JP2014526901A - 抗血管新生療法に伴う高血圧のリスクを予測する方法 - Google Patents

抗血管新生療法に伴う高血圧のリスクを予測する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、KDR遺伝子及び/又はEGF遺伝子の遺伝子型を決定することにより、ベバシズマブなどの血管新生阻害剤に関連した高血圧の発症に対する患者の感受性を予測する方法に関する。本発明は、KDR遺伝子及び/又はEGF遺伝子の遺伝子型に基づいて、癌に罹患している患者の治療のためにベバシズマブなどの血管新生阻害剤を含む薬学的組成物に更に関する。本方法は、KDR遺伝子及び/又はEGF遺伝子の遺伝子型を決定することにより癌に罹患した患者において、ベバシズマブなどの抗血管新生療法と関連した高血圧のリスクを減らすための方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、ベバシズマブによる治療法を含む抗血管新生療法を受けている患者における高血圧のリスクを予測する方法に関する。
発明の背景
血管新生は、癌の発生など良性および悪性疾患に寄与し、特に癌において、原発性腫瘍増殖、侵襲性及び転移のために必要である。増殖のために、腫瘍は血管新生スイッチを受けねばならない。血管内皮増殖因子(VEGF)は、この血管新生スイッチを誘導するために必要とされる。VEGF及びVEGF経路内の遺伝子は、癌の進行の重要なメディエーターと考えられている。VEGF遺伝子ファミリーは、VEGFAとも称するVEGF遺伝子、胎盤成長因子(PlGF)、VEGFB、VEGFC、VEGFDを含むVEGFホモログ、VEGFR−1及びVEGFR−2(それぞれFLT1およびFLK1/KDRと称する)を含むVEGF受容体、酸素誘導因子のHIF1α、HIF2αを含むVEGFの誘導物質、酸素センサーのPHD1、PHD2及びPHD3を含む。
癌細胞増殖及び転移におけるこの経路の重要性が、癌治療において使用するための抗血管新生剤の開発をもたらした。これらの治療法には、とりわけ、ベバシズマブ、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブとバタラニブが含まれている。ベバシズマブなどの血管新生阻害剤を用いて得られた著しく延長された生存にもかかわらず、患者はなお癌で死ぬ。更に、全ての患者が血管新生阻害剤治療に応答するわけではない。非応答性の根底にある機序は不明のままである。更に、血管新生阻害剤治療は、胃腸穿孔、血栓症、出血、高血圧及びタンパク尿などの副作用と関連する。
従って、どの患者が、血管新生阻害剤の治療に特に良く応答するか、及び/又はどの患者が抗血管新生治療に伴う副作用を受けやすいかを決定する方法が必要とされている。
本発明は、高血圧のリスク低下と関連している、EDRにおける遺伝子多型rs2305949(配列番号3)及び/又はEGFにおけるrs4444903(配列番号4)で遺伝子型を決定することにより、ベバシズマブなどの血管新生阻害剤による治療に関連する高血圧の発症への患者の感受性を決定する方法に関する。本発明は、高血圧のリスク低下と関連している、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)及び/又はrs4444903(配列番号4)で遺伝子型を有し、癌に罹患している患者の治療のためのベバシズマブなどの血管新生阻害剤を含む薬学的組成物に更に関する。本発明は、高血圧のリスク低下と関連している、rs2305949(配列番号3)及び/又はrs4444903(配列番号4)での遺伝子型を検出することにより、癌に罹患している患者において、抗血管新生療法に関連する高血圧のリスクを低下するための方法に更に関する。
本発明の一実施態様は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法に関連する高血圧の発症に対する患者の感受性を決定する方法を提供する。本方法は、(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、及び、(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定し、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCC遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTTの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症により感受性であることを示し、又は遺伝子多型rrs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症への感受性が小さいことを示す。幾つかの実施態様において、本方法は、インビトロの方法である。幾つかの実施態様において、この治療法は、化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む。幾つかの実施態様において、血管新生阻害剤は、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される。幾つかの実施態様において、癌は、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である。幾つかの実施態様において、サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施態様において、遺伝子型は、MALDI−TOF質量分析法によって決定される。幾つかの実施態様にて、本方法は患者へ治療薬を投与することを更に含む。
本発明の別の実施態様は、その必要のある患者の治療のために本明細書に記載の血管新生阻害剤を含む薬学的組成物を提供し、ここで前記患者は、本明細書に記載の方法に従って、血管新生阻害剤を含む治療法に関連する高血圧の発症への感受性が小さいと確定されている。
本発明の更なる実施態様は、本明細書に記載の方法を実施するためのキットを提供する。キットは、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定することができるオリゴヌクレオチドを含む。
本発明の更に別の実施態様は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法に関連した高血圧の発症のリスクを減らす方法を提供する。本方法は、(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、(b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に感受性が小さいことを示し;及び(c)(b)に従って高血圧の発症に感受性が小さいとして同定された遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTTを有する患者に前記血管新生阻害剤を投与すること幾つかの実施態様において、この治療法は、化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む。幾つかの実施態様において、血管新生阻害剤は、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される。幾つかの実施態様において、癌は、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である。幾つかの実施態様において、サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施態様において、遺伝子型は、MALDI−TOF質量分析法によって決定される。
本発明の更に別の実施態様は、患者を治療する方法を提供する。本方法は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療薬を患者に投与することを含み、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での患者の遺伝子型がCT又はTTであることが確定されていることを特徴とする。
本発明の更に別の実施態様は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法に関連する高血圧の発症に対する患者の感受性を決定する方法を提供する。本方法は、(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定し、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症により感受性であることを示し、又は遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症への感受性が小さいことを示す。幾つかの実施態様において、本方法は、インビトロの方法である。幾つかの実施態様において、この治療法は、化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む。幾つかの実施態様において、血管新生阻害剤は、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される。幾つかの実施態様において、癌は、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である。幾つかの実施態様において、サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施態様において、遺伝子型は、MALDI−TOF質量分析法によって決定される。幾つかの実施態様にて、本方法は患者へ治療薬を投与することを更に含む。
本発明の別の実施態様は、その必要のある患者の治療のために本明細書に記載の血管新生阻害剤を含む薬学的組成物を提供し、ここで前記患者は、本明細書に記載の方法に従って、血管新生阻害剤による治療法に関連する高血圧の発症への感受性が小さいと確定されている。
本発明の更に別の実施態様は、本明細書に記載の方法を実施するためのキットを提供する。キットは、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定することができるオリゴヌクレオチドを含む。
本発明の更なる実施態様は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法に関連した高血圧の発症のリスクを減らす方法を提供する。本方法は、(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、(b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に感受性が小さいことを示し;及び(c)(b)に従って高血圧の発症に感受性が小さいとして同定された遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAAを有する患者に前記血管新生阻害剤を投与すること幾つかの実施態様において、この治療法は、化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む。幾つかの実施態様において、血管新生阻害剤は、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される。幾つかの実施態様において、癌は、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌または肺癌である。幾つかの実施態様において、サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施態様において、遺伝子型は、MALDI−TOF質量分析法によって決定される。
本発明の別の実施態様は、患者を治療する方法を提供する。本方法は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療薬を患者に投与することを含み、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での患者の遺伝子型がCG又はAAであることが確定されていることを特徴とする。
臨床データのエンドポイントの分布。無増悪生存期間(PFS)のカプランマイヤープロット。 臨床データのエンドポイントの分布。全生存期間(OS)のカプランマイヤープロット。 臨床データのエンドポイントの分布。最良総合効果(BOR)の棒グラフ。BORの割合はBEVで治療された被験者で49%であり、PBOで治療された被験者で46%であった。 臨床データのエンドポイントの分布。治験薬と無関係でない高血圧の棒グラフ。高血圧の割合はBEVで治療された被験者で18%であり、PBOで治療された被験者で7%であった。 ルーベン有効性パネル分析におけるVEGFAとPFSの関連性分析の結果。 PFSに対する関連性について試験される場合のrs699946(配列番号1)のフォレストプロット。 BEVで処置された白人被験者におけるrs12505758(配列番号2)のOSとの関連性についてのフォレストプロット。 rs12505758(配列番号2)とOSの間の関連性のカプランマイヤープロット。 rs2305949(配列番号3)(KDR)との相関における高血圧の頻度 BEVで処置された白人被験者における高血圧の、KDRのrs2305949(配列番号3)のフォレストプロット。 rs4444903(配列番号4)(EGF)との相関における高血圧の頻度。 PGx−SP−ベバシズマブ−白人におけるEGFのrs4444903(配列番号4)及び高血圧のフォレストプロット。 BEVで処置された白人被験者におけるrs11133360(配列番号5)のPFSとの関連性についてのフォレストプロット。 メタ分析で遺伝子型を特定され、ベバシズマブ転帰と関連するSNPの配列。配列番号1はrs699946に対応し、位置51はA又はGである。配列番号2はrs12505758に対応し、位置51はC又はTである。配列番号3はrs2305949に対応し、位置51はC又はTである。配列番号4はrs4444903に対応し、位置51はA又はGである。配列番号5はrs11133360に対応し、位置51はC又はTである。
