JP2015013908A - 4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物、その製造法及びポリイミド - Google Patents

4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物、その製造法及びポリイミド Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶媒に対する溶解性に優れるポリイミド、そのモノマーである酸二無水物化合物及びその製造法を提供すること。
【解決手段】下記式[1]で表される酸二無水物化合物、その製造方法及びポリイミド。
【化1】
Figure 2015013908

(式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物、その製造法およびポリイミドに関し、さらに詳述すると、例えば、電子材料用として好適なポリイミドおよびその原料モノマーである4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物に関する。
一般に、ポリイミド樹脂はその特長である高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性のために、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルターなどの電子材料として広く用いられている。また、最近では光導波路用材料等の光通信用材料としての用途も期待されている。
近年、この分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求される様になっている。即ち、単に耐熱性、耐溶剤性に優れるだけでなく、用途に応じた性能を多数合わせもつことが期待されている。
しかしながら、ポリイミド、特に全芳香族ポリイミド樹脂の代表例として多用されているピロメリット酸無水物(PMDA)と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から製造されるポリイミド(カプトン:商品名)においては、溶解性が乏しく溶液として用いることは出来ないため、ポリアミック酸と呼ばれる前駆体を経て、加熱し脱水反応させることにより得られている。
また溶媒溶解性を有するポリイミド(以下可溶性ポリイミド)に於いては、従来多用されて来た溶解度の高いN−メチル−2−ピロリドン(NMP)やγ―ブチロラクトン等のアミド系やラクトン系有機溶媒は高沸点のため、溶媒を除去するためには高温焼成が避けられなかった。
液晶表示素子分野では、近年プラスチック基板を用いたフレキシブル液晶表示素子の研究開発が行われており、高温焼成になると素子構成成分の変質が問題になってくるため、近年低温焼成が望まれるようになった。
一方で、高い溶媒溶解性を示すポリアミック酸では十分な液晶表示特性が得られずイミド化に起因した体積変化も起こり易いという問題点もあり、沸点の低い有機溶媒類に対して可溶であるポリイミドが望まれるようになって来ている。
その解決策として、有機溶媒溶解性に有利な脂環式ジカルボン酸無水物を利用したテトラカルボン酸二無水物の合成法が考えられる。その一例として、無水核水添トリメリット酸クロライドとヒドロキノンから得られるジエステル型酸二無水物が知られている(特許文献1)。しかし、「この酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)から得られるポリイミドは、シクロヘキサノンに溶解せず、加工性に劣るものである。」との記載があった(特許文献2)。
これまで無水核水添トリメリット酸ハライド化合物と経済的に低廉で有利な置換4,4’−スルホニルジフェノール化合物から得られる置換4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物は、知られていなかった。
WO2006−129771号公報 特開2008−163088号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、有機溶媒類に対して溶解性に優れた4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物、その製造法およびポリイミドを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、有機溶媒溶解性に有利な脂環式ジカルボン酸無水物として、無水核水添トリメリット酸ハライド化合物と経済的に低廉で有利な置換4,4’−スルホニルジフェノール化合物から得られる置換4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物の製造方法を確立し、そのポリイミドへの誘導を図り本発明を完成させた。得られたテトラカルボン酸二無水物及びそのポリイミドは新規化合物である。
すなわち、本発明は、
1.下記式[1]で表される化合物、
Figure 2015013908
(式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよい。)
2.前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である1記載の化合物、
3.下記式[2]
Figure 2015013908
(式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、前記と同じ意味を表す。)
で表されるスルホン化合物と下記式[3]
Figure 2015013908
(式中、式中、R1、R及びRは、前記と同じ意味を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
で表される置換無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
Figure 2015013908
(式中、R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、前記と同じ意味を表す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法、
4.前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である3記載の製造法、
5.式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸、
Figure 2015013908
(式中、式中、R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、前記と同じ意味を表し、Aは、2価の有機基を表し、nは、2以上の整数を表す。)
