JP2015004546A - 静電容量変化検出モジュール及びmemsセンサ - Google Patents

静電容量変化検出モジュール及びmemsセンサ Download PDF

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Takeshi Okami
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Abstract

【課題】容易かつ確実に空気抵抗を低減できる静電容量変化検出モジュール及びこれを用いたMEMSセンサを提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、角速度及び加速度のいずれか1種の物理量を検出するMEMSセンサを構成する静電容量変化検出モジュールであって、1又は複数の静電容量変化検出ユニットと、この1又は複数の静電容量変化検出ユニットに接続される弾性体とを備え、この静電容量変化検出ユニットが、平面部を有する可動電極と、この可動電極の平面部に沿って並置され、可動電極の平面部とでキャパシタを形成するよう間隔を持って対向配設される平面部を有する複数の固定電極とを備え、上記弾性体が上記可動電極の平面部を固定電極の平面部との対向方向に移動可能に支持することを特徴とする。上記複数の固定電極間の平均距離としては3μm以上9μm以下が好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量変化検出モジュール及びMEMSセンサに関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれる半導体製造技術を利用して形成した微細な機械要素を有する装置が開発されており、被測定体の角速度を検出するジャイロセンサや加速度センサとして実現されている。
例えば、上述のジャイロセンサは、X−Y方向に延在する基板上にX方向に振動可能に支持される振動駆動モジュール、この振動駆動モジュールに接続される移動体、この移動体にY方向に弾性変位可能に支持されY方向の変位量を検出する静電容量変化検出モジュール等を備えている。
このようなジャイロセンサは、振動駆動モジュールによって移動体及び移動体に支持されている静電容量変化検出モジュールの可動電極をX方向に常時往復移動させておき、ジャイロセンサがX−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに可動電極に作用するコリオリ力を可動電極のY方向の変位として検出する。静電容量変化検出モジュールの可動電極は、ジャイロセンサの向きの変化により作用するコリオリ力だけでなく、ジャイロセンサのY方向の速度変化によっても変位する。そこで、2つの静電容量変化検出モジュールの可動電極の変位の差分をとることでジャイロセンサに加えられたY方向の加速度を相殺し、ジャイロセンサのX−Y平面上の向きの変化のみを検出する。
従来のジャイロセンサの静電容量変化検出モジュールは、図3に示すように、四角筒状の可動電極と、この可動電極に囲繞され、可動電極内の断面長辺側の壁面に対向するよう平行に配設される板状部を有する固定電極とを備え、可動電極と固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量の変化に基づいて変位を検出する(例えば特開2013−96952号公報参照)。
上記静電容量変化検出モジュールでは、可動電極が変位した際に、可動電極の壁面と固定電極の板状部とに挟まれた空間(キャパシタ形成空間)の空気が圧縮され、空気は固定電極の端部側へ流出する。しかし、固定電極中央部から固定電極の端部までの距離が大きいため、空気の圧縮及び流動による空気抵抗(damping)が大きくなり、ノイズが増大するという不都合がある。このような空気抵抗を低減するために、静電容量変化検出モジュール内部を低圧にする方法が考えられるが、製造コストが高くなるほか、内部圧力を低くし過ぎると可動電極と固定電極とが接触するおそれがある。
