JP2014531382A - 動的熱界面材料 - Google Patents
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Abstract
本発明の態様はナノグラファイト粒子内部に分散されたカーボンナノチューブを包含し、有用な熱特性を有する組成物を提供する。一部の組成物は高い熱伝導率(例えば周囲温度における高い熱伝導率)を有する。一部の組成物は温度と共に可逆的に上昇する温度依存性熱伝導率を有する。一部の組成物は伝熱のために有用であり、例えばコンピューター及び/又は発電デバイスの関連においてサーマルインターフェイス材料として使用できる。
Description
関連出願
本出願は「動的熱界面材料(Dynamic Thermal Interface Material)」と題された2011年8月3日出願の米国仮特許出願第61/514,715号の利益を請求し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の態様はナノ粒子材料を包含する熱界面材料の分野に関する。
本出願は「動的熱界面材料(Dynamic Thermal Interface Material)」と題された2011年8月3日出願の米国仮特許出願第61/514,715号の利益を請求し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の態様はナノ粒子材料を包含する熱界面材料の分野に関する。
通常は、駆動中のデバイスからの自然熱放散は不十分であるため、その温度はデバイスの許容限度を超える。即ち駆動中の又は別様に加熱される部分から急速に熱を除去する機能は加熱される部分(例えばプロセッサ、半導体、又は他のコンピューターコンポーネント)のパフォーマンスに重要である。伝熱は通常は熱スタック及び熱界面材料(TIM)を用いながら、頻繁にはヒートスプレッダを介したヒートシンクへの伝導又は能動的冷却デバイスにより熱放散部分からエネルギーを取り払うことにより管理される。熱スタックの有効性はTIMの厚み及びバルク熱伝導率、並びにTIMと自然な又は強制的な熱伝達がそこからの熱を外部に移動させることのできるスタックの成分との間の接触面における界面熱抵抗に依存している。放散した熱を管理する機能の種々の困難のため、半導体デバイスの新しい機能の開発及び耐久性が制限される(「国際半導体技術ロードマップ」http://www.itrs.net/)。
過熱は半導体製品の故障の、そして特に電子部品の故障の主要な要因である。通常は、実働温度の10℃の上昇は有効製品寿命を2倍短縮する。機械的歪みを起こすことにより、熱サイクルもまたデバイスの耐久性を損なう。コンピューターダイ及びチップセットのような電力部品は有効な冷却が可能なようにパッケージ化されており、そしてそれらの作業負荷は、電動デバイスの性能及び耐久性に対して最大の影響を与える2つの要因、即ち最大熱負荷及び熱負荷変動が最小限となるように管理される。
熱的な問題の通常の解決法は熱スタックの設計及び材料特性にある。熱スタックは熱インピーダンスにより格付けされ、これはワット当たりの平方メートル・ケルビンm2K/Wで計測される。熱インピーダンスは、2つの表面の間の温度差のそれらを通過する定常熱流に対する比の尺度である。熱インピーダンスはこれら2つの表面の間のTIMの熱抵抗と2つの表面のTIMとの接触における界面熱抵抗の総和である。熱抵抗は材料の厚みと共に増大し、そのバルク熱伝導率と共に減少する。スタックの界面熱抵抗は接合表面の平坦性と粗さに応じて変動し、そしてTIMが接触面の粗さの変動に適応し、残存するより小型の絶縁ギャップを除去する能力に依存している。
TIMは接合部の間の熱流を空気ギャップが妨害している任意の場所に使用される。熱伝導率、W/m・K(メートル及びケルビン当たりのワット)単位のものは、用途に関らず熱界面材料を比較するために使用されるパラメーターである。しかしながらTIMの性能は接合部の隣接材料の表面粗さの相違のため、そして、埋めるべきギャップ範囲の相違のために、用途依存性である。その結果、ギャップ長に対する熱伝導率の比、単位W/m2・Kと考えることができる熱伝達率もまたTIMを評価するために使用される。伝熱材料における究極の性能は単結晶ダイアモンド、カーボンナノチューブ、又はグラフェン(最大値は6000W/m・K)、次いで銀、銅、及びグラファイト性炭素とのアルミニウムコンポジット(約400W/m・K)により与えられる。インジウム系のはんだは80W/m・Kまでを可能とする。これらの高価な材料は研究及び特殊用途において役割を果たしている。インジウム合金は20年以上の推定製品寿命を有する用途において使用されている。グラファイトは炭素の結合平面において3000W/m・Kまで、そしてそれに垂直な方向では16W/m・Kの伝導性を包含する独特の指向性の熱特性を有する。熱輸送ギャップを横断してグラファイトを再配向させる「切り貼り(cut and glue)」の試みは機械的に易破壊性の製品をもたらしている。通常の非金属TIM市販品は軟質で非導電性であり、1〜10W/m・Kの範囲の熱伝導率、及び100,000W/m2・Kのオーダーまでの100ミクロン層の熱伝達率を与える。市販の熱界面材料の熱伝導率はほぼ一定であるか、温度と共に低下する。
熱スタック中の接合表面の平坦性及び粗さは製品仕様による。平均2μm未満がヒートシンク又はスプレッダのようなスタックの接合コンポーネントの通常遭遇する表面粗さである。通常は、冷却コンポーネントの表面の平坦性は10μm未満でなければならず、そして平行性は50μmより良好でなければならない。熱スタックのコンポーネントの表面仕上げ(平行性、平坦性及び粗さ)においてより小さい公差を用いることによりTIMの厚みを最小限にする傾向がある。約0.120μm〜0.144μmの粗さの接触面とするためには、相当する粗さの標準偏差は0.0025μm、即ち平均粗さの約2%となる。しかしながら、表面仕上げを完璧なものとする利益とそのコストとの間には相殺関係がある。頻繁には、ヒートシンク表面の表面粗さはせいぜい1.3μmであり、相当する標準偏差は約0.05μmである。
界面熱抵抗は接合表面とのTIMの接触に依存しており、その結果、TIM中の熱伝導粒子の大きさと比較した接合表面の粗さに依存することになる。そのような接合表面の特性及び厚みの要件は最小限の界面熱抵抗及び最大限の熱電導性を目標にTIMを調製する場合に考慮される。
デバイスの実働温度範囲は部品特異的な関連属性であり、熱スタックの大きさ、形状、方向、材料組成、及び表面仕上げのような要因が熱管理システムの設計の対象となる。電力電子工業及び機械工業の場合、ギャップ(例えばデバイスと熱管理ハードウエアとの間のギャップ)は100ミクロンのオーダーであり、より小型の電子デバイスは5μm〜80μmの範囲のスタックコンポーネント間の距離を有するが、より一般的には現在はせいぜい20μmまでであり、基板レベルのデバイス信頼性のためには最小で5ミクロンである。
バルク熱伝導率は種々の熱界面材料の一次比較を行うためのパラメーターである。デバイスの耐久性のために同様に重要であるものは熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion)、CTEである。半導体とその基板の低CTEゆえ、半導体デバイスのためのTIMも同様に低CTEを有する必要があり、好ましくは、ケイ素のCTEである2.6ppm/℃に近づくためには10ppm/℃未満である。ポリマーのCTEは50〜200ppm/℃の範囲であり、金属及び合金の一般値は10〜30ppm/℃の範囲である(より低値で良好なマッチングとなるCTEを有する特定の二元鉄ニッケル合金及びニッケル−クロム、ニッケル−コバルト又はコバルト−クロム合金と組み合わせた鉄の数種の三元合金を除く)。
入手可能なTIMは広範な周囲温度熱伝導率(ambient thermal conductivities)のものがある。熱伝導率が1W/m・Kのオーダーにある通常の熱界面材料は形状適合を可能とするマトリックス中に高熱伝導率の粒子を配合しているコンポジットである。高熱伝導率を目的とする場合の通常の選択肢はフェイズチェンジマテリアル(PCM)、放熱フィルム、及び放熱グリスを包含し、これらの熱伝導率は10W/m・Kのオーダーであり、ヒートスプレッダ又はシンクのために一般的に使用されている材料であるアルミニウムよりも1又は2桁小さい。
入手可能なTIMは広範な周囲温度熱伝導率(ambient thermal conductivities)のものがある。熱伝導率が1W/m・Kのオーダーにある通常の熱界面材料は形状適合を可能とするマトリックス中に高熱伝導率の粒子を配合しているコンポジットである。高熱伝導率を目的とする場合の通常の選択肢はフェイズチェンジマテリアル(PCM)、放熱フィルム、及び放熱グリスを包含し、これらの熱伝導率は10W/m・Kのオーダーであり、ヒートスプレッダ又はシンクのために一般的に使用されている材料であるアルミニウムよりも1又は2桁小さい。
通常は、ヒートシンク及びスプレッダをマウントするために使用されている金属系の高熱伝導率材料、例えば銀、銅、アルミニウム、インジウム及びその合金並びに多くのはんだは温度と共に低下する熱伝導率を有している。
高熱伝導率の電気絶縁物質は窒化ホウ素(実験的に達成されたTC約740W/m・K、周囲温度以上で一定)(http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/BN/thermal.html#Thermalconductivity)、窒化アルミニウム(低下TC)、ベリリア(低下TC)、窒化ケイ素を包含する(270W/m・K、低下TC、http://www.azom.com.article.aspx?ArticleID=3173)。これらの材料は高体積抵抗性及び高誘電強度、そして更に魅力的な熱膨張係数を有している。これらの材料は酸及びアルカリに攻撃され、加水分解を受けやすい。
炭素をTIMとして見ると興味深い固有の特性を有する。炭素は単結晶ダイアモンド、グラファイト、グラフェン及びナノチューブの形態において腐食抵抗性及び高熱伝導率という利点を有している。しかしながら、ダイアモンドは処理が極端に困難であり、高価である。グラファイトフィルムは特殊なクラスである。純粋なグラファイトフィルム(グラファイトホイル)は低コストであり、熱界面材料として長年使用されている。グラファイトフィルムは極めて高い温度範囲(酸化雰囲気下で−240℃〜450℃)に渡って有効である。しかしそれらは低い熱接触抵抗を呈し、X−Y方向(平面内方向)及びZ方向(ギャップ横断方向)のグラファイト構造の熱伝導率は極めて異なる。グラファイトホイルはZ軸(グラファイト中カーボンシート横断)上では16.0W/m・Kまで、そしてx−y平面(x−y平面はグラファイト中のカーボンシートの平面に平行に配向されている)上では1800W/m・Kまでとなる。熱分解性のグラファイトフィルムは熱伝導率の低下を示す。20℃と500℃の間では、低下はカーボンシートの平面内では約25%、平面外方向では約44%である。平面内及び平面外方向共に導電性は20℃から1650℃の温度範囲で60%〜63%低下する(データ入手元:http://www.minteq.com/our−products/minteq−pyrogenics−group/pyroid−pyrolytic−graphite/)。
グラファイト化されたカーボンフォームは150W/m・Kまでの等方性の熱伝導率を有し、それらは機械的に易破壊性であり、グラファイトに特有なCTEを有する。
バインダーを使用しない配向性炭素繊維のコンソリデーションとその後の炭素化及び任意のグラファイト化により作製された炭素及びグラファイトの材料は線維の配向方向に390〜750W/m・Kの範囲の熱伝導率を示す。
化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)法又は高温コンソリデーションを用いて炭素マトリックスコンポジットに至る高温合成経路の大きな欠点は、部品が曝露されるプロセス温度及びコスト高の加工である。これは例えば不活性雰囲気下1000〜1500℃の温度でピッチフィリング、熱処理及び炭素化のサイクルを必要とする炭素繊維又はナノチューブを用いたピッチ又は樹脂マトリックスコンポジットのような系の場合に観察されている。
炭素−炭素コンポジット(グラファイト化ピッチ−炭素繊維又はカーボンナノチューブ)は高い熱伝導率を有するが、0.26ppm/℃では炭素−炭素コンポジットのCTEは熱スタックの通常のコンポーネントとの接触の際の熱ストレスを回避するには低すぎる。カーボンナノチューブは長軸に沿って極めて高い熱伝導率を有するが、それは単離されたカーボンナノチューブに関しては温度と共に低下すると予測されている(非特許文献1)。ナノチューブの熱伝導率の計測された温度依存性は約47℃(320K)で最高値を示し、更に温度が上昇すると低下する(非特許文献2)。
Savas Berber,Young−Kyun Kwon,and David Tomanek; "Unusually High Thermal Conductivity of Carbon Nanotubes" Physical Review Letters 84 (20) 4613(4),2000
Kim P,Shi L,Majumdar A,McEuen PL.; "Thermal transport measurements of individual multiwalled nanotubes." Physical Review Letters 87 (21) 215502,2001(Epub.2001 Oct 31).
