以下、図面に基づいて、実施形態を説明する。
図1は、読み取り装置の一実施形態を示す。
図1に示した読み取り装置10は、読み取り部11と、検出部12と、結合部13とを含んでいる。
読み取り部11は、ライン型のイメージセンサ111を含む。イメージセンサ111は、例えば、JIS(Japanese Industrial Standards)による規格の用紙サイズであるA4判に相当する矩形の短辺の長さに所定のマージンを加えた幅を有し、複数の画素111aを含む。また、読み取り部11は、イメージセンサ111における画素111aの並び方向d2と直交する方向d1に読み取りの対象となる原稿を搬送させつつ読み取りを行うことで、原稿の画像を生成する。なお、読み取り部11は、イメージセンサ111を画素111aの並び方向d2と直交する方向d1に移動させながら読み取りを行うことで、原稿の画像を生成してもよい。
以下の説明は、例えば、A3判の原稿MSを長手方向でほぼ2等分に切断することで得られる2つの断片P1,P2のそれぞれを読み取り部11によって読み取ることで得られる情報から、切断前の原稿MSに相当する画像を生成する場合を示す。なお、A3判の原稿MSは、A4判の原稿の2倍の面積を有し、半分に折ることでA4判の原稿のサイズになる。また、図1に示した断片P1は、原稿MSを第1方向d1に切断することで得られる第1断片の一例であり、断片P2は、原稿MSを第1方向d1に切断することで得られる第2断片の一例である。
図1の例では、断片P1は、原稿MSを切断した部分である切断部から見て左側の断片であり、断片P2は、切断部から見て右側の断片である。また、読み取り部11は、断片P1,P2のそれぞれの切断部の方向である第1方向と用紙が搬送される方向d1とを概ね一致させて読み取る。即ち、図1に示した方向d1は第1方向の一例であり、読み取り部11に含まれるイメージセンサ111における画素111aの並び方向である方向d2は、第1方向に交差する第2方向の一例である。
読み取り部11は、2つの断片P1,P2のそれぞれを読み取る際にイメージセンサ111から取得した情報から、第1画像と第2画像とを生成する。読み取り部11で得られる第1画像及び第2画像は、断片P1,P2の周囲にそれぞれ数十画素〜数百画素程度の背景を含んでいる場合がある。なお、第1画像及び第2画像において、断片P1,P2の周囲の背景に含まれる各画素は、例えば、読み取り部11による読み取りの際に、イメージセンサ111のうち原稿で覆われなかった部分に含まれる各画素111aの出力信号で示される特徴値を持つ。
図2は、図1に示した読み取り部11で得られる第1画像IMG1及び第2画像IMG2の例を示す。なお、図2に示した要素のうち、図1に示した要素と同等のものについては同一の符号で示す。
図2に示した第1画像IMG1及び第2画像IMG2は、図1に示した断片P1、P2の画像をそれぞれ含む。
図1に示した読み取り部11は、例えば、図2に示した第1画像IMG1に含まれる断片P1の画像及び第2画像IMG2に含まれる断片P2の画像に基づいて、断片P1の画像と断片P2の画像とを共通の座標系において表すための相対位置を求める。
読み取り部11は、例えば、第1画像IMG1から断片P1と背景との境界を近似する4つの線分Le1T,Le1L,Le1B,Le1Rを求める。ここで、線分Le1Tは、断片P1の上側の辺に相当し、線分Le1Lは、断片P1の左側の辺に相当し、また、線分Le1Bは、断片P1の下側の辺に相当する。一方、線分Le1Rは、断片P1の切断部と背景との境界E1を近似した線分に相当する。同様に、読み取り部11は、第2画像IMG2から断片P2の画像と背景との境界を近似する4つの線分Le2T,Le2L,Le2B,Le2Rを求める。ここで、線分Le2Tは、断片P2の上側の辺に相当し、線分Le2Rは、断片P2の右側の辺に相当し、また、線分Le2Bは、断片P2の下側の辺に相当する。一方、線分Le2Lは、断片P2の切断部と背景との境界E2を近似した線分に相当する。そして、読み取り部11は、2つの線分Le1R,Le2Lを重ね合わせる位置を、断片P1の画像と断片P2の画像とを共通の座標系において表すための相対位置として求める。
また、読み取り部11は、第1画像IMG1及び第2画像IMG2とともに、求めた相対位置を示す情報を図1に示した検出部12に渡すことが望ましい。なお、読み取り部11において、断片P1の画像と断片P2の画像とを共通の座標系において表すための相対位置を求める手法は、図2に示した線分Le1R,Le2Lを用いる手法に限られない。例えば、読み取り部11は、図2に示した断片P1の頂点A1と断片P2の頂点A2との距離が、切断される前の原稿MSの対角線の長さに相当することを利用して、断片P1の画像と断片P2の画像とを共通の座標系において表すための相対位置を求めてもよい。
図1に示した検出部12は、読み取り部11から、第1画像及び第2画像とともに、第1画像および第2画像にそれぞれ含まれる断片P1の画像と断片P2の画像とを共通の座標系において表すための相対位置を示す情報を受ける。また、検出部12は、相対位置を示す情報に基づいて、第1画像及び第2画像から、2つの断片P1,P2において第1方向d1の同じ位置にあり、第2方向d2に延びる帯状の領域に対応する画像である第1ラインと第2ラインとを取得する。
例えば、検出部12は、図2に示した線分Le1T,Le2Tから第1方向d1に距離D離れた位置に対応して第1画像IMG1および第2画像IMG2にそれぞれ含まれる帯状の領域L1、L2の画像を取得する。以下では、帯状の領域L1,L2の画像は、第1ラインL1および第2ラインL2とも称される。
ここで、図2に示した帯状の領域L1,L2の画像、すなわち第1ラインL1及び第2ラインL2の双方は、原稿MSを切断したことによって断片P1と断片P2とに分割された切断部の情報を共通に含んでいる。しかしながら、第1ラインL1と第2ラインL2とのそれぞれにおいて、断片P1と背景との境界を示すエッジと断片P2と背景との境界を示すエッジとを検出した場合に、検出したエッジの位置が誤差を含んでいる場合がある。そして、検出したエッジの位置に含まれる誤差のために、2つのエッジを示す相対位置は、上述の共通の座標系において互いに一致しない場合がある。例えば、第1ラインL1から検出されたエッジと第2ラインから検出されたエッジとの誤差は、原稿MSが手で引き裂くなどの方法で断片P1,P2に分割された場合のように、断片P1と断片P2とを分割した切断部が、原稿MSである紙の表裏の面に対して斜めに傾いている場合などに発生する。
図3は、エッジの検出誤差の例を示す。なお、図3に示した要素のうち、図1、図2に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示す。
図3(A)は、図1及び図2に示した断片P2と、原稿MSを切断した際に、紙の厚みが斜めにそがれることで現れた切断面C2とを示す。
図3(B)は、図3(A)に示した帯状の領域L2の位置における断片P2の断面を示す。図3(B)において、図3(A)に示した帯状の領域L2に含まれる文字の一部を示すインクの部分を黒く塗りつぶした矩形St2で示した。また、図3(A)に示した紙の切断面C2は、図3(B)において、断片P2の断面の表裏の面を示す辺Ss,Srの端点Eu、Edとを斜めに結ぶ線分に相当する。
図3(C)は、図3(A)に示した帯状の領域L2に対応する第2ラインL2に含まれる各画素の明度値の例を示す。図3(C)において、横軸Xは、図1に示した読み取り部11に含まれるイメージセンサ111における画素の並び方向、即ち、第2ラインL2に含まれる各画素の第2方向d2における位置を示す。また、縦軸Bは、各画素の特徴値の一つである明るさを示す明度値の大きさを示す。また、縦軸Bにおいて、明度値Bwは、画像において白色を示す明るさを示し、明度値Bsは、画像において背景の色を示す明るさを示す。
図3(C)において、第2ラインL2に含まれる各画素の明度値を示す折れ線G2は、図3(B)に示した端点Euと端点Edとに対応する区間で、明度値が白色を示す明度値Bwまで一旦増大した後に、背景の色を示す明度値Bsへと緩やかに変化することを示す。