特開2013−96952号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、容易かつ確実に空気抵抗を低減できる静電容量変化検出モジュール及びこれを用いたMEMSセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、角速度及び加速度のいずれか1種の物理量を検出するMEMSセンサを構成する静電容量変化検出モジュールであって、1又は複数の静電容量変化検出ユニットと、この1又は複数の静電容量変化検出ユニットに接続される弾性体とを備え、この静電容量変化検出ユニットが、平面部を有する可動電極と、この可動電極の平面部に沿って並置され、可動電極の平面部とでキャパシタを形成するよう間隔を持って対向配設される平面部を有する複数の固定電極とを備え、上記弾性体が、上記可動電極の平面部を固定電極の平面部との対向方向に移動可能に支持することを特徴とする。
当該静電容量変化検出モジュールが備える静電容量変化検出ユニットは、可動電極と対向する複数の固定電極が並置されているため、可動電極と複数の固定電極との間の空間(キャパシタ形成空間)が可動電極の変位によって圧縮された際に空気が複数の固定電極間から流出することができる。そのため、当該静電容量変化検出モジュールは、静電容量変化検出ユニットにおいて、空気の圧縮及び流動を小さくして空気抵抗を容易かつ確実に低減することができる。その結果、当該静電容量変化検出モジュールは、物理量の検出精度を向上することができる。
上記複数の固定電極間の平均距離としては3μm以上9μm以下が好ましい。このように複数の固定電極間の平均距離を上記範囲内とすることで、当該静電容量変化検出モジュールのキャパシタの寸法が増大することを抑制しつつ、空気抵抗をより確実に低減することができる。
上記複数の固定電極の平面部における並置方向の平均幅としては5μm以上45μm以下が好ましい。このように複数の固定電極の平面部における並置方向の平均幅を上記範囲内とすることで、当該静電容量変化検出モジュールの空気抵抗をさらに確実に低減することができる。
上記静電容量変化検出ユニットが、上記可動電極に形成される断面長方形状の筒状部と、この筒状部の一対の長辺側内面に沿って可動電極との対向方向に2列となるように立設される断面長方形状の複数の固定電極とから構成されるとよい。このように静電容量変化検出ユニットを構成することで、当該静電容量変化検出モジュールの検出感度を高めることができる。
従って、当該静電容量変化検出モジュールを備えるMEMSセンサは、空気抵抗によるノイズが少ないため、角速度の検出精度に優れる。
以上説明したように、本発明の静電容量変化検出モジュールによれば、低コストで高精度のジャイロセンサ等を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る静電容量変化検出モジュールの模式的平面図である。 本発明の一実施形態に係るMEMSセンサの模式的平面図である。 従来の静電容量変化検出モジュールの可動電極と固定電極を示す模式的平面図である。
[静電容量変化検出モジュール]
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の静電容量変化検出モジュールの実施形態を詳説する。
当該静電容量変化検出モジュールは、図1に示すように複数の静電容量変化検出ユニット1と、この複数の静電容量変化検出ユニット1に接続される弾性体4とを備える。
上記静電容量変化検出ユニット1は、平面部5を有する可動電極2と、この可動電極2の平面部5に沿って並置され、可動電極2の平面部5とでキャパシタを形成するよう間隔を持って対向配設される平面部6を有する複数の固定電極3とを備える。具体的には、静電容量変化検出ユニット1は、上記可動電極2に形成される断面長方形状の筒状部7と、この筒状部7の一対の長辺側内面に沿って可動電極2との対向方向に2列となるように立設される断面長方形状の複数の固定電極3とから構成される。
また、複数の静電容量変化検出ユニット1は、可動電極2と固定電極3との対向方向に複数連設されることで当該静電容量変化検出モジュールを構成している。連設される静電容量変化検出ユニット1において、連接部分の可動電極2は共有されている。
<可動電極>
可動電極2は、断面が長方形状の筒状部7を有し、内面が平面部5を形成している。この可動電極2は、この平面部5によって後述の複数の固定電極3との対向面にキャパシタを形成する。また、可動電極2は、複数の固定電極3との対向方向に変位するよう後述する弾性体4で支持される。なお、図1において、複数の固定電極3の並置方向をX方向、可動電極2と複数の固定電極3との対向方向をY方向とする。
可動電極2の材質としては、例えばシリコンを用いることができる。
