JP2015007167A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法、硬質ポリウレタンフォーム、及び衝撃吸収材 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法、硬質ポリウレタンフォーム、及び衝撃吸収材 Download PDF

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Abstract

【課題】一般的なモールド成形により、良好に成形可能で、異方性が小さく、有効歪範囲が大きく、応力吸収性能の高い硬質ポリウレタンフォームの製造方法、それによる硬質ポリウレタンフォーム及び衝撃吸収材を提供する。【解決手段】ポリヒドロキシ化合物及びポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒及び整泡剤を含むポリウレタンフォーム形成用組成物21を、モールド10内で発泡、反応させることでポリウレタンフォームを成形する工程を含む硬質ポリウレタンフォーム31の製造方法であって、組成物21が、更に、平均粒径が0.05〜10μm、比表面積0.2〜4.5m2/gの紛体を、前記ポリヒドロキシ化合物100質量部に対して25〜70質量部含み、且つ前記ポリウレタンフォームを成形する工程が、実質的に密閉されたモールド10内で行われることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法、それにより得られた硬質ポリウレタンフォーム及び衝撃吸収材。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の衝撃吸収部材等に好適に用いられる硬質ポリウレタンフォームの製造方法、その製造方法により得られる硬質ポリウレタンフォーム、及びその硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材に関する。
従来から、自動車のドアトリムの内側等の内装やバンパー等の外装、運動場の壁やフェンス、ヘルメットの内張り、梱包用緩衝材等に硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材が広く用いられている。熱硬化性樹脂であるポリウレタンフォーム、特に架橋密度の高い硬質ポリウレタンフォームは、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂のフォームと比較して、温度に対するエネルギー吸収特性の変化幅が小さく、高温下での使用する衝撃吸収材に適している。ただし、硬質ポリウレタンフォームは、歪みと応力の関係においては、熱可塑性樹脂のフォームに比べて歪みに対して応力が変化し難いものの、歪みに対して応力が一旦上昇した後、降下するという降伏点がみられるため、応力吸収性能における安定性に問題があり、歪みの変化に対して応力がより一定で、更に応力吸収性能の高い硬質ポリウレタンフォームが求められていた。
その問題に対し、特許文献1では、硬質ポリウレタンフォームを製造する際に、特定の物性の整泡剤や紛体を配合し、発泡速度条件を調整することで応力−圧縮歪曲線で降伏値を持たない硬質ポリウレタンフォームを製造する方法が開発されている。この方法においては、通常、硬質ポリウレタン発泡原料をフリー発泡した硬質ポリウレタンフォームのスラブ品(厚板品)を製造し、所望の衝撃吸収材の形状に削り出して成形する方法が用いられる。
硬質ポリウレタンフォームを製造する別の方法としては、所望の衝撃吸収材の形状のモールド(金型)中にポリウレタン発泡原料を導入し、発泡、反応させてフォームを成形するモールド成形による方法が知られている。特許文献1に記載されたフリー発泡は、モールド中で発泡させるよりもフォームのセルのアスペクト比(セル断面形状の長径/短径)を大きくすることができ、セルの長径方向において、座屈ストロークが長く、応力−圧縮歪曲線の応力が一定の範囲(以下、「有効歪範囲」ともいう)が大きいフォームとし、応力吸収性能を高くすることができることが知られている。しかしながら、通常、フォーム中のセルの長径の方向が一定になるため、フォームの圧縮方向によって応力吸収能力が異なるという異方性が生じる。更に、スラブ品を所望の形状に削り出す加工は繁雑な工程が必要で、加工形状にも限界があり、削り屑も産業廃棄物となるためコスト増、環境負荷になるといった問題もある。
