JP2015009521A - 発光印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光下で観察される画像と、紫外線長波を照射して出現する画像と、紫外線短波を照射して出現する画像が全く相関のない異なる画像にチェンジする印刷物であって、製造の難易度が低く、かつ、安定した連続製造が可能でデザイン上の制約が少ない発光印刷物を提案することを目的とする。
【解決手段】基材上の一部に印刷画像を備え、基材は紫外線長波照射時の反射率が紫外線短波照射時の反射率より大きい特性を有し、印刷画像は潜像画像の上に可視画像が重ね合わさり、潜像画像は透明又は基材と等色で紫外線長波吸収能を有した第1のインキで形成、可視画像は基材と異なる色の紫外線発光能を有した第2のインキで形成、かつ、網点の大きさの差により潜像領域と周辺領域に区分けされ、潜像領域と周辺領域は網点面積率を等しくすることで等色に形成、かつ、単位面積あたりに含まれる網点周囲長が異なる。
【選択図】図5

Description

本発明は、偽造防止効果を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、パスポ−ト、有価証券、身分証明書、カ−ド、通行券等の貴重印刷物の分野において、可視光下で観察できる画像が、紫外線を照射した場合に全く異なる画像に変化する発光印刷物に関わるものである。
蛍光体、燐光体、蓄光体等に代表される、いわゆる紫外線励起発光体は、紫外線を照射することで励起して発光する特性を有している。この発光という現象は、容易に目視確認可能であるとともに、コピ−機による複写物や家庭用プリンタ−による出力物では再現が困難であるため、銀行券や諸証券等のセキュリティ印刷物に対して、真正品と偽造品を区別するための真偽判別要素の一つとして、従来から広く用いられてきた。
発光体印刷の真偽判別技術としての優位性は、かつては限られた専門業者や特殊印刷に従事する者しか発光体を入手できないという材料自体の入手難易度に依存している面があった。しかし、昨今、発光体は雑貨量販店等において比較的安価で販売されており、特殊印刷に従事することのない一般人であっても様々な種類の発光体を容易に入手することができる状況になっているため、紫外線を照射することで発光画像が出現するだけの効果しか有さない、単純な発光画像を形成する技術であって、偽造防止技術としての価値は大きく低下してきている。
これらの事情を鑑み、紫外線を照射した場合に、従来のような単純な発光画像ではなく、複雑な画像構成と特殊な機能性材料を用い、よりユニ−クな視覚効果を実現した発光画像やその形成方法が開示されている。それらの技術の一例を示す。
本出願人はすでに、曲線の集合模様を、潜像を施さない部分は連続線、潜像を施した部分は分岐した分断線で構成し、それぞれの部分の面積率が等しく、有色蛍光インキで印刷することを特徴とする複写防止模様を有する印刷物であって、可視光下で観察した場合には単なる曲線の集合模様として認識されるが、紫外線を照射することで、潜像が周辺よりも強く発光することを特徴とする印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人はすでに、紫外線領域の異なった波長域で発光強度が著しく異なる励起特性を有する発光体を使用し、ある一定の波長域の第一の紫外線を照射した際に発現する発光画像と、第一の紫外線と異なる波長域の第二の紫外線を照射した際に発現する発光画像とを、それぞれ所定の網点面積率や画線ピッチ等に差異を設けた異なる構成で印刷し、その上に紫外線吸収剤を刷り合わせて、第一の波長の紫外線と、第二の波長の紫外線とで発光画像をチェンジさせる画像形成体を出願している(例えば、特許文献2参照)。
特許第4085175号公報 特許第4635170号公報
特許文献1に記載の技術は、1種類の有色蛍光インキで形成されているにもかかわらず、潜像だけを極めて微細な画素で構成することによって、目視上、単なる曲線の集合として認識される画像の中で、潜像が周囲より強く発光するという優れた特徴を有している。しかしながら、紫外線の照射によって、曲線の集合の中に潜像画像が出現するものの、一つの画像から異なる画像へと画像自体が変化するような画像のチェンジ効果は有さず、画像の変化が乏しいという問題があった。
特許文献2に記載の技術は、通常光下でAという画像が見えていたとすると、例えば紫外線長波を照射した場合にはAが消失してBという画像が出現し、例えば紫外線短波を照射した場合にはCという画像が出現する、より高度な画像のチェンジ効果を有する技術であって、従来の技術と比較すると、観察に用いる光の波長に応じてそれぞれ異なる画像が視認できる、優れた効果を有している。しかし、この技術を形成するにあたっては、二つの画像の位置関係を厳密に合わせる必要があり、高い刷り合わせ精度が必要であった。また、発光インキの発光強度をそれぞれの波長に合わせて調整する必要があり、発光インキの作製が困難であった。加えて、可視画像や発光画像は、比較的単純な二値画像に制限され、デザイン上の制約が大きいという問題があった。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、可視光下で観察される画像と、紫外線長波を照射して出現する画像と、紫外線短波を照射して出現する画像とが全く相関のない異なる画像であることを特徴とする画像のチェンジ効果に優れた発光印刷物であって、製造の難易度が低く、かつ、安定した連続製造が可能で、デザイン上の制約が少ない発光印刷物に関する。
本発明における発光印刷物は、基材上の少なくとも一部に、網点で形成された印刷画像を備え、基材は、紫外線長波照射時の反射率が紫外線短波照射時の反射率より大きい特性を有し、印刷画像は、第一の有意情報を有した潜像画像の上に、可視画像が重ね合わさって成り、潜像画像は、透明又は基材と等色で紫外線長波吸収能を有した第1のインキで形成され、可視画像は、紫外線長波及び紫外線短波を照射することで発光する発光能を有した基材と異なる色の第2のインキで形成され、かつ、網点の大きさの差により潜像領域と周辺領域に区分けされて第二の有意情報が形成され、潜像領域と周辺領域は、網点面積率を等しくすることにより等色に形成され、かつ、単位面積あたりに含まれる網点周囲長が異なり、紫外線長波を照射した場合には、第一の有意情報が視認され、紫外線短波を照射した場合には、潜像領域と周辺領域とに区分けされ第二の有意情報が視認されることを特徴とする。