6.前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である5記載のポリアミック酸、
7.式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド、
Figure 2015013908
(式中、式中、R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、前記と同じ意味を表し、Aは、2価の有機基を表し、nは、2以上の整数を表す。)
8.前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である7記載のポリイミドを提供する。
本発明によれば、本発明のテトラカルボン酸二無水物化合物は、有機溶媒溶解性に有利な二つの脂環式酸無水物構造と極性基のスルホニル構造の効果により、モノマー自身の有機溶媒溶解性に優れ、又各種ジアミン化合物とからなるそのポリイミドも、高い有機溶媒溶解性の発現が期待される。
実用場面としては、液晶表示素子の他に半導体における保護材料、絶縁材料などの電子材料等として好適に用いることが期待される。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
上記式[1]で表される4,4’−スルホニルジフェニルエステル型酸二無水物(以下、SBPCCと略記する)の製造法は、下記の反応スキームで表される。
Figure 2015013908
(式中、R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びXは、上記と同じ意味を表す。)
即ち置換4,4’−スルホニルジフェノール化合物(SDPC)と2モル倍の置換無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)を、塩基の存在下で縮合させることにより、目的のSBPCCが製造される。
SDPCに対するDOCHの使用量は、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましい。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン及びトリプロピルアミン等の有機塩基または炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等を用いることができるが、特には、ピリジン及びトリエチルアミンが好ましい。その使用量は、SDPCに対し、2.0〜3.0モル倍が好ましく、2.0〜2.5モル倍がより好ましく、2.0〜2.3モル倍が特に好ましい。
反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)及び1,4−ジオキサン等が好ましい。それらの使用量は、SDPCに対し3〜50質量倍が好ましく、5〜30質量倍がより好ましい。
反応温度は、−30〜150℃程度であるが、0〜120℃が好ましい。
反応時間は、1〜50時間が好ましく、特には、2〜30時間が好ましい。
反応後は、副生した塩をろ過により除去して、そのろ液を濃縮すると反応粗物が得られる。これに、適当な溶媒、例えば酢酸エチルを加えて加温すると下層の油状物と上層の有機溶媒層の二層に分離する。上層の有機溶媒層をやや濃縮してから、氷冷すると、結晶が析出する。この結晶をろ過後減圧乾燥すると目的の第一次結晶が得られる。
又、下層の油状物に酢酸エチルを加えて加温溶解させてから水冷した後水洗して濃縮するとガム状物が得られる。続いて無水酢酸を加えて100〜150℃油浴で10〜60分攪拌してから濃縮し、更に減圧乾燥すると目的物の第二次結晶が得られる。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
原料の一つであるSDPCは、各種の置換基を導入することが可能である。
ここで、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表す。但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成しても構わない。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖及び分岐の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、それぞれ表す。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、CF3−、CF3CH2−、CF3CF2−、CF3(CH2)2−、CF3(CF2)2−、CF3CF2CH2−、CF3(CF2)3−、CF3CF2(CH2)2−、CF3(CF2)4−、CF3(CF2)2(CH2)2−、CF3(CF2)5−、CF3(CF2)3(CH2)2−、CF3(CF2)6−、CF3(CF2)4(CH2)2−、CF3(CF2)7−、CF3(CF2)5(CH2)2−、CF3(CF2)8−、CF3(CF2)6(CH2)2−、CF3(CF2)9−、CF3(CF2)7(CH2)2−、CF3(CF2)10−、CF3(CF2)8(CH2)2−、CF3(CF2)11−、CF3(CF2)12−、CF3(CF2)13−、CF3(CF2)14−、CF3(CF2)15−、CF3(CF2)16−、CF3(CF2)17−、CF3(CF2)18−及びCF3(CF2)19−基等が一例として挙げられる。
とR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって形成するアルキレン鎖の具体例としては、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−等が挙げられる。
具体的化合物としては、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子の4,4’−スルホニルジフェノールが、低廉に入手できる点で実用的である。
もう一方の原料は、置換無水核水添トリメリット酸ハライド(DOCH)であり、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の各原子を表す。
DOCHは、各種の置換基を導入することが可能であり、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
これらの中で、R1、R及びRが水素原子の無水核水添トリメリット酸ハライドが入手性の点で有利である。
この無水核水添トリメリット酸ハライドは、無水核水添トリメリット酸を各種のハロゲン化剤でハライド化することによって得られる。一例として、ハロゲン化剤としてオキザリルクロライドを用いることにより、穏和な反応条件で、高収率で目的のDOCHが得られる。
