JP2015009872A - 製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】見栄えが良い食品が入ったプラスチック製品を提供することである。
【解決手段】プラスチック製容器の内部に物が入れられた製品の製造方法であって、前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される配置工程と、前記配置工程の後、前記チャンバ内の気体が排気される排気工程と、前記排気工程の後、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される不活性ガス供給工程と、前記不活性ガス供給工程の後、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされるシール工程と、前記シール工程の後、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される加熱工程とを具備し、前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である。
【選択図】図1
【解決手段】プラスチック製容器の内部に物が入れられた製品の製造方法であって、前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される配置工程と、前記配置工程の後、前記チャンバ内の気体が排気される排気工程と、前記排気工程の後、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される不活性ガス供給工程と、前記不活性ガス供給工程の後、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされるシール工程と、前記シール工程の後、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される加熱工程とを具備し、前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばサラダ等の惣菜と言った食品がプラスチック製容器に入った製品に関する。
プラスチック製容器に入った各種の惣菜が、小売店(例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、或いはデパート等)で、販売されている。この商品(製品)は、容器本体部内に食品(食材)が充填された後、容器本体部の開口部(上部)がフィルムで覆われたり、シールされ、密封構造となっている。
惣菜がプラスチック製容器内に入った製品は、これまで、加熱殺菌は考慮されてなかった。勿論、惣菜そのものには加熱処理が行われている。しかしながら、惣菜がプラスチック製容器に入れられ、フィルム等による密封が施された後、加熱処理が施されると言ったことは殆どなかった。
特許文献1には、「プラスチック容器に充填して密封した後に80〜100℃の熱水中で加熱処理されているゼリー惣菜」の開示が有る。この特許文献1には、プラスチック製容器が加熱処理後に変形を起こしていた問題点の認識(開示)は皆無である。
ところが、プラスチック製容器に「ごぼうサラダ」を入れ、開口部をフィルムでシールした後、加熱処理が行われた製品には、次の問題点が認められた。例えば、70℃で45分間の加熱処理が施されたプラスチック製容器には変形が認められた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を解決することである。特に、加熱処理後においても、変形が、実質上、起きない技術を提供することである。
前記問題点が何に起因したかは、当初、全く、判らなかった。例えば、特許文献1の「プラスチック容器に充填して密封した後に80〜100℃の熱水中で加熱処理されているゼリー惣菜」の場合にも、容器変形の問題が起きていたのであるが、それが見過ごされ、特許文献1に記載が無かっただけであろうかと思われた。そこで、特許文献1の場合と同様な条件下で追試が行われた。しかし、予想に反して、容器変形の問題は認められなかった。
前記相違点についての検討が、鋭意、推し進められた。その結果、次のことが原因であろうことが判って来た。通常、ゼリーは容器内に満杯の条件で充填されている。[容器の内容積]=[充填ゼリーの体積(容積)]である。ゼリー充填後において、空隙が容器内には無い。容器内には気体が存在(残存)していないと言っても過言ではない。このような状況下のものが加熱処理されても、内容物には体積変動が殆ど無い。従って、ゼリーが充填・密封された容器が加熱されても、容器変形の問題は起こらない。
ところが、充填物が「ごぼうサラダ」の如くの場合には、容器内部に気体(ガス)が残存している。保存性の観点から、例えば窒素ガス(乾燥窒素ガス)が充填される。食材充填後であっても、容器内には、窒素ガスが残存している。残存と言うよりも、積極的に、窒素ガスが封入される。しかも、外部から容器内部に酸素ガスがフィルム(シール材)を透過して侵入するのを防止する為には、容器内の圧力を容器外の圧力(大気圧)よりも高くすることが好ましいであろう。すなわち、容器内における充填(残存)窒素ガスの圧力は1気圧を越えることが好ましいであろう。ところで、気体の温度による体積変化量は、液体や固体の温度による体積変化量に比べて、非常に大きい。例えば、固体状のゼリーに比べたならば、気体の温度による体積変化量は非常に大きい。従って、このような条件下で加熱処理が行われると、密封容器は加熱膨張した気体によって変形が起きてしまう。
