JP2015044351A - 画像形成装置および同装置が備える乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体への過剰な加熱、色間における乾燥効率の差、印字率に対する乾燥効率の差、という3つの問題を最小限に抑えることを可能とする乾燥装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体2に対して記録液を画像信号に応じて吐出するインクジェットヘッド4と、記録媒体を搬送せしめる搬送システム3と、インクジェットヘッドより下流側に配置され記録媒体上に画像を形成している記録液から溶媒成分を加熱によって乾燥除去する乾燥装置5を備えた画像形成装置であり、乾燥装置5は溶媒成分の吸収波長を含む光を輻射する輻射光源6を有しており、輻射光源は、輻射体11の表面の少なくとも一部に周期構造が形成されており、該周期構造によって所定のカットオフ波長λ以上の波長を有する赤外光の輻射を抑制した、波長選択性の熱輻射光源であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式の画像形成装置に関するものであり、主に水性インクを用いた産業用のインクジェット、中でもサイネージ用の広幅インクジェット機や、高速インクジェット印刷装置、及び同装置が備える乾燥装置に関するものである。
従来より、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等により、インクジェット記録を行うインクジェットプリンタ等のインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
この画像形成装置は、画像情報に応じてヘッドが備える微小のノズルがインク等の記録液を液滴化して吐出し、かかる記録液を紙等の記録媒体に付着させて画像形成を行う画像形成技術を用いたものである。
インクジェット方式の画像形成装置は、感光体等を用いる電子写真方式の画像形成装置に比べた場合での装置構成の簡便さから、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等への適用範囲が拡大しつつある。
このようなインクジェット方式の画像形成装置において、インクジェットヘッドからインクを飛翔させるためには、インク粘度が所定値以上に低い必要があり、このためにインクは多量の溶媒を含んでいる。溶媒として有機溶剤を用いたソルベントインクタイプのものや、水を用いた水性インクタイプのものが存在するが、水性インクは臭気や人体への影響がほぼ無いことから使用機会が増えている。
このような溶媒を用いた画像形成装置においては、用紙を重ねた時の裏移りを防ぎ、画像を記録媒体に定着させるために溶媒の乾燥工程が必要となることがある。溶媒の乾燥工程が必要な画像形成装置としては、特に画像記録幅全面に渡ってノズル列が形成されたフルライン型のインクジェットヘッドを有する高速な画像形成装置や、広幅の印字領域を有しコート紙・合成紙・フィルムなどの非浸透性媒体に印字するワイドフォーマット型の画像形成装置が上げられる。
このようなインクジェット方式の画像形成装置における乾燥装置として、輻射光源からの赤外線によってインクまたは記録媒体またはその両方を加熱する装置が良く用いられる。(特許文献1〜特許文献5)輻射タイプの加熱装置では、印字面に接触すること無しに印字部を加熱することが可能であるため乾燥工程において画像を乱すことが無く、インクジェット方式の画像形成装置に用いるのに好適である。
しかしながら、赤外線による加熱方式には次のような課題がある。第一に用紙(記録媒体)への加熱が過剰になり、用紙のコックリングやカールが発生する、さらに悪いときには用紙に焦げが発生する。第二に、フルカラーの画像形成装置において、印字した色間で赤外線を吸収する割合が異なるために、色によって乾燥速度が異なる問題がある。最後に第三の課題として、印字率(単位面積当たりのインク量)によって乾燥速度が異なる問題が挙げられる。
第一の課題に対して、特許文献1において波長4μm〜10μmの範囲にピークを持つ放射特性の発熱体を有するインクジェット装置が示されている。特許文献1によれば水性インクおよび紙の吸収波長スペクトルは図9(a)および(b)に示す通りとなっており、波長4μm〜10μmの間で紙の吸収が弱くインクの吸収が強い赤外線領域が存在する。よって、この波長領域にピークを持つ赤外線輻射光源を用いることによって紙への加熱を最小限に抑えてインクを加熱・乾燥することが可能である。
しかしながら、波長4μm〜10μmの範囲にピークを持つ放射特性の発熱体は発熱体の温度が低い(実施例では170度)ため、放射エネルギーが弱く(放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例することが一般的に知られている。)乾燥に多くの時間を要する問題がある。紙の吸収がほとんど無い領域の光を主として用いると、印字量が少ない領域においてインクから紙への伝熱が多くなるため、前述で第三の課題として上げた印字率によって乾燥速度が異なる問題が発生する。このような問題を回避するためには、インクと紙の両方を略同程度に加熱することが可能な輻射光源を用いることが望まれる。