このため、例えば、明度値Bsから所定値以上異なる明度値を持つ画素のうち、横軸Xの原点に最も近い画素を断片P2の切断部を示すとすれば、図3(B)に示した端点Edに対応する位置がエッジとして検出される。一方、明度値Bwとの差分が所定値以下となる明度値を持つ画素のうち、横軸Xの原点に最も近い画素を断片P2の切断部を示すとすれば、図3(B)に示した端点Eu,Edの中間に対応する位置がエッジとして検出される。つまり、折れ線G2で示される明度値の変化に基づいて、紙の切断面Cを示すエッジを検出する場合の誤差は、図3(B)に示した端点Eu,Edを両端とする区間と同程度まで大きくなる可能性がある。
すなわち、図3(A)に示したように、帯状の領域L2に紙の切断面Cの一部が含まれている場合に、帯状の領域L2に対応する第2ラインL2から検出したエッジの位置を画像の結合に用いると元の原稿MSが再現されない場合がある。例えば、図3(B)に示した端点Edにおいて、第2ラインL2と第1ラインL1とを結合すると、結合後の画像は、図3(A)に示した切断面Cの一部を含むことになり、図2に示した断片P1,P2に分割された文字を示すパターンの一部が欠けてしまう。また、画像のボケにより背景と断片の境界が不明瞭になった場合にもエッジの検出に誤差が発生し、その結果、紙の切断面が斜めに傾いている場合と同様に、結合後の画像において文字のパターンの一部が欠けてしまう場合がある。
そこで、図1に示した検出部12は、第1ラインL1と第2ラインL2とにそれぞれ含まれる複数の画素の特徴値に基づいて、第1ラインL1の少なくとも一部と第2ラインL2の少なくとも一部とを結合する位置を検出する。なお、第1ラインL1及び第2ラインL2は、第1画像IMG1と第2画像IMG2とのそれぞれにおいて、第1方向d1と交差する第2方向d2に並び、原稿MSの切断された部分である切断部を含み、第1方向d1の位置が同じ複数の画素の一例である。
検出部12は、例えば、読み取り部11から受けた相対位置を示す情報により、第2方向d2の同一の範囲に対応付けられた第1ラインL1と第2ラインL2の部分の各画素の特徴値を互いに比較する。また、検出部12は、比較結果により、特徴値の差の絶対値が他の特徴値の差の絶対値よりも小さくなることが示された位置を、第1ラインと第2ラインとを結合した場合に、他の位置よりも特徴値の連続性が高くなる位置として検出する。そして、検出部12は、検出した位置を、第1ラインと第2ラインとを結合する位置として出力する。
また、結合部13は、検出部12により検出された位置で、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する。
図4は、図1に示した結合部13による第1ラインL1と第2ラインL2との結合の例を示す。図4(A),(B)において、横軸Xは、図1に示した読み取り部11に含まれるイメージセンサ111における画素の並び方向、即ち、第1ラインL1および第2ラインL2に含まれる各画素の第2方向d2における位置を示す。また、縦軸Bは、各画素の特徴値の一つである明るさを示す明度値の大きさを示す。また、縦軸Bにおいて、明度値Bwは、画像において白色を示す明るさを示し、明度値Bbは、画像において黒色を示す明るさを示す。また、縦軸Bにおいて、明度値Bsは、画像において背景の色を示す明るさを示す。
図4(A)は、図2に示した第1ラインL1および第2ラインL2に含まれる各画素の明度値をそれぞれ実線の折れ線G1と点線の折れ線G2とで示す。図4(A)においては、第1ラインL1及び第2ラインL2に沿って、第1ラインL1及び第2ラインL2に含まれる各画素の位置を、原稿MSの端に対応する第1画像IMG1の端を基準として横軸Xで示した。また、図4(A)において、折れ線G1とG2とが重なり合う範囲Rは、図1に示した原稿MSを断片P1と断片P2とに分割した、幅を持つ切断部と背景を示している。すなわち、図4(A)に示した範囲Rは、第1画像IMG1と第2画像IMG2とのそれぞれにおいて、第1方向d1と交差する第2方向d2に並び、原稿MSの切断された部分である切断部を含み、第1方向d1の位置が同じ複数の画素の一例である。
図1に示した検出部12は、第1ラインL1及び第2ラインL2のそれぞれに含まれる各画素のうち、図4(A)に示した範囲Rに含まれる複数の画素の特徴値を互いに比較することで、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置を検出することが望ましい。
図4(A)の例では、第1ラインL1を示す折れ線G1と第2ラインL2を示す折れ線G2とは、上述の範囲Rに含まれる点Qにおいて交差している。つまり、点Qで示される位置で示される第1ラインL1の画素の明度値と、同じく点Qの位置で示される第2ラインL2の画素の明度値との差の絶対値は零となり、他の明度値の差の絶対値に比べて小さくなる。したがって、図1に示した検出部12は、図4(A)に示した第1ラインL1及び第2ラインL2に基づいて、点Qで示される位置を、第1ラインと第2ラインとを結合する位置として検出する。
また、図4(B)は、図1に示した結合部13により、検出部12によって検出された位置で、図4(A)に示した第1ラインと第2ラインとを結合することで得られる画像に含まれる各画素の明度値の例を示す。
図4(B)の例では、図1に示した結合部13により、図4(A)に折れ線G1で示した第1ラインL1の一部である区間L1’と、折れ線G2で示した第2ラインL2の一部である区間L2’とが結合されている。なお、図4(B)において、区間L1’は、第1ラインL1の端のうち横軸Xの原点に近い端から点Qで示される画素までの部分である。また、区間L2’は、第2ラインL2において点Qで示される画素から横軸Xの原点から遠い端までの部分である。
ここで、図4(B)に示した区間L1’は、図1に示した断片P1,P2に分割される前の原稿MSにおいて上端から距離Dで示される帯状の領域に含まれる情報のうち、断片P1に含まれる情報を漏れなく含んでいる。同様に、図4(B)に示した区間L2’は、同じく、分割される前の原稿MSにおいて上端から距離Dで示される帯状の領域に含まれる情報のうち、断片P2に含まれる情報を漏れなく含んでいる。
したがって、結合部13が図4(A),(B)に示した区間L1’と区間L2’とを結合することで、図2に示した断片P1と断片P2とに分割された原稿MSの情報を欠けることなく含み、明度値の変化が滑らかに連続する画像を生成することができる。
図5は、図2に示した第1画像IMG1と第2画像IMG2との結合例を示す。なお、図5に示した要素のうち、図2、図3及び図4に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図5(A)は、図2に示した帯状の領域L1,L2における断片P1,P2のそれぞれの断面を示す。図5(A)において、断片P1と断片P2とは、図1に示した読み取り部11において求められた相対位置に基づいて、原稿MSにおける第2方向d2についての位置関係を再現する位置に示されている。つまり、断片P1および断片P2は、断片P1の切断部と反対側の端と断片P2の切断部と反対側の端との距離が、原稿MSの長手方向の幅W0に一致する相対位置で、切断部を重ね合わせて配置されている。
また、図5(A)に示した断片P1は、断片P2に含まれる切断面C2に対応する切断面C1を含んでいる。また、図2に示した断片P1に表示された文字の一部を示すインクの部分を黒く塗りつぶした矩形St1で示した。図5(A)に示した断片P1に含まれるインクの部分St1の幅W1は、図4(A)に示した第1ラインL1において黒色を示す明度値が連続している部分の幅W1と同等である。同様に、図5(A)に示した断片P2に含まれるインクの部分St2の幅W2は、図4(A)に示した第2ラインL2において黒色を示す明度値が連続している部分の幅W2と同等である。
図5(A)に示した断片P1において、図4(A),(B)に示した区間L1’は、断片P2との切断部と反対側の端から切断部側の端までの範囲に相当している。また、図5(A)に示した断片P2において、図4(A),(B)に示した区間L2’は、断片P1との切断部と反対側の端から切断部側の端のインクの部分St2までの範囲に相当している。
図5(B)は、図5(A)に示した区間L1’と区間L2’とを図4(A),(B)に示した点Qにおいて結合した例を示す。図5(B)の例では、図5(A)に示した断片P1に含まれるインクの部分St1と断片P2に含まれるインクの部分St2とが切れ目なく結合され、幅Wtを持つインクの部分St0となっている。
