JP2015020088A - 石炭粉末の分級方法及び分級システム - Google Patents

石炭粉末の分級方法及び分級システム Download PDF

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Abstract

【課題】発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末を得ることができる石炭粉末の分級方法及び分級システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、石炭粉末を落下させる工程、石炭粉末の落下途中において風を吹き当てる工程、及び石炭粉末を落下位置に応じて回収する工程を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する石炭粉末の分級方法である。落下工程において、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を有し、風吹き当て工程において、風の向きが石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分の向きと対向するとよい。上記風の速度から石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度を引いた相対速度としては0.5m/s以上10m/s以下が好ましい。石炭粉末の落下開始位置と石炭粉末への風の吹き当て位置との高低差としては10mm以上350mm以下が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭粉末の分級方法及び分級システムに関する。
石炭粉末の搬送時等に微粉の飛散によって発塵が発生することは、作業環境の観点等から好ましくない。そのため、このような発塵を極力抑制することが望まれる。例えば石炭粉末の搬送経路に集塵装置を設けることで微粉を捕集することが可能となるが、搬送経路を網羅する吸引管、集塵機、排気塔等の大がかりな設備が必要である。そこで簡便に石炭粉末の発塵を抑制するため、石炭粉末に散水を行うことが従来技術では行われている(例えば特開2011−241050号公報参照)。
また別の発塵抑制手段として、石炭粉末から発塵の元となる数十μm以下の粒子を分離する慣性分級がある。この慣性分級は、例えばエルボージェット分級機を用いて微粉を分離除去するもので、これにより石炭粉末の発塵を低減することができる。
しかし上述のような散水を行うと、石炭粉末への水の付着により発熱量が低下し、石炭粉末の品質を低下させるデメリットがある。また、上述のエルボージェット分級機は一般にその処理量が数t/h程度であるため、商業プラントで発生する大量の石炭粉末を処理するには不向きである。
特開2011−241050号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、石炭粉末の発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末を得ることができる石炭粉末の分級方法及び分級システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、石炭粉末を落下させる工程、上記石炭粉末の落下途中において風を吹き当てる工程、及び上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する工程を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の上記石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する石炭粉末の分級方法である。
当該石炭粉末の分級方法においては、落下途中の石炭粉末に風を吹き当てることで石炭粉末がその粒子径ごとに異なる位置に落下する。つまり、発塵を発生させやすい粒子径が75μm以下の微細な石炭粉末は、風によって飛翔し風の供給点から遠方に落下するため、風の供給点に近い落下位置で石炭粉末を選別回収することで、この粒子径が75μm以下の粉末の割合を低減した石炭粗粉を容易に回収することができる。その結果、当該石炭粉末の分級方法は、石炭粉末の発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末である石炭粗粉を得ることができる。