加熱膨張した気体による容器の外形変形を防止しようとすると、罐詰の如く、容器を金属製のものとするか、プラスチック製容器の肉厚を厚くするかの何れかしか考えられない。
しかし、金属製容器は種々の観点から採用できない。容器の肉厚を厚くするのも、例えばコストの点から、論外であろう。
更なる検討が続行されて行った結果、それならば、容器内への気体充填量を少なくすれば良いであろうとの知見に到達した。[充填(封入)気体の体積(例えば、室温(例えば、10〜25℃)で1気圧下における充填(封入)気体の体積)]<[容器の内容積−食材の体積]であるようにしておけば良いであろうとの知見を得るに至った。
この知見に基づいて本発明が達成された。
すなわち、本発明は、
プラスチック製容器の内部に物が入れられ、かつ、前記プラスチック製容器の内部は前記物によって100%充填されることなく空隙を有する製品の製造方法であって、
前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される配置工程と、
前記配置工程の後、前記チャンバ内の気体が排気される排気工程と、
前記排気工程の後、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される不活性ガス供給工程と、
前記不活性ガス供給工程の後、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされるシール工程と、
前記シール工程の後、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される加熱工程
とを具備し、
前記不活性ガス供給工程は、
前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である
ことを特徴とする製造方法を提案する。
プラスチック製容器の内部に物が入れられ、かつ、前記プラスチック製容器の内部は前記物によって100%充填されることなく空隙を有する製品の製造方法であって、
前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される配置工程と、
前記配置工程の後、前記チャンバ内の気体が排気される排気工程と、
前記排気工程の後、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される不活性ガス供給工程と、
前記不活性ガス供給工程の後、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされるシール工程と、
前記シール工程の後、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される加熱工程
とを具備し、
前記不活性ガス供給工程は、
前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である
ことを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあり、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた前記加熱工程後において、前記プラスチック製容器本体部に変形が実質上起きないよう、不活性ガスが供給される工程であることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガス供給工程(前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程)は、前記チャンバ内の圧力が0.9気圧以下であるよう不活性ガスが前記チャンバ内に供給される工程であることを特徴とする製造方法を提案する。本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガス供給工程は、前記チャンバ内の圧力が0.3〜0.7気圧であるよう不活性ガスが前記チャンバ内に供給される工程であることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記プラスチック製容器本体部は肉厚が0.1〜1mmであり、前記シールのフィルムは厚さが5〜100μmであることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、(前記物の容積)/(前記プラスチック製容器本体部の内容積)=10%〜85%であるよう前記物が入れられてなることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記シール工程の前に前記物は前記プラスチック製容器本体部内に入れられることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記物は食品であることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガスが窒素ガス及び炭酸ガスの群の中から選ばれるガスであることを特徴とする製造方法を提案する。本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記製造方法であって、好ましくは、前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあり、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた前記加熱工程後において、前記プラスチック製容器本体部に変形が実質上起きておらず、又、前記加熱後における放熱後には、前記シールされたフィルムが実質上凸状に膨れておらず、かつ、前記シールされたフィルムが実質上平坦であるよう、不活性ガスが供給される工程であることを特徴とする製造方法を提案する。