本発明における発光印刷物は、潜像領域と周辺領域とは、単位面積あたりに含まれる網点周囲長が2倍以上異なることを特徴とする。
本発明における発光印刷物は、可視画像が、網点の集合による画線で形成され、可視画像を構成する潜像領域と周辺領域のどちらか一方が一本の連続線、他方が分岐及び/又は分断された画線であることを特徴とする。
本発明における発光印刷物は、 一本の連続線の中心と分岐及び/又は分断された画線の中心の位相が一致して配置されたことを特徴とする。
本発明における発光印刷物は可視画線が、画線の一部の位相を異ならして形成したレリーフ模様によって表したことを特徴とする。
本発明の発光印刷物において、印刷画像に紫外線長波を照射した場合に出現する画像と、紫外線短波を照射した場合に出現する画像の二つの画像は、全く相関のない異なる画像であり、照射する光の波長に応じた画像のチェンジ効果を有する。この画像のチェンジ効果は、従来技術のように一つの画像と他の画像とが重なり合って出現することはなく、照射する紫外線の波長に応じてそれぞれ二つの画像が完全に別々に絶縁表示される。また、出現する二つの画像のいずれも視認性が高いため、真偽判別性に優れる。
本発明の発光印刷物において、印刷画像を形成する二つの画像は従来技術のような高精度な刷り合わせを必要とせず、二つの画像が単純に重なり合って入れば良い。また、可視画像の形成に使用する発光インキも、単に紫外線長波と短波を照射した場合に発光する特性を有すれば良く、発光インキの作製は容易である。以上のことから、製造の難易度が低く、安定した連続製造が可能である。
本発明の発光印刷物においては、紫外線長波を照射した場合に出現する画像は、階調制限を設ける必要はなく、文字やマーク等の二値画像はもちろん、人物や風景等の階調表現域が極めて広い多諧調画像を容易に表現できる。以上のように、紫外線長波を照射した場合に出現する画像は、従来の技術と比較してデザイン上の自由度が高い。
以上の手法で形成した発光印刷物は、生産性の高い印刷方式であるオフセット印刷で製造可能であることからコストパフォ−マンスに優れ、また最新のデジタル機器を用いたとしても発光画像の再現は不可能であることから、偽造防止効果に優れる。
本発明における発光印刷物を示す。 本発明における発光印刷物の構成の概要を示す。 本発明における可視画像の構成を示す。 本発明の発光印刷物が観察条件の違いによって視認できる画像を説明するための図面である。 周囲長の違いによって生じる発光面積を説明する図を示す。 本発明における発光印刷物を示す。 本発明における発光印刷物の構成の概要を示す。 本発明における可視画像の構成を示す。 本発明における潜像画線と周辺画線の構成を示す。 本発明における潜像画線と周辺画線が発光した状態を示す。 本発明における潜像画線と周辺画線の構成の一例を示す。 本発明の発光印刷物が観察条件の違いによって視認できる画像を説明するための図面である。 本発明の一実施例における発光印刷物を示す。 本発明の一実施例における発光印刷物の構成の概要を示す。 本発明の一実施例における周辺領域の構成を示す。 本発明の一実施例における潜像領域の構成を示す。 本発明の発光印刷物が観察条件の違いによって視認できる画像を説明するための図面である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他のいろいろな実施の形態が含まれる。
(第一の実施の形態)
図1に、本発明における発光印刷物(1)を示す。発光印刷物(1)は、基材(2)の上に、基材(2)と異なる色を有する印刷画像(3)が形成されて成る。基材(2)は透明であっても不透明であってもよく、着色されていても問題ない。また、基材(2)は、紫外線長波の反射率が紫外線短波の反射率より大きい特性を有する必要があるが、一般の印刷に用いられる上質紙やコート紙、プラスティック等はこの特性を満たしているため、基材(2)として、特殊な金属等を用いるのでなければ基材(2)の素材に関しては特に配慮は必要ではない。
本明細書でいう基材(2)が備えるべき、「紫外線長波の反射率が紫外線短波の反射率より大きい特性」とは、紫外線長波領域(中心波長365nm±20nm)における赤外線反射率の積分値が、紫外線短波領域(中心波長254nm±20nm)における赤外線反射率の積分値の1.3倍以上であることとする。一例として、一般的な上質紙やコート紙の場合、この値は1.5倍〜3倍程度である。
また仮に、紫外線長波の反射率が紫外線短波の反射率より大きい基材(2)を用いない場合でも、紫外線長波の反射率が紫外線短波の反射率より大きい特性を有する材料(紫外線長波より紫外線短波を強く吸収する特性を有する材料)であらかじめ基材(2)に印刷したり、コーティングして下地を形成して前述の特性を基材(2)に付与したりすればよい。前述のような特性を有している樹脂は多数存在することから、その中から基材(2)との相性に応じて選択すればよい。
印刷画像(3)は、透明以外で基材と異なる色であれば良く、基材(2)の中に収まる限り、大きさにも制限はない。なお、図1の発光印刷物(1)の印刷画像(3)の中には、アルファベットの「B」の文字が見える画像となっているが、この図は説明をわかり易くするための画像であって、実際の印刷画像(3)を可視光下で観察した場合にはアルファベットの「B」の文字は観察できない。