上記落下工程において、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を有し、上記風吹き当て工程において、上記風の向きが上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分の向きと対向するとよい。このように落下工程において、石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分と対向する向きに風を吹き当てることで、風の影響を受けにくい粒子径の大きい粒子が風の供給点に近づきつつ落下する一方で、粒子径の小さい粒子が風の影響により風の供給点から遠ざかりながら落下するため、粒子径ごとの落下位置の差異をより大きくすることができる。その結果、当該石炭粉末の分級方法によってより確実に発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。
上記風の速度から上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度を引いた相対速度としては、0.5m/s以上10m/s以下が好ましい。上記相対速度を上記範囲内とすることで、上述した粒子径ごとの落下位置の差異をさらに大きくすることができるため、当該石炭粉末の分級方法によってより確実に発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。
上記石炭粉末の落下開始位置と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差としては10mm以上350mm以下が好ましい。上記高低差を上記範囲内とすることで、石炭粉末の風の吹き当てによる落下位置の変動幅を大きくすることができるため、当該石炭粉末の分級方法によってより確実に発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。
上記落下工程、風吹き当て工程及び回収工程を複数回繰り返してもよい。これらの工程を複数回繰り返すことで、石炭粗粉中の粒子径が75μm以下の石炭粉末の割合をさらに小さくすることができる。その結果、当該石炭粉末の分級方法によってより確実に発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。
当該石炭粉末の分級方法は、改質低品位炭粉末に用いるとよい。ここで「改質低品位炭」とは、褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭を乾燥し高品質化した石炭をいう。改質低品位炭は、通常の石炭に比べ脆い性質を有しているため発塵の抑制がより重要であるため、当該石炭粉末の分級方法を用いて分級することでより効果的に発塵を低減させることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、石炭粉末を落下させる装置、落下途中の上記石炭粉末に風を吹き当てる装置、及び上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する装置を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の上記石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する石炭粉末の分級システムである。
当該石炭粉末の分級システムは、上述のように落下位置で石炭粉末を選別回収することで、粒子径が75μm以下の粉末の割合を低減した石炭粗粉を容易に回収することができる。つまり、当該石炭粉末の分級システムは、簡易な構成を有しながら、石炭粉末の発熱量を低減することなく、発塵性の低い石炭粉末である石炭粗粉を得ることができる。
ここで、「粒子径が75μm以下の粉末」とは、JIS Z8801−1(2006)に準拠した目開き75μmの篩を通過する石炭粉末を意味する。「風の速度」とは、風が落下中の石炭粉末に当たる直前の平均速度を意味する。「風の吹き当て位置」とは、風が落下中の石炭粉末に当たる領域のうち最も高い位置を意味する。
本発明の石炭粉末の分級方法及び分級システムによれば、石炭粉末の発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。
本発明の石炭粉末の分級システムの一実施形態を示す模式的説明図 図1とは異なる実施形態の石炭粉末の分級システムを示す模式的説明図
以下、本発明の石炭粉末の分級方法及び分級システムの実施形態を詳説する。
本発明の石炭粉末の分級方法は、石炭粉末を落下させる工程(落下工程)、上記石炭粉末の落下途中において風を吹き当てる工程(風吹き当て工程)、及び上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する工程(回収工程)を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の上記石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する。
