JP2014528890A - LiPO2F2とLiPF6とを含む混合物の製造 - Google Patents

LiPO2F2とLiPF6とを含む混合物の製造 Download PDF

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Abstract

いずれも特にLiイオン電池の電解質塩または添加剤となるLiPO2F2とLiPF6とを含む混合物が、POF3とLiFとの反応によって製造される。この混合物を好適な溶媒で抽出することで、LiPO2F2とLiPF6とを含有する溶液を得ることができ、これをLiイオン電池、Li空気電池、およびLi硫黄電池の製造に使用することができる。LiPO2F2とLiPF6とを含む等モル混合物、およびLiPO2F2とLiPF6とを含む等モル混合物の抽出によって得られる電解質組成物の製造方法も記載される。

Description

本出願は、2011年8月16日に出願された欧州特許出願第11177718.1号明細書(この出願の内容全体があらゆる目的で本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。
本発明は、フッ化ホスホリル(POF)とフッ化リチウム(LiF)とを反応させるステップを含む、LiPOとLiPFとを含有する混合物の製造方法に関する。本発明は、針状の形態の固体LiPOにも関する。
ジフルオロリン酸リチウムLiPOは、LiPFをさらに含む電解質組成物の電解質塩として有用である。たとえば、欧州特許出願公開第A−2 065339号明細書には、フッ化物以外のハロゲン化物、LiPF、および水からのLiPFとLiPOとの混合物の製造方法が開示されている。得られた塩混合物を非プロトン性溶媒中に溶解させたものが、リチウムイオン電池の電解質溶液として使用される。欧州特許出願公開第A−2 061 115号明細書には、PとLi化合物とからのLiPOの製造、およびLiPFと、Si−O−Si結合を有する化合物、たとえばシロキサン類とからのLiPOの製造が記載されている。米国特許出願公開第2008−305402号明細書および米国特許出願公開第2008/102376号明細書には、LiPFとカーボネート化合物とからのLiPOの製造が開示されており;米国特許出願公開第2008/102376号明細書によると、PFの形成下でLiPFは50℃以上で分解し;他の刊行物によると、PFはLiPFの融点(約190℃)以上でのみ形成される。
しかし、上記方法は、技術的に困難であり、出発物質のLiPFは高価であり、したがってその使用によって製造コストが増加する。LiPFはLiPOとともに電解質塩として使用されるので、LiPFを犠牲にしてLiPOを生成することは有効ではない。LiPOおよびLiPFの両方を生成する方法が望まれる。したがって、前述の欠点を回避可能な新規方法の開発が必要とされている。
本発明の目的は、技術的に実施可能であり経済的である方法でLiPOをLiPFとともに提供することである。本発明の別の目的は、容易な方法でLiPFとLiPOとを含有する溶液の利用を提供することである。これらの目的およびその他の目的は、特許請求の範囲に概略が示される本発明によって実現される。
本発明の一態様によると、LiPOとLiPFとをほぼ等モル量で含む混合物を製造するための本発明の方法は、LiFとPOFとを反応させるステップを含む。
LiFとPOFとの反応から得られた生成物のXRDスペクトルを示しており、LiPFを示すピーク「a」、LiPOを示すピーク「b」、およびLiFを示すピーク「c」を有する。
LiFは、比較的安価で、精製の容易な出発物質であり、たとえばChemetall GmbH,Germanyより市販されている。フッ化ホスホリル(POF)は、たとえばABCR GmbH & Co.KGより商業的に入手することができる。必要に応じ、POFは、POClと、フッ素化剤、たとえば、HF、ZnF、またはアミン−HF付加体とから製造することができる。生成されたPOFは蒸留によって精製することができる。反応式は
2POF+2LiF→LiPO+LiPF(I)
である。
したがって、式(I)による反応によって、2つの有用な生成物が生成される。LiFは容易に乾燥させることができ、そのため特にLiPFの加水分解の危険性が軽減されることが技術的利点である。
本発明の方法は、さらなるステップを含むことができ、たとえばLiPOとLiPFとを含む溶液を提供するステップ、後述のような精製されたLiPOを得るための1つ以上のステップ、およびその他のステップを含むことができる。
