JP2015017016A - 強化ガラス板ならびにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化ガラス製の強化ガラス板の端面に研磨加工をして、端面品質を向上すると共に、強度も維持、向上させる強化ガラス板ならびにその製造方法を提供すること。
【解決手段】表面にイオン交換により強化され形成された強化層を有するガラスシートを切断して、主表面と端面とを有する強化ガラス板を製造する切断工程と、上記端面を遊離砥粒を用いて研磨する工程と、を有し、上記研磨工程では、上記主表面の、上記端面との境界部分に境界研磨面を形成し、かつ上記境界研磨面の強化層が残存するよう研磨することを特徴とする強化ガラス板の製造方法を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、強化ガラス板ならびにその製造方法に関する。
ガラス板は、シートガラスを切断装置において所定の大きさに切断して製造される。シートガラスを切断する際には、シートガラスにスクライブ線を形成し、スクライブ線に引っ張り応力を集中させてシートガラスを割断する。スクライブ線は、一般に、ダイヤモンドカッターを用いて機械的に形成する方法や、レーザを利用した加熱と急冷により初期亀裂を進行させる方法によって形成される。
スクライブ線が機械的に形成された場合、スクライブ線の周囲に細かなクラックが不可避的に存在する。レーザを利用してスクライブ線が形成された場合、分断されたガラス板の端面と表裏面との間の角部には、非常に鋭いエッジが形成される。これらのエッジは、面取り機において、矩形状のガラス板の短辺の端面について、研削用のダイヤモンドホイールを用いて、端部を研削するC面形状、端面の断面形状が曲率のついた凸形状、円弧状またはR形状に研削される。
ガラス板の端面の上記算術平均粗さRaは、例えば0.1μmから0.2μm程度になるように研削される。しかしながら、研削されたガラス板の端面には、マイクロクラックやヘアクラックと呼ばれる微小なクラックを含む層が形成される。この層は、加工変質層あるいは脆弱破壊層と呼ばれ、ガラス板の端面における破壊強度が低下する原因となっている。このような層を除去し、ガラス板の端面を研磨することにより、ガラス板の端面における破壊強度が向上することが知られている。また、強度向上と共に、ガラス板の端面を鏡面加工することで、端面の露出も可能になり、表示装置などのデザインの自由度を高めることができる。
しかしながら、強化ガラス製の強化ガラス板では、端面に研磨加工を行い微小クラックが形成された層を除去して、端面を鏡面にしたとしても、強度が向上しない場合がある。
そこで、本発明では、強化ガラス製の強化ガラス板の端面に研磨加工をして、端面品質を向上すると共に、強度も維持、向上させる強化ガラス板ならびにその製造方法を提供する。
本発明者は、強化ガラス製の強化ガラス板の面取り加工後の端面に鏡面加工を行った後において強度が向上しない場合に、強化ガラス板の主表面の、端面と接する領域の表面の強化層が失われていることが問題であることを見出した。
従って、本発明の強化ガラス板の製造方法は、表面にイオン交換により強化され形成された強化層を有するガラスシートを切断して、主表面と端面とを有する強化ガラス板を製造する切断工程と、上記主表面と端面とを遊離砥粒を用いて研磨する工程と、を有し、
上記研磨工程では、上記主表面の、上記端面との境界部分に、境界研磨面を形成し、かつ上記境界研磨面の強化層が残存するように研磨することを特徴とする。
境界研磨面は、ガラスシートの主表面に遊離砥粒が接触して研磨された領域であり、ガラスシート表面内の前記端面長手方向に垂直な方向において、500μm以上、好ましくは1000μm、より好ましくは1500μm以上の長さを有することが好ましい。
上記研磨工程において、上記研磨工程後の上記境界研磨面の強化層の厚みが、上記主表面の強化層の厚みの0.3以上1未満の範囲、より好ましくは0.5以上1未満にあるように研磨することが好ましい。
上記切断工程と上記研磨工程の間に、上記端面を研削する研削工程をさらに有することが好ましい。
また、上記研磨工程は、上記端面の平均粗さRaが0.01μm未満となるよう研磨することが好ましい。
