JP2015002075A - 発光素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents

発光素子、表示装置及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1反射界面、第2反射界面及び第3反射界面を備え、これらの反射界面によって構成される干渉フィルタによって色域の一層の拡大を図り得る発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1電極31、第2電極32、及び、第1電極31と第2電極32との間に設けられ、第1電極側から第1発光層34及び第2発光層35が積層されて成る有機層33を備えており、有機層33からの光が、第1発光層34と第1電極31との第1反射界面において反射され、第2電極32を通過して、外部に出射され、第2発光層35の第1発光層34とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層41、第2光透明層42及び第3光透明層43が設けられており、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面の位置が所定の条件に基づき規定されている。
【選択図】 図1

Description

本開示は、発光素子、並びに、係る発光素子を用いた表示装置及び照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と呼ぶ)は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目され、盛んに研究開発が行われている。有機EL素子は、一般に、数十nm乃至数百nm程度の厚さの発光層を含む有機層が反射性電極と透光性電極との間に挟持された構造を有している。そして、発光層で発光した光が外部に取り出されるが、素子構造内での光の干渉を利用して有機EL素子の発光効率を向上させる試みがなされている。また、発光効率を高めると共に、発光寿命の向上を図るために、複数の発光層を接続層を介して積層することにより、発光層が、一種、直列に接続された積層構造(所謂タンデム構造)を有する有機EL素子も周知であり、任意の数の発光層を積層させることが可能である。例えば、青色光を発生させる青色発光層と、緑色光を発生させる緑色発光層と、赤色光を発生させる赤色発光層とを積層させることにより、青色光、緑色光及び赤色光の合成光として白色光を発生させることができる。
このような構成の有機EL素子が、例えば、特開2011−159432から周知である。この特許公開公報に開示された有機EL素子は、
第1の電極と第2の電極との間に挟持された、可視光領域の単色又は2色以上の互いに異なる色の光を発光する第1の発光層及び第2の発光層を第1の電極から第2の電極に向かう方向の互いに離れた位置に順次含む有機層と、
第1の発光層及び第2の発光層から発光された光を反射させ、第2の電極側から射出させるための、第1の電極側に設けられた第1の反射界面と、
第2の電極側に第1の電極から第2の電極に向かう方向の互いに離れた位置に順次設けられた第2の反射界面及び第3の反射界面とを有し、
第1の反射界面と第1の発光層の発光中心との間の光学距離をL11、第1の反射界面と第2の発光層の発光中心との間の光学距離をL21、第1の発光層の発光中心と第2の反射界面との間の光学距離をL12、第2の発光層の発光中心と第2の反射界面との間の光学距離をL22、第1の発光層の発光中心と第3の反射界面との間の光学距離をL13、第2の発光層の発光中心と第3の反射界面との間の光学距離をL23、第1の発光層の発光スペクトルの中心波長をλ1、第2の発光層の発光スペクトルの中心波長をλ2としたとき、L11、L21、L12、L22、L13及びL23が以下の式(1)〜(6)を全て満足し、且つ、式(7)及び(8)のうちの少なくとも一方を満足する発光素子である。
2L11/λ11+φ1/2π=0 (1)
2L21/λ21+φ1/2π=n(但し、n≧1) (2)
λ1−150<λ11<λ1+80 (3)
λ2−30<λ21<λ2+80 (4)
2L12/λ12+φ2/2π=m’+1/2 且つ 2L13/λ13+φ3/2π=m” 又は
2L12/λ12+φ2/2π=m’ 且つ 2L13/λ13+φ3/2π=m”+1/2
(5)
2L22/λ22+φ2/2π=n’+1/2 且つ 2L23/λ23+φ3/2π=n” 又は
2L22/λ22+φ2/2π=n’ 且つ 2L23/λ23+φ3/2π=n”+1/2 又は
2L22/λ22+φ2/2π=n’+1/2且つ2L23/λ23+φ3/2π=n”+1/2
(6)
λ22<λ2−15 又は λ23>λ2+15 (7)
λ23<λ2−15 又は λ22>λ2+15 (8)
但し、m’、m”、n、n’、n”:整数
λ1、λ2、λ11、λ21、λ12、λ22、λ13、λ23の単位はnm
φ1:各波長の光が第1の反射界面で反射される際の位相変化
φ2:各波長の光が第2の反射界面で反射される際の位相変化
φ3:各波長の光が第3の反射界面で反射される際の位相変化
そして、このような構成を採用することで、広い波長帯域で良好に光を取り出すことができると共に、単色又は可視光領域の2色以上の互いに異なる色の合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の大幅な低減を図ることができる発光素子を実現することが可能となる。
また、第1の反射界面、第2の反射界面及び第3の反射界面に加えて、第4の反射界面を設けることにより、視野角特性の改善が可能であるとされている。尚、第4の反射界面に関しては、2層の発光層の積層順によって、光を強め合い又は弱め合う第4の反射界面の位置条件が存在する。
特開2011−159432
上記の特許公開公報に開示された技術は、第1反射界面、第2反射界面及び第3反射界面によって構成される干渉フィルタの特性の平坦化を図る上で、極めて有用な技術である。しかしながら、干渉フィルタの特性の平坦化を図るだけでは、色域の一層の拡大を図り難い場合があることが判明した。そして、上記の特許公開公報には、このような問題点の解決策に関して、何ら、言及されていない。
従って、本開示の目的は、第1反射界面、第2反射界面及び第3反射界面を備え、これらの反射界面によって構成される干渉フィルタによって色域の一層の拡大を図り得る発光素子、並びに、係る発光素子を備えた表示装置及び照明装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る発光素子は、
第1電極、
第2電極、及び、
第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
を備えており、
有機層からの光が、第1発光層と第1電極との界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
以下の式(1)及び式(2)を満足し、
式(3−A)を満足し、又は、式(3−B)を満足し、又は、式(3−A)及び式(3−B)を満足する。
Figure 2015002075
但し、
λ1 :第1発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
λ2 :第2発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
11:第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
12:第2発光層と第1光透明層との界面である第2反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
13:第1光透明層と第2光透明層との界面である第3反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
14:第2光透明層と第3光透明層との界面である第4反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
21:第1反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
22:第2反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
23:第3反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
24:第4反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
φ1 :第1反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ2 :第2反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ3 :第3反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ4 :第4反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
であり、
1は0以上の整数、n1は0以上の整数、m2,m3,m4,n2,n3及びn4は整数である。尚、光学距離とは、光路長とも呼ばれ、一般に、屈折率n00の媒質中を距離(物理的距離)D00だけ光線が通過したときのn00×D00を指す。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る発光素子は、
第1電極、
第2電極、及び、
第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
を備えており、
有機層からの光が、第1発光層と第1電極とによって構成される第1反射界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
第2発光層側の第1光透明層界面によって第2反射界面が構成されており、
第1光透明層と第2光透明層とによって第3反射界面が構成されており、
第2光透明層と第3光透明層とによって第4反射界面が構成されており、
第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
第1反射界面は、以下の(条件−1)を満足するように、配置されており、
第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面は、以下の(条件−2)を満足し、又は、(条件−3)を満足し、又は、(条件−2)及び(条件−3)を満足するように、配置されている。
(条件−1)
第1発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合う。
(条件−2)