一方、モールドのよる成形の場合は、直接所望の形状が得られるので、削り出しが不要となり、モールドが作製できればどのような形状も可能であり、量産性も向上する。しかしながら、フリー発泡に比べて異方性は軽減できるものの、フォームのセルのアスペクト比が1に近づくため、座屈ストロークが短くなり、有効歪範囲が小さく応力吸収性能が低いフォームとなる場合が多い。そのため、特許文献2では、硬質ポリウレタンフォームをモールド成形する際に、モールドにスペーサで間隙を設ける等により、モールド成形品のコア部分のパック率(フリー発泡のスラブ品のコア部分との密度比)を抑えることでスラブ品を成形した場合と同様な応力吸収性能を有するモールド成形品を得る製造方法を開発している。
特開平5−331365号公報 特開平7−156162号公報
しかしながら、特許文献2においては、間隙を有する特殊なモールドを用いる必要があり、材料漏れにより、更なる削り出し成形が必要になる場合もあり、異方性の問題も解消しない場合がある。
従って、本発明の目的は、一般的なモールド成形により、良好に成形可能で、異方性が小さく、有効歪範囲が大きく、応力吸収性能の高い硬質ポリウレタンフォームの製造方法、その方法により得られる硬質ポリウレタンフォーム、及びその硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材を提供することにある。
上記目的は、ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒及び整泡剤を含むポリウレタンフォーム形成用組成物を、モールド内で発泡、反応させることでポリウレタンフォームを成形する工程を含む硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、前記組成物が、更に、平均粒径が0.05〜10μm、比表面積が0.2〜4.5m/gの紛体を、ポリヒドロキシ化合物100質量部に対して25〜70質量部含み、且つ前記ポリウレタンフォームを成形する工程が、実質的に密閉されたモールド内で行われることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法によって達成される。
ポリウレタンフォーム形成用組成物に、上記範囲の平均粒径の紛体を、上記の含有量で配合することで、特許文献2のように間隙を設けたモールドでなく、実質的に密閉されたモールド内で成形しても、応力−圧縮歪曲線の応力が一定の範囲(有効歪範囲)が大きく、応力吸収性能が高い硬質ポリウレタンフォームが得られる。この要因としては、上記条件においては、組成物内に紛体がより均一に分散されるように粘度を制御できるため、微小な紛体がリブ(セルを構成する柱部)内に適度に均一に存在したフォームが得られ、圧縮によるセル破壊において、各リブ内に破壊点が適度に増え、有効歪範囲が増大するためと考えられる。
本発明に係わる硬質ポリウレタンフォームの製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記紛体の平均粒径が1.0〜2.5μmであり、比表面積が0.8〜2.3m/gである。これにより、更に有効歪範囲が大きい硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
(2)硬質ポリウレタンフォームのセルのアスペクト比(セル断面形状の長径/短径)が1〜1.2である。
(3)前記組成物の整泡剤の表面張力が16〜31dyn/cmである。本発明においてはポリウレタンフォーム形成用組成物をモールド内で発泡させるので、フリー発泡の場合よりも安定性が高いセルが得られるため、フリー発泡の場合よりも高い表面張力の整泡剤を使用することができる。
(4) 前記紛体が、炭酸カルシウム、タルク、ウォラスナイト及びドロマイトから選択される少なくとも1種を含む。
本発明においては、ポリウレタンフォーム形成用組成物に配合する紛体の平均粒径及び含有量を適正化することで、一般的なモールド成形により、有効歪範囲が大きく、応力吸収性能の高く、且つ異方性が低減された硬質ポリウレタンフォームを容易に製造することができる。従って、応力吸収性能が高く、異方性が低減された衝撃吸収材を低コストで提供することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法の代表的な一例を示す概略断面図である。 硬質ポリウレタンフォームの応力−圧縮歪曲線における応力が一定の範囲(有効歪範囲)を説明するための図である。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法について図面を参照にしながら説明する。図1は、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法の代表的な一例を示す概略断面図である。まず、ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒及び整泡剤を含み、更に平均粒径が0.05〜10μm、比表面積が0.2〜4.5m/gの紛体を、前記ポリヒドロキシ化合物100質量部に対して25〜70質量部含むポリウレタンフォーム形成用組成物21を上型12及び下型11を有するモールド10内に導入する(図1(a))。