JP5668828B1 - 化学強化ガラス板 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板を提供する。【解決手段】表裏の主面11,12と、該表裏の主面11,12間の端面13とを有し、化学強化処理された化学強化ガラス板10であって、板厚が0.75mm以下、表面圧縮応力が850MPa以上、内部引張応力が42MPa以下かつ、前記端面13には面取り部15,16が設けられており、前記面取り部15,16に隣接する主面11,12からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において、深さ20μm超のピットがないことを特徴とする化学強化ガラス板10。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットPCなどのモバイル機器、タッチパネル、大型液晶テレビなどの大型薄型テレビ、車載メータ表示装置等のディスプレイ装置のカバーガラスなどに好適な、化学強化ガラス板に関する。
近年、携帯電話、PDA、タブレットPC等のモバイル機器やタッチパネル、液晶テレビなどのディスプレイ装置に対しては、ディスプレイの保護ならびに美観を高めるためのカバーガラス(保護ガラス)が用いられることが多くなっている。また、液晶テレビなど薄型テレビのカバーガラスなどには、例えば反射防止、衝撃破損防止、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正などの機能を有する膜の形成、など表面加工が行われることがある。このようなディスプレイ装置に対しては、薄型デザインによる差異化や移動のための負担の減少のため、軽量・薄型化が要求されている。そのため、ディスプレイ保護用に使用されるカバーガラスも薄くすることが要求されている。しかし、カバーガラスの厚さを薄くしていくと、強度が低下し、ディスプレイ装置を保護するという本来の役割を果たすことができなくなるという問題があった。
上記問題を解決するためには、カバーガラスの強度を高めることが考えられ、その方法としてガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法が一般的に知られている。ガラス表面に圧縮応力層を形成させる手法としては、軟化点付近まで加熱したガラス板表面を風冷などにより急速に冷却する風冷強化法(物理強化法)と、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス板表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的にはKイオン)に交換する化学強化法が代表的である。
前述したようにカバーガラスの厚さは薄いことが要求されている。しかしながら、カバーガラスとして要求される、厚みが2mmを下回るような薄いガラス板に対して風冷強化法を適用すると、表面と内部の温度差がつきにくいために圧縮応力層を形成することが困難であり、目的の高強度という特性を得ることができない。そのため、化学強化法によって強化されたカバーガラスが通常用いられている。
また、近年では、光の反射を抑えた高い表示コントラストを実現し、表示デバイスの映像の鮮明化のために、カバーガラスとディスプレイ装置等を樹脂材料等で貼合する直貼技術(ダイレクトボンディング)を用いた液晶ディスプレイの適用が見込まれている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−186959号公報
ディスプレイ装置がより広く利用されるようになってくると、それに伴いカバーガラスに様々な状況で負荷が発生する。その結果カバーガラスが破損することがあるが、破損の仕方はそれぞれの状況で異なり、破損する状況が多様化する。このような多様化に対し破損しにくい化学強化ガラス板の提供を目的とする。
本発明の一態様の化学強化ガラス板は、表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、前記主面及び端面の全面に圧縮応力層が形成された化学強化ガラス板であって、板厚が0.75mm以下、表面圧縮応力が850MPa以上、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、内部引張応力が30MPa以下かつ、前記端面には面取り部が設けられており、前記面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において、深さ20μm超の潜傷がないことを特徴とする。