第1発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第1発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第1発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
(条件−3)
第2発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第2発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
上記の目的を達成するための本開示の表示装置は、上記の本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子が2次元マトリクス状に配列されて成る。
上記の目的を達成するための本開示の照明装置は、上記の本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子を備えている。
本開示の第1の態様に係る発光素子にあっては、後述するように、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって一種の干渉フィルタが構成されており、式(1)及び式(2)を満足することで、干渉フィルタにおいては、光が強め合う条件が達成される。そして、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面を配置することで、広い波長範囲に亙って光透過率曲線が一層平坦な干渉フィルタを得ることができ、しかも、式(3−A)及び/又は式(3−B)を満足することで、第1発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域及び/又は第2発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができる結果、色域の拡大を図ることができ、しかも、可視光領域の2色以上の異なる色のそれぞれ、及び、合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の大幅な低減を図ることができる。また、本開示の第2の態様に係る発光素子にあっては、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面が、所定の条件を満足するように配置されているので、広い波長範囲に亙って光透過率曲線が一層平坦な干渉フィルタを得ることができ、しかも、第1発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域及び/又は第2発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができる結果、色域の拡大を図ることができ、しかも、可視光領域の2色以上の異なる色のそれぞれ、及び、合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の大幅な低減を図ることができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、付加的な効果があってもよい。
図1A及び図1Bは、それぞれ、実施例1及び比較例1の発光素子を構成する各層の構成図である。 図2は、実施例1の表示装置の模式的な一部断面図である。 図3A及び図3Bは、それぞれ、比較例1の発光素子及び実施例1の発光素子における干渉フィルタの光透過率を計算した結果を示すグラフである。 図4A及び図4Bは、それぞれ、実施例1の表示装置において、視野角をパラメータとした輝度変化(Y/Y0)のシミュレーション結果を示すグラフ、及び、視野角をパラメータとした色度変化(Δuv)のシミュレーション結果を示すグラフである。 図5は、実施例3の表示装置の模式的な一部断面図である。 図6は、実施例4の照明装置の模式的な一部断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、表示装置及び照明装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子及び表示装置)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(実施例1及び実施例2の変形)
5.実施例4(本開示の照明装置)、その他
[本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子、表示装置及び照明装置、全般に関する説明]
本開示の第1の態様に係る発光素子、本開示の表示装置における本開示の第1の態様に係る発光素子、本開示の照明装置における本開示の第1の態様に係る発光素子(以下、これらの発光素子を、総称して、『本開示の第1の態様に係る発光素子等』と呼ぶ場合がある)においては、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されている形態とすることができる。尚、「第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって構成された干渉フィルタ」とは、『第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面における光の反射に起因した干渉によって発現する分光光透過率によるフィルタ効果を有する干渉フィルタ』と云い換えることができる。
上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る発光素子等において、
第2光透明層の光学的厚さt2は、
0.2・λ1≦t2≦0.35・λ1
を満足することが望ましい。あるいは又、
0.8×(λ1/4)≦t2≦1.4×(λ1/4)
を満足することが望ましい。尚、光学的厚さt2は、第2光透明層の厚さ(物理的厚さ)と第2光透明層の屈折率の積から求められる。
本開示の第2の態様に係る発光素子、本開示の表示装置における本開示の第2の態様に係る発光素子、本開示の照明装置における本開示の第2の態様に係る発光素子(以下、これらの発光素子を、総称して、『本開示の第2の態様に係る発光素子等』と呼ぶ場合がある)においては、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第2反射界面の位置が決定されている形態とすることができる。また、このような形態を含む本開示の第2の態様に係る発光素子等にあっては、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第3反射界面の位置が決定されている形態とすることができる。更には、これらの形態を含む本開示の第2の態様に係る発光素子等にあっては、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第4反射界面の位置が決定されている形態とすることができる。そして、これらによって、干渉フィルタのより一層の広帯域化を図ることができる。本開示の第1の態様に係る発光素子等にあっても同様とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等において、視野角が45度のときの輝度の低下が、視野角が0度のときの輝度(Y0)に対して30%以下であることが望ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等において、視野角が45度のときの色度ずれΔuvの値は0.015以下であることが望ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等において、第2発光層と第1光透明層との間に、厚さが5nm以下の金属層が設けられている形態とすることができる。ここで、金属層を構成する材料として、マグネシウム(Mg)や銀(Ag)、これらの合金等を挙げることができる。有機層からの光は金属層を透過する。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等において、第2反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第3反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第4反射界面は複数の界面から構成されている形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る発光素子等において、第1発光層及び第2発光層の少なくとも一方の発光層は、2色以上の異なる色の光を発光する異色発光層から成り、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける構成とすることができる。ここで、「異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない」とは、例えば、異色発光層の第1色の発光中心と第2色の発光中心の間の距離が5nm以上、離れていることを意味する。そして、このような構成にあっては、
第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面、並びに、第2発光層、第1光透明層、第2光透明層、第3光透明層及び第4光透明層によって構成される第2反射界面、第3反射界面、第4反射界面及び第5反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
異色発光層から出射され、系外に出射される一方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、異色発光層から出射され、系外に出射される他方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とは、同傾向を示す構成とすることが望ましく、これによって、可視光領域の2色以上の異なる色のそれぞれ、及び、合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の一層大幅な低減を図ることができる。また、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の第2の態様に係る発光素子等において、第1発光層及び第2発光層の少なくとも一方の発光層は、2色以上の異なる色の光を発光する異色発光層から成り、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける構成とすることができる。そして、このような構成にあっては、第4光透明層を更に有し、異色発光層から出射され、系外に出射される一方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、異色発光層から出射され、系外に出射される他方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とは、同傾向を示す構成とすることが望ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等においては、基板(便宜上、『第1基板』と呼ぶ場合がある)上に、第1電極、有機層及び第2電極が、この順に積層されている構成とすることができる。このような構成を、便宜上、『上面発光型』と呼ぶ。そして、この場合、第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、更に、厚さが0.5μm以上の透明導電材料層、又は、厚さが0.5μm以上の透明絶縁層、又は、厚さが0.5μm以上の樹脂層、又は、厚さが0.5μm以上のガラス層、又は、厚さが0.5μm以上の空気層が形成されている構成とすることができる。第2電極の上方の最外層は第2基板によって構成される。