実施態様の詳細な説明
1.定義
「投与する」という用語は、患者に対して、血管新生阻害剤などの薬学的組成物の投与を意味する。例えば、体重の2.5mg/kgから体重の15mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))を、治療される癌のタイプに応じて、毎週、2週間ごと、又は3週間ごとに投与することができる。特定の投与量は、5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、及び15mg/kgである。より特定の投与量は、5mg/kgを2週間毎に、10mg/kgを2週間毎に及び15mg/kgを3週間ごとにである。
本発明との関連で、用語「血管新生阻害剤」は、血管新生(例えば、血管を形成するプロセス)を変化させる全ての薬剤を指し、限定されないが、腫瘍血管新生を含む血管新生を阻害する薬剤を含む。これに関連して、阻害とは、血管の形成を阻止及び血管の成長を停止又は遅くすることをを指すことができる。血管新生阻害剤の例としては、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)としても知られている)、ペガプタニブ、スニチニブ、ソラフェニブ及びバタラニブが含まれる。ベバシズマブは、インビトロ及びインビボでのアッセイ系においてヒトVEGFAに結合し、その生物学的活性を阻害する組換えヒト化モノクローナルIgG1抗体である。用語「ベバシズマブ」は、米国、ヨーロッパ、及び日本からなる国のグループから選択された国または地域において、同一又はバイオシミラー製品として販売承認を得るために必要な要件を満たした対応する全ての抗VEGF抗体を包含する。本発明との関連において、血管新生阻害剤は、ベバシズマブなどVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体、より具体的には、ベバシズマブとVEGF上の同じエピトープに結合する抗体を含む。抗体は、2つの抗体が同一または立体的に重複するエピトープを認識するとき、参照抗体と「本質的に同じエピトープ」に結合する。2つのエピトープが同一又は立体的に重複するエピトープに結合するかどうかを決定するための最も広く使用される迅速な方法は、標識抗原又は標識抗体の何れかを使用して、異なる形態の全ての数で構成することができる競合アッセイである。通常、抗原は96ウェルプレート上に固定化され、標識抗体の結合を遮断する非標識抗体の能力は、放射性又は酵素標識を用いて測定される。
用語「癌」は、未制御の細胞増殖によって典型的に特徴付けられる、哺乳動物における生理学的状態を指す。癌の例としては、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫及び白血病が含まれる。このような癌のより具体的な例には、扁平細胞癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、及び肺の扁平癌腫(squamous carcinoma)を含む)、腹膜癌、肝細胞癌、胃(gastric)又は腹部(stomach)癌(例えば、消化器癌を含む)、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌を含む)、神経膠芽細胞腫、子宮頸管癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、尿路の癌、肝癌、乳癌(局所的進行型、再発性又は転移性HER−2陰性乳癌を含む)、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓(kidney)又は腎(renal)癌、肝臓癌、前立腺癌、産卵口癌、甲状腺癌、肝細胞癌、及び様々なタイプの頭頸部癌、並びにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽細胞性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小非分割細胞NHL;バルキー疾患NHL;マントル細胞リンパ腫;エイズ関連リンパ腫;及びワルデンストロームのマクログロブリン病を含む);慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;及び移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、並びに、母斑症と関係する異常な血管性増殖、浮腫(脳腫瘍と関係するものなど)、メイグス症候群が含まれる。
用語「化学療法剤」又は「化学療法レジメン」は、抗癌治療効果を提供することができる任意の活性剤を含み、特に、癌細胞又は腫瘍細胞に干渉することができる化学薬剤又は生物学的薬剤であってもよい。特定の活性薬剤は、悪性細胞の発生、成熟又は増殖を阻害又は防止する抗新生物(化学毒性(chemotoxic)又は化学安定性(chemostatic))剤として作用するものである。化学療法剤の例は、ナイトロジェンマスタード等のアルキル化剤(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン及びクロラムブシル)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、及びセムスチン(メチル−CCNU))、エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、トリエチレンメラミン(thriethylenemelamine)(TEM)、トリエチレン、チオホスホルアミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン))、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、及びトリアジン(例えば、ダカルバジン(DTIC));葉酸アナログ等の代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、トリメトレキサート)、ピリミジンアナログ(例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビン、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5−アザシチジン、2,2′−ジフルオロデオキシシチジン)、及びプリンアナログ(例えば、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、2′−デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、及び2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2−CdA));天然物に由来する有糸***阻害剤(例えば、パクリタキセル、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、ドセタキセル、エストラムスチン、及びリン酸エストラムスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(例えばアクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシンC、アクチノマイシン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)、及び生体応答修飾物質(例えば、インターフェロン−α、IL−2、G−CSF、GM−CSF);白金錯体複合体を含む混合剤(miscellaneous agents)(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換尿素(すなわちヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、N−メチルヒドラジン(MIH)、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン(o,p′−DDD)、アミノグルテチミド);副腎皮質ステロイドアンタゴニストを含むホルモン及びアンタゴニスト(例えば、プレドニゾン及び等価物、デキサメタゾン、アミノグルテチミド)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール及びその等価物);抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、プロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン及びその等価物)、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ、リュープロリド)及び非ステロイド性抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド)、上皮成長因子阻害剤(例えば、エルロチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ)抗体(例えば、トラスツズマブ)、イリノテカン、及びロイコボリンなどの他の薬剤を含む。転移性膵臓癌の治療のために、ベバシズマブ投与のための化学療法剤は、ゲムシタビン及びエルロチニブおよびそれらの組合せが挙げられる(本明細書で提供される実施例も参照)。腎細胞癌の治療のために、ベバシズマブ投与のための化学療法剤は、インターフェロンアルファが挙げられる(本明細書で提供される実施例も参照)。
用語「対立遺伝子」は、目的の遺伝子のヌクレオチド配列変異体を指す。
用語「遺伝子型」は、個体またはサンプル中に含まれる遺伝子の対立遺伝子の記述を言及する。本発明との関連において、個々の遺伝子型と個体由来のサンプルの遺伝子型との間に区別はなされていない。典型的には、遺伝子型は二倍体細胞のサンプルから決定されるが、遺伝子型は、***細胞など半数体細胞のサンプルから決定することができる。
用語「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は、交換可能に使用され、2つ以上のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、好ましくは3つ以上からなる分子を指す。その正確な大きさは、オリゴヌクレオチドの最終的な機能又は使用に依存して、多くの要因に依存するであろう。オリゴヌクレオチドは、合成又はクローニングによって誘導することができる。デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドのキメラ体も本発明の範囲内にあり得る。
用語「多型性」は、集団中の遺伝子の2つ又はそれ以上の遺伝的に決定される代替順序の発生を言う。典型的には、最初に同定された対立遺伝子型が参照型として任意に指定され、他の対立遺伝子型は、代替又は変異体対立遺伝子として指定される。選択された集団において最も頻繁に生じる対立遺伝子型は、時には野生型と呼ばれる。
用語「一塩基多型」又は「SNP」は、対立遺伝子間で変化する一つのヌクレオチドの部位である。一塩基多型は、遺伝子の任意の領域で生じ得る。幾つかの例において多型性は、タンパク質配列の変化をもたらすことができる。タンパク質配列の変化は、タンパク質機能に影響し得るか又は影響しない場合がある。
用語「高血圧」は、高い血圧を指す。「治療に関連する高血圧」とは、有害事象(CTCAEバージョン2−3)のための国立癌研究所の共通用語規準に従って異なる等級で測定することができる。当業者は理解するように、患者が、患者の他のサブグループと比較して高血圧を発症する統計学的に有意な可能性を有する患者のサブグループに属している場合、患者は高血圧の発症により感受性がある。同様に、患者が、患者の他のサブグループと比較して、高血圧を発症しない統計学的に有意な可能性を有する患者のサブグループに属している場合、患者は高血圧の発症に感受性が小さい。
「患者」という用語は任意の単一動物、より具体的には治療が所望される哺乳動物(例えば、非ヒト動物、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類を含む)を意味する。更により具体的には、本明細書の患者はヒトである。本発明との関連において、患者は、白人被験者であり得る。
