JP2015029463A - 単糖類濃縮液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオマスを分解して得られる糖化処理液から効率的かつ高度に濃縮された単糖類濃縮液を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の単糖類濃縮液の製造方法は、バイオマスを分解処理して単糖類を含有する糖化処理液を得る工程と、糖化処理液を正浸透処理して単糖類濃縮液を得る工程とを有する。糖化処理液は、限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、得られたろ液を正浸透処理することにより、単糖類濃縮液を得るようにすることが好ましい。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の単糖類濃縮液の製造方法は、バイオマスを分解処理して単糖類を含有する糖化処理液を得る工程と、糖化処理液を正浸透処理して単糖類濃縮液を得る工程とを有する。糖化処理液は、限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、得られたろ液を正浸透処理することにより、単糖類濃縮液を得るようにすることが好ましい。
【選択図】図3
Description
本発明は、バイオマスを分解して得られる糖化処理液を濃縮して単糖類濃縮液を製造する方法に関する。
近年、バイオマスの有効活用に向けた様々な取り組みがなされており、例えば、バイオマスから有用化合物を生成する試みがなされている。バイオマスを分解処理して得られる有用化合物としてはエタノールや乳酸がよく知られており、エタノールはガソリン代替燃料としての利用が、乳酸はポリ乳酸に変換することによりバイオプラスチックとしての利用が既に一部始まっている。
バイオマスからエタノールや乳酸を生成する方法としては、バイオマスを物理化学的または生物学的に分解して糖化処理液を得て、これをエタノール発酵や乳酸発酵する方法が一般的である。ところで、糖化処理液をエタノール発酵や乳酸発酵させて効率的にエタノールや乳酸を生成させるためには、糖化処理液に十分な濃度の単糖類が含まれることが好ましい。しかし、バイオマスを分解して得られる糖化処理液には必ずしも十分な濃度の単糖類が含まれるとは限らない。バイオマスから糖化処理液を得て濃縮する方法として、例えば特許文献1には、バイオマスを生物処理して糖化処理液を得て、これを逆浸透処理することにより濃縮する方法が開示され、特許文献2には、バイオマスを物理化学処理して糖化処理液を得て、これを逆浸透処理することにより濃縮する方法が開示されている。
しかし本発明者らが検討したところ、糖化処理液の濃縮方法として逆浸透処理を採用した場合、糖化処理液に含まれる単糖類をある程度濃縮できるものの、濃縮の程度には限界があることが明らかになった。そして、糖化処理液から効率的にエタノールや乳酸を製造することを考慮すると、より効率的かつ高度な糖化処理液の濃縮を実現することが好ましい。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイオマスを分解して得られる糖化処理液から効率的かつ高度に濃縮された単糖類濃縮液を製造する方法を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の単糖類濃縮液の製造方法とは、バイオマスを分解処理して単糖類を含有する糖化処理液を得る工程と、糖化処理液を正浸透処理して単糖類濃縮液を得る工程とを有するところに特徴を有する。本発明によれば、バイオマスを分解処理して得られた糖化処理液を濃縮するのに正浸透処理を採用することにより、例えば逆浸透処理する場合と比較して、糖化処理液を格段に効率的かつ高度に濃縮することができる。