本発明の反応は、LiF層に通すことによって、またはオートクレーブ中で両方の成分反応させることによって、気固反応として行うことができる。必要に応じ、LiFを非プロトン性有機溶媒中に懸濁させることができる、および/またはPOFを非プロトン性有機溶媒中に導入して溶解させることができ、したがってこの場合、気液固反応または液固反応が行われる。POFにとって好適な溶媒は、たとえば、エーテル化合物、たとえばジエチルエーテル、およびリチウムイオン電池中に溶媒として有用な有機溶媒であり;そのような溶媒の多くの例、たとえば、特に有機カーボネート類、そしてさらにはラクトン類、ホルムアミド類、ピロリジノン類、オキサゾリジノン類、ニトロアルカン類、N,N−置換ウレタン類、スルホラン、ジアルキルスルホキシド類、ジアルキルスルフィット類、アセテート類、ニトリル類、アセトアミド類、グリコールエーテル類、ジオキソラン類、ジアルキルオキシエタン類、トリフルオロアセトアミド類が、以下に示されている。
別の実施形態においては、POFは、錯体の形態、特にPOF−アミン錯体類などのドナー−アクセプター錯体の形態で反応器中に導入される。このような錯体としては、POF−ピリジン、POF−トリエチルアミン(trietylamine)、POF−トリブチルアミン、POF−DMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)、POF−DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、POF−DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、およびPOF−メチルイミダゾールが挙げられる。特定の実施形態においては、POFを反応容器に供給するために別の容器を使用することができる。POFは、好ましくは気体の形態で反応器中に導入される。
好ましくは、反応は水および水分の非存在下で行われる。前述したように、反応に導入する前にLiFを乾燥させることができる。あるいはまたはこれに加えて、反応は、少なくともその時間の一部を不活性ガスの存在下で行うことができ;乾燥窒素が非常に好適であるが、他の乾燥不活性ガスを使用することもできる。反応はオートクレーブ型容器中、またはその他の反応器中で行うことができる。腐食に対して抵抗性である鋼鉄またはその他の材料でできた装置中、たとえばモネルメタルでできた反応器中またはモネルメタルで被覆された反応器中で、反応を行うことが好ましい。
LiFは、好ましくは小さな粒子の形態、たとえば粉末の形態で使用される。
好ましくは、HFは反応混合物に加えられない。好ましくは、ジフルオロリン酸は反応混合物に加えられない。生成されるLiPOとLiPFとの混合物中のP含有量の、好ましくは80%以上より好ましくは85%以上、最も好ましくは100%が、POFに由来する。
POF対LiFのモル比は理想的には1:1である。POFおよびLiFの比の好ましい最小値の1つは0.9:1である。これが小さいと、それぞれの収率が低くなり、形成された反応混合物中に未反応のLiFが存在する。POF対LiFのモル比は、好ましくは1:1以上である。好ましくは、5:1以下であり、より好ましくは2:1以下である。5:1を超えることも可能であるが、多量のPOFが無駄になるか、再循環させる必要があり、そのため追加の装置部品が必要となりエネルギーが消費されるかである。
反応時間は、所望の変換率が実現されるように選択される。多くの場合、1秒〜5時間の反応時間によって、反応の良好な結果が得られる。好ましい反応時間は0.5〜2時間であり、最も好ましくは約1時間で良好な結果が得られる。反応速度は非常に速い。
反応温度は、好ましくは0℃以上である。好ましくは、反応温度は100℃以下である。
反応温度は、好ましくは周囲温度(25℃)以上であり、より好ましくは40℃以上である。反応温度は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは70℃以下である。好ましい温度範囲はからであり、反応は25〜90℃、特に40〜70℃の温度で行われる。
必要に応じ、反応器は、内部の加熱または冷却手段、あるいは外部の加熱または冷却手段とともに使用することができる。反応器は、たとえば、水などの熱伝導剤を有するラインまたはパイプを有することができる。
POFとLiFとの間の反応は、周囲圧力(絶対圧で1bar)で行うことができる。好ましくは、この反応は、1bar(絶対圧)を超える圧力、より好ましくは3bar(絶対圧)を超える圧力で行われる。好ましくは、圧力は10bar(絶対圧)以下、より好ましくは5bar(絶対圧)以下である。反応が進行すると、POFが消費され、その結果として、たとえばオートクレーブ中の圧力が低下しうる。POFが連続的に反応に導入される場合、圧力低下は、その反応が依然として進行していることを示している。
POFとLFとの反応は、バッチ方式で、たとえばオートクレーブ中で行うことができる。反応器は、たとえば撹拌装置などの内部手段を有することができ、それによってLiFの固体粒子表面上に機械的衝撃を与えて、表面から反応生成物を除去し、未反応の新しい表面を得ることができる。反応器自体を振盪したり回転させることも可能である。
