JP2014518069A - 骨髄異形成症候群対象の生存率を予測するための変異シグネチャー - Google Patents

骨髄異形成症候群対象の生存率を予測するための変異シグネチャー Download PDF

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Abstract

選択したバイオマーカーにおける体細胞非サイレント変異は、骨髄異形成症候群対象の全生存に関する信頼できる指標である。

Description

関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2011年6月17日に提出された米国特許仮出願第61/498,497号の恩典を主張する。
発明の分野
本発明は、骨髄異形成症候群対象の生存率を予測する方法に関する。
政府の権利
本発明は、米国国立衛生研究所によって与えられた政府助成金番号R01 DK087992およびR01 HL082945、ならびに米国国立癌研究所によって与えられた助成金番号P01 CA108631および3K12 CA087723によって米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の背景
骨髄異形成症候群(MDS)は、無効な造血および異形成を特徴とする、クローンによる血液障害の不均一な群である。これは、ゲノムの異常が造血幹細胞に蓄積して、それによって多系列の分化が障害された結果として様々な重症度の末梢血球減少症が起こり、初期相で骨髄(BM)のアポトーシスが起こる血液障害である。この疾患の罹病率および死亡率は、血球減少症または急性骨髄性白血病への移行に起因し、これらはいずれも、血液細胞の機能障害および減少によって引き起こされる重篤な感染疾患、貧血、または出血を生じる可能性がある。とりわけ5番、7番染色体の欠失を含む、付随する細胞遺伝学異常が存在する。
MDSの診断は現在、血液学的、形態学的、および細胞遺伝学分析を含む多くの専門分野にわたるアプローチを必要とし、患者の少なくとも50%が1種類またはそれより少ない血球減少症を呈し、細胞遺伝学的異常を示すのは患者の約50%に過ぎないという事実により、診断することが難しい。MDSを処置するために用いられる治療の選択は主に、疾患の重症度および進行疾患への進行のリスクに依存する。それゆえ、予後を正確に予測できることは、患者ケアの不可欠な要素である。現在用いられている予後判定システムは、MDS患者をリスク群に分類するために、核型の異常および特定の臨床的特徴を考慮している。5番染色体長腕欠失などのいくつかの核型異常は、予後を確立するために役立ち、特異的な臨床表現型に関連づけることができる1。しかし、MDS患者の50%より多くが正常な核型を有し、患者は同一の染色体異常を有してもなおも臨床的に不均一である2,3。現在のところ、単一遺伝子変異は、予後判定システムにおいて利用されていないが、臨床表現型および全生存(OS)の重要な駆動要素である可能性がある4-6。様々な遺伝子の変異の臨床での影響を理解すれば、MDS患者の予後の予測を改善し、特異的治療の選択の情報提供をすることができるであろう。
本発明は、特定の生物マーカー(本明細書において「シグネチャー」と呼ばれる)の変異が、MDSなどの血液障害に存在して、より低い全生存および当該疾患のより侵襲性の進行を有するリスクを示すという発見に部分的に関する。
したがって、本発明は、骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している対象における全生存(増加または減少)を、既定の予測可能性レベルで評価する方法を提供する。対象において全生存が減少するリスクは、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される任意の1つまたは複数の遺伝子における1つまたは複数の変異の存在を検出することによって決定される。1つの遺伝子において1つまたは複数の非サイレント変異の存在が検出されれば、これらの変異を有しない対象と比較して、対象の全生存が減少することを示している。TET2およびSF3B1の両方に1つまたは複数の変異が存在すれば、TET2変異のみを有しない対象と比較して、対象の全生存が増加することを示している。DNMT3およびSF3B1の両方に1つまたは複数の変異が存在すれば、DNMT3変異のみを有しない対象と比較して対象の全生存が増加することを示している。対象がRARS型のMDSを有する場合、SF3B1に1つまたは複数の変異があれば、変異を有しない対象と比較して対象の全生存が増加することを示している。
もう1つの局面において、本発明は、対象におけるMDSまたはMDSを有するリスクを診断する方法を提供する。表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子に1つもしくは複数の変異が存在すれば、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子に1つもしくは複数の変異が存在すれば、対象がMDSを有するまたはMDSを発症するリスクを有することを示している。
さらなる局面において、本発明は、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における一定期間での変異対立遺伝子頻度を決定することによって、既定の予測可能性レベルで、処置の有効性をモニターする方法、またはMDSの治療計画を選択する方法を提供する。試料は、処置前、処置のあいだ、または処置後の対象から得ることができる。