また、本発明の石炭粉末の分級システムは、図1に示すように、石炭粉末を落下させる装置である傾斜板1、落下途中の上記石炭粉末に風を吹き当てる装置である送風機2、及び上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する装置である回収パン3を備える。
<石炭粉末>
本発明に用いる石炭粉末としては、特に限定されず、例えば粒子径が10mm以下の粒子からなる石炭粉末を用いることができる。また、石炭の種類も特に限定されないが、褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭を乾燥し高品質化した改質低品位炭に対し、本発明はその効果を好適に発揮できる。つまり、改質低品位炭は、通常の石炭に比べ脆い性質を有しているため発塵の抑制がより重要であり、当該石炭粉末の分級方法を用いて分級することでより効果的に発塵を低減させることができる。
上記低品位炭は、天然に存在し20質量%以上の水分を含有するものをいう。この低品位炭としては、例えば、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等の褐炭;西バンコ炭、ビヌンガン炭、サラマンガウ炭等の亜瀝青炭などが挙げられる。
<落下工程>
落下工程において、石炭粉末を傾斜板1から自然落下させる。このとき、傾斜板1の傾斜角度によって石炭粉末には落下開始時に水平方向の速度が付与される。上記傾斜板1は、傾斜して配置した板のほかに、石炭粉末に水平方向の速度を与えるコンベア等を用いることができる。コンベアを用いる場合は傾斜配置する必要はないが、傾斜して配置してもよい。なお、石炭粉末に鉛直方向の速度を付与して落下させてもよいが、石炭粉末が回収パン3に到達するまでの時間が短くなることで分級効果が不十分となるおそれがあるため、自然落下させることが好ましい。
上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度としては、例えば0.1m/s以上2m/sとすることができる。
上記石炭粉末の落下開始位置の回収パン3底面(回収位置)からの高さh1の下限としては、300mmが好ましく、500mmがより好ましい。上記高さh1が上記下限未満の場合、石炭粉末の分級効果が不十分となるおそれがある。一方、上記石炭粉末の落下開始位置の回収パン3底面からの高さh1の上限としては、5000mmが好ましく、2000mがより好ましい。上記高さh1が上記上限を超える場合、当該石炭粉末の分級システムが大型化するほか、屋外で本発明を実施する場合に気流による影響を受けやすくなるおそれがある。
<風吹き当て工程>
風吹き当て工程において、上記落下工程で落下させた石炭粉末の落下途中において送風機2によって風を吹き当てる。この風の向きは特に限定されないが、分級効果を高める観点から水平方向と平行な向きが好ましい。また、上記風の水平面内での向きは、上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分の向きと同一の向き又は対向する向きが好ましく、上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分の向きと対向する向きがより好ましい。このような向きで落下途中の石炭粉末に上記風を当てることで、石炭粉末の粒子径ごとの落下位置の差異を大きくすることができ、より確実に発塵性の低い石炭粗粉を回収することができる。
上記風の速度から上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度を引いた相対速度の下限としては、0.5m/sが好ましく、2m/sがより好ましく、3m/sがさらに好ましい。上記相対速度が上記下限未満の場合、分級効果が不十分となるおそれがある。一方、上記相対速度の上限としては、10m/sが好ましく、6m/sがより好ましく、4m/sがさらに好ましい。上記相対速度が上記上限を超える場合、石炭粉末が必要以上に飛散し回収が困難になるおそれや、風速を高めるために当該石炭粉末の分級システムの設備が大型化するおそれがある。なお、上記風の速度は、風が落下中の石炭粉末に当たる直前の平均速度を意味し、送風機2の出力、送風機2の送風口から石炭粉末の落下開始位置までの水平距離等を調整することで設定することができる。
上記石炭粉末の落下開始位置と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差h2の上限としては、350mmが好ましく、270mmがより好ましく、200mmがさらに好ましい。上記高低差h2が上記上限を超える場合、重力加速によって風を当てる時の石炭粉末の落下速度が大きくなるため、落下位置の差異が小さくなって分級効果が不十分となるおそれがある。一方、上記石炭粉末の落下開始位置と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差h2の下限としては、10mmが好ましく、20mmがより好ましく、30mmがさらに好ましい。上記高低差h2が上記下限未満の場合、石炭粉末が十分に拡散する前に風が当たることで分級効果が不十分となるおそれがある。
