JP2015004765A - 露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスクの円筒面状のパターン領域を斜め照明する構成において、円筒面状のシート基板上でのデフォーカスによる像の位置ずれの発生を小さく抑える。【解決手段】 第1軸線廻りに回転する円柱状または円筒状のマスクの外周面のパターン領域に設けられたパターンを、第2軸線から一定半径の円筒状の外周面を有する円筒体に支持されて一方向に移動する可撓性の基板上の露光領域に走査露光する露光装置は、マスクの外周面に斜め入射する光によりマスクの外周面上に照明領域を形成する照明系と、照明領域内のパターンの像を基板上の結像領域に形成する投影光学系とを備えている。投影光学系は、照明領域からの光によりパターンの中間像を形成する第1結像光学ユニットと、中間像からの光によりパターンの最終像を結像領域に形成する第2結像光学ユニットと、中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡とを備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、例えば一方向に移動する可撓性の基板にパターンを走査露光する露光装置に関する。
従来、フレキシブルな高分子シート上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法でパターニングすることにより、有機EL素子、液晶表示素子などの表示素子(電子デバイス)を製造する手法が考案されている。このフォトリソグラフィ工程において用いられる露光装置として、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)で搬送される帯状の可撓性の基板(感光性のシート基板)にマスクのパターンを転写する露光装置(以下、ロール・ツー・ロール型の露光装置という)が知られている。
ロール・ツー・ロール型の露光装置として、例えば第1軸線廻りに回転する円柱状(または円筒状)のマスクの外周面に沿って形成された透過型または反射型のマスクパターンを、円筒状マスクと同じ径の回転ローラーの一部に巻き付けられて一方向に連続的に移動するシート基板上の露光領域に走査露光(スキャン露光)する構成が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、回転円筒マスクの外側に配置された照明系から反射型のマスクパターンに照明光を照射し、外側に反射するパターン光を投影光学系によって、一方向に連続的に移動するシート基板上に走査露光(スキャン露光)する構成も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2011−221536号公報 特開2011−221537号公報
外周面にパターン領域が設けられた円柱状(または円筒状)の反射マスクは、例えば金属製の円筒母材の外周面に、金属等による多層膜を蒸着法やメッキ法により積層した後、その多層膜をパターンに応じてエッチングして高反射部と低反射部(光吸収部)を形成することから、安価に製造可能であり、単純な回転運動により一方向に搬送されるシート基板への連続露光が可能になるため、ロール・ツー・ロール型のスキャン露光装置に適している。また、所定の経路に沿って搬送されるシート基板に一定のテンションを掛けて、シート基板の被露光表面を安定な面状態に維持して連続露光するためには、円柱状(または円筒状)の回転ドラムの外周面の一部にシート基板を巻き付けた状態、或いはシート基板の連続移動の方向に所定の曲率で円筒面状に湾曲したエアベアリング式の支持面を持つ案内部材でシート基板を支持した状態で、シート基板を一方向に移動させるのが良い。
この場合、マスクの外周面上に照明領域を形成する際に、偏光ビームスプリッターを用いて落射照明を行う照明手法が単純である。しかしながら、偏光ビームスプリッターを用いる落射照明では、所要の照明領域(ひいてはシート基板上の結像領域)に見合ったサイズを有し且つ所要の解像力に見合った面精度を有する偏光ビームスプリッターおよび波長板が必要になる。そこで、偏光ビームスプリッターおよび波長板を用いることなく、マスクの外周面に斜め入射する光によりマスクの外周面上に照明領域を形成する斜め照明を行うとともに、円筒面状のパターン領域からの回折光を円筒面状のシート基板に斜め方向から結像させるアオリ投影光学系を使用する構成が考えられる。
円筒面状のマスクパターン領域から円筒面状に支持されたシート基板へのパターンの投影において、シート基板上に形成される像の位置ずれおよび像の歪みを発生させないためには、シート基板上の結像領域(露光領域)の全体に亘って円筒面の射影関係を満たす投影光学系が必要になる。ちなみに、通常の光学系の縦倍率αは横倍率をβとするときα=βで表されるため、投影光学系に向かって凸状となる円筒状のマスクパターンの光学像面は、シート基板に向かって凹面形状となり、凸円筒面状に支持されるシート基板上では比較的大きなデフォーカスを許容せざるを得ない。
しかしながら、円筒面状のシート基板に斜め方向から結像させる通常のアオリ投影光学系を用いる構成では、デフォーカス量に応じた像の位置ずれが発生し、ひいては像の歪みが発生する場合がある。シート基板を支持する回転ドラムやエアベアリング式の円筒状支持面を持つ案内部材の曲率半径を極端に大きくし、且つスリット状の結像領域の走査露光方向の幅寸法を極端に小さくすると、デフォーカスによる像の位置ずれの影響を比較的小さくすることはできるが、この構成では装置の巨大化およびスループットの悪化を招いてしまう。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、マスクの円筒面状のパターン領域を斜め照明する構成において、円筒面状のシート基板上でのデフォーカスによる像の位置ずれの発生を小さく抑えることのできる露光装置、およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1形態では、第1軸線廻りに回転する円柱状または円筒状のマスクの外周面のパターン領域に設けられたパターンを、第2軸線から一定半径の円筒状の外周面を有する円筒体に支持されて一方向に移動する可撓性の基板上の露光領域に走査露光する露光装置であって、