<弾性体>
弾性体4は可動電極2の平面部5を固定電極3の平面部6との対向方向(Y方向)に移動可能に支持する弾性体である。この弾性体4としては、例えば変位方向に折り畳まれた板ばねを用いることができる。弾性体4の可動電極2と反対側の端部は、MEMSセンサの枠体又は移動体(ジャイロセンサの場合)に固定される。
弾性体4の材質は、可動電極2と同様にシリコンとすることができる。シリコンを用いた場合、シリコン基板の加工により可動電極2と一体化して弾性体4を形成することができる。
<固定電極>
固定電極3は、断面が長方形状の柱状体であり、断面の長辺側(X方向に平行な辺側)の平面部6が可動電極2の長辺側内面と対向してキャパシタを形成するよう複数の固定電極3が間隔を持って並置されている。固定電極3は、ビア3aによって、MEMSセンサの基板等に固定されている。
また、固定電極3は、図1に示すように可動電極2の筒状部7の内部空間に、可動電極2との対向方向(Y方向)に2列になるように配設されている。固定電極3の各列は、可動電極2の筒状部7の一対の長辺側内面に沿っている。このように固定電極3をY方向に2列にすることで、可動電極2の変位によって1列目の固定電極3と可動電極2との間隔の変化(増減)と、この間隔の変化と逆方向の変化である2列目の固定電極3と可動電極2との間隔の変化とによってより精度よく変位を検知することができる。
上記複数の固定電極3間の並置方向(X方向)の平均距離d1の下限としては、3μmが好ましく、4μmがより好ましい。固定電極3間の平均距離d1が上記下限未満の場合、空気抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。一方、上記複数の固定電極3間の平均距離d1の上限としては、9μmが好ましく、8μmがより好ましい。固定電極3間の平均距離d1が上記上限を超える場合、当該静電容量変化検出モジュールの寸法が必要以上に大きくなって単位体積又は単位面積当たりの検出効率が悪くなるおそれがある。
上記複数の固定電極3の平面部6における並置方向(X方向)の平均幅w1の下限としては、5μmが好ましく、6μmがより好ましい。固定電極3の平面部6における並置方向の平均幅w1が上記下限未満の場合、一定のキャパシタ容量を得るために多数の固定電極3を設ける必要があるため、当該静電容量変化検出モジュールの寸法が必要以上に大きくなって単位体積又は単位面積当たりの検出効率が悪くなるおそれがある。一方、上記複数の固定電極3の平面部6における並置方向の平均幅w1の上限としては、45μmが好ましく、40μmがより好ましい。固定電極3の平面部6における並置方向の平均幅w1が上記上限を超える場合、空気抵抗の低減効果が不十分となるおそれがある。
当該静電容量変化検出モジュールの空気抵抗値γは下記式(1)で表される。ここで、μは抵抗係数、Lは固定電極3の高さ、つまり並置方向(X方向)及び固定電極3と可動電極2との対向方向(Y方向)に対する垂直方向(図中紙面と垂直方向)の長さである。下記式(1)からわかるように、固定電極3の並置方向の平均幅w1を小さくし、固定電極3間の平均距離d1を大きくすることで、空気抵抗を効果的に低減できる。
Figure 2015004546
上記複数の固定電極3の高さLは、物理量の検出に必要な静電容量に合わせて適宜設計することができるが、例えば10μm以上50μm以下とすることができる。また、可動電極2と固定電極3との対向面間距離d2も、物理量の検出に必要な静電容量に合わせて適宜設計することができるが、例えば0.5μm以上5μm以下とすることができる。さらに、Y方向に並列する固定電極3間の距離d3としては、例えば0.5μm以上5μm以下とすることができる。
上記複数の固定電極3の可動電極2との対向方向(Y方向)の平均幅w2は製造プロセスで律速されるが、例えば1μm以上15μm以下とすることができる。固定電極3の対向方向の平均幅w2が上記下限未満の場合、固定電極3のMEMSセンサの基板等への固定が困難になるおそれがある。一方、固定電極3の対向方向の平均幅w2が上記上限を超える場合、当該静電容量変化検出モジュールの寸法が必要以上に大きくなって単位体積又は単位面積当たりの検出効率が悪くなるおそれがある。
固定電極3の材質としては、例えばシリコンを用いることができる。
<静電容量変化検出モジュールの製造方法>