本発明は、前記プラスチック製容器の内部に物が入れられた製品の製造方法に用いられる製造装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に前記プラスチック製容器の本体部を搬送する搬送手段と、
前記チャンバ内の気体を排気する排気手段と、
前記チャンバ内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記チャンバ内に供給する不活性ガス量を制御する制御手段と、
前記プラスチック製容器本体部の開口部をフィルムでシールするシール手段と、
前記プラスチック製容器本体部内の物を加熱する加熱手段
とを具備することを特徴とする製造装置を提案する。
チャンバと、
前記チャンバ内に前記プラスチック製容器の本体部を搬送する搬送手段と、
前記チャンバ内の気体を排気する排気手段と、
前記チャンバ内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記チャンバ内に供給する不活性ガス量を制御する制御手段と、
前記プラスチック製容器本体部の開口部をフィルムでシールするシール手段と、
前記プラスチック製容器本体部内の物を加熱する加熱手段
とを具備することを特徴とする製造装置を提案する。
例えば、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた後においても、食品(食材)が入れられた容器に変形が起きない。従って、商品価値の高い製品が得られる。
例えば、70℃で45分間の条件下での加熱が可能になるので、かつ、容器内は不活性ガスが充填されているので、容器内の食品(食材)の安全性が高まる。
第1の本発明は製造方法である。本方法は、プラスチック製容器の内部に物が入れられた製品の製造方法である。特に、前記プラスチック製容器の内部は、前記物によって100%充填されることなく、空隙を有する製品の製造方法である。前記製品は、好ましくは、(前記物の容積(体積))/(前記プラスチック製容器本体部の内容積)=10%(より好ましくは、30%。更に好ましくは、45%。)〜85%(より好ましくは、65%。更に好ましくは、60%。特に好ましくは、55%。)である。前記プラスチック製容器本体部は、好ましくは、肉厚が0.1mm(より好ましくは、0.2mm。更に好ましくは、0.3mm)〜1mmである。前記プラスチックは、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のアミド系樹脂などが挙げられる。勿論、これ等に限られない。コストや機械的強度などを考慮して適宜な樹脂が採用される。容器を密閉(密封)構造のものとする為、プラスチック製容器本体部の開口部がシールされる。このシールは、例えば5〜100μm(より好ましくは、70μm以下)厚のプラスチック製フィルムでシールされる。厚さが薄いと酸素透過量が多くなる。従って、酸素透過バリア性を高める為、金属膜がプラスチックフィルムの主面に一体的に設けられた素材が用いられる場合もある。前記金属膜の代わりにガスバリア性のプラスチックフィルムが用いられても良い。すなわち、前記シールフィルムは、厚さが5〜100μmであっても、酸素透過バリア性を有することが好ましい。前記プラスチック製容器本体部は、前記シールフィルムに比べると、厚さが厚い。従って、前記プラスチック製容器本体部が樹脂のみで構成された場合でも、厚さが厚い分、酸素透過度は低い。前記物は、一般的には、食品(食材)である。本方法は配置工程を具備する。この配置工程は、前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される工程である。本方法は排気工程を具備する。この排気工程は前記配置工程の後である。この排気工程は、前記チャンバ内の気体(例えば、空気)が排気される工程である。これによって、前記プラスチック製容器本体部内の気体(例えば、空気)も排気される。本方法は不活性ガス供給工程を具備する。この不活性ガス供給工程は前記排気工程の後である。この不活性ガス供給工程は、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される工程である。これによって、前記プラスチック製容器本体部内にも不活性ガスが供給される。本方法はシール工程(例えば、ヒートシール工程、或いは超音波シール工程など)を具備する。このシール工程は前記不活性ガス供給工程の後である。このシール工程は、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされる工程である。本方法は加熱工程を具備する。この加熱工程は前記シール工程の後である。この加熱工程は、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される工程である。例えば、加熱殺菌工程である。本方法は物充填(配置)工程を具備する。この物充填(配置)工程は、前記プラスチック製容器本体部内に前記物(例えば、食品)が充填(配置:入れられる)される工程である。