前記第1軸線と直交する平面において前記マスクの外周面に斜め入射する光により前記マスクの外周面上に照明領域を形成する照明系と、
前記照明領域内のパターンの像を前記基板上の結像領域に形成する投影光学系とを備え、
前記投影光学系は、前記照明領域からの光により前記パターンの中間像を形成する第1結像光学ユニットと、前記中間像からの光により前記パターンの最終像を前記結像領域に形成する第2結像光学ユニットと、前記中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
第2形態では、第1形態の露光装置を用いて、
露光用の光の照射によって親撥液性が改質する感光性機能層、又は露光用の光の照射によってメッキ還元基が露呈する感光性機能層が形成された基板に、所定のパターンを露光することと、
前記所定のパターンに対応する形状の電極層、配線層、半導体層の少なくとも1つを形成する為に、前記感光性機能層の表面に層材料となるインクを塗布、又は層材料となる溶液を接触させることと、
を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の一形態によれば、マスクパターンの中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡を備えたアオリ投影光学系を用いている。したがって、マスクの円筒面状のパターン領域を斜め照明する構成においてアオリ投影光学系を用いても、凸円筒面状のパターン領域と凸円筒面状の結像領域との間で射影関係を満たすことができ、ひいては円筒面状のシート基板上でのデフォーカスによる像の位置ずれの発生を小さく抑えることができる。
本発明の第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 マスクの外周面を平面状に展開して示す図である。 ドラムの外周面およびシート基板を平面状に展開して示す図である。 照明系からの照明光がマスクの外周面に斜め入射して照明領域を形成する様子を示す図である。 照明領域が所定の法線角度範囲にある様子を示す図である。 アオリ投影光学系ではデフォーカスが像の位置ずれを招く様子を示す図である。 第1実施形態において凸円筒面状の結像領域への露光と射影関係を満たすこととが両立することを模式的に説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 第2実施形態において第1結像光学ユニットにより発生した横収差を第2結像光学ユニットにより打ち消すことを模式的に説明する図である。 並列配置された複数の投影光学系を備える第1実施形態の変形例の構成を概略的に示す図である。 図10の変形例における複数の結像領域の配置を概略的に示す図である。 並列配置された複数の投影光学系を備える第2実施形態の変形例の構成を概略的に示す図である。 有機EL表示パネルのTFT層の製造工程の一例を示すフローチャートである。 液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1では、その紙面における水平方向にX軸を、図1の紙面における鉛直方向にZ軸を、図1の紙面に垂直な方向にY軸を設定している。
第1実施形態の露光装置は、Y方向に沿った軸線Maを中心として図1中時計廻りに回転する円柱状(または円筒状)の反射型マスクMと、光源LSからの光によりマスクMの外周面上に照明領域IRを形成する照明系ILと、マスクMのパターンの像をシート基板SH上の結像領域ERに形成する投影光学系PLと、シート基板SHを保持した状態でY方向に沿った軸線RLaを中心として図1中時計廻りに回転する円柱状(または円筒状)のドラム(ローラー)RLと、中心軸線Ma廻りにマスクMを回転駆動する第1駆動系DR1と、中心軸線RLa廻りにドラムRLを回転駆動する第2駆動系DR2と、駆動系DR1,DR2等の動作を統括的に制御する制御系CRとを備えている。
シート基板SHは、フォトレジスト(感光材料)が塗布されたフレキシブルな(可撓性を有する)帯状の高分子シートである。シート基板SHは、ドラムRLの外周面である円筒面に当接した状態で且つ円筒面に沿って滑動しないように保持されている。その結果、シート基板SHは、ドラムRLの軸線RLa廻りの回転に伴って円筒面の円周方向に移動する。換言すれば、シート基板SHは、軸線RLa廻りに回転するドラムRLの一部に巻き付けられて一方向に移動する。
照明系ILには、光源LSから露光用の照明光(露光光)が供給される。露光光として、例えば、超高圧水銀ランプの射出光から選択されたi線(波長365nm)の光、YAGレーザの3倍高調波(波長355nm)よりなるパルス光、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などを用いることができる。照明系ILは、複数のレンズなどを有し、XZ平面(軸線Maと直交する平面)においてマスクMの外周面に斜め入射する光により、マスクMの外周面上においてY方向に細長い照明領域IRを形成する。
すなわち、照明領域IRは、マスクMの外周面である円筒面に沿った面形状を有する。円柱状(または円筒状)の形態を有するマスクMの外周面には、シート基板SHに転写すべきパターン、すなわち有機EL素子、液晶表示素子などの電子デバイス用のパターンが設けられている。マスクMの外周面に設けられる転写パターンは、例えば多層膜により形成されて高反射部と低反射部とからなるパターンである。
図2は、マスクMの外周面をYZ平面に沿った平面状に展開して示す図である。図2に示すように、平面状に展開された照明領域IRは、Y方向に沿って細長く延びる矩形状(スリット状)の外形を有する。図2に示すように、Y方向に沿った帯状の照明領域IRは、照明系ILの射出側の光軸AX1(ひいては投影光学系PLの入射側の光軸AX2)を中心として、転写すべきパターンが設けられたパターン領域PAを照明するように形成される。パターン領域PA内のパターンのうち、照明領域IRにより照明されたパターンからの光は、2回結像型の反射屈折光学系として構成された投影光学系PLに入射する。
