JP2015043446A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電極の回り込み先端部の近傍からセラミック素体にクラックが発生することを抑制することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】誘電体層1と、誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極2とを備えたセラミック素体10と、内部電極と導通する外部電極5を備えた積層セラミックコンデンサ50において、外部電極をCu焼結金属層12と、Cu焼結金属層を覆うように形成されたNiめっき層33とを備えた構成とし、Cu焼結金属層の、セラミック素体10の第1および第2の主面11a,11b、および第1および第2の側面31a,31bに回り込んだ領域の先端側部分である回り込み先端部R1,R2の、Niめっき層33との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAを、回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、詳しくは、内部電極を備えたセラミック素体に、上記内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有する積層セラミックコンデンサに関する。
代表的なセラミック電子部品の一つに、例えば、特許文献1に開示されているような積層セラミックコンデンサがある。
この積層セラミックコンデンサは、図3に示すように、誘電体層であるセラミック層101を介して複数の内部電極102(102a,102b)が積層されたセラミック積層体(セラミック素体)110の一対の端面103(103a,103b)に、内部電極102(102a,102b)と導通するように一対の外部電極104(104a,104b)が配設された構造を有している。
そして、外部電極104(104a,104b)は、例えば、Cu粉末を導電成分とする導電ペーストを焼き付けることにより形成された、セラミック素体110の端面103からその主面や側面に回り込むように形成された焼結金属層105(105a,105b)と、その表面を覆うように形成されためっき層106(106a,106b)から形成されている。
なお、めっき層106(106a,106b)は、焼結金属層105(105a,105b)の表面に形成されたNiめっき層107(107a,107b)と、Niめっき層107(107a,107b)の上に形成されたSnめっき層108(108a,108b)とを備えている。
そして、特許文献1では、例えば、少なくともニッケル塩とハロゲン化合物とpH緩衝剤とを含有し、pHが2.2〜5.5に調整されたニッケルめっき液であって、ニッケルイオンxとハロゲンイオンyとのモル濃度比x/yが、0.5<x/y≦1.0であるNiめっき液を用いて、上記Niめっき層を形成するようにしており、被めっき物の導電部上に優先的にめっき析出が起こり、はんだ濡れ性を損なうことなく部品素体上へのめっき成長を抑制することができるとされている。
しかしながら、特許文献1に示されているような積層セラミックコンデンサでは、外部電極104がセラミック素体110の端面103から主面や側面にまで回り込むように形成されているとともに、焼結金属層105がめっき層106により被覆された構造を有しているので、セラミック素体110の主面および側面に回り込んだ外部電極104の回り込み先端部には、Niめっき層107からの引張り応力が加わり、外部電極104の回り込み先端部の近傍において、セラミック素体110にクラックが発生しやすくなるという問題点がある。
特開2006−213946号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、セラミック素体の端面から、セラミック素体の主面や側面に回り込むように形成され、内部電極と導通する焼結金属層と、該焼結金属層を被覆するように形成されためっき層とを有する外部電極を備えた積層セラミックコンデンサであって、外部電極の回り込み先端部の近傍からセラミック素体にクラックが発生することを抑制することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層セラミックコンデンサは、
誘電体セラミックからなる誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを備えたセラミック素体であって、第1の主面および前記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面に直交する第1の端面および前記第1の端面と対向する第2の端面と、前記第1の端面に直交する第1の側面および前記第1の側面と対向する第2の側面とを備える直方体形状を有し、前記複数の内部電極が交互に前記第1の端面および第2の端面に引き出されたセラミック素体と、
前記セラミック素体に、前記第1の端面および第2の端面に引き出された前記内部電極と導通するように配設された一対の外部電極と
を備えた積層セラミックコンデンサであって、
前記外部電極は、前記セラミック素体の前記第1および第2の端面から、前記第1および第2の主面、および前記第1および第2の側面に回り込むように形成されたCu焼結金属層と、前記Cu焼結金属層を覆うように形成されたNiめっき層とを備え、
前記Cu焼結金属層の、前記セラミック素体の前記第1および第2の主面、および前記第1および第2の側面に回り込んだ領域の先端側部分である回り込み先端部の、前記Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAが、前記回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さいこと