オキザリルクロライドの使用量は、DOCHに対し、1.0〜2.0モル倍が好ましく
特には、1.0〜1.5モル倍が好ましい。反応温度は、0〜60℃が好ましい。
以上説明した本発明のテトラカルボン酸二無水物であるSBPCCは、ジアミンとの重縮合反応によりポリアミック酸とした後、熱または脱水剤を用いた脱水閉環反応により対応するポリイミドに導くことができる。
本発明のテトラカルボン酸二無水物であるSBPCCは、ジアミンの種類により有機溶媒溶解性が異なるポリイミドを与え、低沸点有機溶媒に対しても優れた溶解性を有するポリイミドを与える。
ジアミンとしては、特に限定されるものではなく、従来ポリイミド合成に用いられている各種ジアミンを用いることができる。その具体例としては、p−フェニレンジアミン(以下、p−PDAと略記する)、m−フェニレンジアミン(以下、m−PDAと略記する)、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレンジアニリン(以下、MDAと略記する)、4,4’−オキシジアニリン(以下、ODAと略記する)、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン(以下、BAPPと略記する)、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−(1,3−フェニレンジオキシ)ジアニリン(以下、PODAと略記する)、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシベンゼン、3,5−ジアミノ−1,6−ジメトキシトルエン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等の芳香族ジアミン;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(4−アミノシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)ジメチルシラン等の脂環式ジアミン;テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及び3,3’−(ジメチルシランジイル)ビス(オキシ)ジプロパン−1−アミン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは、単独で、または2種類以上を混合して用いることができる。
なお、上記式[4]および[5]におけるAは、使用したジアミンに由来する2価の有機基である。
本発明においては、使用されるテトラカルボン酸二無水物の全モル数のうち、少なくとも10mol%は式[1]のSBPCCであることが好ましい。
なお、通常のポリイミドの合成に使用されるテトラカルボン酸化合物およびその誘導体を同時に用いることもできる。
その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等が挙げられる。
また、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン等の芳香族テトラカルボン酸およびこれらの酸二無水物、並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物等も挙げられる。なお、これらのテトラカルボン酸化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
本発明のポリアミック酸を得る方法は特に限定されるものではなく、テトラカルボン酸二無水物及びその誘導体とジアミンとを公知の手法によって反応、重合させればよい。
ポリアミック酸を合成する際の全テトラカルボン酸二無水物化合物のモル数と全ジアミン化合物のモル数との比は、カルボン酸化合物/ジアミン化合物=0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様に、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。重合度が小さすぎるとポリイミドを製膜した際の強度が不十分となり、また重合度が大きすぎるとポリイミド塗膜を形成する際の作業性が悪くなる場合がある。
したがって、本反応における生成物の重合度は、ポリアミック酸溶液の還元粘度換算で、0.05〜5.0dl/g(30℃のN−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dl)が好ましい。
ポリアミック酸合成に用いられる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略記する)、m−クレゾール、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリアミック酸を溶解しない溶媒であっても、均一な溶液が得られる範囲内で上記溶媒に加えて使用してもよい。
重縮合反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃の任意の温度を選択することができる。
本発明のポリイミドは、以上のようにして合成したポリアミック酸を、加熱により脱水閉環(熱イミド化)して得ることができる。なお、この際、ポリアミック酸を溶媒中でイミドに転化させ、溶剤可溶性のポリイミドとして用いることも可能である。
また、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環する方法も採用することができる。
加熱による方法は、100〜350℃、好ましくは120〜300℃の任意の温度で行うことができる。
化学的に閉環する方法は、例えば、ピリジンやトリエチルアミン等と、無水酢酸等との存在下で行うことができ、この際の温度は、−20〜200℃の任意の温度を選択することができる。
このようにして得られたポリイミド溶液は、そのまま使用することもでき、また、メタノール、エタノール及び水等の貧溶媒を加えてポリイミドを沈殿させ、これを単離してポリイミド粉末として、あるいはそのポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用することができる。
再溶解用溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、m−クレゾール、2−ピロリドン、NMP、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、DMAc、DMF、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキサン、THF、アセトニトリル、酢酸エチル及びクロロホルム等が挙げられる。