具体的に、投影光学系PLは、照明領域IRにより照明されたパターンからの光によりパターンの中間像を形成する第1結像光学ユニットG11と、中間像からの光によりパターンの最終像をシート基板SH上の結像領域ERに形成する第2結像光学ユニットG12と、中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡CM1とを備えている。投影光学系PLは、シート基板SH上の結像領域ERに、照明領域IR内のパターンの投影像を形成する。結像領域ERは、照明領域IRと光学的に対応する領域であって、照明領域IRと同様に、円柱状(または円筒状)のドラムRLの外周面である円筒面に沿った面形状を有する。
図3は、ドラムRLの外周面およびシート基板SHをYZ平面に沿った平面状に展開して示す図である。図3に示すように、軸線RLa廻りに回転するドラムRLの一部に巻き付けられて一方向に移動するシート基板SH上には、投影光学系PLの射出側の光軸AX3を中心としてY方向に沿って帯状に延びる結像領域ERが形成される。投影光学系PLは、シート基板SH上の結像領域ERに照明領域IR内のパターンの投影像を形成する。
投影光学系PLの投影倍率に応じてマスクMの回転とシート基板SHの移動(ひいてはドラムRLの回転)とを同期させることにより、シート基板SH上にはパターン領域PAのY方向寸法に対応する幅を有する露光領域SRに対してマスクパターンが走査露光される。具体的に、マスクMが中心軸線Ma廻りに1回転すると、ドラムRLの外周面に沿って円周方向へ移動するシート基板SH上の第1露光領域SR1には、マスクMのパターン領域PA内のパターンが走査露光により転写される。
次いで、マスクMが中心軸線Ma廻りにもう1回転すると、ドラムRLの外周面に沿って円周方向へ移動するシート基板SH上において第1露光領域SR1からシート基板SHの長尺方向(長手方向)に間隔を隔てた第2露光領域SR2にも、パターン領域PA内のパターンが走査露光により転写される。すなわち、制御系CRからの指令にしたがって第1駆動系DR1による中心軸線Ma廻りのマスクMの回転と第2駆動系DR2による円筒面に沿ったシート基板SHの移動(ひいては中心軸線RLa廻りのドラムRLの回転)とを同期させることにより、ドラムRLの外周面に沿って円周方向へ移動するシート基板SH上には、パターン領域PA内のパターンがそれぞれ転写された複数の露光領域SRがシート基板SHの長尺方向に間隔を隔てて順次形成される。
マスクMの外周面において、その円周方向に沿って間隔を隔てて複数のパターン領域を設けることもできる。この場合、マスクMが中心軸線Ma廻りに所定角度だけ回転する度に、各パターン領域内のパターンが各露光領域に走査露光により転写される。ただし、以下の説明では、マスクMの外周面に単一のパターン領域PAが設けられ、マスクMが中心軸線Ma廻りに1回転する度に、パターン領域PA内のパターンが各露光領域SRに走査露光により転写されるものとする。
また、説明の理解を容易にするために、第1結像光学ユニットG11および第2結像光学ユニットG12はともに等倍光学系であり、投影光学系PLはパターンの等倍像を結像領域ERに形成するものとする。さらに、マスクMとドラムRLとは互いに同じ半径を有し、ひいてはマスクMの外周面とドラムRLの外周面とは互いに同じ曲率を有するものとする。
以下、第1実施形態においてマスクMの円筒面状のパターン領域PAを斜め照明する構成において、円筒面状のシート基板SH上でのデフォーカスによる像の位置ずれの発生を小さく抑える原理について説明する。平面状に展開されたマスクMのパターン領域PAおよびシート基板SH上の結像領域ERにおける位置を二次元座標(x,y)で表し、円筒面における曲率方向の位置を法線角度Θで表す。
二次元座標におけるy方向は、全体三次元座標のY方向と平行に設定されている。Θは投影光学系PLの入射側光軸AX2の方向を基準(=0)とし、π≧Θ>−πであるものとする。マスクMの半径をRとすると、パターン領域PAにおける位置は、二次元座標(x=RΘ,y)で表され、x方向に2π周期構造となる。第1実施形態において円筒面状のシート基板SH上でのデフォーカスを発生させないためには、円筒面での射影関係が満たされる必要がある。
第1実施形態では、図4に示すように、射出側光軸AX1を有する照明系ILからの照明光が、マスクMの円筒面状のパターン領域PAにおける法線角度θの位置を中心に、投影光学系PLの入射側光軸(ひいては第1結像光学ユニットG11の入射側光軸)AX2に対して角度2θ(π/2≧|θ|)の方向から光軸テレセンで斜め入射して、照明領域IRを形成する。照明領域IRの中心位置のパターンからの主光線は、投影光学系PLの入射側光軸AX2の方向(θ=0)に沿って第1結像光学ユニットG11に入射する。このように、照明系ILの射出側光軸AX1および第1結像光学ユニットG11の入射側光軸AX2は軸線Maと直交するXZ平面上にあり、XZ平面に沿ったマスクMの外周面の法線に関して対称に配置されている。
この場合、図5に示すように、スリット状の照明領域IRを法線角度θの方向から見た見掛け幅をLとし、照明領域IRがθ−αからθ+αの法線角度の範囲にあるとき、次の式(1)および(2)に示す関係が成立する。また、スリット状の照明領域IRの曲率方向に沿った実際の幅Lmは、次の式(3)で表される。
L=2×R×sinα (1)
α=sin−1(0.5×L/R) (2)
Figure 2015004765
通常の等倍の投影光学系を用いる場合、その縦倍率は1倍であるため、光学像面は物体面である円筒面状の照明領域IRに対応して|Θ’|=|Θ|<π/2の法線角度範囲で、投影光学系の射出側光軸の方向から見て凹円筒面形状になる。一方、テンションを掛けた状態でシート基板SHを搬送する必要があるため、比較的大きな像質悪化(デフォーカス)を敢えて許容し、回転する半径R’の円柱状(または円筒状)のドラムRLに巻き付けた状態でシート基板SHの凸円筒面状の結像領域ER(|Θ’|>π/2)に露光せざるを得ない。このとき、凸円筒面状の結像領域ERの曲率方向に沿った実際の幅Lsは、次の式(4)で表される。