用語「被験者」は、本明細書において、血管新生障害の一以上の徴候、症状、又は他の指標を経験している、治療の対象患者を含む任意の単一のヒト被験者である。被験者として含まれることが意図されるのは、疾患の臨床的兆候を示していない、臨床研究試験に関与する任意の被験者、又は疫学的研究に関与する被験者、又は一度対照として用いられた被験者である。被験者は、以前に抗癌剤で治療されているか、又はそのように治療されていないなくてもよい。被験者は、治療が開始されるときに、本明細書に使用される追加の薬剤に対してナイーブであってもよく、すなわち、被験者は、「ベースライン」で(すなわち、治療が開始される前に被験者をスクリーニングする日など、本明細書における治療法における抗癌の最初の用量の投与前の時点における設定点において)、例えば、抗腫瘍剤、化学療法剤、成長阻害剤、細胞毒性剤で以前に治療されていない可能性がある。そのような「ナイーブ」被験者は、一般に、そのような追加の薬剤を用いた治療の候補者であると考えられる。
用語「罹患している患者」とは、例えば癌、生理学的および病理学的血管新生及び/又は腫瘍性疾患を含む疾患などの特定の悪性疾患に対する臨床徴候を示す患者を指す。
本明細書で用いられるように、「治療法」又は「治療」は、治療されている個体又は細胞の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程においてのいずれかで実行できる。治療の望ましい効果は、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の直接的または間接的な病理学的帰結の縮小、転移を予防すること、疾患の進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。
用語「全生存期間」は、治療の最中又は後に患者が生存する時間の長さを指す。
用語「無増悪生存期間」とは、治療の間及びその後に、治療担当医師または治験責任医師の評価によると、患者の病気は悪化しない、すなわち進行しない時間の長さを指す。
用語「薬学的組成物」は、医薬の生物学的活性を許容するような形態であって、製剤を投与する被検体にとって許容できない毒性である追加成分を含まない無菌調製物を指す。
2.詳細な実施態様
本発明においては、KDR及びEGFの遺伝子の変異は、驚くべきことに、血管新生阻害剤による治療に関連する高血圧の発症に対する感受性のマーカー/予測因子として同定された。用語「マーカー」と「予測因子」は、交換可能に使用され、遺伝子の特定の対立遺伝子改変体を指すことができる。変異またはマーカーはまた、一塩基多型(SNP)と呼ばれる場合がある。
本発明の方法に従って、SNPのメタ分析は、ベバシズマブによる5つのフェーズII及びフェーズIII試験から得られたサンプル、すなわちNO16966を用いて行った(進行型原発性結腸直腸癌、Saltz et al., 2008, J. Clin. Oncol. 26:2013-2019 and Hurwitz et al., 2004, N. Engl. J. Med. 350:2335-2342を参照)、AVITA(膵臓癌、Van Cutsem, J. Clin. Oncol. 2009 27:2231-2237を参照),AVAiL(非小細胞肺癌、Reck et al., J. Clin. Oncol. 2009 27:1227を参照)、AVOREN(腎臓癌、Escudier et al., J. Clin. Oncol. 2010 28:2144を参照)及びAVADO(乳癌、Miles, J. Clin. Oncol. 2010 28:3239を参照)。
実施例に示すように、10のSNPがベバシズマブ誘導性高血圧症と関連していたが(p<0.05)、しかし、これらは何れも多重検定のしきい値を超えていなかった(p<0.0003)。最も強い関連を示す2つのSNP(p<0.01)は、KDRにあるrs2305949(配列番号3)(対立遺伝子のOR 0.93,95% CI 0.88−0.98,p=0.0067)、及びEGFにあるrs4444903(配列番号4)(対立遺伝子のOR 1.06,95% CI 1.02−1.11,p=0.0052)であった。rs2305949(配列番号3)(KDR)では、CCキャリア(野生型)は、BEVで治療されると高血圧発症のより高い頻度を示し、一方プラセボで処置された白人患者は、むしろ逆の結果を示し、TTを保有する患者において最も高い高血圧の頻度を示している。rs4444903(配列番号4)(EGF)では、ヘテロ接合体GAキャリアは、異なる遺伝子型の間で違いは見られなかったように、プラセボで治療を受けた患者では見られなかった効果である、高血圧の最高頻度を示した。興味深いことに、rs2305949(配列番号3)及びrs4444903(配列番号4)は、KDRとEGFの位置273及び708上で生じるアミノ酸変化と密接に関連しており、これらの変化は、機能的に両方の遺伝子に影響を及ぼし、それによって高血圧の一因となり得ることを示唆している。
従って、本発明は、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症への患者の感受性を決定するインビトロでの方法を提供し、前記方法は、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、
(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCC遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTTの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に感受性があることを示し、又は遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対して感受性が小さいことを示す。一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌及び肺癌からなる群から選択される。
本発明はさらに、必要とする患者を治療するために、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む薬学的組成物を提供し、ここで前記患者は、インビトロでの方法で、血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に対して感受性が小さいことが決定されており、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、
(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCC遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTTの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に感受性があることを示し、又は遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対して感受性が小さいことを示す。一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌及び肺癌からなる群から選択される。
本発明はまた、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧を発症するリスクを減らす方法を更に提供し、該方法は、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、
(b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、ここで遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTT遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対する感受性が小さいことを示し、及び
(c)(b)に従って高血圧の発症に対する感受性が小さいとして同定された、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でCT又はTT遺伝子型を持つ患者に対して、前記血管新生阻害剤を投与すること一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌及び肺癌からなる群から選択されることを含む。
本発明はまた、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症に対する患者の感受性を決定するインビトロでの方法を提供し、該方法は、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、
(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症に対して多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAAの遺伝子型を有する患者よりもより適切に治療されることを示し、又は遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対して感受性が小さいことを示す。一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、及び乳癌からなる群から選択される。
本発明はさらに、必要とする患者を治療するために、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む薬学的組成物を提供し、ここで前記患者は、インビトロでの方法で、血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に対して感受性が小さいことが決定されており、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、
(b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症に対して多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAAの遺伝子型を有する患者よりもより適切に治療されることを示し、又は遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対して感受性が小さいことを示す。一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、及び乳癌からなる群から選択される。
本発明はまた、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧を発症するリスクを減らす方法を更に提供し、該方法は、
(a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、
(b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、ここで遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対する感受性が小さいことを示し、及び
(c)(b)に従って高血圧の発症に対する感受性が小さいとして同定された、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAA遺伝子型を持つ患者に対して、前記血管新生阻害剤を投与することを含む。一実施態様において、癌は、結腸直腸癌、グリア芽腫、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、胃癌および肺癌、より具体的には結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、膵臓癌及び肺癌、更により具体的には結腸直腸癌、腎臓癌及び肺癌からなる群から選択される。
一実施態様において、血管新生阻害剤は化学療法剤又は化学療法レジメンとの併用処置として投与される。更なる実施態様において、血管新生阻害剤は、ドセタキセル及びパクリタキセルなどのタキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及びカルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンなど白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される。更に、血管新生阻害剤は、放射線療法との併用処置として投与され得る。
本発明との関連において、サンプルは生物学的サンプルであり、血液及び/又は組織試料であってもよい。一実施態様において、試料は血液サンプルであり、具体的には、末梢血サンプルである。本発明との関連において、サンプルはDNAサンプルである。DNAサンプルは、生殖細胞系列DNA又は体細胞DNA、具体的には生殖細胞のDNAでありうる。
一実施態様において、遺伝子型は、MALDI−TOF質量分析法によって決定される。以下のSNPの検出の詳細な説明に加えて、以下の参考文献は、MALDI−TOF質量分析ベースのSNP遺伝子型判定のための指針を提供する;例えば、Storm et al., Methods Mol. Biol. 212:241-62, 2003。
3.核酸多型の検出