本発明によれば、多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板が得られる。
本実施形態の化学強化ガラス板の端面を含む断面図である。 本実施形態の化学強化ガラス板のエッチング後の端面を含む断面図である。 図2の一部を拡大した断面図である。 4点曲げ試験による表面圧縮応力CSと曲げ強度との関係性を表したグラフである。 表面圧縮応力層の厚さDOLと曲げ強度との関係性を表したグラフである。 落球試験による表面圧縮応力CSと破壊エネルギーとの関係性を表したグラフである。 四角錐圧子圧入試験による表面圧縮応力CTとF50との関係性を表したグラフである。 (3)の破損を再現するための落球試験の概要図である。 硬い基台を使用して実験した場合の内部引張応力CTの変化に対する強度の変化を示したグラフである。 柔らかい基台を使用して実験した場合の内部圧縮応力CTの変化に対する強度の変化を示したグラフである。 本実施形態の化学強化ガラス板の4点曲げ強度を表したワイブルプロットである。 化学強化ガラス板の潜傷深さと強度との関係を表すグラフである。 本実施形態の化学強化ガラス板の製造方法を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態の化学強化ガラス板10の端面を含む断面図である。化学強化ガラス板10は、表裏の主面11、12と、2つの主面11、12に隣接する端面13とを有する。2つの主面11、12は互いに平行な平坦面である。
端面13は、2つの主面11、12に対して垂直な平坦部14と、各主面11、12と平坦部14との間に形成される面取り部15、16とで構成される。平坦部14は、ガラス板10よりも大面積の板ガラスを切断して得られる切断面のままでもよいし、切断面を加工して得られる加工面でもよい。
面取り部15、16は、例えば矩形状の主面11、12の4辺に対応して4つ設けられてもよいし、1つのみ設けられてもよく、その設置数は特に限定されない。(1)および(2)の破損をより好適に低減するためには、すべての辺において設けられることが好ましい。
面取り部15、16は、切断面或いは加工面と主面の角部を除去してなる。面取り部15、16は、例えば主面11、12に対して斜めの平坦面である。図1において面取り部15、16は、同じ寸法形状を有するが、異なる寸法形状を有してもよい。
なお、本実施形態の面取り部15、16は、主面11、12に対して斜めの平坦面であるが、板厚方向視(X方向視)において主面11、12から平坦部14にかけて外方に徐々に突出する面であればよく、湾曲面であってもよい。この場合、平坦部14がなく、面取り部15、16同士がつながっていてもよく、面取り部15、16は略同じ曲率半径を有してもよい。
化学強化ガラス板10は、両主面11、12に各主面11、12から所定の深さで形成される化学強化層(圧縮応力層)21、22を有する。圧縮応力層は、ガラスをイオン交換用の処理液に浸漬して形成される。ガラス表面に含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)が大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換され、ガラス表面に表面から所定の深さで圧縮応力層が形成される。応力の釣り合いのため、引張応力層がガラスの内部に形成される。
なお、本実施形態の2つの圧縮応力層21、22は、同じ表面圧縮応力、および同じ厚さを有する(D1=D2)が、異なる表面圧縮応力、異なる厚さを有してもよい。
図2は、本実施形態の化学強化ガラス板10のエッチング後の端面を含む断面図である。図2において、ガラス板10のエッチング後の状態を実線で示し、化学強化ガラス板10のエッチング前の状態を2点鎖線で示す。図3は、図2の一部拡大図であって、エッチング面17と、エッチング面17に形成されるピット18と、エッチング面17の理想面19との関係を示す。
本実施形態では、端面13の所定部分13a、13bに深さ20μm(好ましくは深さ15μm超、より好ましくは深さ10μm超)のピット(潜傷)18がない。所定部分13a、13bは、側面13のうち、面取り部15、16に隣接する主平面11、12からの板厚方向における距離Hが板厚Eの1/5以内(H≦1/5×E)の部分のことである。