Figure 2015004765
式(3)および(4)を参照すると、マスクMのパターンをシート基板SH上に歪みなく忠実に転写するには、すべての物像関係位置でR’dΘ’=RdΘを満たせばよいことがわかる。偏光ビームスプリッターを用いる落射照明の場合、マスクMの半径RとドラムRLの半径R’とを等しく設定し且つマスクMの中心軸線MaとドラムRLの中心軸線RLaとの間に平行なテレセン光学系を構成することができる。したがって、シート基板SH上の結像領域ERが凸円筒面状であってもR’dΘ’(R=R’)は変化しないため、像質悪化(デフォーカス)をある程度許容しさえすれば、シート基板SHの搬送に適した凸円筒面状の結像領域ERへの露光において射影関係は保たれる。
しかしながら、第1実施形態のように照明系ILによる斜め照明に対応してアオリ投影光学系PLを用いる場合、ドラムRLに巻き付けられたシート基板SHの凸円筒面状の結像領域ERに対して斜め方向から結像(露光)することになる。その結果、アオリ投影光学系PLでは、図6に示すように、凸円筒面状の結像領域ERに対する凹円筒面状の光学像面IPのデフォーカス量61に応じた像の位置ずれ62によりR’dΘ’(R=R’)が変化し、単純な光学補正を行ってもシート基板SHの搬送に適した凸円筒面状の結像領域ERへパターンを忠実に転写することは困難である。すなわち、斜め照明に対応して用いられるアオリ投影光学系PLでは、デフォーカスが像の位置ずれを必然的に招く。
第1実施形態では、シート基板SHの搬送に適した凸円筒面状の結像領域ERへの露光と射影関係R’dΘ’=RdΘを満たすこととを両立させるために、マスクMの外周面と同じ曲率(ひいてはマスクMと同じ曲率半径R)の凹円筒面状の反射面を有する反射鏡CM1を中間像の形成位置に配置している。図7に模式的に示すように、照明系ILからの照明光が照明領域IRの中心に対して角度θの光軸テレセンで入射すると、照明領域IRの中心からの光の主光線の角度はθになるが、法線角度が中心とαだけ異なる周辺位置からの主光線の角度はθ−αとなる。
収差補正されている倍率−1の第1結像光学系(第1結像光学ユニットG11に対応)71を介した光により、中間結像面と一致する反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面では射影関係が成り立ち、歪みのない中間像Imが投影される。その後、光軸が反転し、反射鏡CM1の凹円筒面の法線角度はΘ''からΘ''+πに変換され、かつ、凹円筒面上における中間像Imの周辺位置θ−αには主光線角度θ+αの光が入射する関係で、法線角度αにかかわらず反射面からの反射光の主光線角度はθに変換される。その結果、第2結像光学系(第2結像光学ユニットG12に対応)72を角度θだけ傾けて配置すれば、第2結像光学系72へ物側テレセンで光線を入射させることができ、ひいては通常の両側テレセンの投影光学系と同様に扱うことができる。
シート基板SH上の凸円筒面状の結像領域ERに結像される最終像面は|Θ’|=|Θ''|>π/2の法線角度範囲で、第2結像光学系72の射出側光軸AX3から見て凸円筒面形状となり、シート基板SHの搬送に適した凸円筒面状の結像領域ERへの露光と射影関係R’dΘ’=RdΘを満たすこととを両立させることができる。ただし、マスクMの半径Rが小さ過ぎたり、照明領域IRの法線角度範囲を規定する角度αが大き過ぎたりすると、第1結像光学系71の光路が非対称になる程度が無視できなくなるため、非対称収差への対策が必要になる。
再び図1を参照すると、第1実施形態では、照明系ILからの照明光が、光軸テレセンで、凸円筒面状のパターン領域PAに例えばθ=6度の角度で斜め入射して、照明領域IRを形成する。照明領域IRの中心で発生した回折光の主光線は、照明領域IRの中心を通る法線に対して−6度だけ傾いた方向に進むため、照明領域IRの中心からの光の主光線と第1結像光学ユニットG11の入射側光軸AX2とが一致するように、第1結像光学ユニットG11の最も入射側に48度の頂角を有する三角プリズムP1を配置している。
Y方向に沿って細長いスリット状の照明領域IRの幅はαから−αまでの法線角度範囲であり、照明領域IRからの光の主光線もαから−αまでの角度の広がりをもっている。第1結像光学ユニットG11では、第1レンズL1と第2レンズL2との間に45度の頂角を有する二等辺三角プリズムP2が配置され、補正機構として使用される平行平面板P3,P4が第1レンズL1の前側および第2レンズL2の後側にそれぞれ配置されている。照明領域IRからの光の主光線が2αの角度の広がりをもっている関係で、第1結像光学ユニットG11の瞳位置に配置された平面鏡M1では図1中上下に広がった状態で折り返される。
中間像の形成位置の前後には48度の頂角を有する三角プリズムP5が配置され、反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面に対して光軸が−6度傾いた状態で中間像が投影される。反射鏡CM1での反射後に光の進路が+6度方向に反転されるので、第1結像光学ユニットG11と第2結像光学ユニットG12とを反射鏡CM1に関して対称的に配置することが可能になっている。第2結像光学ユニットG12は第1結像光学ユニットG11と類似の構成を有するが、第2結像光学ユニットG12では反射鏡CM1により主光線の角度の広がりがキャンセルされる。このため、反射鏡CM1よりも前側に配置された開口絞りにより結像に用いる回折光を規定することができる。
