JP2015016601A - 木質化粧板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木質化粧板1の製造方法は、少なくとも表層部が天然木材10とされた木質板材1Bの表面に浮造り加工を施して形成された凹凸形状の凸部分12のみに塗着させるようにシーラー15を塗布し、次いで、着色剤を含有した塗料16を塗布する。
【選択図】図1
Description
例えば、下記特許文献1には、基材に化粧単板を接着し、その表面をブラッシングして浮造りにし、その後、表面に塗料を塗布して春材部に塗料を浸透させ、次に、秋材部の表面をサンディングし、仕上げ塗装を施す床材の製造方法が開示されている。
本実施形態に係る木質化粧板の製造方法は、少なくとも表層部が天然木材10とされた木質板材1A(図1(a)参照)の表面に、後記する表面処理を施し、木質化粧板1(図1(e)参照)を製造する構成とされている。
本実施形態では、図2に示すように、本実施形態に係る木質化粧板の製造方法を用いて製造された木質化粧板を、床材1としている。
この床材1は、平面視して(厚さ方向に見て)略長方形状とされており、例えば、1尺(303mm)×6尺(1818mm)程度の長尺板状体とされている。
また、本実施形態では、床材1(木質板材1A)を、基材2の表面に、天然木材としての単板10を積層した構成としている。
まず、基材2を所定寸法となるように形成し、この基材2の表面に、単板10を接着剤等によって積層し、積層一体化した木質板材1Aを形成する積層工程を実行する(図1(a)参照)。
また、必要に応じて、実部3,4や面取り部5、溝部6を切削等によって形成する。なお、これらは、後記する浮造り加工工程後に行うようにしてもよく、さらには、これら実部3,4、面取り部5及び溝部6のうちのいずれかを設けないようにしてもよい。
この浮造り加工は、ブラッシングやサンドブラスト等によって施すようにしてもよい。例えば、多数の合成樹脂ワイヤーや金属ワイヤーからなるブラシによって単板10の春材部13の表面部位を掻き取る(削り取る)ようにして浮造り加工を施すようにしてもよい。
この浮造り加工によって、図1(b)に示すように、浮造り後の木質板材1Bの表面には、主に秋材部11からなる凸部分12と主に春材部13からなる凹部分14とが形成される。
本実施形態では、このシーラー15を、浮造り加工を施して木質板材1Bの表面に形成された凹凸形状の凹部分14に付着させないようにゴムロールを用いて塗布するようにしている。つまり、周面にシーラー15を付着させたゴムロールを、凸部分12のみに接触させるようにしてシーラー15をロールコーター法によって塗布するようにしている。
このゴムロールとしては、木質板材1Bの表面への圧接(ニップ)態様等にもよるが、比較的にゴム硬度の高いものとしてもよく、例えば、JIS A(JIS K 6253タイプAデュロメータ)硬度が、40度〜80度程度のものとしてもよい。また、このゴムロールとしては、エチレン・プロピレンゴムや、クロロプレンゴム、ハイパロンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム等を適宜のロール芯に被覆させたものとしてもよい。
また、凹部分14への垂れ落ち等を抑制する粘度に調整されたシーラー15を塗布するようにしてもよい。このシーラー15の粘度は、単板10の樹種や吸い込み易さ等に応じて設定するようにしてもよい。例えば、35℃のシーラー15を、ザーンカップNO.5を用いて計測した測定秒数が8〜20秒となるような粘度(概ね100〜330mPa・s程度)としてもよい。
本実施形態では、シーラー15の一例として、100質量部の「IST3251調整用クリヤー(ナトコ株式会社製)」に対して、5質量部の「IST NO.15(ナトコ株式会社製)」を配合したものとしている。また、このシーラー15を、ゴムロールによって固形分で1.0g/尺2程度となるように塗布するようにしてもよい。または、このシーラー15を、第1ゴムロール及び第2ゴムロールによってそれぞれ固形分で1.0g/尺2程度となるように塗布するようにしてもよい。
なお、図1(c)〜(e)では、凸部分12の表面上にシーラー15の塗膜層が形成されたように図示しているが、シーラー15の種類によっては、凸部分12に概ね全体が浸透されたものとしてもよい。
この着色工程では、凸部分12には、シーラー15が塗布されているので、凸部分12への着色塗料16の浸透が抑制され、凹部分14に主に着色塗料16が浸透し、塗着されることとなる。
または、この着色工程では、凸部分12の地色よりも淡色とされた凹部分14が更に淡色となるように着色を施すようにしてもよい。例えば、凹部分14がその地色よりも淡色となるようなホワイト系の着色塗料16を塗布するようにしてもよい。
また、着色塗料16を塗布した後、上記同様、適宜、着色塗料16を乾燥、硬化させるようにしてもよい。
また、図1(d)、(e)では、凹部分14の表面上に着色塗料16の塗膜層が形成されたように図示しているが、着色塗料16の種類によっては、凹部分14に概ね全体が浸透されたものとしてもよい。
この仕上げ塗装工程では、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装を施すようにしてもよい。
また、この仕上げ塗装工程は、上記同様、ロールコーター法によって透明または半透明の塗料を塗布するようにしてもよい。また、適宜、消泡剤や減摩材などが含有された塗料を塗布するようにしてもよい。
また、透明または半透明の塗料を塗布した後、上記同様、適宜、塗料を乾燥、硬化させるようにしてもよい。
なお、図1(e)では、トップコート層17が形成された後の木質化粧板1の表面を、浮造り加工後の凹凸形状に応じた凹凸形状とした例を示しているが、トップコート層17の形成によって略平滑としてもよい。
つまり、浮造り加工を施して木質板材1Bの表面に形成された凹凸形状の凸部分12のみに塗着させるようにシーラー15を塗布し、次いで、着色剤を含有した塗料(着色塗料)16を塗布するようにしている。従って、シーラー15が塗布された凸部分12となる木目の秋材部11には着色塗料16が浸透し難くなり、また、凹部分14となる木目の春材部13には春材部13自体の浸透性が秋材部11よりも高いことも相俟って着色塗料16が浸透し易くなる。これにより、秋材部11と春材部13とのコントラストを強調することができる。また、凸部分12のみに塗着させるようにシーラー15を塗布するようにしているので、シーラー15が無駄になるようなことがない。また、このようにシーラー15を凸部分12に塗布することで凸部分12への着色塗料16の浸透性を抑制することができるので、凸部分12のサンディング処理やこれに関連して必要となる粉の除去処理等が不要となり、生産性を簡易に向上させることができる。
また、木質化粧板1を構成する木質板材1Aとしては、基材2に単板10を積層したものに限られず、木質板材1Aの全体が天然木材(無垢材)からなるものとしてもよい。
また、シーラー15の塗布態様や、着色塗料16の塗布態様等は、上記した例に限られず、適宜の変形が可能である。
1B 木質板材
10 単板(天然木材)
12 凸部分
14 凹部分
15 シーラー
16 着色塗料(着色剤を含有した塗料)
Claims (2)
- 少なくとも表層部が天然木材とされた木質板材の表面に浮造り加工を施して形成された凹凸形状の凸部分のみに塗着させるようにシーラーを塗布し、次いで、着色剤を含有した塗料を塗布することを特徴とする木質化粧板の製造方法。
- 請求項1において、
前記シーラーを、前記浮造り加工を施して前記木質板材の表面に形成された凹凸形状の凹部分に付着させないようにゴムロールを用いて塗布することを特徴とする木質化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
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2013
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