あるいは、たとえば、流通反応器中で、反応を連続的に行うことができる。たとえば、LiFは層の形態で提供することができ;反応の終了を示すPOFの「破過点」が観察されるまで、POFをこの層に通すことができる。必要に応じ、反応を行う前に酸素、水分、またはその両方を除去するために、窒素または希ガスなどの乾燥不活性ガスをLiF層に通すことができる。
反応が連続的に行われる場合、たとえば、LiFを、たとえば流動層として流通反応器中の層の形態に維持することができ、POFが層に連続的に通される。連続的にPOFおよび新しいLiFを反応器に導入することができ、連続的に反応生成物を反応器から取り出すことができる。
LiPOとLiPFとの分離が望ましい場合は、反応を非プロトン性溶媒中で行うことができ、その理由はLiPFは、これらの溶媒に対する溶解性がLiPOよりもはるかに高いからであり;多量のLiPFが、少量のLiPOとともに溶解し、溶液で取り出すことができる。溶解したLiPFおよびLiPOを含有する溶液は、後述するようにそれ自体が有用な生成物である。固体のLiPOは固体残留物を形成し、これは後述のように精製することができる。したがって、POFとLiFとの間の反応、ならびにその後の、LiPFおよびLiPOを含有する有用な溶液の形態での形成されたLiPFと、LiPOの固体残留物(さらに精製することができる)との分離は、一種の「1ポット法」で同じ反応器中で行うことができる。
必要に応じ、HF、水分、または使用された場合の溶媒を除去する、または、残留POFを除去するために、反応終了後、真空を使用することも、形成されたLiPOおよびLiPFに窒素または希ガスなどの乾燥不活性ガスを通しこともできる。
得られた反応混合物は、ほぼ等モル量のLiPOおよびLiPFを含み、溶媒が使用されない場合には固体の形態で存在する。必要に応じ、この固体は、その成分の溶解が意図される任意選択的に大きな接触表面を得るために、破砕、たとえば粉砕することができる。
「ほぼ等モル量」の文脈における用語「ほぼ」は、40〜60mol%のLiPOおよび40〜60mol%のLiPFからなるLiPOと1.2LiPFとの混合物、好ましくは45〜55mol%のLiPOおよび45〜55mol%のLiPF、より好ましくは49〜51mol%のLiPOおよび49〜51mol%のLiPFからなるLiPOとLiPFとの混合物を意味するものとする。
LiPOとLiPFとを含有する固体反応混合物の最も妥当なワークアップ方法は、有機溶媒を加えることであり、特に、溶解したLiPFおよびLiPOを含有する場合にLiイオン電池、Li空気電池、およびLi硫黄電池の電解質溶液として好適な溶媒を加えることである。そのような多数の溶媒を以下に示す。最良の形態は、LiPOよりもはるかにLiPFを溶解させる非プロトン性極性溶媒を使用することである。
LiPOとLiPFとの等モル混合物を使用できる応用分野では、さらなるワークアップを行うことなく反応混合物を使用することができ、あるいは、必要に応じ高温において、たとえば100℃を超え、さらには150℃を超えるが、好ましくは200℃以下の温度で真空を使用することによって、水分、HF、または残留POFを除去することができる。
LiPFが多くの場合1モル溶液を得るために溶解され、LiPOが1〜2重量%の濃度を得る量で溶解される、Liイオン電池、Li空気電池および、Li硫黄電池におけるLiPFの電解質塩としての一般的な使用、およびLiPOの電解質塩添加剤としての使用を考慮すると、反応混合物の好ましい別のワークアップは、上記種類の電池に使用される溶媒で混合物を抽出することである。通常、抽出物中のLiPFの濃度はLiPOの濃度よりもはるかに高い。このことは、1モル量のLiPFと1〜2重量%の少量のLiPOとを有する前述のようなLiPOよりもはるかに多くのLiPFを含有するen電解質溶液が望ましい場合には非常に有利である。実際の濃度は、LiPF、LiPOを加えることによって、および/または溶媒を加えたり、真空によって溶媒を除去したりすることによって、変更可能である。
多くの場合、非プロトン性有機溶媒は、ケトン類、ニトリル類、ホルムアミド類、ジアルキルカーボネート類(線状である)およびアルキレンカーボネート類(環状である)(ここで用語「アルキル」は、好ましくはC1〜C4アルキルを意味し、用語「アルキレン」は、好ましくはビニリデン基などのC2〜C7アルキレン基を意味し、アルキレン基は好ましくは、−O−C(O)−O−基の酸素原子間に2つの炭素原子の架橋を含む)の群から選択される。ジメチルホルムアミド、カルボン酸アミド類、たとえば、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジエチルアセトアミド、アセトン、アセトニトリル、線状ジアルキルカーボネート類、たとえばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、環状アルキレンカーボネート類、たとえばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、およびビニリデンカーボネートが好適な溶媒である。
ジメチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートは、反応混合物の好ましい溶媒であり、その理由は、LiPOは、Liイオン電池における使用に非常に好適なこれらの溶媒に対して少なくともある程度に溶解性であるからである。他の非常に好適な溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートとプロピレンカーボネート(PC)との混合物、アセトニトリル、ジメトキシエタン、およびアセトンである。周囲温度におけるこれらの溶媒に対するLiPOの溶解度を以下の表1にまとめている。
LiPOのアセトニトリル、特にジメトキシエタンおよびアセトンに対する溶解度が非常に高く、本発明の状況においては、これらの溶媒は、LiPOも高濃度であるLiPOとLiPFとの溶液を得るために有用である。しかし、Liイオン電池用の溶媒としてアセトンはあまり適していないことに留意する必要がある。
LiPOのジメトキシエタンに対する溶解度は、アセトンに対する溶解度よりもさらに高い。ジメトキシエタンは、Liイオン電池の溶媒または溶媒添加剤と見なされている。したがって、ジメトキシエタンは、LiPFおよびLiPOの両方を高濃度で有する溶液を得るために使用することができる。
LiFを最大で無視できる量で溶解させるジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、およびそれらの混合物中のLiPFとLiPOとの溶液は、電池電解質の製造に特に適している。
前述の溶媒以外に、Liイオン電池の電解質溶媒として使用されることが多い他の溶媒を、単独の溶媒として、または溶媒混合物の成分として使用することができる。たとえば、フッ素化溶媒、たとえばモノ−、ジ−、トリ−および/またはテトラフルオロエチレンカーボネートが非常に好適である。他の好適な溶媒は、M.Ueらの刊行物のJ.Electrochem.Soc.Vol.141(1994),2989〜2996頁に記載されているようなラクトン類、ホルムアミド類、ピロリジノン類、オキサゾリジノン類、ニトロアルカン類、N,N−置換ウレタン類、スルホラン、ジアルキルスルホキシド類、ジアルキルスルフィド類、あるいは独国特許出願公開第A 10016816号明細書に記載されるようなトリアルキルホスフェート類またはアルコキシエステル類である。
アルキレンカーボネート類を溶媒または溶媒添加剤として使用することができる。ピロカーボネート類も有用であり、米国特許第5,427,874号明細書を参照されたい。酢酸アルキル類、たとえば、酢酸エチル、N,N−二置換アセトアミド類、スルホキシド類、ニトリル類、グリコールエーテル類、およびエーテル類も有用であり、欧州特許出願公開第A−0 662 729号明細書を参照されたい。多くの場合、これらの溶媒の混合物が使用される。ジオキソランは有用な溶媒の1つであり、欧州特許出願公開第A−0 385 724号明細書を参照されたい。ビス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの場合、1,2−ビス−(トリフルオラセトキシ)エタンおよびN,N−ジメチルトリフルオロアセトアミド(ITE Battery Letters Vol.1(1999),105〜109頁を参照されたい)が溶媒として利用可能である。以上において、用語「アルキル」は、好ましくは飽和線状または分岐C1〜C4アルキル基を意味し;用語「アルキレン」は、好ましくはC2〜C7アルキレン基、たとえばビニリデン基を意味し、ここでアルキレン基は、好ましくは、−O−C(O)−O−基の酸素原子間に2つの炭素原子の架橋を含み、それによって5員環を形成する。
フルオロ置換化合物、たとえば、フルオロ置換エチレンカーボネート類、フルオロ置換ジメチルカーボネート類、フルオロ置換エチルメチルカーボネート類、およびフルオロ置換ジエチルカーボネート類の群から選択されるフッ素化炭酸エステル類も、LiPOまたはLiPFのそれぞれを溶解させる好適な溶媒である。これらは、非フッ素化溶媒との混合物の形態で使用できる。たとえば、前述の非フッ素化有機カーボネート類が非常に好適である。