まず、本発明の印刷画像(3)の構成を図2に示す。印刷画像(3)は、可視画像(4)と、第一の有意情報を有した潜像画像(5)から成る。本実施の形態では、可視画像(4)は濃淡の変化のないフラットな画像であって、可視画像(4)が有意情報を備えない形態について説明する。可視画像(4)は基材(2)と異なる色彩を有して成り、潜像領域(7)及び周辺領域(6)から成る。潜像領域(7)及び周辺領域(6)の具体的な構成については後述する。潜像画像(4)は、複数の網点や画線、画素等から構成され、基材と同じ色彩か、透明な色彩である必要がある。第一の実施の形態における第一の有意情報とはアルファベットの「A」の文字であり、第二の有意情報とはアルファベットの「B」の文字である。
可視画像(4)は、紫外線を照射することで発光する、いわゆる紫外線発光能を有し、潜像画像(5)は紫外線長波を吸収する、いわゆる紫外線長波吸収能を有する必要がある。潜像画像(5)を構成する網点の構成には、特段の制約はなく、その大小や粗密によって、画像が表現できれさえいれば、AMスクリーンでもFMスクリーンでも良い。また、網点を集合させて形成した画線や、画素等を用いて潜像画像(5)を構成したとしても何ら問題ない。加えて、それぞれの網点の相互の位置関係等にも制約はない。以上が、本発明の印刷画像(3)の構成の概要である。
本発明における「網点」とは、印刷画像を形成する最小単位の小さな点のことである。これらを特定の方向に一定の距離連続して配置した点線や破線の分断線、直線、曲線及び破線を画線とし、少なくとも一つの印刷網点又は印刷網点を複数集めて一塊にした円や三角形、四角形を含む多角形、星形等の各種図形、あるいは文字や記号、数字等を画素とする。すなわち、網点の組み合わせの構成によって画線や画素が構成される。
本発明の印刷画像(3)は、まず基材(2)側上に、紫外線長波吸収能を有する潜像画像(5)を形成し、潜像画像(5)の上に紫外線発光能を有する可視画像(4)を重ねて形成する構造となっている。印刷画像(3)の積層順序はこの順序で重ね合わせる必要があり、画像の層が入れ替わった場合には、本発明の意図する効果は失われる。
ここで可視画像(4)の構成について図3を用いて具体的に説明する。可視画像(4)は、可視光下では第二の有意情報を完全に隠蔽する一方、紫外線長波照射時には画像全体が目視上均一に発光し、紫外線短波照射時には第二の有意情報を出現させる効果を有する。可視画像(4)の励起波長は、紫外線の長波(中心波長365nm)から短波(中心波長254nm)までを少なくとも含んでいる必要がある。発光の形態は蛍光、燐光、蓄光のいずれであってもよく、発光波長は可視領域でも赤外領域のような不可視領域でも問題ない。ただし、認証性を考慮すると、可視領域に発光波長を有するものが望ましい。また、紫外線長波を照射した場合の発光強度よりも、紫外線短波を照射した場合の発光強度が高いことが望ましい。この理由については後述する。
可視画像(4)中の潜像領域(7)及びそれと隣接する周辺領域(6)は、可視光下で第二の有意情報を隠蔽するために目視上等色である必要があり、すなわち、潜像領域(7)及び周辺領域(6)とは、同じ網点面積率で構成される必要がある。しかし、その一方で、図3(a)の網点の拡大図に示すように、潜像領域(7)と周辺領域(6)は、それぞれを構成する網点の構造が異なる必要がある。すなわち、それぞれの領域に含まれる網点の単位面積あたりの周囲長が異なる必要がある。
以下に、潜像領域(7)と周辺領域(6)の構成について図3(a)を用いて具体的に説明する。図3(a)の拡大図において、潜像領域の網点(9)は直径Rであり、周辺領域の網点(8)の直径は、潜像領域の網点(9)直径の3倍の3Rである例で説明する。なお、第一の実施の形態において、潜像領域の網点(9)が、周辺領域の網点(8)よりも小さい例を用いて説明するが、単に潜像領域の網点(9)と周辺領域の網点(8)の周囲長が異なってさえいれば良い。逆に、潜像領域の網点(9)が周辺領域の網点(8)よりも大きくとも問題ない。
本発明の発光印刷物(1)において潜像領域(7)及び周辺領域(6)とは、単位面積当たりの網点面積を同じ値で構成する必要がある。例えば、図3(a)の網点の拡大図に示す点線で囲った周辺領域(6A)と潜像領域(7A)とは等しい面積であるから、この点線で囲った周辺領域(6A)と潜像領域(7A)の中に含まれる潜像領域の網点(9)の網点面積の合計と、周辺領域の網点(8)の網点面積の合計は同じ値である必要がある。図3(a)の例において、潜像領域の網点(9)の1個あたりの面積は(πR)/4であり、周辺領域の網点(8)の1個あたりの面積は(9πR)/4である。よって、点線で囲った周辺領域(6A)の網点面積率は、3×9(πR)/4=27(πR)/4であり、点線で囲った潜像領域(7A)の網点面積率は、27×(πR)/4=27(πR)/4であって、同じ値である。
また、本発明の発光印刷物(1)において潜像領域(7)及び周辺領域(6)とは、単位面積当たりの網点周囲長を異なる値で構成する必要がある。本明細書で言う周囲長とは、印刷されて形成される網点や画線、画素等が非印刷部と接している境界の長さを言い、網点が対象の場合には網点周囲長と呼ぶ。単位面積当たりの網点周囲長とは、一定の面積中に含まれる、すべての網点の網点周囲長の合計の長さを指す。例えば、図3(a)の網点の拡大図に示す点線で囲った周辺領域(6A)と潜像領域(7A)とは等しい面積であるから、この中に含まれるそれぞれの領域の網点周囲長は異なっている必要がある。図3(a)の例において、点線で囲った潜像領域(7A)に含まれる潜像領域の網点(9)の数は27個、点線で囲った周辺領域(6A)に含まれる周辺領域の網点(8)の数は3個である。潜像領域の網点(9)の直径はRであるから網点1個あたりの網点周囲長はπRである。周辺領域の網点(8)の直径は3Rであるから網点1個あたりの網点周囲長は3πRである。周囲長は点線で囲った領域における潜像領域の網点(9)の網点周囲長は、πR×27=27πRであり、周辺領域の網点(8)の網点周囲長は3πR×3=9πRである。よって、図3(a)の拡大図において、単位面積当たりの網点周囲長は、潜像領域(7)が大きく、周辺領域(6)と比較して3倍の長さがある。本発明において、周辺領域の網点(8)の単位面積当りの網点周囲長と潜像領域の網点(9)の単位面積当りの網点周囲長には、互いの長さに大きな差がある必要があるが、網点周囲長の差が2倍以上の長さがあれば十分な効果をえることができる。このように単位面積当りの網点周囲長に差を設ける理由については後述する。