一方、2〜4μmの波長にピークを有するカーボンヒーターを乾燥に用いた画像形成装置が特許文献2に示されている。カーボンヒーターは水分を効率良く加熱でき、また紙に対しても適度な吸収があるために加熱用の輻射光源として適している。
ところで、特許文献2には、保湿剤の吸収波長と略同じ波長の照射エネルギーを出射するカーボンヒーターを有する乾燥手段を用いた画像形成装置が示されている。しかし、このカーボンヒーターは、実施例に説明があるように所定波長の光のみを記録媒体に照射するために不要な波長の光をカットするためのフィルタが備えられている必要がある。フィルタに吸収される赤外光エネルギーはロスとなりエネルギー効率が低下するのに加え、フィルタが加熱されるため熱膨張によって破損しやすい状態となり、問題がある。また、フィルタを備えない場合には5μmより波長の赤外光放射が存在しており、これによって紙が過剰に加熱される問題(前述第一の課題)がある。
特許文献3では、ピーク波長が1.2μm以下に設定された赤外線ヒーターを含む乾燥装置を用いた画像形成装置が示されている。このような波長を用いると遠赤外光の紙への吸収がされにくいことより、紙への過剰な加熱を防ぐことが可能である。一方で、可視光に近く水の吸収がそれほど大きくないため、色によって赤外光の吸収率が異なることに起因して、前述第二の課題である色による乾燥速度の差が問題となる。これは、特にカーボンブラックを用いたブラック顔料インクとその他のカラーインクとの差として現れる問題であり、ブラックに加熱量を合わせるとカラーインクが乾燥不良となり、カラーインクに加熱量を合わせるとブラックインクが加熱過剰になり、用紙の変形やダメージが発生する恐れがある。
特許文献4では、ハロゲンヒーターによって紙の熱反りを抑えてインクのみを加熱乾燥させるインクジェット記録装置が示されている。これに関しても特許文献3で説明したものと同じ問題があるのに加え、実際にインクのみが加熱されることが可能であれば前述で第三の課題として上げた印字率によって乾燥速度が異なる問題が発生する。
一方で、近赤外光を主に放射する輻射光源を用いながら、第二の課題である色による乾燥効率の差を解消するために、特許文献5では2種類のピーク波長が異なる近赤外輻射光源を用いる方式が示されている。特許文献5では、波長1.1μm〜1.4μmと、波長1.4μmから1.6μmのピーク波長を有するハロゲンランプの両方を任意に組み合わせてカーボンブラックを用いたインクとカラーインクで別の輻射光源によって加熱乾燥が行われる。この方式では、ブラックとカラーが混在した画像を形成する際には、ブラックをカラーインクの混色として出す必要があり、画像品質の劣化やインクコストの増加を招く問題がある。また、装置としても加熱装置を2種類持つ必要があるため複雑なものとなる。
一方、特許文献6には、太陽熱エネルギーを所定波長の光に変えて光電変換素子に入射する熱光起電力システムで用いられる太陽光吸収材料において、表面に2次元配列された微細周期構造を形成することによって所定のスペクトルを選択的に吸収することが可能な波長選択性吸収材料が示されている。
更に、特許文献7には、波長選択性吸収材料を成す複数のマイクロキャビティが形成されたフィラメントによって、可視光の放射効率を高め色味の制御が可能な白熱電球が示されている。
このような特許文献6、7は、波長選択性吸収材料を用いた材料や白熱電球を開示するが、赤外線を放射する波長選択性の熱輻射光源を乾燥装置とした場合の問題点の解決には言及していない。即ち、記録媒体上の画像を形成する記録液から溶媒成分を加熱によって除去する乾燥装置が持つ、第一の記録媒体の過剰加熱や、第二の印字した色間での乾燥速度が異なる問題や、第三の印字率の相違による乾燥速度が異なる問題をそれぞれ改善できるものではない。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とし、記録媒体への過剰な加熱、色間における乾燥効率の差、印字率に対する乾燥効率の差、という3つの問題を最小限に抑えることを可能とする画像形成装置、及び同装置が備える乾燥装置を提供するものである。
本発明は前記課題を達成するため以下の構成とした。
本発明である請求項1の画像形成装置は、記録媒体に対して記録液を画像信号に応じて吐出するインクジェットヘッドと、前記記録媒体を搬送せしめる搬送システムと、前記インクジェットヘッドより下流側に配置され前記記録媒体上に画像を形成している記録液から溶媒成分を加熱によって乾燥除去する乾燥装置を備えた画像形成装置であり、前記乾燥装置は前記溶媒成分の吸収波長を含む光を輻射する輻射光源を有しており、前記輻射光源は、輻射体表面の少なくとも一部に周期構造が形成されており、該周期構造によって所定のカットオフ波長λ以上の波長を有する赤外光の輻射を抑制した、波長選択性の熱輻射光源であることを特徴とする。
本発明によれば、インクジェットから吐出した記録液の溶媒を加熱・乾燥するため輻射光源を有する乾燥装置を備えており、輻射光源の輻射体表面に周期構造を形成したことによって、所定カットオフ波長λ以上の赤外光輻射を抑制している。これによって、赤外光の吸収が多い用紙への過度な加熱を防ぐことが可能となり、用紙へのダメージやカール・コックリングを低減させた画像形成装置を達成することが可能となる。