上記石炭粉末の落下開始位置の回収パン3底面からの高さh1に対する上記高低差h2の比の上限としては、70%が好ましく、40%がより好ましく、10%がさらに好ましい。上記高さh1に対する高低差h2の比が上記上限を超える場合、風に当たった後の石炭粉末の落下距離が小さくなるため落下位置の差異が小さくなって分級効果が不十分となるおそれがある。一方、上記高さh1に対する高低差h2の比の下限としては、1%が好ましく、2%がより好ましく、3%がさらに好ましい。上記高さh1に対する高低差h2の比が上記下限未満の場合、石炭粉末が十分に拡散する前に風が当たることで分級効果が不十分となるおそれがある。
上記送風機2としては、公知のファン、ブロア、空気圧縮機等を用いることができる。この送風機2の送風口の大きさは、分級する石炭粉末の落下量に応じて適宜設計することができ、例えば高さ(鉛直方向長さ)を10mm以上300mm以下、幅(水平方向長さ)を10mm以上3000mm以下とすることができる。
送風機2の送風口から石炭粉末の落下開始位置までの水平距離は、例えば100mm以上3000mm以下とすることができる。
<回収工程>
回収工程において、上記落下工程及び風吹き当て工程を経た石炭粉末を落下位置に応じて回収する。具体的には、図1に示すように石炭粉末の落下開始位置の下方でかつ落下開始位置よりも送風機2側の領域に回収パン3を敷設し、この回収パン3に落下した石炭粉末を回収することで、粒子径が75μm以下の粉末の割合が小さく発塵性の低い石炭粗粉を容易かつ確実に回収できる。
上記回収パン3は、複数のパンから構成されていてもよいし、仕切によって複数の領域に区分されたものを用いてもよい。このように回収パンを構成することで、石炭粗粉をさらに異なる粒径分布の粗粉群に分けて回収することができる。上記回収パン3の石炭粉末に当てる風の方向(図中左右方向)の幅wは、石炭粉末の分級条件(風の速度、石炭粉末の落下高さ等)に適宜合わせて設計することができ、例えば100mm以上4000mm以下とすることができる。また、石炭粉末の落下開始位置に対する回収パン3の位置も上記分級条件によって適宜設計することができ、平面視で回収パン3が落下開始位置を含むような位置に回収パン3を配設してもよい。
当該石炭粉末の分級方法で回収される上記石炭粗粉は、分級前(落下前)の石炭粉末に対して粒子径が75μm以下の粉末の割合が低減されている。この石炭粗粉において、粒子径が75μm以下の粉末の割合としては、1.65質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下が特に好ましい。上記割合を上記上限以下とすることで、より発塵抑制に優れた石炭粗粉を回収することができる。また、分級前の石炭粉末の粒子径が75μm以下の粉末割合から、上記石炭粗粉の粒子径が75μm以下の粉末割合を引いた差分としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。
なお、上記石炭粗粉として回収されなかった石炭粉末(以下、石炭微粉と呼称する)は、例えば回収パン3より風下側に設置されるバグフィルタ等の微粉回収手段4により別途回収することが好ましい。このように回収した石炭微粉は、散水等の発塵対策を施した後、使用に供される。なお、微粉回収手段4として回収パンを用いてもよい。
上記落下工程、風吹き当て工程及び回収工程は複数繰り返して行ってもよい。つまり、上記回収工程で回収した石炭粗粉を再度落下工程に供することで、風吹き当て工程及び回収工程を経て、微細な粒子の割合がさらに低減され、発塵抑制により優れた石炭粗粉を得ることができる。
<利点>
当該石炭粉末の分級方法においては、落下途中の石炭粉末に風を吹き当てることで石炭粉末がその粒子径ごとに異なる位置に落下する。つまり、発塵を発生させやすい粒子径が75μm以下の微細な石炭粉末は、風によって飛翔し風の供給点から遠方に落下するため、風の供給点に近い落下位置で石炭粉末を選別回収することで、この粒子径が75μm以下の粉末の割合を低減した石炭粗粉を容易に回収することができる。その結果、当該石炭粉末の分級方法は、石炭粉末の発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末である石炭粗粉を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明の石炭粉末の分級方法及び分級システムは、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を有するように石炭粉末を落下させたが、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を実質的に有さないように落下させてもよい。つまり、石炭粉末を略鉛直方向、すなわち鉛直方向に対する角度が−5度以上5度以下の方向に自然落下させてもよい。ただし、分級効果向上の観点からは、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を有するように石炭粉末を落下させることが好ましい。