なお、単位面積当りの網点周囲長を変える一般的な方法としては、図3(a)に示したように、それぞれの領域を構成するそれぞれの網点自体の大きさを(面積)を変える方法がある。ただし、単位面積当たりの網点周囲長を変える方法は、網点自体の大きさを変える方法に限定されるわけではなく、例えばそれぞれの網点の面積自体は同じとして網点の形状を変えることで、単位面積当りの網点周囲長を変えることもできる。図3(b)に示すのは、周辺領域の網点(8)と潜像領域の網点(9)を同じ面積の網点で構成しながらも、それぞれの網点(8、9)を異なる形状とすることで周囲長を大きく異ならせた例である。
以上のように、周辺領域(6)と潜像領域(7)の構成にあたっては、網点面積率を同じ値として、かつ網点周囲長に大きな差異を設けて形成する必要がある。
可視画像(4)は基本的にほとんど濃度変化のないフラットな画像とすることが望ましい。仮に、濃淡の変化を設ける場合でも濃淡差は小さく留める必要がある。可視画像(4)の中に、第一の有意情報及び第二の有意情報とは異なる、第三の有意情報を付与することはできるが、この場合での大きな濃淡差をもって表現することは望ましくない。これは、紫外線を照射した場合にも第三の有意情報が可視化され、第一の有意情報や第二の有意情報と同時に出現することなり、不明瞭な画像となるためである。可視画像中の濃淡差は網点面積率の大小によって形成することができるが、前述の理由により、可視画像(4)中の階調表現域(最大面積率と最小面積率の差異)は10%以下に留めることが望ましい。可視画像(4)の中に第三の有意情報を付与する場合には、紫外線照射時に悪影響を及ぼす網点面積率の大小による付与よりも、レリーフ構造のような、面積率を変化させずに情報を付与する手法を用いることが望ましい。この手法の具体例については実施例1で後述する。
可視画像(4)の可視光下での色彩は、基材と異なる色彩を有していれば、透明以外の如何なる色彩であっても良い。ただし、黒や紺のような色彩で、かつ高い濃度である場合には、紫外線を照射して発光した場合に、発光が吸収されて発光強度が大きく低下することから、著しく濃い濃度にすることは望ましくない。また、可視画像(4)の紫外線照射時の色彩は、如何なる色彩であっても良い。基本的に可視画像(4)を形成した網点中に含まれる着色顔料の種類とその配合割合によって決定され、発光色と発光強度とは基本的に可視画像(4)を形成した網点中に含まれる発光顔料の種類とその配合割合によって決定される。必要に応じて、インキ中に任意の着色顔料と発光顔料を配合し、可視画像(4)を形成すれば良い。
次に、潜像画像(5)に要求される性能について具体的に説明する。潜像画像(5)は可視光下で不可視であって、紫外線長波を吸収する紫外線長波吸収能を備える必要がある。なお、紫外線長波を吸収する紫外線長波吸収能を備えることは必須であるが、このような紫外線長波吸収能を備える材料は、紫外線短波も吸収する特性を備えている場合がほとんどである。本発明の潜像画像(5)については、紫外線長波吸収能さえを備えていれば、紫外線短波吸収能も同時に有していても問題ない。また、潜像画像(5)は印刷画像(3)中に形成されているにもかかわらず、可視光下では視認されてはならない。よって、潜像画像(5)は、透明であるか、あるいは基材(2)と等色である必要がある。
紫外線吸収能は、特定の顔料や樹脂を用いることで付与することができる。紫外線吸収能を有する材料の一例を挙げる。顔料として用い得る無機系紫外線吸収材としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄等が代表的であり、これらは特に高い紫外線吸収特性を有している。また、ハロゲン、カルボニル基、ベンゼン環、不飽和基等を含む有機化合物はいずれも少なからず紫外線を吸収する特性を有しているが、サリチル酸系吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤、シアノアクリレ−ト系紫外線吸収剤等が代表的である。特にベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤は紫外線長波領域(波長400nm〜300nm)に顕著な吸収特性を有していることで知られている。潜像画像(5)には上記の材料を用いて形成することができる。
これらの顔料や樹脂の特性を利用して、紫外線吸収能を有するインキを作製して潜像画像(5)を印刷すればよい。ただし、印刷適性や堅牢性、耐光性等を考慮すると、樹脂成分に長期にわたって紫外線吸収能を担保させることは困難であると考えられることから、顔料に無機系紫外線吸収材を用いて紫外線吸収能を担保させる形態のインキが最も好ましい。
また、ポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカ−ボネイト樹脂、アミノアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合体、ゼラチン、ポリビニルアルコ−ル等の樹脂は、紫外線長波の反射率が紫外線短波の反射率より大きい特性を持っていることで知られている。基材(2)が金属等の場合、これらの材料を用いて下地を形成することができる。
以上のような構成の潜像画像(5)の上に、可視画像(4)を重ね併せて形成する。可視画像(4)と潜像画像(5)の重ね合わせの位置関係については二つの画像が単に重ね合わさってさえいれば良く、精密な刷り合わせは必要ない。
以上のような構成で形成した発光印刷物(1)の効果について図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、太陽や蛍光灯等の一般的な可視光源(10)から照射される可視光下の観察で本発明の発光印刷物(1)を観察した場合、印刷画像(3)の中に透明あるいは基材と等しい色で形成された潜像画像(5)は視認できず、基材(2)と異なる色を有する可視画像(4)だけが視認できる。
