JP2015004009A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂組成物の硬化物に難燃性を付与するとともに、低線熱膨張係数、低誘電正接、高ガラス転移温度を達成できる硬化物を調製することができる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤、(B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂、および、(C)無機充填剤を含有する樹脂組成物であって、無機充填剤を除く前記樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%である樹脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性の樹脂組成物に関する。さらに本発明は、当該難燃性樹脂組成物を含有する、絶縁層用の難燃性樹脂組成物、該難燃性樹脂組成物を含むシート状積層材料、該難燃性樹脂組成物を硬化した絶縁層を含む多層プリント配線板、該多層プリント配線板を含む半導体装置に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、多層プリント配線板においては、ビルドアップ層が複層化され、配線の微細化及び高密度化が求められている。配線の微細化等を追求するために、多層プリント配線板用の絶縁層にも種々の性能が求められている。
例えば、特許文献1には、特定のビニル化合物と重量平均分子量が10000以上の高分子量体を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物が、硬化性フィルムに加工した際のタック性等の性能を改善できることが開示されている(請求項1、段落番号0004等参照)。また、特許文献2には、難燃剤としてアルケニルリン化合物が開示されている。しかし、該アルケニルリン化合物と特定のラジカル重合性樹脂とを組み合わせた場合の具体的な難燃性能については何ら検討されていない。
特開2006−83364号公報 特開2010−202718号公報
本発明は、樹脂組成物の硬化物に難燃性を付与するとともに、低線熱膨張係数、低誘電正接、高ガラス転移温度を達成できる硬化物を調製することができる樹脂組成物に関する。
また、本発明は、多層プリント配線板の絶縁層の調製に好適な、難燃性を有する硬化性樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、当該多層プリント配線板の絶縁層を含む半導体装置に関する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤、(B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂、および、(C)無機充填剤を含有する樹脂組成物であって、無機充填剤を除く前記樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%である樹脂組成物が、十分な難燃性を保持しつつ、上述した低線熱膨張係数、低誘電正接、高ガラス転移温度を達成できる硬化物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
[1](A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤、
(B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂、
および、
(C)無機充填剤
を含有する樹脂組成物であって、無機充填剤を除く前記樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%である樹脂組成物。
[2]
(B)成分が下記式(1)で表されるラジカル重合性樹脂である、[1]に記載の樹脂組成物。

Figure 2015004009
[式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは芳香環を含む2価の炭化水素基である。]
[3]
前記Aが下記式(2)又は下記式(3)で表される、[2]に記載の樹脂組成物。
Figure 2015004009
[式(2)中、Bは下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。]
Figure 2015004009
[式(3)中、Dは下記式(4)である。]
Figure 2015004009
[式(4)中、R7〜R14はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、a、bは、少なくとも一方が0でない0〜100の整数であり、Bは下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。]
Figure 2015004009

Figure 2015004009

Figure 2015004009
[式(B−1)〜(B−3)中、R15〜R34はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、Eは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水素基である。]
[4]
(A)成分が下記式(5)で表される、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2015004009
[式(5)中、Xは下記式(6)又は下記式(7)で表される。]
Figure 2015004009

Figure 2015004009
[式(6)及び(7)中、R35〜R40はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜5の炭化水素基である。]
[5]
(A)成分が下記式(8)で表される、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2015004009
[6]
前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)成分が0.5〜15質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]
前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)成分が5〜40質量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]
前記無機充填剤がシリカである、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]
前記無機充填剤が、アクリル、メタクリル、スチリル、アミノ、エポキシ、ビニルから選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]
前記無機充填剤が、ビニルシラン系カップリング剤又はスチリルシラン系カップリング剤で表面処理されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11]
前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)成分が30〜80質量%である、[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物。
[13]
[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、多層プリント配線板のビルドアップ層用樹脂組成物。
[14]
[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、シート状積層材料。
[15]
[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物又は[14]に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物の誘電正接が0.005以下である、硬化物。
[16]
[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物又は[14]に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物の線熱膨張係数が30ppm以下である、硬化物。
[17]
[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物又は[14]に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物のガラス転移温度が170℃以上である、硬化物。
[18]
[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物又は[14]に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られた絶縁層を含むことを特徴とする、多層プリント配線板。
[19]
[18]の多層プリント配線板を含むことを特徴とする、半導体装置。
本発明は、十分な難燃性を有すると共に、低線熱膨張係数、低誘電正接、高ガラス転移温度を達成できる硬化物を調製することができる樹脂組成物を提供することができる。また、本発明は、多層プリント配線板の絶縁層の調製に好適な、難燃性を有する硬化性樹脂組成物を提供することができる。さらに、本発明は、当該多層プリント配線板の絶縁層を含む半導体装置を提供することができる。
[難燃性樹脂組成物]
本発明の態様の一つである難燃性樹脂組成物は、(A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤、(B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂、(C)無機充填剤、および、任意に(D)その他の成分、を含有する樹脂組成物であって、無機充填剤を除く前記樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%である樹脂組成物である。以下、本発明の樹脂組成物について、詳細に説明する。
(A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤
本発明で使用され得る(A)成分は、ホスファフェナントレン骨格を有する化合物に、少なくとも1つ以上のビニル基又はスチリル基が結合した構造を有する難燃剤である。ここで、ホスファフェナントレン骨格は、例えば以下の式(5−1)中、Xを除く構造を有する。なお、式(5−1)中のXは上記ビニル基又はスチリル基である。