を特徴としている。
また、本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、前記Niめっき層の、前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCが、前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さいことが好ましい。
Niめっき層の、Cu焼結金属層の回り込み先端部との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCが、Cu焼結金属層の回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくなるようにした場合、Niめっき層に発生する引張り応力を小さくして、外部電極の回り込み先端部近傍にクラックが発生することを抑制、防止することが可能になる。
なお、Cu焼結金属層の回り込み先端部の、Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAが小さくなると、その影響を受けて、Ni粒子の大きさCが小さくなり、その結果、Niめっき層に発生する引張り応力が小さくなり、外部電極の回り込み先端部近傍へのクラックの発生が抑制される。
また、前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部の厚みが、0.5μm以上であることが望ましい。
Cu焼結金属層の前記回り込み先端部の厚みを、0.5μm以上とすることにより、Ni結晶粒子の大きさCを小さくする効果を得ることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
本発明の積層セラミックコンデンサでは、Cu焼結金属層の、セラミック素体の第1および第2の主面、および第1および第2の側面に回り込んだ領域の先端側部分である回り込み先端部の、Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAを、回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくするようにしているので、Cu焼結金属層の、Niめっき層との界面のCu結晶粒子の大きさが小さいことによる影響により、Niめっき層の、Cu焼結金属層の回り込み先端部との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCを小さくすることが可能になる。
そのため、Niめっき層に発生する引張り応力を小さくして、外部電極の回り込み先端部近傍へのクラックの発生を抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す正面断面図である。 本発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの外観構成を示す斜視図である。 従来の積層セラミックコンデンサの外部電極の構成を示す正面断面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる積層セラミックコンデンサ50の構成を示す正面断面図、図2は積層セラミックコンデンサ50の外観構成を示す斜視図である。
この積層セラミックコンデンサ50は、図1および2に示すように、誘電体セラミックからなる誘電体層1と、誘電体層1間の複数の界面に配設された複数の内部電極2(2a,2b)とを備えたセラミック素体10と、セラミック素体10の外表面に、内部電極2(2a,2b)と導通するように配設された一対の外部電極5(5a,5b)を備えている。
また、内部電極2(2a,2b)と、後述するセラミック素体10の第1の主面11aおよび第2の主面11bとの間には、補助電極6(6a,6b)が配設されている。補助電極6(6a,6b)は、隣り合う内部電極2(2a,2b)と同電位の外部電極と導通されている。ただし外部電極と導通していなくてもよい。
また、上記補助電極6(6a,6b)を備えていない構成とすることも可能である。
セラミック素体10を構成する誘電体層1は、BaTiO3系のセラミック誘電体から形成されている。なお、BaTiO3のTi100モル部に対して、Dyが1.0モル部、Mgが1.3モル部となるように添加し、さらにMnを添加している。
なお、誘電体層1は、BaTiO3系のセラミック誘電体に限らず、CaZrO3系などの他のセラミック誘電体から形成されていてもよい。
また、内部電極2は、NiもしくはCuなどの卑金属を主成分とする金属層である。
セラミック素体10は、直方体形状を有しており、第1の主面11aおよび第1の主面11aと対向する第2の主面11bと、第1の主面11aに直交する第1の端面21aおよび第1の端面21aと対向する第2の端面21bと、第1の端面21aに直交する第1の側面31aおよび第1の側面31aと対向する第2の側面31bとを備えている。
なお、第1の主面11aと第2の主面11bを結ぶ方向を高さ方向とした場合に、この高さ方向が誘電体層1および内部電極2(2a,2b)の積層方向となる。
第1の端面21aと第2の端面21bには、複数の内部電極2(2a,2b)が交互に引き出されており、第1の端面21aには内部電極2aが引き出され、第2の端面21bには内部電極2bが引き出されている。
この積層セラミックコンデンサ50において、外部電極5(5a,5b)は、Cu焼結金属層12(12a,12b)と、めっき層32(32a,32b)とを備えた構造とされている。