また、図4(b)に示すように、紫外線長波(12L)を照射して本発明の発光印刷物(1)を観察した場合、印刷画像(3)の中に潜像画像(5)の表す第一の有意情報が出現する。この効果が生じる原理は以下の通りである。紫外線長波(12L)が照射されると、発光能を有する可視画像(4)全体が均一に発光する。しかし、可視画像(4)に照射された紫外線長波(12L)は、そのすべてが可視画像(4)の励起のために一度に使い果たされるのではなく、可視画像(4)の励起に寄与しなかった紫外線長波(12L)は、可視画像(4)を通過し、基材(2)面で再び反射されて、可視画像(4)へと戻ってくる。このとき、可視画像(4)下には、紫外線長波吸収能を有する潜像画像(5)が存在するため、可視画像(4)下に潜像画像(5)がある場合には、紫外線長波(12L)は吸収され、一方の潜像画像(5)がない場合には、紫外線長波(12L)は基材(2)で反射されて可視画像(4)へ再度帰ってくる。紫外線長波(12L)が再反射されるか否かによって、可視画像(4)の発光強度に強弱が生まれ、潜像画像(4)の第一の有意情報が可視化される。
次に、図4(c)に示すように、紫外線短波(12S)を照射して本発明の発光印刷物(1)を観察した場合、第一の有意情報は視認できず、可視画像(4)の中に隠蔽されていた第二の有意情報が出現する。潜像領域(7)と周辺領域(6)は、網点面積率は等しいが、単位面積当たりの網点周囲長の異なる構成であるため、発光面積に違いが生じ、発光強度の差が生まれる。具体的には潜像領域(7)は相対的に強く発光し、周辺領域(6)は相対的に弱く発光する。これは、発光に伴う光の放射によって、それぞれの網点の面積が擬似的にドットゲインすることに起因する。例えば、図5に示すように、直径がRである潜像領域の小さな網点(9)であっても、直径が3Rである周辺領域の大きな網点(8)であっても、網点の端部から光が放射される距離(ΔL)は同じであるため、小さな網点で密に形成された潜像領域(7)のほうが、大きな網点で疎に形成された周辺領域(6)よりもドットゲインは大きくなり、結果として強く発光することとなる。なお、仮に小さな網点で密に形成されていたとしても、網点同士が繋がっていた場合にはこの発光によるドットゲインは大きくならないため、本発明においては網点周囲長をドットゲインの大小を制御するパラメータとして利用している。以上の原理によって、第二の有意情報が可視化される。また、紫外線短波(12S)は紫外線長波(12L)と異なり、基材(2)である一般的な上質紙やコート紙、プラスティック等に吸収される波長域のエネルギーであるため、可視画像(4)を通過した紫外線短波(12S)は潜像画像(5)だけに選択的に吸収されるのでなく、基材(2)によっても同様に吸収されるために、基材(2)からの再反射はほとんど生じず、潜像画像(5)は可視化されず、不可視のままである。
以上のように、可視光下の観察では可視画像(4)が視認され、紫外線長波(12L)を照射して観察した場合には潜像画像(5)が表す第一の有意情報が出現し、紫外線短波(12S)を照射して観察した場合には可視画像(4)中に第二の有意情報が出現する。これが本発明の発光印刷物(1)の効果であり、観察条件を変えることで第一の有意情報と第二の有意情報が混ざり合うことなく、完全にチェンジして観察できることを最大の特徴とする。
なお、可視画像(4)は、紫外線長波(12L)及び紫外線短波(12S)で発光するため、その発光強度の大小によっては紫外線長波(12L)を照射した場合でも第二の有意情報が可視化される場合もある。ただし、擬似的なドットゲインによって生じる発光強度の強弱と比較して、紫外線が吸収されるか否かで生じる発光強度の強弱のほうが著しく強いため、仮に紫外線長波(12L)照射時に第二の有意情報が可視化されたとしても、第一の有意情報のコントラストによって隠蔽され、観察者がその画像を認識することは難しく、結果として第一の有意情報のみが支配的に視認される。
紫外線短波(12S)照射時の第二の有意情報の視認性は、紫外線短波(12S)照射時の可視画像(4)の発光強度に依存するため、より高いチェンジ効果を実現したい場合には、紫外線長波(12L)を照射した場合の可視画像(4)の発光強度よりも、紫外線短波(12S)を照射した場合の可視画像(4)の発光強度が強くなるような励起特性とすればよい。
(第二の実施の形態)
続いて、第一の実施の形態で説明した、可視画像を網点によって形成した例と異なり、可視画像を画線によって形成した例について説明する。本実施の形態において、特に説明しない事項については、第一の実施の形態と同じである。
図6に、本発明における発光印刷物(1´)を示す。発光印刷物(1´)は、基材(2´)の上に、基材(2´)と異なる色を有する印刷画像(3´)が形成されて成る。図6に示す発光印刷物(1´)の印刷画像(3´)の中には、アルファベットの「OK」の文字が見える画像となっているが、この図は説明をわかり易くするための画像であって、実際の印刷画像(3´)を可視光下で観察した場合にはアルファベットの「OK」の文字は観察できない。
まず、本発明の印刷画像(3´)の構成を図7に示す。印刷画像(3´)は、可視画像(4´)と、第一の有意情報を有した潜像画像(5´)から成る。本実施の形態では、可視画像(4´)は濃淡の変化のないフラットな画像である形態について説明する。可視画像(4´)は基材(2´)と異なる色彩を有して成り、潜像領域(7´)及び周辺領域(6´)から成る。潜像画像(4´)は、複数の網点から構成され、画線や画素等で構成しても良く、基材(2´)と同じ色彩か、透明な色彩である必要がある。第二の実施の形態における第一の有意情報とはアルファベットの「National Printing Bureau」(商標登録番号:4657834号)の文字であり、第二の有意情報とはアルファベットの「OK」の文字である。また、可視画像(4´)は、第一の実施の形態と同様に紫外線発光能を有し、潜像画像(5´)は紫外線長波吸収能を有する必要がある。