Figure 2015004009
上記式(5−1)中、R41〜R48は、それぞれ独立に、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基又はアシル基である。好ましくは、R41〜R48は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜4のアルキル基である。ホスファフェナントレン骨格として、より好ましくは、式(5−1)中、R41〜R48が水素である以下の式(5)(Xを除く)で示される構造である。
Figure 2015004009
上記式(5−1)及び(5)中、Xは、以下の式(6)で表されるビニル基又は以下の式(7)で表されるスチリル基であり得る。
Figure 2015004009

Figure 2015004009
上記式(6)及び(7)中、R35〜R40はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、好ましくは、水素、メチル基であり、より好ましくは水素である。
(A)成分として殊更好ましくは、以下の式(8)で示される化合物である。
Figure 2015004009

上記式(8)の構造を有する化合物(難燃剤)としては、例えば、片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol)が市場から入手可能である。
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物の硬化物の難燃性向上や誘電正接を下げるという観点から、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)成分である難燃剤の含有量は0.5〜15質量%が好ましく、1〜11質量%がより好ましく、2〜7質量%が更に好ましい。
(B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂
本発明で使用され得る(B)成分は、分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基をラジカル重合性基として有するラジカル重合性樹脂である。ラジカル重合性樹脂を使用することで、本発明の樹脂組成物から調製される硬化物の誘電正接を低下させることができる。ラジカル重合性基として使用されるビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基は、保存安定性が優れるという観点から優位に選択され、特に耐熱性に優れるという観点からスチリル基を有することがより好ましい。
本発明で使用され得る(B)成分として、好ましくは、下記式(1)で表されるラジカル重合性樹脂である。
Figure 2015004009
式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R1〜R6として好ましくは、水素である。また、式(1)中、Aは、芳香環を含む2価の炭化水素基であり、Aとして好ましくは、下記式(2)又は下記式(3)で表される2価の官能基である。
Figure 2015004009
式(2)中、Bは下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。
Figure 2015004009
式(3)中、Dは下記式(4)である。
Figure 2015004009
式(4)中、R7〜R14はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、好ましくは水素またはメチル基である。特にR7、R8、R13、R14はメチル基がより好ましい。a、bは、少なくとも一方が0でない0〜100の整数であり、好ましくは3〜80であり、より好ましくは、5〜50である。
Bは、下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。
Figure 2015004009