組成物の導入は、ウレタン注型成形で使用される一般的な低圧注入機、高圧注入機を用いて行うことができる。次いで、通常のモールド成形方法と同様に上型12及び下型11によりモールド10内を実質的に密閉する(図1(b))。モールド10内は実質的に密封されていれば良く、フォームが流出しないような微小な間隙や内部の気圧を調整する弁等があっても良い。この状態で組成物21を常法により発泡、反応させてモールド10の内側形状に応じた硬質ポリウレタンフォーム31を成形する(図1(c))。最後に、モールド10を脱型し硬質ポリウレタンフォーム31を得る(図1(d))。
本発明においては、後述する実施例で示すように、ポリウレタンフォーム形成用組成物21に、上記範囲の平均粒径の紛体を、上記の含有量で配合することで、実質的に密閉されたモールド10内で成形しても、応力−圧縮歪曲線の応力が一定の範囲(有効歪範囲)が大きく、応力吸収性能が高い硬質ポリウレタンフォームが得られる。この要因としては、上記条件においては、組成物内に紛体がより均一に分散されるように粘度を制御できているため、微小な紛体がリブ内に適度に均一に存在したフォームが得られ、圧縮によるセル破壊において、各リブ内に破壊点が適度に増え、有効歪範囲が増大するためと考えられる。これにより、モールド成形によって、モールド内に充填されパックが掛ることでセルのアスペクト比(セル断面形状の長径/短径)が1に近くなり、有効歪範囲は小さくなる傾向になっても、十分な有効歪範囲を得られるものと考えられる。そして、本発明の方法で得られた硬質ポリウレタンフォームはセルのアスペクト比が1に近くすることで、異方性を低減することができる。従って、フォームのセルのアスペクト比は、1〜1.2が好ましい。
本発明において、組成物21に配合する紛体の平均粒子が大き過ぎたり、比表面積が小さ過ぎたりすると、組成物21中の沈降速度が速く、紛体が均一に分散した状態が保てなかったり、モールド10内に注入する際に、注入機のノズルにおける摩擦が激しくなるため、特殊な装置が必要になったりする場合がある。また、紛体の平均粒子が小さく、比表面積が大きい程、セル内の破壊点が増加し、有効歪範囲を大きくできるが、粒子径が小さ過ぎたり、比表面積が大き過ぎたりすると粒子の凝集が生じやすくなるため、逆にセル内の破壊点が減少し、上記効果が得られない場合がある。更に有効歪範囲が大きい硬質ポリウレタンフォームを製造するため、紛体の平均粒子径は、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜2.5μmが更に好ましく、比表面積は0.4〜4.5m/gが好ましく、0.8〜2.3m/gが更に好ましい。なお、紛体の平均粒子径は、比表面積から換算した平均粒子径にて算出した。
粉体としては、本発明の効果が得られれば、特に制限はない。例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、水酸化マグネシウム等の無機化合物の粉末、鉄、アルミニウム、銅等の金属粉、タルク、マイカ、ウォラスナイト、ドロマイト等の鉱物破砕物、更にポリアミド、ポリ塩化ビニル、メラミン等の有機物等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。効果の点で、炭酸カルシウム、タルク、ウォラスナイト、ドロマイトから選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、特に、炭酸カルシウムの粉末が好ましい。粒子の形状は、特に制限はなく、球状、多面体状、不定形、薄片状、鱗片状でも良い。また、粒子表面を脂肪酸等により処理された紛体も、紛体の凝集が抑制される点で好ましい。加工方法においても重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムのどちらを使用しても良い。
本発明においてポリウレタンフォーム形成用組成物に配合するポリヒドロキシ化合物としては、特に制限はなく、例えば、グリセリン、シュクロース、エチレンジアミン、ソルビトール、トリレンジアミン、モノエタノールアミン等にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオール類、アジピン酸、コハク酸等の多塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリヒドロキシ化合物との重縮合反応或いはラクトン類の開環重合によって得られるポリエステルポリオール類等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。この場合、本発明においては、硬質ポリウレタンフォームの耐熱性を向上させるため、全ポリヒドロキシ化合物の平均OH価として200以上、好ましくは300以上とするのが好ましい。