ドラムRLの直前には、マスクM側と同様に、48度の頂角を有する三角プリズムP6が配置されている。こうして、第2結像光学ユニットG12を経た結像光は、光軸テレセンで凸円筒面状の結像領域ERに6度の角度で斜め入射し、光学像面とがほぼ一致した結像領域ERにパターンの最終像を形成する。マスクMの曲率半径Rおよび照明領域IRの幅Lmにもよるが、射影関係R’dΘ’=RdΘがほぼ満たされる。その結果、凸円筒面状のパターン領域PAにおいて斜め照明されたパターンが、アオリ投影光学系PLを介して凸円筒面状の結像領域ERに、デフォーカスがほとんど発生することなく正確に投影される。
すなわち、第1実施形態では、マスクMのパターン中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡CM1を備えたアオリ投影光学系PLを用いている。したがって、マスクMの凸円筒面状のパターン領域PAを斜め照明する構成においてアオリ投影光学系PLを用いても、凸円筒面状のパターン領域PAと凸円筒面状の結像領域ERとの間で射影関係R’dΘ’=RdΘを満たすことができ、ひいては凸円筒面状のシート基板SH上でのデフォーカスによる像の位置ずれの発生を小さく抑えることができる。
ところで、マスクMの外周面への照明光の入射角度とマスクMの外周面から投影光学系PLへの反射光の射出角度とは必ず等しくなる。このため、マスクMの外周面から投影光学系PLへの反射光の方向について都合の良い射出角度がある場合には、照明系ILからマスクMの外周面への照明光の入射角度を調整することにより、マスクMの外周面から投影光学系PLへの反射光の射出角度を所望の角度に設定してもよい。
なお、第1実施形態では、反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面の曲率が、マスクMの外周面と同じ曲率に設定されている。しかしながら、これに限定されることなく、第1結像光学ユニットが等倍光学系である場合、反射鏡の凹円筒面状の反射面の曲率をマスクの外周面の曲率にある程度近い値に設定することにより、結像領域に形成される最終像のデフォーカスによる位置ずれを低減することができる。
また、第1実施形態では、第1結像光学ユニットG11および第2結像光学ユニットG12がともに等倍光学系であるものとしている。しかしながら、これに限定されることなく、反射鏡の凹円筒面状の反射面の曲率を、マスクの外周面の曲率と第1結像光学ユニットの倍率とに応じた適切な曲率に設定することにより、結像領域に形成される最終像のデフォーカスによる位置ずれを低減することができる。
また、第1実施形態では、マスクMとドラムRLとは互いに同じ半径を有し、ひいてはマスクMの外周面とドラムRLの外周面とは互いに同じ曲率を有するものとしている。しかしながら、これに限定されることなく、ドラムRLの半径をマスクMの半径と一致させなくても、例えばドラムRLの半径をマスクMの半径よりも大きく設定しても、結像領域に形成される最終像のデフォーカスをある程度小さく抑えることができ、ひいてはデフォーカスによる像の位置ずれを低減することができる。
図8は、本発明の第2実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。第2実施形態は、第1実施形態と類似の構成を有する。しかしながら、第1実施形態では投影光学系PLの入射側光軸と射出側光軸とが平行に近い状態に設定され且つ第1結像光学ユニットG11と第2結像光学ユニットG12とが類似の構成を有するが、第2実施形態では投影光学系PLの入射側光軸と射出側光軸とのなす角度が90度に近い状態に設定され且つ第1結像光学ユニットG21と第2結像光学ユニットG22とが互いに同じ構成を有する。図8では、図1に示す構成要素と同様の機能を有する要素に、図1と同じ参照符号を付している。以下、第1実施形態との相違点に着目して第2実施形態の構成および作用を説明する。
第2実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、説明の理解を容易にするために、第1結像光学ユニットG21および第2結像光学ユニットG22は等倍光学系であり、投影光学系PLは等倍のパターン像を結像領域ERに形成するものとする。また、マスクMとドラムRLとは互いに同じ半径を有し、ひいてはマスクMの外周面とドラムRLの外周面とは互いに同じ曲率を有するものとする。
上述したように、マスクMの半径Rが小さ過ぎたり、照明領域IRの法線角度範囲を規定する角度αが大き過ぎたり(すなわち照明領域IRの幅が大き過ぎたり)すると、第1結像光学ユニットG21の光路が非対称になる影響が大きくなり、ひいては第1結像光学ユニットG21において発生する非対称収差が大きくなる。第2実施形態では、反射鏡CM2の凹円筒面状の反射面の曲率をマスクMの外周面の曲率の2倍に設定することにより、第1結像光学ユニットG21により発生する非対称収差を第2結像光学ユニットG22により相殺している。
すなわち、反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面の曲率半径をR/2(マスクMの半径Rの1/2)とし、図9に示すように照明系ILからの照明光を照明領域IRの中心に対して角度θの光軸テレセンで入射させる。この場合、第1実施形態と同様に、照明領域IRの中心からの光の主光線の角度はθになるが、法線角度が中心とαだけ異なる周辺位置からの主光線の角度はθ−αとなる。
収差補正されている倍率−1の第1結像光学系(第1結像光学ユニットG21に対応)73を介した光により、中間結像面と一致しない反射鏡CM2の凹円筒面状の反射面では射影関係が成り立たないが、僅かなデフォーカスにより僅かに歪みのある中間像Imが投影される。その後、光軸が反転し、反射鏡CM2の凹円筒面の法線角度はΘ''からΘ''+πに変換され、かつ、凹円筒面上における中間像Imの周辺位置θ−2αには主光線角度θ−αの光が入射する関係で、主光線角度がθ+αに変換され、光軸に関して対称に光路が反転する。その結果、第1結像光学系73により発生した横収差を、第1結像光学系73と同じ構成を有する第2結像光学系(第2結像光学ユニットG22に対応)74により打ち消すことができる。