Figure 2015004009

Figure 2015004009
式(B−1)〜(B−3)中、R15〜R34はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、より好ましくは、水素又はメチル基である。式(B−3)中、Eは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水素基である。
(B)成分としてさらに具体的には、下記式(9)又は下記式(10)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2015004009
(9)
式(9)中、R1〜R6、B、a、bは、上記と同様である。
Figure 2015004009
市販されているラジカル重合性樹脂としては、スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」、一般式(9)相当、但し、R1〜R6は、水素又はメチル、aは5〜50、bは5〜50である)、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」、一般式(10)相当)等が挙げられる。
ラジカル重合性樹脂の数平均分子量は、樹脂ワニス乾燥時の揮発防止、樹脂組成物の溶融粘度が上昇しすぎるのを防止するという観点から、100〜10000の範囲であるのが好ましく、200〜3000の範囲であるのがより好ましい。なお本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物の相溶性向上という観点から、当該樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)成分であるラジカル重合性樹脂の含有量は5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
(C)無機充填剤
本発明の樹脂組成物は、さらに無機充填剤を含有させることにより、誘電正接を低下させることができる。無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、シリカが好ましい。また、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、メソポーラスシリカ等のシリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。また、シリカとしては球状のものが好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。市販されている球状溶融シリカとして、(株)アドマテックス製「SOC2」、「SOC1」が挙げられる。
無機充填剤の平均粒径は、特に限定されるものではないが、絶縁層上へ微細配線形成を行うという観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましく、0.7μm以下が更に一層好ましい。一方、樹脂組成物をワニスとした場合に、ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましい。上記無機充填剤の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填剤の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填剤を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−950等を使用することができる。
無機充填剤を配合する場合の含有量は、特に制限されないが、誘電正接を低下させ、かつフィルム形態の可撓性が低下するのを防止するという観点から、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、30〜80質量%が好ましく、40〜75質量%がより好ましく、45〜70質量%が更に好ましい。
無機充填剤は、アクリル、メタクリル、スチリル、アミノ、エポキシ、ビニルから選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されていてもよい。例えば、無機充填剤は、アミノシラン系カップリング剤、ウレイドシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、アクリレートシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で表面処理してその耐湿性、分散性を向上させたものが好ましい。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系カップリング剤、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン系カップリング剤、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、t-ブチルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルシラン系カップリング剤、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン系カップリング剤、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジエトキシシラン等のアクリレートシラン系カップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン系カップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、2,2,4,4,6,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサオクチルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジ−n−オクチルテトラメチルジシラザン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3−ジメチルテトラフェニルジシラザン、1,3−ジエチルテトラメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ジメチルジシラザン、1,3−ジプロピルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラザン、テトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物、テトラ-n-ブチルチタネートダイマー、チタニウム-i-プロポキシオクチレングリコレート、テトラ−n−ブチルチタネート、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。市販品としては、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM1403」(p−スチリルトリメトキシシラン)等が挙げられる。これらのなかでも、無機充填剤がビニルシラン系カップリング剤又はスチリルシラン系カップリング剤で表面処理されている場合は、誘電正接を低下させることに優れていて好ましい。
(D)その他の成分
本発明の樹脂組成物には、上述した成分の他、その他の成分として、硬化剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、重合開始剤、有機充填剤、有機溶媒、増粘剤、消泡剤、密着性付与剤、着色剤、添加剤などを適宜配合することができる。これらの他の成分は、少なくとも1種類、例えば2種類以上を混合して使用し得る。
(i)硬化剤
本発明に使用する硬化剤としては、特に限定されないが、活性エステル型硬化剤、シアネートエステル型硬化剤、フェノール型硬化剤、ベンゾオキサジン型硬化剤等が挙げられ、表面粗さをより低下させ、かつ誘電正接を低下させることができるという観点から、活性エステル型硬化剤及び/又はシアネートエステル型硬化剤を用いることが好ましく、活性エステル型硬化剤を用いることがより好ましい。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
活性エステル型硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル型硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。
特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル型硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル型硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。活性エステル型硬化剤としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル型硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル型硬化剤、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル型硬化剤、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル型硬化剤が好ましく、なかでもピール強度の向上に優れるという点で、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル型硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル型硬化剤がより好ましく、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル型硬化剤が更に好ましい。
活性エステル型硬化剤としては、特開2004−277460号公報に開示されている活性エステル型硬化剤を用いてもよく、また市販のものを用いることもできる。具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル型硬化剤としてEXB9451、EXB9460、EXB9460S−65T、HPC−8000、HPC−8000−65T(DIC(株)製、活性基当量約223)、ナフタレン構造を含む活性エステル型硬化剤としてEXB9416−70BK(DIC(株)製、活性基当量約274)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル型硬化剤としてDC808(三菱化学(株)製、活性基当量約149)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル型硬化剤としてYLH1026(三菱化学(株)製、活性基当量約200)、YLH1030(三菱化学(株)製、活性基当量約201)、YLH1048(三菱化学(株)製、活性基当量約245)等が挙げられる。
特に好ましい活性エステル樹脂は、以下の一般式(11)
Figure 2015004009
(式中、mは0又は1であり、nが平均値として0.25〜1.5、好ましくは、0.4〜1.2である)で表されるジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含み、末端にX−基及びXO−基(ここでXは置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基である)をそれぞれ有する樹脂化合物である。当該活性エステル樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1500〜4000であり、より好ましくは2000〜3000である。
殊更好ましい活性エステル樹脂は、以下の式(12)で表されるジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を有し、末端にX−基及びXO−基(ここでXは置換基を有していてもよいナフチル基である)をそれぞれ有し、重量平均分子量が約2700の活性エステル樹脂であるHPC−8000である。