本発明の製造方法では、糖化処理液を限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、得られたろ液を正浸透処理することにより、単糖類濃縮液を得るようにすることが好ましい。糖化処理液を限外ろ過膜を用いて膜分離処理することにより、糖化処理液に含まれる高分子量の溶質を除去することができ、その結果、糖化処理液の浸透圧を下げて、正浸透処理における単糖類の濃縮をより好適に行えるようになる。
本発明では、糖化処理液を正浸透処理することにより、単糖類濃縮液のキシロースとグルコースの合計濃度を12質量%以上とすることが好ましい。このような高濃度の単糖類濃縮液を得ることができれば、単糖類濃縮液を用いてエタノール発酵や乳酸発酵を効率的に行うことができる。
バイオマスとしてはセルロース系バイオマスを用いることが好ましい。セルロース系バイオマスから得られた糖化処理液は単糖類濃度が低い場合が多く、セルロース系バイオマスから得られた糖化処理液を正浸透処理することによって、より効率的な濃縮が実現できる。
本発明の単糖類濃縮液の製造方法によれば、バイオマスを分解処理して得られた糖化処理液を濃縮するのに正浸透処理を採用することにより、糖化処理液を効率的かつ高度に濃縮することができる。
本発明は、バイオマスを分解(糖化)して得られる糖化処理液を濃縮して、単糖類濃縮液を製造する方法に関し、糖化処理液を正浸透処理することにより、糖化処理液に含まれる単糖類を効率的かつ高度に濃縮することを目指すものである。本発明の単糖類濃縮液の製造方法は、バイオマスを分解処理して、単糖類を含有する糖化処理液を得る工程(バイオマス分解工程)と、糖化処理液を正浸透処理して、単糖類濃縮液を得る工程(濃縮工程)とを有する。
本発明で原料として用いられるバイオマスは、分解することにより単糖類を生成するものであれば特に限定されないが、セルロース系バイオマスやデンプン系バイオマスが好ましく用いられる。セルロース系バイオマスとしては、間伐材、建設廃材、廃木材、枝葉、剪定草本、稲わら、麦わら、バガス、ヤシ殻、紙等が挙げられる。デンプン系バイオマスとしては、トウモロコシ、芋類、穀類等のデンプン系作物が挙げられる。なお、セルロース系バイオマスを分解処理した場合は、単糖類を高濃度に含む糖化処理液を得ることが難しいことから、セルロース系バイオマスを原料として用いた場合は、濃縮工程でより濃縮効率(濃縮倍率)を高めることが可能となる。従って、より高い濃縮効率を得る点からは、セルロース系バイオマスを原料として用いることが好ましい。
バイオマス分解工程では、バイオマスを分解処理して、単糖類を含有する糖化処理液を得る。バイオマスを分解処理することにより、例えばセルロースやデンプンが単糖類まで分解(糖化)し、糖化処理液が得られる。
分解処理は、公知の物理化学処理や生物処理を採用すればよい。分解処理は、単一の処理であっても、異なる処理を組み合わせて行ってもよい。分解処理に用いられる物理化学処理としては、水熱処理、蒸煮爆砕処理、酸処理(例えば、濃硫酸や希硫酸による処理)、アルカリ処理、触媒加水分解処理等が挙げられる。生物処理としては、酵素や微生物を用いた処理が挙げられる。例えば、分解処理を、物理化学処理と生物処理を組み合わせて行うことにより、比較的穏和な条件で、単糖類の生成率を高めることができる。特に、セルロース系バイオマスを分解処理する場合は、セルロースの分解効率を高める点から、分解処理として少なくとも物理化学処理を採用することが好ましく、物理化学処理に引き続いて生物処理を行うことがより好ましい。
糖化処理液は少なくとも単糖類を含有しており、さらに例えば多糖類を含有していてもよい。なお、バイオマスを分解処理することにより得られる単糖類としては、キシロースやグルコースがよく知られており、従って、糖化処理液は少なくともキシロースおよび/またはグルコースを含んでいることが好ましい。