一部の実施形態においては、本発明の態様は有用な伝熱特性を有するナノ粒子組成物に関する。本明細書に記載するナノ粒子組成物は例えば半導体若しくは他のコンピューターコンポーネント又は電力変換機、例えばDC/AC変換器、インバーター、無線周波数発生器等の関連において熱界面材料として使用できる。
一部の実施形態においては、ナノ粒子組成物は本明細書においてはCNTと称するカーボンナノチューブ(例えば本明細書に記載する種々異なる長さ幅比における多層又は単層のもの、例えばピーポッド、融合ナノチューブ、例えば「Y型」又は「バンブー様」ナノチューブ、又はこれらの2種以上の任意の組み合わせ)、及び本明細書においてnGPと称するナノグラファイト粒子(nanographite particles)の混合物を含む。ナノグラファイト粒子はグラファイト又はグラフェンナノ粒子(例えばナノプレートレット、ナノリボン、ナノディスク、ナノシリンダー、又はこれらの2種以上の任意の組み合わせ)、例えばナノグラファイトを包含する。一部の実施形態においては、炭素コンポジットは分散したカーボンナノチューブ及びグラファイト粒子よりなる混合物から生産される。
一部の実施形態においては本明細書に記載する組成物は高い伝熱特性(例えば298Kにおいて20W/m・K超の熱伝導率、又は368Kにおいて50W/m・K超)を有する。一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物は温度依存性伝熱特性(例えば温度と共に増大する伝熱能力を伴う)を有するという特徴を有する。従って、発電、電力消費又は熱交換の物体又は装置の動的温度管理のために有用である。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物はカーボンナノチューブ(CNT)及びグラファイト又はグラフェンナノプレートレット(GNP)の混合物を包含する。本発明の態様によれば、本明細書に記載する考察の1つ以上が組成物の熱伝導率の促進への寄与、及び/又は温度依存性(例えば温度とともに上昇する)熱伝導率を可能とする。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物はカーボンナノチューブ(CNT)及びグラファイト又はグラフェンナノプレートレット(GNP)の混合物を包含する。本発明の態様によれば、本明細書に記載する考察の1つ以上が組成物の熱伝導率の促進への寄与、及び/又は温度依存性(例えば温度とともに上昇する)熱伝導率を可能とする。
一部の実施形態においては、CNTの直径(例えば外径(outer diameter))は5〜25nmである。一部の実施形態においては、直径は8〜15nmである。一部の実施形態においては、直径は10±1nmである。一部の実施形態においては、ODは15〜30nmである。一部の実施形態においては、ODは30〜70nmである。しかしながら、より幅広のCNTを有する実施形態がより狭小なCNTを含有する実施形態より低いベース熱伝導率を有すると考えるべきである。一部の実施形態においては、75%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超のCNTが特定範囲内のODを有する。
一部の実施形態においては、CNTの長さは0.5〜2マイクロメーターの範囲となる。一部の実施形態においては、長さは3〜5マイクロメーターである。一部の実施形態においては、長さは10〜20ミクロン、30〜50ミクロン、又は50ミクロン超である。一部の実施形態においては、75%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超のCNTが前記範囲内の長さを有する。
一部の実施形態においては、ナノ粒子(例えばナノプレートレット)の形状は1〜10の平均横直径に対する平均厚みのアスペクト比を有する。一部の実施形態においては、ナノ粒子の形状は1〜30の平均横直径に対する平均厚みのアスペクト比を有する。一部の実施形態においては、ナノ粒子の形状は1〜30超の平均横直径に対する平均厚みのアスペクト比を有する。一部の実施形態においては、ナノ粒子の平均横寸法は約0.3ミクロンである。一部の実施形態においては、75%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超のナノ粒子が前記範囲内の寸法を有する。
一部の実施形態においては、ナノ粒子(例えばナノプレートレット)の平均厚みは約30nmである。一部の実施形態においては、ナノ粒子の平均厚みは約30nm超である。一部の実施形態においては、ナノ粒子の平均厚みは約30nm未満である。一部の実施形態においては、ナノ粒子の平均厚みは約20nm未満である。一部の実施形態においては、ナノ粒子の平均厚みは約10nm未満である。
一部の実施形態においては、ナノチューブの長さはナノ粒子の横寸法の30倍未満、例えば20倍未満である。一部の実施形態においては、ナノ粒子の横寸法と相対比較した場合のナノチューブの長さは約5:1と約15:1の間、例えば約10:1である。
一部の実施形態においては、CNTは長さが約0.5〜2ミクロン、2〜10ミクロン、3〜5ミクロン、又は2〜10ミクロン、又は10〜20ミクロン、又は20〜30ミクロン、又は30ミクロン超であり、ナノプレートレットの横寸法はサブミクロンのスケールである。一部の実施形態においては、異なる長さのNTを同じ厚みのnGPで使用可能である。一部の実施形態においては、ナノプレートレットの横寸法は20nmより小さくなく、ナノチューブの長さは100nmより短くない。
所与の大きさの範囲のナノチューブ又はナノ粒子の調製物は前記範囲内の大きさを有するナノチューブ又はナノ粒子が75%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超るだけ包含されていることができると考えなければならない。
一部の実施形態においては、ナノ粒子混合物はCNTやnGP(例えばGNP)のアライメントを低減するために均質である。一部の実施形態においては、均質性はnGPの間にCNTを十分に分散させることにより得られる。一部の実施形態においては、分散は本明細書に記載する熱特性1つ以上を得るために重要である。
しかしながら、均質な調製物はアラインされた成分を包含できると理解しなければならない。一部の実施形態においては、アラインされた成分は本明細書に記載する所望の熱特性にとって不利である。アライメント非存在下においては、全ての配向が等しい確率で存在し、このことは、例えば偏光で計測したスペクトルにおいて検出可能な粒子アライメントの優先的な巨視的方向が無いことを意味する。材料のスペクトルの特徴的な吸収又は発光のピークの強度がp及びsの偏光に関して90+%内であれば、その材料はアライメントが無いと見なされる。一部の実施形態においては、CNT又はnGP(例えばGNP)のアライメントの上昇は熱伝導率の低下した熱依存性をもたらす。
一部の実施形態においては、本発明の組成物は等方性であり、全ての方向において均一な伝熱を呈する。これは、そのことによりCNT又はnGP(例えばGNP)単独に基づいた材料の弱さが克服されるため、望ましい特徴である。
一部の実施形態においては、組成物はバインダーと混合されたCNT及びnGP(例えばGNP)を包含する。従って、バインダーは一部の実施形態においては本明細書に記載する組成物の第3の成分である。一部の実施形態においては、混合物はCNT、nGP(例えばGNP)及びバインダー材料を1つ以上の溶媒中で混合し、次に混合物を硬化させることにより調製される。一部の実施形態においては、使用されるバインダー及び/又は溶媒は電気抵抗(例えば硬化後)の負の係数を有する材料を形成するものである。一部の非限定的な実施形態においては、バインダー材料は以下のもの、即ち重合体炭化水素(ポリエチレン、ポリプロピレン等)及び不飽和重合体炭化水素(例えばポリスチレン)及び脂肪族(ナイロン)及び芳香族のポリアミド、及びポリアニリンの1つ以上よりなるか、それらを包含することができる。一部の実施形態においては、重合体の特定の化学基は回避すべきであり、例えば塩素置換及び/又はNxOy基は一部の実施形態においては回避すべきである。
一部の実施形態においては、組成物(例えばCNT、nGP(例えばGNP)及びバインダーを含む組成物)をマトリックスと混合する。マトリックスを使用することにより、D−TIMを熱伝導性フィラーとして使用した放熱グリス又は相変化材料又は放熱接着剤又は一部の他の熱界面製品を作製することができる。従って、マトリックスは一部の実施形態においては第4の成分となりえる。一部の実施形態においては、ガラス状炭素をマトリックスとして使用する。
一部の実施形態においては、溶媒は合成後に除去(例えば蒸発による)できるため、溶媒の電気特性はあまり重要でない。一部の実施形態においては、nGP:CNT(例えばGNP:CNT)の重量比は10:1〜1:10、例えば5:1〜1:5、又は3:1〜1:3の範囲である。一部の実施形態においては、nGP:CNT(例えばGNP:CNT)の重量比は1より大きく、例えば約1.5:1、約2:1、又は約3:1である。一部の実施形態においては、10:1のMWCNT:nGPの比ではCNTが感知可能な効果を失う。更に又、1:10のMWCNT:nGPの比では熱伝導率の傾きが減少する。しかしながら、本発明の態様はこの点において限定されるわけではないので、他の比を使用してよいと理解しなければならない。
一部の実施形態においては、nGPの横寸法は1ミクロン未満、例えば0.5ミクロン未満、又は約0.3ミクロン、又は0.3ミクロン未満である。一部の実施形態においては、これらのnGPと本明細書に記載する適切な相対的CNT寸法とを用いて、組成物を調製することにより、高い元素状炭素含有量(例えば硬化後に75%超、80%超、85%超、90%超、又は95%超、又はさらに大量等)を有するコンポジットを生産する。
一部の実施形態においては、良好な熱伝導率を与える本明細書に記載するナノコンポジット(例えば硬化したナノコンポジット)の密度は約0.1〜約1.75、例えば約0.3〜約1.5又は約0.5〜1の範囲、又は約0.9g/cm3である。しかしながら、本発明の態様はこの点において限定されるわけではないので、他の密度を使用してよいと理解しなければならない。
一部の実施形態においては、CNT及びnGP(例えばGNP)の均質な混合物を生産する製造方法が使用される。一部の実施形態においては、分散されたCNT及び分散されたnGP(例えばGNP)を組み合わせる。一部の実施形態においては、分散されたCNTを分散されたnGP(例えばGNP)に添加する。CNT及びnGP(例えばGNP)を分散させるためには任意の適した溶媒を使用してよいと理解しなければならない。
一部の実施形態においては、CNT及びnGP(例えばGNP)の均質な混合物は硬化される。硬化は安定な性能(例えば自立型又は支持型の固体D−TIMの熱伝導、電気伝導、及び/又は機械的特性)を得るための混合物の特性を維持するために好都合である。一部の実施形態においては、硬化はマトリックス/バインダーからの溶媒の蒸発に好都合であり、これによりTIMの密度が上昇し、TIM中のCNT及び/又はnGPの相互作用が改善される。一部の実施形態においては、硬化は成分が使用中(例えば電流への曝露時)にアラインする傾向を低減することができる。
一部の実施形態においては、硬化は、ナノコンポジットの製造中及び/又は1つ以上のデバイス成分へのナノコンポジットの適用後の何れかに実施することができる工程1つ以上を包含することができる。一部の実施形態においては、硬化は製造プロセスから液体を除去するための工程(例えば乾燥工程)を包含する。一部の実施形態においては硬化は加熱工程を包含する。一部の実施形態においては、加熱は例えば3分から72時間、又は30分から24時間、80〜400℃、又は100〜250℃、で行うことができる。一部の実施形態においては、添加剤を有さないCNT及びnGPの混合物の場合、最高温度は400℃である。しかしながら、添加剤を有するCNT及びnGPの混合物の場合、硬化温度は添加剤が不安定となる温度限界までに制限される。有機材料の場合は、この温度は通常はCNT及びnGPの非存在下の添加剤の分解を超えて上昇する。即ち最高硬化温度は具体的な組成物に固有の特性である。一部の実施形態においては、硬化時間の長さは、時間によるのとは反対に、重要な安定な特性1つ以上の達成により決定される。例えば感知可能なジュール熱の非存在下で1時間安定である電気伝導度で十分である場合がある。必要な硬化は要求があまり多くない場合がある。一部の実施形態においては、バインダー材料の過剰な損失を回避する条件下で硬化を行うべきであると理解しなければならない(通常はバインダーは炭素成分よりも熱安定性が低い)。一部の実施形態においては、硬化は、元素状炭素の過剰な損失(例えば400℃を超える温度において、又は金属粒子、例えばAgのような酸化触媒の存在下において起こる場合がある)を回避する条件下で実施する。
一部の実施形態においては、硬化は伝熱媒体のようなD−TIM組成物系の材料の適用の前に実施することができる。硬化産物は自立性の材料又は支持された材料であることができる。支持体は固体形態(例えばプレート、フィルム、及び多孔性材料、例えば織布、ニット、マット、又はスポンジ)であることができる。一部の実施形態においては、固体支持体はセラミック、ガラス、グラファイト、ガラス状炭素、金属、又は重合体又は半導体であることができる。
一部の実施形態においては、熱界面材料及び/又はフィラーを添加することにより電気伝導率、CTE、及び/又は粘度のような特定の副次的特性を変更することができる。例えば特定の重合体粒子を添加できる。しかしながら一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物を既存の熱界面材料に添加することにより熱界面材料の特性を変更することができる。
一部の実施形態においては、組成物は金属非含有、例えばAg非含有である(又は、痕跡量のAgを含有するのみである)。一部の実施形態においては、本明細書に記載するナノ粒子混合物中のAg又は他の金属の存在は熱伝導率の温度依存性を低減するか、又は消失させる。一部の実施形態においては、組成物は1つ以上、又は全ての遷移金属又は貴金属を含有しない(又は痕跡量含有するのみである)。一部の実施形態においては、組成物は1つ以上の以下の金属、即ち、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、バナジウム、マンガン、白金、イリジウム、オスミウム等、又はこれらの任意の組み合わせを含有しない(又は痕跡量含有するのみである)。一部の実施形態においては、ナノ炭素の合成において使用される金属触媒1つ以上は本明細書に記載する組成物のための熱伝導率の温度依存性を低減するか、又は消失させる。従って、一部の実施形態においては、組成物はナノ炭素の合成において使用される金属触媒を含有しない(又は痕跡量含有するのみである)。通常は、CNTの合成において触媒として使用される金属の濃度は0.1%未満である。CNTから、そしてグラファイト粒子から金属を除去するための標準的な手法は周知である。一部の実施形態においては、それらはD−TIMを調製する前に使用される。一部の実施形態においては、金属含有量は基質の購入時に確認又は特定することができる。
一部の実施形態においては、nGPの平均横直径の10%を超える平均径を有する金属粒子は除外される。例えば約30nmより大きい金属ナノ粒子は約0.3ミクロンの平均横直径を有するnGPを用いる調製物のバルクからは排除しなければならない。
一部の実施形態においては、ナノコンポジット材料中の欠陥の存在は熱伝導率の温度依存性の傾きを増大させる(欠陥が多いほど傾きは急になる)。従って、一部の実施形態においては、第1の組成物はより少ない欠陥を有する第2の組成物と比較して、熱伝導率の傾きの相違のために、より低温においてより低値の熱伝導率、そしてより高温においてより高値の熱伝導率を有する。一部の実施形態においては、欠陥の存在はCNT及びnGPのDラマンバンドのGラマンバンドに対する相対的強度を測定することにより、確認又は定量することができる。通常はDバンドの最大強度はその材料のGラマンバンドの強度の25%未満である。
一部の実施形態においては、ナノコンポジット材料中の欠陥の存在は熱伝導率の温度依存性の傾きを増大させる(欠陥が多いほど傾きは急になる)。従って、一部の実施形態においては、第1の組成物はより少ない欠陥を有する第2の組成物と比較して、熱伝導率の傾きの相違のために、より低温においてより低値の熱伝導率、そしてより高温においてより高値の熱伝導率を有する。一部の実施形態においては、欠陥の存在はCNT及びnGPのDラマンバンドのGラマンバンドに対する相対的強度を測定することにより、確認又は定量することができる。通常はDバンドの最大強度はその材料のGラマンバンドの強度の25%未満である。