あるいは又、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る発光素子等においては、第1基板上に、第2電極、有機層及び第1電極が、この順に積層されている構成とすることができる。このような構成を、便宜上、『下面発光型』と呼ぶ。そして、この場合、第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、厚さが1μm以上の透明導電材料層、又は、厚さが1μm以上の透明絶縁層、又は、厚さが1μm以上の樹脂層、又は、厚さが1μm以上のガラス層、又は、厚さが1μm以上の空気層が形成されている構成とすることができる。通常、第1電極の上方の最外層は第2基板によって構成される。
一般に、透明な材料から成る層Aと層Bとによって構成される反射界面では、入射した光の一部が通過し、残りは反射される。従って、反射光に位相変化(位相シフト)が生じる。層Aと層Bによって構成される反射界面で反射される際の光の位相変化φABは、層Aの複素屈折率(nA,kA)と層Bの複素屈折率(nB,kB)とを測定し、これらの値に基づき計算を行うことで求めることができる(例えば、Principles of Optics, Max Born and Emil Wolf, 1974 (PERGAMON PRESS) 等を参照)。有機層、各光透明層の屈折率は、分光エリプソメトリー測定装置を用いて測定可能である。
上面発光型の表示装置において、有機層は白色光を発光し、第2基板はカラーフィルタを備えている構成とすることができる。第2基板は遮光膜(ブラックマトリクス)を備えている構成としてもよい。同様に、下面発光型の表示装置において、有機層は白色光を発光し、第1基板は、カラーフィルタや遮光膜(ブラックマトリクス)を備えている構成とすることができる。
本開示の表示装置において、1つの発光素子によって1つの画素(あるいは副画素)が構成されている形態にあっては、限定するものではないが、画素(あるいは副画素)の配列として、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、デルタ配列、又は、レクタングル配列を挙げることができる。また、複数の発光素子が集合して1つの画素(あるいは副画素)が構成されている形態にあっては、限定するものではないが、画素(あるいは副画素)の配列として、ストライプ配列を挙げることができる。
第1電極を構成する材料(光反射材料)として、第1電極をアノード電極として機能させる場合、例えば、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)といった仕事関数の高い金属あるいは合金(例えば、銀を主成分とし、0.3質量%乃至1質量%のパラジウム(Pd)と、0.3質量%乃至1質量%の銅(Cu)とを含むAg−Pd−Cu合金や、Al−Nd合金)を挙げることができる。更には、アルミニウム(Al)及びアルミニウムを含む合金等の仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料を用いる場合には、適切な正孔注入層を設けるなどして正孔注入性を向上させることで、アノード電極として用いることができる。第1電極の厚さとして、0.1μm乃至1μmを例示することができる。あるいは又、誘電体多層膜やアルミニウム(Al)といった光反射性の高い反射膜上に、インジウムとスズの酸化物(ITO)やインジウムと亜鉛の酸化物(IZO)等の正孔注入特性に優れた透明導電材料を積層した構造とすることもできる。一方、第1電極をカソード電極として機能させる場合、仕事関数の値が小さく、且つ、光反射率の高い導電材料から構成することが望ましいが、アノード電極として用いられる光反射率の高い導電材料に適切な電子注入層を設けるなどして電子注入性を向上させることで、カソード電極として用いることもできる。
一方、第2電極を構成する材料(半光透過材料あるいは光透過材料)として、第2電極をカソード電極として機能させる場合、発光光を透過し、しかも、有機層に対して電子を効率的に注入できるように仕事関数の値の小さな導電材料から構成することが望ましく、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と銀(Ag)[例えば、マグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合金(Mg−Ag合金)]、マグネシウム−カルシウムとの合金(Mg−Ca合金)、アルミニウム(Al)とリチウム(Li)の合金(Al−Li合金)等の仕事関数の小さい金属あるいは合金を挙げることができ、中でも、Mg−Ag合金が好ましく、マグネシウムと銀との体積比として、Mg:Ag=2:1〜30:1を例示することができる。あるいは又、マグネシウムとカルシウムとの体積比として、Mg:Ca=2:1〜10:1を例示することができる。第2電極の厚さとして、4nm乃至50nm、好ましくは、4nm乃至20nm、より好ましくは6nm乃至12nmを例示することができる。あるいは又、第2電極を、有機層側から、上述した材料層と、例えばITOやIZOから成る所謂透明電極(例えば、厚さ3×10-8m乃至1×10-6m)との積層構造とすることもできる。積層構造とした場合、上述した材料層の厚さを1nm乃至4nmと薄くすることもできる。また、透明電極のみで構成することも可能である。一方、第2電極をアノード電極として機能させる場合、発光光を透過し、しかも、仕事関数の値の大きな導電材料から構成することが望ましい。
このような構成の第2電極によって、第1光透明層を構成してもよいし、第2光透明層を構成してもよいし、第3光透明層を構成してもよいし、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層とは独立して第2電極を設けてもよい。また、第2電極に対して、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、銅、銅合金、金、金合金等の低抵抗材料から成るバス電極(補助電極)を設け、第2電極全体として低抵抗化を図ってもよい。
第1電極や第2電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法、真空蒸着法を含む蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)やMOCVD法、イオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、メタルマスク印刷法といった各種印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル・ゲル法等を挙げることができる。各種印刷法やメッキ法によれば、直接、所望の形状(パターン)を有する第1電極や第2電極を形成することが可能である。尚、有機層を形成した後、第1電極や第2電極を形成する場合、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さな成膜方法、あるいは又、MOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、有機層のダメージ発生を防止するといった観点から好ましい。有機層にダメージが発生すると、リーク電流の発生による「滅点」と呼ばれる非発光画素(あるいは非発光副画素)が生じる虞がある。また、有機層の形成からこれらの電極の形成までを大気に暴露することなく実行することが、大気中の水分による有機層の劣化を防止するといった観点から好ましい。場合によっては、第1電極あるいは第2電極のいずれか一方は、パターニングしなくともよい。
本開示の表示装置あるいは照明装置(以下、これらを総称して、『本開示の表示装置等』と呼ぶ場合がある)にあっては、複数の発光素子は第1基板上に形成されている。ここで、第1基板として、あるいは又、第2基板として、高歪点ガラス基板、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)基板、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)基板、フォルステライト(2MgO・SiO2)基板、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)基板、無アルカリガラス、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される有機ポリマー(高分子材料から構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板といった高分子材料の形態を有する)を挙げることができる。第1基板と第2基板を構成する材料は、同じであっても、異なっていてもよい。但し、上面発光型の表示装置にあっては、第2基板は、発光素子が出射する光に対して透明であることが要求されるし、下面発光型の表示装置にあっては、第1基板は、発光素子が出射する光に対して透明であることが要求される。
本開示の表示装置等として、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置と略称する)を挙げることができ、有機EL表示装置をカラー表示の有機EL表示装置としたとき、有機EL表示装置を構成する有機EL素子のそれぞれによって、上述したとおり、副画素が構成される。ここで、1画素は、上述したとおり、例えば、赤色光を発光する赤色発光副画素、緑色光を発光する緑色発光副画素、及び、青色を発光する青色発光副画素の3種類の副画素から構成されている。従って、この場合、有機EL表示装置を構成する有機EL素子の数をN×M個とした場合、画素数は(N×M)/3である。有機EL表示装置は、例えば、パーソナルコンピュータを構成するモニター装置として使用することができるし、テレビジョン受像機や携帯電話、PDA(携帯情報端末,Personal Digital Assistant)、ゲーム機器に組み込まれたモニター装置として使用することができる。あるいは又、電子ビューファインダー(Electronic View Finder,EVF)や頭部装着型ディスプレイ(Head Mounted Display,HMD)に適用することができる。また、本開示の照明装置として、液晶表示装置用のバックライト装置や面状光源装置を含む照明装置を挙げることができる。