また、図2に示すように落下装置としてベルトコンベア11を用い、回収パンの変わりに回収装置としてベルトコンベア13を用いてもよい。このようにベルトコンベアで直接石炭粉末を落下させ、さらに石炭粗粉を回収することで、石炭粉末の移送中に分級を行うことができる。また、石炭粉末の分級設備を簡便化又は小型化することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜14]
図1に示す装置を用いて、石炭粉末の分級を行った。以下、用いた石炭粉末及び各工程を詳説する。
(石炭粉末)
落下させる石炭粉末としては改質褐炭(UBC)を用いた。改質褐炭とは、改質低品位炭の1つであり、褐炭を乾燥(脱水)したもののことをいい、本実施では水分が7.0質量%含まれる改質褐炭を使用した。
(落下工程)
上記石炭粉末2kgを表面にガイドを有する傾斜板上から10秒で自然落下させた。石炭粉末の落下開始位置となる傾斜板表面の下端の回収パン接地面からの高さが1000mmとなる位置に上記傾斜板を設置し、傾斜板の水平面に対する傾斜角は25°とした。落下開始位置における上記石炭粉末の水平方向の速度は約0.3m/sである。
(風吹き当て工程)
出力24W、送風口が高さ350mm、幅850mmの矩形状である送風機を用い、落下開始位置における石炭粉末の水平方向の速度成分の向きと対向する向きで風を落下途中の石炭粉末に吹き当てた。送風機の風力切り替えスイッチと送風機の位置で各実施例において風の速度を調整した。なお、風の速度は風速計(株式会社カスタムの「CUSTOM WS−01)を用いて測定した。各実施例において、石炭粉末の落下開始位置(傾斜板表面の下端)と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差h2及び風の速度は、それぞれ表1に示す値とした。
(回収工程)
図1に示すように石炭粉末の落下開始位置の下方でかつ落下開始位置よりも送風機側の領域に回収パンを敷設し、回収パンに落下した石炭粉末を石炭粗粉として回収した。また、石炭粗粉用の回収パンより風下側に落下した石炭粉末(石炭微粉)も同じ大きさの石炭微粉用の回収パンにより回収した。なお、石炭粗粉用の回収パンは、その一端が石炭粉末の落下開始位置の略真下に位置するように敷設した。また、石炭粗粉用の回収パンの石炭粉末に当てる風の方向(図中左右方向)の幅は550mmとした。
[比較例1]
実施例1〜14で用いた石炭粉末を分級することなく、そのまま石炭粗粉として回収した。
[評価1]
実施例1〜14及び比較例1で回収した上記石炭粗粉及び石炭微粉についてそれぞれ質量を測定した後、JIS Z8801−1(2006)に準拠した目開き75μmの金属製篩を用いて、それぞれ篩い分けを行った。篩を通過した石炭粉末を粒子径75μm以下の石炭粉末として、上記石炭粗粉における粒子径75μm以下の石炭粉末の割合、及び上記石炭微粉における粒子径75μm以下の石炭粉末の割合を質量%にて求めた。また、上記石炭粗粉の分級前の石炭粉末に対する質量割合(回収率)をW1、上記石炭粗粉中の粒子径75μm以下の石炭粉末の質量割合をw1、上記石炭微粉中の粒子径75μm以下の石炭粉末の質量割合をw2とした場合、{(100−W1)×w2}/{(100−W1)×w2+W1×w1}で得られる値を、石炭粗粉に対する粒子径75μm以下の石炭粉末の除去率として求めた。これらの結果を表1に示す。なお、上記回収率は、利用可能な石炭粉末を有効に回収できているかどうかの指標となる。
さらに石炭粗粉については、粒子径75μm以下の石炭粉末を篩い分ける前の状態で落下試験を行い、発塵状況を目視にて評価した。つまり、各実施例及び比較例毎に、発塵レベルをAが最も発塵が少なく、Hが最も発塵が多いレベルとして、A〜Hの7段階で評価した。
Figure 2015020088
表1の結果から、落下工程、風吹き当て工程及び回収工程からなる分級を行った実施例1〜14で得られた石炭粗粉は、分級を行わなかった比較例1の石炭粉末に比べて発塵性が低減されていることがわかる。
[評価2]
上記実施例5〜7及び比較例1について、回収した石炭粗粉の粒度分布を求めた。粒度分布は、目開きがそれぞれ2.00mm、1.00mm、500μm、250μm、150μm、75μmのJIS Z8801−1(2006)に準拠した金属製篩を用いることで篩い分けし、篩い分けられた石炭粉末の質量をそれぞれ測定することで求めた。これらの結果を表2に示す。