一方、本発明においてポリウレタンフォーム形成用組成物に配合するポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系イソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネート類、これらの粗製物などの1種を単独で又は2種以上を併用して使用できる。尚、ポリヒドロキシ化合物及び水等の活性水素を有する化合物の全量に対するポリイソシアネート化合物の使用量、即ちイソシアネート指数は、通常の硬質ウレタンフォームを製造する場合は80〜130の範囲、イソシアヌレート変性硬質ウレタンフォームを製造する場合は150〜350の範囲とすることが望ましい。
本発明において、ポリウレタンフォーム形成用組成物に配合する触媒としては特に制限はなく、硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される公知のものを用いることができる。例えば、ジブチル錫ジラウレート、鉛オクトエート、スタナスオクトエート等の有機金属系化合物、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第三級アミン化合物等のアミン系化合物、更にN,N‘,N”−トリス(ジアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のイソシアヌレート変性に使用される公知のものを用いることができる。また、発泡剤としては、硬質ポリウレタンフォ−ムの製造に使用されている公知のものを用いることができ、例えば、水、トリクロロフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等のクロロフルオロカーボン類、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のハイドロクロロフルオロカーボン類、塩化メチレン等のハイドロクロロカーボン類、ヘキサフルオロプロパン等のハイドロフルオロカーボン類、ペンタン等のハイドロカーボン類等が使用できる。これらの中でも、大気への拡散による環境への影響に鑑みて水が特に好ましく、組成物における水の含有量はポリヒドロキシ化合物100質量部に対して、0.5〜10質量部の範囲が好ましい。
本発明において、ポリウレタンフォーム形成用組成物に配合する整泡剤としては、本発明の効果を阻害しない限り、特に制限はない。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエ−テル等のポリオキシアルキレン系のもの、オルガノポリシロキサン等のシリコ−ン系のもの等が挙げられる。本発明においては、表面張力が16〜31dyn/cmの範囲の整泡剤を用いることが好ましい。本発明においては、上述のようにポリウレタンフォーム形成用組成物をモールド内で発泡させるので、特許文献1におけるフリー発砲の場合より、安定性の高いセルが得られる。従って、フリー発泡の場合よりも高い表面張力の整泡剤を用いることができる。整泡剤の表面張力は、16〜22dyn/cmが更に好ましく、特に18〜21.5dyn/cmの範囲が好ましい。表面張力が小さい整泡剤を使用すると、セル荒れなどの現象が発生する場合がある。組成物における整泡剤の含有量は、ポリヒドロキシ化合物100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲が好ましい。
なお、上記組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で上記成分以外に任意の成分、例えば難燃剤等を使用することができる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法によって製造された、本発明の硬質ポリウレタンフォームは、応力−圧縮歪曲線の応力が一定の範囲(有効歪範囲)が大きく、応力吸収性能が高く、且つ、異方性が低減された硬質ポリウレタンフォームである。従って、本発明の硬質ポリウレタンフォームからなる本発明の衝撃吸収材は、自動車のドアトリムの内側等の内装やバンパー等の外装、運動場の壁やフェンス、ヘルメットの内張り、梱包用緩衝材等に極めて有効な衝撃吸収材である。
以下、本発明を実施例により説明する。
1.硬質ポリウレタンフォームの作製
表1に示す実施例1〜9、及び比較例1〜3の配合の組成物(ポリヒドロキシ化合物液(ポリイソシアネート以外の材料を混合した液)の液温30〜60℃、ポリイソシアネート液の液温20〜40℃)を、120mm×120mm×70mmのモールド(型温40〜60℃)に注入し、(図1参照)、キュア時間180〜300秒で硬質ポリウレタンフォームのモールド成形品を作製した。また、比較のため同様な配合でフリー発泡の硬質ポリウレタンフォームを作製した。