さらに、上記研磨工程の後、上記端面をエッチング処理することが好ましい。
また、本発明の強化ガラス板は、表面にイオン交換により強化され形成された強化層を有する強化ガラス板であって、主表面の、端面との境界部分に境界研磨面を有し、上記主表面の強化層が、上記境界研磨面の強化層よりも厚い。ここで、境界研磨面は上記と同様である。
上記端面の粗さRa及び上記境界研磨面の粗さRaは0.01μm未満であることが好ましい。
また、上記境界研磨面に残存する上記強化層の厚みは、上記主表面の強化層の厚みの0.3以上1未満、より好ましくは0.5以上1未満の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の表示装置は、上記記載の何れかの強化ガラス板の端面を露出して組み立てられる。
本発明によれば、強化ガラス製の強化ガラス板の端面に研磨加工をして、端面品質を向上すると共に、強度も維持、向上させた強化ガラス板ならびにその製造方法を提供できる。
本実施形態に係るガラス板の製造方法のフローチャートである。 本実施形態に係るガラス板の製造方法で用いられるガラス板の製造装置1を示す模式図である。 端面の研削後の強化ガラス板PGの断面を模式的に示す図である。 端面の研磨後の強化ガラス板PGの断面を模式的に示す図である。 本実施形態に係る研磨装置10の概略を示す平面図である。 図5のVI-VI線に沿う部分断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態の強化ガラス板の製造方法について説明する。
(1)強化ガラス板の製造方法
本実施形態に係る強化ガラス板の製造方法では、ダウンドロー法を用いてガラス板が製造される。まず、図1および図2を参照して、強化ガラス板の製造方法に含まれる複数の工程および複数の工程に用いられる強化ガラス板の製造装置1を説明する。強化ガラス板の製造方法は、図1に示すように、主として、溶融工程S1、清澄工程S2、成形工程S3、冷却工程S4、素板切断工程S5、強化処理工程S6、切断工程S7、研削工程S8、及び研磨工程S9とを含む。
溶融工程S1は、ガラスの原料が溶融される工程である。ガラスの原料は、所望の組成になるように調合された後、図2に示すように、上流に配置された溶融装置2に投入される。ガラス原料は、例えば、SiO2,Al23,Na2O、K2O、LiO2、MgO、B23,CaO,SrO,BaO等の組成からなる。具体的には、歪点が500℃以上、失透温度−Tg(ガラス転移点)が400℃以下、となるガラス原料を用いる。ガラスの原料は、溶融装置2で溶融されて、溶融ガラスになる。溶融温度は、ガラスの種類に応じて調整される。本実施形態では、ガラス原料が1600℃以下で溶融される。溶融ガラスは、上流パイプ3を通って清澄装置4に送られる。
清澄工程S2は、溶融ガラス中の気泡の除去を行う工程である。清澄装置4内で気泡が除去された溶融ガラスは、その後、下流パイプ5を通って、成形装置6へと送られる。
成形工程S3は、溶融ガラスをシート状のガラス(シートガラス)に成形する工程である。本実施形態では、オーバーフローダウンドロー法を用いる。
冷却工程S4は、シートガラスを冷却(徐冷)する工程である。シートガラスは、冷却工程S4を経て室温に近い温度へと冷却される。なお、冷却工程S4における、冷却の状態に応じて、ガラス板の厚み(板厚)、ガラス板の反り量、およびガラス板の歪量が決まる。
素板切断工程S5は、上記シートガラスを、切断装置8において所定の大きさに切断して、ガラスシートを製造する工程である。シートガラスを切断する際には、シートガラスにスクライブ線を形成し、スクライブ線に引っ張り応力を集中させてシートガラスを割断する。スクライブ線は、一般に、ダイヤモンドカッターを用いて機械的に形成する方法や、レーザを利用した加熱と急冷により初期亀裂を進行させる方法によって形成される。