この物充填(配置)工程は、前記プラスチック製容器配置工程の前であっても良い。後であっても良い。シールが完了する前であれば良い。好ましくは、前記プラスチック製容器配置工程の前であろう。前記物充填(配置)工程と前記プラスチック製容器配置工程とは同時進行であっても良い。前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、かつ、室温(例えば、10〜25℃)で1気圧の条件下に放置された場合、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である。例えば、シール後における容器内(チャンバ内)の圧力が、10〜25℃において、1気圧未満であるように不活性ガスが供給される。好ましくは、シール後における容器内(チャンバ内)の圧力が、例えば10〜25℃において、0.9気圧以下であるように不活性ガスが供給される。更に好ましくは、シール後における容器内(チャンバ内)の圧力が、例えば10〜25℃において、0.3気圧〜0.7気圧であるように不活性ガスが供給される。特に、0.5気圧以上であるように不活性ガスが供給される。特に、0.9気圧以下であるように不活性ガスが供給される。好ましくは、前記不活性ガス供給工程は、前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあり、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた前記加熱工程後において、前記プラスチック製容器本体部に変形が実質上起きないよう、不活性ガスが供給される工程である。更には、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた加熱工程後において、前記シールされたフィルムが実質上凸状に膨れることがないよう、不活性ガスが供給される工程である。又、前記シールされたフィルムが実質上凸状に膨れておらず、かつ、前記シールされたフィルムが実質上平坦であるよう、不活性ガスが供給される工程である。前記不活性ガスとしては、例えば窒素ガスや炭酸ガスが挙げられる。好ましい不活性ガスは窒素ガスである。勿論、好ましいのは乾燥ガスである。
第2の本発明は製造装置である。本装置は、前記プラスチック製容器の内部に物(例えば、食品)が入った製品の製造に用いられる装置である。本装置はチャンバを具備する。本装置は搬送手段を具備する。この搬送手段は、前記チャンバ内に前記プラスチック製容器の本体部を搬送する手段である。本装置は排気手段を具備する。この排気手段は、前記チャンバ内の気体を排気する手段である。本装置は不活性ガス供給手段を具備する。この不活性ガス供給手段は、前記チャンバ内に不活性ガスを供給する手段である。本装置は制御手段を具備する。この制御手段は、前記チャンバ内に供給する不活性ガス量を制御する手段である。この制御手段の作用によって、前記プラスチック製容器の本体部内に充填される不活性ガス量が決まる。本装置はシール手段を具備する。このシール手段は、前記プラスチック製容器本体部の開口部をフィルムでシールする手段である。本装置は加熱手段を具備する。この加熱手段は、前記プラスチック製容器本体部内の物を加熱する。
以下、本発明が具体的に説明される。但し、以下の説明は、本発明の一実施形態に過ぎず、これに限定されるものでは無い。すなわち、本発明の特長が大きく損なわれない変形・応用例も本発明に含まれる。
図1〜図4は本発明の一実施例の説明図である。
図1は製造装置のブロック図である。
図1中、Aは、食品(食材:例えば「ごぼうサラダ」等の惣菜)がプラスチック製容器に入った製品の製造装置である。1はチャンバである。2は搬送装置である。搬送装置2(図示せず)は、チャンバ1内の所定位置にプラスチック製容器本体部3を搬送する。プラスチック製容器本体部3は、例えば偏平函状の形である。プラスチック製容器本体部3は、例えばガスバリア性を有している。例えば、ガスバリア性樹脂で構成される。若しくは、或る程度の肉厚を持って構成される。プラスチック製容器本体部3の肉厚は、例えば0.5mmである。4は排気装置である。排気装置4は、チャンバ1内の気体(空気)を高真空度で外部に排気する。排気装置4は、例えば真空ポンプである。5は不活性ガス(乾燥窒素ガス)の供給装置である。この供給装置5は、チャンバ1内に不活性ガス(乾燥窒素ガス)を供給する。6は制御装置である。制御装置6は、供給装置5がチャンバ1内に供給する不活性ガス(乾燥窒素ガス)の量を制御する。チャンバ1内の空気が真空排気された後、かつ、供給装置5がチャンバ1内に不活性ガス(乾燥窒素ガス)を供給する時点において、制御装置6は、チャンバ1内における不活性ガス(乾燥窒素ガス)による気体圧力が1気圧未満(例えば、10〜25℃において、0.9気圧以下(好ましくは、0.3気圧〜0.7気圧))であるように不活性ガス供給量を制御する。制御装置6は、例えば圧力センサと、圧力センサの信号によって作動するバルブとで構成される。7はシール装置である。シール装置7(図示せず)は、チャンバ1内に配置されたプラスチック製容器本体部3の上面(開口部)をフィルムでシールし、密封する。8は加熱装置である。チャンバ1内に配置されたプラスチック製容器本体部3の上面(開口部)がフィルムでシール(密封)されると、搬送装置は、密封プラスチック製容器本体部(容器)をチャンバ1外に搬出し、加熱装置8にセッティングする。この後、加熱装置8が容器を加熱する。これにより、容器内の食品(食材)は加熱殺菌される。