本発明の印刷画像(3´)は、まず基材(2´)側上に、紫外線長波吸収能を有する潜像画像(5´)を形成し、潜像画像(5´)の上に紫外線発光能を有する可視画像(4´)を重ねて形成する構造となっている。
可視画像(4´)は、可視光下では第二の有意情報を完全に隠蔽する一方、紫外線長波照射時には画像全体が目視上均一に発光し、紫外線短波照射時には第二の有意情報が出現する効果を有する。具体的な光学特性は第一の実施の形態の例と同様であるから省略する。
図8に示すように、第二の実施の形態の可視画像(4´)は、複数の画線の集合によって形成されて成る。可視画像(4´)中の潜像領域(7´)及びそれと隣接する周辺領域(6´)は、画線が複数集合して構成されて成るが、潜像領域(7´)と周辺領域(6´)とでは画線の構造が大きく異なる。この画線のうち、周辺領域(6´)を構成する画線を周辺画線(8´)とし、潜像領域を構成する画線を潜像画線(9´)とする。以上のように、第二の実施の形態の第一の実施の形態との最も大きな違いは、可視画像(4´)が網点で形成されているか、画線で形成されて成るかである。
周辺画線(8´)と潜像画線(9´)とは、図8に示すように、切れ目無く繋がって見えることから、目視上連続した一本の画線として視認される。しかし、図9の拡大図に示すように、潜像画線(9´)と前述の周辺画線(8´)は画線構造が異なっており、具体的には単位長さ当りの画線周囲長が異なっている。また、潜像画線(9´)の端部と周辺画線(8´)の端部は、隣接又は近接し、かつ、潜像画線(9´)の中心と周辺画線(8´)の中心の位相は略一致して成る。以上のように、潜像画線(9´)と周辺画線(8´)が組み合わさって形成された画線が、特定のピッチ(P1)で複数配置されて可視画像(4´)を形成して成る。第二の実施の形態において、例として潜像画線(9´)が周辺画線(8´)よりも細かく分岐及び分断された構造を有した例で説明するが、逆に周辺画線(8´)が、潜像画線(9´)がより微細な構造を有していてもよい。
図9の具体的な画線構成について説明する。周辺領域(6A´)は画線幅Hの周辺画線(8´)によって構成され、潜像領域(7A´)は幅A/8、高さHの最小単位の画線(13´)に分岐した分断線(以下「分岐分断」という。)の潜像画線(9´)によって構成されて成る。例えば、周辺画線(8´)の長さAあたりの画線面積率はAHであり、潜像画線(9´)の長さAあたりの画線面積率は8×AH/8=AHで同じであり、周辺画線(8´)と潜像画線(9´)の単位長さ当りの画線面積は同じである。一方、この等しい面積中における画線周囲長は、周辺画線(8´)では2A+2Hであり、潜像画線(9´)では2A+16Hであり、潜像画線(9´)のほうが長い。以上のように、周辺領域(6)と潜像領域(7)の構成にあたっては、構造の異なる画線を用いて、画線面積率を同じ値として画線周囲長に大きな差異を設け、かつ、形成する必要がある。
以上のような構成とした周辺画線(8´)と潜像画線(9´)は、可視光下では連続した一本の画線として認識されるが、紫外線を照射した場合には第一の実施の形態の例と同様に潜像画線(9´)は相対的に強く発光し、周辺画線(8´)は相対的に弱く発光するために、一本の画線の中に発光の強弱が生まれる。これは図10に示すように、第一の実施の形態の例と同様に、画線の端部から光が放射される距離(ΔL)は同じであるため、小さな画素(13)で密に形成された潜像画線(9´)のほうが、分断も分岐もされず連続した画線で形成された周辺画線(8´)よりもドットゲインは大きくなり、結果として強く発光するためである。また、第一の実施の形態のように網点で可視画像(4´)を形成するよりも、第二の実施の形態のように画線で可視画像(4´)を形成したほうが、周囲長の差異は大きくなる傾向にあるために、第二の有意情報の視認性は第二の実施の形態がより優れる。
周辺画線(8´)と潜像画線(9´)は、単位長さ当たりの面積が等しく、かつ、画線周囲長が大きく異なっていればよく、例えば図11の(a)から(e)のような様々な構造の画線を組み合わせても良い。(a)は一本の画線と分断線を組み合わせた例であり、(b)は一本の画線と分岐線を組み合わせた例であり、(c)は一本の画線と三本分岐分断線を組み合わせた例であり、(d)は一本の画線と骨形状の画線を組み合わせた例であり、(e)は一本の画線と微小文字を組み合わせた例である。
紫外線短波照射時に出現する第二の有意情報の視認性は、周辺画線(8´)と潜像画線(9´)の画線周囲長の差の大小に依存するため、図11の例でいうと(c)が最も効果が高くなる画線の組み合わせであるが、その他の構造においても本発明の意図する効果は生じる。
可視画像(4´)の可視光下での色彩は如何なる色彩であっても良く、また、可視画像(4´)の紫外線照射時の色彩は、如何なる色彩であっても良い。潜像画像(5´)の構成や使用可能な吸収材料等については第一の実施の形態と同じであることから省略する。
以上のような構成の可視画像(4´)を潜像画像(5´)の上に重ね併せて形成する。可視画像(4´)と潜像画像(5´)の重ね合わせの位置関係については、二つの画像が単に重ね合わさってさえいれば良く、第一の実施の形態同様に精密な刷り合わせは必要ない。
以上のような構成で形成した発光印刷物(1´)の効果について図12を用いて説明する。図12(a)に示すように、太陽や蛍光灯等の一般的な可視光源(10´)から照射される可視光下の観察で本発明の発光印刷物(1´)を観察した場合、印刷画像(3´)の中に透明あるいは基材と等しい色で形成された潜像画像(5´)は視認できず、基材(2´)と異なる色を有する可視画像(4´)だけが視認できる。
また、図12(b)に示すように、紫外線長波(12L´)を照射して本発明の発光印刷物(1´)を観察した場合、印刷画像(3´)の中に潜像画像(5´)の表す第一の有意情報が出現する。この効果が生じる原理は第一の実施の形態と同様であるから省略する。