強化処理工程S6は、上記で形成されたガラスシートの表面にイオン交換処理を行う工程である。強化処理工程S6では、表面にイオン交換により強化され形成された強化層(イオン交換領域)を有するガラスシートが形成される。化学的な強化処理では、ガラスシートを例えば350〜550℃程度に保ったKNO3100%の処理浴中に約1〜25時間浸漬する。このとき、ガラスシート表層のNa+イオンあるいはLi+イオンが処理浴中のK+イオンあるいはLi+イオンとイオン交換することで、ガラスシートは化学強化される。なお、イオン交換処理時の温度、時間、イオン交換溶液などは適宜変更可能である。例えば、イオン交換溶液は2種類以上の混合溶液であってもよい。強化処理工程S6において、ガラスシートの表面に一定の厚みAを有する強化層が形成される。上記一定の厚みには、幅があってもよい。一定の厚みに幅がある場合、Aは平均値とする。
切断工程S7は、上記強化層を有するガラスシートを、不図示の切断装置において所定の大きさに切断して、主表面と端面とを有する強化ガラス板PGを製造する工程である。ここで主表面とは、一定の厚みAを有する強化層が存在する部分のシートガラスの表面を指し、端面とは、[上記厚みA×0.3]未満の厚みAを有する強化層が存在する部分のシートガラスの表面を指す。端面の強化層の厚みは0(ゼロ)である場合もある。
切断工程S7では、強化層を有するガラスシートにスクライブ線を形成し、スクライブ線に引っ張り応力を集中させて割断する。スクライブ線は、一般に、ダイヤモンドカッターを用いて機械的に形成する方法や、レーザを利用した加熱と急冷により初期亀裂を進行させる方法によって形成する。割断された強化ガラス板PGの端面付近にはエッジが形成される。
研削工程S8は、強化ガラス板PGの端面付近のエッジを研削する工程である。切断工程S7においてスクライブ線が機械的に形成された場合、スクライブ線の周囲に細かなクラックが不可避的に存在する。また、レーザを利用してスクライブ線が形成された場合、分断された強化ガラス板PGの端面と表裏面(主表面)との間の角部(境界部分)には、非常に鋭いエッジが形成される。
これらのエッジは、不図示の面取り機において、矩形状のガラス板PGの短辺の端面について、研削用のダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いて、端面の断面形状が曲率のついた凸形状、円弧状またはR形状に研削される(第1研削工程)。研削後の強化ガラス板PGは、例えば、図3に示すように、主表面32、端面34、強化層40を有する。
強化ガラス板PGの端面34の算術平均粗さRaは、例えば0.1μmから0.2μm程度になるように研削する。しかしながら、研削されたガラス板PGの端面34には、マイクロクラックやヘアクラックと呼ばれる微小なクラックを含む層が形成される。この層は、加工変質層あるいは脆弱破壊層と呼ばれ、例えば10μmから30μm程度の厚さで存在する。
続いて、メタルボンドホイールの結合剤よりも硬度及び剛性の低い結合剤が用いられた研削ホイールにより、メタルボンドホイールにより生じた加工変質層を除去する(第2研削工程)ことが好ましい。具体的には、樹脂結合剤を用い、ダイヤモンド砥粒が分散されたレジンボンドホイールにより、2次研削を行う。2次研削されたガラス板PGの端面34には、メタルボンドホイールにより形成される加工変質層あるいは脆弱破壊層よりも、薄い加工変質層あるいは脆弱破壊層が残存する。このような層が存在することで、強化ガラス板PGの端面34における破壊強度が低下する。このような層を除去し、強化ガラス板PGの端面34における破壊強度を向上させるために、研磨工程S9が行われる。
第2研削工程後に残存する加工変質層は、10μm未満になるよう行われる。
第2研削工程後に残存する加工変質層は、好ましくは5μm未満、より好ましくは1〜3μmとなるよう研削される。
第2研削工程は、レジンボンドホイールに限定されない。第1研削工程よりも細かいダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールによる研削であってもよい。
(1−1)研磨
研磨工程S9は、上記研削された強化ガラス板PGの端面34ならびに端面付近の主表面32からなる端部を、遊離砥粒を用いた研磨装置において研磨加工する工程である。従来の固定砥粒を用いた研削・研磨では、主表面と端面との境界領域(境界部分)に生じる微小クラックを低減、除去することが困難であった。一方、本発明によれば、遊離砥粒により主表面から端面にかけて、ガラスにかかる負荷を小さくした状態で研磨することができるので、境界領域における微小クラックを低減、除去することができる。これにより、微小クラック起因の曲げ強度の低下を抑制することができる。