Figure 2015020088
表2の結果から、実施例5〜7で回収した石炭粗粉は、分級していない比較例1に対し、粒子径が75μm以下の石炭粉末の割合が減少すると共に、粒子径の大きい粒子の割合が増加し、利用に供し易い石炭粗粉が回収できたことがわかる。
[実施例15〜19]
実施例15〜19は、石炭粉末の落下開始位置(傾斜板表面の下端)と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差h2及び風の速度をそれぞれ表3に示す値とした以外は実施例1〜14と同様の条件で、落下工程、風吹き当て工程及び回収工程を表3に記載の回数繰り返し、石炭粗粉を回収した。例えば実施例15では、実施例1で回収した石炭粗粉を用いて同じ条件で落下工程、風吹き当て工程及び回収工程を再度行った。回収した石炭粗粉に対し、上記評価1と同様の評価を行った。これらの結果を表3に示す。
Figure 2015020088
表3の結果から、落下工程、風吹き当て工程及び回収工程を複数回繰り返すことによって、回収される石炭粗粉の発塵レベルをより低減することができることがわかる。
[実施例20〜28]
上記実施例1〜14で用いた装置を用いて、表4に示す風の向き及び速度で石炭粉末を分級し、石炭粉末の落下開始位置よりも風下に設置した回収パンにて回収した石炭微粉中の粒径が0.5mm以下の粉末の質量割合を求めた。石炭粉末の落下開始位置(傾斜板表面の下端)と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差h2は225mmとした。この結果を表4に示す。なお、表中の「向かい風」とは、実施例1〜14と同様に落下開始位置における石炭粉末の水平方向の速度成分の向きと対向する向きに風を吹き当てたことを意味し、「追い風」とは、上記速度成分の向きと同一の向きに風を吹き当てたことを意味し、「横風」とは、上記速度成分の向きと同一水平面内で直角な向きに風を吹き当てたことを意味する。
Figure 2015020088
表4に示すように、落下開始位置における石炭粉末の水平方向の速度成分の向きと対向する向きに風を吹き当てた実施例20〜22は、他の実施例よりも粒子を分級する効果が高いことがわかる。
本発明の石炭粉末の分級方法及び分級システムによれば、石炭粉末の発熱量を低減することなく、簡易な設備で発塵性の低い石炭粉末を得ることができる。従って、本発明の石炭粉末の分級方法及び分級システムは、例えば石炭の運搬、積載等を行う施設において好適に用いることができる。
1 傾斜板
2 送風機
3 回収パン
4 微粉回収手段
11、13 ベルトコンベア

Claims (7)

  1. 石炭粉末を落下させる工程、
    上記石炭粉末の落下途中において風を吹き当てる工程、及び
    上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する工程
    を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の上記石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する石炭粉末の分級方法。
  2. 上記落下工程において、石炭粉末が落下開始時に水平方向の速度成分を有し、
    上記風吹き当て工程において、上記風の向きが上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度成分の向きと対向する請求項1に記載の石炭粉末の分級方法。
  3. 上記風の速度から上記石炭粉末の落下開始時における水平方向の速度を引いた相対速度が0.5m/s以上10m/s以下である請求項2に記載の石炭粉末の分級方法。
  4. 上記石炭粉末の落下開始位置と石炭粉末への上記風の吹き当て位置との高低差が10mm以上350mm以下である請求項2又は請求項3に記載の石炭粉末の分級方法。
  5. 上記落下工程、風吹き当て工程及び回収工程を複数回繰り返す請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の石炭粉末の分級方法。
  6. 上記石炭粉末が改質低品位炭粉末である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の石炭粉末の分級方法。
  7. 石炭粉末を落下させる装置、
    落下途中の上記石炭粉末に風を吹き当てる装置、及び
    上記石炭粉末を落下位置に応じて回収する装置
    を備え、粒子径が75μm以下の粉末の割合が落下前の上記石炭粉末よりも低い石炭粗粉を回収する石炭粉末の分級システム。
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