本発明に係る実施形態である画像形成装置および乾燥装置の全体概略構成図である。 本発明に係る実施形態である乾燥装置の熱輻射光源の概略断面図である。 本発明に係る実施形態である乾燥装置の熱輻射光源が用いる輻射体のAFM像の概略要部斜視図である。 図1の乾燥装置で用いる輻射体11に設定されるカットオフ波長λと共鳴波長λの特性を模式的に示した線図である。 図1の乾燥装置で用いる輻射体11と対比される黒体輻射体からの放射光の放射スペクトル図である。 図1の乾燥装置で用いる輻射体11に代えて採用可能な、変形例としての波長制御可能な周期構造をもつ結晶体で、(a)は1次元の周期構造を有する基板に設けた多層膜フィルタ、(b)は3次元のフォトニック結晶構造基板に設けた多層膜フィルタ、(c)は円柱状にくり抜かれたマイクロキャビティ構造の輻射体の概略図である。 本発明の他の実施形態(第2実施形態)である画像形成装置の全体概略構成図である。 本発明の他の実施形態(第3実施形態)である画像形成装置の全体概略構成図である。 被加熱物の赤外線吸収スペクトル測定データであり、(A)は水性インク、(B)は記録紙の赤外線吸収スペクトルをそれぞれ示している。
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1〜3を参照して、本発明の実施形態1としての画像形成装置の全体構成を説明する。
ここでの画像形成装置は記録媒体上に形成された記録液から溶媒成分を加熱によって乾燥除去する乾燥装置を備え、以下の特徴を有する。
要するに、溶媒成分の吸収波長を含む光を輻射する輻射光源を有し、輻射光源の輻射体表面に周期構造を形成することで、所定のカットオフ波長λ以上の波長の赤外光の輻射を抑制する波長選択性の熱輻射光源とした。つまり、赤外光の吸収が多い用紙の過度な加熱を防いで、用紙のダメージやカール・コックリングを低減させることが特徴になっている。
図1に示すように、画像形成装置としてのインクジェット記録を行うインクジェットプリンタ(以後単にプリンタと記す)100は装置本体110のほぼ中央部に記録用紙(記録媒体)2を搬送路rに沿って搬送せしめる搬送システム3が配備される。更に、搬送システム3の要部を成す搬送ベルト9の周縁部には、ベルトの上流端側に給紙トレイ1が、ベルトの下流端側に排紙トレイ7が、ベルト上面の中間部の上方で搬送方向に沿ってインクジェットヘッド(以後単にヘッド4と記す)と乾燥装置5とが配備されている。
ここでの搬送システム3の要部を成す搬送ベルト9は該搬送ベルトをループ状に複数の支持ローラ8を用いて張架されるという構成を成している。
搬送ベルト9は金属ベルトに多数の孔が形成された構造をしており、裏面からファン801によるエアー吸引によって記録用紙2を保持し、搬送させることが出来るようになっている。エアー吸引方式は多様な媒体を搬送させることが可能であるため好ましいが、この方法に限られるわけでは無く、複数の搬送ローラ8を用い記録用紙2を不図示の搬送ローラで挟んで(ニップして)搬送する手法を取ることも可能である。
給紙トレイ1には多数の記録媒体である記録用紙2が保持されており、図示していないピックアップ装置によって1枚ごとに搬送ベルト9上に給紙される。
記録用紙2は搬送ベルト9によって記録ヘッドであるヘッド4の下に搬送され、このときに搬送動作と同期して画像信号を元に記録液であるインクを液滴状に吐出することによって記録用紙(記録媒体)2上に画像が形成される。
ヘッド4は、加圧動作によって多数のノズル列が形成されたノズル板からインク液滴(記録液)を記録媒体に対して画像信号に応じて吐出するように構成されたものである。加圧方法として抵抗加熱による膜沸騰を利用するサーマル型のものや、ピエゾ素子の変化によって加圧するピエゾ型のものを用いることが出来る。また、ヘッド4として、図1の紙面奥行き方向に渡って印刷幅以上の幅を有するフルライン型のヘッドや、紙面奥行き方向に往復動作することで印刷幅を印字するシリアルスキャン方式のヘッドを用いることが出来る。
特に、本発明の画像形成装置では、フルライン型のヘッドを有しカタログやチラシなどを対象とした高速印刷向けの画像形成装置、もしくは広い領域に渡ってヘッドをスキャンすることで画像形成を行うワイドフォーマット型の画像形成装置を対象としている。図1に示す実施形態1の画像形成装置では、ヘッド4は紙面奥行き方向に渡ってノズル列を有するフルライン型ヘッドが用いられている。
記録液としては一般的に用いられるインクジェットインクを利用可能であり、水性インクの他に揮発性の溶剤を用いた溶剤インクを用いることが可能である。近年、臭気や作業者への感作性の問題から、水性インクを用いられることが好まれており、本実施例でも水性インクを対象として説明を行う。水性インクとして成分に対する限定は特に無いが、例えば下記のインク構成を用いることが可能である。
<ブラック色インク>
・スルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液(CAB−O−JET−200、固形分20質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):35.0質量%
・2−ピロリドン:10.0質量%