図5(C)は、図2に示した第1画像IMG1及び第2画像IMG2にそれぞれに含まれる断片P1の画像と断片P2の画像との結合例を示す。
図5(C)において、図5(B)に示したインクの部分St0は、図2に示した断片P1,P2に分割される前の原稿MSに表示された情報のうち、図5(A)に示した区間L1’と区間L2’とを結合することで得られた帯状の領域に含まれる部分に相当する。
すなわち、図1に示した結合部13は、検出部12によって検出された位置において、図2に示した第1ラインL1と第2ラインL2とを結合することで、分割前の原稿MSにおいて第1ラインL1,第2ラインL2に対応する部分の画像を再現することができる。
したがって、図2に示した線分Le1T,Le2Tからの距離Dが異なる第1ラインL1,第2ラインL2との対のそれぞれを、結合部13が、検出部12により検出した位置で結合することで、分割前の原稿MSを再現する画像IMGが得られる。
すなわち、図1に示した読み取り装置10は、原稿MSを切断した切断部Ctが図5(C)に示したように不規則な形状である場合にも、断片P1,P2を読み取って得られた第1画像IMG1と第2画像IMG2とを従来よりも高い精度で結合することができる。つまり、図1に示した読み取り装置10は、原稿MSを2つの断片P1,P2に分割して読み取ることで得られた第1画像IMG1と第2画像IMG2とに基づいて、分割前の原稿MSを従来よりも高い精度で再現する画像IMGを生成することができる。
図4を用いて説明したように、図1に示した読み取り装置10は、図4(A)に示した点Qのように、第2方向d2において同じ位置で示される画素の明度値が第1ラインL1と第2ラインL2とで同等となる箇所を結合に用いる。したがって、図5(A)に示したように、断片P1,P2のそれぞれが斜めに傾いた切断面C1、C2を含む場合でも、第1ラインL1と第2ラインL2との結合は、インクの部分St1,St2を切れ目なく連続させる位置で行われる。
これにより、図1に示した読み取り装置10は、原稿MSを2つの断片P1,P2に切断した際の切断面が斜めに傾いている場合にも、2つの断片P1,P2の画像を高い精度で結合できる。したがって、図1に示した読み取り装置10は、例えば、オフィスや家庭などでA3判などの大きな原稿をペーパーナイフや手などで分割した場合でも、分割で得られた2つの断片を読み取って得られる画像から元の原稿を再現する画像を生成できる。すなわち、図1に示した読み取り装置10は、精密な切断が可能な設備を持たないオフィスや家庭においても、読み取り部11の読み取り範囲を超える大判の原稿を読み取る用途での利用を可能とできる点でも有用である。
なお、検出部12が、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置の検出のために各画素について比較する特徴値は、明度値に限らず、読み取り部11によって第1ラインL1と第2ラインL2に含まれる各画素について得られる特徴値であればよい。例えば、検出部12は、画素の色を示す色成分のそれぞれの値や、画素の色を色度空間において示す色度座標などを比較することで、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置を検出してもよい。
また、図1に示した検出部12及び結合部13は、読み取り装置10に搭載されたプロセッサなどの制御部により、プログラムを実行することで実現されてもよい。
図6は、図1に示した読み取り装置10による読み取り処理の例を示す。図6に示したステップS301〜ステップS306の処理は、図1に示した読み取り装置10の動作を示すとともに、読み取り方法および読み取りプログラムの例を示す。例えば、図6に示す処理は、読み取り装置10に搭載されたプロセッサが読み取りプログラムを実行することで実現される。なお、図6に示す処理は、読み取り装置10に搭載されるハードウェアによって実行されてもよい。すなわち、図6は、読み取り方法及び読み取りプログラムの一実施形態を示す。
ステップS301において、図1に示した読み取り部11は、原稿MSを切断することで得られた断片P1,P2をそれぞれ読み取ることで、第1画像IMG1と第2画像IMG2とを生成する。
ステップS302において、読み取り部11は、例えば、図2を用いて説明したようにして、第1画像IMG1及び第2画像IMG2に含まれる情報に基づいて、第1画像IMG1と第2画像IMG2との相対位置を決定する。
ステップS303において、検出部12は、得られた相対位置を示す情報に基づいて、第1画像IMG1と第2画像IMG2とのそれぞれから第1方向d1において同じ位置で示される第1ラインL1及び第2ラインL2を取得する。検出部12は、例えば、図2に示した線分Le1T,Le2Tを基準とする第1方向d1の距離Dを画素単位でずらしながら、断片P1,P2の画像に含まれる各ラインを第1ラインL1及び第2ラインL2として取得することが望ましい。
ステップS304において、検出部12は、取得した第1ラインL1及び第2ラインL2に含まれる画素のそれぞれの特徴値を互いに比較することで、第1ラインL1の少なくとも一部と第2ラインL2の少なくとも一部とを結合する位置を検出する。例えば、検出部12は、図4(A)に示したように、相対位置に基づいて第1ラインL1と第2ラインL2とを配置したことで互いに重なり合わせられた範囲Rに含まれる各画素の特徴値を互いに比較する。また、検出部12は、例えば、比較結果により、特徴値の差の絶対値が、他の特徴値の差の絶対値よりも小さくない画素の位置として、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置を検出する。
ステップS305において、結合部13は、検出部12によって検出された位置で第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する。これにより、結合部13は、図1に示した断片P1,P2に分割される前の原稿MSにおいて、第1ラインL1及び第2ラインL2と同じ第1方向d1の位置で示される帯状の領域に対応する画像を生成する
ステップS306において、読み取り装置10に搭載されたプロセッサは、第1画像IMG1及び第2画像IMG2に含まれる断片P1,P2の画像の部分に含まれる全てのラインを結合したか否かを判定する。
まだ結合されていないラインの画像が残っている場合に(ステップS306の否定判定(NO))、読み取り装置10のプロセッサは、ステップS303の処理に戻り、検出部12に、新たな第1ラインL1及び第2ラインL2を取得させる。
ステップS303〜ステップS305の処理を繰り返して実行することにより、断片P1,P2の画像に含まれる全てのラインが結合された場合に(ステップS306の肯定判定(YES))、読み取り装置10は、読み取り処理を終了する。
以上に説明した読み取り方法を読み取り装置10が実行する過程で、第1画像IMG1及び第2画像IMG2に含まれる断片P1,P2の画像の各ラインに対応する第1ラインL1,第2ラインL2が結合される。これにより、読み取り装置10は、分割前の原稿MSに相当する画像IMGを生成することができる。
ところで、図1に示した読み取り部11は、断片P1,P2の背景を黒色より白色に近い色の領域として読み取る。このため、断片P1と断片P2とが原稿MSの余白部分で分割された場合などに、第1ラインと第2ラインとが重なり合う範囲に含まれるほぼ全ての画素において、特徴値の差の絶対値が零に近い値となる場合がある。そして、このような場合には、図1に示した検出部12により、第1ラインと第2ラインとを結合する箇所を1箇所に特定することが困難になる。
しかしながら、断片P1と断片P2とが原稿MSの余白部分で分割された場合に、第1ラインと第2ラインとを結合して得られたラインに背景の色を示す部分が含まれたとしても、余白部分と背景の色とはほぼ同等であるので、画質はほとんど劣化しない。
すなわち、図1に示した読み取り装置10は、断片P1と断片P2とが原稿MSの余白部分で分割された場合でも、検出部12によって検出された位置で第1画像IMG1と第2画像IMG2とを結合することで、高い画質を持つ画像IMGを生成することができる。
