JP2015021778A - 被検査物の検査方法及びその検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検査装置1bは、気体供給手段2、チャンバ3a、検出気体用収納部4及び光学的検出手段5bを備え、被検査物10の欠陥部からチャンバ3a内の空間に流動体が漏れ出ると、漏れ出た流動体12の容積に応じて、検出気体用収納部4にチャンバ3a内の気体13が流入し、流入した気体13の容積に応じて、検出気体用収納部4から検出用気体14が押し出され、光学的検出手段5bが押し出された検出用気体14を検出する構成としてある。
【選択図】 図3
Description
このような欠陥検査の技術分野においては、検査精度や検査効率などの向上を目的として、様々な技術が提案されている。
また、このリーク検査方法は、上記被検査物との間に気体が流通しうるように配置された基準容器を備え、被検査物と基準容器との間の気体の移動の有無及び移動方向を流量計により計測し、被検査物のリークの有無を検査することをも特徴としている。
また、特許文献2の漏れ検査装置によれば、密封体から漏洩した特定のガスがガス分析部に到達するまでの時間が必要であり、検査時間を短縮することができないといった問題があった。また、ヘリウムガスなどの特定のガスが必要であり、ランニングコストを削減することができないといった問題があった。
さらに、特許文献3の袋状容器の漏れ検査方法や特許文献4のリーク検査方法によれば、流量や圧力を検出することにより検査を行っているが、漏れ量が微量である場合、検査精度を向上させることができないといった問題があった。
近年においては、環境低負荷、低コストの製品が求められており、製品に使用する材料の薄肉化が進んでいる。一方で、欠陥品の検査においては、短時間に高精度な検査が求められており、未だ十分に満足する検査方法は得られていない。
また、被検査物の検査対象部分を閉空間形成部材にて覆うことで、不良箇所が特定されない場合であっても、被検査物を検査することができる。
また、特別な検査用気体を必要としないので気体選定の自由度が大きく、設備投資コストが抑えられる。さらに、万一、被検査物内に有害な物質を含んでいたとしても、検査装置の外部に漏れ出るまえに欠陥部の有無が検出できるので、安全に検査をすることができる。
また、本発明の検査方法に用いる被検査物は、多様な形状に対応できる。形状に特に制限はないが、例えば、フィルム状、コップ状、カップ状、筒状、袋状などがある。用途としては、タンク、フィルム、蓋、容器などがあり、特に、空容器に用いることが好適である。
以下に具体的な実施形態を示すが、本発明の検査方法及び検査装置は、これらに限定されない。
図1において、本実施形態の被検査物の検査装置1(適宜、検査装置1と略称する。)は、気体供給手段2、閉空間形成部材3、検出気体用収納部4及び気体検出手段5などを備えた構成としてある。この検査装置1は、被検査物10を部分的に検査し、ピンホールなどの漏洩の原因となる欠陥を検査する。
気体供給手段2は、被検査物10に検査用の気体11を供給する手段であり、本実施形態では、検査用の気体11として清浄な空気を使用している。この検査用の気体11は、通常、気体供給手段2からバルブ付きチューブやジョイント(図示せず)などを介して、被検査物10の内部に供給される。
なお、清浄な空気とは、フィルターなどにより、ほこり等が除去された空気をいう。
また、気体供給手段2としては、通常、オイルレスコンプレッサーや送風機、圧縮気体などが挙げられる。
閉空間形成部材3は、被検査物10の外側の一部を覆う形状(たとえば、底板のない箱形状や、被検査物がカップ状の場合は板形状)としてあり、閉空間形成部材3と被検査物10との間に、所定の閉空間を形成するための部材である。また、閉空間形成部材3は、所定の閉空間内に気体(適宜、閉空間形成部材3内の気体と呼称する。)を有している。この閉空間形成部材3は、検査する際、被検査物10に押し付けられるので、閉空間形成部材3内の気体は、通常、被検査物10の周囲の空気である。また、閉空間形成部材3は、通常、バルブ付きチューブなどを介して検出気体用収納部4と接続されている。ここで、上記のバルブ付きチューブは、閉空間形成部材3に含まれる。
なお、閉空間形成部材3は、被検査物10と接触する部分に環状のガスケット(図示せず)などを有しており、被検査物10と閉空間形成部材3との隙間によって、外気と閉空間形成部材3内の気体とが連通するなどという不具合を防いでいる。
また、閉空間形成部材3の形状は、被検査物10の形状などに応じて、適宜、設定される。
検出気体用収納部4は、内部に検出用気体を収納するものであり、気体検出手段5と直接的に連通している。なお、検出用気体については後述する。
ここで、被検査物10にピンホールなどの欠陥(図示せず)があると、この欠陥から検査用の気体11が漏れ出る。なお、本実施形態では、検査用の気体11が漏れ出るが、被検査物10によっては、被検査物10の内容物が漏れ出る場合もあることから、漏れ出たものを、適宜、漏れ出た流動体12と呼称する。
そして、被検査物10から流動体(漏れ出た流動体12)が漏れ出ると、検出気体用収納部4は閉空間形成部材3と直接的に連通しているので、漏れ出た量に応じて、かつ、漏れ出た直後に、閉空間形成部材内の気体13(本実施形態では、閉空間形成部材3と検出気体用収納部4とを接続するチューブの先端付近の気体)が、検出気体用収納部4内に流入する。これにより、上述した特許文献2の漏れ検査装置のように、密封体から漏洩した特定のガスがガス分析部に到達するまでの時間を必要としないので、検査時間を短縮することができる。