潜傷の深さPは以下のような工程により測定を行った。まず化学強化ガラス板10の主平面を所定量研磨して洗浄と乾燥を行い、エッチング処理により円形状ピットまたは楕円形状ピットとなった加工変質層を光学顕微鏡で観察する。ここで、「加工変質層」とは、形状付与や面取りおよび研削等の加工工程において、ガラス基板に生じたキズやクラック等が存在する層をいう。例えば、光学顕微鏡の対物レンズは20倍を使用し、観察視野635μm×480μmで観察を行った。この工程(研磨+エッチングによる潜傷確認)を複数回繰り返し、円形状ピットまたは楕円形状ピットが観察されなくなった時点におけるガラス板10のエッチング量を、「潜傷深さ」とした。
「エッチング」は、化学強化ガラス板10の全体をエッチング液に浸漬して室温(25℃)で行われる。エッチング液としては、5質量%のフッ酸(HF)と、95質量%の純水を含む水溶液が用いられる。エッチング液は化学強化ガラス板10の表面や内部に形成される潜傷に浸入し、潜傷を拡げて明瞭化するために実施される。
「エッチング量」は、浸漬時間で制御される。具体的には、あらかじめ同一組成のガラスを用いて所定時間エッチングを行ってエッチングレートを算出した後、所望のエッチング量となるように浸漬時間を調整してエッチングを行う。なお、ガラスの種類によっては、前記エッチングレートを調整するためにフッ酸濃度を変更しても構わない。
ここで、深さ20μm以上のピット18の有無を調べる対象を、側面13の上記部分13a、13bに限定したのは、上記部分13a、13bに微小傷が存在した場合、該微小傷を基点として化学強化ガラス板10が破損することがあるからである。
本発明者らは、前記した化学強化ガラス板10の破損の仕方が次の4つに分類できることを見出した。(1)化学強化ガラス板の表面側端面を起点とした破損、(2)化学強化ガラス板の裏面側端面を起点とした破損、(3)化学強化ガラス板の表面側主面を起点とした破損、(4)化学強化ガラス板の裏面側主面を起点とした破損の4つである。これらの4つの破損のいずれに対しても高強度の化学強化ガラスとすることで、多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板を提供することができる。
さらに、ディスプレイ装置に組み込まれた状態に近い環境で強度を測定することにより、実際のディスプレイ装置で組み込まれた状態において、より強度の高い化学強化ガラス板の条件を見出した。
(1)および(2)の破損は、化学強化ガラス板の端面に引張応力が加わることにより発生すると考えられる。すなわち化学強化ガラス板の曲げ強度を向上させることにより、(1)および(2)の破損を抑制することができる。それを確認するために、表面圧縮応力(以下CSと称する。)が異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて2つの支持点の間隔を40mm、2つの荷重点の間隔を10mmとして4点曲げ試験(JIS R1601)を行い曲げ強度を測定した。なお、この測定は島津製作所製オートグラフAGS−Xを用いて実施した。
前記した4点曲げ試験によるCSと曲げ強度との関係性を表したグラフを図4に示す。CSが高くなればなるほど曲げ強度も増加している。この測定結果より、(1)および(2)の破損を抑制するためにはCSはより高いことが好ましいことが確認された。
これまで、化学強化ガラス板の破損低減のためには、一般的にDOLの値を大きくすることがよいと考えられていた。ところが、特に(1)、(2)の破損を低減しようとしてDOLの値を大きくしたところ、図5に示すように、特定の値以上ではDOLの値を大きくしても強度が著しく向上する傾向は見られなかった。なお、図5は、室温で測定した4点曲げ試験(JIS R1601)による表面圧縮応力層の厚さDOLと曲げ強度との関係性を表したグラフである。サンプルにはサイズ50mm×50mm×1.0mmであり、端面をCNC研磨したものを用いた。2つの支持点の間隔は40mm、2つの荷重点の間隔は10mmとした。曲げ強度としては、10個の試験片の平均値をとった。4点曲げ試験には島津製作所製オートグラフAGS−Xを用いて実施した。そこで、図5より曲げ強度を確保する観点と、後述の(3)の破損の抑制の観点から、DOLは20μm以上、35μm以下とすることが好ましい。
次に(4)の破損の観点からの化学強化ガラス板の強度とCSとの関連性を調べるために、表面圧縮応力CSが異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて落球試験による破壊エネルギー測定を行った。落球試験は、サイズ50mm×50mm×0.7mmのサンプルを固定し、130gのステンレス鋼をサンプル上に落下させることにより実施した。
