JP2015017043A - コレステロール吸収抑制剤 - Google Patents

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【課題】本発明の目的は、霊芝抽出物を含有することを特徴とする、コレステロール吸収抑制剤を提供することである。【解決手段】霊芝抽出物は、優れたコレステロール吸収抑制作用を示し、更に詳しくは、動脈硬化の予防又は改善作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を示した。従って、安全で優れたコレステロール吸収抑制作用を有する医薬品、医薬部外品または食品として利用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、霊芝抽出物を含有することを特徴とする、コレステロール吸収抑制剤に関する。
コレステロールは動物細胞膜の構成成分として、また胆汁酸、ステロイドホルモン、ビタミンDなどの前駆体として重要な脂質である。しかしながら、血中コレステロール値が高値を示す高コレステロール血症は、動脈硬化の主な原因であると考えられており、虚血性心疾患や脳梗塞などの致命的な疾患を招く危険性がある。
血液中のコレステロールには悪玉コレステロール(低比重リポタンパク、以下LDL)や善玉コレステロール(高比重リポタンパク、以下HDL)などがある。このうち余剰のLDLが酸化し、蓄積すると、血管壁に付着して動脈硬化の原因となる。一方で、HDLは余分なコレステロールを肝臓に戻す働きをするため、抗動脈硬化因子であると考えられている。すなわち、血液中のLDLとHDLの比率が重要であり、LDL/HDL比を低下させることが動脈硬化を予防又は改善する新たな指標として注目されている。LDL/HDL比を低下させるものとして、脱脂大豆を用いたLDL/HDLコレステロール濃度の比を低減させること(特許文献1)が提案されている。
また、従来の高コレステロール血症に対する治療剤としては、コレステロール合成阻害剤、陰イオン交換樹脂製剤、コレステロール酸化抑制剤を用いる方法が一般的である。しかし、これらの薬物の長期連用による副作用も報告されていることから、より副作用のリスクが低い方法、たとえば、食事由来のコレステロールの吸収を抑制し、***を促進する方法が望ましい。
従来のコレステロール吸収抑制剤としては、ビフィドバクテリウム細菌を有効成分とするコレステロール吸収抑制剤(特許文献2)、ホエイの限外濾過濃縮物のゲル濾過画分によるコレステロール吸収抑制組成物(特許文献3)などが知られている。また、コレステロールの***を促進するものとしては、茶から得られるサポニン類を有効成分とするコレステロール排出促進剤(特許文献4)が知られている。
ところで、食事由来のコレステロールが腸管で吸収されるには、コレステロールが、胆汁の働きにより形成される脂質ミセルという粒子の中に取り込まれる過程が必須である。従って、コレステロールの脂質ミセルへの取り込みを抑制すれば、コレステロールの腸管での吸収を抑制することができる。従来、コレステロールの脂質ミセルへの取り込みを抑制するものとして、茶サポニン化合物(特許文献5)、特定の乳酸菌(特許文献6)、ローヤルゼリー由来タンパク質(特許文献7)などが知られている。
霊芝は、マンネンタケ科(Ganodermataceae)マンネンタケ属(Ganoderma)に属する担子菌であり、古来より不老不死の霊薬として知られており、中国の薬学古書である「本草綱目」や「神農本草経」によると、霊芝(赤芝)、黒霊芝(黒芝)、紫霊芝(紫芝)、青霊芝(青芝)、黄霊芝(黄芝)及び白霊芝(白芝)が存在すると記載されている。
霊芝のコレステロールに対する作用としては、ビーグル犬(非特許文献1)、ラット(非特許文献2)において血中のコレステロールを低下させる作用が報告されている。しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2には、1%霊芝を2〜5週間皮下投与または胃内投与したという記述しかなされておらず、霊芝としてどの様な霊芝(例えば、赤芝なのか黒芝なのか)を使用しているのか記載されておらず、かつ霊芝そのものを使用しているのか何らかの溶媒で抽出した抽出物を使用しているのか記載されておらず、更に体重当たりの投与量も記載されておらず、詳細な実験方法や結果も不明である。また、非特許文献1及び2には、霊芝抽出物によるLDL/HDL比の低下作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用については記載がなされておらず、更に、霊芝熱水抽出物を有機溶媒で分画することで、コレステロール吸収抑制作用がより高まることについても、全く記載がなされていない。
また、霊芝による血中コレステロール低下剤として、黒霊芝の抽出物を含有することを特徴とする、LDLレセプター合成促進剤(特許文献8)が報告されている。しかし、特許文献8記載の血中コレステロール低下作用は、肝臓におけるLDLレセプターの合成促進に基づくものであり、コレステロール吸収抑制作用や、LDL/HDL比の低下作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用については全く記載がなされていない。
特開2009−280517号公報 特許第5116473号公報 特許第2935837号公報 特開2006−206472号公報 特許第4828135号公報 特許第4662443号公報 特開2012−106988号公報 特開2010−208965号公報 小動物臨床 14(3):19−24,1995 小動物臨床 14(4):13−19,1995
本発明の目的は、霊芝抽出物を含有することを特徴とするコレステロール吸収抑制剤に関する。更に詳しくは、霊芝抽出物を含有することを特徴とする動脈硬化の予防又は改善剤、コレステロール***促進剤、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制剤に関する。また、霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を含有することを特徴とするコレステロール吸収抑制剤に関する。