一部の実施形態においては、欠陥はナノチューブ又はナノプレートレットの組成物中に水素、ケイ素、酸素、アルゴン、又は他の希ガスを注入することにより生成する。一部の実施形態においては、機能的欠陥は酸素、窒素、リン、イオウ及び/又は親電子であることが知られている他の物質を包含する基を含有する材料のような分極可能な材料との物理的会合により、例えばそのような物質が炭素格子中に注入される場合に得られる。一部の実施形態においては、アルゴン原子は機能的欠陥を与えるために十分な分断を生じさせる場合がある。一部の実施形態においては、1つ以上の以下の原子、即ち、N+、N2、O+、O2、P、H+、B+、B2、Si、C、F−、CN、及び/又はCLを使用することにより十分な分断を生じさせることができる。一部の実施形態においては、CNT及びnGPのD及びGラマンスペクトルの強度を分析することにより注入による損傷の適切な水準を決定することができる。
注入はナノコンポジットの調製の間の任意の適切な段階に行うことができると理解しなければならない。例えば注入はCNT成長の後であって、CNTをバインダー/マトリックスと混合する前に行うことができる。注入は一部の実施形態においては硬化の間、又は硬化の後に行うこともできる。
一部の実施形態においては、欠陥は硬化後に1つ以上の方向に材料を延伸することにより増大することができる(これに対し硬化の前の延伸は材料の成分1つ以上のアライメントをもたらし、熱伝導率の温度依存性を低下させる場合がある)。一部の実施形態においては、材料の機械的混合の行為、例えばバインダー/マトリックスをCNT/nGPと混合することの行為により、最終コンポジット材料中に欠陥が形成される場合がある。
一部の実施形態においては、炭素格子中の1つ以上の置換は、例えば温度依存性熱伝導率を示さない材料において、組成物内に欠陥を導入することにより熱依存性を導入又は増強することが期待される。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物の個々の結晶性炭素成分は、単離された単分子粒子として、伝熱能力を包含する多くの有用な物理的特性において最高の値を示すことができる。本発明の一部の態様によれば、理論による制約を意図しないが、材料中への1つ以上の欠陥及び/又は連続性喪失の導入により、伝熱経路が中断され、熱輸送への抵抗性がもたらされる。しかしながら結晶性の規則性粒子のランダム凝集物としての材料の個々の成分の再凝集では、同じ炭素種が伝熱能力の多桁数の低下を示す。所望の熱特性のためには均質性が重要である。従って、偶発的に相互混合ではなくCNTがCNTと再凝集し、nGPがnGPと再凝集した場合、その結果は得られる材料の熱性能にとって有害なものとなる。換言すれば自己凝集によるnGPからのCNTの分離により、所望のD−TIM特性が得られなくなる。
留意すべきは、炭素ナノ材料は高速デバイスにおけるケイ素を代替する有望な候補として確認されている点である。しかしながら、本発明の態様は伝熱特性を有する炭素ナノ粒子材料に関する。
本発明の一部の実施形態は本明細書においてD−TIM(動的(dynamic)熱界面材料)と称する伝熱管理において使用するための熱界面材料に関する。一部の実施形態においては、本明細書に記載するD−TIMはカーボンナノチューブ(CNT)及びグラファイトナノプレートレット又はグラフェンナノプレートレット(nG)の混合物を含むかこれよりなる組成物の熱特性に依存している。一部の実施形態においては、CNT及びnGは適切な形状、大きさ、相互浸透度、混合比率において、及び/又は少量の特別に選択された重合体バインダーと共に提供され、全て総括して本明細書においてはナノ炭素コンポジット又はD−TIMと称する。
一部の実施形態においては、本発明の態様は特定に組織化したコンポジット中でカーボンナノチューブとグラファイト粒子を組み合わせることにより熱伝導性を与える方法に関する。この新しいコンポジットは熱界面材料として機能することができる。一部の実施形態においては、周囲温度におけるD−TIMの熱伝導率は市販の通常の熱界面材料のものよりも一桁高値となる。例えば一部の実施形態においては、25℃のD−TIMの熱伝導率はグラファイト又はカーボンナノチューブの何れか単体のランダムペレットの熱伝導率より一桁以上大きくなる。更に一部の実施形態においては、D−TIMコンポジットの熱伝導率は温度と共に単調に、そして可逆的に増大する。これとは対照的にD−TIMの個々の成分はこの特徴を示さない。グラファイト材料の熱伝導率は温度上昇と共に一定であるか低下するかの何れかである。従って、熱伝導率の正の動的挙動は本コンポジットの独特の特徴である。
一部の実施形態においては、CNTはCNT−nG凝集物を形成するnGプレートレットの間に分散した単離されたCNT又はナノチューブのバンドルの形態であることができる。特定の用途においては、粒子の大きさは熱管理を要するデバイスの幾何学的特徴により制限され、通常は5〜100μmの範囲である。これらの最大値はD−TIMが充填されて埋めれることを意図するデバイスのコンポーネントの間の幾何学的距離であり、結果として、D−TIM用途との関係においてD−TIM中の何れかの粒子の任意の寸法に対して上限のスケールを設定することになる。より具体的な条件はTIMが埋める距離に渡って高度な熱輸送を達成するための要件から発生する。これらの具体的な材料の要件を本明細書においてより詳細に説明する。そのような距離が5マイクロメートルより大きい通常の産業用実施方法に関連する非限定的な例を提示する。
一部の実施形態においては、nG粒子の横寸法はグラフェンの炭素シートの平面内に在る。一部の実施形態においては、多くのグラフェン層がスタックされるが、粒子の横寸法である炭素格子平面の面積は小さく、それはグラファイト結晶グラフェン中のグラフェンのスタックの厚みよりも小さい場合があり、そしてnGの厚みはその横寸法に対して垂直である。一部の実施形態において、凝集物は1つより多い凝集物を貫通できるCNTにより連結されることができる。CNT−nG凝集物はCNTとnGの混合の間に自発的に生じることができる。均質な混合物(十分に分散されたCNTとnGPを有する)を形成するためには有効な混合が重要である。例えば後に除去される溶媒中の粒子の懸濁液の超音波曝露又は粉砕を用いる有効な混合法は公知である。一部の実施形態においては、懸濁液は本明細書に記載する具体的な大きさ及び比率の要件に合致するCNT及びnGのナノ粒子を有する。
CNTは単層カーボンナノチューブ(SWNT)、二層カーボンナノチューブ(DWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、又はこれらの任意の組み合わせであることができると理解すべきであり、本発明の態様はこの点において限定されるわけではない。一部の実施形態においては、CNTの平均の外径ODは1〜15nmの範囲であり、平均の長さは0.5〜20マイクロメートルの範囲であるのに対し、nG粒子は0.3ミクロンを中心とする横寸法を有する。一部の実施形態においては、0.3ミクロンのナノグラファイトをグラフェンナノプレートレット又はナノリボンのような機能的等価物により置き換えることができる。
一部の実施形態においては、コンポジット組成物は重合体バインダーを包含する。重合体バインダーはCNT−nG凝集物の全体又はその一部のみに接触することができる。重合体コーティングの非限定的な例はポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、セルロース又はセルロース誘導体、ポリアルコール、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリスルホンアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリインドール、ポリポルフィリイン、ポリエステル、ゴム、シリコーン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアミン(例えばポリアニリン)又は溶媒により送達されるかインサイチュで重合されるか、任意の他の方法で均一に取り込まれる任意の他の重合体の1つ以上を包含するか、それよりなることができる。
一部の実施形態においては、重合体は架橋していることができる。しかしながら、重合体は必ずしも連続マトリックスを形成するわけではないと理解しなければならない。一部の実施形態においては、重合体は混合物中の少量成分である。一部の重合体及び処理溶媒(例えばハロゲン化又はある種のケトン類、例えば工業用等級のアセトン)は、それらが本明細書に記載するCNT−nGPコンポジットを負の温度係数(NTC)型の組成物から正の温度係数(PTC)型の組成物に変換する能力があるため、比較的望ましくない。これは、本明細書に記載する高い熱伝導率及び温度依存性の熱伝導率はNTC型の組成物に備わっていることから、熱特性の1つ以上に有害である場合がある。
従って、一部の実施形態においては、本発明の態様は温度とともに熱伝導率の可逆的上昇を導入する濃度においてカーボンナノチューブ(CNT)及びナノグラファイト粒子(nGP)、例えばグラファイトナノプレートレットを用いた動的熱界面材料(D−TIM)を含むコンポジット材料に関する。D−TIMはデバイスとプロセスの熱管理において使用される熱スタック中で使用できる。一部の実施形態においては、請求のD−TIM材料は(2)グラファイト又はグラフェンのプレートレットを含有する結晶性ナノ炭素粒子の複数種類の中に分散された(1)カーボンナノチューブよりなる結晶性炭素ナノ粒子コンポジットを含む。一部の実施形態においては、結晶性炭素ナノ粒子間の空間は(3)適合性のあるバインダー分子を含有してよく、そして最終的なコンポジットは熱伝導率の正の熱依存性を示す。一部の実施形態においては、20℃〜75℃の温度範囲において少なくとも2倍の熱伝導率上昇が得られ、この傾向は温度上昇と共に持続する。
一部の実施形態においては、D−TIMの結晶性炭素ナノ粒子の組成物はTIM質量の60%以上を占め、そして結晶性炭素ナノ粒子は20〜80重量%の範囲のCNTよりなり、そしてグラファイト又はグラフェンのナノプレートレットの形態の炭素もまた20〜80重量%の範囲にわたることができる。一部の実施形態においては、CNTは30〜55重量%の範囲であり、グラフェン又はグラファイトは70%までである。
上記成分(2)を用いて調製する場合、D−TIM加熱において温度と共に熱伝導率を上昇させる有利な効果は、成分(1)の粒子がその外径の10倍より長いが5μm〜80μmより長くない長さを有するように単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブ等のナノチューブ又はこれらの任意の混合物を用いて得ることができる。
上記成分(1)を用いて調製する場合、D−TIM加熱において温度と共に熱伝導率を上昇させる有利な効果は、成分(2)の粒子がその平均厚みよりも大きいが、5μm〜80μm以下である平面内の直径を有するように炭素ナノプレートレット、例えばグラフェン又は開いた(unzipped)カーボンナノチューブ又は開いたグラファイト化カーボンナノチューブ又はグラファイト又はこれらの任意の混合物を用いて得ることができる。
成分(1)及び(2)を用いて調製する場合、D−TIM加熱において温度と共に熱伝導率を上昇させる有利な効果は、セルロース系重合体、アクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ゴム、一部の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、及び/或はエラストマー等の重合体バインダーを用いるか用いることなく、但し電気抵抗の熱係数が負のままであるようにして得ることができる。
一部の実施形態においては、成分(1)、即ちCNTの外径は8〜15nmの範囲に含まれる。一部の実施形態においては、CNTは多層カーボンナノチューブである。
一部の実施形態においては、D−TIMの成分(2)、即ちグラファイト又はグラフェンの炭素粒子は炭素シートの平均の平面内寸法の10%以下の厚みを有する。
一部の実施形態においては、D−TIMの成分(2)の平均横直径はコンポジットの成分(1)の長さの20%以下である。
一部の実施形態においては、D−TIMのグラファイトプレートレットは50%超の結晶化度を有する種々の形状のグラファイト又はグラフェンの何れかである。一部の実施形態においては、D−TIMのグラファイト又はグラフェンのナノプレートレット及びCNTは混合物の90〜95重量%を有し、残部は有機及び/又は無機の溶媒等と共にバインダー、添加剤、及び他の重合体分子よりなるが、2〜99.9%の範囲のグラファイト又はグラフェンナノプレートレット及びCNTの他の比も使用できる。
一部の実施形態においては、成分(1)は成分(2)中にナノ分散しており、そして成分(1)及び(2)の総和はD−TIMの任意の成分(3)中にナノ分散している。一部の実施形態においては、D−TIMの任意の成分(3)は任意の方法により送達されるかインサイチュで重合されるポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリニトリル、ゴム、セルロース系化合物、ポリアルコール、何れかのグリコール、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリアニリン、ポリインドール、ポリポルフィリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はNTC型の半導体を生成するために使用できる任意の他の重合体(例えばNTC型半導体であるコンポジットを生成する任意の方法を用いる任意の重合体)であることができる。
一部の実施形態においては、熱スタック及び/又は他の支持性D−TIM表面を用いることができるが、これらの表面は平坦な界面に限定されない。テキスチャ、屈曲及び表面積増大性トポグラフィーを有する他の表面を使用することができる。
一部の実施形態においては、材料の界面は金属、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)、砒素(As)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、及びこれらの合金、炭素化物、タングステン酸塩、リン化物、珪化物、セラミック類(例えばAlSiC、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及びそれぞれの炭化物、酸化物)、金属炭素コンポジット、Fe、鉄鋼の全ての等級及び合金、種々のはんだ、熱伝導性重合体、粘度、ダイアモンド、ガラス、ポリエチレン、種々のプラスチック、又はこれらの任意の組み合わせを包含するが、これらに限定されない。
本発明の他の好都合で新規な特徴は、添付の図面と組み合わせて検討すれば本発明の種々の非限定的な実施形態の後記詳細説明から明らかになるはずである。
本発明の態様によれば、カーボンナノチューブ(CNT)及びグラフェン又はグラファイトよりなる複合ナノ材料は単独使用した場合のどの成分よりも優れた顕著な特性を有することができる。一部の実施形態においては、本明細書に記載する複合ナノ材料は50〜100℃の温度変化に渡って約100ミクロンの経路長において10,000〜1,000,000W/m2・Kの範囲の熱伝達率の温度依存性変化を有することができる動的熱界面材料(D−TIM)として使用することができる。
従って、本明細書に記載する組成物は熱スタックにおける熱界面材料(TIM)として使用できる。熱スタックの非限定的な例は図1に示すとおりであり、この場合、TIMの第1の層は電力集積回路(IC)パッケージとヒートスプレッダの間に示され、そしてTIMの第2の層はヒートスプレッダとヒートシンクの間に示されている。図1Bは熱スタックのあるモデルを通過する熱流(矢印)を示しており、暗灰色の層はTIMを示し、熱スタックの壁部は明灰色である。図1CはTIMと熱スタックの壁部の界面における表面粗さを示す。しかし当然のことながら、本発明のTIMは第1の面と第2の面の間、又は、第1の面と周囲の媒体(例えば空気、ガス、又は他の媒体)の間の伝熱を促進するための任意の構成で使用することができる。
一部の実施形態においては、組成物は以下の特性、即ち、a)高いベース熱伝導率;b)等方性の伝導性(例えば電気部品の間の熱ギャップを埋めることが有効に起こるように)及び/又はc)温度に対して正の可逆的な依存性を有する熱伝導率(本明細書においては「動的熱伝導率」とも称する)の1つ以上を有するように構成されたカーボンナノチューブ(CNT)及びグラフェン/グラファイトナノ粒子(GNP)の混合物を含む。