すなわち、第2実施形態では、マスクMのパターンの中間像の形成位置に配置されてマスクMの半径の1/2に対応する曲率半径を持つ凹円筒面状の反射面を有する反射鏡CM2を備えたアオリ投影光学系PLを用いている。したがって、マスクMの凸円筒面状のパターン領域PAを斜め照明する構成においてアオリ投影光学系PLを用いても、第1結像光学ユニットG21により発生した横収差を第2結像光学ユニットG22により打ち消すことができる。
なお、第2実施形態では、反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面の曲率が、マスクMの外周面の曲率の2倍に設定されている。しかしながら、これに限定されることなく、第1結像光学ユニットが等倍光学系である場合、反射鏡の凹円筒面状の反射面の曲率をマスクの外周面の曲率よりも大きく設定することにより、第1結像光学ユニットにより発生する非対称収差を第2結像光学ユニットにより低減することができる。
また、第2実施形態では、第1結像光学ユニットG21および第2結像光学ユニットG22がともに等倍光学系であるものとしている。しかしながら、これに限定されることなく、反射鏡の凹円筒面状の反射面の曲率を、マスクの外周面の曲率と第1結像光学ユニットの倍率とに応じた適切な曲率に設定することにより、第1結像光学ユニットにより発生する非対称収差を第2結像光学ユニットにより低減することができる。
また、第2実施形態では、マスクMとドラムRLとは互いに同じ半径を有し、ひいてはマスクMの外周面とドラムRLの外周面とは互いに同じ曲率を有するものとしている。しかしながら、これに限定されることなく、ドラムRLの半径をマスクMの半径と一致させなくても、例えばドラムRLの半径をマスクMの半径よりも大きく設定しても、結像領域に形成される最終像のデフォーカスをある程度小さく抑えることができ、ひいてはデフォーカスによる像の位置ずれを低減することができる。
なお、第2実施形態における手法、すなわち反射鏡CM2の凹円筒面状の反射面の曲率をマスクMの外周面の曲率の2倍に設定する手法を第1実施形態に適用することにより、第1結像光学ユニットにより発生する非対称収差を第2結像光学ユニットにより低減する効果を得ることができる。また、第1実施形態における手法、すなわち反射鏡CM1の凹円筒面状の反射面の曲率をマスクMの外周面と同じ曲率に設定する手法を第2実施形態に適用することにより、デフォーカスによる像の位置ずれを低減する効果を得ることができる。
なお、上述の第1実施形態および第2実施形態では、単一の投影光学系PLを用いて走査露光を行っている。しかしながら、これに限定されることなく、ドラムの回転軸線の方向に沿って複数の投影光学系を配列して、いわゆるマルチスキャン露光を行う構成も可能である。例えば図10に示す第1実施形態の変形例では、複数(図10では例示的に3つ)の投影光学系PL1,PL2,PL3が、ドラムRLの回転軸線RLaの方向(Y方向)、すなわちシート基板SHの移動方向と交差する方向に沿って配列されている。ここで、投影光学系PL1〜PL3は、第1実施形態における投影光学系PLと同じ構成を有する。
具体的に、マスクMおよびドラムRLを挟んで、−X方向側に第2投影光学系PL2が配置され、+X方向側に第1投影光学系PL1および第3投影光学系PL3が配置されている。そして、Y方向に沿って互いに隣り合う一方の投影光学系と他方の投影光学系、すなわち第1投影光学系PL1と第2投影光学系PL2および第2投影光学系PL2と第3投影光学系PL3とは、マスクMの回転軸線MaおよびドラムRLの回転軸線RLaを含むYZ平面に関して対称的な位置関係に配置されている。
さらに詳細には、図11に示すように、第1投影光学系PL1に対応する第1結像領域ER1と、第2投影光学系PL2に対応する第2結像領域ER2と、第3投影光学系PL3に対応する第3結像領域ER3とが、シート基板SHの移動方向に沿って見たときに互いに部分的に重なるように、投影光学系PL1〜PL3が配置されている。すなわち、互いに隣り合う一方の投影光学系の結像領域と他方の投影光学系の結像領域とがドラムの回転軸線に沿って部分的に重なり合うように配置されている。
同様に、例えば図12に示す第2実施形態の変形例においても、複数(図12では例示的に3つ)の投影光学系PL1,PL2,PL3が、ドラムRLの回転軸線RLaの方向(Y方向)に沿って配列されている。図12に示す投影光学系PL1〜PL3は、それぞれ第2実施形態における投影光学系PLと同じ構成を有する。なお、所定方向に沿って配列された複数の投影光学ユニットからなる投影光学系を用いて感光性の基板にパターンを走査露光する手法は、例えば特開2001−215718号公報に開示されている。
なお、各実施形態において、シート基板SHは、回転軸線RLaの回りに回転するドラムRLに支持される構成としたが、特開2011−221536号公報に開示されているように、エアベアリング方式でシート基板SHを支持する円筒状の支持面を有する案内部材としても良い。その場合、支持面の曲率半径は、仮想的な軸線RLaから一定半径の円筒面の一部となるように設定され、支持面は多孔質セラミック等で構成され、一様な厚み(例えば、数μm〜十数μm)のエアベアリング層が作られるようにする。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
上述の実施形態にかかる露光装置を用いて、フレキシブルな表示パネル、タッチパネル、カラーフィルタ等のデバイスを製造することができる。図13は、フレキシブルな有機EL表示パネル(AMOLED)の画素駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)層の製造工程の一例を示すフローチャートである。ここでは、ボトムゲート型のTFTを例にとって説明するが、トップゲート型のTFTであっても、工程は概ね同じである。
まず、表示パネルのベース基材となるシート基板(樹脂、プラスチック製)の表面を、紫外線、大気圧プラズマ、電子線、X線等を照射して活性化処理(ステップS40)した後、基板の表面に感光性の機能液を一様に、又は選択的に塗布し、その基板をガラス転移温度以下の乾燥炉に通して、感光性機能層を成膜する(ステップS41)。感光性機能液としては、紫外線の照射を受けた部分の親撥液性が改質される感光性シランカップリング材、紫外線の照射を受けた部分にメッキ還元基が露呈する感光性還元材等があり、工程によって使い分けられる。