一方、検出部12は、第1ラインL1と第2ラインL2とからそれぞれ断片P1,P2の切断部を示すエッジの位置を推定し、推定した位置に基づいて、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置の検出精度を向上することもできる。
図7は、読み取り装置10の別実施形態を示す。なお、図7に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。なお、図7に示した第1方向d1は、読み取り部11による読み取りの際に、読み取りの対象となる原稿が搬送される方向を示し、第2方向d2は、図1に示した読み取り部11に含まれるイメージセンサ111において画素111aが並んでいる方向を示す。なお、第1方向d1は、断片P1,P2が読み取り部11によって読み取られる際に、断片P1,P2を切断した箇所である切断部の方向が概ね一致する方向でもある。
図7に示した検出部12は、評価部121と、推定部122と、選択部123とを含んでいる。
評価部121は、図2を用いて説明したようにして取得した第1ラインL1及び第2ラインL2において、断片P1、P2を切断した箇所である切断部を含む、第2方向d2の所定の範囲に含まれる複数の画素である抽出画素の特徴値を互いに比較する。第1ラインL1および第2ラインL2は、図2に示した第1画像IMG1と第2画像IMG2とのそれぞれに含まれる、第2方向d2に並ぶ所定数の画素をそれぞれ含む複数のラインのうち、第1方向d1の位置が同じラインの一例である。
また、評価部121は、図4に示したように、読み取り部11によって推定された相対位置に基づいて、第1ラインL1と第2ラインL2とを配置することで重ね合わせられた範囲Rに含まれる各画素を抽出画素とすることが望ましい。更に、評価部121は、相対位置に基づいて第1ラインL1と第2ラインL2とが重ね合わせられた範囲Rにおいて互いに同じ位置で示される第1ラインL1の抽出画素と第2ラインL2の抽出画素について、互いの特徴値を比較することが望ましい。また、評価部121は、比較結果に基づいて、抽出画素のそれぞれの位置が、第2方向d2における切断部の位置である可能性の高さを示す評価値をそれぞれ求める。
評価部121は、例えば、図4(A)に示した範囲Rにおいて互いに同じ位置で示される第1ラインL1の抽出画素の明度値と第2ラインL2の抽出画素の明度値との類似性の高さを、評価値として求めてもよい。例えば、評価部121は、範囲Rにおいて互いに同じ位置で示される第1ラインL1の抽出画素の明度値と第2ラインL2の抽出画素の明度値との差の絶対値を求め、求めた値を、値が小さいほど可能性が高いことを示す評価値としてもよい。
推定部122は、第1画像IMG1から取得した第1ラインL1に含まれる各画素の特徴値に基づいて、第1ラインL1において切断部を示す第1位置を推定する。同様に、推定部122は、第1画像IMG1から取得した第2ラインL2に含まれる各画素の特徴値に基づいて、第2ラインL2において切断部を示す第2位置を推定する。
推定部122は、例えば、第1ラインL1の切断部側の端に相当する画素から順に、明度値を背景の色を示す明度値Bsと比較し、明度値Bsと閾値以上に異なる画素として最初に発見した画素の位置を第1位置とする。同様に、推定部122は、第2ラインL2の切断部側の端に相当する画素から順に、明度値を背景の色を示す特徴値Bsと比較し、明度値Bsと閾値以上に異なる画素として最初に発見した画素の位置を第2位置とする。
また、選択部123は、評価部121から、図4(A)に示した範囲Rに含まれる各抽出画素について評価部121によって算出された評価値を受ける。また、選択部123は、範囲Rに含まれる複数の抽出画素の中に、評価部121により所定値以上に高い可能性を示す評価値が得られた抽出画素である候補画素が複数含まれるか否かを判定する。また、選択部123は、候補画素が複数個含まれると判定した場合に、複数の候補画素の中で、他の候補画素よりも第1位置と第2位置との中点に近い候補画素の位置を、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する第2方向d2の位置として選択する。
そして、選択部123は、選択した候補画素の位置を、第1ラインL1と第2ラインL2と結合する位置を示す検出結果として結合部13に渡す。
図8は、図7に示した検出部12による検出例を示す。なお、図8に示した要素のうち、図4に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図8(A)は、図7に示した検出部12が取得する第1ラインL1および第2ラインL2に含まれる各画素の明度値の例をそれぞれ折れ線G1,G2で示す。
また、図8(B)は、図7に示した選択部123によって選択された位置で、図8(A)に示した第1ラインL1と第2ラインL2とを結合することで得られる画像に含まれる各画素の明度値を折れ線G3で示す。
図8(A)の例では、第1ラインL1において範囲Rに含まれる抽出画素のうち、それぞれ丸で囲んで示した点Q1,Q2,Q3で示す抽出画素の明度値が、第2ラインL2の対応する抽出画素の明度値と一致している。また、図8(A)の例では、3つの点Q1,Q2,Q3で示す候補画素のうち、候補画素Q1は、図7に示した推定部122によって推定された第1位置Xe1よりも横軸Xの原点に近い位置にある。一方、候補画素Q3は、第2位置Xe2よりも横軸Xの原点から遠い位置にある。これに対して、図8(A)に示した候補画素Q2は、第1位置Xe1と第2位置Xe2とで示される範囲の内側にあり、他の2つの候補画素Q1,Q3に比べて、第1位置Xe1と第2位置Xe2との中点Xcに近い位置にある。
ここで、図7に示した推定部122により、第1ラインL1、第2ラインL2に基づいて推定された第1位置Xe1及び第2位置Xe2に含まれる推定誤差が大きい場合でも、切断部は第1位置Xe1と第2位置Xe2の中間に含まれる可能性が高い。したがって、上述の中点Xcに最も近い候補画素Q2は、第1位置Xe1および第2位置Xe2との位置関係の観点でも、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する箇所としての尤度が高い。つまり、選択部123により、中点Xcに最も近い候補画素Q2の位置を選択することで、他の候補画素Q1,Q3の位置に比べて、第1位置Xe1および第2位置Xe2との位置関係の観点でも高い尤度を示す位置を検出結果として結合部13に渡すことができる。
そして、結合部13により、図8(A)に示した第1ラインL1の一部である区間L1’と、第2ラインL2の一部である区間L2’とを結合することで、図8(B)に折れ線G3で示したように、明度値の変化が滑らかに連続する画像を生成することができる。なお、図8(B)において、区間L1’は、第1ラインL1のうち、横軸Xの原点に近い方の第1ラインL1の端から候補画素Q2までの部分である。また、区間L2’は、第2ラインL2のうち、候補画素Q2から横軸Xの原点から遠い端までの部分である。
なお、図7に示した評価部121によって算出する評価値は、取得した第1ラインL1及び第2ラインL2において、図8(A)に示した範囲Rに含まれる抽出画素の特徴値の類似性の高さを示す値に限られない。
例えば、評価部121は、範囲Rに含まれる第1ラインL1の抽出画素の特徴値と第2ラインL2の抽出画素の特徴値の双方が背景の色を示す特徴値と異なっている度合いを、第2方向d2における切断部の位置である可能性の高さを示す評価値として求めてもよい。
図9は、読み取り装置10の別実施形態を示す。なお、図9に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図9に示した検出部12は、評価部121と、選択部123とを含む。また、図9に示した読み取り装置10は、読み取り部11と検出部12と結合部13とに加えて、推定部14と、設定部15とを含んでいる。
推定部14は、読み取り部11によって生成された第1画像IMG1及び第2画像IMG2から、読み取り部11から検出部12に渡される第1ラインL1及び第2ラインL2と同じ第1ラインL1及び第2ラインL2を取得する。また、推定部14は、図7に示した推定部122と同様に、取得した第1ラインL1及び第2ラインL2において、切断部の位置を示す第1位置Xe1及び第2位置Xe2をそれぞれ推定する。