有機層は、発光層(例えば、有機発光材料から成る発光層)を備えているが、具体的には、例えば、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造、正孔輸送層と電子輸送層を兼ねた発光層との積層構造、正孔注入層と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と電子注入層との積層構造等から構成することができる。これらの積層構造は「タンデムユニット」と呼ばれる。即ち、有機層は、第1のタンデムユニット、接続層、及び、第2のタンデムユニットが積層された2段のタンデム構造を有していてもよく、更には、3つ以上のタンデムユニットが積層された3段以上のタンデム構造を有していてもよく、これらの場合、発光色を赤色、緑色、青色と各タンデムユニットで変えることで、あるいは又、例えば、発光色を青色、黄色と各タンデムユニットで変えることで、全体として白色光を発光する有機層を得ることができる。有機層の形成方法として、真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法);スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;転写用基板上に形成されたレーザ吸収層と有機層の積層構造に対してレーザを照射することでレーザ吸収層上の有機層を分離して、有機層を転写するといったレーザ転写法、各種の塗布法を例示することができる。有機層を真空蒸着法に基づき形成する場合、例えば、所謂メタルマスクを用い、係るメタルマスクに設けられた開口を通過した材料を堆積させることで有機層を得ることができるし、有機層を、パターニングすること無く、全面に形成してもよい。
上面発光型の表示装置等において、第1電極は、例えば、層間絶縁層上に設けられている。そして、この層間絶縁層は、第1基板上に形成された発光素子駆動部を覆っている。発光素子駆動部は、1又は複数の薄膜トランジスタ(TFT)から構成されており、TFTと第1電極とは、層間絶縁層に設けられたコンタクトプラグを介して電気的に接続されている。層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド樹脂やノボラック系樹脂、アクリル系樹脂、ポリベンゾオキサゾール等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、各種印刷法等の公知のプロセスが利用できる。発光素子からの光が層間絶縁層を通過するような構成、構造の下面発光型の表示装置等にあっては、層間絶縁層は、発光素子からの光に対して透明な材料から構成する必要があるし、発光素子駆動部は発光素子からの光を遮らないように形成する必要がある。下面発光型の表示装置等にあっては、第1電極の上方に発光素子駆動部を設けることも可能である。
有機層の上方には、有機層への水分の到達防止を目的として、絶縁性あるいは導電性の保護膜を設けることが好ましい。保護膜は、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、あるいは又、CVD法やMOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、下地に対して及ぼす影響を小さくすることができるので好ましい。あるいは又、有機層の劣化による輝度の低下を防止するために、成膜温度を常温に設定し、更には、保護膜の剥がれを防止するために保護膜のストレスが最小になる条件で保護膜を成膜することが望ましい。また、保護膜の形成は、既に形成されている電極を大気に暴露することなく形成することが好ましく、これによって、大気中の水分や酸素による有機層の劣化を防止することができる。更には、表示装置等が上面発光型である場合、保護膜は、有機層で発生した光を例えば80%以上、透過する材料から構成することが望ましく、具体的には、無機アモルファス性の絶縁性材料、例えば、以下に示す材料を例示することができる。このような無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを生成しないため、透水性が低く、良好な保護膜を構成する。具体的には、保護膜を構成する材料として、発光層で発光した光に対して透明であり、緻密で、水分を透過させない材料を用いることが好ましく、より具体的には、例えば、アモルファスシリコン(α−Si)、アモルファス炭化シリコン(α−SiC)、アモルファス窒化シリコン(α−Si1-xx)、アモルファス酸化シリコン(α−Si1-yy)、アモルファスカーボン(α−C)、アモルファス酸化・窒化シリコン(α−SiON)、Al23を挙げることができる。保護膜を導電材料から構成する場合、保護膜を、ITOやIZOのような透明導電材料から構成すればよい。保護膜から、少なくとも、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層の内の1層を構成してもよい。
第1光透明層、第2光透明層あるいは第3光透明層を構成する材料として、上述した各種の材料以外に、例えば、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化亜鉛,酸化錫等の金属酸化物、各種有機材料を挙げることができる。
実施例1は、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る発光素子及び本開示の表示装置に関する。実施例1の発光素子を構成する各層の構成図を図1Aに示し、実施例1の表示装置の模式的な一部断面図を図2に示す。
実施例1の発光素子10、具体的には、有機EL素子10は、
第1電極31、
第2電極32、及び、
第1電極31と第2電極32との間に設けられ、第1電極側から第1発光層34及び第2発光層35が積層されて成る有機層33、
を備えており、
有機層33からの光が、第1発光層34と第1電極31との界面(第1反射界面RF1)において反射され、第2電極32を通過して、外部に出射され、
第2発光層35の第1発光層34とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層41、第2光透明層42及び第3光透明層43が設けられている。
あるいは又、実施例1の発光素子10、具体的には、有機EL素子10は、
第1電極31、
第2電極32、及び、
第1電極31と第2電極32との間に設けられ、第1電極側から第1発光層34及び第2発光層35が積層されて成る有機層33、
を備えており、
有機層33からの光が、第1発光層34と第1電極31とによって構成される第1反射界面RF1において反射され、第2電極32を通過して、外部に出射される発光素子であって、
第2発光層35の第1発光層34とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層41、第2光透明層42及び第3光透明層43が設けられており、
第2発光層側の第1光透明層41の界面によって第2反射界面RF2が構成されており、
第1光透明層41と第2光透明層42とによって第3反射界面RF3が構成されており、
第2光透明層42と第3光透明層43とによって第4反射界面RF4が構成されており、
第1反射界面RF1、第2反射界面RF2、第3反射界面RF3及び第4反射界面RF4によって干渉フィルタが構成されており、
第1反射界面RF1は、前述した(条件−1)を満足するように、配置されており、
第2反射界面RF2、第3反射界面RF3及び第4反射界面RF4は、前述した(条件−2)を満足し、又は、(条件−3)を満足し、又は、(条件−2)及び(条件−3)を満足するように、配置されている。
また、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3の有機EL表示装置は、このような発光素子が2次元マトリクス状に配列されて成る。そして、第1基板11上に、第1電極31、有機層33及び第2電極32が、この順に積層されている。即ち、具体的には、
(A)第1電極31、有機発光材料から成る第1発光層34及び第2発光層35を備えた有機層33、及び、第2電極32が積層されて成る発光素子10が、複数、形成された第1基板11、並びに、
(B)第2電極32の上方に配された第2基板12、
を具備している。発光層からの光は、第2基板12を経由して外部に出射される。即ち、実施例1の表示装置は、上面発光型の表示装置である。第2発光層35と第1光透明層41との間には(具体的には、有機層33と第2電極32との間には)、マグネシウム(Mg)や銀(Ag)、これらの合金等から成り、厚さが5nm以下の金属層(図示せず)が設けられているが、このような構成に限定するものではない。
図示しないが、第3光透明層43の第2光透明層42とは反対側の面には、即ち、第3光透明層43と第2基板12との間には、更に、厚さが0.5μm以上の透明導電材料層、又は、厚さが0.5μm以上の透明絶縁層、又は、厚さが0.5μm以上の樹脂層、又は、厚さが0.5μm以上のガラス層、又は、厚さが0.5μm以上の空気層が形成されていてもよい。第2電極32の上方の最外層は第2基板12によって構成される。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3の有機EL表示装置は、電子ビューファインダー(EVF)や頭部装着型ディスプレイ(HMD)に適用される、高精細表示装置である。あるいは又、例えば、テレビジョン受像機といった大型の有機EL表示装置である。
そして、1つの画素は、赤色光を発光する赤色発光副画素、緑色光を発光する緑色発光副画素、青色を発光する青色発光副画素の3つの副画素から構成されている。第2基板12はカラーフィルタ(図示せず)を備えている。発光素子10は白色光を発光し、各色発光副画素は、白色光を発光する発光素子10とカラーフィルタとの組合せから構成されている。カラーフィルタは、通過光が赤色となる領域、緑色となる領域、青色となる領域から構成されている。また、カラーフィルタとカラーフィルタとの間に、遮光膜(ブラックマトリクス)を備えていてもよい。画素数は、例えば1920×1080であり、1つの発光素子10は1つの副画素を構成し、発光素子(具体的には有機EL素子)10は画素数の3倍である。尚、カラーフィルタを備えていない場合には、所謂白黒表示の表示装置である。
ここで、実施例1にあっては、m1=0,n1=1とした。また、有機層33、第1光透明層41、第2光透明層42及び第3光透明層43の屈折率n00、n01、n02、n03、各種パラメータを以下の表1のとおりとした。第1発光層34は、具体的には、青色光を発生させる青色発光層から成り、第2発光層35は、具体的には、黄色光を発生させる黄色発光層から成る。発光波長の平均値は、以下の表1のとおりである。