本発明はまた、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における一定期間での変異対立遺伝子頻度を決定することによって、対象におけるMDSの進行を既定の予測可能性レベルで評価する方法を提供する。
変異対立遺伝子頻度は、所与の試料中の所与の変異対立遺伝子(たとえば、変異を含む配列)の発生頻度を意味する。
シグネチャーには、たとえば表6に記載される遺伝子が含まれる。1個、2個、3個、4個、5個、10個、またはそれより多くのシグネチャーが検出される。いくつかの態様において、表6に記載される遺伝子から選択される少なくとも2つのシグネチャーが検出される。好ましくは、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bが検出される。任意で、本発明の方法はさらに、MDSなどの血液障害に関連する少なくとも1つの標準パラメータを測定する段階を含む。標準パラメータはたとえば、IPSSスコアである。
シグネチャー核酸の変異は、たとえば、サンガーシークエンシング、次世代ゲノムシークエンシング、および/または質量分析による遺伝子型決定などの、当技術分野において公知の任意の方法によって検出される。核酸試料は、対象の骨髄または血液から単離される。
生物試料は、DNAを含む任意の体組織または体液である。好ましくは、試料は骨髄である。対象は好ましくは哺乳動物である。哺乳動物は、たとえばヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシでありうる。
対象は、MDSなどの血液障害を有する。いくつかの局面において、試料は、MDSに関して既に処置されている対象に関して採取される。または、試料は、MDSに関して処置される前の対象から採取される。
様々な態様において、評価/モニタリングは、既定の予測可能性レベルで行われる。既定の予測可能性レベルとは、方法が、許容可能なレベルの臨床または診断精度を提供することを意味する。臨床および診断精度は、当技術分野において公知の方法によって決定される。
本発明はさらに、表6から選択される対応する遺伝子を検出する複数の検出試薬を含むキット、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される1つもしくは複数の遺伝子を検出するための試薬を含むキット、ならびにキットを用いるための説明書をさらに提供する。キットは、TP53を検出するための試薬をさらに含むことができる。
本発明はまた、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3Bから選択される1つまたは複数の変異のパターンを含むMDS発現プロファイルを提供する。同様に、本発明に従うMDS発現プロファイルを含む機器読み取り可能な媒体も含まれる。
それ以外であると定義している場合を除き、本明細書において用いられる科学技術用語は全て、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書において記述される方法および材料と類似または同等の方法および材料を本発明の実践または試験において用いることができるが、適した方法および材料を以下に記述する。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。矛盾する場合は、定義を含めて本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は実例であるに過ぎず、制限することを意図しない。
本発明の他の特色および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
変異および細胞遺伝学異常の分布を示す。最も頻繁に変異する11個の遺伝子群の変異を、色つきのバーで示す。各縦列は、記載の遺伝子の1つにおいて少なくとも1つの変異を有する患者223人の試料の1つを表す。より黒いバーは、その遺伝子群において2つまたはそれより多くの明確な変異を有する試料を示す。変異を有する各試料の核型を、下の列に色つきのバーで示す。 図2A〜2Cは、血球減少症および骨髄芽球比率と変異との関連を示す。各臨床パラメータ群における患者の比率を変異の状態によってプロットした。括弧内の数値は、測定値がわかっている症例の数を示す。特定の変異を有する症例と、変異を有しない症例とのあいだで統計学的比較を行った。 予後予測変異とIPSSリスク群によって階層化した全生存との関連を示す。パネルAは、各IPSSリスク群内の患者のOSを示す。パネルBは、1つまたは複数の予後予測遺伝子(TP53、EZH2、ETV6、RUNX1、またはASXL1)に変異を有する患者のOSと、そのような変異を有しない患者のOSとの比較を示す。パネルC〜Fは、各IPSSリスク群に関する予後予測変異を有する患者と有しない患者のOSを示す。パネルC〜Eでは、次に高いIPSSリスク群の患者のOS曲線を比較目的のために含める。パネルFでは、比較曲線は、中間リスク2のIPSSリスク群の患者の曲線である。各パネルにおけるp値は、所与のIPSS群に関して予後予測変異を有する患者と予後予測変異を有しない患者のOSのログランク比較を表す。 IPSS分類および全生存との関連を示す。