好ましいフルオロ置換カーボネート類は、モノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、および4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート;ジメチルカーボネート誘導体類、たとえばフルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、トリフルオロメチルメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロ)メチルカーボネート、およびビス(トリフルオロ)メチルカーボネート;エチルメチルカーボネート誘導体類、たとえば2−フルオロエチルメチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2−フルオロエチルフルオロメチルカーボネート、エチルジフルオロメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルフルオロメチルカーボネート、2−フルオロエチルジフルオロメチルカーボネート、およびエチルトリフルオロメチルカーボネート;ならびにジエチルカーボネート誘導体類、たとえばエチル(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル2’−フルオロエチルカーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル2’−フルオロエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル2’,2’−ジフルオロエチルカーボネート、およびビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネートである。
不飽和結合とフッ素原子との両方を有する炭酸エステル類(以降、「フッ素化不飽和炭酸エステル」と略記する)も、多量のLiPFおよび少量のLiPOを溶解させる溶媒として使用することができる。フッ素化不飽和炭酸エステル類としては、本発明の利点をあまり損なわない任意のフッ素化不飽和炭酸エステル類を挙げることができる。
フッ素化不飽和炭酸エステル類の例としては、フルオロ置換ビニレンカーボネート誘導体類、芳香環または炭素−炭素不飽和結合を有する置換基によって置換されたフルオロ置換エチレンカーボネート誘導体類、およびフルオロ置換アリルカーボネート類が挙げられる。
ビニレンカーボネート誘導体類の例としては、フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、および4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネートが挙げられる。
芳香環または炭素−炭素不飽和結合を有する置換基によって置換されたエチレンカーボネート誘導体類の例としては、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、および4,5−ジフルオロ−4,5−ジフェニルエチレンカーボネートが挙げられる。
フルオロ置換フェニルカーボネート類の例としては、フルオロメチルフェニルカーボネート、2−フルオロエチルフェニルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルフェニルカーボネート、および2,2,2−トリフルオロエチルフェニルカーボネートが挙げられる。
フルオロ置換ビニルカーボネート類の例としては、フルオロメチルビニルカーボネート、2−フルオロエチルビニルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルビニルカーボネート、および2,2,2−トリフルオロエチルビニルカーボネートが挙げられる。
フルオロ置換アリルカーボネート類の例としては、フルオロメチルアリルカーボネート、2−フルオロエチルアリルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルアリルカーボネート、および2,2,2−トリフルオロエチルアリルカーボネートが挙げられる。
多量のLiPFと少量のLiPOとを有する溶液を得るための反応混合物からのLiPFおよびLiPOの抽出は、周知の方法、たとえば、反応器中で反応混合物と溶媒(抽出剤)とを直接撹拌することによって、または反応混合物を反応器から取り出した後に、好適な容器中、たとえばソックスレー容器中で、任意選択的に圧壊または粉砕することによって行うことができる。抽出液体はLi塩を含有し、さらなる処理を行うことができる。
溶媒中に溶解した多量のLiPFと少量のLiPOとを含有する液相は、溶解していない固体のLiPOから周知の方法で分離することができる。たとえば、溶液をフィルターに通すことも、デカンテーションすることも、遠心分離によって分離を行うこともできる。