Figure 2015004009
(式中、mは0又は1であり、nが平均値として0.4〜1.2である)
シアネートエステル型硬化剤としては、特に制限はないが、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル型硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル型硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル型硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル型硬化剤の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜4500が好ましく、600〜3000がより好ましい。シアネートエステル型硬化剤の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4'−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。市販されているシアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、PT30、シアネート当量124)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、BA230、シアネート当量232)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、DT−4000、DT−7000)等が挙げられる。
好ましいシアネートエステル型硬化剤であるPT30の構造式は以下の通りである。
Figure 2015004009
[式中、nは平均値として任意の数(好ましくは0〜20、より好ましくは1〜10)を示す。]
フェノール型硬化剤としては、特に制限はないが、ビフェニル型硬化剤、ナフタレン型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール型硬化剤が好ましい。具体的には、ビフェニル型硬化剤のMEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、ナフタレン型硬化剤のNHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(新日鐵化学(株)製)、EXB9500(DIC(株)製)、フェノールノボラック型硬化剤のTD2090(DIC(株)製)、ナフチレンエーテル型硬化剤のEXB−6000(DIC(株)製)、トリアジン骨格含有フェノール型硬化剤のLA3018、LA7052、LA7054、LA1356(DIC(株)製)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン型硬化剤としては、特に制限はないが、具体例としては、F−a、P−d(四国化成(株)製)、HFB2006M(昭和高分子(株)製)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物の硬化物の誘電正接を低下させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、硬化剤の含有量は1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
(ii)熱硬化性樹脂
本発明で使用し得る熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。中でもエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、表面粗さを低下させながらもピール強度を向上させるという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂及びアントラセン型エポキシ樹脂より選択される1種以上を用いることが好ましい。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「エピコート828EL」、「YL980」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER806H」、「YL983U」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」、「EXA4032SS」)、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4700」、「HP4710」)、ナフトール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ESN−475V」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」、三菱化学(株)製「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」、「YL6121」)、アントラセン型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX8800」)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」、「EXA7311−G3」)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製「EX711」、「EX721」、(株)プリンテック製「R540」)などが挙げられる。特にビフェニル型エポキシ樹脂は、低粗度かつ高ピール強度を発揮するために好ましい。
好ましいエポキシ樹脂であるNC3000Lの構造式は以下の通りである。
Figure 2015004009
また、別の好ましいエポキシ樹脂であるEXA4032SSの構造式は以下の通りである。
Figure 2015004009
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物の硬化物の機械強度や耐水性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、エポキシ樹脂の含有量は1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜10質量%が更に好ましい。
(iii)熱可塑性樹脂
本発明で使用し得る熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリル酸エステル樹脂及びポリスルホン樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂が好ましい。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8000〜1000000の範囲が好ましく、10000〜80000の範囲がより好ましく、20000〜500000の範囲が更に好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定することができる。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。また、熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂の場合、当該フェノキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば10000〜20000(g/当量)となる。
(iv)重合開始剤
重合開始剤は、効率的にラジカル重合性樹脂の硬化を行うために使用できる。重合開始剤の種類は、特に限定されないが、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどのラジカル発生剤が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。好ましい重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物(日油(株)製「パーヘキシン25B」を挙げることができる。
重合開始剤を配合する場合の含有量は、特に制限されないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜2質量%がより好ましい。この範囲内であると、誘電正接の上昇を防止することができる。
本発明で使用し得る有機充填剤としては、例えば、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー、ゴム粒子等が挙げられる。
本発明で使用し得る有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
本発明で使用し得る増粘剤としては、例えば、オルベン、ベントン等が挙げられる。
本発明で使用し得る消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤、高分子系消泡剤等が挙げられる。
本発明で使用し得る密着性付与剤としては、例えば、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明で使用し得る着色剤としては、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等が挙げられる。
上記各成分を含有する樹脂組成物は、上記無機充填剤を除く樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%、好ましくは、0.5〜4質量%、より好ましくは、0.8〜3質量%であることが適当である。リン含有量が0.2質量%以上であれば、十分な難燃性を発揮することができるので好ましく、また、リン含有量が5質量%以下であれば、ガラス転移温度を高くすることができ、線熱膨張係数を低くすることもできるので好ましい。
[樹脂組成物の調製]
本発明の樹脂組成物は、上記成分を適宜混合し、また、必要に応じて三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいは高速回転ミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または混合することにより調製することができる。また、さらに上述した有機溶剤を加えることで樹脂ワニスとしても調製することができる。
本発明の樹脂組成物においては、低線熱膨張係数、低誘電正接、高ガラス転移温度を達成できる硬化物を形成することができるので、多層プリント配線板の製造において、多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物として好適に使用することができる。更に、めっきにより導体層を形成するための樹脂組成物(めっきにより導体層を形成する多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物)として好適に使用することができ、更に多層プリント配線板のビルドアップ層用樹脂組成物として好適である。
本発明の樹脂組成物の形態としては、特に限定されないが、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料、回路基板(積層板用途、多層プリント配線板用途等)に適用することが出来る。本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で回路基板に塗布して絶縁層を形成することもできるが、工業的には一般に、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料の形態で用いるのが好ましい。樹脂組成物の軟化点は、シート状積層材料のラミネート性の観点から40〜150℃が好ましい。
[多層プリント配線板]