本明細書において使用するグラフェン/グラファイトナノ粒子(GNP)はナノプレートレット、ナノリボン、又は本明細書に記載する他の適するナノ粒子であることができると理解すべきである。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物の等方性及び/又は動的熱伝導率は両方の成分の厚み及び長さの比率に関係する。一部の実施形態においては、組成物は平均厚み30nm以下のnGPを有し、平均横直径は約0.3ミクロンである。一部の実施形態においては、nGPのこの大きさのためには、CNT(例えばMWCNT)の有効な外径(OD)は7nmより大きく、15nmより小さく、そして平均の長さは約5マイクロメートル(例えば4.5〜5.5μm)である。しかしながら、他の大きさ及び組み合わせも本明細書に詳述する通り使用することができると理解すべきである。
一部の実施形態においては、高いベース熱伝導率は少なくとも部分的には以下の要因、即ち(1)基質CNTの純度及び結晶の完全性、及び(2)加工方法、に関係する。
従って、一部の実施形態においてはD−TIMを用いることにより熱伝達率の大きい正の温度依存性を介した伝熱の動的な管理が可能となる。これは例えば熱故障の確率を低下させ、そして更に計算電力の増大を可能にする。
一部の実施形態においては、本明細書に開示するTIMは、自体の熱伝導率が温度と共に可逆的に増大し、従来技術の熱界面材料に匹敵するベース熱伝導率を有するダイレベルの熱界面材料(TIM)である。
従って一部の実施形態においては、本明細書に開示するD−TIMは、周囲のベース温度(例えば25℃のベース温度)において高い熱伝導率(例えば硬化後に30W/K・m±3.75W/K・m)を有することに加えて、自体の熱伝導率が温度と共に上昇するという点において既存の従来技術の熱界面材料とは異なる。一部の実施形態においては、D−TIMは60℃〜100℃の範囲の温度において金属及びはんだに匹敵する熱伝導率を達成しており、そして更に、腐食抵抗性であり、軽量である。
一部の実施形態においては、CNT及びnGP(例えばGNP)の均質な混合物は硬化により(例えば熱処理により)安定化される。本明細書に記載する組成物(硬化したD−TIMを包含する)は周囲温度(25℃)で観察される値を超えて温度と共に熱伝導率の新規な可逆的上昇を呈する。一部の実施形態においては、D−TIMは温度と共に可逆的に上昇する高い周囲温度熱伝導率を特徴的に併せ持っている。一部の実施形態においては、D−TIMは炭素−炭素コンポジットよりも高値であるが10ppm/℃より低値であるCTEを有する。それは又軽量(例えば2.25g/cm3未満の密度)であり、腐食抵抗性である。
CNT及びnGP成分に関する大きさ及び比についての検討:
本発明の態様によれば、組成物の種々異なる成分の大きさ及び相対量はその熱特性に影響する場合がある。
本発明の態様によれば、組成物の種々異なる成分の大きさ及び相対量はその熱特性に影響する場合がある。
一部の実施形態においては、高い周囲温度熱伝導率は結晶性炭素材料が約5nm〜約20nm(例えば約7nm〜16nm)の範囲の外径を有するカーボンナノチューブ(例えば多層カーボンナノチューブ)を含有する場合に得られる。外側のチューブは内側のチューブより大きいため、それらは処理工程下、又は使用時において後者に対する保護シールドとして機能し、内側のチューブは外側チューブのための構造的安定性を与える[D.Christophilos等、Phys.Rev.B,76,113402,(2007)]。
一部の実施形態においては、分布の中心により定義されるグラファイト炭素の厚みは10nm未満、例えば30nm未満でなければならない。しかしながら、その他の厚みも使用でき、例えば一部の用途のためにはより薄いグラファイトプレートレットが望ましい場合がある。一部の実施形態においては、グラファイトプレートレットは数層のグラフェン層のみを含有する程度にまで薄いものであることができる。しかしながら一部の実施形態においては8nm未満のODを有するカーボンナノチューブは効果が低い。
一部の実施形態においては、nGP:CNT(例えばGNP:CNT)の質量比は約2:1である。しかしながら他の比、例えば約10:1〜約1:1を使用してもよい。
一部の実施形態においては、総組成物中のnGPの機能的な含有量は70%〜30%(重量)の範囲である。
一部の実施形態においては、ナノプレートレットの平均の横直径はその厚みの10倍以上大きい。しかしながら異なる形状も使用してよいと理解すべきである。例えばナノリボン(例えばグラフェンナノリボン)のような伸長した平面を有する粒子も、組成物がアライメントの如何なる不利な作用も最小限となるように調製される限りにおいて、一部の実施形態において使用できる(伸長した粒子は他の粒子よりもアラインし易い)。
一部の実施形態においては、横直径の厚みに対する比は約300:1から約200:1まで、約100:1まで、約50:1まで、約10:1まで、又は10:1未満、例えば5:1以下の範囲であるが、この厚みは組成物の有効性を低下させる場合がある。
一部の実施形態においては、最大横直径は10ミクロン以下であり、最小横直径は20nm以上である。一部の実施形態においては、最大横直径の場合の平均の厚みは30nmを超過する必要は無く、そして最小直径の場合の最大厚みは2nmを超過する必要はないが、最小厚みは単層のグラフェン層の厚みである。
一部の実施形態においては、ナノチューブの直径(例えば外径)は約7〜16nm、例えば約8〜15nm、約10nm(例えば±1nm)である。しかしながら種々異なる直径の大きさ(例えば外径の大きさ)を使用してよいと理解すべきである。例えば5〜25nm、但しより小さいか大きい直径も一部の実施形態においては使用してよい。
一部の実施形態においては、ナノチューブの長さはプレートレットの横寸法に相対的に決定される。例えば一部の実施形態においてはCNT長:nGP横寸法の比は30:1未満、30:1〜20:1、約20:1、20:1未満、20:1〜10:1、約10:1以下である。一部の実施形態においては、CNT長は約0.5〜20ミクロン、又は約2〜10ミクロン(例えば約4.5〜5.5ミクロン)である。一部の実施形態においては、CNT長は約2〜10ミクロンであり、そしてnGPの横寸法はサブミクロンの大きさである。しかし当然のことながら、材料の種々異なる長さ及び比を一部の実施形態においては使用してよい。一部の実施形態においては、長さは10ミクロンを超過しない。一部の実施形態においては、20ミクロンを超えるCNT長には利点が殆ど或いは全く無いが、更に長いCNTの場合、周囲温度における熱伝導率の約30%低下を上回る顕著な不都合があるわけではない。
しかしながら一部の実施形態においては、CNTはnGPの横直径よりも短くはなり得ない。一部の実施形態においては、より大きいnGPを使用する場合、比例してより長いCNTを使用する。しかしながらCNTの直径及び厚みを変更する必要は無い。一部の実施形態においては、組成物はnGPの横直径のCNTの長さに対する比により決定される。
従って一部の実施形態においては、nGPの横直径、即ちLD(nGP)はCNTの平均の長さより小さい。一部の実施形態においては、MWCNTの外径ODは10nmである。一部の実施形態においては、MWCNT長は20×LD(nPG)より大きく、そして、0.3ミクロンのLD(nGP)の場合には30ミクロンのL(MWCNT)に相当する100×LD(nGP)より長い必要は無い。一部の実施形態においては、この大きさの範囲は例えば20ミクロンのように小型である傾向がある電子パッケージングにおける熱スタック中のギャップの場合には合理的である。その可撓性により、約30ミクロンの長さを有するMWCNTもなお、そのような狭小なギャップにおいて有用である。電力エレクトロニクスの場合、ギャップはより大きくなる傾向がある(例えば約100ミクロン)。この関連においては、nGPの平均の横直径はスケールアップされ得るが、通常は、接合部分の平均粗さが許容するものを大きく超えることは無い。一部の実施形態においては、平均の表面粗さは約15ミクロンまでであることができる。
一部の実施形態においては、グラファイト材料の平均横寸法のその厚みに対するアスペクト比は用途において遭遇する通常の表面粗さと関して説明されるとおり、10より大きい。
一部の実施形態においては、使用されるnGPの横直径は熱スタックの表面のアスペリティーにより制限される。例えばスタックが1.3ミクロンの平均粗さを有する場合、約0.3ミクロンの平均横直径を有するnGPが適切である場合がある。より粗い表面の場合、より大きい横直径を有するnGPを使用できる。
一部の実施形態においては、使用されるnGPの横直径は熱スタックの表面のアスペリティーにより制限される。例えばスタックが1.3ミクロンの平均粗さを有する場合、約0.3ミクロンの平均横直径を有するnGPが適切である場合がある。より粗い表面の場合、より大きい横直径を有するnGPを使用できる。
通常、アスペリティーはデバイスの接合部分の表面仕上げによる。通常は、それらの特性は平均の表面粗さにより総括されるが、それらは階層構造を有している。より大きい平均粗さはギャップの幅、そして次には熱界面材料の厚みに関する仕様の拡大をもたらす。厚いギャップを充填するTIMは高いバルク熱伝導率を有さなければならない。一部の実施形態においては、100ミクロン以上が厚いギャップと考えられる。薄いギャップは50ミクロン幅、又はより狭小である。そのようなギャップの場合、TIMは良好なバルク熱伝導率に加えて低い熱接触抵抗を有さなければならない。
一部の実施形態においては、熱接触抵抗は粒子(例えば低構造高グラファイト化カーボンブラック)の薄い(例えば100nm以下のオーダーの)表面層のTIMの表面への添加(例えば表面に電着させる)により変えることができる。予備試験によれば、そのようなD−TIM表面処理は熱接触抵抗を低下させる場合に有効であり、D−TIMのバルク特性に対する悪影響は無いことが示されている。
バインダーについての検討:
一部の実施形態においては、CNT及びnGP(例えばGNP)をバインダー1つ以上と混合する。成分1つ以上を溶媒に懸濁することにより製造中の混合を促進してよい。一部の実施形態においては、バインダー及び/又は溶媒は硬化後に電気抵抗の負の係数を有する材料を生成するように選択される。
一部の実施形態においては、CNT及びnGP(例えばGNP)をバインダー1つ以上と混合する。成分1つ以上を溶媒に懸濁することにより製造中の混合を促進してよい。一部の実施形態においては、バインダー及び/又は溶媒は硬化後に電気抵抗の負の係数を有する材料を生成するように選択される。
一部の実施形態においては、約1〜5重量%のバインダーを添加することが温度に対する熱伝導率の可逆的依存性を担っている。バインダーの振動運動の活性化は熱輸送の活性化エネルギーに影響する場合がある。一部の実施形態においては、バインダーの熱特性はコンポジットの実用温度範囲を制限する場合がある。
バインダーは重合体、例えば誘導セルロース、アクリル系重合体、又は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であることができ、他の重合体も実用される。重合体バインダーはCNT−nG混合物の全体又は一部のみと接触できる。重合体はポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリスルホンアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアニリン、ポリインドール、ポリポルフィリイン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又は溶媒により送達されるか任意の方法によりインサイチュで重合される任意の他の重合体であることができる。重合体は架橋することができる。重合体が連続マトリックスを形成する必要は無い。一部の実施形態においては、重合体は混合物中の少量成分である。
一部の実施形態においては、バインダー材料は電気的に分極可能である。例えば中等度の極性の重合体バインダーが有効である。適切なバインダーの選択は、部分的には使用条件下のその安定性に依存する場合がある。一般的に、重合体バインダー中のニトリル、アミノ又はアミド基の存在が望ましく、そしてエーテル、ヒドロキシ基、カルボキシル、カルボニル、及びエステル基の存在が許容される。しかしながら、一部の実施形態においては、塩素化は望ましくない。一部の実施形態においては、バインダー中の回転可能な側鎖置換基が好都合な場合がある。
一部の実施形態においては、バインダーの質及び量がメディエーターの役割を果たす。一部の実施形態においては、重量による量はいくつかの単層を超えてC表面のコーティングを超過することは無い。これは通常は最大5重量%に相当する。フォノン−電子カップリングは重合体骨格に単結合で連結された側鎖基を導入することにより熱的に活性化されることができる。これらの基の熱的に活性化された回転は会合した炭素の電子的構造との相互作用、そしてこれによるポラロンの熱励起及びCNT及び/又はnGP間の近電界放射エネルギー伝達をもたらす。これらの基が有効であるためには、それらの振動周波数と方向、並びに炭素への近接性及びそれらの分極化学電界効果型が炭素に同期する。この振動同期は熱的に活性化されえる。この考えは化学電界効果型トランジスタの概念と同様であるが、単一のデバイスの代わりに、エネルギー輸送を可能にし、実施するネットワークを与える。この点において、ポリアミド及び種々のバイオポリマー(例えばオリゴヌクレオチド)はCNTを包囲し、そしてそのような複合体の光スペクトルにおいて観察可能なその電子構造の変化をもたらすことは周知である。
SWCNT又はDWCNTを使用する場合、脱バンドル化及びチューブのバインダーによる前ラッピングをnGPへの添加の前に行えば好都合である場合がある。
マトリックスについての検討:
一部の実施形態においては、マトリックスは1つ以上の炭素同素体を含む。一部の実施形態においては、マトリックスは油を包含できる。しかしながら大部分の実施形態においては、油は少量成分であるべきである。
一部の実施形態においては、マトリックスは1つ以上の炭素同素体を含む。一部の実施形態においては、マトリックスは油を包含できる。しかしながら大部分の実施形態においては、油は少量成分であるべきである。
ここで用いているように、マトリックスは組成物の最も豊富な成分を指す場合がある。例えばマトリックスは豊富度の低いナノ炭素のためのマトリックスとなる最も豊富度の高いナノ炭素を指す場合がある。従って、3成分D−TIMの場合、グラファイトナノ粒子(例えばナノプレートレット)が通常のマトリックスである。
一部の実施形態においては、D−TIM又はD−TIM基質(例えば2種のナノ炭素及びバインダー)を基油中に分散できる。基油中のD−TIMの分散体はペーストである。このペーストは基油及び他のフィラーの選択に応じて、放熱グリス又は相変化物質に調製することができる。フィラーはペーストの粘度、CTE、電気伝導度を公知の原理及び操作法に従って媒介する。
D−TIMを使用し、それを油中に分散することにより放熱ペーストを作製する場合、油は新しいマトリックス又は「オイルベース」となり、D−TIMが熱伝導性フィラーとなる。一部の実施形態においては、パラフィン、ポリフッ化油、又は他の油を使用できる。
アライメントについての検討:
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物は粒子のアライメントの非存在下においてより望ましい特性を有する。nGPとCNTの対的な相互作用において、CNT対グラファイトの優先的な配向により優先的な局所的アライメントが生じることができ、これはPaulsonの論文を参照できる(S.Paulson,A.Helser,M.Buongiomo Nardelli,R.M.Taylor 11,M.Falvo,R.Superfine,S.Washburn,"Tunable Resistance of a Carbon Nanotube−Graphite Interface",Science,290(5497),1742 − 1744,(2000))。しかしながらnGPのフラットアライメントは望ましくない。従って、一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物はnGPの横平面アライメントを妨害するCNTの数及び大きさのためにnGPのアライメントを防止又は低減する。グラファイト/nGP単独でアラインする傾向を有しており、これにより一部の実施形態においては望ましくないアライメントの平面中の優先的な誘導がもたらされると理解しなければならない。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物は粒子のアライメントの非存在下においてより望ましい特性を有する。nGPとCNTの対的な相互作用において、CNT対グラファイトの優先的な配向により優先的な局所的アライメントが生じることができ、これはPaulsonの論文を参照できる(S.Paulson,A.Helser,M.Buongiomo Nardelli,R.M.Taylor 11,M.Falvo,R.Superfine,S.Washburn,"Tunable Resistance of a Carbon Nanotube−Graphite Interface",Science,290(5497),1742 − 1744,(2000))。しかしながらnGPのフラットアライメントは望ましくない。従って、一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物はnGPの横平面アライメントを妨害するCNTの数及び大きさのためにnGPのアライメントを防止又は低減する。グラファイト/nGP単独でアラインする傾向を有しており、これにより一部の実施形態においては望ましくないアライメントの平面中の優先的な誘導がもたらされると理解しなければならない。