SNPの存在について核酸を評価するための検出技術は、分子遺伝学の分野で公知の手順を含む。すべてではないが、多くの方法は、核酸の増幅を含む。増幅を行うための十分な指針が当該分野で提供される。典型的な参照文献には、PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification (ed. H. A. Erlich, Freeman Press, NY, N.Y., 1992); PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (eds. Innis, et al., Academic Press, San Diego, Calif., 1990); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, 1994-1999, including supplemental updates through April 2004; Sambrook & Russell, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd Ed, 2001)などのマニュアルを含む。一塩基多型の検出のための一般的な方法は、Single Nucleotide Polymorphisms: Methods and Protocols, Pui-Yan Kwok, ed., 2003, Humana Pressに開示されている。
方法は、典型的には、PCR工程を利用するが、他の増幅プロトコールを使用することもできる。好適な増幅方法は、リガーゼ連鎖反応(例えば、Wu & Wallace, Genomics 4:560-569, 1988を参照);鎖置換アッセイ(例えば、Walker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:392-396, 1992; 米国特許第5,455,166号を参照);及び米国特許第5,437,990号;第5,409,818号;及び第5,399,491号に記載の方法を用いた転写に基づく増幅系;転写増幅システム(TAS)(Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173-1177, 1989);及び自立配列複製(3SR)(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-1878, 1990;国際公開第92/08800号)を含む。あるいは、検出可能なレベルにプローブを増幅する方法は、Qβ−レプリカーゼ増幅など使用することができる (Kramer & Lizardi, Nature 339:401-402, 1989; Lomeli et al., Clin. Chem. 35:1826-1831, 1989)。公知の増幅方法の総説は、例えば、AbramsonとMyerによりCurrent Opinion in Biotechnology 4:41-47, 1993に提供される。
遺伝子型、ハプロタイプ、SNP、マイクロサテライト又は個々の他の多型性の検出は、オリゴヌクレオチドプライマー及び/又はプローブを用いて行うことができる。オリゴヌクレオチドは、任意の適切な方法、通常、化学合成によって調製することができる。オリゴヌクレオチドは、市販の試薬および器具を用いて合成することができる。あるいは、それらは商業的供給源から購入することができる。オリゴヌクレオチドの合成方法は当分野で周知である(例えば、Narang et al., Meth. Enzymol. 68:90-99, 1979; Brown et al., Meth. Enzymol. 68:109-151, 1979; Beaucage et al., Tetrahedron Lett. 22:1859-1862, 1981;及び米国特許第4,458,066号の固体支持体法)。加えて、上記合成方法の修飾も、合成されたオリゴヌクレオチドに関して酵素作用に望ましく影響を与えるために使用することができる。例えば、修飾されたホスホジエステル結合(例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホアミデート、またはボラノホスフェート)、又はリン酸誘導体以外の結合のオリゴヌクレオチドへの取り込みが選択された部位での切断を防ぐために使用されてもよい。さらに、2’−アミノ修飾糖の使用は、新しい核酸鎖の合成のための鋳型である核酸にハイブリダイズする場合、オリゴヌクレオチドの消化において置換を好む傾向がある。
個体の遺伝子型は、当技術分野において周知である多くの検出方法を用いて決定することができる。ほとんどのアッセイは、いくつかの一般的なプロトコル:対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを用いたハイブリダイゼーション、プライマー伸長、対立遺伝子特異的ライゲーション、シークエンシング、又は電気泳動分離技術、例えば、一本鎖高次構造多型法(SSCP)及びヘテロ二本鎖分析のいずれかを必要とする。例示的なアッセイは、5’−ヌクレアーゼアッセイ、鋳型指向ダイターミネーターの取り込み、分子ビーコン対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドアッセイ、一塩基伸長アッセイ及びリアルタイムのピロリン酸塩配列によるSNPスコアリングが挙げられる。増幅配列の解析は、マイクロチップ、蛍光偏光アッセイ、およびMALDI−TOF(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)質量分析などの様々な技術を用いて行うことができる。使用することができる2つの方法は、フラップヌクレアーゼによる侵襲的切断及びpadlockプローブを採用した方法論に基づくアッセイである。
特定の対立遺伝子の存在又は非存在の決定は、一般に、分析される個体から得られる核酸試料を分析することによって行われる。多くの場合、核酸試料はゲノムDNAを含む。ゲノムDNAは、典型的には、血液サンプルから得られるが、他の細胞または組織から得ることもできる。
多型性対立遺伝子の存在についてRNAサンプルを分析することも可能である。例えば、mRNAは、一以上の多型性部位での個体の遺伝子型を決定するために使用することができる。この場合には、核酸サンプルは、標的核酸が発現される細胞、例えば脂肪細胞から得られる。このような分析は、例えば、ウイルス逆転写酵素を用いて標的RNAを最初に逆転写し、次いで得られたcDNAを増幅することによって、又は米国特許第5310652号;第5322770号;第5561058号;第5641864号;及び第5693517号に記載されるように、複合高温逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いて行うことができる。
SNPを検出するための核酸サンプルの分析のための頻繁に使用される方法論を簡潔に説明する。しかしながら、当該分野で公知の任意の方法を、単一のヌクレオチド置換の存在を検出するために、本発明において使用することができる。
a.対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション
この手法は、また、一般的に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションと呼ばれ(ASO)(例えば、Stoneking et al., Am. J. Hum. Genet. 48:70-382, 1991; Saiki et al., Nature 324, 163-166, 1986; 欧州特許235726号; 及び国際公開第89/11548号)、核酸サンプルの増幅から得られた増幅産物に変異体の一つに特異的なオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせることによって一つの塩基だけ異なる2つのDNA分子間を区別することに依存している。この方法は通常、短いオリゴヌクレオチド、例えば15−20塩基長を用いる。プローブは、差次的に別の対一変形にハイブリダイズするように設計されている。そのようなプローブを設計するための原理と指針は、当該分野で、例えば本明細書に引用された参考文献において利用可能である。ハイブリダイゼーション条件は、対立遺伝子間のハイブリダイゼーション強度に有意差があるように十分にストリンジェントであるべきで、本質的に二値応答を生成し、それによりプローブは対立遺伝子の一方にのみハイブリダイズする。幾つかのプローブは、多型部位がプローブの中央位置と合致するように(例えば、7位に15塩基のオリゴヌクレオチド中;8又は9位のいずれかで16塩基のオリゴヌクレオチド中)、標的DNAのセグメントにハイブリダイズするように設計されているが、しかしこの設計は必要ではない。
対立遺伝子の量及び/又は存在は、サンプルにハイブリダイズする対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの量を測定することによって決定される。一般的に、オリゴヌクレオチドは、蛍光標識などの標識で標識されている。例えば、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、SNP配列を表す固定化されたオリゴヌクレオチドに適用される。ストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件の後、蛍光強度が、各SNPオリゴヌクレオチドについて測定される。
一実施態様において、多型部位に存在するヌクレオチドは、または多型部位を含む領域における多型性対立遺伝子の一つに正確に相補的なオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーとの配列特異的ハイブリダイゼーション条件下で、ハイブリダイゼーションによって同定される。プローブ又はプライマーのハイブリダイズ配列と配列特異的なハイブリダイゼーション条件が、多型部位での単一のミスマッチがそれが効率的に形成されないように十分にハイブリダイゼーション二本鎖を不安定化させるように選択される。従って、配列特異的なハイブリダイゼーション条件下で、安定な二本鎖は、プローブ又はプライマーと完全に相補的な対立遺伝子配列との間に形成される。従って、多型部位を含む領域における対立遺伝子配列と完全に相補的である、長さが約10から約35ヌクレオチド、通常は、長さが15から約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが本発明の範囲内にある。
代わりの実施態様では、多型部位に存在するヌクレオチドは、多型部位を含む領域内のSNP対立遺伝子の一つに実質的に相補的で、及び多型部位での対立遺伝子に正確に相補的であるオリゴヌクレオチドと十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションによって同定される。非多型部位で生じるミスマッチが対立遺伝子配列の両方とミスマッチであるため、標的対立遺伝子配列と形成される二本鎖及び対応する非標的対立遺伝子配列と形成される二本鎖におけるミスマッチの数の差は、標的対立遺伝子配列に厳密に相補的なオリゴヌクレオチドを用いた場合と同様である。この実施態様では、非標的配列との安定な二重鎖の形成を排除するのに十分なストリンジェンシーを維持しつつ、ハイブリダイゼーション条件は、標的配列と安定な二重鎖の形成を可能にするのに十分に緩和される。そのように十分ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、安定な二本鎖は、プローブ又はプライマーと標的対立遺伝子との間に形成されるであろう。従って、多型部位を含む領域における対立遺伝子配列と実質的に相補的であり、多型部位で対立遺伝子配列と厳密に相補的である、長さが約10から約35ヌクレオチド、通常は、長さが15から約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが本発明の範囲内にある。
厳密というよりも実質的に相補的なオリゴヌクレオチドの使用が、ハイブリダイゼーション条件の最適化が制限されるアッセイ形式において望まれうる。例えば、典型的な多標的固定化オリゴヌクレオチドアッセイ形式では、各標的のためのプローブ又はプライマーが、単一の固体支持体上に固定化される。ハイブリダイゼーションは、標的DNAを含む溶液と固体支持体を接触させることによって同時に行われる。全てのハイブリダイゼーションが同一の条件下で実施されるので、ハイブリダイゼーション条件は各プローブまたはプライマーのために別個に最適化することができない。プローブ又はプライマーへのミスマッチの組み込みは、アッセイ形式がハイブリダイゼーション条件の調整を妨げる場合、二本鎖の安定性を調節するために使用することができる。二本鎖の安定性に対する特別に導入されたミスマッチの影響はよく知られており、二本鎖の安定性は、上述のように、常に推定され経験的に決定することができる。正確なサイズおよびプローブ又はプライマーの配列に依存する適切なハイブリダイゼーション条件は、本明細書に提供され当技術分野で公知の指針を用いて経験的に選択することができる。配列中の一塩基対の相違を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーの使用は、例えば、Conner et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:278-282、及び米国特許第5,468,613号及び第5,604,099号に記載され、それぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