図1中、Aは、食品(食材:例えば「ごぼうサラダ」等の惣菜)がプラスチック製容器に入った製品の製造装置である。1はチャンバである。2は搬送装置である。搬送装置2(図示せず)は、チャンバ1内の所定位置にプラスチック製容器本体部3を搬送する。プラスチック製容器本体部3は、例えば偏平函状の形である。プラスチック製容器本体部3は、例えばガスバリア性を有している。例えば、ガスバリア性樹脂で構成される。若しくは、或る程度の肉厚を持って構成される。プラスチック製容器本体部3の肉厚は、例えば0.5mmである。4は排気装置である。排気装置4は、チャンバ1内の気体(空気)を高真空度で外部に排気する。排気装置4は、例えば真空ポンプである。5は不活性ガス(乾燥窒素ガス)の供給装置である。この供給装置5は、チャンバ1内に不活性ガス(乾燥窒素ガス)を供給する。6は制御装置である。制御装置6は、供給装置5がチャンバ1内に供給する不活性ガス(乾燥窒素ガス)の量を制御する。チャンバ1内の空気が真空排気された後、かつ、供給装置5がチャンバ1内に不活性ガス(乾燥窒素ガス)を供給する時点において、制御装置6は、チャンバ1内における不活性ガス(乾燥窒素ガス)による気体圧力が1気圧未満(例えば、10〜25℃において、0.9気圧以下(好ましくは、0.3気圧〜0.7気圧))であるように不活性ガス供給量を制御する。制御装置6は、例えば圧力センサと、圧力センサの信号によって作動するバルブとで構成される。7はシール装置である。シール装置7(図示せず)は、チャンバ1内に配置されたプラスチック製容器本体部3の上面(開口部)をフィルムでシールし、密封する。8は加熱装置である。チャンバ1内に配置されたプラスチック製容器本体部3の上面(開口部)がフィルムでシール(密封)されると、搬送装置は、密封プラスチック製容器本体部(容器)をチャンバ1外に搬出し、加熱装置8にセッティングする。この後、加熱装置8が容器を加熱する。これにより、容器内の食品(食材)は加熱殺菌される。
次に、製造工程が説明される。特に、図1の製造装置を用いての製造工程が説明される。その製造工程が図2に示される。
先ず、食品(食材:例えば「ごぼうサラダ」等の惣菜)がプラスチック製容器本体部3内に充填された(食品充填ステップ)。充填量は次の通りである。(充填食品の容積(体積):水中浸漬による増加体積から算出)/(プラスチック製容器本体部3の内容積)=10%〜85%。特に、45%〜70%である。具体的には、60%であった。
食品が充填されたプラスチック製容器本体部3がチャンバ1内に搬入された(搬入ステップ)。
この後、排気装置(真空ポンプ)4は、チャンバ1内の空気を、真空排気した(真空排気ステップ)。
真空排気後、供給装置5は、チャンバ1内に、乾燥窒素ガスを供給した(不活性ガス供給ステップ)。
規定量の乾燥窒素ガスが供給されたことをセンサ(圧力センサ)が検出すると、バルブが閉じられた。すなわち、制御装置6が、乾燥窒素ガスの供給を、停止した(不活性ガス供給停止ステップ)。この停止は、チャンバ1内の圧力が1気圧になる前であった。特に、0.9気圧以下の段階であった。好ましくは、0.3〜0.7気圧の段階で供給停止された。例えば、0.6気圧の段階で供給停止された。
この後、シール装置が作動する。すなわち、シール装置は、チャンバ1内に配置されたプラスチック製容器本体部3の上面(開口部)をフィルムでシール(密封)した(密封ステップ)。シールに用いられたフィルムは、厚さが5〜100μmである。例えば、30μm厚であった。このフィルムはガス(酸素)透過バリア性を有するものであった。密封ステップ後にあっては、プラスチック製容器本体部3内には乾燥窒素ガスが充填されている。
前記密封ステップ後、チャンバ1から、密封プラスチック製容器本体部(容器)が搬出された(搬出ステップ)。
この段階(搬出ステップ後で、後述の加熱ステップ前)のプラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされた容器を、10℃〜25℃の温度下で1気圧の条件下に放置すると、前記シールを構成しているフィルムは凹状に凹んだ状態にあった。
この後、加熱装置(ボイル槽)8に運び込まれ、例えば68℃で45分間の加熱が行われた(加熱ステップ)。
この加熱ステップ後の容器(プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされた容器)を、10℃〜25℃の温度下で1気圧の条件下に放置すると、前記プラスチック製容器本体部3には変形が実質上起きておらず、かつ、前記シールされたフィルムは凸状に膨れていないものであった。
すなわち、上記のようにして得られた容器(容器本体部)には、乾燥チッソガスの加熱膨張による変形が起きてなかった。すなわち、図3に示される如くの美観に富むものであった。これに対して、乾燥窒素ガスの量が制御されなかった場合には、図4に示される如きのものとなっていた。すなわち、容器(容器本体部)には、乾燥チッソガスの加熱膨張による変形が認められた。
1 チャンバ
2 搬送装置
3 プラスチック製容器本体部
4 排気装置
5 不活性ガス(乾燥窒素ガス)供給装置
6 不活性ガス(乾燥窒素ガス)供給制御装置
7 シール装置
8 加熱装置
2 搬送装置
3 プラスチック製容器本体部
4 排気装置
5 不活性ガス(乾燥窒素ガス)供給装置
6 不活性ガス(乾燥窒素ガス)供給制御装置
7 シール装置
8 加熱装置
Claims (11)