設定部15は、推定部14によって推定された第1位置Xe1及び第2位置Xe2に基づいて、評価部121により評価値を算出する抽出画素が含まれる第2方向d2における範囲である注目範囲を設定する。設定部15は、例えば、読み取り部11によって推定された相対位置に基づいて、第1ラインL1と第2ラインL2とを配置することで重ね合わせられた範囲Rのうち、第1位置Xe1と第2位置Xe2とを含む範囲である注目範囲を設定することが望ましい。設定部15は、設定した注目範囲を示す情報を生成し、生成した情報を評価部121に渡す。
また、設定部15は、図2を用いて説明したようにして断片P1、P2の位置関係を再現する位置が推定された際の推定誤差を示す情報を読み取り部11から受け、受けた情報で示される推定誤差が大きいほど広い幅を持つ注目範囲を設定してもよい。例えば、設定部15は、推定部14から受けた第1位置Xe1と第2位置Xe2との中点Xcを中心とし、第1位置Xe1と第2位置Xe2との間の距離に推定誤差に対応する所定値を加えた幅を持つ範囲として注目範囲を設定してもよい。なお、設定部15は、想定される推定誤差の大きさを区分した複数の段階ごとに、注目範囲の設定の際に加える所定値をそれぞれ設定しておいてもよい。
評価部121は、設定部15から渡された情報で示される注目範囲において、互いに同じ位置で示される第1ラインL1の抽出画素と第2ラインL2の抽出画素との双方の特徴値が、背景の色を示す明度値Bsと異なっている度合いを示す値を算出する。また、評価部121は、各抽出画素について算出した度合いを示す値を、各抽出画素の位置が切断部の位置である可能性の高さを示す評価値として出力する。
評価部121は、例えば、読み取り部11で生成される第1画像IMG1及び第2画像IMG2に断片P1,P2の背景として含まれる領域の明るさを示す明度値Bsなどの特徴値を予め取得し、内部に保持しておくことが望ましい。また、評価部121は、例えば、注目範囲において、互いに同じ位置で示される第1ラインL1の抽出画素の明度値と第2ラインL2の抽出画素の明度値とのそれぞれと背景の明るさを示す明度値Bsとの差の絶対値の和を評価値として求める。
図10は、図9に示した評価部121によって算出される評価値の例を示す。なお、図10に示した要素のうち、図4及び図8に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図10(A)は、図9に示した検出部12が取得する第1ラインL1および第2ラインL2に含まれる各画素の明度値の例をそれぞれ折れ線G1,G2で示す。
図10(A)に示した注目範囲Rsは、図9に示した推定部14によって推定された第1位置Xe1と第2位値Xe2との中点を中心とし、第1位置Xe1と第2位置Xe2との距離分の幅を持つ範囲の両側に、所定値αで示される幅を持つ範囲を加えた範囲である。
また、図10(B)は、注目範囲Rsに含まれる各抽出画素の位置について、評価部121によって算出された評価値の例を示す。なお、図10(B)において、縦軸Hは、評価値の大きさを示す。
図10(B)の例では、横軸Xにおいて座標Xpで示される抽出画素で、第1ラインL1と第2ラインL2との双方の画素の明度値と明度値Bsとの差が他の注目画素に比べて大きくなることから、抽出画素Xpについて算出した評価値が他の評価値よりも大きい。
ここで、図4(A)及び図5(A)から分かるように、第1ラインL1と第2ラインL2とが重なり合う範囲Rでは、第1ラインL1において断片P1の画像を示す部分は、第2ラインL2において背景を示す部分に対応付けられている。同様に、第1ラインL1において背景を示す部分は、第2ラインL2において断片P2を示す部分に対応付けられる。そして、第1ラインL1において断片P1の画像を示す部分と背景を示す部分との境界の位置及び第2ラインL2において断片P2の画像を示す部分と背景を示す部分との境界の位置は、原稿MSを分割した切断部を示す。つまり、図9に示した評価部121は、原稿MSを分割した切断部が、第1ラインL1と第2ラインL2との双方において、背景とは異なる特徴値を持つ画素となることに着目し、各抽出画素の位置が切断部の位置である可能性の高さを評価する。
また、評価部121は、注目範囲に含まれる各抽出画素の位置について求めた評価値を、図9に示した選択部123に渡す。
選択部123は、注目範囲に含まれる各抽出画素について評価部121によって求められた評価値を互いに比較する。また、選択部123は、比較結果により、他の抽出画素よりも切断部である可能性が高いことを示す評価値が得られた抽出画素の位置を、第2方向d2において第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置として選択する。
図9に示した評価部121によって求められる評価値は、第1ラインL1と第2ラインL2との双方において、各画素が背景を示す部分に含まれていない可能性の高さを示している。
したがって、上述の評価値が他の画素よりも大きくなる画素の位置で第1ラインL1と第2ラインL2とを結合すれば、他の画素の位置で結合した場合に比べて、結合後の画像に背景を示す部分が残っている可能性を小さくすることができる。すなわち、図9に示した評価部121で得られた評価値に基づけば、結合後の画像における背景を示す部分を小さくするという観点において、他の位置よりも高い尤度を示す位置を検出することができる。
なお、図10(B)の例では、設定部15により、上述の中点Xcを中心とし、第1位置Xe1と第2位置Xe2との距離と、第1位置Xe1,第2位置Xe2の推定誤差に対応する所定の幅αを加えた範囲Rsが設定された場合を示した。
また、図9に示した設定部15により、相対位置の推定誤差を考慮した注目範囲Rsを設定することにより、評価部121は、第1位置Xe1,第2位置Xe2で示される範囲よりも広い範囲に含まれる抽出画素について評価値を求めることになる。これにより、図9に示した検出部12は、相対位置の推定誤差が大きい場合でも、結合後の画像において背景を示す部分が可能な限り小さくなる位置を、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する位置として検出することができる。
以上に説明した本件開示の読み取り装置10は、例えば、イメージスキャナやスキャナ機能と印刷機能との双方を含む複合機などの装置に搭載されたプロセッサやメモリなどのハードウェアを用いて実現することができる。
図11は、読み取り装置10のハードウェア構成の一例を示す。なお、図11に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
イメージスキャナ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、表示制御部24と、表示部25と、入力装置26と、光学ドライブ装置27と、読み取り部11とを含んでいる。図11に示したプロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、表示制御部24と、入力装置26と、光学ドライブ装置27と、読み取り部11とは、バスを介して互いに接続されている。
また、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、読み取り部11とは、読み取り装置10に含まれている。
図11に示した読み取り部11は、イメージセンサ111とともに画像生成部112を含んでいる。画像生成部112は、イメージセンサ111が断片P1,P2をそれぞれ読み取ることで取得した情報から、断片P1,P2の画像をそれぞれ含む第1画像IMG1及び第2画像IMG2を生成する。また、画像生成部112は、生成した第1画像IMG1及び第2画像IMG2を、バスを介してメモリ22あるいはハードディスク装置23に送ることで、第1画像IMG1及び第2画像IMG2をメモリ22あるいはハードディスク装置23に格納させる。
また、光学ドライブ装置27は、光ディスクなどのリムーバブルディスク28を装着可能であり、装着したリムーバブルディスク28に記録された情報の読出および記録を行う。
また、入力装置25は、例えば、操作パネルなどである。イメージスキャナ20の操作者は、入力装置25を操作することにより、読み取り装置10に対して、例えば、断片P1,P2の読み取りを開始させるための指示などを入力することができる。