また、この積層セラミックコンデンサ50において、上述の補助電極6(6a,6b)と、その外側のセラミック層(すなわち、第1の主面11aおよび第2の主面11b側のセラミック層)との境界には、MgとMnを含有した境界層が69%以上に設けられている。また、補助電極6(6a,6b)は、その連続性が60%以上である。さらに、連続性が途切れている領域である欠損部の39%以上にSiを含む偏析物が存在している。補助電極6(6a,6b)は、第1の主面11a側のみに設けられていてもよく、第2の主面11b側のみに設けられていてもよい。補助電極6(6a,6b)はそれぞれ複数備えていてもよい。なお、境界層中におけるMg含有量に対するMn含有量のモル比Mn/Mgは特に限定されるものではないが、Mn/Mg=0.005〜0.7の範囲にあることが、特に好ましい。
この補助電極6(6a,6b)の境界層の存在は以下のようにして確認した。まず、積層セラミックコンデンサを、長さ方向と厚み方向により規定される面が露出するような態様で、研磨機により研磨した。このとき、積層セラミックコンデンサの幅方向の1/2程度の深さまで研磨を行った後、研磨による内部電極のダレを除去した。
それから、上述のようにして研磨した研磨端面において、積層セラミックコンデンサの長さ方向の中央部の位置において、内部電極2とほぼ直交する直線を引く(想定する)。そして、補助電極6(6a,6b)の境界部分と上記直線とが直交する領域(境界層)を電子顕微鏡を用いて倍率1万倍で観察した。そして、この実施形態では、観察視野の幅を10μmとし、FE−WDXにて観察を行うことにより、補助電極6(6a,6b)の境界層の存在を確認した。
また、内部電極2(2a,2b)の厚みの平均値は以下のようにして求めた。
まず、上記研磨端面を厚み方向に3等分に分割し、上部領域、中間領域、下部領域の3つの領域に分割した。そして、各領域において、最外の内部電極2を除いて、上記の直線と直交する位置の内部電極2の厚みを、それぞれ無作為に5層ずつ測定して、その平均値を求めた。なお、内部電極の厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。ただし、内部電極が欠落しているなどの理由で測定できない部分は測定対象から除いた。
また、誘電体層1の厚みは、上記の上部領域、中間領域、下部領域の3つの領域において、上記の直線と直交する位置の誘電体層1の厚みをそれぞれ無作為に5層ずつ測定して、その平均値を求めた。なお、誘電体層の厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて測定した。
ただし、積層方向の最も外側に位置する最外層の内部電極2の外側に位置する最外誘電体層、および、内部電極が欠損していることにより2層以上の誘電体層が繋がって観察されるなどの理由により測定できない部分は測定対象から除いた。
Cu焼結金属層12(12a,12b)は、セラミック素体10の第1の端面21aおよび第2の端面21bから、セラミック素体10の第1および第2の主面11a,11b、および第1および第2の側面31a,31bに回り込むように形成されている。
めっき層32(32a,32b)は、Cu焼結金属層12(12a,12b)の全体を覆うように形成されている。
また、この実施形態では、めっき層32(32a,32b)は、Cu焼結金属層12(12a,12b)上に形成されたNiめっき層33(33a,33b)と、Niめっき層33(33a,33b)上に形成されたSnめっき層34(34a,34b)を備えた2層構造のめっき層とされている。
このCu焼結金属層12は、Cuを導電成分とする導電ペーストをセラミック素体10に塗布して、焼き付けることにより形成された焼き付け電極(厚膜電極)である。
この実施形態では、積層セラミックコンデンサ50として、
(a)外部電極を含めた寸法が、長さ(L):1.0mm、幅(W):0.5mm、高さ(T):0.5mmの積層セラミックコンデンサと、
(b)外部電極を含めた寸法が、長さ(L):2.0mm、幅(W):1.2mm、高さ(T):1.2mmの積層セラミックコンデンサと
を作製した。
ただし、本発明は上述のような寸法の積層セラミックコンデンサに限られるものではなく、異なる寸法の積層セラミックコンデンサにも適用することが可能である。
また、上述のような寸法の積層セラミックコンデンサの場合、通常、Cu焼結金属層12の厚みが0.5μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。
ただし、Cu焼結金属層12の厚みは上述の範囲に限られるものではなく、他の厚みとすることも可能である。
そして、この実施形態の積層セラミックコンデンサ50においては、Cu焼結金属層12の、セラミック素体10の第1および第2の主面11a,11b、および第1および第2の側面31a,31bに回り込んだ領域の先端側部分である回り込み先端部R1,R2における、Niめっき層33(33a,33b)との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAが、回り込み先端部R1,R2の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくなるように構成されている。
なお、本発明において、Cu焼結金属層の先端部R1,R2の、Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAとは、回り込み先端部R1,R2の表面から0.8nm以内に存在するCu粒子結晶の大きさをいう。
また、回り込み先端部R1,R2の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBとは、回り込み先端部R1,R2の表面から、回り込み先端部R1,R2の厚みtの約1/2の深さの位置に存在するCu結晶粒子の大きさを意味するものである。
また、この実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ50において、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2の厚みtは1.0μmとされている。
