1、第2の光学素子15の光弾性定数をk2、熱伝導率をa2とするとき、以下の式を満足する
1.5<k1<10[nm/cm/105Pa]・・・(1)
1.5<k2<10[nm/cm/105Pa]・・・(2)
10<a1<20[W/mK]・・・(3)
10<a2<20[W/mK]・・・(4)
式(1)、(2)の下限値は、光弾性係数の小さい材料を用いたとき、前述の通りコストアップや画素ずれの原因となってしまうことから、上記の値に設定されている。また、式(1)、(2)の上限値は、光弾性定数があまりに大きい場合には、温度ムラによって光弾性ムラを補償できない可能性が生じてくるため、上記の値に設定されている。
1.5<k1<10[nm/cm/105Pa]・・・(1)
1.5<k2<10[nm/cm/105Pa]・・・(2)
10<a1<20[W/mK]・・・(3)
10<a2<20[W/mK]・・・(4)
式(1)、(2)の下限値は、光弾性係数の小さい材料を用いたとき、前述の通りコストアップや画素ずれの原因となってしまうことから、上記の値に設定されている。また、式(1)、(2)の上限値は、光弾性定数があまりに大きい場合には、温度ムラによって光弾性ムラを補償できない可能性が生じてくるため、上記の値に設定されている。
一方、式(3)、(4)の下限値は、熱伝導率が低過ぎると、温度ムラによって光弾性ムラを補償できない可能性が生じてくるため、上記の値に設定されている。また、式(3)、(4)の上限値は、熱伝導率が非常に大きくて光弾性ムラについては良いのだが、サファイアのように異方性があることを除くために、上記の値に設定されている。
なお、本実施形態における具体的数値例は、第1の光学素子14と第2の光学素子15とが同じ材料で形成されており、k1、k2、a1、a2の値に関しては以下の通りである。
k1=k2=1.56[nm/cm/105Pa]
a1=a2=16.2[W/mK]
本実施形態では、式(1)乃至(4)を満足すると共に、更に以下の式を満足することが好ましい。
a1=a2=16.2[W/mK]
本実施形態では、式(1)乃至(4)を満足すると共に、更に以下の式を満足することが好ましい。
0<k1/a1<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(5)
0<k2/a2<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(6)
式(5)、(6)の上限値は、光弾性係数に対し熱伝導率が大きくない場合には、温度ムラによって光弾性ムラを補償できないため、上記の値に設定されている。
0<k2/a2<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(6)
式(5)、(6)の上限値は、光弾性係数に対し熱伝導率が大きくない場合には、温度ムラによって光弾性ムラを補償できないため、上記の値に設定されている。
更に、偏光分離膜13の長手方向(x方向)に関する前記第1の光学素子、前記第2の光学素子の厚さを夫々t1、t2、前記画像表示素子の有効表示部の対角長をPとするとき、以下の式を満足することが好ましい。
0.05<t1/P<1・・・(7)
0.05<t2/P<1・・・(8)
式(7)、(8)の下限値は、熱を伝える材料の厚みが薄いと、PBS膜の放熱作用が低くなってしまうため、また、熱がPBS内部に溜まってしまい温度ムラが発生してしまうため、上記の値に設定されている。また、式(7)、(8)の上限値は、熱を伝える材料の厚みが厚いと、PBSが大型化してしまいコストアップするため、上記の値に設定されている。
0.05<t2/P<1・・・(8)
式(7)、(8)の下限値は、熱を伝える材料の厚みが薄いと、PBS膜の放熱作用が低くなってしまうため、また、熱がPBS内部に溜まってしまい温度ムラが発生してしまうため、上記の値に設定されている。また、式(7)、(8)の上限値は、熱を伝える材料の厚みが厚いと、PBSが大型化してしまいコストアップするため、上記の値に設定されている。
なお、本実施形態における具体的数値例は、以下の通りである。
t1/P=0.6
t2/P=0.6
この具体的数値例では、第1の光学素子14の厚さt1が第2の光学素子15の厚さt2と等しいものであるが、第1の光学素子14の厚さt1が第2の光学素子15の厚さt2の95%以上105%以下であれば良い。
t2/P=0.6
この具体的数値例では、第1の光学素子14の厚さt1が第2の光学素子15の厚さt2と等しいものであるが、第1の光学素子14の厚さt1が第2の光学素子15の厚さt2の95%以上105%以下であれば良い。
《第2の実施形態》
図5は、本発明の第2の実施形態に係る偏光ビームスプリッターの構成図である。16は偏光分離膜(PBS膜)、17及び18は夫々第1の光学素子、第2の光学素子としての平行平板の形状(平行平板状)の光学素子(材質はスピネル)、19及び20は三角柱の形状(三角柱状)の光学支持部(材質はスピネルまたは硝子)である。PBS膜16は、以下のように配置される。即ち、平行平板状の光学素子18の片方の平面にPBS膜16が蒸着され、平行平板状の光学素子17が平行平板状の光学素子18のPBS膜面側において接合される。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る偏光ビームスプリッターの構成図である。16は偏光分離膜(PBS膜)、17及び18は夫々第1の光学素子、第2の光学素子としての平行平板の形状(平行平板状)の光学素子(材質はスピネル)、19及び20は三角柱の形状(三角柱状)の光学支持部(材質はスピネルまたは硝子)である。PBS膜16は、以下のように配置される。即ち、平行平板状の光学素子18の片方の平面にPBS膜16が蒸着され、平行平板状の光学素子17が平行平板状の光学素子18のPBS膜面側において接合される。