一部の実施形態においては、組成物は等方性である。等方性の組成物は熱伝導性のような方向依存性特性が無いことを特徴としている。一部の実施形態においては、特定の任意に選択された方向における熱伝導率の差が1つ目に垂直な何れかの軸上で計測した熱伝導率と10%以下の相違である場合、その材料は等方性であると考えられる。異方性は通常は望ましくないと理解すべきである。一部の実施形態においては、成分の配向性は僅かな程度であれば許容できる(例えば約30%以下)。しかしながらより高度な配向性は望ましくない異方性をもたらす場合がある。一部の実施形態においては、異方性はそれが局所的な高温及び低温のスポットを導入する場合があるため望ましくない。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物はアラインされていないか、又はアライメントの程度が低いCNT及びグラフェン又はグラファイトナノプレートレット(gNP)の均質な混合物を含む。本発明の態様によればナノ粒子成分のアライメントはそれらの熱伝導特性に有害である。むしろ、異なる相対的配向性を有するナノ粒子の混合物の存在は上昇した熱コンダクタンス(例えばTIMシート平面を横断する)を誘導し、少なくとも部分的には温度依存性熱伝導率に寄与する。これとは対照的に現在の見解は、混合のような既存の方法により調製されたCNT−グラフェンコンポジット中に存在する固有のCNT−グラフェンの緩い接合部は「CNT−グラフェン複合物の保有する能力を完全に引き出すことを極めて困難にしている」としている。代わりに、共有結合CNT−グラフェンのピラー構造が一般的には提案されている[ACS Nano.2010 Feb 23;4(2):1153−6l.“Modeling of thermal transport in pillared−graphene architectures."Varshney V.,Patnaik SS,Roy AK,Froudakis G,Farmer BL.Source:Materials and Manufacturing Directorate,Wright Patterson Air Force Base,Dayton,Ohio,USA.]。これらのコンポジットのCTEの問題には言及されていない。しかしながら、何れかの純粋な成分の特性からピラードCNT−グラフェンのCTEが大きく逸脱していると推定する理由は無く、これはケイ素系又は重合体のパッケージの場合、又は広範にはアルミニウムのような金属ヒートシンクの使用において熱ストレスを回避するには低値過ぎる。高TCのTIMの共通した特徴は周囲温度より高温では温度と共に熱伝導率が上昇することは無い点である。
これとは対照的に、本明細書に記載する組成物は温度と共に熱伝導率が可逆的に上昇する特徴を有する。その結果それらは種々の用途に使用できる。一部の実施形態においては、本明細書に記載するナノ材料は1つ以上のデバイスコンポーネントのウォームアップ時間を短縮化し、運転温度を低下させるために有用であり、これにより熱スタックの電力部分の役割を果たすデバイス上の可変作業負荷から生じる電力消費の変化に起因する可変熱負荷の伝達に良好に適応できる。可変作業負荷は発電装置、種々の機械において、そして特に電子計算デバイスにおいて典型的である。より低値の運転温度は計算デバイスのより高速な演算を可能にし、その有用寿命を延長し、エネルギー消費を低減し、サポートコスト及び総所有コストを低減する。
図2はMWCNT及びnGPの混合物の走査電子顕微鏡写真を示しており、それらがバインダー材料内部でアラインされているのではなく、むしろ無作為に分布又は分散していることを示している。図2は本明細書に記載するD−TIMの数種の特徴を示す。一部の実施形態においては、D−TIMは一般的に入手可能な成分、即ち(1)カーボンナノチューブ(例えば約30重量%)、(2)結晶性炭素ナノプレートレット(例えば約60重量%)、例えばグラファイト又はグラフェン、及び場合により(3)少量(例えば10重量%未満)のバインダーのナノスケール混合物である。
分散体についての検討:
炭素ナノプレートレット中でカーボンナノチューブの均一な混合及び分散をもたらす任意の分散方法を本明細書に記載する組成物の形成のために使用できると理解しなければならない。例えば一部の実施形態においては、溶媒中の脱バンドル化ナノチューブの懸濁液、及び、バインダーを含有する同じか又は別であるが混和性の溶媒中の脱バンドル化グラファイトナノプレートレットの懸濁液の適切な量を混合することによりD−TIM前駆体である単一脱バンドル化懸濁液を形成することができる。懸濁液は当分野で公知の方法を包含する任意の適する手法を用いて調製することができると理解しなければならない。溶媒をD−TIM前駆体から除去することにより所望の組成及び相のD−TIMを形成することができる。一部の実施形態においては、D−TIMを得るための別の方法では、(1)カーボンナノチューブ(例えば約35重量%)、(2)結晶性炭素ナノプレートレット、例えばグラファイト及び/又はグラフェン(例えば約65重量%)を均質な分散体が得られるまでミリングする。次に混合物を、バインダーを用いるか用いることなく例えばテープの形態のD−TIMに固化することができる。調製中はカーボンナノチューブと炭素ナノプレートレットの間に共有結合が生じる場合があるが、これは温度の関数としての可変熱伝導率を有するD−TIMを得るためには必須ではない。
炭素ナノプレートレット中でカーボンナノチューブの均一な混合及び分散をもたらす任意の分散方法を本明細書に記載する組成物の形成のために使用できると理解しなければならない。例えば一部の実施形態においては、溶媒中の脱バンドル化ナノチューブの懸濁液、及び、バインダーを含有する同じか又は別であるが混和性の溶媒中の脱バンドル化グラファイトナノプレートレットの懸濁液の適切な量を混合することによりD−TIM前駆体である単一脱バンドル化懸濁液を形成することができる。懸濁液は当分野で公知の方法を包含する任意の適する手法を用いて調製することができると理解しなければならない。溶媒をD−TIM前駆体から除去することにより所望の組成及び相のD−TIMを形成することができる。一部の実施形態においては、D−TIMを得るための別の方法では、(1)カーボンナノチューブ(例えば約35重量%)、(2)結晶性炭素ナノプレートレット、例えばグラファイト及び/又はグラフェン(例えば約65重量%)を均質な分散体が得られるまでミリングする。次に混合物を、バインダーを用いるか用いることなく例えばテープの形態のD−TIMに固化することができる。調製中はカーボンナノチューブと炭素ナノプレートレットの間に共有結合が生じる場合があるが、これは温度の関数としての可変熱伝導率を有するD−TIMを得るためには必須ではない。
一部の実施形態においては、溶媒1つ以上の存在下、分散したCNTを分散したnGP(例えばGNP)に添加する。一部の実施形態においては、溶媒は水、イソプロパノール及びこれらの混合物であることができるがこれらに限定されず、他のアルコールを添加してもしなくてもよい。一部の実施形態においては、アンモニア又はアミンを添加することが分散を容易にする。或いは、炭化水素及び類似の溶媒を用いながら分散を達成できる。一部の実施形態においては、塩素化された溶媒の使用は非常に望ましくない。一部の実施形態においては、アセトンの許容性はこの溶媒の純度による。酸、例えば酢酸、硫酸又は塩酸の存在は有害である場合があり、一部の実施形態においては回避される。結晶性の塩の存在もまた有害であり、一部の実施形態においては回避される。
一部の実施形態においては、中間分散体A及びBを作製し、そして次にこれらを最終分散体Cとするための分散液としての分散液体基剤(この媒体は混合過程の温度では液相であり、そして混合中の温度を必要に応じて上昇させることにより媒体を凍結しないようにすることができる)として放熱グリス又は相変化物質のような基剤媒体を使用することが可能である。次に分散体Cが放熱グリス又は相変化物質となる。放熱グリス又は相変化物質に至るこの経路は基剤媒体としてのパラフィンを用いて良好に試験されている。温度に対する熱伝導率の依存性の傾きは未希釈の硬化したD−TIMの呈する限界内にあった。周囲温度熱伝導率は比例してより低値であった。熱界面熱伝導に関する問題が生じた。この問題は小型の一次粒子カーボンブラックのような添加剤の使用により低減できる(これはDLL Changにより開発され報告されている放熱ペースト中のカーボンブラックの一般的な使用であり、例えばComposite Materials:Science and Applications−Google Books Result books.google.com/books?isbn=1848828306…Deborah D.L.Chung−2010を参照できる)。放熱接着剤としての調製物は接着特性を有する液体基剤を使用することによりこの経路で得ることができる。放熱接着剤に関しては適用後硬化が意図される。そのような放熱接着剤は予測的な例である。
一部の実施形態においては、硬化したD−TIM材料を適切な媒体中に分散させることにより放熱グリス又は熱伝導性接着剤又は相変化物質のような所望の形態の熱界面材料を得る事がより有効である。何らかの別の媒体中に生の未硬化D−TIMコンポジットを分散させることにより所望の形態の熱界面産物を得ることも可能である。
一部の実施形態においては、熱界面材料中に一般的に使用されている特定のフィラーを添加することにより目的の最終産品の別の仕様を変更することができる。例えば、粒状のカーボンブラック又はアルミナが試験されており、またマグネシアや酸化亜鉛も試験されており、予備的な結果によれば、それらは強力な温度依存性熱伝導率を有する熱伝導性媒体としてD−TIMの機能と適合している。他の粒状物質もユーザーのニーズに応じて同様に添加できる。
硬化についての検討:
一部の実施形態においては、組成物の構造は硬化により安定化する。これは所望の熱伝導率を劣化させる場合があるアラインされた構造の形成を低減するために有用である場合がある。一部の実施形態においては、硬化はTIMの物理的特性を安定化することにより、例えば信頼性及び再現性のある熱伝導率を有する材料を形成することができる。従って、硬化は自立型又は支持された固体D−TIMの熱伝導性、電気伝導性、及び/又は機械的特性のような安定な性能を促進及び維持することができる。
一部の実施形態においては、組成物の構造は硬化により安定化する。これは所望の熱伝導率を劣化させる場合があるアラインされた構造の形成を低減するために有用である場合がある。一部の実施形態においては、硬化はTIMの物理的特性を安定化することにより、例えば信頼性及び再現性のある熱伝導率を有する材料を形成することができる。従って、硬化は自立型又は支持された固体D−TIMの熱伝導性、電気伝導性、及び/又は機械的特性のような安定な性能を促進及び維持することができる。
一部の実施形態においては、硬化は液体を除去するための第1の工程を包含できる。一部の実施形態においては、硬化は乾燥産物の再組織化を防止するための第2の工程を包含できる。
一部の実施形態においては、硬化プロセスでは、再現性のある特性(例えば、熱伝導性、電気抵抗、物理的特性又はこれらの組み合わせ)を有する産物を形成するために十分な時間、組成物を加熱する。一部の実施形態においては、D−TIMは一定の電気抵抗が得られるまで80℃〜120℃の範囲の温度に加熱される。一部の実施形態においては、硬化は伝導性又は放射性の加熱によるか、又はジュール自己加熱(電気的加熱)を用いた外部からの加熱により達成できる。しかしながら、D−TIM硬化プロセスの信頼性のある評価のためには電気抵抗の計測は無視できるジュール加熱のもとで実施すべきであると理解される。一部の実施形態においては、1時間間隔で各々5回以上のセットで測定した場合に後続する電気抵抗の読み取り値が0.125%内で同じであれば硬化は終了したと考えられる。
過剰な加熱処理は回避すべきと理解しなければならない。通常、バインダーは熱処理に対してより感受性が高い場合がある。しかしながら、元素状炭素もまた、特に400℃を超える温度において、又は金属粒子のような酸化触媒の存在下においては除去される場合がある。
過剰な加熱処理は回避すべきと理解しなければならない。通常、バインダーは熱処理に対してより感受性が高い場合がある。しかしながら、元素状炭素もまた、特に400℃を超える温度において、又は金属粒子のような酸化触媒の存在下においては除去される場合がある。
硬化は伝熱媒体としてのD−TIM組成物系材料の適用の前に実施できる。硬化産物は自立性材料又は支持された材料であることができる。支持体は固体形態(プレート、フィルム、多孔性材料、例えば織布、ニット、マット又はスポンジ)であることができる。一部の実施形態においては、固体物質はガラス、グラファイト、ガラス状炭素、金属、又は重合体又は半導体であることができる。一部の実施形態においては、D−TIM層を厚み10ミクロン未満としなければならない場合、基板と材料との間の適合性を考慮し、おそらくは試験することが必要である。
従って、TIMは複数のナノチューブ、例えば多層カーボンナノチューブ(MWCNT)及びナノプレートレット、例えばグラファイトナノプレートレットから形成することができ、これはそれらの独特の特性及び大きさに基づいて、接合表面の別様には粗放な界面を通過する熱輸送を増大させる。温度依存性熱伝導率はチューブ−チューブ接合部を通過する低周波フォノンに関するGreenの輸送機能モデル[Chalopin等、Upper bound to the thermal conductivity of carbon nanotube pellets" J.Appl.Phys.105,084301(2009)]により理論的に予測されるものではなく、そして別様には50℃より高温では実験では観察されていない。カーボンナノチューブ間の共有結合の熱伝導率はE.Pop,D.Mann,Q Wang, K.Goodson,H.Dai,Nano Letters,6(2006)96によれば周囲温度付近で最大値を有する。
本発明の態様によれば、CNT(例えば単層又は多層)の取り込みはグラファイト炭素単独と比較してコンポジットの熱伝導率の可逆的な改変をもたらす。一部の実施形態においては、比較的小型のCNTが有効であり、強力な熱伝導率を生じさせるために使用できる。このことは、より小型のCNTはフォノンの飛程を遮断することにより伝熱を低減すると考えられていたことから、より小型のCNTは有効に作動しないと予測されていたため、意外であった。フォノンの飛程は物理的接触を必要とする。これとは対照的に、理論に制約されることを意図しないが、本明細書に記載する組成物は励起時にIRシンクとして機能する凝集電子構造を提供し、これは近電界効果に基づいている。一部の実施形態においては、励起は室温以下で起こりえる。一部の実施形態においては、近電界効果は本発明の組成物ではミクロンスケールの距離に渡って作動可能である。これとは対照的に、フォノンは遥かに短い距離(例えば10nmのオーダー)に渡って作用する。
個々又は小さいバンドルのCNT(SWCNT、DWCNT又はMWCNT)とnGP(グラフェン、多層グラフェン、又はグラファイトナノプレートレット)の特定の混合物を説明してきたが、本発明の態様は少なくとも部分的には、予期しなかった温度依存性熱伝導率を包含する比較的小型のnGPとCNTの分散調製物の利点の認識に基づいている。
本開示よりも以前においては、nGPのより大きい横直径はより短いものよりも好都合であると考えられていた。更にまた、より長いCNTはより短いものよりも好都合であると考えられていた。その根拠は、ナノ炭素粒子においてはC粒子を通過する電荷伝播のより長い平均自由飛程がnGPのより長い横寸法及びより長い欠陥非含有のCNTを用いた場合に得られるという事実に基づいていた。