そして、この実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ50においては、Niめっき層33(33a,33b)の、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCが、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくなるように構成されている。
なお、Niめっき層33(33a,33b)は、Cu焼結金属層12(12a,12b)上にめっきにより形成されるが、Niめっき層33(33a,33b)の、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCは、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2の、Niめっき層33(33a,33b)との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAに依存する。
したがって、Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAを小さくすることにより、Niめっき層33(33a,33b)の、Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCを、回り込み先端部R1,R2の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さくすることが可能になる。
そして、このように上記界面に存在するCu結晶粒子Aと、Ni結晶粒子の大きさCを、回り込み先端部R1,R2の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBより小さくすることで、Niめっき層33(33a,33b)に生じる引っ張り応力を緩和することが可能になる。
また、上記Cu焼結金属層12(12a,12b)の回り込み先端部R1,R2の厚みtが0.5μm未満の場合は、Niめっき層33(33a,33b)のNi結晶粒子の大きさCを小さくする効果が十分に得られず、クラックが発生しやすくなる。
なお、Cu結晶粒子の大きさA,B、およびNi結晶粒子の大きさCは、回り込み先端部R1,R2の近傍の断面をFIB(集束イオンビーム)で微細加工処理し、SIM(走査イオン顕微鏡)により観察することで測定することが可能である。
次に、この積層セラミックコンデンサ50の製造方法について説明する。
まず、BaTiO3もしくはCaZrO3を主成分とする誘電体セラミック粉末にバインダーと溶剤を配合して分散させたセラミック原料スラリーを、PETフィルムなどの樹脂フィルム上に薄く伸ばしてシート状に成形することにより、セラミックグリーンシートを作製する。
それから、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷、グラビア印刷などの方法を用いて、導電ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。そして、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート(外層用セラミックグリーンシート)を、所定の順序で、所定枚数積み重ねる。
そして、得られた積層ブロックを、プレスして、各セラミックグリーンシートを圧着する。積層ブロックをプレスするにあたっては、例えば、圧着ブロックを樹脂フィルムで挟み、静水圧プレスなどの方法によりプレスを行う。
その後、プレスされた積層圧着体を、押切り、切削などの方法を用いて、直方体形状のチップ(個片)に分割する。
次に、分割されたチップ(焼成後にセラミック素体10(図1)となる個片)を、所定の温度に加熱してバインダーを除去した後、例えば、900〜1000℃で本焼成を行い、直方体形状のセラミック素体を得る。
それから、このセラミック素体の他方端面側を保持し、Cu粉末を導電成分とする導電ペーストを定盤上に塗布することにより形成した導電ペースト層に、セラミック素体の一方端面を浸漬することで、セラミック素体の一方端面に、焼き付け後にCu焼結金属層となる導電ペーストを塗布し、乾燥する。
次に、セラミック素体の他方端面についても、同様の方法で、Cu焼結金属層となる導電ペーストを塗布し、乾燥する。
それから、上述のようにして付与したセラミック素体の一方端部および他方端部の導電ペーストを焼き付けることにより、Cu焼結金属層を形成する。
次に、バレルに、Cu焼結金属層を形成したセラミック素体と、研磨メディアとを投入し、乾式のバレル研磨を行うことで、Cu焼結金属層の表面のCu結晶粒子のサイズを小さくする。
なお、40分以上、上述の乾式バレル研磨を行うことにより、Cu焼結金属層の表面のCu結晶粒子の大きさを、必要な大きさにまで小さくすることができる。
乾式バレル研磨の時間を調整してCu焼結金属層の表面のCu結晶粒子の大きさを所定の大きさに調整した後、Cu焼結金属層上に、NiめっきおよびSnめっきの順でめっきを行い、Niめっき層およびSnめっき層を形成する。
これにより、図1および2に示すような構造を備えた本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ50が得られる。
<試験>
本発明の効果を確認するため、以下に説明する方法で積層セラミックコンデンサを作製し、得られた積層セラミックコンデンサを試料として、以下の試験を行った。
まず、焼成後の誘電体層の厚みが0.8μm、内部電極の厚みが0.66μmとなるように、所定の厚みを有するセラミックグリーンシートに導電ペーストを印刷した。それから、このセラミックグリーンシートを400層積層した。