また、単独ではポリイミドを溶解しない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて使用することができる。その具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル等が挙げられる。
以上のようにして調製したポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液を基板に塗布し、加熱により溶媒を蒸発させながら脱水閉環させることで、あるいは、ポリイミド溶液を基板に塗布して加熱により溶媒を蒸発させることで、ポリイミド膜を製造することができる。
この際、加熱温度は、通常100〜300℃程度である。
なお、ポリイミド膜と基板との密着性を更に向上させる目的で、ポリアミック酸溶液やポリイミド溶液に、カップリング剤等の添加剤を加えてもよい。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例における各物性の測定装置は以下のとおりである。
[1][1H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz)
測定溶媒:CDCl3、DMSO−d6
標準物質:tetramethylsilane(TMS)
[2][IR]
機種:Nicolet 6700 FT-IR(Thermo)
測定法:ATR法(ダイヤモンド結晶) 分解能:4.0cm-1 (測定範囲:400〜4000cm-1)
サンプルスキャン:50回 バックグラウンドスキャン:50回
[3][融点(m.p.)][軟化点(PMT)]
機種:微量融点測定装置(MP−S3)(ヤナコ機器開発研究所社製))
[4]数平均分子量および重量平均分子量の測定:GPC(Gel Permeation Chromatography)法
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)と分子量分布は、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF805L)を用い、溶出溶媒としてDMFを流量1mL/分、カラム温度50℃の条件で測定した。なお、Mwはポリスチレン換算値とした。
[参考例1] DOCCの合成
Figure 2015013908
200mLの四つ口反応フラスコにDOCA17.4g(88.0mmol)及びTHF105gを仕込み、氷浴上で5℃に冷却しながらマグネティクスタラーで攪拌・溶解させた。続いて、DMF60mgを添加した後、オキザリルクロライド13.2g(104mmol)を10分かけて滴下した。更に氷浴を外して20〜25℃で1時間攪拌した。その後、この反応液を60℃で減圧濃縮・乾燥することにより淡黄色油状物19.8gが得られた。この生成物は、H NMRから目的の1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボニルクロライド(DOCC)であることを確認した。
[実施例1] SBPCの合成
Figure 2015013908
200mLの四つ口反応フラスコに4,4’−スルホニルジフェノール(SDP)10.0g(40.0mmol)、ピリジン8.23g(10.4mmol)及びTHF80gを仕込み、氷浴上5℃の冷却下にマグネティクスタラーで攪拌しながら、参考例1で合成したDOCC粗物19.8g(88.0mmol)をTHF30gに溶解した溶液を15分かけて添加した。続いて氷浴を外して23℃の室温で18時間攪拌しすると多量の白色固体の生成で攪拌が遅くなったので、THF20gを添加し45〜50℃に昇温して更に5時間攪拌して反応を停止させた。
続いて、ろ過後残渣をTHFで3回洗浄してからろ液と洗液を混合した溶液を濃縮すると橙色ガム状物24.0gが得られた。この粗物に酢酸エチル110gを加えて75℃で加温すると、上層の有機層と下層のガム状物との二層になった。これを水冷後、上層と下層に分け、上層の有機層を39gまで濃縮してから氷冷した。白色固体が析出したので、ろ過後酢酸エチルで洗浄してから75℃で2時間減圧乾燥すると酢酸エチルが残余したので、さらに110℃で2時間減圧乾燥し第一次白色結晶6.00g(Y24.6%)(m.p.:118〜120℃)を得た。
この結晶は、 H NMR及びIRから目的の4,4’−スルホニルビス(1,4−フェニレン)ビス(1,3−ジオキソオクタヒドロイソベンゾフラン−5−カルボキシレート)(SBPC)であることを確認した。
1H NMR ( DMSO-d6, δppm ) : 1.446-1.539 ( m, 2H ), 1.682-1.836 ( m, 2H ), 1.943-1.986 ( m, 2H ), 2.024-2.070 ( m, 2H ), 2.330-2.373 ( m, 2H ), 2.769-2.820 ( m, 2H ), 3.324-3.390 ( m, 2H ), 3.551 ( dd, J1=7.6Hz, J2=12.0Hz, 2H ), 7.377( d, J=8.8Hz, 4H ), 8.015 ( d, J=9.2Hz, 1H )
IR(cm-1) :2941.4(シクロヘキサン環CH伸縮)、1860.0(環状酸無水物C=O伸縮)、1779.2(環状酸無水物C=O伸縮)、1752.0(エステルC=O伸縮)、1586.4(フェニルCH変角)、1488.3(シクロヘキサン環CH変角)
次に、下層のガム状物に酢酸エチル50gと水40gを加えて溶解後、分液し、有機層を水洗してから濃縮するとガム状物8.0gが得られた。このガム状物に無水酢酸24gを加えて130℃の油浴で1時間攪拌した。この反応液を濃縮後、120℃で2時間減圧乾燥すると淡黄色ガラス状第二次結晶7.00g(Y28.7%)(m.p.:85〜88℃)が得られた。この結晶もH NMR及びIRから目的のSBPCであることを確認した。
[実施例2]SBPC−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
23℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた第一次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.51gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−オキシジアニリン(ODA)0.200g(1.0mmol)を添加し攪拌溶解させた。続いて23℃で20時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、254mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP10.2gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は8,851で、重量平均分子量(Mw)は17,758であり、Mw/Mnは2.01であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール60ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に30分間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC−ODAポリイミドの白色粉末0.54g(収率69.8%)を得た。