次に、図12(c)に示すように、紫外線短波(12S´)を照射して本発明の発光印刷物(1´)を観察した場合、第一の有意情報は視認できず、可視画像(4´)の中に隠蔽されていた第二の有意情報が出現する。この効果が生じる原理は第一の実施の形態と同様であるから省略する。
以上のように、可視光下の観察では可視画像(4´)が視認され、紫外線長波(12L´)を照射して観察した場合には潜像画像(5´)が表す第一の有意情報が出現し、紫外線短波(12S´)を照射して観察した場合には可視画像(4´)中に第二の有意情報が出現する。これが本発明の発光印刷物(1´)の効果であり、観察条件を変えることで第一の有意情報と第二の有意情報が混ざり合うことなく、完全にチェンジして観察できることを最大の特徴とする。
なお、本発明の発光印刷物(1)の構造上の特徴は、紫外線発光能を有する可視画像(4)の下に紫外線長波吸収能を有する潜像画像(5)を形成したことにある。この層構造は、紫外線長波照射時の効果を実現するためではなく、紫外線短波照射時の効果を実現するためにも必要となる。単に紫外線長波照射時の効果だけを実現するのであれば、可視画像(4)の上層に潜像画像(5)があっても、下層に潜像画像(5)があっても紫外線長波吸収の機能は大差無く発揮されるため、いずれの場合も紫外線長波を吸収して第一の有意情報が出現する効果を実現することができる。しかし、一般に紫外線長波吸収能を有する材料は、紫外線短波吸収能も備えているため、可視画像(4)の上層に潜像画像(5)を形成した場合には、紫外線短波を照射した場合でも第一の有意情報が可視化されてしまう。この場合には、紫外線短波を照射して可視化される第二の有意情報と第一の有意情報が混ざって不明瞭な画像として視認されてしまうことから、本発明の画像が完全にチェンジする効果を実現することができない。
しかし、本発明の発光印刷物(1)の作製にあたって、可視画像(4)の下層に潜像画像(5)を形成した場合には、潜像画像(5)が紫外線短波吸収能を備えていたとしても、基材(2)が紫外線長波を反射し、紫外線短波を吸収する特性を有する場合には紫外線短波照射時に第一の有意情報が可視化されない現象を新たに見出した。このため、紫外線発光能を有する可視画像(4)の下に紫外線長波吸収能を有する潜像画像(5)を形成する構造としたことで、照射する紫外線の波長に応じて二つの画像が完全にチェンジする効果が得られる構造を実現することが可能となった。
本発明における「可視光」とは、発光印刷物(1)に波長が400nmから700nmの光を指す。また、「紫外線長波」とは、中心波長を365nmとする400nmから300nmまでの波長帯に含まれる光を指し、「紫外線短波」とは、中心波長を254nmとする200nmから300nmまでの波長帯に含まれる光を指す。
本発明における「色彩」とは、色相、彩度及び明度の概念を含んで色を表したものであり、また、「色相」とは、赤、青、黄といった色の様相のことであり、具体的には、可視光領域(400nm〜700nm)の特定の波長の強弱の分布を示すものである。
以上のような性能を備えた潜像画像(5)、可視画像(4)及び第二の潜像画像(6)を印刷する方式は、いずれの印刷方式であってもよい。本発明の発光印刷物(1)は、オフセット印刷で形成しても十分な効果を発揮するが、フレキソ印刷やグラビア印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリ−ン印刷、インクジェットプリンタ等で形成してもよい。生産性を重視する場合には、オフセット印刷で形成することが望ましい。
可視画像(4)は、紫外線長波及び紫外線短波を照射することで発光する必要があるが、紫外線長波で発光する発光色と、紫外線短波で発光する発光色とが異なっていても良い。 照射する紫外線の波長に応じて可視画像(4)の発光色が変化する特性を有している場合、紫外線長波照射時に出現する第二の有意情報及び紫外線短波照射時に出現する第三の有意情報が異なる色彩で観察できる効果が加わる。このような形態の場合、色彩表現が豊かになるだけでなく、認証性が向上し、かつ、偽造に対する耐性も向上することから、より望ましい。
紫外線長波と紫外線短波を照射した場合に発光色が変わる特性を付与するには、二色性発光顔料を用いて可視画像(4)を構成すれば良い。二色性発光顔料としてはハネウェル・ジャパンの「LUMILUX CD−R/GI」(紫外線長波で赤発光、紫外線短波で黄発光)、「LUMILUX R/G CD770」(紫外線長波で黄発光、紫外線短波で赤発光)、根本特殊化学株式会社製造のDE−RB(紫外線長波で青発光、紫外線短波で赤発光)、DE−RG(紫外線長波で緑発光、紫外線短波で赤発光)、DE−GB(紫外線長波で青発光、紫外線短波で緑発光)、DE−GR(紫外線長波で赤発光、紫外線短波で緑発光)等が販売されている。独自の発光色の組合せを実現したい場合には、任意の色彩で発光する紫外線長波発光能を有する発光材料と、異なる色彩で発光する紫外線短波発光能を有する発光材料を同じインキ中に混合して作製すればよい。
また、潜像画像(5)及び/又は可視画像(4)にIR吸収顔料、フォトクロミック顔料、示温材料、サーモクロミック材料等の機能性材料を加えても良く、この場合、画像のスイッチ効果に加えて各種の機能性を追加することができる。
以下、前述の発明を実施するための最良の形態にしたがって、具体的に作製した発光印刷物の実施例について詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
本実施例は、図13から図17までを用いて説明する。本実施例は、可視画像がレリーフ構造で表された第三の有意情報を備えた例であって、また、第一の有意情報を多階調画像とし、第二の有意情報、第三の有意情報をそれぞれ二値画像とした例である。
図13に、本発明における発光印刷物(1−1)を示す。発光印刷物(1−1)は、基材(2−1)の上に、淡い紫色の印刷画像(3−1)が形成されて成る。基材(2−1)には、一般的な白色上質紙(日本製紙株式会社製)を使用した。