当該静電容量変化検出モジュールは、犠牲層を介して2枚のシリコン基板を積層する工程と、一方のシリコン基板をエッチングして、可動電極2、固定電極3及び弾性体4の平面形状を形成する工程と、エッチングにより犠牲層を除去して可動電極2及び弾性体4を他方のシリコン基板から分離する工程とを備える製造方法により製造され得る。
<利点>
当該静電容量変化検出モジュールが備える静電容量変化検出ユニット1は、可動電極2と対向する複数の固定電極3が間隔を持って並置されているため、可動電極2と複数の固定電極3との間の空間(キャパシタ形成空間)が可動電極2の変位によって圧縮された際に空気が複数の固定電極3間から流出することができる。そのため、当該静電容量変化検出モジュールは、静電容量変化検出ユニット1において、空気の圧縮及び流動を小さくして空気抵抗を容易かつ確実に低減することができる。
<その他の実施形態>
本発明の静電容量変化検出モジュールは上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、静電容量変化検出モジュールが複数の静電容量変化検出ユニットを備える構成としたが、1の静電容量変化検出ユニットを備える静電容量変化検出モジュールも本発明の意図する範囲内である。
また、固定電極の断面形状は長方形状に限定されず、可動電極の平面部と対向する平面部を有すれば、断面形状は長方形以外の多角形であってもよく、曲線部を含んでいてもよい。
[ジャイロセンサ]
次に、適宜図面を参照しつつ本発明のジャイロセンサ(MEMSセンサ)の実施形態を詳説する。
図2のジャイロセンサは、X−Y方向に延在する基板10上にX方向に移動可能に支持されX方向に並ぶ2つの移動体20と、Y方向に可動電極2が変位可能なように移動体20に支持された2つの当該静電容量変化検出モジュール30と、移動体20をX方向に往復移動させる振動駆動モジュール40とを備える。
当該ジャイロセンサは、例えばシリコン製の基板10上に、フォトリソグラフィー、材料の積層、エッチング等の公知の半導体製造技術を用いて、移動体20、当該静電容量変化検出モジュール30及び振動駆動モジュール40、並びに他の構成要素を形成することにより製造される。
当該ジャイロセンサは、振動駆動モジュール40によって移動体20及び移動体20に支持されている当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2をX方向に常時往復移動させておき、当該ジャイロセンサが基板10ごとX−Y平面に垂直なZ方向の軸を中心に回転したときに当該静電容量変化検出モジュール30に作用するコリオリ力を当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2のY方向の変位として検出することで、当該ジャイロセンサの向きの変化を検出する。
当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2は、当該ジャイロセンサの向きの変化によるコリオリ力だけでなく、当該ジャイロセンサのY方向の速度変化による慣性力によってもY方向に変位する。そこで、当該ジャイロセンサは、2つの当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2の変位の差分をとることで、当該ジャイロセンサに加えられたY方向の加速度を相殺し、2つの当該静電容量変化検出モジュール30の中間を通るZ方向の軸を中心にした当該ジャイロセンサの回転により生じるコリオリ力のみを検出する。
<基板>
基板10は、振動駆動モジュール40に電力を供給したり静電容量変化検出モジュール30の検出信号を処理したりするための電気回路(不図示)が公知の半導体製造技術により形成されている。
<移動体>
移動体20は、方形枠状に形成され、それぞれX方向に伸縮可能な4つの駆動ばね21を介して基板10上に支持されている。駆動ばね21は、一端が移動体20の一角に接続され、他端が基板10上に形成された堅固な固定体22に固定されている。これにより、移動体20は、基板10に対して駆動ばね21の弾性変形範囲内でX方向に移動可能であるが、Y方向の移動は制約される。
<静電容量変化検出モジュール>