図11に示したメモリ22は、イメージスキャナ20のオペレーティングシステムとともに、プロセッサ21が第1画像と第2画像とを結合する処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納している。なお、第1画像と第2画像とを結合する処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、光ディスクなどのリムーバブルディスク28に記録して頒布することができる。そして、このリムーバブルディスク28を光学ドライブ装置27に装着して読み込み処理を行うことにより、第1画像と第2画像とを結合する処理を実行するためのアプリケーションプログラムを、メモリ22およびハードディスク装置23に格納させてもよい。また、インターネットなどのネットワークに接続する通信装置(図示せず)を介して、第1画像と第2画像とを結合する処理を実行するためのアプリケーションプログラムをダウンロードしてもよい。
また、プロセッサ21は、メモリ22あるいはハードディスク装置23に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、図1に示した検出部12及び結合部13の機能を果たしてもよい。
図12は、図11に示した読み取り装置10の動作を示す。なお、図12に示したステップのうち、図6に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。また、図12に示したステップS301〜ステップS306とステップS310〜ステップS316の各処理は、第1画像と第2画像とを結合する処理のためにプロセッサ21が実行するアプリケーションプログラムの一例を示している。
ステップS301において、プロセッサ21は、断片P1,P2のそれぞれを読み取り部11に読み取らせることで、断片P1,P2のそれぞれの画像を含む第1画像IMG1及び第2画像IMG2を取得する。例えば、プロセッサ21は、イメージスキャナ20の利用者からの指示を図11に示した入力装置26を介して受け、受けた指示に基づいて、画像を読み取る動作を開始させる指示を読み取り部11に送出することで、断片P1,P2のそれぞれを読み取らせる。また、プロセッサ21からの指示に応じて、読み取り部11に含まれる画像生成部112は、イメージセンサ111の出力信号から第1画像IMG1と第2画像IMG2とをそれぞれ生成し、メモリ22またはハードディスク装置23に格納する。そして、プロセッサ21は、メモリ22またはハードディスク装置23を介して、上述の第1画像IMG1及び第2画像IMG2を取得する。
ステップS302において、プロセッサ21は、取得した第1画像IMG1と第2画像IMG2とに基づいて、第1画像IMG1に含まれる断片P1の画像と第2画像IMG2に含まれる断片P2の画像との相対位置を決定する。プロセッサ21は、例えば、図13に示すように、イメージスキャナ20に搭載されたグラフィカルユーザインタフェース機能を利用した手法により、第1画像IMG1と第2画像IMG2との相対位置を決定してもよい。
図13は、相対位置を決定する手法の別例を示す。なお、図13に示した要素のうち、図2に示した要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
図11に示したプロセッサ21は、表示制御部24を介して第1画像IMG1及び第2画像IMG2を示す情報を表示部25に渡すことで、図13に示すように、表示部25の表示画面に、第1画像IMG1及び第2画像IMG2を並べて表示させる。また、プロセッサ21は、例えば、表示部25に予め設定したメッセージを表示させることで、図13に示した第1画像IMG1及び第2画像IMG2において互いに対応する箇所を結ぶ矢印Ar1,Ar2の入力を利用者に対して促す。次いで、プロセッサ21は、利用者が入力した矢印Ar1,Ar2のそれぞれの始点Pt1,Pt3及び終点Pt2,Pt4の座標を取得し、取得した座標に基づき、始点Pt1,Pt3を結ぶ直線Lt1とともに、終点Pt2,Pt4を結ぶ直線Lt2を生成する。そして、プロセッサ21は、生成した直線Lt1と直線Lt2とを重ね合わせる位置として、第1画像IMG1と第2画像とを原稿MSにおける断片P1,P2の位置関係を再現する位置に配置するための相対位置を決定する。また、プロセッサ21は、決定した相対位置を、図12に示したステップS302の処理結果として、ステップS303以降の処理に利用する。
ステップS303において、プロセッサ21は、ステップS302の処理で得られた相対位置に基づいて、メモリ22などに格納された第1画像IMG1及び第2画像IMG2から、第1ラインL1および第2ラインL2を取得する。例えば、プロセッサ21は、相対位置に基づいて配置された断片P1、P2の画像にて、断片P1,P2の上側の辺EG1,EG2を示す第1方向d1の座標Y1から座標Ynで示されるnラインのそれぞれを順次に第1ラインL1及び第2ラインL2として取得する。なお、nは、正の整数を示し、また、座標Ynは、図13に示した断片P1,P2の下側の辺EG3,EG4を示す第1方向d2の座標である。
ステップS310において、プロセッサ21は、ステップS303の処理で取得した第1ラインL1及び第2ラインL2に含まれる各画素の特徴値に基づいて、図8を用いて説明した第1位置Xe1と第2位置Xe2を推定する。
ステップS311において、プロセッサ21は、ステップS310の処理で推定された第1位置Xe1及び第2位置Xe2に基づいて、後述するステップS312の処理で評価値を求める注目範囲Rsを設定する。プロセッサ21は、図9、図10を用いて説明したように、第1位置Xe1と第2位置Xe2との中点Xcを中心とし、第1位置Xe1と第2位置Xe2との距離で示される幅よりも広い幅を持つ注目範囲を設定することが望ましい。なお、プロセッサ21は、ステップS302の処理で決定した相対位置に含まれる誤差の大きさに基づいて、上述した範囲の幅を調整してもよい。例えば、プロセッサ21は、図13に示した直線Lt1と直線Lt2とを重ね合わせた際の誤差の大きさが大きいほど大きい値を設定した所定値αを用いて、図10に示した注目範囲Rsを求める。
ステップS312において、プロセッサ21は、ステップS311で設定された注目範囲Rsに含まれる第1ラインL1及び第2ラインL2の各画素の特徴値に基づいて、各画素の位置が原稿MSを分割した切断部の位置を示す可能性の高さを示す評価値を求める。プロセッサ21は、図14および図15を用いて後述する各処理を実行することで、注目範囲Rsに含まれる各画素についての評価値を算出することが望ましい。
ステップS313において、プロセッサ21は、ステップS312の処理により、所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素について、イメージセンサ111における画素の並び方向に相当する第2方向d2での分布を調べる。
ステップS314において、プロセッサ21は、ステップS313の処理で調べた結果に基づいて、所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素が、第2方向d2において複数の箇所に分かれて分布しているか否かを判定する。
所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素が一箇所に集中している場合に(ステップS314の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS315の処理に進む。
ステップS315において、プロセッサ21は、所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素の中で、最も高い評価値が得られた画素の位置を特定する。また、プロセッサ21は、第1ラインと第2ラインとを結合する位置の検出結果として、特定した画素の位置を出力する。
一方、所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素が複数の箇所に分散して分布している場合に(ステップS314の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS316の処理に進む。