前記した落球試験によるCSと破壊エネルギーとの関係性を表したグラフを図6に示す。CSが高くなればなるほど破壊エネルギーも増加している。この測定結果より、(4)の破損を抑制するためにはCSはより高いことが好ましいことが確認された。
(3)の破損を抑制するためには内部引張応力(以下、CTと称する。)を小さくすることが好ましいと考えられる。(3)の破損の観点からの化学強化ガラス板の強度とCTとの関連性を調べるために、対稜角110°のピラミッド型ダイヤモンド圧子を用いて化学強化ガラス板の強度を測定した。ここで、対稜角110°のピラミッド型ダイヤモンド圧子を用いた理由としては、ビッカース圧子より鋭角な圧子を用いて測定した方がより正確に(3)の破損に対する強度を測定できると考えたからである。
CTが異なるように化学強化処理を行った複数のサンプルを用いて、ビッカース硬度計に対稜角110°のピラミッド型ダイヤモンド圧子を用いて荷重をかけた時の破壊が生じる確率が50%となる荷重F50(単位:kgf)を測定した。なお、この測定はFuture−tech製ビッカース硬度計FLC−50Vを用いて実施した。
前記した四角錐圧子圧入試験によるCTとF50との関係性を表したグラフを図7に示す。CTが大きくなればなるほど小さい荷重で破壊が生じている。この測定結果より、(3)の破損を抑制するためにはCTはより低いことが好ましいことが確認された。
また、前記した四角錐圧子圧入試験の他に、(3)の破損を再現するにあたり、本発明者らは以下の図8に示すような実験を行った。図8に示すように、表面に圧縮応力層が形成された化学強化ガラス10を基台11上に配置し、圧縮応力層の深さ以上の大きさの研磨材を含むサンドペーパー12の擦り面12aに化学強化ガラス10を接触させ、鉄球等の球体13を上方から落下させるものである。このとき、サンドペーパー12は、化学強化ガラス10の上方に配置され、化学強化ガラス10の上面10aがサンドペーパー12の擦り面12aと接触しており、球体13がサンドペーパー12の擦り面12aとは反対側の面12bに落下する。
第一の実験条件として、基台11として、花崗岩のような硬い石のもの(硬い基台)を用い、サンドペーパー12として、P30(D:710μm)を用い、球体13として、直径0.75インチ、28gのSUS球を用いて球体13の落下高さを変えながら実験を行い、化学強化ガラス10の割れ方を観察した。化学強化ガラス10のサンプルとしては、サイズ50mm×50mmで3種類(1.0mm、0.7mm、0.6mm)の厚さのものを使用した。
図9は硬い基台を使用して実験した場合のCTの変化に対する強度(破壊エネルギー)の変化を示したグラフである。この結果より、厚さの厚いガラス板のサンプルよりも厚さ薄いサンプルの方が、強度が低いことが分かる。また、いずれの厚さのガラス板もCTが小さくなるにつれて強度が上昇しているが、ガラス板の厚さが薄くなればなるほどCTを小さくした場合の強度の上昇度が小さくなっていることが分かる。
カバーガラスと液晶ディスプレイとを樹脂材料等を介して直貼した場合、カバーガラスの裏面側主面の大半の領域は、硬い石の基台と比較して弾性率の低い樹脂材料と接することになる。本発明者等は、裏面側主面が硬い石の基台である場合と樹脂材料のような柔らかいものの基台である場合とでガラス板10の割れの挙動が異なるのではないかと考えた。
そこで、第二の実験条件として、基台11として、樹脂材料のような柔らかいもの(柔らかい基台、本実験では厚さ3mmのスポンジを使用)を用い、サンドペーパー12として、P30(D:710μm)を用い、球体13として、直径0.75インチ、28gのSUS球を用いて球体13の落下高さを変えながら実験を行い、化学強化ガラス10の割れ方を観察した。化学強化ガラス10のサンプルとしては、サイズ50mm×50mmで3種類(1.10mm、0.72mm、0.56mm)の厚さのものを使用した。第二の実験条件は、より実際のディスプレイ装置に組み込まれた状態でガラス板10の強度の測定をしていると考えられる。
図10は柔らかい基台を使用して実験した場合のCTの変化に対する強度の変化を示したグラフである。厚さ1.0mm以上のガラス板では顕著な傾向の変化は見られないが、厚さ0.75mm以下のガラス板においては、CTが42MPa以下で強度の増加が著しいことが分かる。この結果より、厚さ0.75mm以下のガラス板においては、少なくともCTを42MPa以下とすることで実際のディスプレイ装置に組み込まれた状態であっても高い強度を有するガラス板とすることができる。図10から分かるように、CTが42MPaであれば、CTを下げることによる化学強化ガラス板の強度の向上が顕著であるため、より好ましくは35MPa以下、さらに好ましくは30MPa以下とするとより効果的に(3)の破損を抑制することができる。図10より、30MPaとすることで、1.1mm(CT=60MPa)と同等以上の強度を実現できるため好ましい。