気体検出手段5は、検出用気体を検出する手段であり、通常、後述する光学的検出手段5bが用いられる。ただし、気体検出手段5は、光学的検出手段5bに限定されるものではなく、たとえば、圧力計や流量計、ガス検知器などを用いてもよい。
なお、気体検出手段5として、光学的検出手段5bが用いられる場合、検出用気体は、後述するように、光学的検出手段5bの内部の雰囲気と屈折率が異なる気体である。また、気体検出手段5として、圧力計や流量計が用いられる場合、検出用気体は、通常、空気であり、ガス検知器を用いる場合は、該ガス検知器により検知可能な気体である。
これにより、上述した特許文献2の漏れ検査装置のように、密封体から漏洩した特定のガスがガス分析部に到達するまでの時間を必要としないので、検査時間を短縮することができる。
なお、検査装置1は、一般的に、自動検査装置として実用化されるので、気体検出手段5は、気体検出手段5内に流入した検出用気体14を検出した旨の信号を入力して、欠陥の有無を判定するコンピュータなどからなる判定手段(図示せず)を有している。
本実施形態の被検査物の検査方法は、被検査物10の欠陥部(図示せず)の有無を検査する方法としてあり、被検査物10の検査対象部分を閉空間形成部材3にて覆う工程と、被検査物10に圧力を付与し、気体検出手段5にて欠陥部の有無を判別する工程とを有し、閉空間形成部材3と気体検出手段5の間に連通して設けられた検出気体用収納部4に、検出用気体14が収納されている。
すなわち、まず、検査装置1は、図1に示すように、気体供給手段2がバルブ付きチューブを介して被検査物10と連通され、閉空間形成部材3が被検査物10に押し付けられ、被検査物10の一部を覆う。
続いて、検査装置1は、気体検出手段5の判定手段が、気体検出手段5からの信号を入力して、欠陥の有無を判定する。
ただし、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、所定の時間だけ閉じており、所定の時間が経過した後に、バルブを開いてもよい。このようにすると、所定の時間の間に漏れ出た流動体12が蓄えられるので、バルブが開かれると、蓄えられた多くの漏れ出た流動体12の容積に応じて気体検出手段5に流入する検出用気体14を検出することができ、漏れ量が微少である場合でも、漏れを検出でき、検出精度を向上させることができる。
図2において、本実施形態の検査装置1aは、上述した第一実施形態の検査装置1と比べると、閉空間形成部材3が、被検査物10を密閉状態で収納するチャンバ3aである点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、検査装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図2において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図3において、本実施形態の検査装置1bは、第二実施形態の検査装置1aと比べると、気体検出手段5として、光学的検出手段5bを備えている点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、検査装置1aとほぼ同様としてある。
したがって、図3において、図2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、本実施形態の検出用気体は、光学的検出手段5bの周囲の大気と屈折率が異なっている。
光学的検出手段5bは、光源51、レンズ52、ノズル53、レンズ54、ナイフエッジ55及び観察手段56などを備え、シュリーレン法を行う構成としてある。すなわち、光学的検出手段5bは、屈折率分布を可視化する手段であり、大気に対して検出用気体14の屈折率分布を可視化して、押し出された検出用気体14を精度よく検出することができる。
また、好ましくは、検査用の気体11、チャンバ3a内の気体及び検出気体用収納部4内の検出用気体が、空気であるとよい。このようにすると、ヘリウムなどの高価な気体を使用しなくても済むので、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
なお、光学的検出手段5bは、精度よく検出できることから、通常、第一実施形態、後述する第四実施形態及び第五実施形態に適用することができる。
図4において、本実施形態の検査装置1cは、第一実施形態の検査装置1と比べると、気体供給手段2として液化窒素(適宜、圧縮気体とも呼ばれる。)を用いる点、及び、検出気体用収納部4が温調手段としてヒータ41を有する点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、検査装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図4において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
このようにすると、閉空間形成部材内の気体13が検出気体用収納部4に流入した際、流入した閉空間形成部材内の気体13が熱膨張するので、検出気体用収納部4から、熱膨張した分だけ多くの検出用気体が押し出され、これにより、さらに、検出性能を向上させることができる。