本発明の樹脂組成物は、多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物として用いることができる。本発明で使用され得る多層プリント配線板は、本発明の樹脂組成物やシート状積層材料を熱硬化して得られた絶縁層を含む、多層プリント配線板である。
ここで、熱硬化の条件は、樹脂組成物中のエポキシ樹脂の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、例えば硬化温度は90〜220℃、好ましくは160℃〜210℃であり、硬化時間は10分〜180分、好ましくは20〜120分として加熱されることによって行う。また、2段階に分けて熱硬化を行っても良い。
[シート状積層材料]
本発明で用いられるシート状積層材料は、上記樹脂組成物を層形成した、硬化前のシート状材料である。当該シート状積層材料は、当業者に公知の方法、例えば、上述した有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて、支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて支持体上に樹脂組成物層(シート状積層材料)を形成させることにより支持体付きシート状積層材料として製造することができる。また、樹脂ワニスをガラスクロス等のシート状補強基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸、乾燥させることで、シート状積層材料をプリプレグとすることもできる。なお、支持体付きシート状積層材料を接着フィルムという場合もある。
乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分程度乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
得られたシート状積層材料(樹脂組成物層)の厚さは特に限定されないが、例えば1〜150μmの範囲が好ましく、2〜100μmの範囲がより好ましく、3〜70μmの範囲がさらに好ましく、5〜50μmの範囲が特に好ましい。
当該シート状積層材料は、樹脂組成物層が複数層になっていてもよく、樹脂組成物層の一方の面に支持体を有していてもよく、他方の面に保護フィルム有していても良い。
[支持体]
本発明で使用し得る支持体としては、プラスチックフィルムや金属箔が挙げられる。具体的に、プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET 」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、特に安価で入手容易なポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
汎用性の点から、プラスチックフィルムが好ましく、プラスチックフィルムを使用する場合、剥離性を向上させるために、樹脂組成物を含む層と接する面が離型処理された支持体を使用するのが好ましい。離型処理に使用する離型剤としては、樹脂組成物を含む層が支持体から剥離可能であれば特に限定されず、例えば、シリコン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。なお、離型処理された支持体として、市販されている離型層付きプラスチックフィルムを用いてもよく、好ましいものとしては、例えば、アルキッド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムであるPET501010、SK−1、AL−5、AL−7(リンテック(株)製)などが挙げられる。また、プラスチックフィルムは、マット処理又はコロナ処理を施してあってもよく、当該処理面上に離型層を形成してもよい。一方、金属箔はエッチング溶液により除去することもできるし、除去せずに該金属箔を導体層として利用してもよい。
支持体の厚さは特に限定されないが、10〜150μmの範囲が好ましく、20〜50μmの範囲がより好ましく、25〜45μmの範囲がさらに好ましい。
本発明で使用し得る保護フィルムは、樹脂組成物を含む層へのごみ等の付着防止等を目的として設けられてもよい。当該保護フィルムとしては、支持体と同様のプラスチックフィルムを使用することができる。また保護フィルムには、マッド処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよく、上記と同様の離型処理が施してあってもよい。保護フィルムの厚みは、3〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
[シート状積層材料を用いた多層プリント配線板]
次に、上記のようにして製造したシート状積層材料を用いて多層プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
まず、シート状積層材料を、真空ラミネーターを用いて回路基板の片面又は両面にラミネート(積層)する。回路基板に用いられる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。また導体層と絶縁層とを交互に積層してなる多層プリント配線板において、該多層プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターン加工された導体層(回路)となっているものも、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。
上記ラミネートにおいて、シート状積層材料が保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じてシート状積層材料及び回路基板をプレヒートし、シート状積層材料を加圧及び加熱しながら回路基板にラミネートする。本発明のシート状積層材料においては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネートの条件は、特に限定されるものではないが、例えば、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下に10〜120秒間程度減圧し、その後圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力(ラミネート圧力)を好ましくは0.1〜1.5MPa、より好ましくは0.5〜1.2MPaとし、圧着時間(ラミネート時間)を好ましくは5〜180秒としてラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。真空ラミネートは、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
その後、室温(25℃)付近に冷却してから、支持体を剥離する場合は剥離し、樹脂組成物を熱硬化して硬化物を形成することで、回路基板上に絶縁層を形成することができる。熱硬化の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、たとえば硬化温度は100〜220℃、好ましくは160℃〜210℃であり、硬化時間は20分〜180分、好ましくは30〜120分として加熱されることによって行う。また、2段階に分けて熱硬化を行っても良い。絶縁層を形成した後、硬化前に支持体を剥離しなかった場合は、必要によりここで剥離することもできる。
また、シート状積層材料を、真空プレス機を用いて回路基板の片面又は両面に積層することもできる。減圧下、加熱及び加圧を行う積層工程は、一般の真空ホットプレス機を用いて行うことが可能である。例えば、加熱されたSUS板等の金属板を支持体側からプレスすることにより行うことができる。プレス条件は、70〜250℃、好ましくは100〜230℃の温度で、減圧度を通常0.01MPa以下、好ましくは0.001MPa以下の減圧下とし、プレス圧力が0.5〜4MPaの範囲、プレス時間を30〜150分間として行うのが好ましい。加熱及び加圧は、1段階で行うことも出来るが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。例えば、1段階目のプレスを、温度が70〜150℃、プレス圧力が0.1〜1.5MPaの範囲、2段階目のプレスを、温度が150〜200℃、圧力が0.5〜4MPaの範囲で行うのが好ましい。各段階の時間は20〜120分間で行うのが好ましく、である。このように樹脂組成物層を熱硬化することにより回路基板上に絶縁層を形成することができる。市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、MNPC−V−750−5−200((株)名機製作所製)、VH1−1603(北川精機(株)製)等が挙げられる。
次いで、回路基板上に形成された絶縁層に穴開け加工を行ってビアホール、スルーホールを形成してもよい。穴あけ加工は、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、また必要によりこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけ加工が最も一般的な方法である。穴あけ加工前に支持体を剥離しなかった場合は、ここで剥離することになる。
次いで、絶縁層表面に上述した粗化処理を行い、さらに乾式めっき又は湿式めっきにより絶縁層上に導体層を形成し得る。乾式めっきとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の公知の方法を使用することができる。湿式めっきとしては、無電解めっきと電解めっきとを組み合わせて導体層を形成する方法、導体層とは逆パターンのめっきレジストを形成し、無電解めっきのみで導体層を形成する方法、等が挙げられる。その後のパターン形成の方法として、例えば、当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができ、上述の一連の工程を複数回繰り返すことで、ビルドアップ層を多段に積層した多層プリント配線板となる。本発明においては、低粗度、高ピールであるため、多層プリント配線板のビルドアップ層として好適に使用することができる。
ここで絶縁層となる本発明の樹脂組成物の硬化物の誘電正接(ASTM D2520)は、空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて測定して、0.005以下、好ましくは0.0045以下、より好ましくは0.004以下であることが適当である。これにより、消費電力ロスが少なくなる。
本発明の樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数(JIS K7197)は、25〜150℃の平均の線熱膨張係数で測定して、30ppm/℃以下となるのが好ましく、28ppm/℃以下となるのがより好ましく、25ppm/℃以下となるのがより好ましい。下限値に特に制限はないが、一般的に4ppm/℃以上となる。これにより、絶縁層(ビルドアップ層)と導体層(配線)とのひずみを防止し、信頼性の高い多層プリント配線板を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(JIS K7121)は、引張加重法により荷重200mN、昇温速度2℃/分の条件にて測定して、170℃以上、好ましくは175℃以上、より好ましく180℃以上、190℃以上、200℃以上であることが適当である。これにより、耐熱性の高い基板を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物の難燃性は、UL−94垂直(V)難燃性試験に基づいて評価できる。具体的には、得られた樹脂組成物の硬化物を、積層板(銅箔なし、基板厚み0.2mm、日立化成(株)製679FG)の両側に貼りあわせ、12.7mmx127mmx0.36mmの大きさ、エッジが1.27mmとなるよう切断して試験片を得、試験片をクランプに垂直に取り付け、炎を試験片の下端中央に10秒間接炎し、その後の燃焼時間を計測した。再び10秒間接炎し、その後の燃焼時間を計測した。その燃焼挙動により以下の基準に基づいて評価できる。