本実施形態では、実際のディスプレイ装置に組み込まれた状態に近い条件で化学強化ガラス板の強度を測定した結果、特に厚さ0.75mm以下の場合にCTを下げた場合の強度の増加が顕著になることが分かった。そのため、本実施形態では特に厚さ0.75mmの化学強化ガラスについて議論する。
前記した複数の実験より(1)、(2)および(4)の破損はCSをより大きくすることで抑制でき、(3)の破損はCTをより小さくすることで抑制できることが分かった。ところで、圧縮応力層の厚さをDOL、化学強化ガラス板の板厚をtとすると、CT=CS*DOL/(t−2DOL)の関係となることが知られている。この式より、同じ板厚かつ同じDOLの化学強化ガラス板の場合、CSの値を大きくするとCTの値も大きくなってしまい、高いCSの値と低いCTの値を同時に実現することが困難である。
本実施形態では、薄い板厚であってもより効果的に(3)の破損を抑制できる、0.75mm以下の板厚の化学強化ガラスである。板厚が薄い場合、CSの値を大きくすることでよりCTの値が大きくなりやすくなるため、CSの値をあまり大きくすることができない。具体的には、厚さ0.75mmの化学強化ガラス板でDOLが30μmとした場合、CTを30MPa以下にするためにはCSを864MPa以下にしなければならない。また、DOLを25μmとした場合、CTを35MPa以下にするためにはCSを980MPa以下、DOLを30μmとした場合でCTを42MPa以下にする場合であってもCSは966MPa以下にしなければならない。
前記したように、化学強化ガラス板の板厚を薄くするとCSの値を大きくし難くなってくる。そこで本発明者等は、CSの値を大きくせずに曲げ強度を高める手段として、化学強化ガラス端面の潜傷深さを小さくしている。図11は本実施形態の化学強化ガラス板の4点曲げ強度を表したワイブルプロットである。化学強化ガラス板のサンプルには、CSが905MPa、DOLが22.7μm、板厚が1.1mmのものを使用した。化学強化後、粒度の異なる砥石を用いてそれぞれ面取り処理を行った。ここで、♯400の砥石は砥粒の平均粒径37〜44μm(最大粒径75μm)であり、♯600の砥石は砥粒の平均粒径26〜31μm(最大粒径53μ)のものである。
図11から分かるように♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板は曲げ強度が500MPa以下となったサンプルが複数見られるが、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板は曲げ強度が500MPa以下となったサンプルは見られなかった。化学強化ガラス板は一般的に実用的な曲げ強度として500MPa以上が求められているため、♯600の砥石で研磨を行うことによりCTを所定の値より低くしながら500MPa以上の曲げ強度を確保することができる。また、外観上の観点からも♯600以上の粒度の砥石で研磨することが好ましい。
各ガラス板の面取り部の潜傷(ピット)深さを測定したところ、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板は最大25μm、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板は最大20μmであった。従って、面取り部、特に面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において潜傷(ピット)深さを20μm以下とすることによって、さらに多様な破損状況に耐え得る化学強化ガラス板を提供することができる。図11より、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板すなわち最大25μmの潜傷(ピット)深さを有する場合、500MPa以下の曲げ強度で破損してしまう確率がおよそ20%程度あることが分かった。一方で、潜傷(ピット)深さを最大20μmとすることで500MPa以下の曲げ強度で破損する確率を極端に低くすることができる。なお、潜傷深さは前述したようにエッチング処理を繰り返すことによって測定した。また、♯400の砥石で研磨した化学強化ガラス板の表面粗さRaは0.43μm、♯600の砥石で研磨した化学強化ガラス板の表面粗さRaは0.26μmであった。