PMT:201〜203℃
[実施例3]SBPC−PODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
25℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた第一次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.88gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−(1,3−フェニレンジオキシ)ジアニリン(PODA)0.292g(1.0mmol)を添加し攪拌溶解させた。続いて25℃で6時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、208mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP11.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は7,982で、重量平均分子量(Mw)は18,478であり、Mw/Mnは2.31であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール67ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC−PODAポリイミドの白色粉末0.60g(収率74.3%)を得た。
PMT:183〜186℃
[実施例4]SBPC−BAPPポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
23℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた第一次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.14gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン(BAPP)0.286g(1.0mmol)を添加した。続いて23℃で7時間30分攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、359mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP11.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は8,901で、重量平均分子量(Mw)は19,360であり、Mw/Mnは2.18であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール65ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC/BAPPポリイミドの白色粉末0.63g(収率73.2%)を得た。
PMT:164〜166℃
[実施例5]SBPC−MDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
23℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた淡黄色ガラス状第二次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.50gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、4,4’−メチレンジアニリン(MDA)0.198g(1.0mmol)を添加した。続いて23℃で16時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、78mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP10.3gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は4,100で、重量平均分子量(Mw)は8,238であり、Mw/Mnは2.01であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール65ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC/MDAポリイミドの白色粉末0.45g(収率58.3%)を得た。
PMT:194〜196℃
[実施例6]PBDC−m−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
23℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた第一次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.14gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、m−フェニレンジアミン(m−PDA)0.108g(1.0mmol)を添加した。続いて23℃で7時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、118mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP9.2gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は6,257で、重量平均分子量(Mw)は12,637であり、Mw/Mnは2.02であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール63ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に30分間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC/m−PDAポリイミドの白色粉末0.40g(収率58.6%)を得た。
PMT:199〜200℃
[実施例7]PBDC−p−PDAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