IPSSリスク群を、試料収集時に決定して、各患者に関する当初のIPSS分類と比較した。パネルA:患者73人は、再分類の際にそのIPSSリスク群が変化した。1つより多いカテゴリー(中間リスク2から低リスクへ1人、および低リスクから中間リスク2へ1人)を移動したのは患者2人のみであった。パネルBは、その再分類されたIPSSに基づいて患者の全生存を比較するカプランマイヤー生存プロットである。対応のある比較により、各群の生存が他のあらゆる群に対して有意差があることが確認される。 核型と変異および全生存との関連を示す。パネルAは、変異の状態による核型異常の分布および頻度を示す。パネルBおよびCは試料収集時でのIPSSにおいて定義された核型および核型群に基づく患者の全生存を示すカプランマイヤー生存曲線である。 年齢と変異および全生存との関連を示す。パネルAは、患者の年齢ごとの変異の分布および頻度ならびに核型の状態を示す。パネルBは、試料収集時の年齢群に基づく患者の全生存を示すカプランマイヤー生存曲線である。対応のある比較により、年齢55歳未満の患者の生存が他のあらゆる年齢群の生存とは有意差があるが、これらのより高齢群の患者の生存は互いに有意差がないことが証明される。 図7A〜7Fは、遺伝子産物内での変異の位置およびタイプを示す。これらの図は、6つの遺伝子産物の各々においてアミノ酸が変化する変異が始まる位置を示す。遺伝子産物を、エキソンの境界部でつないだ青色の長方形で示す。変異のタイプを、パネルAに示す説明文に記述される記号によって示す。(A)終止コドンおよびTET2遺伝子産物を切断すると予想されるフレームシフト変異が、その全長にわたって起こっている。ミスセンス変異およびスプライス部位変異は、TET2の触媒活性に関連する2つの高度に保存されたC-末端ドメインの1つに集まっている。ほぼ4分の1の患者がTET2に2つまたはそれより多くの明確な変異を有し、このことは両対立遺伝子が異常であることを示唆している。TET2変異MDS試料では、コピー数が変化しないヘテロ接合性の喪失に至る有糸***組み換えが繰り返し認められている。併せると、これらの変異パターンは、この遺伝子の機能喪失と一貫している。(B)ASXL1の変異は、ほぼもっぱら、終止コドンおよびそのタンパク質産物を早期に切断すると予想されるフレームシフトである。これらの変異の大部分は、末端のエキソンで起こり、それゆえナンセンス変異依存分解を誘導する可能性は低い。変異ASXL1遺伝子は、そのN-末端ドメインを保持する異常なタンパク質を産生する可能性があり、それによって機能獲得またはドミナントネガティブ活性が起こりうる。(C)RUNX1タンパク質は、2つの機能的に重要な領域、すなわちより近位のRUNT DNA結合ドメインと、より遠位のタンパク質相互作用ドメインとを含む。RUNX1のインフレーム変異は、RUNTドメインに集まっている。類似の変異は、ドミナントネガティブ活性を有するタンパク質を産生することが示されている。フレームシフト、ナンセンス、およびスプライス部位変異は、遺伝子の近位部分に影響を及ぼさないように思われるが、正常な活性の喪失を超える場合には、これらの変異の機能的影響は不明である。(D)RUNX1に関して、TP53の変異は、遺伝子の近位部分にほとんど影響を及ぼさなかった。何人かの患者は、2つの別個のTP53変異または1つの変異、およびTP53遺伝子が存在する第17pの喪失を有した。本発明者らが同定したミスセンス変異のほとんどは、中心DNA結合ドメインで起こり、既に機能喪失に関連している。(E)EZH2の変異は遺伝子全体に及んだ。いくつかのミスセンス変異は、メチルトランスフェラーゼ活性の元となるC-末端SETドメインに集まっていた。このパターンは、EZH2変異に関する選択の駆動要素としての機能喪失と一貫する。(F)本発明者らが同定したETV6変異のほとんどは、他のETV6分子または他のetsタンパク質との二量体形成の元となるステライルαモチーフドメイン上で起こる。 2段階試験計画のダイアグラムである。 Affymetrix 6.0 SNPアレイにおいて遺伝子型を決定したMDS骨髄試料からのコピー数結果が、ETV6遺伝子座を含む12pにおいて介在性の2.3メガベース欠失の存在を証明することを示す。 図10A〜10Mは、変異に関するカプランマイヤー生存曲線を示す。各パネルは、その変異を有しない患者(黒色の線)と比較して、所与の変異を有する患者(赤色の線)が生存する割合を示す。非変異対変異症例の数をそれぞれ、括弧内に示す。各パネルにおける2つの群の生存を比較するログランクp値を提供する。 TP53変異の状態によって階層化した複雑な細胞遺伝学を有する患者または高リスクIPSS群の患者の生存を示す。(A)複雑な細胞遺伝学およびTP53変異を有する患者は、複雑な細胞遺伝学を有するがTP53変異を有しない患者より有意に短い全生存を有する。(B)増加したIPSSリスクおよびTP53変異を有する患者は、IPSSリスクが増加しているが、TP53変異を有しない患者より有意に短い全生存を有する。 変異対立遺伝子負荷および予後予測リスクによって階層化したTET2変異を有する患者の生存を示す。(A)2つより多くのTET2変異を有するかまたは野生型対立遺伝子(赤色の線)の頻度の2倍で存在する1つのTET2変異を有する患者の全生存を、1つのTET2変異を有するがより低い変異対立遺伝子負荷を有する患者(青色の線)、およびTET2変異を有しない患者(黒色の線)の生存と比較する。