化学強化されていないガラス板の場合、平均破壊強度(破壊時の応力値)σは数式1から算出することができる。ここで、KICは破壊靭性値、Yは形状係数、cは潜傷の深さである。
Figure 0005668828
一方、化学強化されたガラスの場合、数式2に示すように、数式1の第1項に加え、第2項の影響も考慮に入れる必要がある。第2項を大きくしようとすると、CSまたはDOLを大きくするか、cを小さくすることが考えられるが、CSまたはDOLを大きくするとCTも大きくなってしまう。そのため、CSまたはDOLを大きくすることができない場合であっても、cを小さくすることによって化学強化ガラス板の強度を向上させることができる。
Figure 0005668828
図12は、数式1に示した化学強化されていないガラス板と数式2に示した化学強化ガラス板の潜傷深さと強度との関係を表すグラフである。潜傷深さcを小さくすることのガラス強度への影響は化学強化されていないガラス板よりも化学強化ガラス板の方が大きく、化学強化ガラス板において潜傷の深さを小さくすることが強度において非常に重要であることが分かる。
なお、図12では破壊靭性値KICを0.72MPa/m(実験値より計算)、化学強化されていないガラス板の形状係数Yを0.14(実験値より計算)、化学強化ガラス板の形状係数Yを0.035(潜傷深さc=19μm、CS=850MPa、DOL=20μmと仮定し、実験値より計算)、潜傷深さcを19μm、DOLを20μmとして計算し、グラフを作成した。
本実施形態の化学強化ガラス板の製造方法に特に制限はないが、例えば種々の原料を適量調合し、約1400〜1800℃に加熱し溶融した後、脱泡、攪拌などにより均質化し、周知のフロート法、ダウンドロー法、プレス法などによって板状に成形し、徐冷後所望のサイズに切断して製造される。
切断後、図13に示すように、回転砥石240を用いてガラス板110の外縁部を研削する。回転砥石240の外周面241には、周方向に延びる環状の研削溝242が形成されている。研削溝242の壁面は、アルミナや炭化ケイ素、ダイヤモンドなどの砥粒を含む。砥粒の粒度(JIS R6001)は、例えば#300〜#2000である。粒度はJIS R6002に基づいて測定される。粒度が小さくなるほど、粒径が大きくなるので、研削効率がよい。回転砥石240は、回転砥石240の中心線を中心に回転されながら、ガラス板110の外縁に沿って相対的に移動され、ガラス板110の外縁部を研削溝242の壁面で研削する。研削時に水などの冷却液が用いられてよい。研削後、化学強化処理を行うことで、化学強化ガラス板を得る。
本実施形態の化学強化ガラス板を得るための化学強化処理の方法としては、ガラス表層のNaと溶融塩中のKとをイオン交換できるものであれば特に限定されないが、例えば加熱された硝酸カリウム溶融塩にガラスを浸漬する方法が挙げられる。なお、本発明において硝酸カリウム溶融塩または硝酸カリウム塩はKNOの他、KNOと10質量%以下のNaNOを含有するものなどを含む。 ガラスに所望の表面圧縮応力を有する化学強化層(圧縮応力層)を形成するための化学強化処理条件はガラス板であればその厚みなどによっても異なるが、350〜550℃の硝酸カリウム溶融塩に2〜20時間ガラス基板を浸漬させることが典型的である。経済的な観点からは350〜500℃、2〜16時間の条件で浸漬させることが好ましく、より好ましい浸漬時間は2〜10時間である。
本実施形態の化学強化ガラス板のガラスのガラス転移点Tgは400℃以上であることが好ましい。400℃未満ではイオン交換時に表面圧縮応力が緩和してしまい、十分な応力を得られないおそれがある。より好ましくは550℃以上である。本実施形態の化学強化ガラス板のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T2は好ましくは1800℃以下、より好ましくは1750℃以下である。本実施形態のガラスの粘度が10dPa・sとなる温度T4は1350℃以下であることが好ましい。
本実施形態の化学強化ガラス板のガラスの比重ρは2.37〜2.55であることが好ましい。本実施形態の化学強化ガラス板のガラスのヤング率Eは65GPa以上であることが好ましい。68GPa未満ではガラスのカバーガラスとしての剛性や破壊強度が不十分となるおそれがある。本実施形態の化学強化ガラス板のガラスのポアソン比σは0.25以下であることが好ましい。0.25超ではガラスの耐クラック性が不十分となるおそれがある。
次に、本実施形態の化学強化ガラス板のガラス組成について、特に断らない限りモル百分率表示含有量を用いて説明する。