糖化処理液は、原料となるバイオマスの種類に応じて、他に様々な物質(化合物)を含み得る。例えば、セルロース系バイオマスを原料として用いた場合は、糖化処理液は、リグニン等の難分解性物質や未分解の固形分を含み得る。
糖化処理液に含まれる単糖類は、エタノールや乳酸等のより有用な化合物に変換させるための原料として使用できる。例えば、単糖類をエタノール発酵させることによりエタノールを生成することができ、このようにして得られたエタノールは燃料や水素原料への利用等様々な検討がなされている。また、単糖類を乳酸発酵させることにより乳酸を生成することができ、このようにして得られた乳酸は、ポリ乳酸に変換してバイオプラスチックへの利用等様々な検討がなされている。
ところで、糖化処理液のエタノール発酵や乳酸発酵等を効率的に行うためには、糖化処理液の単糖類濃度を高めることが好ましい。しかし、バイオマスを分解処理することにより得られる糖化処理液には必ずしも所望の濃度の単糖類が含まれるとは限らず、例えばセルロース系バイオマスを分解処理して得られた糖化処理液には、効率的なエタノール発酵や乳酸発酵を行うのに十分な濃度の単糖類が含まれない場合が多い。従って、糖化処理液に含まれる単糖類を効率的に有用な化合物に変換するためには、糖化処理液の単糖類濃度を高めることが好ましい。
糖化処理液には単糖類が溶解した状態で存在するため、糖化処理液の単糖類濃度を高めるためには、糖化処理液の水分を除去して濃縮させることが必要となる。糖化処理液の濃縮方法としては、例えば、熱処理により糖化処理液に含まれる水を蒸発除去する方法が考えられる。しかしこの場合、水分除去のために多大なエネルギーを要することとなり、バイオマスの有効利用技術としてコスト的に合わないものとなる。
糖化処理液の濃縮方法として逆浸透処理も考えられる。逆浸透処理では、糖化処理液を半透膜に接触させて加圧することにより、糖化処理液に含まれる水が半透膜を透過し、糖化処理液の単糖類濃度を高めることができる。逆浸透膜処理は、熱処理と比較して少ないエネルギーで糖化処理液から水分を除去することができる。しかし逆浸透処理では、半透膜の一方側の糖化処理液と他方側の透過液の浸透圧差(溶質濃度の差に基づく浸透圧差)に対抗して糖化処理液を加圧する必要があり、基本的に、糖化処理液の溶質濃度が高まるほど、糖化処理液をより加圧する必要が出てくる。そのため、高い単糖類濃度の糖化処理液を得ようとするほど、糖化処理液の加圧圧力を高める必要があり、その結果、設備を高圧対応仕様にするなど設備費がかさむこととなる。あるいは設備の仕様に応じて糖化処理液の溶質濃度の上限が定まるため、糖化処理液の単糖類濃度を高めるのには限界がある。さらに、糖化処理液の溶質濃度が高まるにつれて、単位時間当たりの膜の透過水量も減少するため、より高エネルギーの処理を長時間行う必要が出てくる。
これに対して本発明では、糖化処理液を正浸透処理して、糖化処理液の単糖類濃度を高め、単糖類濃縮液を得ている。正浸透処理は、糖化処理液を半透膜を介して濃厚溶液(糖化処理液よりも高い浸透圧を有する溶液)と接触させることにより、糖化処理液に含まれる水を、糖化処理液と濃厚溶液の浸透圧差に従って半透膜を介して濃厚溶液側に移行させて、糖化処理液から水分を除去するものである。正浸透処理では高圧設備を必要とせず、浸透圧に対抗した加圧操作も基本的に不要のため、逆浸透処理よりもさらに少ないエネルギーで、糖化処理液から水分を除去することを可能とする。
本発明によれば、糖化処理液の濃縮に正浸透処理を採用することにより、糖化処理液を極めて効率的かつ高度に濃縮できることが明らかになった。具体的には、濃縮に必要なエネルギーの点で非常に高い優位性を示し、得られる単糖類濃縮液の単糖類濃度や濃縮速度の点においても、逆浸透処理と比べて十分な濃縮性能を示すことが明らかになった。また、濃厚溶液の溶質濃度を高めることで半透膜を介した浸透圧差を高めることができるため、糖化処理液の溶質濃度が高くなっても、濃厚溶液の溶質濃度を調整することにより、単位時間当たりの膜の透過水量を高く維持することが可能となる。