- プラスチック製容器の内部に物が入れられ、かつ、前記プラスチック製容器の内部は前記物によって100%充填されることなく空隙を有する製品の製造方法であって、
前記プラスチック製容器の本体部がチャンバ内に配置される配置工程と、
前記配置工程の後、前記チャンバ内の気体が排気される排気工程と、
前記排気工程の後、不活性ガスが前記チャンバ内に供給される不活性ガス供給工程と、
前記不活性ガス供給工程の後、前記プラスチック製容器本体部の開口部がフィルムでシールされるシール工程と、
前記シール工程の後、前記プラスチック製容器本体部内の物が加熱される加熱工程
とを具備し、
前記不活性ガス供給工程は、
前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあるよう、不活性ガスが供給される工程である
ことを特徴とする製造方法。 - 前記不活性ガス供給工程は、
前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあり、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた前記加熱工程後において、前記プラスチック製容器本体部に変形が実質上起きないよう、不活性ガスが供給される工程である
ことを特徴とする請求項1の製造方法。 - 前記不活性ガス供給工程は、前記チャンバ内の圧力が0.9気圧以下であるよう不活性ガスが前記チャンバ内に供給される工程である
ことを特徴とする請求項2の製造方法。 - 前記不活性ガス供給工程は、前記チャンバ内の圧力が0.3〜0.7気圧であるよう不活性ガスが前記チャンバ内に供給される工程である
ことを特徴とする請求項3の製造方法。 - 前記プラスチック製容器本体部は肉厚が0.1〜1mmであり、前記シールのフィルムは厚さが5〜100μmである
ことを特徴とする請求項4の製造方法。 - (前記物の容積)/(前記プラスチック製容器本体部の内容積)=10%〜85%であるよう前記物が入れられてなる
ことを特徴とする請求項5の製造方法。 - 前記シール工程の前に前記物は前記プラスチック製容器本体部内に入れられる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの製造方法。 - 前記物は食品である
ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかの製造方法。 - 前記不活性ガスが窒素ガス及び炭酸ガスの群の中から選ばれるガスである
ことを特徴とする請求項1〜請求項8いずれかの製造方法。 - 前記不活性ガス供給工程は、
前記シール工程でシールされたフィルムが、前記加熱工程前において、凹状に凹んだ状態にあり、70℃で45分間の条件下で加熱が行われた前記加熱工程後において、前記プラスチック製容器本体部に変形が実質上起きておらず、又、前記シールされたフィルムが実質上凸状に膨れておらず、かつ、前記シールされたフィルムが実質上平坦であるよう、不活性ガスが供給される工程である
ことを特徴とする請求項1〜請求項9いずれかの製造方法。 - 前記請求項1〜請求項10いずれかのプラスチック製容器の内部に物が入れられた製品の製造方法に用いられる製造装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に前記プラスチック製容器の本体部を搬送する搬送手段と、
前記チャンバ内の気体を排気する排気手段と、
前記チャンバ内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
前記チャンバ内に供給する不活性ガス量を制御する制御手段と、
前記プラスチック製容器本体部の開口部をフィルムでシールするシール手段と、
前記プラスチック製容器本体部内の物を加熱する加熱手段
とを具備することを特徴とする製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013138019A JP2015009872A (ja) | 2013-07-01 | 2013-07-01 | 製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101910386B1 (ko) * | 2016-09-21 | 2018-10-22 | 국방과학연구소 | 내압 조절 장치를 구비한 밀폐 케이스 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH04201814A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-22 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 混合ガスによる容器内圧の制御方法 |
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JP2000229667A (ja) * | 1999-02-10 | 2000-08-22 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 包装体 |
-
2013
- 2013-07-01 JP JP2013138019A patent/JP2015009872A/ja active Pending
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