また、詳細は後述するが、第1反射界面RF1、第2反射界面RF2、第3反射界面RF3及び第4反射界面RF4によって干渉フィルタが構成されている。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3においては、第1電極31をアノード電極として用い、第2電極32をカソード電極として用いる。第1電極31は、光反射材料、具体的には、Al−Nd合金から成り、第2電極32は、透明導電材料から成る。第1電極31は、真空蒸着法とエッチング法との組合せに基づき形成されている。また、第2電極32は、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法によって成膜されており、パターニングはされていない。
ここで、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3において、発光素子(有機EL素子)10を構成する第1電極31は、CVD法に基づき形成されたSiONから成る層間絶縁層25(より具体的には、上層層間絶縁層25B)上に設けられている。そして、この層間絶縁層25(より具体的には、下層層間絶縁層25A)は、第1基板11上に形成された有機EL素子駆動部を覆っている。有機EL素子駆動部は、複数のTFTから構成されており、TFTと第1電極31とは、層間絶縁層(より具体的には、上層層間絶縁層25B)に設けられたコンタクトプラグ27、配線26、コンタクトプラグ26Aを介して電気的に接続されている。有機層33の実際に発光する部分は、絶縁層28によって囲まれている。図面においては、1つの有機EL素子駆動部につき、1つのTFTを図示した。TFTは、第1基板11上に形成されたゲート電極21、第1基板11及びゲート電極21上に形成されたゲート絶縁膜22、ゲート絶縁膜22上に形成された半導体層に設けられたソース/ドレイン領域23、並びに、ソース/ドレイン領域23の間であって、ゲート電極21の上方に位置する半導体層の部分が相当するチャネル形成領域24から構成されている。図示した例にあっては、TFTをボトムゲート型としたが、トップゲート型であってもよい。TFTのゲート電極21は、走査回路(図示せず)に接続されている。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3において、第1基板11はシリコン基板、無アルカリガラスあるいは石英ガラスから構成されており、第2基板12は、無アルカリガラスあるいは石英ガラスから構成されている。
有機層33は、より具体的には、以下の構成、構造を有するが、このような構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。尚、正孔注入層の厚さとして1nm乃至20nmを例示することができるし、正孔輸送層の厚さとして15nm乃至100nmを例示することができるし、発光層の厚さとして5nm乃至50nmを例示することができるし、電子輸送層の厚さとして15nm乃至200nmを例示することができる。
第1電極31の上には、有機層33を構成するバッファ層が形成されている。バッファ層は、リークを防止するための層であり、例えばヘキサアザトリフェニレン(HAT)等から成る。バッファ層の上には、例えば、α−NPD[N,N'-di(1-naphthyl)-N,N'-diphenyl-[1,1'-biphenyl]-4,4'-diamine]から成る正孔輸送層が形成されている。正孔輸送層の上には、青色発光層(厚さ20nm)が形成されている。青色発光層は、ホスト材料としてのADNを蒸着し、この際、ドーパント材料としてジアミノクリセン誘導体を相対膜厚比で5%ドーピングすることで得ることができる。更には、その上には、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)等から成る電子輸送層、フッ化リチウム(LiF)から成る電子注入層が形成されている。以上の積層構造体によって、第1発光層34が構成される。
第1発光層34の上には、Mgを5%ドープしたAlq3[tris(8-quinolinolato)aluminum(III)]や、HATから構成された接続層が形成されている。
接続層の上には、α−NPDから成る正孔注入層兼正孔輸送層が形成され、その上には、黄色の発光色を有する発光材料から構成された黄色発光層(厚さ20nm)が形成されている。黄色発光層は、ホスト材料としてのCBPを蒸着し、この際、ドーパント材料として FIrpic 誘導体を相対膜厚比で10%ドーピングすることで得ることができる。更には、その上には、BCP等から成る電子輸送層、フッ化リチウム(LiF)から成る電子注入層が形成されている。以上の積層構造体によって、第2発光層35が構成される。
以上に説明した発光素子は、周知の方法で製造することができるので、製造方法の詳しい説明は省略する。
そして、実施例1の発光素子10にあっては、上述した式(1)及び式(2)を満足し、且つ、式(3−A)を満足し、又は、式(3−B)を満足し、又は、式(3−A)及び式(3−B)を満足する。より具体的には、実施例1にあっては、式(3−B)を満足する。尚、式(3−A)あるいは後述する式(C−1)を満足させることで、第1発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができるし、式(3−B)あるいは後述する式(C−2)を満足させることで、第2発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができるし、式(3−A)及び式(3−B)あるいは後述する式(C−1)及び式(C−2)を満足させることで、第1発光層及び第2発光層からの光に対応する波長領域の内の狭い領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができる。ここで、式(3−A)あるいは後述する式(C−1)を採用するか、式(3−B)あるいは後述する式(C−2)を採用するか、式(3−A)及び式(3−B)あるいは後述する式(C−1)及び式(C−2)を採用するかは、設計事項である。即ち、発光スペクトルや発光位置に応じて、これらの式を独立して適用することができる。
これらを式を、別の表現で示すと、以下のとおりとなる。
即ち、
λ1−150≦λ11≦λ1+80 及び、
λ2−30 ≦λ21≦λ2+80 及び、
λ12≦λ1+15 且つ λ13≦λ1−15 且つ λ1−50≦λ14 及び、
λ22≦λ2+15 且つ λ23≦λ2−15 且つ λ2−50≦λ24
としたとき、
式(A)、式(B)を満足し、
式(C−1)を満足し、又は、式(C−2)を満足し、又は、式(C−1)及び式(C−2)を満足する。ここで、光学距離Lは、光が通過する媒質の屈折率の波長依存性を考慮した値である。
(A) 2・L11/λ11+φ1/2π=m1
(B) 2・L21/λ21+φ1/2π=n1
(C−1) 2・L12/λ12+φ2/2π=m2+1/2 且つ、
2・L13/λ13+φ3/2π=m3 且つ、
2・L14/λ14+φ4/2π=m4
(C−2) 2・L22/λ22+φ2/2π=n2+1/2 且つ、
2・L23/λ23+φ3/2π=n3 且つ、
2・L24/λ24+φ4/2π=n4
[表1]
00:1.75
01:2.30
02:1.80
03:2.00
λ1 : 460nm
λ2 : 560nm
11: 72nm
12: 582nm
13:1065nm
14:1686nm
21: 389nm
22: 267nm
23: 750nm
24:1371nm
有機層33の屈折率n00と第1光透明層41の屈折率n01の差は0.15以上であり、第1光透明層41の屈折率n01と第2光透明層42の屈折率n02の差は0.15以上、第2光透明層42の屈折率n02と第3光透明層43の屈折率n03の差は0.15以上である。また、第2光透明層の光学的厚さt2は、
2≒(1/4)λ1
であり、
0.2・λ1≦t2≦0.35・λ1
を満足しており、あるいは又、
0.8×(λ1/4)≦t2≦1.4×(λ1/4)
を満足している。
すると、
2・L11/λ11+φ1/2π=0
2・L21/λ21+φ1/2π=1
但し、
λ1−150=310nm≦λ11=480nm≦λ1+80=540nm
λ2−30 =530nm≦λ21=570nm≦λ2+80=640nm
となり、式(A)、式(B)、云い換えれば、式(1)、式(2)を満足している。尚、λ11=480nm,λ21=570nmといった値、あるいは、次に述べるλ12,λ13,λ14,λ22,λ23,λ24の値は、表示装置の設計面から決定した値である。また、
2・L12/λ12+φ2/2π=3+1/2
2・L13/λ13+φ3/2π=5
2・L14/λ14+φ4/2π=8
2・L22/λ22+φ2/2π=1+1/2
2・L23/λ23+φ3/2π=3
2・L24/λ24+φ4/2π=5
但し、
λ12=388nm≦λ1+15=475nm
λ13=426nm≦λ1−15=445nm
λ14=422nm≧λ1−50=410nm
λ22=534nm≦λ2+15=575nm
λ23=500nm≦λ2−15=545nm
λ24=548nm≧λ2−50=510nm
となり、式(C−1)、式(C−2)を満足している。尚、λ12≠λ13,λ22≠λ23を満足することが好ましい。
比較のために、各層の構成図を図1Bに示すように、第2発光層35の第1発光層34とは反対側に、第2発光層側から、第1光透明層41’及び第2光透明層42’の2層のみが設けられた発光素子(比較例1の発光素子)を想定する。この比較例1の発光素子は、特開2011−159432に開示された式(1)〜(6)を全て満足し、且つ、式(7)及び(8)のうちの少なくとも一方を満足している。有機層33、第1光透明層41’、第2光透明層42’の屈折率n00、n01、n02等の各種パラメータを、具体的には、n03,L14,L24の値を除き、上記の表1のとおりとした。
実施例1の発光素子の第1反射界面RF1、第2反射界面RF2、第3反射界面RF3及び第4反射界面RF4によって構成された一種の干渉フィルタにおける、第1発光層34からの発光光(波長λ1)及び第2発光層35からの発光光(波長λ2)の光透過率を計算した結果を図3Bに示す。同様に、比較例1の発光素子の第1反射界面RF1、第2反射界面RF2及び第3反射界面RF3によって構成された一種の干渉フィルタにおける、第1発光層34からの発光光(波長λ1)及び第2発光層35からの発光光(波長λ2)の光透過率を計算した結果を図3Aに示す。図3A及び図3Bにおいて、第1発光層34からの光に関するデータを実線の「A」で示し、第2発光層35からの光に関するデータを実線の「B」で示す。
一般に、緑色光及び赤色光を発生させることが可能な黄色発光層を用いた場合、青色発光層と組み合わせることで、白色光の発光が可能である。しかしながら、この白色からカラーフィルタによって分離される緑色や赤色の単色の色純度は低く、色域の拡大を目的としてカラーフィルタの膜厚を厚くすれば、大幅な発光効率の低下を引き起こし、消費電力の増大やコスト増を招く結果となる。