正浸透処理において用いられる半透膜は、少なくとも水分子が透過し、水よりも単糖類の透過率が低い膜であれば特に限定されず、公知の半透膜を用いることができる。半透膜としては、逆浸透処理に一般に用いられる半透膜を使用してもよく、それより孔径の大きいいわゆるNF膜を用いてもよい。
膜を構成する材料や膜の形式等も特に限定されない。膜の構成材料としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン等が挙げられ、膜の形式としては、中空糸膜、スパイラル膜、チューブラ膜等が挙げられる。
正浸透処理において用いられる濃厚溶液(Draw Solutionと一般に称される)は、溶質が溶解し、糖化処理液よりも高い浸透圧を示す溶液であれば特に限定されない。濃厚溶液の溶質としては、塩類、糖類、水溶性高分子等を用いることができる。また、濃厚溶液として、自然界に存在する高濃度塩水(例えば、海水、鹹水等)を用いてもよい。
本発明では、糖化処理液を正浸透処理することにより、例えば、単糖類濃縮液のキシロースとグルコースの合計濃度を12質量%以上とすることができる。上記に説明したように、バイオマスを分解処理することにより単糖類としてキシロースやグルコースが主に生成するが、例えば、糖化処理液を逆浸透処理した場合は、単糖類濃縮液のキシロースとグルコースの合計濃度を12質量%以上とすることは難しい。これに対して本発明によれば、キシロースとグルコースの合計濃度が12質量%以上の単糖類濃縮液を得ることができ、前記合計濃度が15質量%以上の単糖類濃縮液を得ることもできる。またこのように高濃度の単糖類濃縮液を得ることにより、単糖類を効率的に有用な化合物に変換することができるようになる。
本発明では、糖化処理液を正浸透処理するのに先立って、限外ろ過膜(UF膜)を用いて膜分離処理することが好ましい。すなわち、糖化処理液を、限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、得られたろ液を正浸透処理することにより、単糖類濃縮液を得ることが好ましい。この場合、本発明の単糖類濃縮液の製造方法は、バイオマスを分解処理して、単糖類を含有する糖化処理液を得る工程と、糖化処理液を限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、ろ液を得る工程と、前記ろ液を正浸透処理して、単糖類濃縮液を得る工程とを有することとなる。糖化処理液を限外ろ過膜を用いて膜分離処理することにより、糖化処理液に含まれる固形分を除去することができるとともに、高分子量の溶質も除去することが可能となる。特に、膜分離処理により糖化処理液の溶質の一部を除去することができれば、糖化処理液の浸透圧を下げることができ、引き続き行う正浸透処理において単糖類の濃縮をより好適に行いやすくなる。
膜分離処理に用いる限外ろ過膜としては、公知の限外ろ過膜を用いればよく、単糖類を透過させることができるものであればよい。限外ろ過膜の分画分子量は、例えば800〜200,000程度であればよい。膜を構成する材料や膜の形式等は特に限定されない。膜の構成材料としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、セラミック等が挙げられ、膜の形式としては、中空糸膜、スパイラル膜、チューブラ膜、平膜等が挙げられる。
本発明ではまた、限外ろ過膜による膜分離処理に先立って、精密ろ過膜による膜分離処理を行ってもよい。糖化処理液の固形分濃度が高い場合などは、精密ろ過膜による膜分離処理を行うことにより、糖化処理液に含まれる固形分を高度に除去して、後段の限外ろ過膜による膜分離処理の処理負荷を下げ、また膜の目詰まりを起こりにくくすることができる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1) 実験1
(1−1) 実験方法