図4に、端面34の研磨後の強化ガラス板PGの断面を模式的に示す。研磨工程S9では、主表面32の、端面34との境界部分に、強化ガラス板PG(ガラスシート)表面内の前記端面長手方向に垂直な方向に500μm以上、好ましくは1000μm以上、より好ましくは1500μm以上の長さを有する境界研磨面36を形成し、かつ境界研磨面36の強化層40が残存するように研磨する。研磨工程S9では、研磨後の境界研磨面36における強化層40の厚みが、好ましくは、主表面32における強化層40の厚みAの0.3以上1未満、より好ましくは0.5以上1未満の範囲にあるように研磨する。
強化層が残存するとはイオン交換領域が残存していることである。イオン交換領域が残存するとは、EPMA(電子線マイクロアナライザ法)又はEDS分析(エネルギー分散型X線分光法)により、置換されて入ったカリウム等の置換イオンが検出されることである。
本発明では、イオン交換領域が残存するとは、EDS分析装置(キーエンス社製 VE−7800)により、表面32(=主表面)における置換イオン濃度に対して、境界研磨面36における置換イオン濃度が30wt%以上が検出されることをいう。
また、主表面32においてイオン交換された領域である第1イオン交換領域30は、境界研磨面36においてイオン交換された領域である第2イオン交換領域38よりも厚い。本発明では、第1イオン交換領域30の厚み(表面からの深さ)は、主表面32における強化層40の厚みと考える。また、第2イオン交換領域38の厚み(表面からの深さ)は、境界研磨面36における強化層40の厚みと考える。境界研磨面36に残存する強化層40の厚みは、主表面32の強化層40の厚みの0.3以上1未満、より好ましくは0.5以上1未満の範囲にあることが好ましい。
研磨工程S9では、強化ガラス板PGの端面34の加工変質層あるいは脆弱破壊層を除去し、強化ガラス板PGの端面34の算術平均粗さRaが、例えば0.01μm未満になるように、強化ガラス板PGの端面を研磨する。境界研磨面36の算術平均粗さRaも同様になるように研磨することが好ましい。本発明では、主表面の端面側の領域(境界研磨面)に、イオン交換された強化層が残存していること、端面及び境界研磨面がRa0.01μm未満に仕上げられていることで、ガラス板の曲げ強度を維持、向上できる。
図5は、本実施形態の研磨装置10を用いた研磨加工の概略を示す平面図である。図6は、図5のVI-VI線に沿う部分断面図である。研磨装置10は、研磨ホイールとして、一対の磁場形成部12と、その間に形成される空間に保持された遊離砥粒20を備えている。磁場形成部12は、例えば永久磁石や電磁石などの磁石により構成され、一対の磁場形成部間に所望の強さの磁場を形成するように設けられている。
回転軸18は不図示の回転駆動部に接続され、軸周りに所望の回転速度で回転するように設けられている。また、回転軸18は、不図示の移動機構により強化ガラス板PGに対して近接及び離反するように設けられている。磁場形成部12は回転軸18に固定され、回転軸18と共に回転する。これにより、上記遊離砥粒20が上記回転軸18周りに連続して回転する。このとき、図6に示すように、強化ガラス板PGの端部が遊離砥粒20に食い込んで、強化ガラス板PGの端部が遊離砥粒20と接触した状態で回転することで、遊離砥粒20と強化ガラス板PGの端部とが相対的に移動する。これにより、強化ガラス板PGの端部が、磁場形成部12の形成する磁場により拘束された遊離砥粒20によって研磨される。
研磨後の境界研磨面36の長さ、及び境界研磨面36における強化層40の厚み並びに境界研磨面の長さは、強化ガラス板PGの端部の遊離砥粒20への食い込み深さや、研磨時間等を調節することにより調整できる。なお、上記食い込み深さが足らず、端面と表面の境界部分が研磨されないということを防止するため、境界部分を越えて、一定の食い込み深さが必要である。