ステップS316において、プロセッサ21は、所定の閾値以上に高い可能性を示す評価値が得られた画素が分布している複数の箇所のうち、注目範囲Rsの中心に最も近い箇所に分布している画素の集合を選択する。
ステップS316の処理の終了後に、プロセッサ21は、ステップS315の処理に進み、ステップS316の処理で選択した画素の集合の中で、最も高い評価値が得られた画素の位置を特定し、特定した位置を検出結果として出力する。
ステップS305において、プロセッサ21は、ステップS315の処理で検出した位置で、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合する。また、プロセッサ21は、第1ラインL1と第2ラインL2とを結合することで生成した画像を、第1ラインL1及び第2ラインL2の第1方向d1における位置を示す座標値に対応してメモリ22あるいはハードディスク装置23に格納する。
ステップS306において、プロセッサ21は、第1画像IMG1及び第2画像IMG2にそれぞれ含まれる断片P1,P2の画像が有する全てのラインの結合が完了したか否かを判定する。例えば、プロセッサ21は、ステップS305の処理で結合した第1ラインL1及び第2ラインL2の第1方向d1における位置を示す座標値と、座標値の最大値である座標値Ynとが一致するか否かを判定することで、ステップS306の処理を行ってもよい。
ステップS305の処理で結合した第1ラインL1及び第2ラインL2の第1方向d1における位置を示す座標値と座標値Ynとが一致しない場合に(ステップS316の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS303の処理に戻る。そして、プロセッサ21は、新たな座標値で示される第1ラインL1及び第2ラインL2を取得し、ステップS310〜ステップS316及びステップS305,S306の処理を繰り返す。
上述の処理を繰り返すことにより、断片P1,P2の画像が有する全てのラインの結合が完了した場合に(ステップS306の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、第1画像IMG1と第2画像IMG2とを結合する処理を終了する。
以上に説明したように、プロセッサ21が、図12に示した各処理を実行することにより、断片P1,P2の画像をライン単位で結合し、分割前の原稿MSを従来に比べて高い精度で再現する画像IMGを生成することができる。
次に、図12に示したステップS312の処理の例について、図14及び図15を用いて説明する。
図14は、評価値を算出する処理の例を示す。図14に示したステップS321〜ステップS326の処理は、図12に示したステップS312の処理の一例である。なお、ステップS321〜ステップS326の処理は、図11に示したプロセッサ21によって実行される。
ステップS321において、プロセッサ21は、第1ライン及び第2ラインにおいて第2方向d2における位置を示す座標Xj(jは正の整数)に、図12に示したステップS311の処理で設定された注目範囲Rsの下限を示す初期値Xminを設定する。
ステップS322において、プロセッサ21は、第1ラインL1及び第2ラインL2のそれぞれにおいて、上述の座標Xjで示される画素の特徴値をそれぞれ取得する。プロセッサ21は、例えば、第1ラインの座標Xjの画素の特徴値として明度値B1(Xj)を取得し、第2ラインの座標Xjの画素の特徴値として明度値B2(Xj)を取得する。
ステップS323において、プロセッサ21は、座標Xjで示される画素の位置における評価値として、ステップS322で取得した特徴値の差分の絶対値を算出する。例えば、プロセッサ21は、上述の明度値B1(Xj)から明度値B2(Xj)を差し引いて得られた差分の絶対値を求め、求めた値を座標Xjで示される画素の位置における評価値とする。
ステップS324において、プロセッサ21は、上述したステップS311の処理で設定された範囲に含まれる全ての画素で示される位置について評価値を算出したか否かを判定する。例えば、プロセッサ21は、座標Xjが上述の範囲の上限を示す座標Xmaxと一致するか否かにより、ステップS324の判定を行ってもよい。
座標Xjと上述の座標Xmaxとがまだ一致しない場合に(ステップS324の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS325の処理に進む。
ステップS325において、プロセッサ21は、座標Xjを更新することで、例えば、第2方向d2において注目範囲Rsの下限Xminから上限Xmaxに向かう方向に1画素ずらした位置を更新後の座標値Xjに示させる。
ステップS325の処理の終了後に、プロセッサ21は、ステップS322の処理に戻り、更新された座標Xjで示される画素の位置について、ステップS322〜ステップS325の処理を繰り返す。
上述した処理をプロセッサ21が繰り返し実行することで、座標Xmaxまでの各画素についての評価値の算出が終了した場合に(ステップS324の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS326の処理に進む。
ステップS326において、プロセッサ21は、上述の処理を繰り返し実行したことで各画素について得られた評価値を出力する。
ステップS326の処理の終了後に、プロセッサ21は、評価値を算出する処理を終了し、図12に示したステップS313の処理に進む。
プロセッサ21は、以上に説明した処理を実行することにより、注目範囲Rsにおいて同じ位置で示される第1ラインL1の画素と第2ラインL2の画素の特徴値の類似性の高さとして、原稿MSを分割した切断部の位置を示す可能性の高さを示す評価値を求める。
プロセッサ21は、図14に示したステップS321〜ステップS325の処理の代わりに、図15に示す流れ図で示される各処理を実行することで、評価値を算出してもよい。
図15は、評価値を算出する処理の別例を示す。なお、図15に示したステップのうち、図14に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図15に示したステップS321及びステップS322、ステップS324〜ステップS326及びステップS331〜ステップS334の処理は、図12に示したステップS312の処理の別例を示す。また、上述のステップS321及びステップS322、ステップS324〜ステップS326及びステップS331〜ステップS334の処理は、図11に示したプロセッサ21によって実行される。
図15に示した流れ図では、プロセッサ21は、ステップS321の処理とともに、ステップS331の処理を実行する。なお、プロセッサ21は、ステップS321の処理とステップS331の処理とを逆の順序で実行してもよいし、また、並行して実行してもよい。
ステップS331において、プロセッサ21は、第1画像IMG1および第2画像IMG2において、断片P1,P2の背景の領域の色を示す特徴値を取得する。例えば、プロセッサ21は、図11に示した読み取り部11から、読み取り部11によって断片P1、P2を原稿として読み取る際に、原稿で覆われなかったイメージセンサ111の画素111aの出力信号で示される明るさを示す明度値Bsを取得する。なお、プロセッサ21は、背景の明るさを示す明度値Bsを予め取得しておき、図11に示したメモリ22などの保持させておいてもよい。
ステップS332において、プロセッサ21は、ステップS322の処理で取得した第1ラインL1の座標Xjの画素の明度値と明度値Bsとの差を算出する。
ステップS333において、プロセッサ21は、ステップS322の処理で取得した第2ラインL2の座標Xjの画素の明度値と明度値Bsとの差を算出する。
ステップS334において、プロセッサ21は、ステップS332で算出した差の絶対値と、ステップS333で算出した差の絶対値との和を算出し、算出結果を座標Xjの画素に対応する評価値とする。
以上に説明した処理により、プロセッサ21は、注目範囲Rsにて同じ位置で示される第1ラインL1の画素と第2ラインL2の画素との双方の特徴値が背景の色を示す特徴値と異なっている度合いを、切断部の位置を示す可能性の高さを示す評価値として求める。