そして、接合された2枚の平行平板状の光学素子17及び18を挟むように、その外側に三角柱状の第1の光学支持部19及び第2の光学支持部20が、斜面において接合されている。本実施形態では、図5の紙面内で、第1の光学支持部19の斜面の面積は、対応する第1の光学素子17の面積より小さく、第2の光学支持部20の斜面の面積は、対応する第2の光学素子18の面積より小さく設定されている。これは、三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20からはみ出した第1の光学素子17、第2の光学素子18が、自然冷却される構成とするためである。
本実施形態においても、第1の実施形態で示した式(1)乃至(8)を満足するようにしている。式(1)乃至(8)を満足するように構成している理由については、第1の実施形態と同一である。
本実施形態では、第1の光学素子17の熱伝導率をa1、第2の光学素子18の熱伝導率をa2、第1の光学支持部19の熱伝導率をa1’、第2の光学支持部20の熱伝導率をa2’とするとき、以下の式を満足する。
0.5<a1’<a1<20[W/mK]・・・(9)
0.5<a2’<a2<20[W/mK]・・・(10)
式(9)、(10)の下限値は、熱伝導率が低いと、温度分布の発生による光弾性ムラが生じてしまうため、上記の値に設定されている。また、式(9)、(10)の上限値は、熱伝導率が非常に大きくて光弾性ムラについては良いのだが、サファイアのように異方性があることがあり、これを除くように、上記の値に設定されている。また、a>a‘の条件を付与している理由は、光弾性ムラがPBS膜での熱起因であることから、PBS膜に近い側により熱伝導率の高いものを設定する必要があるからである。
0.5<a2’<a2<20[W/mK]・・・(10)
式(9)、(10)の下限値は、熱伝導率が低いと、温度分布の発生による光弾性ムラが生じてしまうため、上記の値に設定されている。また、式(9)、(10)の上限値は、熱伝導率が非常に大きくて光弾性ムラについては良いのだが、サファイアのように異方性があることがあり、これを除くように、上記の値に設定されている。また、a>a‘の条件を付与している理由は、光弾性ムラがPBS膜での熱起因であることから、PBS膜に近い側により熱伝導率の高いものを設定する必要があるからである。
更に、本実施形態では、第1の光学素子17の屈折率をn1、第1の光学支持部19の屈折率をn1’、第2の光学素子18の屈折率をn2、第2の光学支持部20の屈折率をn2’としたとき、以下の式を満足することが好ましい。
−0.01≦n1−n1’≦0.01・・・(11)
−0.01≦n2−n2’≦0.01・・・(12)
式(11)、(12)の上限値、下限値は、PBS内部で屈折率の異なる平行平板が挟まっている状態で、非点収差が発生してしまうことを低減するため、上記の値に設定されている。なお、本実施形態における具体的数値例は、以下の通りである。
−0.01≦n2−n2’≦0.01・・・(12)
式(11)、(12)の上限値、下限値は、PBS内部で屈折率の異なる平行平板が挟まっている状態で、非点収差が発生してしまうことを低減するため、上記の値に設定されている。なお、本実施形態における具体的数値例は、以下の通りである。
a1’ =a2’=0.85[W/mK]
a1=a2=16.2[W/mK]
n1−n1’=n2−n2’=0(n1=n2=1.72)
本実施形態では、熱伝導率の高いスピネルを平行平板にしているので、第1の実施形態よりもコストを抑えることができる。
a1=a2=16.2[W/mK]
n1−n1’=n2−n2’=0(n1=n2=1.72)
本実施形態では、熱伝導率の高いスピネルを平行平板にしているので、第1の実施形態よりもコストを抑えることができる。
《第3の実施形態》
図6は、本発明の第3の実施形態に係る偏光ビームスプリッターの構成図である。基本構成は、第2の実施形態と同一(同一符号は同一部材)であるが、以下の点が異なる。即ち、偏光分離膜(PBS膜)を挟んで接している第1の光学素子17、第2の光学素子18は、PBS膜の放熱性を高めるため、図のy方向(長手方向)に関して、夫々三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20より大きくなっている。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る偏光ビームスプリッターの構成図である。基本構成は、第2の実施形態と同一(同一符号は同一部材)であるが、以下の点が異なる。即ち、偏光分離膜(PBS膜)を挟んで接している第1の光学素子17、第2の光学素子18は、PBS膜の放熱性を高めるため、図のy方向(長手方向)に関して、夫々三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20より大きくなっている。
即ち、図6のy方向(長手方向)における第1の光学素子17、第2の光学素子18の厚さを夫々t1、t2、第1の光学支持部19、第2の光学支持部20の厚さを夫々t1’、t2’とするとき、以下の式を満足する。
t1’<t1・・・(13)
t2’<t2・・・(14)
なお、第2の実施形態と同様に、第1の光学支持部19の斜面の面積は、対応する第1の光学素子17の面積より小さく、第2の光学支持部20の斜面の面積は、対応する第2の光学素子18の面積より小さい。