本開示よりも以前においては、nGPのより大きい横直径はより短いものよりも好都合であると考えられていた。更にまた、より長いCNTはより短いものよりも好都合であると考えられていた。その根拠は、ナノ炭素粒子においてはC粒子を通過する電荷伝播のより長い平均自由飛程がnGPのより長い横寸法及びより長い欠陥非含有のCNTを用いた場合に得られるという事実に基づいていた。
しかしながら、本発明の態様によれば、CNTの長さ及び/又はグラフェンの横寸法及びそれらの結晶完全性は、伝熱が主にフォノンの輸送を介して進行する場合にその有効性を支配する要因となる。これは電気パーコレーションがコンポジット中で達成されると同時に起こる。しかしながら一旦顕著な側方同士のオーバーラップが生じると、放射近電界エネルギー伝達が活性化される場合がある。一旦近電界機序が活性化されると、電荷キャリアの振動は熱輸送、そして次には振動周波数のマッチング(例えばCNTとグラフェンのほぼ完全なマッチ)に顕著に寄与することになり、カップリングを可能にする位置における配向の持続時間(動的パラメーター)及び電荷キャリアの量が熱輸送に顕著に寄与するかこれを支配することになる。
一部の実施形態においては、硬化前又は硬化中の意図しないアライメントを回避するように注意を要する。例えば意図しないアライメントは基板上に付着している未硬化の分散体に摩擦運動を単に適用することにより起こる場合がある。アライメントは又、分散体が乾燥する前にそれに電磁場を適用すると起こる場合がある。
欠陥についての検討:
本発明の態様によれば、一部の実施形態においては、温度依存性の傾きはコンポジットの構造中の「欠陥」の移動性の活性化に関連してくる。1つ以上の「欠陥」はi)乾燥した成分の懸濁物や溶媒中の成分の粉砕のような機械的損傷、ii)酸化的切断のような化学的損傷、及び/又はiii)核放射の形態のような放射切断により生じる場合がある。
本発明の態様によれば、一部の実施形態においては、温度依存性の傾きはコンポジットの構造中の「欠陥」の移動性の活性化に関連してくる。1つ以上の「欠陥」はi)乾燥した成分の懸濁物や溶媒中の成分の粉砕のような機械的損傷、ii)酸化的切断のような化学的損傷、及び/又はiii)核放射の形態のような放射切断により生じる場合がある。
一部の実施形態においては、開放末端CNTが閉鎖末端CNTよりも好ましい(例えばそれらがコンポジットの成分との相互作用により移動することができる欠陥を増大させるため)。
保存及び輸送についての検討:
一部の実施形態においては、硬化したD−TIM組成物は空気中周囲温度で数年間安定である。ペーストの安定性は添加剤に依存している。混合が不良な(十分均質化されていない)ペースト又はより希薄な分散体は凝集する。CNTが十分に分散されていない場合、凝集は数秒間以内に起こる。現時点で凝集は不都合と思われるが、凝集産物は単に現在の試験法に適する大きさの連続固体を形成することが困難であるため、それが所望の熱特性を失うかどうかについては判っていない。均質な混合は有利であり、そのため分散体A及びBは安定であるはずであるが、分散体Cの安定性は産物の均一性の問題であり、次には簡便性の問題である。
一部の実施形態においては、硬化したD−TIM組成物は空気中周囲温度で数年間安定である。ペーストの安定性は添加剤に依存している。混合が不良な(十分均質化されていない)ペースト又はより希薄な分散体は凝集する。CNTが十分に分散されていない場合、凝集は数秒間以内に起こる。現時点で凝集は不都合と思われるが、凝集産物は単に現在の試験法に適する大きさの連続固体を形成することが困難であるため、それが所望の熱特性を失うかどうかについては判っていない。均質な混合は有利であり、そのため分散体A及びBは安定であるはずであるが、分散体Cの安定性は産物の均一性の問題であり、次には簡便性の問題である。
金属についての検討:
一部の実施形態においては、大型の金属粒子(例えば大型のAg粒子)の存在は本明細書に記載する組成物の熱伝導率の温度依存性を低減又は消失させる場合がある。例えば平均で10ナノメートルより大きい金属粒子は一部の実施形態においては望ましくない。このことはD−TIM用のナノ炭素基質の合成において触媒として使用される遷移金属にも適用される。一部の実施形態においては、これらの粒子は重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満に制限される。一部の実施形態においては、100nmより大きい同じ金属粒子は、それらの表面がそれらの大きさに対して減少することになるので、より望ましくない。一部の実施形態においては、それらは重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満存在しなければならない。同様に、より大型の粒子、例えば1ミクロンより大きい金属粒子はより望ましくなくなり、そしてそれらは又、重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満存在しなければならない。
一部の実施形態においては、大型の金属粒子(例えば大型のAg粒子)の存在は本明細書に記載する組成物の熱伝導率の温度依存性を低減又は消失させる場合がある。例えば平均で10ナノメートルより大きい金属粒子は一部の実施形態においては望ましくない。このことはD−TIM用のナノ炭素基質の合成において触媒として使用される遷移金属にも適用される。一部の実施形態においては、これらの粒子は重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満に制限される。一部の実施形態においては、100nmより大きい同じ金属粒子は、それらの表面がそれらの大きさに対して減少することになるので、より望ましくない。一部の実施形態においては、それらは重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満存在しなければならない。同様に、より大型の粒子、例えば1ミクロンより大きい金属粒子はより望ましくなくなり、そしてそれらは又、重量で調製物の0.1%未満、又は0.05%未満存在しなければならない。
従って、一部の実施形態においては本明細書に記載する組成物は実質的に金属非含有であるか、実質的に大型金属粒子非含有である(例えば銀即ちAg、銅、金、鉄、コバルト、ニッケル、カドミウム、モリブデン、バナジウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、白金、及び他の粒状材料上のそれらの金属コーティングを含有しない)。
密度についての検討:
本発明の組成物は種々異なる密度のものを生成してよい。例えば、D−TIM紙を種々の密度において生成することができる。密度はD−TIMの成分の密度の濃度加重総和により制限されると理解すべきである。D−TIM組成物がCNT、nGP及びバインダーに制限される場合、得られるD−TIMの密度は本質的に結晶性グラファイトの密度より高値になり得ない。処理工程により多孔性D−TIMが得られる場合、そのような材料の見かけの密度は更に低値となるはずである。密度の低下は材料中の細孔(間質性空間)の存在に関連する。D−TIM中の細孔は大型であってはならない。一部の実施形態においては、D−TIM中の細孔は平均で1ミクロン以下である。一部の実施形態においては、D−TIM中の細孔は平均で15nm以下である。
本発明の組成物は種々異なる密度のものを生成してよい。例えば、D−TIM紙を種々の密度において生成することができる。密度はD−TIMの成分の密度の濃度加重総和により制限されると理解すべきである。D−TIM組成物がCNT、nGP及びバインダーに制限される場合、得られるD−TIMの密度は本質的に結晶性グラファイトの密度より高値になり得ない。処理工程により多孔性D−TIMが得られる場合、そのような材料の見かけの密度は更に低値となるはずである。密度の低下は材料中の細孔(間質性空間)の存在に関連する。D−TIM中の細孔は大型であってはならない。一部の実施形態においては、D−TIM中の細孔は平均で1ミクロン以下である。一部の実施形態においては、D−TIM中の細孔は平均で15nm以下である。
一部の実施形態においては、本明細書に記載する組成物(例えば硬化した組成物)の密度は結晶性グラファイトよりも低値である。結晶性グラファイトの密度は約2.25g/cm3であり、そしてこれは自然の限界である。横伝熱用途のためのグラファイト圧粉の密度はグラファイトの密度に漸近し、そして1.7〜2.1g/cm3の範囲である(これらは高密度であり、nGP粒子の相互アライメントを排除する手段によりそれらが得られる場合には有効でない場合があることに留意しなければならない)。例えばAmec−Termasolより入手可能なこれらのコンポジットは、横方向で高く、そして炭素平面に垂直の方向では約16W/m・Kである異方性の熱伝導率を有する。
これとは対照的に、本発明の組成物は通常はより低値の密度を有する。一部の実施形態においては、それらはグラファイトホイルの密度と同様である。グラファイトホイルは広い間質性空間のためにより軽量である。例えばガスケット用途の市販の軟質グラファイトホイルは約0.5〜1g/cm3のオーダーの見かけの密度を有する。
一部の実施形態においては、本発明の組成物は約0.1〜約1.75、例えば約0.3〜約1.5、又は約0.5〜1、又は約0.9g/cm3の範囲の密度を有する。
一部の実施形態においては、D−TIMの組成物は分子の運動が極めて強力な制約を受けるものである。一部の実施形態においては、より高い密度のコンポジットはより低い密度のコンポジットよりも高値のベース熱伝導率を有する。一部の実施形態においては、約0.9g/cm3の見かけの密度を有するコンポジットは約100W/m・K超の周囲温度Tにおける熱伝導率κを有するが、κの最大値は約180℃で観察される。これはコンポジット中の「未充填の空間の含有量」に関連すると考えられる。これは組成物及びコンポジットの調製方法の両方に依存している。寸法の比率に応じて所望の特性を有するコンポジットに自体を自己組織化することに更に適合する一部の組成が存在するはずである。
従って、上記した要旨及び詳細な説明を鑑みれば、一部の実施形態においては、本発明の態様は、カーボンナノチューブがナノグラファイト粒子間に分散され、そして組成物が熱伝導率の正の熱依存性を示す、カーボンナノチューブ及びナノグラファイト粒子を含む熱界面組成物に関すると理解しなければならない。一部の実施形態においては、ナノグラファイト粒子はグラフェン又はグラファイトナノプレートレットである。一部の実施形態においては、ナノプレートレットの平均横寸法は1ミクロン未満、例えば0.5ミクロン未満、又は約0.3ミクロンである。一部の実施形態においては、ナノプレートレットの平均厚みはナノプレートレットの平均横寸法よりも少なくとも10倍小さい。一部の実施形態においては、ナノチューブの平均長さはナノプレートレットの平均横寸法の30倍未満、例えばナノプレートレットの平均横寸法の約20倍、ナノプレートレットの平均横寸法の20倍未満、ナノプレートレットの平均横寸法の10倍未満、又はナノプレートレットの平均横寸法の約5倍である。
一部の実施形態においては、ナノチューブは多層である。一部の実施形態においては、ナノチューブは単層である。一部の実施形態においては、ナノチューブの平均の長さはその外径の10倍より大きい。一部の実施形態においては、ナノチューブの平均の長さは3〜50ミクロン、10〜20ミクロン、2〜10ミクロン、3〜5ミクロン、又は0.5〜2ミクロンである。一部の実施形態においては、ナノチューブの平均の外径は5〜25nm、8〜15nm、5〜25nm、又は約10nmである。
一部の実施形態においては、ナノプレートレットのナノチューブに対する質量比は10:1〜1:1、例えば約2:1である。一部の実施形態においては、組成物の密度は約0.1〜約1.75g/cm3、約0.3〜約1.5g/cm3、約0.5〜約1g/cm3、例えば約0.9g/cm3である。一部の実施形態においては、組成物の質量の少なくとも40%(例えば少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%以上)が結晶性炭素ナノ粒子に由来するものである。一部の実施形態においては、結晶性炭素ナノ粒子は20重量%〜80重量%の範囲のCNT、及び20〜80重量%の範囲のグラファイト又はグラフェンナノプレートレットを含む。一部の実施形態においては、結晶性炭素ナノ粒子は30重量%〜55重量%の範囲のCNT、及び70重量%までのグラファイト又はグラフェンナノプレートレットを含む。
一部の実施形態においては、組成物は更に正の温度依存性熱伝導率を促進するバインダーを含む。一部の実施形態においては、バインダーはセルロース系重合体、ポリアミド、ポリアルコール、アクリレート、ポリニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、一部の熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマーから選択されるが、電気抵抗の熱係数は負のままでなければならない。
一部の実施形態においては、本発明の態様は第1の表面からの伝熱を促進するための方法に関し、方法は第1の表面を本明細書に記載する組成物に接触させることを含む。一部の実施形態においては、第1の表面はコンピューターコンポーネントの表面である。一部の実施形態においては、コンピューターコンポーネントの表面は半導体、アルミナ、マグネシア、シリカ、ケイ素、及び炭化ケイ素系のセラミック、銅、又は金又はニッケル、又は重合体金属ラミネートから選択される。一部の実施形態においては、第1の表面は発電コンポーネントの表面である。一部の実施形態においては、発電コンポーネントは太陽光電力収集デバイス、風力タービン、水力発電タービン又は熱タービン又はエンジンから選択される。一部の実施形態においては、電力変換コンポーネントは光起電デバイス、発光ダイオード、電気変換器、例えば直流インバーター、無線周波数発生器、超音波発生器、ヒートパイプ及び10W/cm2以上の熱負荷を示す任意の他のデバイスから選択される。当然のことながら、本発明の組成物は熱界面材料と接触している第2の表面(例えば第1の表面とは反対側)に、及び/又は別の媒体(例えば空気、ガス、又は液体)に、又はその組み合わせに熱を伝達することができる。
一部の実施形態においては、本発明の態様は表面少なくとも1つに接触した本明細書に記載する組成物を含むコンピューターコンポーネント又は発電コンポーネントに関する。一部の実施形態においては、本発明の態様は本明細書に記載する熱界面材料でコーティングされたエレメント1つ以上を含むコンピューター又は他のデバイスに関する。
一部の実施形態においては、サーマルインターフェイス組成物は硬化される。一部の実施形態においては、組成物は固体である。一部の実施形態においては、組成物は粘性又は可鍛性である。一部の実施形態においては、組成物は自立性の材料、支持された材料、裏張りを有する材料、又はコーティングされた材料である。一部の実施形態においては、支持された材料はシート上に支持されている。一部の実施形態においては、材料は接着剤コーティング1つ以上により裏張りされているか、又は熱界面抵抗性低下コーティングでコーティングされている。一部の実施形態においては、熱界面抵抗性低下コーティングは小さい粒径を有するコーティングである(例えば約50ミクロン以下の一次粒径、低構造性、高結晶性のカーボンブラック等)。一部の実施形態においては、シートはセルロース系重合体、ポリアミド、ポリアルコール、アクリレート、ポリニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ゴム、元素状炭素、グラファイト、ケイ素、窒化ケイ素、一部の熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマー、但し電気抵抗の熱係数が負のままであるものから選択されるシート、フィルム、紙、マット、又はカーペットである。一部の実施形態においては、シートは又1つ以上金属からなることができる。一部の実施形態においては、組成物の1つ以上の寸法(例えば1つ以上の横寸法、例えば幅又は長さ)は0.1ミクロン〜100ミクロン、〜1cm、〜10cm、〜100cm、又はこれより長い、又は短い範囲であることができる。材料は如何なる適切な形状にも成型できると理解しなければならない。一部の実施形態においては、これは正方形、長方形、丸型、楕円形又は他の幾何学的形状であってよい。しかしながら、本発明の態様はこの点において限定されるわけではないので、複雑又は不規則な形状(例えば穿孔部1つ以上を有するもの包含する)を有してもよい。一部の実施形態においては、材料の厚みは25ミクロンのフィルムから数mmの厚みのシート(例えば2mmの厚みのシート、又はそれより肥厚したもの)の範囲である。一部の実施形態においては、横寸法は1cm〜20cm以上である。例えば、支持されたフィルムは1cmから20cmの幅、及び顕著に長いもの(例えば100cmから数メートル以上、例えば長さ方向に連続する、例えばロールの形態)であることができる。