・グリセリン:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:0.9質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<イエロー色インク>
・スルホン酸基結合型イエロー顔料分散液(CAB−O−JET−270Y、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・トリエチレングリコール:15.0質量%
・グリセリン:25.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<マゼンタ色インク>
・スルホン酸基結合型マゼンタ顔料分散液(CAB−O−JET−260M、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・ジエチレングリコール:20.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:3.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
<シアン色インク>
・スルホン酸基結合型シアン顔料分散液(CAB−O−JET−250C、固形分10質量%、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製):40.0質量%
・エチレングリコール:4.0質量%
・トリエチレングリコール:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:6.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.1に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
更には、インク成分として加熱乾燥後に記録媒体上へのインク定着を強化するように加熱乾燥によって造膜するポリマーが含有されていることが好ましい。例えば1μm以下のウレタンやアクリルなどのポリマー微粒子が10質量%程度分散されている構成を取ることがより好ましい。このようなインクは、特にオフセット印刷用のコート紙やフィルムなどの浸透の少ない記録媒体に画像形成を行う装置において用いられる。
記録用紙(記録媒体)2上に形成された画像は多量の水分を含むために、記録用紙2へ定着させるためには水分を乾燥させる必要がある。家庭などで用いられる低速インクジェット機では自然乾燥および用紙への浸透によって水分を処理しているが、印刷業務で用いられる高速機では積極的に水分を加熱乾燥する手法が取られる。図1に示す実施形態1のプリンタ100では、インク吐出後の、インクジェットヘッドより下流側の搬送経路に乾燥装置5が設置されている。
次に、実施形態1としての乾燥装置5を説明する。
図1に示されるように、乾燥装置5は、複数の熱輻射光源(輻射光源)6が用紙搬送方向Xに複数配列された構成となっており、記録用紙2上に画像を形成している記録液から溶媒成分を加熱によって乾燥除去する機能を備える。
乾燥装置5の構成としては図1に示される実施形態1に限られるわけでは無く、輻射光源が1つでも良い場合もあるし、他の輻射光源や接触式の加熱定着装置など他の加熱手法と併用することも可能である。これらは印刷機の速度やインクとの相性によって決定される項目である。また、図示していないが乾燥時にはエアーを供給する送風機構が備えられていることが望ましく、さらにはエアーを加熱して供給する温風乾燥送風機構が備えられていても良い。このような乾燥装置5によって記録液溶媒分が乾燥された後、搬送ベルト9上の記録用紙2は排紙トレイ7に排紙される。
上述のような乾燥装置5は、これ以外にも様々な形態が考えられるが、少なくとも所定の赤外線を放射する波長選択性の熱輻射光源6を備えることを要件としている。
ここで、赤外線輻射による加熱方式は非接触な加熱方式であるために、インク水分量の多い乾燥初期状態における使用に適している。
波長選択性の熱輻射光源6のより具体的な構成を図2および図3に沿って説明する。
図2において、実際に赤外光を放射する表面を有する輻射体11が石英管12の中に設置されており、輻射体11を外部からの電源供給によって加熱することによって赤外線が放射され記録用紙2を輻射加熱する。このとき、記録用紙2と逆側に放射された光が無駄になることを防ぐため、熱輻射光源は赤外光を反射する反射ミラー13が設置されていることが好ましい。反射ミラー13の形状として断面が屋根型、楕円型、球面型、放物面型などの構造を有するものを用いることが出来る。ここでの反射ミラー13は放物面を用いた例であり、輻射体からの光を略平行光に反射することが出来る。
また、石英管12の中は不活性ガスで充填されていることが好ましい。これによって、高温の輻射体11が減ずることを防ぎ、熱輻射光源6の耐久性を向上させることが可能になる。また、不活性ガスで充填する他に真空にしておいても良く、輻射体11としてタングステン(W:耐熱性金属)を用いるときにはハロゲンを充満させることによってタングステンの消耗を抑えることも可能である。輻射体11を内包するのは石英管に限られるわけではなく、ガラス管や金属酸化物、金属フッ化物などのセラミックによって覆われていても良い。