必要に応じ、高純度の固体LiPOを回収することができる。たとえば、固体LiPOを含有する残留物を溶解させ、固体LiPOが沈殿するようにそれぞれの溶液を冷却することも、非極性有機液体を加えて結晶化させることもできる。たとえば、LiPOをジメトキシエタン中に溶解させることができ、炭化水素、たとえばヘキサンを加えることができる。LiPOは、ゲル状固体の形態で沈殿する。アセトンを溶媒として使用する場合、20%の濃度のLiPOを得ることができる。0℃まで冷却すると、固体で針状のLiPOが沈殿する。
したがって、本発明は、精製されたLiPOを得るための方法であって、第1のステップにおいて、主としてLiPFを溶解させる溶媒で混合物を抽出することによって、LiPOとLiPFとを含む混合物からLiPFを主として分離し、
a)飽和濃度の少なくとも90%に到達するまで、残存する未溶解のLiPOを極性非プロトン性溶媒中に溶解させ、溶媒を冷却してLiPOを沈殿させ、沈殿させたLiPOを溶媒から分離し、溶媒を除去するための処理を行うか、または
b)残存する未溶解のLiPOを極性非プロトン性溶媒中に溶解させ、非極性有機溶媒を加えて、溶解したLiPOを沈殿させ、沈殿させたLiPOを溶媒から分離し、溶媒を除去するための処理、たとえば加熱および/または真空の使用を行う、方法を提供する。
好ましくは、ステップa)の溶媒はアセトンである。
好ましくは、ステップb)において、非プロトン性溶媒はジメトキシエタンであり、非極性溶媒は炭化水素、好ましくはヘキサンである。
必要に応じ、反応混合物中に未溶解で残存するLiPOは保管することも、さらなる精製処理を行って、たとえば前述のようにジメトキシエタン、アセトン、または他の溶媒中に溶解させることによって、純粋な固体のLiPOを得ることもできる。付着する溶媒は、蒸発によって除去することができ、これは好ましくは付着する1種または複数種の溶媒の沸点に依存して真空中で行うことができる。
溶解したLiPOは、溶媒を蒸発させることによって溶液から回収して、純粋な固体のLiPOを得ることができる。これは周知の方法によって行うことができる。たとえば、付着する溶媒は、蒸発によって除去することができ、好ましくは付着する1種類以上の溶媒の沸点に依存して真空中で行うことができる。
単離した固体のLiPOは、任意の好適な溶媒または溶媒混合物中に再溶解させることができる。アセトンおよびジメトキシエタンなどの前述の溶媒が非常に好適である。その主要な用途が、リチウムイオン電池の分野における電解質塩または塩添加剤としてであるので、リチウムイオン電池の電解質溶液の製造に使用される水を含有しない溶媒中に溶解させることが好ましい場合がある。そのような溶媒は前述している。
いずれも有用な化合物であり、混合物として、または単離後に別々に有用である、LiPFとLiPOとの等モル混合物は、安価な出発物質から本発明の方法によって得ることができる。純粋な針状LiPOは、アセトン中のLiPOの濃厚溶液を冷却することで得ることができる。
POFの使用の利点の1つは、塩素−フッ素交換反応でさえも実質的にHClを含まずに調製可能なことである。POFの沸点(b.p.)の−40℃はHClの沸点(HClの沸点は−85.1℃である)よりも高いので、加圧下での単純な蒸留または濃縮技術をPOF中間生成物の精製に使用することができ、そのため本発明の方法がより経済的となる。
本発明の別の一態様は、LiPOとLiPFとの等モル混合物に関する。これらの混合物は、前述したように、電池の電解質組成物の電解質溶液、および針状LiPOの製造の有用な供給源となる。
本発明のさらに別の一態様は、針状固体LiPOに関する。これらの針状物質は、長さの直径に対する比が3以上となる。前述のように電池電解質組成物の添加剤として使用でき、結晶形態であるので取り扱いが容易なため、LiPOも同様に有用な生成物である。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が、用語が不明確となりうる程度に本明細書の説明と矛盾する場合、本明細書の説明を優先するものとする。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらが本発明の限定を意図したものではない。
実施例1:LiPOとLiPFとの等モル混合物の製造
225gのLiF(供給元:Aldrich)を可動式オートクレーブ反応器に投入し、真空下で(外部から加熱して)乾燥させた。
閉じた反応器を始動させ、固体出発物質に機械的衝撃を与え反応を改善するための動きを行い、圧力調整弁が設けられたガス容器からPTFE管を介して反応器中に気体POFを送る。全体の反応温度(反応器内部で測定)を32℃未満に維持することによって、添加速度を制限した。LiFとPOFとの間の迅速な反応のため、反応終了まで圧力は上昇しなかった。反応器内の温度を32℃未満に維持しながら、74g/hのPOFの平均供給速度が可能であった。
9時間後、圧力は約4atmまで上昇し、系をこれらの条件下でさらに2時間維持した。その時間の後、反応器を排気し、内部温度が70℃に到達するまで外部から加熱し、温度をそのレベルで2.5時間維持した。