バガスを水熱処理した後、酵素を用いてC5糖化処理することにより、糖化処理液を得た。糖化処理液には、単糖類としてキシロースが主に含まれ、グルコースも少量含まれていた。さらに糖化処理液には、高分子多糖類やリグニン由来物も含まれていた。この糖化処理液を、限外ろ過膜(Millipore社製、再生セルロース膜)を用いて膜分離処理し、ろ液を得た。限外ろ過膜としては、分画分子量(MWCO)1,000、3,000、5,000、10,000、100,000の5種類の膜を用い、それぞれの膜を用いた場合のキシロースの透過率を検討したが、いずれも80%前後のキシロース透過率が得られた。次いで、膜分離処理により得られたろ液2.0Lを、ナノろ過膜(日東電工社製、PVA膜、NTR7250)を用いて、3MPaの操作圧下、逆浸透処理を15日間連続して行い、引き続き、正浸透膜(HTI社製、OsMem(登録商標)CTA−ES)を用いて正浸透処理を行った。正浸透処理は、濃厚溶液(Draw Solution)として5M NaCl水溶液を用いて室温で行い、正浸透膜は、活性層がろ液(糖化処理液)側に向くように配置し、ろ液(糖化処理液)を循環供給しながら行った。
(1−1) 実験方法
バガスを水熱処理した後、酵素を用いてC5糖化処理することにより、糖化処理液を得た。糖化処理液には、単糖類としてキシロースが主に含まれ、グルコースも少量含まれていた。さらに糖化処理液には、高分子多糖類やリグニン由来物も含まれていた。この糖化処理液を、限外ろ過膜(Millipore社製、再生セルロース膜)を用いて膜分離処理し、ろ液を得た。限外ろ過膜としては、分画分子量(MWCO)1,000、3,000、5,000、10,000、100,000の5種類の膜を用い、それぞれの膜を用いた場合のキシロースの透過率を検討したが、いずれも80%前後のキシロース透過率が得られた。次いで、膜分離処理により得られたろ液2.0Lを、ナノろ過膜(日東電工社製、PVA膜、NTR7250)を用いて、3MPaの操作圧下、逆浸透処理を15日間連続して行い、引き続き、正浸透膜(HTI社製、OsMem(登録商標)CTA−ES)を用いて正浸透処理を行った。正浸透処理は、濃厚溶液(Draw Solution)として5M NaCl水溶液を用いて室温で行い、正浸透膜は、活性層がろ液(糖化処理液)側に向くように配置し、ろ液(糖化処理液)を循環供給しながら行った。
(1−2) 分析方法
糖類の分析は、高速液体クロマトグラフシステム(島津製作所社製、Prominence(登録商標))を用いて行った。カラムとして、Unison UK−Amino(UKA06、4.6mm×25cm)を用い、検出器として、蒸発光散乱検出器(ELSD−LT II)を用いた。
糖類の分析は、高速液体クロマトグラフシステム(島津製作所社製、Prominence(登録商標))を用いて行った。カラムとして、Unison UK−Amino(UKA06、4.6mm×25cm)を用い、検出器として、蒸発光散乱検出器(ELSD−LT II)を用いた。
(1−3) 実験結果
ろ液(糖化処理液)を逆浸透処理と正浸透処理により連続処理した結果を図1および図2に示す。図1は、逆浸透処理の結果を表したグラフであり、ろ液からの透過水量とろ液のキシロース濃度の経時変化を表す。図2は、逆浸透処理に引き続いて行った正浸透処理の結果を表したグラフであり、ろ液からの透過水量とろ液のキシロース濃度の経時変化を表す。
ろ液(糖化処理液)を逆浸透処理と正浸透処理により連続処理した結果を図1および図2に示す。図1は、逆浸透処理の結果を表したグラフであり、ろ液からの透過水量とろ液のキシロース濃度の経時変化を表す。図2は、逆浸透処理に引き続いて行った正浸透処理の結果を表したグラフであり、ろ液からの透過水量とろ液のキシロース濃度の経時変化を表す。