図3Aから、比較例1にあっては、第2光透明層42の膜厚を制御することにより、色純度の高い緑色の帯域530nm付近に干渉フィルタのピークを発生させることができることが判る。そして、これによって、カラーフィルタ等によって得られる色純度を改善することができ、表示装置としての色純度及び色域が改善され、また、同様の色度点を実現するために必要とされるカラーフィルタの膜厚増加等を伴わないため、発光効率や消費電力の点でも有利となる。しかしながら、比較例1にあっては、強められている緑色の帯域が広く、また、曲線Bにおける530nmよりも高い領域(550nm乃至650nmの領域)において、干渉フィルタの分光透過率に大きな谷が発生しているため、表示装置を正面から眺めたときの色度の改善は可能であるものの、色度の視野角依存性が大きい。
一方、実施例1にあっては、第3光透明層43を設けて第4反射界面RF4を形成することにより、干渉フィルタの分光透過率と逆位相の干渉を発生させることで、図3Bに示すように、干渉フィルタの分光透過率が平坦化され(曲線Bにおける550nm乃至650nmの領域を参照)、且つ、色域拡大の目的で、強めるべき波長帯域が狭められている。そして、その結果、色域の拡大と視野角特性の両立が実現されている。また、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層34からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層35からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第2反射界面RF2の位置が決定されており、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層34からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層35からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第3反射界面RF3の位置が決定されており、干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層34からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層35からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第4反射界面RF4の位置が決定されているので、干渉フィルタのより一層の広帯域化を図ることができる。
また、実施例1の発光素子を用いた表示装置において、視野角をパラメータとした輝度変化(Y/Y0)のシミュレーション結果を図4Aに示し、視野角をパラメータとした色度変化(Δuv)のシミュレーション結果を図4Bに示す。図4Aから、視野角45度において、輝度変化85%以上を維持できており、図4Bから、色度変化も、視野角が45度のとき、Δuv≦0.015を実現できていることが判る。即ち、実施例1にあっては、図4A、図4Bからも明らかなように、輝度変化及び色度変化の視野角依存性が低い。以下の表2に、実施例1及び比較例1の発光素子における色度と発光効率の値を示す。実施例1の発光素子にあっては、比較例1の発光素子よりもxの値が小さく、yの値が大きく、一層好ましい色度を示しているし、発光効率も高い。
[表2]
色度 発光効率
実施例1 x=0.294 y=0.683 1.03
比較例1 x=0.307 y=0.672 1.00
実施例1の発光素子にあっては、第1反射界面RF1、第2反射界面RF2、第3反射界面RF3及び第4反射界面RF4によって一種の干渉フィルタが構成されており、式(1)及び式(2)を満足することで、第1発光層からの光の第1反射界面RF1での反射は強め合い、第2発光層からの光の第1反射界面RF1での反射も強め合う。また、式(3−1)及び/又は式(3−B)を満足することで、即ち、干渉フィルタにおける反射の強め合う条件、弱め合う条件を適切に組み合わせることで、干渉フィルタにおいて、広い波長範囲に亙って光透過率曲線が一層平坦な干渉フィルタを得ることができる。しかも、第1発光層からの光に対応する狭い波長領域及び/又は第2発光層からの光に対応する狭い波長領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができる結果、単色色度が改善され、色域の拡大を図ることができるし、良好な色相を有し、消費電力の低い白色発光素子を提供することができるし、可視光領域の2色以上の異なる色のそれぞれ、及び、合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の大幅な低減を図ることができる。あるいは又、第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面が、所定の条件を満足するように配置されているので、広い波長範囲に亙って光透過率曲線が一層平坦な干渉フィルタを得ることができるし、良好な色相を有し、消費電力の低い白色発光素子を提供することができる。しかも、第1発光層からの光に対応する狭い波長領域及び/又は第2発光層からの光に対応する狭い波長領域における干渉フィルタの光透過率を増加させることができる結果、単色色度が改善され、色域の拡大を図ることができるし、可視光領域の2色以上の異なる色のそれぞれ、及び、合成色に対する輝度及び色度の視野角依存性の大幅な低減を図ることができる。
実施例2は、実施例1の変形である。発光層が異色発光層から成るとき、具体的には、例えば、1つの発光層が緑色発光層及び赤色発光層が積層されているとき、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなすことができる程度に第1色発光層及び第2色発光層の厚さを薄くできない場合がある。即ち、発光素子あるいは表示装置の設計上、あるいは又、製造プロセス面から、発光層を構成する第1色発光層及び第2色発光層の厚さを厚くせざるを得ず、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなすことができない場合がある。例えば、異色発光層(実施例2にあっては、具体的には、例えば、第2発光層35)の第1色(緑色)の発光中心と第2色(赤色)の発光中心の間の距離が5nm以上、離れている場合がある。また、例えば、発光層を構成する材料に依存して、異色発光層の第1色発光層と第2色発光層の積層順を変更せざるを得ず、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなすことができない場合が生じ得る。
このような場合には、発光層の第1色の発光中心と第2色の発光中心のそれぞれに対して、上記の式(1)及び式(2)を満足し、式(3−A)を満足し、又は、式(3−B)を満足し、又は、式(3−A)及び式(3−B)を満足するように各種パラメータを決定すればよい。あるいは又、このように、異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける構成とすればよい。あるいは又、例えば、第2反射界面を、複数の界面から構成すればよい。そして、例えば、波長約550nm乃至650nmの範囲において、緑色発光層から出射され、系外に出射される緑色光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、赤色発光層から出射され、系外に出射される赤色光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とが、同傾向を示すように構成する。これによって、視野角が大きくなっても、緑色光の輝度低下割合と赤色光の輝度低下割合とは同程度となり、視野角が大きくなっても色度のズレが大きくなることはない。
実施例3は、実施例1あるいは実施例2の変形であるが、下面発光型の表示装置に関する。模式的な一部断面図を図5に示すように、実施例3における発光素子10にあっては、第1基板11上に、第2電極32、有機層33及び第1電極31が、この順に積層されている下面発光型である。発光層からの光は、第1基板11を経由して外部に出射される。図示しないが、第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、即ち、第3光透明層43と第1基板11との間には、厚さが1μm以上の透明導電材料層、又は、厚さが1μm以上の透明絶縁層、又は、厚さが1μm以上の樹脂層、又は、厚さが1μm以上のガラス層、又は、厚さが1μm以上の空気層が形成されていてもよい。第1電極31の上方の最外層は第2基板12によって構成される。第1電極31と第2基板12とは接着層29によって接着されている。
実施例4は、本開示の照明装置に関する。図6に模式的な断面図を示すように、実施例4の照明装置においては、透明な第1基板111と第2基板112の間に、実施例1〜実施例3において説明した発光素子10が配されている。発光素子10の構造に依り、発光層からの光は、第2基板側から出射され、あるいは又、第1基板側から出射される。第1基板111の外周部と第2基板112の外周部は、封止部材113によって接合されている。照明装置の平面形状は必要に応じて選択されるが、例えば正方形又は長方形である。図6においては、1つの発光素子10だけが示されているが、必要に応じて、複数の発光素子を所望の状態に配置してもよい。照明装置の構成、構造、それ自体は、周知の構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例4の照明装置にあっては、実施例1〜実施例3の発光素子を用いることにより、角度依存性が少ない、云い換えれば、照明方向に依存した強度や色度の変化が極めて少ない、良好な配光特性を有する照明装置(例えば面状光源装置)を実現することができるし、演色性に優れ、配色特性に優れた照明装置を実現することができる。また、発光素子の発光色を選択することにより、白色発光のほか、種々の発光色を得ることができる。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した発光素子、表示装置、照明装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《発光素子・・・第1の態様》
第1電極、
第2電極、及び、
第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
を備えており、
有機層からの光が、第1発光層と第1電極との界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
以下の式(1)及び式(2)を満足し、
式(3−A)を満足し、又は、式(3−B)を満足し、又は、式(3−A)及び式(3−B)を満足する発光素子。
Figure 2015002075
但し、