なお、プロセッサ21が各画素に対応する評価値を求めるために実行する処理は、図14あるいは図15に示した処理に限られない。例えば、プロセッサ21は、図14に示した処理で算出される評価値と図15に示した処理で算出した評価値とを組み合わせた評価値を求めてもよい。すなわち、プロセッサ21は、注目範囲Rsにて同じ位置で示される第1ラインL1の画素と第2ラインL2の画素との双方の特徴値が背景の色を示す特徴値と異なり、2つの特徴値の類似度が高い場合に、可能性が高いことを示す評価値を求めてもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で、前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更を容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1)
原稿を第1方向に切断して得られる第1断片と第2断片とのそれぞれを読み取ることで、第1画像と第2画像とを生成する読み取り部と、
前記第1画像と前記第2画像とのそれぞれにおいて、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記原稿の切断された部分である切断部を含み、前記第1方向の位置が同じ複数の画素の特徴値に基づいて、前記第1画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部と前記第2画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部とを結合する前記第2方向の位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された位置で、前記第1画像と前記第2画像とを結合する結合部と
を備えたことを特徴とする読み取り装置。
(付記2)
請求項1に記載の読み取り装置において、
前記検出部は、
前記第1画像と前記第2画像とのそれぞれに含まれる、前記第2方向に並ぶ所定数の画素をそれぞれ含む複数のラインのうち、前記第1方向の位置が同じラインであり、前記第1画像に属する第1ラインと前記第2画像に属する第2ラインとのそれぞれの前記切断部を含む所定の範囲に含まれる複数の画素である抽出画素の特徴値を互いに比較することで、前記抽出画素のそれぞれの位置が前記切断部の前記第2方向の位置である可能性の高さを示す評価値をそれぞれ求める評価部と、
前記抽出画素の中で、前記評価部により、他の画素よりも前記切断部である可能性が高いことを示す評価値が得られた画素の位置を、前記第1ラインと前記第2ラインとを結合する前記第2方向の位置として選択する選択部とを有する
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記3)
請求項1に記載の読み取り装置において、
前記検出部は、
前記第1画像と前記第2画像とのそれぞれに含まれる、前記第2方向に並ぶ所定数の画素をそれぞれ含む複数のラインのうち、前記第1方向の位置が同じラインであり、前記第1画像に属する第1ラインと前記第2画像に属する第2ラインとのそれぞれの前記切断部を含む所定の範囲に含まれる複数の画素である抽出画素の特徴値を互いに比較することで、前記抽出画素のそれぞれの位置が前記切断部の前記第2方向の位置である可能性の高さを示す評価値をそれぞれ求める評価部と、
前記第1ラインに含まれる複数の画素の特徴値に基づいて、前記第1ラインにおいて前記切断部を示す第1位置を推定するとともに、前記第2ラインに含まれる複数の画素の特徴値に基づいて、前記第2ラインにおいて前記切断部を示す第2位置を推定する推定部と、
前記抽出画素の中に、前記評価部により所定値以上に高い可能性を示す評価値が得られた抽出画素である候補画素が複数含まれる場合に、前記複数の候補画素の中で、他の候補画素よりも前記第1位置と前記第2位置との中点に近い候補画素の位置を、前記第1ラインと前記第2ラインとを結合する前記第2方向の位置として選択する選択部とを有する
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載の読み取り装置において、
前記評価部は、前記第1画像に含まれる前記第1断片の画像と前記第2画像に含まれる前記第2断片の画像とを、切断前の前記原稿における前記第1断片及び前記第2断片の位置関係を再現する位置に配置することで重ね合わせられた範囲に含まれる前記第1ライン及び前記第2ラインの各画素を前記抽出画素とし、前記重ね合わせられた範囲において互いに同じ位置で示される前記第1ラインの抽出画素と前記第2ラインの抽出画素との間の特徴値の類似性の高さを示す値を前記評価値として求める
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記5)
付記2または付記3に記載の読み取り装置において、
前記評価部は、前記第1画像に含まれる前記第1断片の画像と前記第2画像に含まれる前記第2断片の画像とを、切断前の前記原稿における前記第1断片及び前記第2断片の位置関係を再現する位置に配置することで重ね合わせられた範囲に含まれる前記第1ライン及び前記第2ラインの各画素を前記抽出画素とし、前記重ね合わせられた範囲において互いに同じ位置で示される前記第1ラインの抽出画素と前記第2ラインの抽出画素との双方の特徴値が、前記原稿を用いずに前記読み取り部で読み取ることで生成される背景の画像の特徴値と異なっている度合いを示す値を前記評価値として求める
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記6)
付記4または付記5に記載の読み取り装置において、
更に、
前記第1ラインに含まれる複数の画素の特徴値に基づいて、前記第1ラインにおいて前記切断部を示す第1位置を推定するとともに、前記第2ラインに含まれる複数の画素の特徴値に基づいて、前記第2ラインにおいて前記切断部を示す第2位置を推定する推定部と、
前記第1画像に含まれる前記第1断片の画像と前記第2画像に含まれる前記第2断片の画像とを、切断前の前記原稿における前記第1断片及び前記第2断片の位置関係を再現する位置に配置することで重ね合わせられた範囲のうち、前記推定部によって推定された前記第1位置と前記第2位置とを含む範囲である注目範囲を設定し、前記注目範囲に含まれる各画素を抽出画素として、前記評価部に評価値の算出を実行させる設定部とを有する
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記7)
付記6に記載の読み取り装置において、
前記設定部は、前記第1断片及び前記第2断片の位置関係を再現する位置が推定された際の推定誤差を示す情報を受け、前記推定誤差が大きいほど広い幅を持つ注目範囲を設定する
ことを特徴とする読み取り装置。
(付記8)
原稿を第1方向に切断して得られる第1断片と第2断片とのそれぞれを読み取ることで、第1画像と第2画像とを生成し、
前記第1画像と前記第2画像とのそれぞれにおいて、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記原稿の切断された部分である切断部を含み、前記第1方向の位置が同じ複数の画素の特徴値に基づいて、前記第1画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部と前記第2画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部とを結合する前記第2方向の位置を検出し、
検出された位置で、前記第1画像と前記第2画像とを結合する
ことを特徴とする読み取り方法。
(付記9)
原稿を第1方向に切断して得られる第1断片と第2断片とのそれぞれを読み取ることで、第1画像と第2画像とを生成し、
前記第1画像と前記第2画像とのそれぞれにおいて、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記原稿の切断された部分である切断部を含み、前記第1方向の位置が同じ複数の画素の特徴値に基づいて、前記第1画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部と前記第2画像に属する前記複数の画素の並びの少なくとも一部とを結合する前記第2方向の位置を検出し、
検出された位置で、前記第1画像と前記第2画像とを結合する、
処理をコンピュータに実行させる読み取りプログラム。