次に、感光性機能層が形成された基板は、先の各実施形態で説明した露光装置に送られ、TFTのゲート電極とそれに付随する配線とに対応した形状の第1層用のマスクパターンによって露光される(ステップS42)。露光された基板は、露光装置から送り出されて次工程用の処理装置に送られるが、ステップS41で成膜された感光性機能層の種類によって、ステップS43A、S44Aの工程と、ステップS43B、S44Bの工程とのいずれか一方に送られる。
感光性機能層として親撥液性が改質される感光性シランカップリング材を用いた場合は、基板上の紫外線で露光されたゲート電極とそれに付随する配線とに対応した部分が撥液性から親液性に改質される為、ステップS43Aに進み、親液性となった部分の上に導電性インク(銀や銅等の導電性ナノ粒子を含有するインク)を選択塗布し、ゲート電極や配線となるパターン層(第1層)を描画する。この描画は、インクジェット方式、グラビア印刷、オフセット印刷等で良い。描画された基板は、導電性インクの溶剤を除去すると共に、含有されるナノ粒子同士の電気的な結合を強固にする為に、アニールと乾燥の処理を受ける(ステップS44A)。ナノ粒子同士の電気的な結合を強固にするアニールとして、ストロボ・ランプからの高輝度なパルス光を基板に照射する方式も利用できる。
感光性機能層として、紫外線を受けた部分にメッキ還元基が露呈する感光性還元材を用いた場合は、基板上の紫外線で露光されたゲート電極とそれに付随する配線とに対応した部分にメッキ還元基が露呈する為、ステップS43Bに進み、基板はパラジウムイオン等を含むメッキ液中に一定時間浸漬され、ゲート電極や配線となるパラジウムによるパターン層(第1層)を基板上に析出させる。このメッキ工程では、パラジウムによるパターン層を下地として、その上にさらに他の金属(金、銅等)によるメッキを施すと良い。メッキ処理された基板は、純水洗浄の後にガラス転移温度以下の乾燥炉に送られ、所定の水分含有率になるまで乾燥される(ステップS44B)。
ステップS44AまたはステップS44Bの後のステップS45では、第1層のパターン(ここではゲート電極と付随する配線)が形成されたか否かが判断される。すなわち、引き続き第2層のパターン(ここではTFTのゲート絶縁膜)を形成するか否かが判断される。但し、実際の工程では、第1層パターンを形成された基板は自動的に第2層パターンの形成工程に送られるため、このような判断のステップはない。
ステップS45で、第2層のパターンとしてTFTのゲート絶縁膜を形成すると判断されると、基板上には、第1層のパターン(ゲート電極層と付随する配線層)を基準にして、その上に積層すべきゲート絶縁層の溶液を選択塗布(パターニング)する(ステップS46)。このゲート絶縁層の成膜工程は、版を使った印刷方式、インクジェット方式等で行われる為、溶液塗布後は基板をガラス転移温度以下で乾燥させて、溶剤成分を蒸発させて膜を硬化させる工程も必要となる。
第2層のパターン(ゲート絶縁層)が形成された基板は、先のステップS41、S42と同様の工程に送られ、第3層のパターンとして、TFTのソース・ドレイン電極とそれに付随する配線とが形成される。第3層のパターンは、第1層のパターン(ゲート電極と配線)に対して精密にアライメントされる必要がある。その為、ステップS42の露光工程で使われる露光装置には、第3層のパターン(ソース・ドレイン電極と配線)に対応したマスクパターンと、感光性機能層が成膜された基板上に形成済みの第1層のパターン(ゲート電極と配線)とを精密にアライメントする機能が設けられている。
次に、ステップS43A、S43B、又はステップS44A、S44Bと同様の工程によって、第2層パターン(ゲート絶縁層)上に、導電性の材料(導電性ナノ粒子、金属等)によるソース・ドレイン電極とそれに付随する配線が形成される。その後、ステップS45では、第2層パターンが形成済みと判断され、次のステップS47において、TFTの半導体層が第4層パターンとして、ソース・ドレイン電極のチャネル長の間に形成される。この半導体層の形成工程は、半導体材料(有機半導体、酸化物半導体、カーボンナノチューブ等)に適した処理方法で実施される。ここでも、TFTの半導体層を形成すべき基板上の領域に半導体材料の溶液を選択的に塗布することになるので、版を使った印刷方式、インクジェット方式等による重ね合わせパターニング、塗布された半導体材料の結晶を配向させる為の熱アニール、光アニール、或いは電磁波アニール等が必要となる。
以上のようにして、第1層〜第4層のパターンが基板上に積層されると、TFTとして機能する素子が完成するが、有機ELディスプレイ等では、この層の上に有機ELの発光層がさらに積層されるため、ステップS48において、表面全体に一様な厚みで絶縁層が成膜された基板は、次の発光層の形成工程(次工程)に送られる。
図14は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図14に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、感光性基板としてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、ガラス基板用の露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、ガラス基板用の露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写された感光性基板の現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層(転写パターン層)を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。このカラーフィルタは、近年、フレキシブルな樹脂シート基板上に印刷方式で形成するものが提案されているが、上述の各実施形態の露光装置を用いることも可能である。