本発明者らは、鋭意研究した結果、霊芝抽出物がコレステロール吸収抑制作用、動脈硬化の予防又は改善作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を有することを見出した。また、抽出溶媒を水からエタノールなどの低級アルコールに変えることで著しく作用が高まることを見出した。更に、霊芝熱水抽出物を有機溶媒で抽出して得た有機溶媒可溶画分により著しく効果が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いる霊芝は、担子菌類のマンネンタケ科(Ganodermataceae)マンネンタケ属(Ganoderma)に属するキノコで、霊芝(赤芝)、黒霊芝(黒芝)、紫霊芝(紫芝)、青霊芝(青芝)、黄霊芝(黄芝)及び白霊芝(白芝)が知られている。本発明では、マンネンタケ科に属する全てのキノコを用いることができるが、好ましくは霊芝、黒霊芝、紫霊芝、青霊芝、黄霊芝、白霊芝であり、更に好ましくは霊芝(赤芝、Ganoderma lucidum)を用いることが望ましい。
本発明に用いる霊芝は、子実体、菌糸体、天産物、栽培物、及び培養物などを問わず使用することができ、広く中国や日本市場などで流通しているものを用いることができる。また、必要に応じてそのままの状態、破砕物、或いは乾燥物などを適宜選択して抽出操作に付することができる。
本発明に用いる霊芝抽出物を得る抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなど)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテルなど)が挙げられる。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。好ましくは水、エタノール、これらの混合物が望ましい。
本発明の霊芝熱水抽出物を更に分画し、霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を得る方法として、例えば、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなど)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテルなど)が挙げられる。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。好ましくはブタノール、酢酸エチルが望ましい。
本発明に用いる霊芝抽出物、霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分の摂取量は、投与形態、使用目的、年齢、体重などによって異なるが、乾燥物に換算して1〜20000mg/日、好ましくは10〜10000mg/日、より好ましくは50〜5000mg/日の範囲で1日1回から数回経口投与できる。上記投与範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要がある場合もある。また、製剤化における薬効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
本発明のコレステロール吸収抑制剤は、食品、医薬部外品又は医薬品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、経口用として散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤などである。非経口用として注射剤にすることが出来る。また、座剤とすることも出来る。
本発明のコレステロール吸収抑制剤は、霊芝抽出物や霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて通常の医薬品、医薬部外品又は食品に用いられる賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、pH調整剤、防腐剤、香料などの成分を配合することもできる。
本発明の霊芝抽出物を含有することを特徴とするコレステロール吸収抑制剤は、コレステロール吸収抑制作用、動脈硬化の予防又は改善作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を有する。本発明のコレステロール吸収抑制剤は、食経験のある天然素材から抽出したものであるので、安全性にも優れている。
製造例1 霊芝熱水抽出物
霊芝(赤芝、Ganoderma lucidum)の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝熱水抽出物を1.4g得た。
製造例2 霊芝熱水抽出物
黒霊芝の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝熱水抽出物を1.1g得た。
製造例3 霊芝エタノール抽出物
霊芝(赤芝、Ganoderma lucidum)の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、霊芝エタノール抽出物を1.6g得た。
製造例4 霊芝エタノール抽出物
黒霊芝の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、霊芝エタノール抽出物を1.4g得た。
製造例5 霊芝熱水抽出物のブタノール可溶画分
製造例1記載の霊芝熱水抽出物6gに600mLのブタノールを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝熱水抽出物のブタノール可溶画分(以下、霊芝熱水−ブタノール可溶画分と表記する)を0.6g得た。
製造例6 霊芝熱水抽出物の酢酸エチル可溶画分
製造例1記載の霊芝熱水抽出物6gに600mLの酢酸エチルを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝熱水抽出物の酢酸エチル可溶画分(以下、霊芝熱水−酢酸エチル可溶画分と表記する)を0.5g得た。