V-0:燃焼物の落下、試験片の全焼がなく、試験片の燃焼時間が50秒以下
V-1:燃焼物の落下、試験片の全焼がなく、試験片の燃焼時間が50秒以上250秒以下
Not:燃焼物の落下、試験片の全焼、または試験片の燃焼時間が250秒以上
[半導体装置]
上述のようにして製造された多層プリント配線板を用いることで半導体装置を製造することができる。本発明で使用され得る多層プリント配線板の導通箇所に、半導体チップを実装することにより半導体装置を製造することができる。「導通箇所」とは、「多層プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、導通するのであれば、導体層の一部であってもそれ以外のコネクタ等の導電部分であってもよい。「半導体チップ」とは、半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。
<測定方法・評価方法>
<硬化物の作成>
実施例及び比較例において得られた樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下にて200℃で90分間熱処理し、支持体から剥離することで硬化物フィルム(厚さ40μm)を得た。
<誘電正接の測定>
上記で得られた硬化物フィルム(厚さ40μm)を長さ80mm、幅2mmに切り出し評価サンプルとした。この評価サンプルについてアジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製HP8362B装置を用い空洞共振摂動法(ASTM D2520)により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電正接を測定した。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。
<線熱膨張係数の測定>
上記で得られた硬化物フィルム(厚さ40μm)を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置Thermo Plus TMA8310((株)リガク製)を使用して、引張加重法(JIS K7197)で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分、30℃から250℃までの測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃までの平均の線熱膨張係数(ppm)を算出した。
<ガラス転移温度の測定>
上記で得られた硬化物フィルム(厚さ40μm)を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、動的粘弾性測定装置(EXSTAR6000(SIIナノテクノロジー(株))を使用して引張加重法(JIS K7121)で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重200mN、昇温速度2℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における寸法変化シグナルの傾きが変化する点からガラス転移温度(℃)を算出した。
<難燃性の測定>
(1)接着フィルムのラミネート
実施例及び比較例で作成した接着フィルムを2枚重ねあわせ、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機(株)製商品名)を用いてラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaで圧着することにより行った。重ねあわせた接着フィルムをバッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機(株)製商品名)を用いて、積層板(銅箔なし、基板厚み0.2mm、日立化成(株)製679FG)の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaで圧着することにより行った。
(2)接着フィルムの硬化
ラミネートされた接着フィルムのPETを剥離し、200℃、90分の硬化条件で樹脂組成物を窒素オーブン中で硬化して積層体を形成した。
(3)難燃試験
UL−94Vに従い実施した。得られた積層体(厚さ380μm)を12.7mmx127mmの大きさ、エッジが1.27mmとなるよう切断し、70±1℃オーブン中で168時間処理後、デシケーターで4時間以上放冷した。
得られた試験片をバーナーを試験片真下に移動して、炎を試験片の下端中央に10秒間接炎し、その後の燃焼時間を計測した。再び10秒間接炎し、その後の燃焼時間を計測した。これを5回繰り返し、以下の基準に基づいて評価した。