t2’<t2・・・(14)
なお、第2の実施形態と同様に、第1の光学支持部19の斜面の面積は、対応する第1の光学素子17の面積より小さく、第2の光学支持部20の斜面の面積は、対応する第2の光学素子18の面積より小さい。
以上の構成によって、本実施形態では、放熱性がさらに高まるため、光弾性によるムラの影響がほぼ除去される。ここで、三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20からはみ出したスピネルで形成された第1の光学素子17、第2の光学素子18を所定の風量で冷却すれば、効果が更に増大するのでより好ましい。
(変形例1)
上述した第1乃至第3の実施形態に関し、更に以下の条件を満足させると、効果が更に増大する。即ち、以下の式を満足することである。
上述した第1乃至第3の実施形態に関し、更に以下の条件を満足させると、効果が更に増大する。即ち、以下の式を満足することである。
0<k1/a1<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(15)
0<k2/a2<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(16)
これは、光弾性定数k1、k2が大きい場合には、熱伝導率a1、a2が大きい必要があり、光弾性定数k1、k2が小さい場合には、熱伝導率k1、k2が小さくても良いことを示している。式(1)乃至(14)の追加条件として考慮すれば、光弾性ムラがより改善できる。なお、本実施形態における具体的数値例は以下の通りである。
0<k2/a2<0.5×10−12[W/m/K/Pa]・・・(16)
これは、光弾性定数k1、k2が大きい場合には、熱伝導率a1、a2が大きい必要があり、光弾性定数k1、k2が小さい場合には、熱伝導率k1、k2が小さくても良いことを示している。式(1)乃至(14)の追加条件として考慮すれば、光弾性ムラがより改善できる。なお、本実施形態における具体的数値例は以下の通りである。
k1/a1=k2/a2=0.1×10−12[W/m/K/Pa]
(変形例2)
また、上述した三角柱状の第1の光学素子15、第2の光学素子14、あるいは三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20に関し、長手方向における夫々の厚さを以下のように設定することが好ましい。即ち、夫々厚さ20mmに対する波長440nmでの光吸収率をAb1、Ab2とするとき、以下の式を満足することが好ましい。
(変形例2)
また、上述した三角柱状の第1の光学素子15、第2の光学素子14、あるいは三角柱状の第1の光学支持部19、第2の光学支持部20に関し、長手方向における夫々の厚さを以下のように設定することが好ましい。即ち、夫々厚さ20mmに対する波長440nmでの光吸収率をAb1、Ab2とするとき、以下の式を満足することが好ましい。
0<Ab1<10[%]・・・(17)
0<Ab2<10[%]・・・(18)
これは、三角柱状の光学素子あるいは光学支持部での光吸収が低減できるので、三角柱状の光学素子あるいは光学支持部自体の発熱を抑えられ、これにより、スクリーン面での画素ずれについても低減できるからである。なお、本実施形態における具体的数値例は以下の通りである。
0<Ab2<10[%]・・・(18)
これは、三角柱状の光学素子あるいは光学支持部での光吸収が低減できるので、三角柱状の光学素子あるいは光学支持部自体の発熱を抑えられ、これにより、スクリーン面での画素ずれについても低減できるからである。なお、本実施形態における具体的数値例は以下の通りである。
Ab1=Ab2=2%
(変形例3)
また、上述した実施形態では、第1、第2の光学素子14、15あるいは19、20として同一材料を用い、かつ上述した式に関して同一の値としたが、上述した式を満足するものであれば、異なる値の同一材料や異なる材料を用いても良い。
(変形例3)
また、上述した実施形態では、第1、第2の光学素子14、15あるいは19、20として同一材料を用い、かつ上述した式に関して同一の値としたが、上述した式を満足するものであれば、異なる値の同一材料や異なる材料を用いても良い。
2・・照明光学系、3・・色分離合成光学系(第1の光学系)、4、5、6・・画像表示素子(パネル)、8、9・・偏光ビームスプリッター(PBS)、12・・投射光学系(第2の光学系)、13・・偏光分離膜(PBS膜)
Claims (18)
- 異なる色光で画像表示素子を照明し、前記画像表示素子からの異なる色光を合成する第1の光学系と、
前記第1の光学系で色合成された前記画像表示素子の画像を被照射面に投射する第2の光学系と、
を有する画像投射装置であって、
前記第1の光学系は、第1の偏光光を透過し前記第1の偏光光と偏光方向が直交する第2の偏光光を反射する偏光分離膜が第1の光学素子と第2の光学素子の間に挟まれた偏光ビームスプリッターを有し、
前記第1の光学素子の光弾性定数をk1、熱伝導率をa1、前記第2の光学素子の光弾性定数をk2、熱伝導率をa2とするとき、
1.5<k1<10[nm/cm/105Pa]
1.5<k2<10[nm/cm/105Pa]
10<a1<20[W/mK]
10<a2<20[W/mK]
を満足することを特徴とする画像投射装置。 - 0<k1/a1<0.5×10−12[W/m/K/Pa]
0<k2/a2<0.5×10−12[W/m/K/Pa]