例えば、図13に示したステップS41、S42のように、紫外線照射によって親撥液性が改質される感光性シランカップリング材を一様に塗布したシート基板を、上述の各実施形態の露光装置に送り、その露光装置には、RGB各色のフィルタ層となるインクが塗布されるシート基板上の領域(短冊状のサブピクセル領域)に紫外線が照射されるような円筒状のマスクパターンを装着する。その後、図13中のステップS43A、S44Aのように、露光されたシート基板上の親液性に改質された領域に、RGB各色のフィルタ層となるインクを塗布するようにすれば良い。
ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイスまたは液晶デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、プラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル、或いはフレキシブルなシートマスク等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
LS 光源
IL 照明系
M マスク
Ma マスクの中心軸線
IR 照明領域
PL 投影光学系
G11,G21 第1結像光学ユニット
G21,G22 第2結像光学ユニット
CM1,CM2 反射鏡
SH シート基板
ER 結像領域
RL ドラム(ローラー)
RLa ドラムの中心軸線
DR1,DR2 駆動系
CR 制御系

Claims (12)

  1. 第1軸線廻りに回転する円柱状または円筒状のマスクの外周面のパターン領域に設けられたパターンを、第2軸線から一定半径の円筒状の外周面を有する円筒体に支持されて一方向に移動する可撓性の基板上の露光領域に走査露光する露光装置であって、
    前記第1軸線と直交する平面において前記マスクの外周面に斜め入射する光により前記マスクの外周面上に照明領域を形成する照明系と、
    前記照明領域内のパターンの像を前記基板上の結像領域に形成する投影光学系とを備え、
    前記投影光学系は、前記照明領域からの光により前記パターンの中間像を形成する第1結像光学ユニットと、前記中間像からの光により前記パターンの最終像を前記結像領域に形成する第2結像光学ユニットと、前記中間像の形成位置に配置された凹円筒面状の反射面を有する反射鏡とを備えていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記反射鏡の凹円筒面状の反射面は、前記結像領域に形成される前記最終像のデフォーカスによる位置ずれを低減するための所要の曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第1結像光学ユニットは等倍光学系であり、前記反射鏡の凹円筒面状の反射面は前記マスクの外周面と同じ曲率を有することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記第2結像光学ユニットは等倍光学系であり、前記円筒体の外周面は前記マスクの外周面と同じ曲率を有することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記反射鏡の凹円筒面状の反射面は、前記第1結像光学ユニットにより発生する非対称収差を前記第2結像光学ユニットにより低減するための所要の曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  6. 前記第1結像光学ユニットおよび前記第2結像光学ユニットは互いに同じ構成を有する等倍光学系であり、前記反射鏡の凹円筒面状の反射面は前記マスクの外周面よりも大きい曲率を有することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記反射鏡の凹円筒面状の反射面の曲率は、前記マスクの外周面の曲率の2倍であることを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記照明系の射出側光軸および前記第1結像光学ユニットの入射側光軸は、前記第1軸線と直交する平面上にあり、該平面に沿った前記マスクの外周面の法線に関して対称に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 前記第2軸線方向に沿って配列された複数の前記投影光学系を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 前記第1軸線と前記第2軸線とは互いに平行であり、
    互いに隣り合う一方の前記投影光学系と他方の前記投影光学系とは、前記第1軸線および前記第2軸線を含む平面に関して対称的な位置関係に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記複数の投影光学系は、互いに隣り合う一方の前記投影光学系の結像領域と他方の前記投影光学系の結像領域とが前記第2軸線に沿って部分的に重なり合うように配置されていることを特徴とする請求項9または10に記載の露光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、
    露光用の光の照射によって親撥液性が改質する感光性機能層、又は露光用の光の照射によってメッキ還元基が露呈する感光性機能層が形成された基板に、所定のパターンを露光することと、
    前記所定のパターンに対応する形状の電極層、配線層、半導体層の少なくとも1つを形成する為に、前記感光性機能層の表面に層材料となるインクを塗布、又は層材料となる溶液を接触させることと、
    を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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