V-0:燃焼物の落下、試験片の全焼がなく、試験片の燃焼時間が50秒以下
V-1:燃焼物の落下、試験片の全焼がなく、試験片の燃焼時間が50秒以上250秒以下
Not:燃焼物の落下、試験片の全焼、または試験片の燃焼時間が250秒以上
(実施例1)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)70部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)20部を、ソルベントナフサ30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液20部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(実施例2)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)50部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)10部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA4032SS」)15部、シアネートエステル型硬化剤(ロンザ(株)製「PT30」、)15部、メチルエチルケトン(MEK)30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液20部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(実施例3)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)50部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」)15部、活性エステル型硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000」、固形分65質量%のトルエン溶液)15部を、MEK30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液20部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(実施例4)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)70部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)27部を、ソルベントナフサ30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液6部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(実施例5)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)60部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)20部を、ソルベントナフサ30部、トルエン15部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液70部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(実施例6)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)70部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)20部を、ソルベントナフサ30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液20部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、ビニルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(比較例1)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)70部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)29部を、ソルベントナフサ30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液2部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(比較例2)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)50部、ビニル基含有難燃剤(片山化学(株)製 「V−5」(分子量242.21g/mol))の固形分50%のジメチルアセトアミド溶液100部を撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(比較例3)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)70部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)20部を、ソルベントナフサ30部、トルエン20部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、難燃剤(大塚化学(株)製 「SPS−100」、ホスファゼン型難燃剤)10部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。なお、SPS−100の構造式は以下の通りである。