完全に一致及び一塩基がミスマッチであるハイブリダイゼーション二本鎖間の安定性の比例変化は、ハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドの長さに依存する。短いプローブ配列で形成された二本鎖は、ミスマッチの存在によって比例的に不安定にされる。長さが約15から約35ヌクレオチドの間のオリゴヌクレオチドは、しばしば、配列特異的検出に使用される。更に、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの末端は、連続ランダム解離および熱エネルギーによる再アニーリングを受けるため、どちらかの末端でのミスマッチが、内部で発生するミスマッチよりも小さく、ハイブリダイゼーション二本鎖を不安定化する。標的配列における単一塩基対の変化を識別するために、多型部位がプローブの内部領域に生じるように、標的配列にハイブリダイズするプローブ配列が選択される。
特定の対立遺伝子にハイブリダイズするプローブ配列を選択するための上記基準は、プローブのハイブリダイズ領域、すなわち、標的配列とのハイブリダイゼーションに関与するプローブの部分に適用される。プローブは、プローブのハイブリダイゼーション特性を著しく変化させることなく、プローブを固定化するために使用されるポリT尾部などの付加的核酸配列に結合することができる。当業者は、本発明の方法における使用のために、標的配列に相補的でない、従って、ハイブリダイゼーションに関与しない付加et記核酸配列に結合したプローブが、本質的に非結合プローブと等価であることを認識するであろう。
プローブ及びサンプル中の標的核酸配列との間に形成されたハイブリッドを検出するための適切なアッセイ形式は、当技術分野で知られており、固定化標的(ドットブロット)形式及び固定化プローブ(リバースドットブロットまたはラインブロット)アッセイ形式が含まれる。ドットブロットおよびリバースドットブロットアッセイ形式は、米国特許第5,310,893号;第5,451,512号;第5,468,613号;及び第5,604,099号に記載され、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
ドットブロット形式では、増幅された標的DNAは、例えば、ナイロン膜などの固体支持体上に固定化される。膜−標的複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下で、標識されたプローブとインキュベートされ、ハイブリダイズしなかったプローブは、適切にストリンジェントな条件下で洗浄することによって除去し、膜は結合したプローブの存在について監視される。
リバースドットブロット(又はラインブロット)形式では、プローブは、ナイロン膜またはマイクロタイタープレートなどの固体支持体上に固定化される。標的DNAは、典型的には標識プライマーの取り込みによる増幅中に、標識される。プライマーの一方または両方を標識することができる。膜−プローブ複合体は、適切なハイブリダイゼーション条件下で、標識された増幅された標的DNAとインキュベートされ、ハイブリダイズしなかった標的DNAは、適切にストリンジェントな条件下で洗浄することによって除去し、膜は結合した標的DNAの存在について監視される。リバースラインブロット検出アッセイは実施例に記載される。
多型変異体の一つに特異的である対立遺伝子特異的プローブは、しばしば、他の多型変異体の対立遺伝子特異的プローブと組み合わせて使用される。幾つかの実施態様において、プローブは固体支持体上に固定化され、個体の標的配列が同時に両方のプローブを使用して分析される。核酸アレイの例は国際公開第95/11995号に記載されている。同じアレイ又は別のアレイを特徴付けられた多型性の分析に使用することができる。国際公開第95/11995号はまた、事前に特徴付けられた多型性の変異型を検出するために最適化されたサブアレイを説明している。そのようなサブアレイは、本明細書に記載の多型性の存在を検出するのに用いることができる。
b.対立遺伝子特異的プライマー
多型性はまた、一般的に対立遺伝子特異的増幅またはプライマー伸長法を用いて検出される。これらの反応は、プライマーの3’末端のミスマッチを介して多型性を特異的に標的とするように設計されたプライマーの使用を典型的に含む。ミスマッチの存在は、ポリメラーゼが、誤りを訂正する活性を欠いているときプライマーを伸長するポリメラーゼの能力に影響を与える。例えば、対立遺伝子特異的増幅又は伸長に基づく方法を用いて対立遺伝子配列を検出するために、多型性の一つの対立遺伝子に相補的なプライマーは、3’末端ヌクレオチドが多型位置でハイブリダイズするように設計される。特定の対立遺伝子の存在は、伸長を開始するプライマーの能力によって決定することができる。3’末端がミスマッチである場合、伸長が妨げられる。
幾つかの実施態様において、プライマーは増幅反応において第二のプライマーと組み合わせて使用される。第二のプライマーは多型位置に関係のない部位でハイブリダイズする。特定の対立遺伝子型を示す検出可能な生成物をもたらす二つのプライマーから開始する増幅が存在している。対立遺伝子特異的増幅又は伸長に基づく方法は、例えば、国際公開第93/22456号;米国特許第5,137,806号;第5,595,890号;第5,639,611号;及び米国特許第4,851,331号に記載されている。
対立遺伝子特異的増幅に基づく遺伝子型決定を用いて、対立遺伝子の同定は、増幅された標的配列の存在又は非存在の検出のみを必要とする。増幅された標的配列の検出のための方法は当該分野で周知である。例えば、記載されるゲル電気泳動及びプローブハイブリダイゼーションアッセイは、しばしば、核酸の存在を検出するために使用される。
別法のプローブレス方式では、増幅された核酸は、反応混合物中の二本鎖DNAの全量の増加をモニターすることにより検出され、例えば、米国特許第5,994,056号;及び欧州特許公開番号487,218及び512,334に説明される。二本鎖標的DNAの検出は、二本鎖DNAに結合したときに呈する、蛍光性の様々なDNA結合色素、例えば、SYBRグリーンに依存する。
当業者によって理解されるように、対立遺伝子特異的な増幅方法は、特定の対立遺伝子を標的化するために複数の対立遺伝子特異的プライマーを用いる反応で行うことができる。このような多重アプリケーション用のプライマーは、一般的に識別可能な標識で標識されているか又は、対立遺伝子から産生される増幅産物がサイズによって識別可能であるように選択される。従って、例えば、単一サンプル中の両方の対立遺伝子は、増幅産物のゲル分析により単一増幅を用いて同定することができる。
対立遺伝子特異的プローブの場合と同様に、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、ハイブリダイズ領域における多型性対立遺伝子の一つに厳密に相補的であり得るか、又はミスマッチが両方の対立遺伝子配列内の非多型部位で生じる、オリゴヌクレオチドの3’末端以外の位置で幾つかのミスマッチを有していてもよい。
c.検出可能なプローブ
i)5’−ヌクレアーゼアッセイプローブ
遺伝子型決定はまた、米国特許第5,210,015号;第5,487,972号;及び第5,804,375号;及び Holland et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276-7280に記載のように「TaqMan(登録商標)」又は「5’−ヌクレアーゼアッセイ」を用いて行うことができる。TaqMan(登録商標)アッセイにおいて、増幅された領域内でハイブリダイズする標識検出プローブが増幅反応中に添加される。プローブがDNA合成のためのプライマーとして作用するのを防止するようにプローブが修飾される。増幅は、5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを用いて行われる。増幅の各合成ステップの間、伸長されたプライマーから下流の標的核酸にハイブリダイズする任意のプローブは、DNAポリメラーゼの5’−3’−エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。従って、新規標的鎖の合成は、プローブの分解をももたらし、分解産物の蓄積は標的配列の合成の程度を提供する。
ハイブリダイゼーションプローブは、SNP対立遺伝子間を識別する対立遺伝子特異的プローブであり得る。あるいは、この方法は、対立遺伝子特異的プライマー及び増幅産物に結合する標識プローブを用いて行うことができる。
分解産物を検出するのに適した任意の方法は、5’−ヌクレアーゼアッセイにおいて使用することができる。しばしば、検出プローブは、一方が他の色素の蛍光を消光することが可能である2つの蛍光色素で標識される。プローブがハイブリダイズしていない状態にあるとき消光が起き、そしてDNAポリメラーゼの5’−3’−エキソヌクレアーゼ活性によるプローブの開裂が2つの色素間で起こるように、色素がプローブに結合され、通常、一方が5’末端に、他方が内側部位に結合される。増幅は、消光の同時消失及び最初に消光される色素からの観察可能な蛍光の増加を伴う色素間のプローブの切断を生じる。分解産物の蓄積は、反応蛍光の増加を測定することによって監視される。米国特許第5,491,063号及び第5,571,673号は、両方とも本明細書中に参考として援用され、増幅に同時に起きるプローブの分解の代替的検出方法を記載している。
ii)二次構造プローブ
二次構造変化の際に検出可能なプローブは、SNPを含む多型性の検出に適している。例示した二次構造またはステム−ループ構造プローブは、分子ビーコン又はScorpion(登録商標)プライマー/プローブを含む。分子ビーコンプローブは、フルオロフォアとクエンチャーが通常、オリゴヌクレオチドの両端に配置される、ヘアピン構造を形成できる一本鎖オリゴ核酸プローブである。プローブの両端で、短い相補的な配列は、フルオロフォアとクエンチャーが近接状態になることを可能にする分子内ステムの形成を可能にする。分子ビーコンのループ部分は、目的の標的核酸に対して相補的である。目的とするその標的核酸に対するこのプローブの結合は、ステムを強制的に離すハイブリッドを形成している。これは、フルオロフォアとクエンチャーを動かして互いに離し、より強い蛍光シグナルをもたらすコンフォメーション変化を引き起こす。しかしながら、分子ビーコンプローブは、プローブ標的の小さな配列変異に非常に敏感である(Tyagi S. and Kramer F. R., Nature Biotechnology, Vol. 14, pages 303-308 (1996); Tyagi et al., Nature Biotechnology, Vol. 16, pages 49-53(1998); Piatek et al., Nature Biotechnology, Vol. 16, pages 359-363 (1998); Marras S. et al., Genetic Analysis: Biomolecular Engineering, Vol. 14, pages 151-156 (1999); Tpp I. et al, BioTechniques, Vol 28, pages 732-738 (2000))。Scorpion(登録商標)プライマー/プローブは、共有結合したプライマーに連結されたステム−ループ構造プローブを含む。
d.DNA配列と一塩基伸長
SNPはまた、直接配列決定によって検出することができる。方法としては、例えば、ジデオキシ配列決定に基づく方法や、マクサムとギルバート配列などの他の方法が挙げられる(例えば、Sambrook and Russell,上掲を参照)。
他の検出方法は、オリゴヌクレオチドの長さの産物のパイロシークエンシングTMが挙げられる。そのような方法は、多くの場合、PCRのような増幅技術を使用する。例えば、パイロシーケンシングでは、配列決定プライマーは、一本鎖、PCR増幅、DNA鋳型にハイブリダイズされ;酵素であるDNAポリメラーゼ、ATPスルフリラーゼ、ルシフェラーゼ及びアピラーゼ及び基質であるアデノシン5’ホスホ硫酸(APS)及びルシフェリンと共にインキュベートされる。4つのデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の第一番目を反応に加える。DNAポリメラーゼは、DNA鎖に(それが鋳型鎖中の塩基に相補的である場合に)デオキシヌクレオチド三リン酸の取り込みを触媒する。各取り込み事象は、取り込まれたヌクレオチドの量に対して等モル量のピロリン酸(PPi)の放出を伴う。ATPスルフリラーゼはアデノシン5’ホスホ硫酸の存在下で定量的にPPiをATPに変換する。このATPは、ATPの量に比例する量で可視光を生み出すルシフェリンのオキシルシフェリンへのルシフェラーゼ媒介性変換を駆動する。ルシフェラーゼ触媒反応において生成された光は、電荷結合素子(CCD)カメラによって検出され、パイログラムTMにおいてピークとして見られる。各光シグナルは、取り込まれたヌクレオチドの数に比例する。ヌクレオチド分解酵素のアピラーゼは、取り込まれていないdNTP及び過剰のATPを継続的に分解する。分解が完了すると、別のdNTPが添加される。
SNPを特徴付けるための別の類似の方法は、完全PCRの使用を必要としないが、通常、検討するヌクレオチドに相補的である、単一の蛍光標識されたジデオキシリボ核酸分子(ddNTP)によるプライマーの伸長だけを使用する。多型部位の塩基は、一塩基だけ伸長されており、蛍光標識されたプライマーの検出を介して同定することができる(例えば、Kobayashi et al, Mol. Cell. Probes, 9:175-182, 1995を参照)。
e.電気泳動