2.評価方法
(1)液安定性
組成物のポリヒドロキシ化合物液(紛体を含む)を200gを、250mlメスシリンダーに投入し、40℃に静置し、分離状態を目視観察した。1日以上分離が認められない場合を○とし、1日未満で分離が認められた場合を×とした。
(2)液粘度
組成物のポリヒドロキシ化合物液(紛体を含む)の粘度をB型粘度計で45℃にて測定した。注入機により安定して注入可能で、、ポリヒドロキシ化合物液とポリイソシアネート化合物液が安定して拡販できる粘度として、3000mPa/s(45℃)未満を○とし、3000mPa/s(45℃)以上を×とした。
(3)成形性
各組成物を、キュア時間180秒の時にモールドの容積に対し、1〜1.2倍量になるように入れ、脱型後に成形品の中心に割れが生じるかを目視観察した。割れが認められない場合を○とし、認められた場合を×とした。
(4)フォーム密度
各モールド成形品のコア部から50mm×50mm×50mmの試料を切り出し、正確な寸法及び質量を測定して算出した。
(5)圧縮応力
各モールド成形品及びフリー発泡品のコア部から50mm×50mm×50mmの試料を切り出し、圧縮試験機(オートグラフ(島図製作所社製))により上部から50min/minの速度で圧縮し、圧縮率に対する応力を測定し、図2に示したような応力−圧縮歪曲線を作成する。基準として50%圧縮時の応力を比較した。
(6)有効歪範囲
図2に示すように、(5)における50%圧縮時の応力の±10%の応力を示す圧縮率の範囲を有効歪範囲とした。
Figure 2015007167
3.評価結果
表1に示したように、紛体を25〜70質量部配合した実施例1〜9の組成物をモールド成形した硬質ウレタンフォームは、組成物の液安定性、液粘度が合格であり、得られたモール成形品も十分な圧縮応力と、大きい有効歪範囲を示した。一方、紛体の配合量が多い比較例1は液安定性が低く、液粘度も注入機にかけられないほど高くなり、良好にフォームを作製することができなかった。また紛体の配合量が少ない比較例2及び3はフォーム密度にかかわらず、有効歪範囲が小さくなった。また、表面張力が22.6dyn/cmの整泡剤を用いた実施例9においても、十分大きい有効歪範囲が得られた。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、応力吸収性能が高く、異方性が低減された衝撃吸収材を低コストで提供することができる。
10 モールド
11 下型
12 上型
21 ポリウレタンフォーム形成用組成物
31 硬質ポリウレタンフォーム

Claims (7)

  1. ポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒及び整泡剤を含むポリウレタンフォーム形成用組成物を、モールド内で発泡、反応させることでポリウレタンフォームを成形する工程を含む硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    前記組成物が、更に、平均粒径が0.05〜10μm、比表面積0.2〜4.5m/gの紛体を、前記ポリヒドロキシ化合物100質量部に対して25〜70質量部含み、且つ
    前記ポリウレタンフォームを成形する工程が、実質的に密閉されたモールド内で行われることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記紛体の平均粒径が1.0〜2.5μmであり、比表面積が0.8〜2.3m/gである請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 硬質ポリウレタンフォームのセルのアスペクト比(セル断面形状の長径/短径)が1〜1.2である請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記組成物の整泡剤の表面張力が16〜31dyn/cmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 前記紛体が、炭酸カルシウム、タルク、ウォラスナイト及びドロマイトから選択される少なくとも1種を含む請求項1〜4に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された硬質ポリウレタンフォーム。
  7. 請求項6に記載の硬質ポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材。
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