比較例1 霊芝熱水抽出物のブタノール非可溶画分
製造例5の濾過工程の残査を精製水に溶解させて、濃縮し、凍結乾燥して、霊芝熱水抽出物のブタノール非可溶画分(以下、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分と表記する)を5.0g得た。
本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。実施例に示す%は重量%を示す。
軟カプセル剤
<処方>
成分 配合量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 30.0
2.米胚芽油 60.0
3.ミツロウ 7.0
4.ビタミンE 3.0
<製造方法>
成分1〜4を混合し、ゼラチン、グリセリン、カラメル色素で構成される被膜に、250mg充填し、乾燥後、軟カプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
硬カプセル剤
<処方>
成分 配合量(%)
1.霊芝エタノール抽出物(製造例3) 45.0
2.コーンスターチ 52.0
3.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
<製造方法>
成分1〜3を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
飲料
<処方>
成分 配合量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.クエン酸 6.0
3.ショ糖 10.0
4.香料 1.0
5.水 82.0
<製造方法>
成分1〜4を成分5の一部の水に撹拌溶解する。次いで、成分5の残りの水を加えて混合する。
<用法>
1日当り50mL摂取する。
顆粒剤
<処方>
成分 配合量(%)
1.霊芝熱水−ブタノール可溶画分(製造例5) 15.0
2.乳糖 80.0
3.セルロース 5.0
<製造方法>
成分1〜3を湿式法により造粒し、乾燥後、顆粒剤を得る。
<用法>
1日当り1g摂取する。
錠剤
<処方>
成分 配合量(%)
1.霊芝熱水−酢酸エチル可溶画分(製造例6) 11.0
2.乳糖 60.0
3.還元麦芽糖水飴 25.0
4.ショ糖脂肪酸エステル 4.0
<製造方法>
成分1〜4を混合して打錠成型し、0.5gの錠剤を得る。
<用法>
1日当り2粒摂取する。
クッキー
<処方> 配合量(%)
1.霊芝エタノール抽出物(製造例3) 3.0
2.菜種油 25.0
3.はちみつ 22.0
4.薄力粉 35.0
5.全粒粉 15.0
<製造方法>
成分1〜5を混合し、成型して170度で20分焼く。
<用法>
1日2個(20g)を摂取する。
実験例1−(1)高コレステロール負荷ラットにおけるコレステロール吸収抑制作用
3週齢の雄性Wistarラットを、体重が均等になるように5群に分けた。高コレステロール飼料(以下、HC飼料)は、粉末飼料に1%コレステロール、0.25%コール酸ナトリウムを混合して調製し、対照群にはHC飼料を与えた。試料の投与は、霊芝熱水抽出物、霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分を4%混合したHC飼料を調製し、それを自由摂取させることにより行った。飼育開始から4日後に、一晩絶食させたラットより採血し、遠心分離により得られた血漿を用いて、総コレステロール値(以下TC)を市販のコレステロール測定キットを用いて測定した。測定結果は平均値±標準誤差にて示し、有意差検定はTukeyの多重比較検定を用いた。
総コレステロールの結果を表1に示した。霊芝熱水抽出物、霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に、コレステロール吸収抑制作用が認められた。一方、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分には認められなかった。霊芝熱水抽出物と霊芝エタノール抽出物を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝エタノール抽出物に著しく強いコレステロール吸収抑制作用を認めた。また、霊芝熱水抽出物と霊芝熱水−ブタノール可溶画分を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に著しく強いコレステロール吸収抑制作用を認めた。
実験例1−(2)高コレステロール負荷ラットにおけるLDL/HDL比の低下作用
実験例1−(1)記載のラットにおいて、飼育開始から4日後に得られた血漿を用いて、HDLとトリグリセリド(以下TG)値を市販の測定キットを用いて測定した。LDLは、算出式(LDL=TC−HDL−0.2×TG)を用いて値を求めた。また、得られたLDL、HDLの値からLDL/HDL比を算出した。結果は平均値±標準誤差にて示し、有意差検定はTukeyの多重比較検定を用いた。
HDL、LDL値及びLDL/HDL比の結果を表2に示した。霊芝熱水抽出物、霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に、LDL/HDL比の低下作用が認められた。一方、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分には認められなかった。霊芝熱水抽出物と霊芝熱水−ブタノール可溶画分を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に著しく強いLDL/HDL比の低下作用を認めた。
実験例1−(3)高コレステロール負荷ラットにおけるコレステロール***促進作用
実験例1−(1)記載のラットにおいて、飼育開始から2〜3日後にかけての24時間における糞便を回収し、乾燥させた。得られた糞便から、クロロホルム/メタノール(2:1)にて脂質を抽出し、ガスクロマトグラフィー(GC−MS)により糞便中コレステロールの定量を行った。結果は平均値±標準誤差にて示し、有意差検定はTukeyの多重比較検定を用いた。