なお、温調手段として、通常、加熱手段を用いるが、これに限定されるものではなく、たとえば、冷却手段であってもよい。
なお、他の構成や方法などは、第一実施形態とほぼ同様としてある。
なお、ヒータ41によれば、検出性能をさらに向上させることができることから、通常、第二実施形態、第三実施形態及び後述する第五実施形態に適用することができる。
図5において、本実施形態の検査装置1dは、第一実施形態の検査装置1と比べると、気体供給手段2として液化窒素を用いる点、及び、閉空間形成部材3と検出気体用収納部4とが、仕切り部材を介して容積的に連通している点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、検査装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
このようにすると、検出用気体として、たとえば、二酸化炭素を使用し、閉空間形成部材内の気体13が二酸化炭素と異なる気体である場合であっても、ダイアフラム42によって仕切られるので、検出気体用収納部4内の二酸化炭素の濃度が低下せず、屈折率が変動するといった不具合を回避することができる。
なお、他の構成や方法などは、第一実施形態とほぼ同様としてある。
なお、ダイアフラム42は、第二実施形態〜第四実施形態にも適用することができる。
例えば、光学的検出手段5bは、シュリーレン法を行う構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、シャドウグラフ法やマッハツェンダー法などを行う構成としてもよい。
2 気体供給手段
3 閉空間形成部材
3a チャンバ
4 検出気体用収納部
5 気体検出手段
5b 光学的検出手段
10 被検査物
11 検査用の気体
12 漏れ出た流動体
13 閉空間形成部材内の気体
14 検出用気体
41 ヒータ
42 ダイアフラム
51 光源
52 レンズ
53 ノズル
54 レンズ
55 ナイフエッジ
56 観察手段
Claims (13)
- 被検査物の欠陥部の有無を検査する方法において、
前記被検査物の検査対象部分を、所定の閉空間を形成するための閉空間形成部材にて覆う工程と、
気体検出手段にて前記欠陥部の有無を判別する工程と
を有し、
前記閉空間形成部材と前記気体検出手段の間に連通して設けられた検出気体用収納部に、検出用気体が収納されていることを特徴とする被検査物の検査方法。 - 前記欠陥部の有無を判別する工程において、前記被検査物に圧力を付与することを特徴とする請求項1に記載の被検査物の検査方法。
- 前記被検査物へ検査用の気体を供給しながら、前記欠陥部の有無を判別することを特徴とする請求項2に記載の被検査物の検査方法。
- 前記閉空間形成部材がチャンバであり、前記チャンバに前記被検査物が収納されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の被検査物の検査方法。
- 前記検出用気体は、前記気体検出手段内部の雰囲気と屈折率が異なっており、前記気体検出手段が、前記気体検出手段内部に押し出された前記検出用気体の屈折率分布を可視化して、この押し出された前記検出用気体を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の被検査物の検査方法。
- 前記検出用気体は、温調されることによって、前記気体検出手段内部の雰囲気と屈折率が異なることを特徴とする請求項5に記載の被検査物の検査方法。
- 前記検出気体用収納部内に流入した前記閉空間形成部材内の気体を前記検出気体用収納部内で加熱して熱膨張させ、熱膨張した容積に応じて、前記検出気体用収納部から前記検出用気体を押し出すことを特徴とする請求項6に記載の被検査物の検査方法。
- 被検査物の少なくとも一部を覆う所定の閉空間を形成するための閉空間形成部材と、
前記閉空間形成部材と接続され、内部に検出用気体を収納する検出気体用収納部と、
前記検出用気体を検出する気体検出手段と
を備えることを特徴とする被検査物の検査装置。 - 前記被検査物に検査用の気体を供給する気体供給手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の被検査物の検査装置。
- 前記閉空間形成部材がチャンバであることを特徴とする請求項8又は9に記載の被検査物の検査装置。
- 前記検出用気体は、前記気体検出手段内部の雰囲気と屈折率が異なっており、前記気体検出手段が、屈折率分布を可視化する光学的気体検出手段であり、該光学的気体検出手段が、前記気体検出手段内部に押し出された前記検出用気体の屈折率分布を可視化して、押し出された前記検出用気体を検出することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の被検査物の検査装置。
- 前記気体検出手段内部の雰囲気と屈折率が異なるように、前記検出用気体を温調する温調手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の被検査物の検査装置。
- 前記検出用気体を加熱する加熱手段を備え、前記検出気体用収納部内に流入した前記閉空間形成部材内の気体を前記検出気体用収納部内で加熱して熱膨張させ、熱膨張した容積に応じて、前記検出気体用収納部から前記検出用気体を押し出すことを特徴とする請求項12に記載の被検査物の検査装置。
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