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり必須であり、また、ガラス表面に傷(圧痕)がついた時のクラックの発生を低減させる、または化学強化後に圧痕をつけた時の破壊率を小さくする成分である。SiOが56%未満ではガラスとしての安定性や耐候性またはチッピング耐性が低下する。SiOは好ましくは58%以上、より好ましくは60%以上である。SiOが75%超ではガラスの粘性が増大して溶融性が低下する。
Alはイオン交換性能およびチッピング耐性を向上させるために有効な成分であり、表面圧縮応力を大きくする成分であり、または110°圧子で圧痕をつけた時のクラック発生率を小さくする成分であり、必須である。Alが5%未満ではイオン交換により、所望の表面圧縮応力値または圧縮応力層厚みが得られなくなる。好ましくは9%以上である。Alが20%超ではガラスの粘性が高くなり均質な溶融が困難になる。Alは好ましくは15%以下、典型的には14%以下である。
SiOおよびAlの含有量の合計SiO+Alは80%以下であることが好ましい。80%超では高温でのガラスの粘性が増大し、溶融が困難となるおそれがあり、好ましくは79%以下、より好ましくは78%以下である。また、SiO+Alは70%以上であることが好ましい。70%未満では圧痕がついた時のクラック耐性が低下し、より好ましくは72%以上である。
NaOはイオン交換により表面圧縮応力層を形成させ、またガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須である。NaOが8%未満ではイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することが困難となり、好ましくは10%以上、より好ましくは11%以上である。NaOが22%超では耐候性が低下する、または圧痕からクラックが発生しやすくなる。好ましくは21%以下である。
Oは必須ではないがイオン交換速度を増大させるため、10%以下の範囲で含有してもよい。10%超では圧痕からクラックが発生しやすくなる、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがある。KOは5%以下、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、典型的には0.3%以下である。硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化を小さくしたい場合にはKOは含有しないことが好ましい。
MgOは表面圧縮応力を大きくする成分であり、また溶融性を向上させる成分であり、必須である。応力緩和を抑制したい場合などにはMgOを含有させることが好ましい。MgOを含有しない場合は化学強化処理を行う際に溶融塩温度のばらつきに起因して応力緩和の度合いが化学強化処理槽の場所により変化しやすくなり、その結果安定した圧縮応力値を得ることが困難になるおそれがある。また、MgOが14%超ではガラスが失透しやすくなり、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化が大きくなるおそれがあり、好ましくは13%以下である。
前記SiO−MgOは、好ましくは64%以下、より好ましくは62%以下、典型的には61%以下である。前記Al−MgOは、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。SiO、Al、NaOおよびMgOの含有量の合計は98%以上であることが好ましい。当該合計が98%未満ではクラック耐性を維持しつつ所望の圧縮応力層を得ることが困難になるおそれがある。典型的には98.3%以上である。
ZrOは必須ではないが、高温での粘性を低下させるために、または表面圧縮応力を大きくするために5%までの範囲で含有してもよい。ZrOが5%超では圧痕からクラックが発生する可能性が高まるおそれがある。そのため、2%以下が好ましく、1%以下がさらに好ましく、典型的にはZrOは含有しない。
は必須ではないが、高温での溶融性またはガラス強度の向上等のために6%以下の範囲で含有してもよい。Bが6%超では均質なガラスを得にくくなり、ガラスの成型が困難になるおそれがある、またはクラック耐性が低下するおそれがある。典型的にはBは含有しない。
SiO、Al、NaOおよびMgOの含有量の合計は好ましくは98%以上である。