23℃の室温に設置した攪拌機付き50mL四つ口反応フラスコに、実施例1で得られた第一次白色結晶SBPC0.678g(1.1mmol)及びNMP3.14gを仕込み、攪拌溶解させた。続いて、この溶液の攪拌中に、p−フェニレンジアミン(p−PDA)0.108g(1.0mmol)を添加した。続いて23℃で17時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度20質量%のポリアミック酸溶液を得た。この重合液の粘度は、115mPa・sであった。
この溶液に、更にNMP9.2gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は5,657で、重量平均分子量(Mw)は10,578であり、Mw/Mnは1.87であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸1.02g(10mmol)およびピリジン0.48g(6mmol)を加えて100℃で5時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール55ml攪拌中に反応溶液を滴下し、更に1時間攪拌して固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール30mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、SBPC/p−PDAポリイミドの白色粉末0.55g(収率80.5%)を得た。
PMT:203〜205℃
[比較例1]PMDA−ODAポリアミック酸およびポリイミドの合成
Figure 2015013908
22℃の室温に設置した攪拌機付き50ml四つ口反応フラスコに、ODA1.00g(5.0mmol)およびNMP18.2gを仕込み溶解させた。続いて、この溶液を攪拌中、ピロメリット酸二無水物(PMDA)1.03g(4.75mmol)を溶解させながら分割添加した。さらに、20℃で23時間攪拌して重合反応を行い、固形分濃度10質量%のポリアミック酸溶液を得た。この溶液に、NMP14gを加えて固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に希釈して、GPC測定した結果、数平均分子量(Mn)は2,173で、重量平均分子量(Mw)は4,310であり、Mw/Mnは1.98であった。
続いて、この固形分濃度6質量%のポリアミック酸溶液に無水酢酸5.1g(50mmol)およびピリジン2.37g(30mmol)を加えて100℃で4時間攪拌した。室温に戻してから、メタノール147ml攪拌中に反応溶液を滴下し、さらに1時間攪拌して橙色固形物を析出させた。これを濾過後、メタノール50mlで3回洗浄を繰り返してから、80℃で2時間減圧乾燥し、PMDA−ODAポリイミドの橙色粉末1.55g(収率86%)を得た。
PMT: >300℃
上記実施例2〜7で得られたSBPC−各ジアミンポリイミド(SBPC−DA−PI)、および比較例1で得られたPMDA−DA−ポリイミド(PMDA−DA−PI)の有機溶媒溶解性を下記手法によって評価した。その結果を表1に示す。
(測定法)
各ポリイミド5mgを、有機溶媒100mgに添加し、所定温度で撹拌し、その溶解性を確認した。
DMSO:ジメチルスルホオキシド、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、THF:テトラヒドロフラン、EDC:1,2−ジクロロエタン
Figure 2015013908
表1に示される様に、実施例2〜7で得られた本発明のSBPC−DA−PIは、低沸点有機溶媒をはじめとした各種の有機溶媒に溶解する優れた可溶性ポリイミドであることが明らかになった。一方、PMDA−DA−PIは、低分子量にも拘わらず有機溶媒に不溶であった。
本発明で提供される新規化合物から得られる新規なポリアミック酸及びポリイミドは低沸点の有機溶媒を始めとした各種有機溶媒に対する溶解性が高い。そのため、低温での焼成が必要な各種電子デバイスへの利用が期待される。

Claims (8)

  1. 下記式[1]で表される化合物。
    Figure 2015013908

    (式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよい。)
  2. 前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である請求項1記載の化合物。
  3. 下記式[2]
    Figure 2015013908

    (式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよい。)
    で表されるスルホン化合物と下記式[3]
    Figure 2015013908

    (式中、式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。)
    で表される無水核水添トリメリット酸ハライドとを、塩基の存在下で反応させることを特徴とする下記式[1]
    Figure 2015013908

    (式中、R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、前記と同じ意味を表す。)
    で表されるテトラカルボン酸二無水物化合物の製造法。
  4. 前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である請求項3記載の製造法。
  5. 式[4]で表される繰り返し単位を含有するポリアミック酸。
    Figure 2015013908

    (式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよく、Aは、2価の有機基を表し、nは、2以上の整数を表す。)
  6. 前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である請求項5記載のポリアミック酸。
  7. 式[5]で表される繰り返し単位を含有するポリイミド。
    Figure 2015013908


    (式中、R1、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、但し、RとR、 RとR、RとR又はR10とR11が一緒になって、アルキレン鎖を形成してもよく、Aは、2価の有機基を表し、nは、2以上の整数を表す。)
  8. 前記R1、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が、水素原子である請求項7記載のポリイミド。
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