λ1 :第1発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
λ2 :第2発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
11:第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
12:第2発光層と第1光透明層との界面である第2反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
13:第1光透明層と第2光透明層との界面である第3反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
14:第2光透明層と第3光透明層との界面である第4反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
21:第1反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
22:第2反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
23:第3反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
24:第4反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
φ1 :第1反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ2 :第2反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ3 :第3反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
φ4 :第4反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
であり、
1は0以上の整数、n1は0以上の整数、m2,m3,m4,n2,n3及びn4は整数である。
[A02]m1=0,n1=1である[A01]に記載の発光素子。
[A03]第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されている[A01]又は[A02]に記載の発光素子。
[A04]有機層の屈折率と第1光透明層の屈折率の差は0.15以上であり、
第1光透明層の屈折率と第2光透明層の屈折率の差は0.15以上であり、
第2光透明層の屈折率と第3光透明層の屈折率の差は0.15以上である[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A05]第2光透明層の光学的厚さt2は、
0.2・λ1≦t2≦0.35・λ1
を満足する[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A06]視野角が45度のときの輝度の低下が、視野角が0度のときの輝度に対して30%以下である[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A07]視野角が45度のときの色度ずれΔuvの値は0.015以下である[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A08]第2発光層と第1光透明層との間に、厚さが5nm以下の金属層が設けられている[A01]乃至[A07]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A09]第2反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第3反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第4反射界面は複数の界面から構成されている[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A10]第1発光層及び第2発光層の少なくとも一方の発光層は、2色以上の異なる色の光を発光する異色発光層から成り、
異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A11]第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面、並びに、第2発光層、第1光透明層、第2光透明層、第3光透明層及び第4光透明層によって構成される第2反射界面、第3反射界面、第4反射界面及び第5反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
異色発光層から出射され、系外に出射される一方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、異色発光層から出射され、系外に出射される他方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とは、同傾向を示す[A10]に記載の発光素子。
[A12]基板上に、第1電極、有機層及び第2電極が、この順に積層されている[A01]乃至[A11]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A13]第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、更に、厚さが0.5μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている[A12]に記載の発光素子。
[A14]基板上に、第2電極、有機層及び第1電極が、この順に積層されている[A01]乃至[A11]のいずれか1項に記載の発光素子。
[A15]第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、厚さが1μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている[A14]に記載の発光素子。
[B01]《発光素子・・・第2の態様》
第1電極、
第2電極、及び、
第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
を備えており、
有機層からの光が、第1発光層と第1電極とによって構成される第1反射界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
第2発光層側の第1光透明層界面によって第2反射界面が構成されており、
第1光透明層と第2光透明層とによって第3反射界面が構成されており、
第2光透明層と第3光透明層とによって第4反射界面が構成されており、
第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
第1反射界面は、以下の(条件−1)を満足するように、配置されており、
第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面は、以下の(条件−2)を満足し、又は、(条件−3)を満足し、又は、(条件−2)及び(条件−3)を満足するように、配置されている発光素子。
(条件−1)
第1発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合う。
(条件−2)
第1発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第1発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第1発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
(条件−3)
第2発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第2発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
[B02]干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第2反射界面の位置が決定されている[B01]に記載の発光素子。
[B03]干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第3反射界面の位置が決定されている[B01]又は[B02]に記載の発光素子。
[B04]干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第4反射界面の位置が決定されている[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B05]有機層の屈折率と第1光透明層の屈折率の差は0.15以上であり、
第1光透明層の屈折率と第2光透明層の屈折率の差は0.15以上であり、
第2光透明層の屈折率と第3光透明層の屈折率の差は0.15以上である[B01]乃至[B04]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B06]視野角が45度のときの輝度の低下が、視野角が0度のときの輝度に対して30%以下である[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B07]視野角が45度のときの色度ずれΔuvの値は0.015以下である[B01]乃至[B06]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B08]第2発光層と第1光透明層との間に、厚さが5nm以下の金属層が設けられている[B01]乃至[B07]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B09]第2反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第3反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第4反射界面は複数の界面から構成されている[B01]乃至[B08]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B10]第1発光層及び第2発光層の少なくとも一方の発光層は、2色以上の異なる色の光を発光する異色発光層から成り、
異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける[B01]乃至[B09]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B11]第4光透明層を更に有し、