本発明の印刷画像(3−1)の構成を図14に示す。印刷画像(3−1)は、第一の有意情報である、蝶の画像を表した潜像画像(5−1)の上に、第三の有意情報である桜の花びらの模様をレリーフで表した可視画像(4−1)が重なって構成されて成る。可視画像(4−1)の中には、第二の有意情報である、アルファベットの「NIPPON」の文字を備えた潜像領域(7−1)とそれと隣接して第二に有意情報をカモフラージュする周辺領域(6−1)とを備える。
まず、基材(2−1)に、365nmを中心波長とする紫外線長波の吸収能のある金属顔料、チタンを含む白インキ(ベストワン GIGA 白 M−SOYA T&K TOKA製)で、潜像画像(5−1)をウェットオフセット印刷方式によって形成した。潜像画像(5−1)は基材(2−1)と同じ色である白色であり、可視画像(4−1)を形成する前に、基材(2−1)に直接印刷した。この段階で潜像画像(5−1)は白色で基材(2−1)と等色であることから、目視上不可視となった。
可視画像(4−1)は、網点ではなく、画線で構成した。図15に示すように単なる画線で構成した周辺画線(8−1)と図16に示した三本分岐分断画線で構成した潜像画線(9−1)とを目視上同じ一本の連続した画線として認識されるように同じ画線面積率で構成し、且つ画線周囲長が大きくことなるように設計した。また、第三の有意情報となる桜の模様を、可視画像(4−1)中に濃淡を用いずに表現するために、一部の画線の位相を画線方向と略直角方向に異ならして形成する、レリーフ模様と呼ばれる、構造を用いることで表現した。このレリーフ模様は、画線の位相を異ならすことで画線の幅を変えることなく、有意情報を表現することができる公知のテクニックである。第三の有意情報を濃淡で表現した場合には、画線の幅に太細を設ける必要があり、このように形成された画線の太細は紫外線照射時に発光強度の違いを生じてしまい、第三の有意情報が出現してしまう。しかし、このレリーフ模様は画線の位相を異ならすだけであるから、紫外線照射時に出現する画像に影響を与えない。本実施例においては桜の花びらにあたる領域の画線の位相は、ピッチの約二分の一だけ異ならして形成した。
以上の構成の可視画像(4−1)を、赤色の発光インキ(FINE INK CF0060 蛍光レッド No.2 DIC製)を用いて、同じくウェットオフセット印刷方式によって、潜像画像(5−1)上に重ね合わせて印刷した。可視像画像(4−1)は可視光下の観察で赤色に視認され、365nmを中心波長とする紫外線長波を照射すると赤色で発光し、紫外線短波を照射すると同じく赤色で長波照射時よりも強く発光する。
以上の構成で作製した発光印刷物(1−1)の効果について図17を用いて説明する。図17(a)に示すように、可視光下の観察では赤色の可視画像(4−1)が表す第三の有意情報である桜の花びらが視認できた。次に、365nmを中心波長とする紫外線長波を照射して観察した場合には可視画像(4−1)が赤色で発光して第三の有意情報が消失して、潜像画像(5−1)が表す第一の有意情報が発光せず、暗い赤色で視認され、結果として、強い赤の発光の中に、暗い赤色の第二の有意情報である蝶の画像が視認できた。最後に、254nmを中心波長とする紫外線短波を照射して観察した場合には可視画像(4−1)が赤色で発光して第一の有意情報が消失し、可視画像(4−1)中に隠蔽されていた第二の有意情報がより強く発光し、赤色の発光の中に、より強く明るく発光する「NIPPON」の文字が視認できた。
以上のように、観察条件に応じて、第一の有意情報、第二の有意情報及び第三の有意情報が混ざり合うことなく、完全にチェンジして観察できることが確認できた。
1、1´、1−1 発光印刷物
2、2´、2−1 基材
3、3´、3−1 印刷画像
4、4´、4−1 可視画像
5、5´、5−1 潜像画像
6、6´、6−1 周辺領域
7、7´、7−1 潜像領域
8 周辺領域の網点
8´、8−1 周辺画線
9 潜像領域の網点
9、9−1 潜像画線
10、10´10−1 可視光源
11、11´、11−1 観察者の視点
12L、12L´、12L−1 紫外線長波光源
12S、12S´、12S−1 紫外線短波光源
13´ 潜像画線を構成する分断画線の一部

Claims (5)

  1. 基材上の少なくとも一部に、網点で形成された印刷画像を備え、
    前記基材は、紫外線長波照射時の反射率が紫外線短波照射時の反射率より大きい特性を有し、
    前記印刷画像は、第一の有意情報を有した潜像画像の上に、可視画像が重ね合わさって成り、
    前記潜像画像は、透明又は前記基材と等色で紫外線長波吸収能を有した第1のインキで形成され、
    前記可視画像は、紫外線長波及び紫外線短波を照射することで発光する発光能を有した前記基材と異なる色の第2のインキで、単位面積あたりに含まれる網点周囲長が異なることにより潜像領域と周辺領域に区分けされて第二の有意情報が形成され、前記潜像領域と前記周辺領域は、網点面積率を等しくすることにより等色に形成され、
    紫外線長波を照射した場合には、前記第一の有意情報が視認され、
    紫外線短波を照射した場合には、前記潜像領域と前記周辺領域とに区分けされ前記第二の有意情報が視認されることを特徴とする発光印刷物
  2. 前記潜像領域と前記周辺領域とは、単位面積あたりに含まれる前記網点周囲長が2倍以上異なることを特徴とする請求項1記載の発光印刷物。
  3. 前記可視画像が、網点の集合による画線で形成され、
    前記可視画像を構成する前記潜像領域と前記周辺領域のどちらか一方が一本の連続線、他方が分岐及び/又は分断された画線であることを特徴とする請求項1又は2記載の発光印刷物。
  4. 前記一本の連続線の中心と前記分岐及び/又は分断された画線の中心の位相が一致して配置されたことを特徴とする請求項3記載の発光印刷物。
  5. 前記可視画線が、画線の一部の位相を異ならして形成したレリーフ模様によって表したことを特徴とする請求項3又は4記載の発光印刷物。
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