さらに、内部電極が形成されていない外層用のセラミックグリーンシートを、焼成後に厚みが18μmの外層が形成されるように積層して、圧着することにより、外層部を備えた積層圧着体を形成した。
そして、積層圧着体をカットして、焼成後のセラミック素体の寸法が、長さ:1.0mm、幅:0.5mm、高さ:0.5mmとなるように分割し、上記実施形態で示した方法と同様の方法で、Cu焼結金属層の表面のCu結晶粒子の大きさを、必要な大きさにまで小さくする工程を経て、図1に示すような構造を有する試験用の積層セラミックコンデンサ(実施例としての試料)を作製した。
また、比較のため、Cu焼結金属層の表面のCu結晶粒子の大きさを、必要な大きさにまで小さくする工程を実施せず、その他は上記実施例の積層セラミックコンデンサの場合と同じ方法、条件で、比較例としての積層セラミックコンデンサ(試料)を作製した。
そして、上述のようにして作製した実施例の積層セラミックコンデンサ(試料)と、比較例の積層セラミックコンデンサを、それぞれ20個、基板のランド上にはんだ付け実装した後、基板を撓ませて、クラックの発生の有無を調べた。
その結果、比較例の試料の場合、20個のうち12個の試料について、セラミック素体の、Cu焼結金属層の回り込み先端部の近傍でクラックが発生することが確認された。
これは、Cu焼結金属層の回り込み先端部の、Niめっき層との界面におけるCu結晶粒子の大きさが大きく、Niめっき層のNi結晶粒子もその影響を受けて大きくなることから、Niめっき層に発生する引張り応力が大きくなり、Cu焼結金属層の回り込み先端部の近傍において、セラミック素体にクラックが発生したものと考えられる。
一方、本発明の実施例にかかる試料の場合、20個の試料のいずれについてもクラックの発生は認められなかった。
これは、Cu焼結金属層の回り込み先端部の、Niめっき層との界面におけるCu結晶粒子が小さくなるように乾式バレル研磨を施したことから、Niめっき層のNi結晶粒子もその影響を受けて小さくなり、Niめっき層に生じる引張り応力が小さくなったことによるものと考えられる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 誘電体層
2(2a,2b) 内部電極
5(5a,5b) 外部電極
6(6a,6b) 補助電極
10 セラミック素体
11a セラミック素体の第1の主面
11b セラミック素体の第2の主面
12(12a,12b) Cu焼結金属層
21a セラミック素体の第1の端面
21b セラミック素体の第2の端面
31a セラミック素体の第1の側面
31b セラミック素体の第2の側面
32(32a,32b) めっき層
33(33a,33b) Niめっき層
34(34a,34b) Snめっき層
A 積層セラミックコンデンサ
R1,R2 Cu焼結金属層の回り込み先端部
L 積層セラミックコンデンサの長さ
T 積層セラミックコンデンサの高さ
W 積層セラミックコンデンサの幅
t 回り込み先端部の厚み

Claims (3)

  1. 誘電体セラミックからなる誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを備えたセラミック素体であって、第1の主面および前記第1の主面と対向する第2の主面と、前記第1の主面に直交する第1の端面および前記第1の端面と対向する第2の端面と、前記第1の端面に直交する第1の側面および前記第1の側面と対向する第2の側面とを備える直方体形状を有し、前記複数の内部電極が交互に前記第1の端面および第2の端面に引き出されたセラミック素体と、
    前記セラミック素体に、前記第1の端面および第2の端面に引き出された前記内部電極と導通するように配設された一対の外部電極と
    を備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記外部電極は、前記セラミック素体の前記第1および第2の端面から、前記第1および第2の主面、および前記第1および第2の側面に回り込むように形成されたCu焼結金属層と、
    前記Cu焼結金属層を覆うように形成されたNiめっき層とを備え、
    前記Cu焼結金属層の、前記セラミック素体の前記第1および第2の主面、および前記第1および第2の側面に回り込んだ領域の先端側部分である回り込み先端部の、前記Niめっき層との界面に存在するCu結晶粒子の大きさAが、前記回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さいこと
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記Niめっき層の、前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部との界面に存在するNi結晶粒子の大きさCが、前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部の内部に存在するCu結晶粒子の大きさBよりも小さいことを特徴とする請求項1の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記Cu焼結金属層の前記回り込み先端部の厚みが、0.5μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の積層セラミックコンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017028253A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品およびその製造方法
CN110838406A (zh) * 2018-08-16 2020-02-25 三星电机株式会社 多层陶瓷电子组件及制造多层陶瓷电子组件的方法

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