コレステロール***促進作用の結果を表3に示した。霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に、コレステロール***促進作用が認められた。一方、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分には認められなかった。霊芝熱水抽出物と霊芝エタノール抽出物を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝エタノール抽出物に著しく強いコレステロール***促進作用を認めた。また、霊芝熱水抽出物と霊芝熱水−ブタノール可溶画分を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に著しく強いコレステロール***促進作用を認めた。
実験例2 コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用
最終濃度として0.5mMコレステロール、0.6mMホスファチジルコリン、0.5mMモノオレイン、1mMオレイン酸となるように、それぞれクロロホルム/メタノール(2:1)溶液に溶解させ、試験管内で混合した後、窒素ガスを吹きつけて溶媒を留去した。15mMリン酸緩衝液(pH7.4)に、132mM NaCl、6.6mMタウロコール酸ナトリウムを溶解させて試験管に加えた。超音波処理した後、37℃にて24時間インキュベートし、脂質ミセル溶液を調製した。この脂質ミセル溶液を別の試験管に分注し、試料として、霊芝熱水抽出物、霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分を10mg/mLとなるように添加して超音波処理した後、37℃にて1時間インキュベートした。反応終了後、超遠心分離し、脂質ミセルに取り込まれていないコレステロールを沈殿させた。遠心後の上清を採取し、GC−MSによりコレステロール量を定量した。霊芝抽出物を加えていないコントロールのコレステロール量を100とした場合の、試料添加による上清中コレステロールの割合を求めた。結果は平均値±標準誤差にて示し、有意差検定はTukeyの多重比較検定を用いた。
コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用の結果を表4に示した。上清中コレステロールの割合が低いほど、コレステロールの脂質ミセルへの取り込みを抑制していることを意味する。コントロール(試料無添加)と比較して、霊芝熱水抽出物、霊芝エタノール抽出物、霊芝熱水−ブタノール可溶画分にコレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用が認められた。一方、霊芝熱水−ブタノール非可溶画分には認められなかった。霊芝熱水抽出物と霊芝エタノール抽出物を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝エタノール抽出物に著しく強いコレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を認めた。また、霊芝熱水抽出物と霊芝熱水−ブタノール可溶画分を比較すると、統計学的に有意な差が認められ、霊芝熱水−ブタノール可溶画分に著しく強いコレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を認めた。
霊芝熱水−酢酸エチル可溶画分(製造例6)についても、同様の試験を行ったところ、霊芝抽出物と同様に、コレステロール吸収抑制作用、LDL/HDL比の低下作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用について著しい効果を認めた。
実施例3の飲料を用いて、健康な男女23名(40〜60歳)を対象に、1ヶ月間の摂取試験を行い、1日50mLを任意の時間に摂取させた。飲用前及び1ヶ月後に血液を採取し、血液検査を行ったところ、血中コレステロール値の低下作用、LDL/HDL比の低下作用が認められた。肝臓機能等を示す血液検査項目は何れの被験者も正常値の範囲内であり、高い安全性を有することが確認された。
以上の結果より、霊芝抽出物は、コレステロール吸収抑制作用、動脈硬化の予防又は改善作用、コレステロール***促進作用、コレステロールの脂質ミセルへの取込抑制作用を有することが示された。また、抽出溶媒を水からエタノールなどの低級アルコールに変えることで著しく効果が高まることや、霊芝熱水抽出物を有機溶媒で抽出して得た有機溶媒可溶画分により著しく効果が高まることが示された。
本発明のコレステロール吸収抑制剤は、優れたコレステロール吸収抑制作用を示した。従って、安全で優れたコレステロール吸収抑制作用を有する医薬品、医薬部外品または食品としての利用に有用である。

Claims (8)

  1. 霊芝抽出物を含有することを特徴とするコレステロール吸収抑制剤。
  2. 霊芝抽出物を含有することを特徴とする動脈硬化の予防又は改善剤。
  3. 霊芝抽出物を含有することを特徴とするコレステロール***促進剤。
  4. 霊芝抽出物を含有することを特徴とするコレステロールの脂質ミセルへの取込抑制剤。
  5. 霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を含有することを特徴とするコレステロール吸収抑制剤。
  6. 霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を含有することを特徴とする動脈硬化の予防又は改善剤。
  7. 霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を含有することを特徴とするコレステロール***促進剤。
  8. 霊芝熱水抽出物の有機溶媒可溶画分を含有することを特徴とするコレステロールの脂質ミセルへの取込抑制剤。

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