hMEにおいて同定された変異対立遺伝子ピーク面積を、変異体および野生型対立遺伝子ピーク面積の合計によって除することによって、各試料中の変異対立遺伝子の割合を決定した。(B)4つの群の患者の生存を比較する:低リスクまたは中間リスク1 IPSSリスク群でTET2変異が存在する患者(黒色の線)、低リスクまたは中間リスク1 IPSSリスク群でTET2変異を有しない患者(緑色の線)、中間リスク2または高リスクIPSSリスク群でTET2変異が存在する患者(赤色の線)、および中間リスク2または高リスクIPSSリスク群でTET2変異を有しない患者(青色の線)。対応のある比較により、低リスクまたは高リスク群のいずれにおいてもTET2変異状態に基づく有意差は示されない。 図13A〜13Bは、個々の試料における変異対立遺伝子頻度を示す。定量的質量分析による遺伝子型決定によって検証した2つまたはそれより多くの変異遺伝子を有する個々の試料中の変異対立遺伝子頻度を示す。これは、TET2、RUNX1、TP53、CBL、PTEN、NRAS、KRAS、JAK2、およびNPM1のほとんどの共変異症例を含む。各々の色つきの円の面積は、所与の変異の対立遺伝子頻度を示す。円の左側の文は、対立遺伝子頻度が高い順に各変異の頻度および性質を記載する。各試料のFABクラスおよび核型を円の右側に示す(NK=正常核型、Cpx=複雑、+8=8番染色体トリソミー、その他=IPSSに明白に含まれない他の異常)。最大の対立遺伝子頻度を有する変異遺伝子は、一貫して存在しない。 IPSSリスクが低リスクまたは中間リスク1であるMDSを有する患者288人の注釈の豊富なコホートにおけるLR-PSSの検証および疫学的試験において記述された低リスクMDS患者の代表的な臨床特徴を示す。A)IPSSリスクが低リスクおよび中間リスク1である患者288人に関するカプランマイヤー生存曲線。B)LR-PSSによってカテゴリー1〜3に割付された同じ患者に関するカプランマイヤー生存曲線。全生存は、試料収集時から任意の原因による死亡時までで計算した。 1つまたは複数の変異を有する低リスクMDS試料288個中204個における変異の分布を示す。各縦列は、個々の試料を表す。色つきの区画は、その列の左側に記述される遺伝子の変異を示す。より暗い色のバーは、2つまたはそれより多くの明確な変異を示す。チロシンキナーゼ(TK)経路遺伝子は、NRAS、KRAS、BRAF、CBL、およびJAK2を含む。 各LR-PSSリスクカテゴリーにおける変異の分布を示す。A)カテゴリー1−試料の46%が1つまたは複数の変異を有する。B)カテゴリー2−試料の72%が1つまたは複数の変異を有する。C)カテゴリー3−試料の90%が1つまたは複数の変異を有する。D)IPSS低リスク患者−試料の59%が1つまたは複数の変異を有する。E)IPSS中間リスク1患者−試料の77%が1つまたは複数の変異を有する。チロシンキナーゼ(TK)経路遺伝子は、NRAS、KRAS、BRAF、CBL、およびJAK2を含む。 A)LR-PSSおよびB)IPSSリスク群における変異遺伝子の分布を示す。(n)−所与の変異を有する試料の数;*−単変量で予後不良に関連する変異遺伝子(p<0.05);†-非変異症例とは有意差があるリスク群分布を有する変異遺伝子(p<0.01)。 最も頻繁に変異した遺伝子13個に変異を有するおよび変異を有しないMDS患者に関するカプランマイヤー全生存曲線を示す:A)TET2変異;B)SF3B1変異;C)SRSF2変異;D)U2AF1変異;E)ASXL1変異;F)DNMT3A変異;G)RUNX1変異;H)EZH2変異;I)JAK2変異;J)NRAS変異;K)TP53変異;L)ETV6変異;M)CBL変異;N)NPM1変異;O)IDH1変異。 EZH2変異の状態によって階層化した各LR-PSSリスクカテゴリーのMDS患者に関するカプランマイヤー全生存曲線を示す。A)カテゴリー1の患者。B)カテゴリー2の患者。C)カテゴリー3の患者。 臨床特色によるカプランマイヤー全生存を示す:A)患者の性別;B)患者の年齢;C)ヘモグロビンレベル;D)血小板数;E)骨髄芽球比率。 そのSF3B1変異の状態によって階層化されるDNMT3A変異を有するMDS患者の全生存を示す。 図22A〜22Cは、SF3B1の変異が予想より頻繁にDNMT3Aの変異と同時発生して、DNMT3A変異を有する患者の生存を調整することを証明するSF3B1および/またはDNMT3A変異に関する生存曲線を示す。両方の遺伝子に変異を有する患者は、DNMT3A単独の変異を有する患者より長く生存した。 図23A〜23Cは、SF3B1および/またはTET2変異の生存曲線を示し、両方の遺伝子に変異を有する患者はTET2変異単独を有する患者より長く生存することを証明する。 SF3B1変異も同様に有するMDSのRARSサブタイプを有する患者におけるより長い全生存を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、体細胞が変異した場合に、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)などの血液障害を有する対象、または血液障害を発症するリスクを有する対象の有害な予後に関連するシグネチャーの同定に関する。これらのシグネチャーは、既存の臨床的または分子的危険因子とは無関係である。