一部の実施形態においては、本発明の態様はナノグラファイト粒子内部にカーボンナノチューブを分散させて均質な混合物を形成することによる、本明細書に記載する組成物を作製する方法に関する。
一部の実施形態においては、本発明の態様は、同心円の壁面2つ以上を有する多層カーボンナノチューブ(MWNT)及び温度と共に可逆的に、そして有用に上昇する熱伝導率をナノコンポジットに賦与するグラファイトナノプレートレットの組み合わせに関する。一部の実施形態においては、少量の重合体成分(30重量%未満)がバインダーとして作用し、炭素マトリックスの一体性を大きく向上させる。周囲温度熱伝導率及び温度に応じた熱伝導率の変化速度の両方が加熱プロセスによる硬化により向上する。温度に応じた熱伝導率の変化の方向及び速度は、同等の量のナノグラファイト又はMWNT修飾重合体ナノコンポジットの何れかと比較した場合に、多層カーボンナノチューブ及びグラファイトナノプレートレットのコンポジットにおいて向上している。多くの重合体が多層カーボンナノチューブ及びグラファイトナノプレートレットのコンポジットのためのバインダーとして機能すると考えられる。更に又、熱可塑性、熱硬化性、及び他の重合体も機能すると考えられる。
本発明の態様は種々の用途のための熱界面材料として使用してよい。例えば、熱界面材料は出願番号11/419,235(出願日2006年5月19日、公開番号US2007/0267602)、09/958,032(出願日2001年10月3日、公開番号US2002/0158236)、12/321,568(出願日2009年1月22日、公開番号US2009/0197082)、12/524,502(出願日2009年11月12日、公開番号US2010−0084598)、11/910,963(出願日2007年10月8日、公開番号US2009/0121183)、12/270,171(出願日2008年11月13日、公開番号US2009/0072196)、11/766,904(出願日2007年6月22日、公開番号US2007/0295941)、11/385,453(出願日2006年3月21日、公開番号US2007/0221879)、12/516,182(出願日2009年7月10日、,公開番号US2010/0051879)、09/848,687(出願日2001年5月3日、公開番号US2002/0063233)、10/580,025(出願日2006年5月19日、公開番号US2009/0039314、特許番号7,841,390)、11/765,946(出願日2007年6月20日、公開番号US2008/0093577、特許番号7,998,367)、及び10/663,152(出願日2003年9月15日、公開番号US2004/0051433,特許番号6,825,610)の開示に記載されている用途の1つ以上との関連において使用してよく、これらは全て参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の態様は種々の用途のための熱界面材料として使用してよい。例えば、熱界面材料は出願番号11/419,235(出願日2006年5月19日、公開番号US2007/0267602)、09/958,032(出願日2001年10月3日、公開番号US2002/0158236)、12/321,568(出願日2009年1月22日、公開番号US2009/0197082)、12/524,502(出願日2009年11月12日、公開番号US2010−0084598)、11/910,963(出願日2007年10月8日、公開番号US2009/0121183)、12/270,171(出願日2008年11月13日、公開番号US2009/0072196)、11/766,904(出願日2007年6月22日、公開番号US2007/0295941)、11/385,453(出願日2006年3月21日、公開番号US2007/0221879)、12/516,182(出願日2009年7月10日、,公開番号US2010/0051879)、09/848,687(出願日2001年5月3日、公開番号US2002/0063233)、10/580,025(出願日2006年5月19日、公開番号US2009/0039314、特許番号7,841,390)、11/765,946(出願日2007年6月20日、公開番号US2008/0093577、特許番号7,998,367)、及び10/663,152(出願日2003年9月15日、公開番号US2004/0051433,特許番号6,825,610)の開示に記載されている用途の1つ以上との関連において使用してよく、これらは全て参照により全体が本明細書に組み込まれる。
デバイスの運転温度範囲は部品特異的な重要な属性であり、熱スタックの大きさ、形状、配向性、材料の組成、及び表面仕上げのような要因が温度管理システムの設計の対象となる。電力エレクトロニクス及び機械装置の場合、ギャップ(例えば高温部品と熱管理ハードウエアの間のギャップ)は100ミクロンのオーダーとなる。そのようなギャップは大型に分類される。大型のギャップ中でTIMに通常面している材料は鉄鋼、アルミニウム、銅、チタン、又はアルミナセラミックス、シリカ又はガラス、又は重合体、低頻度では2硫化モリブデン、炭化ケイ素又はケイ素の一種であることができる。より小型の電子デバイスは5μm〜80μmの範囲のスタックコンポーネント間の距離を有するギャップを有しているが、より一般的には現在はわずか20μmであり、基板レベルのデバイスの信頼性のためには最低でも5ミクロンである。50ミクロン以下のギャップは小型に分類される。そのようなギャップはコンピューターエレクトロニクスでは一般的である。小型のギャップ中でTIMに最も一般的に面している材料は重合体、シリカ、及び/又はケイ素又は他の半導体材料、炭化ケイ素、片側のアルミナセラミック、及びアルミニウム、銅、及び他の金属、アルミナ及び他のセラミック、シリカ又はガラスである。熱界面材料の仕様に影響する第1のものはギャップの幅である。バルク熱伝導率及び熱膨張係数、即ちCTEがTIMの選択のための第1の基準である。これらのパラメーターは小型ギャップの場合にはなお重要であるが、熱界面抵抗がバルク熱伝導率よりも優先される。一部の実施形態においては、本明細書に記載するD−TIMは小型又は大型のギャップを通過してこれらの成分の何れかの間に熱界面を提供するために使用できる。
本発明のいくつかの実施形態を本明細書に記載し、説明してきたが、当業者であれば本明細書に記載した機能を実施するため、及び/又は結果及び/又は1つ以上の利点を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想像しえるはずであり、そしてそのような変更及び/又は改変の各々は本発明の範囲に包含されると考えられる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載したパラメーター、寸法、材料及び構成は例示を意味していること、及び、実際のパラメーター、寸法、材料及び/又は構成は本発明の教示内容を使用する対象である具体的な用途に応じたものとなることを容易に理解することになる。当業者であれば本明細書に記載した本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を、通常の実験の範囲内で認識又は確認可能となる。従って、上記した実施形態は例示のみを目的に提示していること、及び、添付の請求項及びその等価物の範囲内において具体的な記載及び請求項記載とは別様に本発明を実施してよいことを理解すべきである。
これら、及びその他の本発明の態様は以下の非限定的な実施例及び請求項により説明される。
これら、及びその他の本発明の態様は以下の非限定的な実施例及び請求項により説明される。
実施例1:熱伝導率は温度の関数として変化する。
短く(平均2μm)薄い(外径8〜15nm)多層カーボンナノチューブ1重量部と、平均横直径0.3μmで少なくとも10倍小さい平均厚みを有するナノグラファイトプレートレット2重量部の混合物を調製した。
短く(平均2μm)薄い(外径8〜15nm)多層カーボンナノチューブ1重量部と、平均横直径0.3μmで少なくとも10倍小さい平均厚みを有するナノグラファイトプレートレット2重量部の混合物を調製した。
熱伝導率の変化を温度の関数として計測した。第1の組成物に関する結果を図3に示す。計測は重量で1:2のMWCNT:nGの混合物を有する別のD−TIM試料について反復し、そして結果を図4に示した。
1つの例において、以下の材料組成、即ち95〜98重量%の元素状炭素、そのうちSMW20x−L3が34重量%、66重量%のグラファイト、例えば電子顕微鏡伝導性塗料用、及び、3重量%の重合体バインダー(ポリアクリレート)を使用した。その結果、周囲温度硬化後は自立性材料として見かけの密度は0.85g/cm3となった。これは熱硬化の後には計測しなかったが増大するとは考えられなかった。バルク電気抵抗は96時間空気中で周囲温度硬化した後は25℃で0.00126Ω・mであり、180℃で熱/電気硬化した後は25℃で0.0006Ω・mまで低下した。
温度の関数としてのこの紙型材料の熱伝導率を図5に示す。
nGP0.66MWCNT(1〜0.66)混合物を有する組成物の例は、周囲温度熱伝導率κ=30±4W/m・K(図3A及び3B参照)を示し、市販のTIMはκ<10W/m・Kを有している(CheapチューブのMWCNTを使用)。SWeNTより入手したMWCNTであるSWE200x型を用いたところ、混合物nGP0.66MWCNT(1〜0.66)中では周囲温度バルク熱伝導率110〜130W/m・Kが得られた(図5参照)。この組成物に対する可変温度試験によれば、機能性材料の熱伝導率は可逆的に温度依存性であり、約1W/mK2の正の傾きとなっている。
公知の試験を用いて熱伝導率を計測してよいと理解しなければならない。例えば、熱伝導率を計測するための静電的方法を使用した。方法は、0.005以上の電気抵抗絶対値の熱係数で温度依存性電気伝導度を有する材料に適用する。図3Aに示したもののような試料に関するD−TIMの熱伝導率の傾きを、ASTM5470法を用いながら独立した計測により確認した。
実施例2:D−TIMナノコンポジットの調製方法
材料組成:
以下の組成、即ちポリアクリレートバインダー3重量%、及び、炭素が10±1nmOD、3〜5ミクロン長のMWCNT34重量%及び平均横直径0.3ミクロン、平均厚み30nm未満のグラファイトナノプレートレット66重量%である元素状炭素同素体97重量%を有するナノコンポジットを調製した。材料は以下の工程を含む非限定的な混合操作により加工した。
材料組成:
以下の組成、即ちポリアクリレートバインダー3重量%、及び、炭素が10±1nmOD、3〜5ミクロン長のMWCNT34重量%及び平均横直径0.3ミクロン、平均厚み30nm未満のグラファイトナノプレートレット66重量%である元素状炭素同素体97重量%を有するナノコンポジットを調製した。材料は以下の工程を含む非限定的な混合操作により加工した。
混合操作:
工程1:溶媒、例えばイソプロパノール中、適切な寸法のグラファイトと共にバインダーの均質な分散液を形成する。これを分散液Aとする。分散液Aは溶媒中グラファイト25重量%までの濃度を有することができる。分散液Aは10%までバインダーも含有できる。溶媒は単一の化学物質であるか、液体化学種の混合物であることができる。分散は粒子の90%が0.5ミクロンのフィルター(又は同等の試験)を通過するような均質な混合物をもたらす一般的なプロセスである。
工程1:溶媒、例えばイソプロパノール中、適切な寸法のグラファイトと共にバインダーの均質な分散液を形成する。これを分散液Aとする。分散液Aは溶媒中グラファイト25重量%までの濃度を有することができる。分散液Aは10%までバインダーも含有できる。溶媒は単一の化学物質であるか、液体化学種の混合物であることができる。分散は粒子の90%が0.5ミクロンのフィルター(又は同等の試験)を通過するような均質な混合物をもたらす一般的なプロセスである。
バインダー画分は工程3終了時に最終含有量まで減少することに留意する。
工程2:例えば工程1と同じ溶媒、例えばイソプロパノールを用いながら適切な寸法のMWCNTの均質な分散液を形成する。分散は最低1時間静置(又は同等の試験)しても沈殿が起こらないような均質な混合物をもたらす一般的なプロセスである。これを分散液Bとする。分散液Bは溶媒中MWCNT25重量%までの濃度を有することができる。
工程3:分散液Bを分散液Aに滴下し、その間、超音波及び/又は機械的混合を用いながら得られた混合物をホモゲナイズする。工程3は溶媒中のD−TIMの均質な分散液を形成する。一部の実施形態においては、均質とは凝集塊が存在する場合でもその90%が10ミクロンのフィルターを通過することを意味する。一部の実施形態においては、分散は安定性試験を用いて評価され、例えば、最低1時間静置しても固体の析出が起こらない場合、又は同等の試験により、分散液は安定性試験に合格できる。これを分散液Cとする。当然のことながら、この工程においてMWCNTのグラファイトナノプレートレットに対する比を制御することができる。バインダーの量は分散液Aの設計及び分散液Aと分散液Bの混合の比率の設計により制御される。
工程4:基板に分散液Cを付着させ、それを風乾して固層を形成する。必要に応じて塗布と乾燥を反復することにより固層の厚みを成長させる。最終乾燥後、自立型のフィルムが形成される。これを生のD−TIMとする。この未硬化の産物はもとの溶媒、例えばイソプロパノール及び/又は他の溶媒に再分散可能であることに留意する。従って、D−TIMの層は再溶解して再塗布することができる。塗布は何れかの一般的な方法、例えば流し込み、塗布、スクリーン印刷、グラビア、メイヤーロッドコーティング、ナイフコーティング又はグラビア、又は他のコーティング操作法(例えば一般的なコーティング操作法)により実施できる。必要に応じて、粘度調節は、その目的のために工程1及び2の溶媒の量を調節する設計により、或いは分散液Cを希釈及びホモゲナイズすることにより暫定的に行ってよい。
工程5:約25℃まで冷却した際になお空気中において無視できるジュール加熱の条件下で安定な電気伝導度が達成されるような十分な温度及び持続時間の加熱(例えば電気的ジュール加熱、及び/又は放射、伝導、又は対流による加熱)に生のD−TIMを付すことによりこれを硬化させる(材料は計測中は温度上昇しない)。得られた産物はD−TIMである。硬化産物D−TIMはもとの溶媒、例えばイソプロパノール及び/又は他の溶媒になお分散可能であると理解しなければならない。従って、D−TIMの層は再溶解して再塗布することができる。塗布は任意の一般的な方法で実施できる。一部の実施形態においては、例えば再分散のための溶媒が非プロトン性であった場合には、再塗布した材料が熱硬化の反復を要する場合がある。
一部の実施形態においては、例えば10%までの固体を含有する懸濁液を用いながら工程4を複数回反復することにより、更に高密度の材料が得られる。より高濃度の懸濁液を単回付着させると、より低密度のD−TIMが得られる。一部の実施形態においては、より低密度の材料は、より高密度の材料よりも低値のベース伝導度を有し、温度の関数としての熱伝導率の傾きはより小さくなる。
図5〜7に示す試験のためのD−TIM材料の調製:
以下の組成物を調製した。
1.未処理及び延伸したPE上の対照nGP
2.SWENTより入手した2nGP+1MWCNTの試験試料−延伸
3.7mm×20mmの寸法の小片上で60オームの抵抗、熱硬化前25℃の抵抗0.00126Ω・m、熱と電気の複合硬化(180℃約15分間)後25℃で0.0006Ω・mを有する厚み60ミクロンのバッキーペーパー。密度:質量は供試材料存在下及び非存在下の計量皿の差として測定。0.0584g−0.0440g=0.0144gは長さ2.8cm×幅1cm、厚み60ミクロン、体積0.0000000168m3(0.0168cm3)に相当し、これは0.857g/cm3の密度に相当する。ペーパーはかなり堅くて脆いが、アリゲータークリップを用いて良好に接触できた。比較のために、市販のカーボンナノチューブのバッキーペーパーは〜10Ω・mの抵抗を有しており、http://www.nano−lab.com/buckypaper.htmlを参照できる。従って、本明細書に記載した方法を用いて生成した組成物は極めて高い電気抵抗を有している。
以下の組成物を調製した。
1.未処理及び延伸したPE上の対照nGP
2.SWENTより入手した2nGP+1MWCNTの試験試料−延伸