遊離砥粒20としては、磁性粉体を含む磁性体研磨スラリーが使用される。磁性体研磨スラリーは、磁性粉体と液体とにより構成されている。磁性粉体は、研磨砥粒として機能し、例えば酸化鉄やフェライトなどの磁性体の粒子により構成されている。磁性粉体と混合される液体として、例えば、水、炭化水素、エステル類、エーテル類、フッ化水素、または、水を主成分とし、炭化水素、エステル類、エーテル類、フッ化水素などを添加した液体などを用いることができる。さらに、脂肪酸エステル等の界面活性剤を0.5wt%以下で添加しても良い。また、組成変化を緩和するために、水よりも沸点の高いプロピレングリコールを3%未満で添加しても良い。研磨中の磁性体研磨スラリーの温度上昇を抑えることができる観点から、液体としては水が好ましい。
本実施形態では、磁性体研磨スラリー中の磁性粉体の濃度が好ましくは70wt%以上になるように、磁性粉体と水とを混合している。磁性粉体の濃度は、ガラスの除去能力の観点から、80wt%以上であることが好ましく、85wt%以上であることがより好ましい。
なお、本実施形態では研磨装置10を強化ガラス板PGの搬送方向へ移動させずに端面34の研磨を行うが、強化ガラス板PGを静止させ、あるいは強化ガラス板PGを搬送しながら、研磨装置10を移動させて強化ガラス板PGの端面34を研磨してもよい。
研磨工程S9後、研磨後の端面34をさらにフッ素酸(HF)等でエッチング処理してもよい。強化の弱い、強化されていない端面において残存するキズをフッ素酸などによりなめらかにすることで、平均強度の向上を実現することができる。フッ素酸の濃度は、100ppm以上が好ましく、1000ppm〜3000ppmがより好ましい
(2)表示装置
本発明の表示装置は、上記の強化ガラス板の端面を露出して組み立てられる。このため、強化ガラス製の強化ガラス板の端面に研磨加工をして、端面品質を向上すると共に、強度も維持、向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
CS(圧縮応力値)600MPa以上、DOL(イオン交換層深さ)20μm以上の強化ガラス板に対して、ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いた研削を行い、さらに磁性体砥粒研磨により、端面、境界研磨面のRaを0.01μm未満まで研磨した。そのとき境界研磨面にイオン交換層が残存するよう研磨した。境界研磨面におけるK濃度が30%以上となるよう研削、研磨した。
20枚テストした場合の4点曲げ試験における平均強度は450MPa以上の454MPaであった。
実施例2
実施例1と同様の強化ガラス板に対して、ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いた第1研削とレジンボンドホイールを用いた第2研削を行い、さらに磁性体砥粒研磨により、端面、境界研磨面のRaを0.01μm未満まで研磨した。そのとき境界研磨面にイオン交換層が残存するよう研磨した。境界研磨面におけるK濃度が30%以上となるよう研削、研磨した。
研磨後の強化ガラス板を、室温下において、HF4.6wt%濃度、30secの条件でエッチング処理した。
20枚テストした場合の4点曲げ試験における平均強度は750MPa以上の798MPaであった。
実施例3
実施例1、2と同様の強化ガラス板に対して、ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いた第1研削、レジンボンドホイールを用いた第2研削を行い、さらに磁性体砥粒研磨により、端面、境界研磨面のRaを0.01μm未満まで研磨した。そのとき境界研磨面にイオン交換層が残存するよう研磨した。境界研磨面におけるK濃度が30%以上となるよう研削、研磨した。
研磨後の強化ガラス板を、室温下において、HF4.6wt%濃度、30secの条件でエッチング処理した。
20枚テストした場合の4点曲げ試験における平均強度は800MPa以上の814MPaであった。
比較例
実施例1と同様の強化ガラス板を、メカニカルスクライブ+折割による切断端面を持つガラスとした。ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いた第1研削、レジンボンドホイールを用いた第2研削を行い、さらに研磨工程として、柔軟性及び弾性を有するポリウレタン結合剤を用いた研磨ホイールを用いて研磨を行った。