ここでの輻射体11は、例えば、タングステンWの表面を電子ビーム露光とドライエッチングにより処理し、図3に示すような共振器アレイのAFM像(原子間力顕微鏡像)の概略図に示されるような、表面に微細で周期的な凹凸構造が凹部として作成されている。
このような構造はマイクロキャビティmcとして知られており、輻射体11の輻射波長λの制御が可能であることが公知文献に記載されている。(例えば特許文献5、特許文献6、非特許参考文献1)
特許文献5、非特許参考文献1に記載されるように、マイクロキャビティmcからの輻射は空洞量子電磁気学の理論を応用して予測することが可能であり、キャビティmcの開口径の2倍より大きい波長はマイクロキャビティ内部で抑制されて放射されなくなる。
この波長がカットオフ波長λとして知られる波長である。
さらに、マイクロキャビティ内部においてキャビティ形状と共鳴する波長において輻射が増強されることが知られており、キャビティの横幅aと縦幅b、深さをhとすると、共鳴波長λは次式「数1」で表される。
Figure 2015044351
ここで、n、n、nはそれぞれ、図3に記載のx方向、y方向、z方向のモードナンバーであり、n、nは0,1,2・・などの整数を、nは0,1,3,5・・などの整数を取ることが出来る。(非特許参考文献1参照)
以上で簡単に説明したように、輻射体11にマイクロキャビティmcを形成することによってある特定の共鳴波長λにおいて輻射が増強され、しかも、カットオフ波長λよりも長い波長の光は抑制されることになる。
これらの特性を模式的に示したものが図4になる。
この図4において、縦軸の相対輻射率とはマイクロキャビティ構造の無い平面からの輻射に対するマイクロキャビティ構造を有する面からの輻射の比である。
実施形態1の熱輻射光源6は石英管12の中に輻射体11を設置した構成を採る。この輻射体11にはカットオフ波長λが設定される。このカットオフ波長λより長波長側である、記録液(水性インク)の吸収が少ない波長帯(相対的に透過率が大きい図9(a)のe1域)、及び、記録用紙2の吸収が多い波長帯(相対的に透過率が小さい図9(b)のe1域)側で赤外線領域の光を抑制する特性を示す。
これによって記録用紙(記録媒体)2への過剰な加熱を防ぐことが可能となっている。記録媒体として紙、記録液として水性インクを用いる際には、図9(a)から解るように波長5μm〜10μmの波長帯ebを下限とし、それより高波長域e1側ではインクよりも紙の吸収率のほうが高くなる。このため、波長5μm〜10μmの波長帯ebにカットオフ波長が保持されるよう設計されていることが最も望ましい。これによって、前述第一の課題である記録用紙2への過剰な加熱を防ぐことが容易となる。
更に、図4に示したように、共鳴波長λは記録液に対して吸収率の高い領域(相対的に透過率が小さい図9(a)のe2波長域)側に設定されることが好ましい。
即ち、前述第二の課題である色による加熱効率の差を最低限に抑えるために、乾燥させたい溶媒分の吸収波長と共鳴波長λを略一致させ、輻射の増幅を図れるよう設定することがもっとも望ましい。ここではカットオフ波長λが設定され、記録液の吸収が少ない波長域(図9(a)のe1波長域)での輻射が抑制されるが、これに応じて、記録液の吸収率の高い低波長域(図9(a)のe2域)側での輻射エネルギ(放射エネルギ)が増強される傾向にある。これに加えて、e2域に共鳴波長λの設定が成されることで、相乗効果により輻射の増強をより大きできるという利点もある。
そこで、水性インクを記録液として用いる際には、水の吸収波長を用いることが望ましい。特に、図9(a),(b)に示すように、2.5μmから3.5μmの波長帯ewの水の共振(共鳴)波長は非常に強い吸収を有している。このように波長帯ewに共鳴波長λの設定を行えば輻射の増幅を強化でき、非常に強い吸収(加熱)を図れ、インク色に対して吸収率の差が出にくく、より好ましい波長となる。これに加え、この波長帯(2.5μmから3.5μm)ewの光に対しては紙もある程度の吸収効率を有している(図9(b)のew域参照)。このため、紙もインクと同程度に加熱することが可能であり、印字率が異なる領域においても同等の乾燥速度で乾燥させることが可能である。よって、共鳴波長λが2.5μmから3.5μmの領域ewにある熱輻射光源6を使用することが最も望ましい。
このように、輻射体11にマイクロキャビティmcを設けた構造は所定のカットオフ波長λを持つだけでなく、共鳴波長λを発現させることも可能である。この共鳴波長λとして溶媒の吸収波長に合わせることによって、インクの溶媒(実際にインクのみが加熱される)をより効率的に加熱乾燥することが可能となり、より短時間で乾燥可能な乾燥装置(加熱装置)とすることが可能となる。
以上の条件を元に、図3で示した直方体状にくり抜かれたマイクロキャビティ構造を設計するとする。ここで実施形態1の例えば実施例1として、横幅a、縦幅b、深さをh、ピッチpはそれぞれ、3μm、3μm、0.8μm、3.5μmに設定されたマイクロキャビティ構造を形成する。このような構造に設定することで、カットオフ波長λを6μm、共鳴波長λを2.8μmとした熱輻射光源6の輻射体11を達成することが出来る。
このように実施形態1のプリンタ100によれば、記録用紙(媒体)100への過剰な加熱、色間における乾燥効率の差、印字率に対する乾燥効率の差、という3つの問題を最小限に抑えることを可能とする乾燥装置5及びプリンタ100を実現できる。