MDSにおけるいくつかの変異が予後にとって重要であることはこれまでに報告されているが、これまでの研究は、一般に小さい規模の試料を調べており、1つまたは少数の遺伝子の分析に限定されるか、またはMDSの特定のサブタイプにもっぱら重点を置いていた。臨床表現型およびOSに対する変異の独立した関与を区別するために、癌関連遺伝子の広いスペクトルにおける体細胞変異に関して大規模なMDS患者試料を調べた。
本発明は、任意の1つまたは複数のシグネチャー遺伝子における1つまたは複数の変異の検出によって、骨髄異形成症候群(MDS)などの血液障害に罹患している対象における全生存(たとえば増加または減少)のリスクを評価する方法を提供する。これらのシグネチャー遺伝子はまた、MDSの処置および治療を受けている対象をモニターするために、ならびにそのような処置および治療の選択および使用が、腫瘍の進行を遅らせる、またはその発症を実質的に遅らせるもしくは防止する、またはMDSの発生を減少もしくは予防する、MDSを有する対象において有効である治療および処置を選択または修正するためにも有用である。
定義
本発明の文脈において、「シグネチャー」は、その多型、変異、変種、改変体、サブユニット、断片、および他の分析物または試料由来の測定値と共に核酸を包含するがこれらに限定されない。シグネチャーはまた、変異した核酸を含むことができる。
個々のシグネチャーを表6に要約し、これらを本明細書において、特に集合的に「MDS関連遺伝子」、「MDS関連核酸」、「シグネチャー遺伝子」、または「シグネチャー核酸」と呼ぶ。
「精度」は、測定または計算された量(試験報告値)がその実際の(または真の)値に一致する程度を意味する。臨床精度は、真の転帰の割合(真の陽性転帰(TP)または真の陰性転帰(TN)対誤分類された転帰(偽陽性(FP)または偽陰性(FN)))に関し、感度、特異性、正の予測値(PPV)もしくは負の予測値(NPV)、またはいくつかの尺度の中でも特に、尤度、オッズ比として示されうる。
「FN」は偽陰性であり、これは疾患状態の試験に関して、疾患対象を非疾患または正常であると不正確に分類することを意味する。
「FP」は偽陽性であり、これは疾患状態の試験に関して、正常な対象を、疾患を有すると不正確に分類することを意味する。
「式」、「アルゴリズム」、または「モデル」は、1つもしくは複数の連続的またはカテゴリー入力(本明細書において「パラメータ」と呼ぶ)を得て、出力値、時に「指数」または「指数」値と呼ばれる出力値を計算する任意の数式、アルゴリズムによる、分析的もしくはプログラムされたプロセス、または統計学的技術である。「式」の非制限的な例には、合計、割合、係数または指数などの回帰オペレータ、バイオマーカー値変換、および標準化(性別、年齢、または民族などの臨床パラメータに基づく標準化スキームを含むがこれらに限定されるわけではない)、規則およびガイドライン、統計分類モデル、および過去の集団に関して訓練したニューラルネットワークが挙げられる。特に有用であるのは、対象試料中に検出されたシグネチャー核酸の変異と、対象がより低い全生存を有するリスクまたはMDSなどの血液障害を発症するリスクとの関係を決定するための線形および非線形等式、ならびに統計分類分析である。パネルおよび組み合わせを作製する場合、特に重要であるのは、構造および協同作用の統計分類アルゴリズム、ならびに中でも相互相関、主成分分析(PCA)、因子の回転、ロジスティック回帰(LogReg)、線形判別解析(LDA)、Eigengene線形判別分析(ELDA)、サポートベクターマシン(SVM)、ランダムフォレスト(RF)、再帰分割ツリー(RPART)と共に他の関連する決定ツリー分類技術、Shrunkenセントロイド(SC)、ステップAIC、K近傍法、ブースティング、決定ツリー、ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシンおよび隠れマルコフモデルなどの確立された技術を含むパターン認識特色を利用するリスク指数構築法である。当業者に周知であるCox、ワイブル、カプランマイヤー、およびグリーンウッドモデルを含む他の技術を、生存および事象発生までの時間のハザード分析において用いてもよい。これらの技術の多くは、前進選択、後進選択、もしくはステップワイズ選択、所与のサイズの起こりうる全てのパネルの完全な計数、遺伝子アルゴリズムなどのシグネチャー選択技術と有用に組み合わせられるか、またはそれ自身、自身の技術にバイオマーカー選択方法論を含みうる。さらなるバイオマーカーとモデル改善のあいだの妥協点を定量するために、および過剰適合を最小限にするために役立つように、これらを、赤池情報量規準(AIC)またはベイズ情報量規準(BIC)などの情報基準と組み合わせてもよい。得られた予測モデルを他の試験において検証してもよく、またはブートストラップ、Leave-One-Out(LOO)および10倍交差検証(10倍CV)などの技術を用いて、それらが最初に訓練された試験において交差検証してもよい。様々な段階で、当技術分野において公知の技術に従う値の入れ替えによって、偽発見率を推定してもよい。