3.7mm×20mmの寸法の小片上で60オームの抵抗、熱硬化前25℃の抵抗0.00126Ω・m、熱と電気の複合硬化(180℃約15分間)後25℃で0.0006Ω・mを有する厚み60ミクロンのバッキーペーパー。密度:質量は供試材料存在下及び非存在下の計量皿の差として測定。0.0584g−0.0440g=0.0144gは長さ2.8cm×幅1cm、厚み60ミクロン、体積0.0000000168m3(0.0168cm3)に相当し、これは0.857g/cm3の密度に相当する。ペーパーはかなり堅くて脆いが、アリゲータークリップを用いて良好に接触できた。比較のために、市販のカーボンナノチューブのバッキーペーパーは〜10Ω・mの抵抗を有しており、http://www.nano−lab.com/buckypaper.htmlを参照できる。従って、本明細書に記載した方法を用いて生成した組成物は極めて高い電気抵抗を有している。
調製材料:
nG及びMWCNTを2:1の比(0.1932gの20%グラファイト分散液及び0.0966gのCNT)が得られるように調製した。
nG及びMWCNTを2:1の比(0.1932gの20%グラファイト分散液及び0.0966gのCNT)が得られるように調製した。
混合操作法:
手作業により乳鉢中で混合したnGP塗料中にCNTを導入し、殆ど乾燥させ、10%アンモニアを含有する50:50容量で混合した91%イソプロパノール−水で希釈し、10分間超音波処理し、ほぼ乾燥するまで乳鉢中で粉砕し、10%アンモニアを含有する91%イソプロパノール−水50:50で再度処理し、次にPE上に塗装した。コーティング乾燥中、PEを延伸した。乾燥後、生成物を硬化させ、電気及び熱伝導率を計測した。結果を図7に示す。材料の残部を2分し、1方を乾燥させて「バッキーペーパー」を形成し、このペーパーの電気及び熱伝導率を試験した。結果を図5に示す。
手作業により乳鉢中で混合したnGP塗料中にCNTを導入し、殆ど乾燥させ、10%アンモニアを含有する50:50容量で混合した91%イソプロパノール−水で希釈し、10分間超音波処理し、ほぼ乾燥するまで乳鉢中で粉砕し、10%アンモニアを含有する91%イソプロパノール−水50:50で再度処理し、次にPE上に塗装した。コーティング乾燥中、PEを延伸した。乾燥後、生成物を硬化させ、電気及び熱伝導率を計測した。結果を図7に示す。材料の残部を2分し、1方を乾燥させて「バッキーペーパー」を形成し、このペーパーの電気及び熱伝導率を試験した。結果を図5に示す。
もう1方を銀粒子の分散液と混合した(例えば約60ミクロンの大きさで約5%の標本質量)。混合物を乾燥させ、銀ドープした「バッキーペーパー」を形成し、次に硬化させた。次に電気及び熱伝導率を試験した。結果を図6に示す。
実施例3:熱伝導率に対する金属の影響
66%nGP(SPIより入手)+34%MWCNT(SWeNTより入手)+10%Ag塗料添加でD−TIMを調製した。相対的熱伝導率を18℃〜82℃の温度範囲で計測した。図6に示す結果によれば、Ag金属粒子存在下には熱伝導率の有意な温度依存性は観察されていない。
66%nGP(SPIより入手)+34%MWCNT(SWeNTより入手)+10%Ag塗料添加でD−TIMを調製した。相対的熱伝導率を18℃〜82℃の温度範囲で計測した。図6に示す結果によれば、Ag金属粒子存在下には熱伝導率の有意な温度依存性は観察されていない。
実施例4:粒子アライメントの影響
本発明の組成物をアラインすることにより炭素粒子のアライメントの作用を試験する実験を実施した。ポリエチレン(PE)により支持されたフィルムを使用した。PE表面で分散液を乾燥させながらフィルムを延伸し、次に風乾し、80℃で硬化させることにより一定の電気抵抗とした。分散液の層は分散液を穏やかに摩擦及び乾燥することによっても本方法でアラインすることができる。しかしながら、延伸は乾燥試料の連続性を損なうことなく適用することがより容易である。延伸により、グラファイトナノプレートレットは屋根瓦又は魚の鱗のようにオーバーラップしてアラインされる。図7は得られた延伸方向の熱伝導率を示す。これは試験した温度範囲に渡り、約3倍から僅か25%上昇までの熱伝導率の傾きの有意な減少を示している。
本発明の組成物をアラインすることにより炭素粒子のアライメントの作用を試験する実験を実施した。ポリエチレン(PE)により支持されたフィルムを使用した。PE表面で分散液を乾燥させながらフィルムを延伸し、次に風乾し、80℃で硬化させることにより一定の電気抵抗とした。分散液の層は分散液を穏やかに摩擦及び乾燥することによっても本方法でアラインすることができる。しかしながら、延伸は乾燥試料の連続性を損なうことなく適用することがより容易である。延伸により、グラファイトナノプレートレットは屋根瓦又は魚の鱗のようにオーバーラップしてアラインされる。図7は得られた延伸方向の熱伝導率を示す。これは試験した温度範囲に渡り、約3倍から僅か25%上昇までの熱伝導率の傾きの有意な減少を示している。
一部の実施形態においては、アラインされた炭素粒子(例えば延伸又は他の操作法によりアラインされたもの)は可視的な指標により識別可能である。例えば一部の実施形態においては、アラインされた試料は金属光沢を獲得するのに対し、未アラインの試料は高強度であっても可視光を反射しない。従って、この相違はフラッシュ対アンビエント照明の写真により可視化することができる。
実施例5:炭素系の粒子の代替品
D−TIMは例えば窒化ホウ素のようなナノチューブと組み合わせた他のナノプレートレットを含有するナノコンポジット系に基づいてもよい。例えば一部の実施形態においては、炭素(例えばナノチューブ中及び/又はナノプレートレット中のもの)は1つ以上の以下の元素、即ち窒素、ホウ素、ケイ素、イオウ、リン、希ガス、例えばアルゴン、クリプトン又はキセノン、又はそれらの任意の組み合わせと置換してもよい。一部の実施形態においては、カーボンナノチューブ及び/又はグラファイトナノプレートレットはヒドロキシル、カルボニル、エポキシ、及び/又はカルボキシル基、並びに/或はニトリル、アミノ、及び/又はホスフィン基で開放端を修飾される。これらの代替元素を使用する一部の実施形態においては、所望の特性を発生させるため、及び電気又は半導体コンポーネント(例えばスタック中)の表面特性(例えば粗さ)と調和するために、炭素系組成物と同様にナノチューブ及びナノプレートレットの同様の大きさ及び比を使用する。
D−TIMは例えば窒化ホウ素のようなナノチューブと組み合わせた他のナノプレートレットを含有するナノコンポジット系に基づいてもよい。例えば一部の実施形態においては、炭素(例えばナノチューブ中及び/又はナノプレートレット中のもの)は1つ以上の以下の元素、即ち窒素、ホウ素、ケイ素、イオウ、リン、希ガス、例えばアルゴン、クリプトン又はキセノン、又はそれらの任意の組み合わせと置換してもよい。一部の実施形態においては、カーボンナノチューブ及び/又はグラファイトナノプレートレットはヒドロキシル、カルボニル、エポキシ、及び/又はカルボキシル基、並びに/或はニトリル、アミノ、及び/又はホスフィン基で開放端を修飾される。これらの代替元素を使用する一部の実施形態においては、所望の特性を発生させるため、及び電気又は半導体コンポーネント(例えばスタック中)の表面特性(例えば粗さ)と調和するために、炭素系組成物と同様にナノチューブ及びナノプレートレットの同様の大きさ及び比を使用する。
Claims (53)
- カーボンナノチューブ、及びナノグラファイト粒子を含む熱界面組成物であって、カーボンナノチューブがナノグラファイト粒子間に分散され、そして組成物が熱伝導率の正の熱依存性を示す組成物。
- ナノグラファイト粒子がグラフェン又はグラファイトナノプレートレットである、請求項1に記載の組成物。
- ナノプレートレットの平均横寸法が1ミクロン未満である、請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノプレートレットの平均横寸法が0.5ミクロン未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノプレートレットの平均横寸法が約0.3ミクロンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノプレートレットの平均厚みがナノプレートレットの平均横直径より少なくとも10倍小さい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均長さがナノプレートレットの平均横寸法の30倍未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さがナノプレートレットの平均の横寸法の約20倍である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さがナノプレートレットの平均の横寸法の20倍未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さがナノプレートレットの平均の横寸法の10倍未満である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さがナノプレートレットの平均の横寸法の約5倍である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブが多層を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブが単層を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さがその外径の10倍より大きい、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さが3〜50ミクロンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さが10〜20ミクロンである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さが2〜10ミクロンである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さが3〜5ミクロンである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の長さが0.5〜2ミクロンである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の外径が5〜25nmである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の外径が8〜15nmである、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の外径が5〜25nmである、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブの平均の外径が約10nmである、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブに対するナノプレートレットの質量比が10:1と1:1の間である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物。
- ナノチューブに対するナノプレートレットの質量比が約2:1である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物の密度が約0.1〜約1.75g/cm3である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物の密度が約0.3〜約1.5g/cm3である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物の密度が約0.5〜約1g/cm3である、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物の密度が約0.9g/cm3である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物の質量の少なくとも40%(任意選択的に少なくとも60%)が結晶性カーボンナノ粒子によるものであり、そして結晶性カーボンナノ粒子が20〜80重量%の範囲のCNT及び20〜80重量%の範囲のグラファイト又はグラフェンナノプレートレットを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載の組成物。
- 結晶性ナノ粒子が30〜55重量%の範囲のCNT及び70重量%までのグラフェン又はグラファイトナノプレートレットよりなる、請求項30に記載の組成物。
- 正の温度依存性熱伝導率を促進するバインダーを更に含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の組成物。
- バインダーがセルロース系重合体、ポリアミド、ポリアルコール、アクリレート、ポリニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、一部の熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマーから選択されるが、但し電気抵抗の熱係数が負のままである、請求項32に記載の組成物。
- 第1の表面からの伝熱を促進するための方法であって、第1の表面を請求項1〜33のいずれか一項に記載の組成物と接触させることを含む、前記方法。
- 第1の表面がコンピューターコンポーネントの表面である、請求項34に記載の方法。
- コンピューターコンポーネントの表面が半導体、アルミナ、マグネシア、シリカ、ケイ素及び炭化ケイ素系のセラミック、銅、又は金又はニッケル、又は重合体金属ラミネートから選択される、請求項35に記載の方法。
- 第1の表面が発電コンポーネントの表面である、請求項34に記載の方法。
- 発電コンポーネントが太陽光電力収集デバイス、風力タービン、水力発電タービン又は熱タービン又はエンジンから選択される、請求項34または37に記載の方法。
- 電力変換コンポーネントが光起電デバイス、発光ダイオード、電気変換器、例えば直流インバーター、無線周波数発生器、超音波発生器、ヒートパイプ及び10W/cm2以上の熱負荷を示す何れかの他のデバイスから選択される、請求項34または37に記載の方法。
- 少なくとも1つの表面に接触した、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組成物を含むコンピューターコンポーネント。
- 少なくとも1つの表面に接触した、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組成物を含む発電コンポーネント。
- 組成物が硬化される、請求項1〜33のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物が固体である、請求項1〜33または41のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物が粘性又は可鍛性である、請求項1〜33または41のいずれか一項に記載の組成物。
- 組成物が自立性の材料、支持された材料、裏張りを有する材料、又はコーティングされた材料である、請求項1〜33、または41〜43のいずれか一項に記載の組成物。
- 支持された材料がシート上に支持されている、請求項45に記載の組成物。
- 材料が接着剤コーティングにより裏張りされているか、又は熱界面抵抗性低下コーティングでコーティングされている、請求項45に記載の組成物。
- 熱界面抵抗性低下コーティングが小さい粒径を有するコーティングである、請求項47に記載の組成物。
- シートがセルロース系重合体、ポリアミド、ポリアルコール、アクリレート、ポリニトリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、ゴム、元素状炭素、グラファイト、ケイ素、窒化ケイ素、一部の熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマー、但し、電気抵抗の熱係数が負のままであるもの、及び/又は金属から選択された材料から作製されたシート又はフィルム又は紙、又はマット又はカーペットである、請求項45に記載の組成物。
- 組成物の寸法の1つ以上が0.1ミクロン〜100ミクロン以上の範囲である、請求項43〜49のいずれか一項に記載の組成物。
- 材料の厚みが25ミクロンフィルムから数mmの厚みのシートの範囲である、請求項50に記載の組成物。
- 横寸法が1cm〜20cmである、請求項50に記載の組成物。
- 請求項1〜33、または41〜52のいずれか一項に記載の組成物を作製する方法であって、ナノグラファイト粒子内部にカーボンナノチューブを分散させて均質な混合物を形成することを含む、前記方法。
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