本実施形態の化学強化ガラス板の好ましいガラス成分は本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は2%未満であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
ZnOはガラスの高温での溶融性を向上するために例えば2%まで含有してもよい場合があるが、好ましくは1%以下であり、フロート法で製造する場合などには0.5%以下にすることが好ましい。ZnOが0.5%超ではフロート成型時に還元し製品欠点となるおそれがある。典型的にはZnOは含有しない。TiOはガラス中に存在するFeイオンと共存することにより、可視光透過率を低下させ、ガラスを褐色に着色するおそれがあるので、含有するとしても1%以下であることが好ましく、典型的には含有しない。
LiOは歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
また、LiOは化学強化処理時にKNOなどの溶融塩中に溶出することがあるが、Liを含有する溶融塩を用いて化学強化処理を行うと表面圧縮応力が著しく低下する。LiOはこの観点からは含有しないことが好ましい。
CaOは高温での溶融性を向上させる、または失透を起こりにくくするために5%以下の範囲で含有してもよい。CaOが5%超ではイオン交換速度またはクラック発生に対する耐性が低下する。典型的にはCaOは含有しない。SrOは必要に応じて含有してもよいが、MgO、CaOに比べてイオン交換速度を低下させる効果が大きいので含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましい。典型的にはSrOは含有しない。BaOはアルカリ土類金属酸化物の中でイオン交換速度を低下させる効果が最も大きいので、BaOは含有しないこととするか、含有する場合であってもその含有量は1%未満とすることが好ましい。
SrOまたはBaOを含有する場合それらの含有量の合計は1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3%未満である。
CaO、SrO、BaOおよびZrOのいずれか1以上を含有する場合それら4成分の含有量の合計は1.5%未満であることが好ましい。当該合計が1.5%以上ではイオン交換速度が低下するおそれがあり、典型的には1%以下である。
ガラスの溶融の際の清澄剤として、SO、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。ただし、タッチパネルなどディスプレイ装置の視認性を上げるため、可視域に吸収をもつFe、NiO、Crなど原料中の不純物として混入するような成分はできるだけ減らすことが好ましく、各々質量百分率表示で0.15%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
以上、示したように、本実施形態の化学強化ガラス板は、板厚0.75mm以下であり、(1)〜(4)のいずれの破損も抑制するためCSを850MPa、CTを42MPa以下、端面の潜傷を20μm以下に抑えている。
本願発明は前記実施形態に限らず、発明の趣旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。例えば、同じCSかつ板厚の場合、DOLの値を小さくすると、CTの値を小さくし易いため、DOLが20〜25μmの場合、CTは30MPa以下とすることがより好ましい。
10 化学強化ガラス板
11、12 主面
13 端面
13a、13b 端面の所定部分
15、16 面取り部
17 エッチング面
18 ピット(潜傷)
21、22 化学強化層(圧縮応力層)
23 引張応力層

Claims (3)

  1. 表裏の主面と、該表裏の主面間の端面とを有し、前記主面及び端面の全面に圧縮応力層が形成された化学強化ガラス板であって、
    板厚が0.75mm以下、表面圧縮応力が850MPa以上、表面圧縮応力層の厚さが20〜35μm、内部引張応力が30MPa以下かつ、
    前記端面には面取り部が設けられており、前記面取り部に隣接する主面からの板厚方向における距離が板厚の1/5以内の部分において、深さ20μm超の潜傷がないことを特徴とする化学強化ガラス板。
  2. さらに表面圧縮応力層の厚さが20〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラス板。
  3. さらに表面圧縮応力層の厚さが20〜25μmであることを特徴とする請求項2に記載の化学強化ガラス板。
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