「健康経済学的効用関数」は、標準治療に診断的または治療的介入を導入する前後での、理想化された適応可能患者集団における臨床転帰の範囲の予想確率の組み合わせに由来する式である。これは、そのような介入の精度、有効性、および成績特徴の推定値、ならびに各々の転帰に関連する費用および/または価値の測定(効用)を包含し、これらは、各転記をもたらす実際の医療制度の治療費用(サービス、供給品、装置、および薬物等)から、および/または質調整生存年(QALY)あたりの推定許容値として、導き出すことができる。各々の転帰の予測有用性を乗じた転帰についての予測集団サイズの積の全ての予測転帰に及ぶ合計が、所与の治療標準の総健康経済学的効用である。(i)介入を行った治療標準に関して計算した総健康経済学的効用と(ii)介入を行わない治療標準に関する総健康経済学的効用との差によって、介入の健康経済学費用または価値の全測定が得られる。これをそれ自身、分析される全患者群で(または単に介入群によって)除して、単位介入あたりの費用を得てもよく、かつ、医療制度が受け入れられる市場での位置づけ、価格、および仮定などの決定を誘導してもよい。そのような健康経済学的効用関数は通常、介入の費用効果を比較するために用いられるが、また、医療制度が進んで支払うQALYあたりの許容値、または新しい介入を必要とする許容される費用効果の高い臨床成績特徴を推定するためにも変換されうる。
本発明の診断的(または予後的)介入に関して、各々の転帰(疾患分類診断試験においてTP、FP、TN、またはFNでありうる)は異なる費用を有することから、健康経済学的効用関数は、臨床状況および個々の転帰の費用および価値に基づいて、特異性よりも感度、またはNPVよりもPPVが優先的に有利である可能性があり、したがって、より直接的な臨床的または分析的成績測定とは異なりうる健康経済学的成績および価値のもう1つの測定を提供する。これらの異なる測定および相対的妥協点は、一般的に、全ての成績測定にとって程度は異なるものの不完全な試験より好都合である完全な試験の場合に限って、誤差率ゼロで(ゼロ予測対象転帰誤分類またはFPおよびFNとしても知られる)収束するであろう。
「測定する」もしくは「測定」、または「検出する」もしくは「検出」とは、物質の定性的または定量的濃度レベルの導出を含む、臨床試料または対象由来の試料中の所与の物質の有無、量(quantitiy)、または量(amount)(有効量でありうる)を評価すること、またはそうでなければ対象の非分析物臨床パラメータの値もしくは分類を評価することを意味する。
「臨床パラメータ」または「危険因子」は、年齢(Age)、民族(RACE)、性別(Sex)、家族の既往(FamHX)、国際予後判定システム(IPSS)スコア、核型、芽球比率、または血球減少症などの、しかしこれらに限定されない、対象の健康状態または他の特徴の全ての非試料または非分析物バイオマーカーを包含する。
「負の予測値」または「NPV」は、TN/(TN+FN)、または全ての負の試験結果の真の負の画分によって計算される。これはまた、疾患の有病率および試験されることが意図される集団の試験前確率によって固有に影響を受ける。
たとえば、試験、たとえば臨床診断試験の特異性、感度、ならびに正および負の予測値について考察しているO'Marcaigh AS, Jacobson RM, "Estimating The Predictive Value Of A Diagnostic Test, How To Prevent Misleading Or Confusing Results," Clin. Ped. 1993, 32(8): 485-491を参照されたい。しばしば、連続的な診断試験測定を用いるバイナリ疾患状態分類アプローチに関して、感度および特異性は、Pepe et al, "Limitations of the Odds Ratio in Gauging the Performance of a Diagnostic, Prognostic, or Screening Marker," Am. J. Epidemiol 2004, 159 (9): 882-890に従う受信者操作特性(ROC)曲線によって要約され、および単なる1つの値を有する試験(またはアッセイ)カットポイントの全範囲よりも、1つの試験、アッセイ、もしくは方法の感度および特異性の表示を可能にする指標である曲線下面積(AUC)またはc-統計量によって要約される。同様に、Shultz, "Clinical Interpretation Of Laboratory Procedures," chapter 14 in Teitz, Fundamentals of Clinical Chemistry, Burtis and Ashwood (eds.), 4th edition 1996, W.B. Saunders Company, pages 192-199; and Zweig et al., "ROC Curve Analysis: An Example Showing The Relationships Among Serum Lipid And Apolipoprotein Concentrations In Identifying Subjects With Coronory Artery Disease," Clin. Chem., 1992, 38(8): 1425-1428を参照されたい。尤度関数、オッズ比、情報理論、予測値、較正(適合度を含む)、および再分類測定を用いる代替アプローチは、Cook, "Use and Misuse of the Receiver Operating Characteristic Curve in Risk Prediction," Circulation 2007, 115: 928-935より要約される。