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて生成された増幅産物は、変性勾配ゲル電気泳動を用いて分析することができる。異なる対立遺伝子は異なる配列依存性融解特性及び溶液中のDNAの電気泳動移動に基づいて同定することができる(例えば、Erlich, ed., PCR Technology, Principles and Applications for DNA Amplification, W. H. Freeman and Co, New York, 1992, 7章を参照)。
マイクロサテライト多型性の区別は、キャピラリー電気泳動を用いて行うことができる。キャピラリー電気泳動は、好都合に、特定のマイクロサテライト対立遺伝子における反復の数を同定を可能とする。DNA多型性の解析へのキャピラリー電気泳動の適用は、当業者によく知られている(例えば、Szantai, et al, J Chromatogr A. (2005) 1079(1-2):41-9; Bjorheim and Ekstrom, Electrophoresis (2005) 26(13):2520-30 and Mitchelson, Mol Biotechnol. (2003) 24(1):41-68を参照)。
f.一本鎖高次構造多型解析
標的配列の対立遺伝子は、一本鎖PCR産物の電気泳動移動度の変化により塩基の違いを識別する一本鎖高次構造多型解析を用いて区別することができ、例えば、Orita et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 86, 2766-2770 (1989)に記載される。上記のように増幅されたPCR産物を生成することができ、そして加熱して又は他の方法で変性させて、一本鎖増幅産物を形成する。一本鎖核酸は、リフォールディングし又は塩基配列に部分的に依存する二次構造を形成してもよい。一本鎖増幅産物の異なる電気泳動移動度は、標的の対立遺伝子間の塩基配列の差に関連しうる。
SNP検出法は、しばしば、標識されたオリゴヌクレオチドを使用する。オリゴヌクレオチドは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、又は化学的手段により検出可能な標識を組み込むことによって標識することができる。有用な標識は、蛍光色素、放射性標識、例えば32P、電子密度試薬、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼなどの酵素、ビオチン、又はハプテン、及び抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能なタンパク質を含む。標識技術は当技術分野で良く知られている(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, 上掲; Sambrook & Russell, 上掲)。
4.治療の方法
EMEAによると、特定の癌の治療のためのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))の投与量は以下の通りである。結腸または直腸の転移性癌(mCRC)では、推奨投与量は2週間に1回与えられる体重の5mg/kg又は10mg/kg、又は3週間に1回与えられる体重の7.5mg/kg又は15mg/kg、転移性乳癌(mBC)では、推奨投与量は、静脈内注入として2週間に1回与えられる体重の10mg/kg又は3週間に1回与えられる体重の15mg/kg、及び非小細胞肺癌(NSCLC)では、推奨投与量は、静脈内注入として3週間に1回与えられる体重の7.5mg/kg又は15mg/kgである。NSCLC患者における臨床的利益は7.5mg/kg及び15mg/kgの用量の両方で実証されている。詳細は、Pharmacodynamic Properties, Non-small cell lung cancer (NSCLC)のセクション5.1を参照。進行性及び/又は転移性腎細胞癌(MRCC)では、好ましい投与量は静脈内注入として2週間に1回与えられる体重の10mg/kgである(治療の最大6サイクルで白金に基づく化学療法、続いて疾患の進行まで単剤としてベバシズマブ(アバスチン(登録商標))に加えて)。グリオブラストーマでは特定の投与量は2週間毎に10mg/kgである。
本発明との関連において、血管新生阻害剤は、当該分野で公知の標準的な化学療法レジメンの一部として投与される一以上の化学療法剤による併用療法又は併用処置として又はそれらに加えて投与され得る。標準的な化学療法レジメンに含まれる薬剤の例としては、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン、エルロチニブ、カペシタビン、ドセタキセル及びパクリタキセルなどのタキサン、インターフェロンα、ビノレルビン、及びパクリタキセル、カルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤が挙げられる。転移性膵臓癌の併用処置の例としては、2週間に1回与えられる体重の5mg/kg又は10mg/kgの用量でのゲムシタビンエルロチニブ+ベバシズマブ、又は3週間に1回与えられる体重の7.5mg/kg又は15mg/kgが含まれる。腎細胞癌の併用処置の例としては、隔週に1回与えられる体重の10mg/kgでのインターフェロンアルファ+ベバシズマブが含まれる。更に、患者は、IFLとも称する、イリノテカン、5−フルオロウラシル、ロイコボリンの組み合わせで、例えば、ボーラスIFLとして、FOLFOX4レジメンとも称するオキサリプラチン、ロイコボリン及び5−フルオロウラシルとの組合せで、又はXELOXとも称するカペシタビンとオキサリプラチンとの組み合わせで併用治療することができる。従って、本発明の更なる実施態様において、悪性疾患又は生理学的及び病理学的血管新生を伴う疾患に罹患している患者は、例えば、5フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビンエルロチニブ、カペシタビン、及び/又はパクリタキセル、カルボプラチン及びオキサリプラチンなどの白金系化学療法剤のうち一以上の化学療法剤により治療されている。併用治療又は併用処置の例としては、ボーラスIFLと共に2週間に1回の5mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、または転移性結腸直腸癌についてはFOLFOX4と共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、非扁平上皮非小細胞肺癌についてはカボプラチス(caboplatis)/パクリタキセルと共に3週ごとの15mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、および転移性乳癌についてはパクリタキセルと共に2週ごとの10mg/kgのベバシズマブ(アバスチン(登録商標))が挙げられる。更に、投与対象の血管新生阻害剤は、放射線療法との併用治療又は併用処置として投与され得る。
5.キット
本発明はまた、上述のオリゴヌクレオチドのいずれか、及び適切な検出手段を任意で含む診断組成物またはキットに関する。
本発明のキットは、本発明の方法を実行するために有利に使用され得、とりわけ種々の適用、例えば診断分野においてまたは研究ツールとして使用され得る。本発明のキットの一部は、バイアル中、または容器中もしくは複数の容器単位中の組合せ中の個々のパッケージであり得る。そのキットの製造は、好ましくは当業者に公知の標準的な手順に従う。キットまたは診断組成物は、例えば本明細書に記載の増幅技術を使用して、本発明の本明細書に記載される方法により一以上のバリアント対立遺伝子の検出のために使用され得る。
したがって、本発明の更なる実施態様において、本発明は、一以上のSNPの遺伝子型の存在を決定し得るオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む、本明細書に記載の方法を実施するために有用なキットを提供する。オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは、プライマー及び/又はプローブを含むことができる。
本発明は以下の限定されない図面及び実施例を参照して更に説明される。
実施例1:
遺伝的決定は、VEGFに対する内皮細胞の感受性に影響を与えることができる。これに従って、本発明との関連で、我々は、この治療レジメンの下での抗血管新生治療および高血圧の発生のための予測パターンを発見するために、基礎となるシグナル伝達経路における遺伝的変異性を調査した。この分析では、異なる進行性原発性癌を有する患者の臨床転帰とVEGF−Aシグナル伝達経路における遺伝的変異の相関関係を、5つの異なる試験で評価した。5つ全ては、転移性結腸直腸癌(NO16966試験)、転移性膵臓癌(AVITA)、進行性又は再発性非扁平上皮非小細胞肺癌(AVAIL)、転移性腎癌(AVOREN)及びHER2陰性転移性乳癌(AVADO)の被験者でBEV(ベバシズマブ)の有効性と安全性を調査するための無作為化並列試験であった。
5試験全てにおいて、オプションのDNAバイオマーカーサンプリングがSNP解析のために含られた。合計では、生殖細胞DNAは、1346人の患者から入手可能であった。低酸素誘導因子−1α及び−2α、VEGF−A、その受容体(VEGFR−1及び−2)及びその他の関連する遺伝子の中に位置する共通の単一塩基多型(SNP)は、文献に基づき、SNPタグ付けアプローチ(f≧0.1とR≦0.8)を使用して選択した。157のSNPは、MALDI−TOF質量分析法を用いて首尾良く遺伝子型を同定された。リスク及び生存の推定値はCox回帰分析を用いて計算した。
二つのタイプの分析を実施した。
1.PFS及びOSへの遺伝子マーカーの相関関係。
2.「治験薬とは無関係」として分類されていない高血圧症に対する遺伝子マーカーの相関関係
VEGF−Aプロモーターに位置するrs699946(配列番号1)SNPは、対立遺伝子のHRが1.26(95% CI 1.07−1.48,p=0.005)であるbev治療被験者における改善されたPFSと関連していた。プラセボ被験者においては全く効果が見られず、rs699946(配列番号1)がベバシズマブ治療による良好な転帰の予測マーカーであり得ることを示唆している。VEGFR2に位置するrs11133360(配列番号5)SNPは、対立遺伝子のHRが1.15(95% CI 1.02−1.30,p=0.02)であるベバシズマブ治療被験者における改善されたPFSと関連していた。OSの観点から、VEGFR2のrs12505758(配列番号2)SNPは、ベバシズマブ治療被験者(対立遺伝子のHR 1.50,95% CI 1.21−1.86,p=0.0002)における改善されたOSと関連していた。プラセボ被験者においてはrs12505758(配列番号2)の効果は全く見られなかった。
10のSNPがベバシズマブ誘導性高血圧症と関連していたが(p<0.05)、しかし、これらは何れも多重検定のしきい値を超えていなかった(p<0.0003)。最も強い関連を示す2つのSNP(p<0.01)は、KDRにあるrs2305949(配列番号3)(対立遺伝子のOR 0.93,95% CI 0.88−0.98,p=0.0067)、及びEGFにあるrs4444903(配列番号4)(対立遺伝子のOR 1.06,95% CI 1.02−1.11,p=0.0052)であった。興味深いことに、rs2305949(配列番号3)及びrs4444903(配列番号4)は、KDRとEGFの位置273及び708上で生じるアミノ酸変化と密接に関連しており、これらの変化は、機能的に両方の遺伝子に影響を及ぼし、それによって高血圧の一因となり得ることを示唆している。特記すべきは、WNK1にあるrs11064560はまたベバシズマブ誘導性高血圧と関連しており(対立遺伝子のOR 1.06,95% CI 1.01−1.10,p=0.02)、それにより限られた数の患者で以前の観察を裏付けている[Frey et al. J Clin Oncol 26: 2008 (May 20 suppl; abstr 11003)]。
患者及び方法
サンプル
全5試験のプロトコルは、各場所の施設内倫理委員会によって承認され、かつヘルシンキ宣言、現在の米国食品医薬品局の医薬品の臨床試験の実施の基準及び地域の倫理的法的要件に従って行った。合計では、1346年の被験者が遺伝子型を同定した。これらの被験者の中で、1225人が白人及び121人が非白人であった。非白人の患者は白人患者から遺伝的に区別され、SNPの頻度は両方の民族グループの間で異なる場会があるため、非白人の患者は更なる分析から除外された。全ての患者は、遺伝的バイオマーカーテストのため別の書面によるインフォームドコンセントを提供した。
評価
患者は、以下の参考文献に記載の研究プロトコルに従って評価した:
− AVITA:Van Cutsem et al., J. Clinc.Oncol.27, 2231-7 (2009)
− AVAIL:Reck M, von Pawel J, Zatloukal P, et al.非扁平上皮非小細胞肺癌の一次治療としてプラセボ又はベバシズマブのいずれかを伴うシスプラチンとゲムシタビンの第III相試験:AVAiL.J Clin Oncol 2009;27(8):1227-34
− AVOREN:Escudier B, Pluzanska A, Koralewski P, Ravaud A, Bracarda S, Szczylik C, et al.転移性腎細胞癌の治療のためのベバシズマブとインターフェロンアルファ−2a:無作為化、二重盲検第III相試験、Lancet.2007;370(9605):2103-2111