当該静電容量変化検出モジュール30は、弾性体4を介して移動体20に支持されている。これにより、当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2は、移動体20に対してY方向にのみ変位可能である。従って、当該静電容量変化検出モジュール30の可動電極2は、基板10に対して、移動体20と共にX方向に移動させられると共に、弾性体4の弾性変形範囲内でY方向に変位可能である。
ここで、一方側(図中左側)の静電容量変化検出モジュール30の可動電極2と可動電極2の筒状部7の一方(図中上側)の長辺側内面に沿う列の固定電極3(以下、第一固定電極群ともいう)との間の静電容量をC1p、可動電極2と可動電極2の筒状部7の他方(図中下側)の長辺側内面に沿う列の固定電極3(以下、第二固定電極群ともいう)との間の静電容量をC1nとし、他方側(図中右側)の静電容量変化検出モジュール30の静電容量変化検出モジュール30の可動電極2と可動電極2の筒状部7の一方の長辺側内面に沿う列の固定電極3(第一固定電極群)との間の静電容量をC2p、可動電極2と可動電極2の筒状部7の他方の長辺側内面に沿う列の固定電極3(第二固定電極群)との間の静電容量をC2nとする。可動電極2がY方向一方側(図中上側)に変位すると、可動電極2と第一固定電極群との距離が減少して静電容量C1p及びC2pが増大し、可動電極2と第二固定電極群との距離が増大して静電容量C1n及びC2nが減少する。従って、一方側の静電容量変化検出モジュール30の可動電極2のY方向の変位量は(C1p−C1n)から算出でき、他方側の静電容量変化検出モジュール30の可動電極2のY方向の変位量は(C2p−C2n)から算出できる。可動電極2と第一固定電極群及び第二固定電極群とはX方向にも相対変位するが、第一固定電極群及び第二固定電極群が常に可動電極2のY方向投影範囲内に留まるため、Y方向の相対変位は静電容量C1p、C1n、C2p及びC2nに影響を及ぼさない。
静電容量変化検出モジュール30の可動電極2をY方向に変位させる力は、当該ジャイロセンサのX−Y平面上での向きの変化(Z方向の軸を中心にした回転)により発生するコリオリ力と、当該ジャイロセンサをY方向に加速又は減速させるように作用するY方向の外力とからなる。Y方向の外力は2つの静電容量変化検出モジュール30の可動電極2に等しく作用するが、コリオリ力は2つの静電容量変化検出モジュール30の可動電極2に対して異なる大きさ又は向きで作用するので、2つの静電容量変化検出モジュール30の可動電極2のY方向変位量の差分{(C1p−C1n)−(C2p−C2n)}を算出することで、当該ジャイロセンサのX−Y平面上での向きの変化のみを導出できる。
なお、コリオリ力の絶対値Fcは、下記式(2)で表される。ここで、Mは検出質量体(移動体20、静電容量変化検出モジュール30の可動電極2及び振動駆動モジュール40の駆動用可動電極41の合計質量)、Vは移動体20の振動速度、Ωは回転角速度である。このため、コリオリ力の絶対値Fcによる静電容量変化検出モジュール30の可動電極2の変位を静電容量変化によって検出することで、回転角速度Ωを検出することができる。
Fc=2MVΩ ・・・(2)
<振動駆動モジュール>
振動駆動モジュール40は、移動体20から外側Y方向に突設した幹部及びこの幹部から駆動方向(X方向)両側に延伸した複数の枝部を有する駆動用可動電極41と、基板10上に固定して形成され、この駆動用可動電極41の各平行部の先端部を両側から囲繞するように対向配設される断面が櫛歯形の往動用固定電極42及び復動用固定電極43とを有する。
駆動用可動電極41は、移動体20、駆動ばね21及び固定体22を介して基板10上の電気回路の基準電位に接続されている。一方、往動用固定電極42には、基板10上の電気回路から基準電位と所定の駆動電位とを交互に繰り返す矩形波状の往動駆用動電圧が印加され、復動用固定電極43には、基板10上の電気回路から基準電位と上記駆動電位とを交互に繰り返す往動用駆動電圧とは逆位相の復動用動電圧が印加される。駆動用可動電極41は、往動用固定電極42及び復動用固定電極43の駆動電位が印加されている方に静電気力によって引き寄せられる。このようにして、振動駆動モジュール40は、移動体20をX方向に往復移動させる。
<利点>
当該ジャイロセンサは、当該静電容量変化検出モジュール30を備えるため、可動電極2の変位時の空気抵抗が抑えられ、精度よく角速度を検出することができる。
<その他の実施形態>