最後に、1つの試験によって定義された対象コホート内のハザード比ならびに絶対的および相対的リスク比は、臨床精度および有用性のさらなる測定法である。参照限界、識別限界、およびリスク閾値を含む、異常値または疾患値を定義するために多数の方法がしばしば用いられている。
「分析精度」は、測定プロセスそのものの再現性および予測可能性を意味し、そのような測定において、変動係数の測定値、ならびに異なる時間、ユーザー、機器、および/または試薬による同じ試料または対照の一致および較正の試験などにおいて要約されうる。新しいバイオマーカーを評価するためのこれらおよび他の検討はまた、Vasan, 2006においても要約されている。
「成績」とは、とりわけ臨床および分析精度、使用特徴(たとえば、安定性、使いやすさ)、健康経済学上の価値、および試験の成分の相対的費用などの他の分析およびプロセス特徴を含む、診断試験または予後予測試験の全体的な有用性および品質に関連する用語である。これらの要因はいずれも、試験の優れた成績およびこのように有用性の起源でありえて、関連するAUC、結果までの時間、有効期限等などの適切な「成績測定値」によって測定されうる。
「正の予測値」または「PPV」は、TP/(TP+FP)によって、または全ての陽性試験結果の真の陽性画分によって計算される。これは疾患の有病率および試験されることが意図される集団の試験前確率によって固有に影響を受ける。
「感度」は、TP/(TP+FN)によって、または疾患対象の真の陽性画分によって計算される。
「特異性」は、TN/(TN+FP)によって、または非疾患もしくは正常対象の真の陰性画分によって計算される。
本発明の文脈における「リスク」は、ある事象が特定の期間に起こる確率に関し、対象の「絶対」リスクまたは「相対」リスクを意味することができる。絶対リスクは、関連する時間のコホートに関する測定後の実際の観察に関連して、または適切な期間追跡されている統計学的に有効な過去のコホートから得た指標値に関連して測定することができる。相対リスクは、低リスクコホートの絶対リスクまたは平均集団リスクのいずれかと比較した対象の絶対リスクの比を意味し、これは臨床危険因子を評価する方法によって変化しうる。オッズ比、所与の試験結果に関する陽性事象対陰性事象の比率も同様に、一般的に無変換で用いられる(オッズは式p/(1-p)に従い、式中pは事象の確率であり、(1-p)は非事象の確率である)。
本発明の文脈における「リスク評価」または「リスクの評価」は、ある事象または疾患状態が起こりうる確率、オッズ、または尤度の予測を行う段階を包含する。リスク評価はまた、既に測定された集団に関連する絶対的または相対的見地のいずれかでの、将来の臨床パラメータ、従来の危険因子検査値、またはMDSなどの血液障害の他の指標の予測を含むことができる。本発明の方法は、MDSのリスクの連続的またはカテゴリー測定を行うために用いられ、このように血液障害に関してリスクがあると定義される対象のカテゴリーのリスクスペクトルを診断および定義するために用いられうる。
「統計学的有意」とは、変化が偶然のみによって起こる(「偽陽性」でありうる)と予想される場合より大きいことを意味する。統計学的有意性は当技術分野において公知の任意の方法によって決定することができる。一般的に用いられる有意性の測定はp値を含み、これはデータ点が偶然のみの結果であると仮定して、所与のデータ点と少なくとも同程度に極端である結果を得る確率を表す。結果はしばしば、0.05またはそれ未満のp値で非常に有意であると見なされる。
「変異した遺伝子」または「変異」または「機能的変異」は、変異遺伝子を有しない対象と比較して変異遺伝子を有する対象の表現型を変化させることができる遺伝子の対立遺伝子型を意味する。変異によって引き起こされた変化した表現型を、ある物質によって修正または補正することができる。対象が、変化した表現型を有するためにこの変異に関してホモ接合でなければならない場合、変異は、劣性であると言われる。対象の表現型を変化させるために変異遺伝子の1コピーで十分である場合、変異は優性であると言われる。対象が変異遺伝子1コピーを有し、(その遺伝子に関する)ホモ接合対象とヘテロ接合対象の中間の表現型を有する場合、変異は、共優性であると言われる。「変異」という用語は、それがタンパク質の構造もしくは機能を変化させるか否か、または野生型配列と比較して効果を有しないか否かによらず、核酸配列における任意の塩基対変化を意味する。本明細書において用いられる「生殖系列変異」という用語は、体の細胞に含まれるあらゆる核小体に存在する1つの遺伝子の対立遺伝子における有害な変化を示す。「体細胞変異」という用語は、体のあらゆる細胞において見いだされるわけではないが、単離された細胞のみに見いだされる少なくとも1つの遺伝子の対立遺伝子における有害な変化を意味する。本明細書において用いられる体細胞変異の特徴は、それらが特定の組織または組織の一部または組織内の細胞に限定され、組織または細胞を有する生物全体には存在しない点である。体細胞変異の例には、増殖しつつある細胞の細胞***サイクルの過程におけるゲノムDNAの複製の際のヌクレオチドのミスマッチ取り込みによって生じる変異が挙げられる。本発明のいくつかの局面において、表6に記載される遺伝子の変異は、骨髄から単離された核酸において検出される。