Figure 2015004009
(比較例4)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)50部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」)15部、活性エステル型硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000」、固形分65質量%のトルエン溶液)15部を、MEK20部、トルエン30部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、反応性難燃剤(ダウ・ケミカル(株)製 「XZ−92741」、フェノール変性のホスファフェナントレン骨格タイプ)の固形分50wt%希釈品20部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
(比較例5)
スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱瓦斯化学(株)製「OPE−2St(数平均分子量1200)」)50部、ビキシレノールジアリルエーテル樹脂(三菱化学(株)製「YL7776(数平均分子量331)」)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000L」)15部、活性エステル型硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000」、固形分65質量%のトルエン溶液)15部を、MEK20部、トルエン30部に撹拌しながら加熱溶解させた。混合溶液を室温(25℃)まで冷却後、重合開始剤(日油(株)製「パーヘキシン25B」)5部、反応型難燃剤(水酸基当量162、(株)三光製「HCA−HQ」、リン含有量9.5%、10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10-ヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイド)10部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、スチリルシラン処理付き)200部、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、上記の樹脂ワニスを、離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製、「PET501010」)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
Figure 2015004009

Claims (19)

  1. (A)分子内に1つ以上のビニル基またはスチリル基と、ホスファフェナントレン骨格とを有する難燃剤、
    (B)分子内に1つ以上のビニル基、スチリル基、アリル基及びアクリル基から選ばれる官能基を有するラジカル重合性樹脂、
    および、
    (C)無機充填剤
    を含有する樹脂組成物であって、無機充填剤を除く前記樹脂組成物に含まれる樹脂成分を100質量%とした場合、リン含有量が0.2〜5質量%である樹脂組成物。
  2. (B)成分が下記式(1)で表されるラジカル重合性樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。

    Figure 2015004009
    [式(1)中、R1〜R6はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Aは芳香環を含む2価の炭化水素基である。]
  3. 前記Aが下記式(2)又は下記式(3)で表される、請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2015004009

    [式(2)中、Bは下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。]
    Figure 2015004009
    [式(3)中、Dは下記式(4)である。]
    Figure 2015004009
    [式(4)中、R7〜R14はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、a、bは、少なくとも一方が0でない0〜100の整数であり、Bは下記式(B−1)、(B−2)又は(B−3)である。]
    Figure 2015004009

    Figure 2015004009

    Figure 2015004009
    [式(B−1)〜(B−3)中、R15〜R34はそれぞれ独立に水素、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であり、Eは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水素基である。]
  4. (A)成分が下記式(5)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2015004009
    [式(5)中、Xは下記式(6)又は下記式(7)で表される。]
    Figure 2015004009

    Figure 2015004009
    [式(6)及び(7)中、R35〜R40はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜5の炭化水素基である。]
  5. (A)成分が下記式(8)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2015004009
  6. 前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)成分が0.5〜15質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)成分が5〜40質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記無機充填剤がシリカである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記無機充填剤が、アクリル、メタクリル、スチリル、アミノ、エポキシ、ビニルから選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記無機充填剤が、ビニルシラン系カップリング剤又はスチリルシラン系カップリング剤で表面処理されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 前記樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)成分が30〜80質量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、多層プリント配線板のビルドアップ層用樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする、シート状積層材料。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は請求項14に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物の誘電正接が0.005以下である、硬化物。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は請求項14に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物の線熱膨張係数が30ppm以下である、硬化物。
  17. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は請求項14に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られる硬化物であって、該硬化物のガラス転移温度が170℃以上である、硬化物。
  18. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は請求項14に記載のシート状積層材料を熱硬化して得られた絶縁層を含むことを特徴とする、多層プリント配線板。
  19. 請求項18記載の多層プリント配線板を含むことを特徴とする、半導体装置。
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