更に、実施形態1のプリンタ100によれば、熱輻射光源6の輻射体11のカットオフ波長λが波長5μm〜10μmの範囲となっており、この波長5μm〜10μmを下限としたe1波長域で、インクよりも紙の吸収率のほうが高くなる。そこで、このe1波長域の範囲にカットオフ波長λを設定することによって、インクへの効率的な加熱を行いつつも、記録用紙2への過剰な加熱を抑え、用紙へのダメージの少ないインクジェット方式のプリンタ100を提供することができる。
次に、図3で示した直方体状にくり抜かれたマイクロキャビティ構造に代えて採用できる実施形態1の変形例を説明する。
ここで、波長制御可能な周期構造としては、図6(a)に示すような1次元の周期構造を有する基板に多層膜フィルタ(非特許参考文献2)rv1がある。更に、図6(b)に示すような例えばウッドパイル型の3次元のフォトニック結晶構造(非特許参考文献3)(フォトニック結晶とは一般的に光の波長と同程度の周期的な屈折率変化域を内部にもつ結晶をいう)rv2を用いることが可能である。
このように、実施形態1のプリンタ100に用いられる熱輻射光源6の輻射体11は表面に多数のマイクロキャビティが形成されている。このような微細周期構造によってカットオフ波長を発現させる方法としては、マイクロキャビティの他にも三次元フォトニック結晶構造や多層膜構造を用いることが可能であるが、構造の作製が容易では無い。これに対して、マイクロキャビティ構造が設計および加工の面から最も容易な手法であり、図3で示したマイクロキャビティmcを用いた構成が最も良い。
更に、輻射体11のマイクロキャビティ構造としては、図3で示した直方体状にくり抜かれた構造に限られるわけでは無く、図6(c)に示すように円柱状にくり抜かれた構造がハニカム状に形成された構造11aを採ることも可能である。
また、共鳴構造の一部を金属によって形成させることによって、表面プラズモン(金属中の電子が光と相互作用を起こす現象のことで、SPR(surface plasmon resonance)とも言う)を利用する。これにより共鳴波長領域の輻射効率を高めた素子を作製することも考えられる。
次に、輻射体11の温度に関して述べる。
輻射体11の温度と放射エネルギーの間にはシュテファン=ボルツマンの法則が成り立つことが知られており、放射エネルギーは温度の4乗に比例する。印刷機高速化のためにはより多くのエネルギーを短時間に投入することが望まれるため、高い温度の輻射体を用いることが望まれる。しかしながら、一方で輻射体11を高温にすることによって輻射体の蒸気圧が上昇し、少しずつ揮発することによって性能が劣化し、最終的には切断などの破壊に至る問題がある。よって、通常は輻射体温度として3000K以下の温度で使用することが多く、本発明においても同温度以下に設定されることが望ましい。
一方、輻射体11から放射される波長分布に関しては、完全な黒体輻射体からの放射光の波長分布としてプランクの法則が良く知られている。図5はプランクの法則から導かれる黒体輻射からの放射スペクトルを示している。図5には、温度1000K前後から2000Kまでの温度における黒体輻射のスペクトルが示されている。これによれば、1200K〜1500Kの黒体からの光が水の吸収波長帯域である2.5μmから3.5μmに放射光強度がピークを有している。
一方で、1200K〜1500Kの黒体からの輻射光には紙への吸収が多い波長7μm以上の赤外光が多量に含まれていることが解る。よって、通常の黒体輻射光において、水の吸収波長帯にピークを設定すると、紙への過剰な加熱が生じることが改めて確認される。
本発明の画像形成装置に用いられる輻射体11では、温度が1200K〜1500Kに必ずしも合致していなくても、共鳴効果によって水の吸収波長にピークを有する光を輻射可能であるため、温度に対する設計の自由度は高い。しかし、非特許文献1に記載されるように温度が高すぎるとマイクロキャビティ構造が時間と共に劣化する現象が現れるため、輻射体の温度としては1300K以下になっていることが好ましい。また一方で、温度が低すぎると前述の通り輻射効率が低くなるため、ある程度温度が高いほうが好ましい。よって、もっとも好ましい温度領域は1000K〜1300K程度の範囲である。
輻射体11の材質としては、寿命の観点から高融点の金属材料を用いることが好ましく、例えばタングステン、モリブテン、タンタルあるいはこれらを含む合金を用いることが最も望ましい。ただし、前述の材料は高価であり加工も困難であるため、より安価で加工の容易な、カーボン、シリコン、ニッケルなどを用いることも可能である。その他にも輻射体の温度が低い場合には、金属酸化物、窒化物、ホウ化物などいわゆるセラミックヒーターとして使用されているセラミック原料を用いることも可能である。
このようなマイクロキャビティ構造の作製方法としては、フォトレジストによるパターニングおよびドライエッチングによる垂直エッチングの組み合わせによって達成可能である。この他にも、結晶面の異方性を利用した異方性ウェットエッチングや、レーザー加工などの手法を用いることも考えられる。特にシリコンはドライエッチングによる加工がMEMS(微小電気機械素子)の作製などで一般的に用いられており、加工性の面から好ましい材料である。