異色発光層から出射され、系外に出射される一方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、異色発光層から出射され、系外に出射される他方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とは、同傾向を示す[B10]に記載の発光素子。
[B12]基板上に、第1電極、有機層及び第2電極が、この順に積層されている[B01]乃至[B11]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B13]第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、更に、厚さが0.5μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている[B12]に記載の発光素子。
[B14]基板上に、第2電極、有機層及び第1電極が、この順に積層されている[B01]乃至[B11]のいずれか1項に記載の発光素子。
[B15]第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、厚さが1μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている[B14]に記載の発光素子。
[C01]《表示装置》
[A01]乃至[B15]に記載の発光素子が2次元マトリクス状に配列されて成る表示装置。
[C02]《照明装置》
[A01]乃至[B15]に記載の発光素子を備えている照明装置。
10・・・有機EL素子、11,111・・・第1基板、12,112・・・第2基板、113・・・封止部材、21・・・ゲート電極、22・・・ゲート絶縁膜、23・・・ソース/ドレイン領域、24・・・チャネル形成領域、25,25A,25B・・・層間絶縁層、26・・・配線、26A・・・コンタクトプラグ、27・・・コンタクトプラグ、28・・・絶縁層、29・・・接着層、31・・・第1電極、32・・・第2電極、33・・・有機層、34・・・第1発光層、35・・・第2発光層、41・・・第1光透明層、42・・・第2光透明層、42A・・・第2A光透明層(第4光透明層)、42B・・・第2B光透明層、43・・・第3光透明層、RF1・・・第1反射界面、RF2・・・第2反射界面、RF3・・・第3反射界面、RF4・・・第4反射界面、RF5・・・第5反射界面

Claims (18)

  1. 第1電極、
    第2電極、及び、
    第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
    を備えており、
    有機層からの光が、第1発光層と第1電極との界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
    第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
    以下の式(1)及び式(2)を満足し、
    式(3−A)を満足し、又は、式(3−B)を満足し、又は、式(3−A)及び式(3−B)を満足する発光素子。
    Figure 2015002075
    但し、
    λ1 :第1発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
    λ2 :第2発光層における発光の波長域の中心波長(単位:nm)
    11:第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    12:第2発光層と第1光透明層との界面である第2反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    13:第1光透明層と第2光透明層との界面である第3反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    14:第2光透明層と第3光透明層との界面である第4反射界面から、第1発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    21:第1反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    22:第2反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    23:第3反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    24:第4反射界面から第2発光層の発光中心までの光学距離(単位:nm)
    φ1 :第1反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
    φ2 :第2反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
    φ3 :第3反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
    φ4 :第4反射界面で反射される際の光の位相変化(単位:ラジアン)
    であり、
    1は0以上の整数、n1は0以上の整数、m2,m3,m4,n2,n3及びn4は整数である。
  2. 第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されている請求項1に記載の発光素子。
  3. 視野角が45度のときの輝度の低下が、視野角が0度のときの輝度に対して30%以下である請求項1に記載の発光素子。
  4. 視野角が45度のときの色度ずれΔuvの値は0.015以下である請求項1に記載の発光素子。
  5. 第2発光層と第1光透明層との間に、厚さが5nm以下の金属層が設けられている請求項1に記載の発光素子。
  6. 第2反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第3反射界面は複数の界面から構成されており、又は、第4反射界面は複数の界面から構成されている請求項1に記載の発光素子。
  7. 第1発光層及び第2発光層の少なくとも一方の発光層は、2色以上の異なる色の光を発光する異色発光層から成り、
    異色発光層の発光中心が1水準にあるとみなせない場合、更に、第4光透明層を設ける請求項1に記載の発光素子。
  8. 第1発光層と第1電極との界面である第1反射界面、並びに、第2発光層、第1光透明層、第2光透明層、第3光透明層及び第4光透明層によって構成される第2反射界面、第3反射界面、第4反射界面及び第5反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
    異色発光層から出射され、系外に出射される一方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化と、異色発光層から出射され、系外に出射される他方の光に対する干渉フィルタの光透過率曲線の波長を変数とした変化とは、同傾向を示す請求項7に記載の発光素子。
  9. 基板上に、第1電極、有機層及び第2電極が、この順に積層されている請求項1に記載の発光素子。
  10. 第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、更に、厚さが0.5μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている請求項9に記載の発光素子。
  11. 基板上に、第2電極、有機層及び第1電極が、この順に積層されている請求項1に記載の発光素子。
  12. 第3光透明層の第2光透明層とは反対側の面には、厚さが1μm以上の透明導電材料層、透明絶縁層、樹脂層、ガラス層又は空気層が形成されている請求項11に記載の発光素子。
  13. 第1電極、
    第2電極、及び、
    第1電極と第2電極との間に設けられ、第1電極側から第1発光層及び第2発光層が積層されて成る有機層、
    を備えており、
    有機層からの光が、第1発光層と第1電極とによって構成される第1反射界面において反射され、第2電極を通過して、外部に出射される発光素子であって、
    第2発光層の第1発光層とは反対側には、第2発光層側から、第1光透明層、第2光透明層及び第3光透明層が設けられており、
    第2発光層側の第1光透明層界面によって第2反射界面が構成されており、
    第1光透明層と第2光透明層とによって第3反射界面が構成されており、
    第2光透明層と第3光透明層とによって第4反射界面が構成されており、
    第1反射界面、第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面によって干渉フィルタが構成されており、
    第1反射界面は、以下の(条件−1)を満足するように、配置されており、
    第2反射界面、第3反射界面及び第4反射界面は、以下の(条件−2)を満足し、又は、(条件−3)を満足し、又は、(条件−2)及び(条件−3)を満足するように、配置されている発光素子。
    (条件−1)
    第1発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第1反射界面での反射が強め合う。
    (条件−2)
    第1発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第1発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第1発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
    (条件−3)
    第2発光層からの光の第2反射界面での反射が弱め合い、且つ、第2発光層からの光の第3反射界面での反射が強め合い、且つ、第2発光層からの光の第4反射界面での反射が強め合う。
  14. 干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第2反射界面の位置が決定されている請求項13に記載の発光素子。
  15. 干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第3反射界面の位置が決定されている請求項13に記載の発光素子。
  16. 干渉フィルタの光透過率のピーク位置が、第1発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれ、且つ、第2発光層からの光の発光スペクトルのピークからずれるように、第4反射界面の位置が決定されている請求項13に記載の発光素子。
  17. 請求項1乃至請求項16に記載の発光素子が2次元マトリクス状に配列されて成る表示装置。
  18. 請求項1乃至請求項16に記載の発光素子を備えている照明装置。
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