− AVADO:Miles DW, et al., J Clin Oncol 2010a;28(20):3239-47
− NO16966:Saltz LB, Clarke S, Diaz-Rubio E, et al.転移性結腸直腸癌における一次治療としてのオキサリプラチンに基づく化学療法との組み合わせにおけるベバシズマブ:無作為化第III相試験、J Clin Oncol 2008;26(12):2013-2019
一塩基多型の選択
2つのマーカーパネルが分析のために考慮された。ロシュパネル及びルーベンパネル。ロシュパネルはBEV治療への潜在的関連性について文献調査によって選択された35の遺伝子多型で構成される。パネルはSNP及び以下の遺伝子:VEGFA,NOS3,FLT1(VEGFR1),KDR(VEGFR2),WNK1,IL8,IL8R及びIFNAR2内にある反復多型で構成される。ルーベンパネルは、VEGFのシグナル伝達カスケードから、又は既知の副作用、高血圧症又は血栓症の候補遺伝子からの186タグSNPからなり、以下の遺伝子:VEGFリガンド、VEGFホモログ(胎盤成長因子又はPlGF、VEGF−B及び−C;並びにVEGF−D又はFlGF)、VEGF受容体2(KDR又はVEGFR−2)及びVEGF受容体−1(FLT1又はVEGFR−1)が含まれる。各遺伝子の3’ポリAアデニル化部位までの翻訳開始部位の5kb上流が、HapMapデータベース(HapMap Data Rel 24/phaseII Nov08, on NCBI B36 assembly, dbSNP b126)からのSNPを選択するために使用された。タグ付きSNPは、HAPLOVIEWソフトウェアパッケージ(Barrett, J.C., et al., Bioinformatics. 21, 263-5 (2005))で提供されるTagger(Pe'er, I., et al., Nat. Genet. 38, 663-7 (2006))を用いて選択した。一般的に発生するSNPのみが、即ち少数の対立遺伝子頻度f≧0.1及び最小のr閾値≧0.8が考慮された。これらの基準に従って合計167のタグ付きSNPが選択された。更に、エキソン配列に位置し、頻度f≧0.1で非同義アミノ酸の変化を誘導する11のSNP、並びにVEGFにある4つのSNP(rs699947、rs833061、rs2010963及びrs3025039)、VEGFR−1にある1つのSNP(rsTP53_R−1)、及びVEGFR−2にある1つのSNP(rs2071559)(これらは以前は、これらの遺伝子の機能または発現に影響することが報告されている)がdbSNPデータベースから選択された。
2つのパネル内のマーカーの間に一部重複があり、パネルの大きさは6つの試験の期間にわたってわずかに増加しており、前の試験ではかなり少数のマーカーが利用可能である。現在のメタ分析は、遺伝子型決定が研究中に少なくとも2つの試験で行われたマーカーに限定されている。
次の4つのマーカーセットが定義された:
「すべてのマーカー」は、少なくとも1の遺伝子型が得られたアッセイされたすべてのマーカーからなる。
「ロシュマーカー」は、品質チェックに合格し(下記参照)及び白人被験者中で1%を超える頻度を有するロシュパネルからのマーカーからなる。
「ルーベン有効性マーカー」は、VEGF経路に関係する遺伝子座にあり、品質チェックに合格し(下記参照)及び白人被験者中で1%を超える頻度を有するルーベンパネルからのマーカーからなる。
「ルーベン安全性マーカー」は、高血圧又は血栓症への関与についての候補遺伝子にあり、品質チェックに合格し(下記参照)及び白人被験者中で1%を超える頻度を有するルーベンパネルからのマーカーからなる。
遺伝子型判定
末梢血をK2EDTAプラスチックバキュテナーチューブに採取した。遠心分離後、生殖細胞系DNAは、標準的な手順に従って、沈殿した白血球細胞画分から抽出した。
ロシュパネルのSNPについては、遺伝子型決定は、ロシュトランスレーショナルリサーチ科学遺伝学研究所(バーゼル、スイス)で対立遺伝子特異的PCR増幅、サンガー配列決定、及びフラグメント解析プラットフォームを用いて盲検法で実施した(AVAIL、AVITA、AVOREN、AVADO、NO16966)。
ルーヴェンパネルのSNPについては、遺伝子型決定は、シーケノムのiPLEXプラットフォーム(シーケノム社、サンディエゴ、CA、USA)を用いてヴェサリウス研究センター(ルーベン、ベルギー)で盲検法で行った。最初の遺伝子型判定ラウンドで堅牢な遺伝子型を提供するのに失敗した全てのSNPは、ポリメラーゼ連鎖反応プライマーの異なる組を使用して再設計されて再試験した。全体的に、157(85.3%)が、98.5%の全体的な成功率を有し、成功裏に遺伝子型を同定した。また、2回目の設計に失敗した27のSNPは失敗とみなされた。
次の増幅プライマーが、SNPのrs699946(配列番号1),rs12505758(配列番号2),rs2305949(配列番号3),rs4444903(配列番号4)及びrs11133360(配列番号5)について設計された。rs699946(配列番号1)では、ACGTTGGATGCTACCACTAGTGTTGGCTTG(配列番号6)及びACGTTGGATGTGAGCTCCACACTGCCTTC(配列番号7)を用いた。SNP rs12505758(配列番号2)では、ACGTTGGATGCTTTACTCTGCCAAATCTATG(配列番号8)及びACGTTGGATGGCTAATAAGCTTATACATTTG(配列番号9)を用いた。rs2305949(配列番号3)では、ACGTTGGATGATCCTATACCCTAGAGCAAG(配列番号10)及びACGTTGGATGATCTGTGCAAAGTTATAGGC(配列番号11)を用いた。rs4444903(配列番号4)では、ACGTTGGATGTCTTCTTTCAGCCCCAATCC(配列番号12)及びACGTTGGATGAAGAAAGGAAGAACTGATGG(配列番号13)を用いた。rs11133360(配列番号5)では、ACGTTGGATGTTTCACATTGCTATGCCCAA(配列番号14)及びACGTTGGATGCTCTTTCTTCACTTTGACTG(配列番号15)を用いた。
次の増幅プライマーが、SNPのrs699946(配列番号1),rs12505758(配列番号2),rs2305949(配列番号3),rs4444903(配列番号4)及びrs11133360(配列番号5)について設計された。rs699946(配列番号1)では、ATTAGTCAATTCTCTGACAGAGACA(配列番号16)を用いた。rs12505758(配列番号2)では、TTACTCTGCCAAATCTATGATGCCA(配列番号17)を用いた。rs2305949(配列番号3)では、CTAGAGCAAGTAAATTGAAAAAA(配列番号18)を用いた。rs4444903(配列番号4)では、GCATCTCCAATCCAAGGGTTGT(配列番号19)を用いた。rs11133360(配列番号5)では、CACATTGCTATGCCCAACACATC(配列番号20)を用いた。
品質チェック
データは以下のように品質についてチェックした。
アッセイ鎖の均一性が確認された。
欠損データのレベルをまとめた。
マイナー対立遺伝子頻度(MAF<1%)を有するマーカーは除外された。
対立遺伝子頻度の均質性の試験が失敗したマーカーは除外された。
ハーディワインベルグ平衡(HWE)の試験が解釈を支援するために実施された。
品質チェック後、25のロシュマーカー、133のルーベン有効性マーカー及び22のルーベン安全マーカーを、統合連関分析に付した。
統計分析
研究によって層別化された個々の患者データの統合解析は、均一頻度を有する全てのマーカーに適用された。有効性の候補マーカーを、コックス比例ハザード回帰を用いて、PFSとOSへの関連について試験した。安全性の候補マーカーを、ロジスティック回帰を用いて、高血圧への関連について試験した。一次解析は、ITT(有効性エンドポイントの場合)からの白人のベバシズマブで治療された被験者及び必要に応じてSPを含んでいた。調整は以下の共変量について全ての連想検査で行われた:地域、研究及び用量及び背景の化学療法レジメン。後方ステップワイズ回帰を使用してエンドポイントによって選択された、次の変数のサブセットも同様に調整された:ECOG活動指標(0対1)、性別(女性対男性)、年齢、LDH、アルカリホスファターゼレベル(正常範囲内対正常範囲以上)、血清アルブミン(<2.9g/dL対>=2.9g/dL)、及び転移部位のベースライン数(>2対<=2)。任意の検出された関連性が治療効果よりも一時的効果を反映したかどうかを調べるために、連想検査も白人のプラセボ処置被験者で実施した。更に、検出された任意の関連性を特徴付けるために、遺伝子型X処置の相互作用分析を白人被験者で実施した。
データ
26のロシュマーカー、136のルーベン有効性マーカー及び22のルーベン安全性マーカーが品質チェックに合格し、均質性分析に供された。表1は、メタ分析に組み込まれる被験者の数を示す。ITT中3人の被験者は、SPにはおらず、3人の被験者は無作為化週用量(RNDWD)の欠測値を持っていた。
Figure 2014526901
遺伝的患者集団の臨床的特徴
人口統計学的およびエンドポイント特性が臨床試験により、そしてPGx−ITT−BEV−の全民族の患者全体によって表2にまとめた。エンドポイントの分布が図1−4にグラフで描かれている。
Figure 2014526901
臨床データは5試験から1348人の被験者で、治療群とプラセボで全体的に同数で利用可能であった。他の試験とは対照的に、男性は、進行性乳癌の試験であったBO17708(AVADO)に参加していない。白人の年齢分布及び割合は、最大の治験NO16966で白人の被験者がわずかに低い割合であることを除いて、広く均質であった。OSとPFSの中央値の長さは、打ち切りの率と同様に、大きく異なっていた。予想されたように、OSのための打ち切りは、PFSの場合よりもはるかに大きく、統計的項目において、その作用は、PFSに比べてOSへの関連性を検出する能力を低減することになる。BORの割合はBEVで治療された被験者で49%であり、PBOで治療された被験者で46%であった。高血圧症の割合はBEVで治療された被験者で18%であり、PBOで治療された被験者で7%であった(図4)。
PGx−ITTにおいて、ベバシズマブで治療された629人の白人被験者のうち、PSFは592の事象、OSは438の事象があった。高血圧症では、PGx−SPにおいてベバシズマブで治療された全629人の白人被験者のうち113の事象があった。表3は、メタ分析に組み込まれる白人被験者の数を示す。
Figure 2014526901
結果の有効性
無増悪生存期間
ベバシズマブで治療を受けた患者のサブグループにおける分析
PFSとVEGF−Aの最も強い関連は、rs699946においてであった(配列番号1)(p=0.005)。結果は複数のテストについて調整後に有意ではないであろうが、それはSchneider et al. J Clin Oncol 2008 26:4672により公表された、マーカーrs699947と一致した上流のシグナルを提供する。遺伝子全体にわたる関連付けの散布図を図5に示す。
Figure 2014526901
AAキャリアに比べて、rs699946(配列番号1)AGキャリアのHRは、1.26(95% CI 1.07−1.48(p=0.005)であった。これは、各追加のG対立遺伝子は、進行又は死亡のリスクの27%の増加と関連していたことを意味する。プラセボ被験者においては全く効果が見られず、rs699946(配列番号1)がベバシズマブ治療による良好な転帰の予測マーカーであり得ることを示唆している。
図6に示すように、検討中の最小の研究であるAVOREN/BO17705(腎臓癌)を除いて、rs699946(配列番号1)の一貫性のある作用は、全ての研究で見られた。
更に、rs11133360(配列番号5)はPFSに対する関連性は弱かった(図13)。
Figure 2014526901
TTキャリアに比べて、rs11133360(配列番号5)CTキャリアのHRは、1.15(95% CI 1.02−1.30(p=0.02)であった。これは、各追加のC対立遺伝子は、進行又は死亡のリスクの15%の増加と関連していたことを意味する。
全生存期間の解析
ベバシズマブで治療を受けた患者のサブグループにおける分析
OSについての連関分析で、6/133のマーカーが白人治療患者でp<0.05を有していた。これらのうち、rs12505758(配列番号2)は、158試験についてボンフェローニ調整後に有意である。マーカーは、KDR(キナーゼ挿入ドメイン受容体;VEGFR2;FLK1)中のイントロンのSNPであり、そしてそれは、遺伝子中で他のイントロンのSNP、rs1531289とともにLD(r2=0.31)にある(出典:HapMapリリース22;HapMapv3リリース2では利用できなかったマーカー)。マーカーは白人のプラセボ処置被験者では関連性がなく、従って予後性質とは対照的に、予測を有すると言われてもよい。フォレストプロット(図7)を調べると、効果はNO16966(結腸直腸癌)とBO17705(AVOREN、腎癌)により主に駆動されることを示している。その効果は、他の3つの研究では弱いか、または存在しないのいずれかである。
Figure 2014526901
TTキャリアに比べて、rs12505758(配列番号2)TCキャリアのHRは(対立遺伝子HR 1.50,95% CI 1.21−1.86(p=0.0002)であった。これは、各追加のC対立遺伝子は、死亡のリスクの50%の増加と関連していたことを意味する。プラセボ被験者においてはrs12505758(配列番号2)の効果は全く見られなかった。