逆浸透処理前のろ液は、キシロース濃度が1.8質量%、グルコース濃度が0.12質量%であったが、逆浸透処理を15日間連続して行うことにより、キシロース濃度が10.9質量%、グルコース濃度が1.18質量%まで濃縮された。しかし、図1からも分かるように、逆浸透処理の開始10日目以降はNF膜を水がほとんど透過せず、それ以上濃縮が進まなかった。そこで、逆浸透処理から正浸透処理に切り替えた。なおその際、正浸透膜装置に逆浸透処理液を導入するために、正浸透膜装置に導入する流路を水で満たしたため、逆浸透処理液は約1.2倍希釈される結果となった。逆浸透処理液を正浸透処理したところ、図2に示すように、1時間で約1.5倍濃縮され、キシロース濃度が14.0質量%、グルコース濃度が1.21質量%まで濃縮された。なお逆浸透処理では、処理の途中でNF膜を新しいものに交換しても、透水速度の向上は認められなかった。以上の結果から、糖化処理液を正浸透処理することにより、効率的かつ高度に単糖類を濃縮できることが分かった。
(2) 実験2
(2−1) 実験方法
キシロース濃度2.1質量%の人工糖化液16Lを調製し、正浸透膜(HTI社製、OsMem(登録商標)CTA−ES)を用いて正浸透処理を行った。正浸透処理は、濃厚溶液(Draw Solution)として5M NaCl水溶液を用い、25℃の温度条件下で、人工糖化液を循環供給しながら約3日間連続して行った。
(2−1) 実験方法
キシロース濃度2.1質量%の人工糖化液16Lを調製し、正浸透膜(HTI社製、OsMem(登録商標)CTA−ES)を用いて正浸透処理を行った。正浸透処理は、濃厚溶液(Draw Solution)として5M NaCl水溶液を用い、25℃の温度条件下で、人工糖化液を循環供給しながら約3日間連続して行った。
(2−2) 分析方法
糖類の分析は、実験1と同様にして行った。
糖類の分析は、実験1と同様にして行った。
(2−3) 実験結果
図3に正浸透処理の結果を示す。図3は人工糖化液を正浸透処理した際のキシロース濃度と透過水量の経時変化を表す。人工糖化液を正浸透処理することにより、キシロース濃度が2.1質量%から38.1質量%になるまで濃縮できた。また、濃厚溶液(Draw Solution)にキシロースが漏洩していないことも確認された。比較的希薄な単糖類濃度の糖化処理液を、逆浸透処理を施さずに最初から正浸透処理を行っても、効率的かつ高度に単糖類を濃縮できることが分かった。
図3に正浸透処理の結果を示す。図3は人工糖化液を正浸透処理した際のキシロース濃度と透過水量の経時変化を表す。人工糖化液を正浸透処理することにより、キシロース濃度が2.1質量%から38.1質量%になるまで濃縮できた。また、濃厚溶液(Draw Solution)にキシロースが漏洩していないことも確認された。比較的希薄な単糖類濃度の糖化処理液を、逆浸透処理を施さずに最初から正浸透処理を行っても、効率的かつ高度に単糖類を濃縮できることが分かった。
本発明によれば、バイオマスから単糖類濃縮液を効率的に得ることができ、このようにして得られた単糖類濃縮液は、エタノールや乳酸等の化合物に変換させるための原料として使用することができる。
Claims (4)
- バイオマスを分解処理して、単糖類を含有する糖化処理液を得る工程と、
前記糖化処理液を正浸透処理して、単糖類濃縮液を得る工程とを有することを特徴とする単糖類濃縮液の製造方法。 - 前記糖化処理液を、限外ろ過膜を用いて膜分離処理し、得られたろ液を正浸透処理することにより、前記単糖類濃縮液を得る請求項1に記載の単糖類濃縮液の製造方法。
- 前記単糖類濃縮液のキシロースとグルコースの合計濃度が12質量%以上である請求項1または2に記載の単糖類濃縮液の製造方法。
- 前記バイオマスとして、セルロース系バイオマスを用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の単糖類濃縮液の製造方法。
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