白色粉末の形態の生成物を反応器から取り出し、全質量で730g(質量増加:730g−225g=505g:4.9molのPOFに相当)が得られた。
225gのLiF(8.7mol):8.7molのPOFの場合の理論量POF(化学量論による)=905g
反応後の生成物のXRDを図1に示す。
aと記載されるピークはLiPFを示し;bと記載されるピークはLiPOを示し;cと記載されるピークはLiFを示す。
LiPFは、17、19(強)、26(強)、29、30、40、43、45、および54において2θ値を示す。
LiPOは、21.5(強)、22.0、23.5、27.0(強)、34.2、43.2において2θ値を示す。
LiFは、39および44(弱)において2θ値を示す。
実施例2:針状LiPOの製造
実施例1で得たLiPO粉末をアセトン中に溶解させて飽和溶液を得た。次にこの溶液を0℃まで冷却した。LiPOが針状の形態で沈殿した。
実施例3:リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池および、リチウム酸素電池用の電解質溶液
全体積が1リットルとなる量でエチレンカーボネート(「EC」)とプロピレンカーボネート(「PP」)との等モル体積の混合物を混合して、実施例1の固体を抽出する。得られる溶液は、LiPFと、さらに約0.5重量%のLiPOとを含有する。
実施例4:リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池および、リチウム酸素電池用の電解質溶液
実施例2の針状物質を、エチレンカーボネート(「EC」)とプロピレンカーボネート(「PP」)との等モル体積の混合物中に溶解させ、全体積が1リットルとなる量で混合する。得られる溶液は約0.5重量%のLiPOを含有する。

Claims (15)

  1. LiFとPOFとを反応させるステップを含む、LiPOとLiPFとを含む混合物の製造方法。
  2. POFをLiFと0.9:1〜2:1のモル比で反応させる、請求項1に記載の方法。
  3. 反応時間が0.5〜2時間である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応が25〜90℃の温度で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記反応が5bar(絶対圧)以下の圧力で行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. LiPOとLiPFとを含む前記混合物が、Liイオン電池、Li空気電池、およびLi硫黄電池の電解質溶媒として好適な溶媒で抽出される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記溶媒が有機カーボネート類からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 第1のステップにおいて、主としてLiPFを溶解させる溶媒で前記混合物を抽出することによって、LiPOとLiPFとを含む前記混合物からLiPFを主として分離し、
    a)飽和濃度の少なくとも90%に到達するまで、残存する未溶解のLiPOを極性非プロトン性溶媒中に溶解させ、前記溶媒を冷却してLiPOを沈殿させ、前記沈殿させたLiPOを前記溶媒から分離し、溶媒を除去するための処理を行うか、または
    b)残存する未溶解のLiPOを極性非プロトン性溶媒中に溶解させ、非極性有機溶媒を加えて、溶解したLiPOを沈殿させ、前記沈殿させたLiPOを前記溶媒から分離し、残存する溶媒を除去するための処理を行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ステップa)における前記溶媒がアセトンである、請求項8に記載の方法。
  10. ステップb)において、前記非プロトン性溶媒がジメトキシエタンであり、前記非極性溶媒が炭化水素、好ましくはヘキサンである、請求項8に記載の方法。
  11. LiPOとLiPFとからなる、ほぼ等モル混合物。
  12. 40〜60mol%のLiPOと40〜60mol%のLiPFとからなる、請求項11に記載の混合物。
  13. 固体針状LiPO
  14. LiPOとLiPFとを含む溶液の調製方法であって、請求項11に記載のLiPOおよびLiPFからなるほぼ等モル混合物を、Liイオン電池、Li空気電池、およびLi硫黄電池の少なくとも1種類の溶媒と接触させる、方法。
  15. 請求項11または12に記載のほぼ等モル混合物を含む、Liイオン電池、Li空気電池、またはLi硫黄電池。
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