本発明のジャイロセンサは上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、振動駆動モジュールを幹部及び枝部を有する可動電極と、断面が櫛形の固定電極とから構成したが、印加によりX方向に駆動できる構成であれば振動駆動モジュールはこのような構成に限定されない。また、電磁力によって駆動する方式を用いてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すよう静電容量変化検出モジュールにおいて、静電容量変化検出ユニットの数を1としたもの、つまり可動電極に形成される断面長方形状の筒状部内に、筒状部の一対の長辺側内面に沿って断面長方形状の複数の固定電極を2列に立設した静電容量変化検出モジュールを設計し、シミュレーションで可動電極の変位時の空気抵抗値を解析した。固定電極間の平均距離d1は6μm、固定電極の平面部における並置方向の平均幅w1は18μm、固定電極と可動電極との対向方向の平均幅w2は11μm、固定電極と可動電極との対向面間距離d2は3μm、各列の固定電極の数は2(全固定電極数4)とした。
(比較例)
図3に示すように、可動電極12に形成される断面長方形状の筒状部内に、筒状部の一対の長辺側内面にそれぞれ沿う平板状部を有する固定電極13を一対立設した静電容量変化検出モジュールを設計し、シミュレーションで可動電極の変位時の空気抵抗値を解析した。固定電極の平板状部の長さは200μm、固定電極と可動電極との対向面間距離は2μmとした。また、可動電極と固定電極とにより形成されるキャパシタの静電容量が、実施例の静電容量変化検出モジュールと同様になるように、ユニット(可動電極の筒状部)の数及び各可動電極及び固定電極の高さを設定した。
実施例及び比較例についてのシミュレーション結果を表1に示す。
Figure 2015004546
表1に示されるように、実施例の静電容量変化検出モジュールは、比較例と同様の静電容量を有しながら、空気抵抗を10分の1以下にすることができる。
以上説明したように、本発明の静電容量変化検出モジュールは、空気抵抗を低コストで低減することができる。そのため、当該静電容量変化検出モジュールを用いたMEMSセンサはジャイロセンサとして携帯端末等に好適に用いることができる。
1 静電容量変化検出ユニット
2、12 可動電極
3、13 固定電極
4 弾性体
5、6 平面部
7 筒状部
10 基板
20 移動体
21 駆動ばね
22 固定体
30 静電容量変化検出モジュール
40 振動駆動モジュール
41 駆動用可動電極
42 往動用固定電極
43 複動用固定電極

Claims (5)

  1. 角速度及び加速度のいずれか1種の物理量を検出するMEMSセンサを構成する静電容量変化検出モジュールであって、
    1又は複数の静電容量変化検出ユニットと、
    この1又は複数の静電容量変化検出ユニットに接続される弾性体と
    を備え、
    この静電容量変化検出ユニットが、
    平面部を有する可動電極と、
    この可動電極の平面部に沿って並置され、可動電極の平面部とでキャパシタを形成するよう間隔を持って対向配設される平面部を有する複数の固定電極と
    を備え、
    上記弾性体が上記可動電極の平面部を固定電極の平面部との対向方向に移動可能に支持することを特徴とする静電容量変化検出モジュール。
  2. 上記複数の固定電極間の平均距離が3μm以上9μm以下である請求項1に記載の静電容量変化検出モジュール。
  3. 上記複数の固定電極の平面部における並置方向の平均幅が5μm以上45μm以下である請求項1又は請求項2に記載の静電容量変化検出モジュール。
  4. 上記静電容量変化検出ユニットが、
    上記可動電極に形成される断面長方形状の筒状部と、
    この筒状部の一対の長辺側内面に沿って可動電極との対向方向に2列となるように立設される断面長方形状の複数の固定電極と
    から構成される請求項1、請求項2又は請求項3に記載の静電容量変化検出モジュール。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の静電容量変化検出モジュールを備えるMEMSセンサ。
JP2013128961A 2013-06-19 2013-06-19 静電容量変化検出モジュール及びmemsセンサ Pending JP2015004546A (ja)

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