輻射体11の加熱方法として、輻射体11に直接電流を流して輻射体の抵抗によって加熱することも可能であるし、輻射体11の脇に抵抗加熱装置を設け、抵抗加熱装置からの熱を輻射体に伝熱などによって伝えることによって加熱する傍熱式とすることも可能である。図3では傍熱式の輻射体構成を示している。加熱手段である加熱ヒーター32は制御装置30の指示で電力供給制御を行うヒータ駆動回路31を介して電源34に接続される。電源34からの電流が流れることで抵抗加熱体である加熱ヒーター32は発熱し、その熱は絶縁膜33を通して輻射体11に流れ、輻射体11が加熱される。
以上の構成によって、マイクロキャビティ構造の共鳴波長が2.5μmから3.5μmの間にある。2.5μmから3.5μmには水の強い吸収帯が存在するために、水系インクを効率的に乾燥させることが可能となる。また、水の吸収が非常に強いため、異なる色のインクに対しても同程度の吸収率を持たせることが可能となり、色による乾燥効率の差を低減することが可能となる。さらに、2.5μmから3.5μmの波長域では、紙もある程度の吸収効率を有しているため、紙もインクと同程度に加熱することが可能であり、印字率が異なる領域においても同等の乾燥速度で乾燥させることが可能である。
このようにカットオフ波長λ以上の赤外光輻射を抑制することによって、赤外光の吸収が多い記録用紙2への過度な加熱を防ぐことが可能となり、用紙へのダメージやカール・コックリングを低減させた画像形成装置を達成することが可能となる。
つまり、溶媒を乾燥する乾燥装置5、及び乾燥装置5を備えたプリンタ100は、用紙への過剰な加熱の抑制、インク色による乾燥効率差の軽減、印字率に対する乾燥効率差の軽減を図ることが可能である。
更に、プリンタ100では、輻射体11の加熱温度が1300K以下となっている。これによって、輻射体11表面に形成されたマイクロキャビティ構造が劣化することが少なく長時間に渡り安定的に使用可能となり、耐久性を確保できる。
更に、プリンタ100では、輻射体11を加熱するための加熱手段が傍熱式ヒーターとなっている。この場合、輻射体11に電流を流し輻射体の抵抗によって加熱する方式に対して、輻射体材料の選択幅が広くなる。
次に、実施形態2に関して述べる。
図7に示したプリンタ100aは図1のプリンタ100と対比して、搬送ベルト9の上面側で装置本体110aの内部に配備のインクジェットヘッド4aと乾燥装置5aとの配置構成が相違する。これ以外の構成は、プリンタ100と同様構成であり、ここでは重複説明を略す。
図7の実施形態2のプリンタ(画像形成装置)100aは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、それぞれの色を持つインクを吐出するフルライン型のヘッド4aY,4aM,4aC,4aK(全体を4aとして記す)によって構成されている。
各ヘッド4aY,4aM,4aC,4aKは間欠配備され、各色のヘッドの後に輻射体11aを有する乾燥装置5aを成す各熱輻射光源6aY,6aM,6aC,6aKが交互に配備される。
さらにプリンタ100aは、輻射体11aを有する乾燥装置5aの下流側に定着ローラ81を備えている。定着ローラ81は内部にハロゲンヒーターなどの内部加熱ヒーター821(加熱手段)を内蔵した加熱ローラ82を対向配置しており、これによって紙面のインクを加圧および加熱によってさらに定着させることが可能である。また、定着ローラ81と対向するローラとして外径が異なるローラを用いることによって、紙のカールを軽減させるデカーラー(カールを最小限に抑えるカール補正機構)を兼ねることも可能である。この場合も、第1実施形態の乾燥装置5と同様の輻射体11を乾燥装置5aが用いることで、記録用紙2の記録液の溶媒を加熱・乾燥するにあたり、過剰な加熱の抑制、インク色による乾燥効率差の軽減、印字率に対する乾燥効率差の軽減を図ることが可能である。
次に、実施形態3に関して述べる。
図8に示した画像形成装置はポスターなど大判の印刷物を作製するための、ワイドフォーマット型の画像形成装置100bである。
画像形成装置100bはロール紙400bから供給された記録用紙2bを搬送ローラ42bによってプリンタ部43bに搬送する。プリンタ部43bはキャリッジ45b内に固定支持されるインクジェットヘッド44bを備える。そのインクジェットヘッド44bはキャリッジ45bと共にレール機構を有する走査駆動手段48bにより紙面奥行き方向に往復運動し、この際、用紙2bに対して、インクの吐出を行い画像を形成する。
このとき、記録用紙2を挟んでインクジェットヘッド44bと対向する位置にはインクジェットヘッド44bと記録用紙2bのギャップを制御するためのプラテン441bが備えられている。画像が形成された紙は、インクジェットヘッド44bより搬送路下流側に離れて配備の乾燥装置46bまで搬送される。ここでの乾燥装置46bは前述の第1実施形態の乾燥装置5と同様の輻射体11(図8では不図示)、即ち、微細周期構造を有する輻射体11を有し、この乾燥装置46bによって、記録用紙2bの記録液の溶媒を加熱・乾燥する。この際、過剰な加熱の抑制、インク色による乾燥効率差の軽減、印字率に対する乾燥効率差の軽減を図ることが可能である。