20枚テストした場合の4点曲げ試験では、平均強度350MPaであった。
(3)変形例
(3−1)変形例1
CS:400MPa、DOL:8〜12μmの強化ガラス板を使用し、実施例3と同様に研削・研磨ならびにHFエッチングによる端面処理を行い、処理前後の曲げ強度の変化を評価した。第2研削工程後の加工変質層の厚さを3μm未満にすることで、端面の粗さRaが0.01μm未満になるまでの磁性体砥粒研磨に必要な時間を短縮した。これにより実施例よりも強化層の薄い強化ガラス板であっても、実施例と同様に、平均強度を向上させることができた。
上記実施例では、第2研削工程としてレジンボンドホイールを用いたが、メタルボンドホイールを用いてもよい。例えば、第1研削工程において生じた加工変質層を、第1研削工程よりも砥粒の細かいホイールを用いて低減、除去してもよい。さらに、より砥粒の細かい第3研削工程を実施してもよい。
(3−2)変形例2
実施例1と同様の強化ガラス板に対して、ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンドホイールを用いた第1研削を行い、次に、第1研削工程に使用した砥粒よりも細かい砥粒を有するメタルボンドホイールを用いて第2研削工程を行い、さらに磁性体砥粒研磨により、端面、境界研磨面のRaを0.01μm未満まで研磨した。実施例と同様に平均強度を向上させることができた。
本発明によれば、遊離砥粒により主表面から端面にかけて、ガラスにかかる負荷を小さくした状態で研磨することができるので、境界領域における微小クラックを低減、除去することができる。これにより、微小クラック起因の曲げ強度の低下を抑制することができる。
1 ガラス板の製造装置
2 溶融装置
4 清澄装置
6 成形装置
8 切断装置
10 研磨装置
12 磁場形成部
18 回転軸
20 遊離砥粒
PG 強化ガラス板
国際公開第2012/067587号 特開2001−259978号公報

Claims (9)

  1. 表面にイオン交換により強化され形成された強化層を有するガラスシートを切断して、主表面と端面とを有する強化ガラス板を製造する切断工程と、
    前記主表面と端面とを遊離砥粒を用いて研磨する工程と、
    を有し、
    前記研磨工程では、前記主表面の、前記端面との境界部分に、境界研磨面を形成し、かつ前記境界研磨面の強化層が残存するように研磨する、
    ことを特徴とする強化ガラス板の製造方法。
  2. 前記境界研磨面は、ガラスシート表面内の前記端面長手方向に垂直な方向において、少なくとも500μm以上の長さを有する、
    請求項1に記載の強化ガラス板の製造方法。
  3. 前記切断工程と前記研磨工程との間に、前記端面を研削する研削工程をさらに有する、
    請求項1又は2に記載の強化ガラス板の製造方法。
  4. 前記研磨工程は、前記端面の平均粗さRaが0.01μm未満となるよう研磨する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の強化ガラス板の製造方法。
  5. 前記研磨工程の後、前記端面をエッチング処理する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の強化ガラス板の製造方法。
  6. 表面にイオン交換により強化され形成された強化層を有する強化ガラス板であって、
    主表面の、端面との境界部分に境界研磨面を有し、
    前記主表面の強化層が、前記境界研磨面の強化層よりも厚い、強化ガラス板。
  7. 前記境界研磨面は、ガラスシート表面内の前記端面長手方向に垂直な方向に、少なくとも500μm以上の長さを有する、
    請求項6に記載の強化ガラス板。
  8. 前記端面の粗さRa及び前記境界研磨面の粗さRaが0.01μm未満である
    請求項6又は7に記載の強化ガラス板。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に記載の強化ガラス板の端面を露出して組み立てられる表示装置。
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