カプラン・マイヤープロットは、少数の対立遺伝子のコピー数の増加とともに推定ハザード比を増加させることを示している(図8)。
SNPについての追加情報
rs699946(配列番号1)SNPはVEGFプロモーターにあるため、我々は、ヒト血漿サンプル中でVEGF−A発現に及ぼす作用を調べた。私たちは、GGのキャリアはAGとAA(野生型)のキャリアに比べて、VEGF発現の中央値が27%増加していることを見いだした。rs699946(配列番号1)の少数対立遺伝子は、ベバシズマブ治療法に対する応答と関連していることが以前に示されている別のVEGFプロモーターのSNPである、rs699947(D’0.98;r=0.23)の少数の対立遺伝子と連携していた[Schneider et al, J Clin Oncol 2008 26:4672]。更に、rs699946(配列番号1)はまた、メタ分析におけるPFSについて、VEGFの2番目のヒットとして現れた、rs833058(−6589 C>T)とも連携している。
追加研究の結論:我々は、VEGF−Aプロモーター中のrs699946(配列番号1)のG対立遺伝子は、血漿VEGF−A発現の増加と関連しており、Schneiderらにより、ベバシズマブ治療法に対する応答と関連していることが以前に示されている別のVEGF−AプロモーターのSNPである、rs699947と連携していることを実証した。
VEGFR2中のrs11133360(配列番号5)はVEGFR2タンパク質の細胞外ドメインをコードするエキソンの間に位置するイントロンSNPである。我々は、少数のC対立遺伝子にホモ接合性のHUVECは、CT及びTTのキャリアに比べてVEGF刺激により増殖を増加していることを見いだした。重要なのは、rs11133360はまた、Val297Ile置換を誘導する非同義SNPであって、VEGFR−2へのVEGFの結合に影響を与えることが報告されているrs2305948(D’=1)と強く連携携していることである。
高血圧症の結果
最も強い関連を示す2つのSNP(p<0.01)は、KDRにあるrs2305949(配列番号3)(対立遺伝子のOR 0.93,95% CI 0.88−0.98,p=0.0067)、EGFにあるrs4444903(配列番号4)(対立遺伝子のOR 1.06,95% CI 1.02−1.11,p=0.0052)であった;表4を参照、しかしこれらはいずれも、多重検定のしきい値を超えなかった(p<0.0003)。興味深いことに、rs2305949(配列番号3)及びrs4444903(配列番号4)は、KDRとEGFの位置273及び708上で生じるアミノ酸変化と密接に関連しており、これらの変化は、機能的に両方の遺伝子に影響を及ぼし、それによって高血圧の一因となり得ることを示唆している。
Figure 2014526901
rs2305949(配列番号3)(KDR)
図9に示すように、高血圧のより高い頻度が、CCのキャリアで見られた。図10は、3つの試験(NO16966,AVAIL/BO17704及びAVOREN/BO17705)は関連性を駆動することを示している。白人のプラセボで処置された被験者についてのフォレストプロット(非表示)は、研究間における平均作用は、逆方向に弱いことを示しており、このマーカーが予測特性を有すると結論付けることができる。
rs4444903(配列番号4)(EGF)
図11に示すように、高血圧のより高い頻度は、GAキャリアで見られ、AAキャリアで最低頻度であったが、GGキャリアの頻度は中間にあった。EGFにおけるマーカーrs4444903(配列番号4)では、フォレストプロットの検討(図12)は試験間で合理的な整合性を示し、最も弱い作用はinBO17708/AVADO(乳癌)で観察された。プラセボ群における被験者のフォレストプロット(非表示)は、予後特性とは対照的に、予測マーカーであることを示している。

Claims (32)

  1. ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症に対する患者の感受性を決定する方法であって、該方法は、
    (a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、
    (b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCC遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTTの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に感受性があることを示し、又は遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対して感受性が小さいことを示す方法。
  2. 治療法が化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 血管新生阻害剤が、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される、請求項1又は2の何れか一項に記載の方法。
  4. 癌が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌又は肺癌である、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. サンプルが血液サンプルである、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. 遺伝子型が、MALDI−TOF質量分析法によって決定される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 患者に治療薬を投与することを更に含む、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. その必要のある患者の治療のための請求項1から7に記載される血管新生阻害剤を含む薬学的組成物であって、前記患者が、請求項1から7の何れか一項に記載の方法に従って、血管新生阻害剤を含む治療法と関連した高血圧の発症に対して感受性が小さいと確定される、薬学的組成物。
  9. 遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定することができるオリゴヌクレオチドを含む、請求項1から7の何れか一項に記載の方法を実施するためのキット。
  10. ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法に関連した高血圧を発症するリスクを減らす方法であって、該方法は、
    (a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での遺伝子型を決定し、
    (b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCCの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対する感受性が小さいことを示し、及び
    (c)(b)に従って高血圧の発症に対する感受性が小さいとして同定された、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)でのCT又はTT遺伝子型を持つ患者に対して、前記血管新生阻害剤を投与することを含む方法。
  11. 治療が化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 血管新生阻害剤が、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される、請求項10又は11の何れか一項に記載の方法。
  13. 癌が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌又は肺癌である、請求項10から12の何れか一項に記載の方法。
  14. サンプルが血液サンプルである、請求項10から13の何れか一項に記載の方法。
  15. 遺伝子型が、MALDI−TOF質量分析法によって決定される、請求項10から14の何れか一項に記載の方法。
  16. ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療薬を患者に投与することを含み、遺伝子多型rs2305949(配列番号3)での患者の遺伝子型がCT又はTTであることが確定される方法。
  17. ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療法と関連した高血圧の発症に対する患者の感受性を決定する方法であって、該方法は、
    (a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、
    (b)前記遺伝子型に基づいて、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に多かれ少なかれ感受性がある患者を同定することを含み、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症により感受性であることを示し、又は遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症への感受性が小さいことを示す方法。
  18. 治療法が化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む、請求項17に記載の方法。
  19. 血管新生阻害剤が、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される、請求項17又は18の何れか一項に記載の方法。
  20. 癌が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌又は肺癌である、請求項17から19の何れか一項に記載の方法。
  21. サンプルが血液サンプルである、請求項17から20の何れか一項に記載の方法。
  22. 遺伝子型が、MALDI−TOF質量分析法によって決定される、請求項17から21の何れか一項に記載の方法。
  23. 患者に治療薬を投与することを更に含む、請求項17から22の何れか一項に記載の方法。
  24. その必要のある患者の治療のための請求項17から23に記載される血管新生阻害剤を含む薬学的組成物であって、前記患者が、請求項17から23の何れか一項に記載の方法に従って血管新生阻害剤による治療法と関連した高血圧の発症に対して感受性が小さいと確定される、薬学的組成物。
  25. 遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定することができるオリゴヌクレオチドを含む、請求項17から23の何れか一項に記載の方法を実施するためのキット。
  26. ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧を発症するリスクを減らす方法であって、該方法は、
    (a)癌に罹患した患者由来のサンプルで、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での遺伝子型を決定し、
    (b)ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤による治療法に関連した高血圧の発症に感受性が小さい患者を同定し、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGG又はAA遺伝子型の存在は、前記患者が遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でのGAの遺伝子型を有する患者よりも高血圧の発症に対する感受性が小さいことを示し、及び
    (c)(b)に従って高血圧の発症に対する感受性が小さいとして同定される、遺伝子多型rs4444903(配列番号4)でGG又はAA遺伝子型を持つ患者に対して、前記血管新生阻害剤を投与することを含む方法。
  27. 治療法が化学療法剤又は化学療法レジメンを更に含む、請求項26に記載の方法。
  28. 血管新生阻害剤が、タキサン、インターフェロンアルファ、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゲムシタビン−エルロチニブ及び白金を用いた化学療法剤からなる群から選択される一以上の薬剤と共に投与される、請求項26又は27の何れか一項に記載の方法。
  29. 癌が、膵臓癌、腎細胞癌、結腸直腸癌、乳癌又は肺癌である、請求項26から28の何れか一項に記載の方法。
  30. サンプルが血液サンプルである、請求項26から29の何れか一項に記載の方法。
  31. 遺伝子型が、MALDI−TOF質量分析法によって決定される、請求項26から30の何れか一項に記載の方法。
  32. 遺伝子多型rs4444903(配列番号4)での患者の遺伝子型がGG又はAAであることが確定され、ベバシズマブ又はベバシズマブとVEGF上の本質的に同じエピトープに結合する抗体を含む血管新生阻害剤を含む治療薬を患者に投与することを含む、患者を治療する方法。
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