特に、インクジェットヘッド44bより搬送路下流側の乾燥装置46bは、その熱がインクジェットヘッド44bへ影響することを防ぐために、ヒーターカーバー47bがさらに備わっていることが好ましい。
なお、プリンタ部43b、乾燥装置46b以外の構成は第1実施形態のプリンタ100と同様に形成され、ここでは重複説明を略す。
この場合も、第1実施形態の乾燥装置5と同様の輻射体11を46bが用いることで、記録用紙2bへの過剰な加熱の抑制、インク色による乾燥効率差の軽減、印字率に対する乾燥効率差の軽減を図ることが可能である。
上述のところにおいて、ワイドフォーマット型のインクジェットヘッドでは記録媒体として記録用紙2では無く、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系、PETなどのフィルム素材が用いられることも可能である。このような記録媒体の素材も、2.5μm〜3.5μmの波長帯ewに対して適度な吸収効率を持っているため、前述の記録用紙2において説明した輻射体11と同じ構造を用いることが可能である。ただし、予め用いる記録媒体が明らかなときには、輻射光源の微細周期構造をそれに合わせて設計することがより望ましい。
なお、乾燥装置を備えた画像形成装置としてプリンタついて説明したが、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
1 給紙トレイ
2 記録用紙(記録媒体)
3 搬送システム
4、4a、44b インクジェットヘッド
5、5a、46b 乾燥装置
6 熱輻射光源(輻射光源)
9 搬送ベルト
11 輻射体
32 加熱ヒーター(加熱手段)
821 内部加熱ヒーター(加熱手段)
100 プリンタ(画像形成装置)
r 搬送路
mc マイクロキャビティ(周期構造)
λ カットオフ波長
λ 共鳴波長
X 用紙搬送方向
特開平10−323974号公報 特許第49883280号公報 特開2012−126057号公報 特開2006−212939号公報 特開2000−168060号公報 特許第3472838号号公報 特開2007−234362号公報
「マイクロキャビティによる高効率白熱電球」、高原淳一、 伝熱 50巻210号 6−12(2011) 「Thermal emission control with one−dimensional metallodielectric photonic crystals」, Arvind Narayanaswamy et.al., Physical Review B, 70巻、125101 (2004) 「フォトニック結晶による選択波長放射」、宮崎康次、 伝熱 50巻210号 13−17(2011)

Claims (8)

  1. 記録媒体に対して記録液を画像信号に応じて吐出するインクジェットヘッドと、前記記録媒体を搬送せしめる搬送システムと、前記インクジェットヘッドより下流側に配置され前記記録媒体上に画像を形成している記録液から溶媒成分を加熱によって乾燥除去する乾燥装置を備えた画像形成装置であり、
    前記乾燥装置は前記溶媒成分の吸収波長を含む光を輻射する輻射光源を有しており、前記輻射光源は、輻射体表面の少なくとも一部に周期構造が形成されており、該周期構造によって所定のカットオフ波長λ以上の波長を有する赤外光の輻射を抑制した、波長選択性の熱輻射光源であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記カットオフ波長λが5μmから10μmの間にあることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記周期構造は、表面に多数のマイクロキャビティが形成された周期的な凹凸構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記マイクロキャビティの共鳴波長のうち少なくとも1つが溶媒の吸収波長と略一致していることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記記録液が水性インクであり、前記共鳴波長が2.5μmから3.5μmの間にあることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記乾燥装置を構成する前記輻射体の温度が1300K以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  7. 前記乾燥装置は前記輻射体を加熱するための加熱手段を有しており、前記加熱手段は傍熱式ヒーターであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  8. 画像信号に応じてインクジェットヘッドにより記録媒体に記録液を吐出して画像を形成する画像形成装置に備えられ、記録媒体上の記録液の溶媒成分を加熱によって乾燥除去する乾燥装置であって、
    前記乾燥装置は前記溶媒成分の吸収波長を含む光を輻射する輻射光源を有しており、前記輻射光源は、輻射体表面の少なくとも一部に周期構造が形成されており、該周期構造によって所定のカットオフ波長λ以上の波長を有する赤外光の輻射を抑制した、波長選択性の熱輻射光源であることを特徴とする乾燥装置。
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