を更に満足することを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。 - 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とが同じ材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像投射装置。
- 前記第1の光学素子、前記第2の光学素子は、スピネルから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記偏光分離膜での前記第2の偏光光の入射方向および反射方向に直交する方向である長手方向に関する前記第1の光学素子、前記第2の光学素子の厚さを夫々t1、t2、前記画像表示素子の有効表示部の対角長をPとするとき、
0.05<t1/P<1
0.05<t2/P<1
を更に満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記第1の光学素子の厚さは、前記第2の光学素子の厚さの95%以上105%以下であることを特徴とする請求項5に記載の画像投射装置。
- 前記第1の光学素子、前記第2の光学素子は、夫々三角柱の形状であり、前記偏光分離膜は前記三角柱の斜面の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記第1の光学素子、前記第2の光学素子は、夫々平行平板の形状であり、前記偏光分離膜は前記平行平板の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記第1の光学素子、前記第2の光学素子の外側に、夫々三角柱の形状の第1の光学支持部、前記第2の光学支持部が配置され、前記第1の光学支持部の斜面と前記第1の光学素子が接し、前記第2の光学支持部の斜面と前記第2の光学素子が接することを特徴とする請求項8に記載の画像投射装置。
- 前記第1の光学支持部の熱伝導率をa1’、前記第2の光学支持部の熱伝導率をa2’とするとき、
0.5<a1’<a1<20[W/mK]
0.5<a2’<a2<20[W/mK]
を満足することを特徴とする請求項9に記載の画像投射装置。 - 前記第1の光学素子の屈折率をn1、前記第1の光学支持部の屈折率をn1’、前記第2の光学素子の屈折率をn2、前記第2の光学支持部の屈折率をn2’としたとき、
−0.01≦n1−n1’≦0.01
−0.01≦n2−n2’≦0.01
を満足することを特徴とする請求項9または10に記載の画像投射装置。 - 前記第1の光学支持部の斜面の面積は、対応する前記第1の光学素子の面積より小さく、
前記第2の光学支持部の斜面の面積は、対応する前記第2の光学素子の面積より小さい
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記偏光分離膜での前記第2の偏光光の入射方向および反射方向に直交する長手方向に関する前記第1の光学素子、前記第2の光学素子の厚さを夫々t1、t2、前記第1の光学支持部、前記第2の光学支持部の厚さを夫々t1’、t2’とするととき、
t1’<t1
t2’<t2
を満足することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記偏光分離膜での前記第2の偏光光の入射方向および反射方向に直交する長手方向に関する前記第1の光学素子、前記第2の光学素子の夫々厚さ20mmにおける波長440nmでの光吸収率をAb1、Ab2とするとき、
0<Ab1<10[%]
0<Ab2<10[%]
を満足することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記第1の光学系は、光源からの光を色分離して前記画像表示素子を照明すると共に前記画像表示素子からの光を合成する色分離合成光学系を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記色分離合成光学系が前記偏光ビームスプリッターを有することを特徴とする請求項15に記載の画像投射装置。
- 前記画像表示素子は、異なる色に対応して複数設けられることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記画像表示素子は反射型の液晶表示素子であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像投射装置。
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JP2018163279A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | セイコーエプソン株式会社 | 照明装置及びプロジェクター |
DE102018007521A1 (de) | 2017-09-29 | 2019-04-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Polarisationsstrahlteiler und diesen verwendende Bildprojektionsvorrichtung |
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2013
- 2013-08-28 JP JP2013176520A patent/JP2015045725A/ja active Pending
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