「野生型」という用語は、天然に存在する起源から単離された場合にその遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物を意味する。野生型遺伝子は、集団において最も頻繁に観察され、したがって任意で遺伝子の「正常」型または「野生」型と呼ばれる遺伝子である。
本発明の文脈における「試料」は、対象から単離された生物試料であり、制限ではなく例として骨髄、組織生検、全血液、血清、血漿、血球、内皮細胞、循環中の腫瘍細胞、リンパ液、腹水、間隙液(「細胞外液」としても知られ、特に歯肉溝浸出液を含む、細胞間の間隙に見いだされる液体を包含する)、脳脊髄液(CSF)、唾液、粘液、喀痰、汗、尿、または他の任意の分泌物、***物、または他の体液を挙げることができる。
本発明の文脈における「対象」は、好ましくは哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシでありうるが、これらの例に限定されるわけではない。ヒト以外の哺乳動物は、動物の腫瘍転移モデルを表す対象として都合よく用いることができる。対象は雄性または雌性でありうる。対象は、MDSなどの血液障害を有すると既に診断されたまたは有すると同定されている、および任意で疾患の治療介入を既に受けたまたは受けている対象でありうる。または、対象は、MDSなどの血液障害を有するとこれまで診断されていない対象でありうる。たとえば、対象は、MDSなどの血液障害に関する1つまたは複数の危険因子を示す対象でありうる。
「全生存(OS)」は、正確な死因が明記されていない場合、試験群または処置群において診断後に所与の期間生存している人の百分率を示す。本発明におけるOSは、試料収集時からあらゆる原因による死亡時間までで測定される;最後に生存していることがわかった患者は、その時点で打ち切りとした。OS曲線を、カプランとマイヤーの方法を用いて作製して、ログランク検定を用いて比較した。P値は全て両側検定に基づいた。OSはまた、未調整および調整済みCox比例ハザード回帰モデリングを用いて全ての患者に関して評価する;モデルは、試料収集時のIPSSリスク群に関して調整した。
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に用いられ、一本鎖型または二本鎖型のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを意味する。本開示の目的に関して、これらの用語は、ポリマーの長さに関して制限的であると解釈されない。この用語は、天然のヌクレオチドの公知のアナログ、ならびに塩基、糖、および/またはリン酸塩部分が修飾されているヌクレオチドを包含することができる。一般的に、特定のヌクレオチドのアナログは同じ塩基対形成特異性を有する;すなわち、AのアナログはTと塩基対を形成する。
本発明の方法および使用
本明細書において開示される方法は、MDSを発症するリスクを有する対象、または急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、または慢性骨髄性白血病(CML)、または他のタイプの血液障害などの血液障害を有する他の対象、およびMDSまたは他のタイプの血液障害のための処置および/または治療を受けている対象について用いられる。本発明の方法は、骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している対象における全生存(OS)(すなわち、増加または減少)のリスクを評価するために用いることができる。本発明の方法はまた、MDSおよび他のタイプの血液障害を有する対象に関する治療計画をモニターまたは選択するために、およびMDSの危険因子を示す対象などの、MDSまたは他のタイプの血液障害を有するとまだ診断されていない対象をスクリーニングするために用いることができる。好ましくは、本発明の方法は、MDSおよび他のタイプの血液障害に関して無症候性である対象を同定および/または診断するために用いられる。「無症候性」とは、従来の徴候および症状を示さないことを意味する。より好ましくは、本発明は、IPSSスコア、核型および/または年齢などの他の危険因子によって中間から高い生存率を有すると予測されるMDS罹患対象における全生存が減少するリスクを評価する方法を提供する。
MDSまたは他のタイプの血液障害に罹患している対象における全生存が減少するリスクは、対象からの核酸試料において、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される遺伝子の任意の1つにおける1つまたは複数の変異の存在を検出することによって決定することができ、変異が存在すれば、変異を有しない対象と比較して対象の全生存が減少することを示している。
1つの遺伝子において1つまたは複数の非サイレント変異の存在が検出されれば、これらの変異を有しない対象と比較して、対象の全生存が減少することを示している。TET2およびSF3B1の両方に1つまたは複数の変異が存在すれば、TET2変異のみを有しない対象と比較して、対象の全生存が増加することを示している。DNMT3およびSF3B1の両方に1つまたは複数の変異が存在すれば、DNMT3変異のみを有しない対象と比較して、対象の全生存が増加することを示している。対象がRARS型MDSを有し、かつSF3B1に1つまたは複数の変異を有する場合、変異を有しない対象と比較して、対象の全生存が増加することを示している。
MDSおよび他のタイプの血液障害を有する対象は、表6から選択される任意の2つもしくはそれより多くの遺伝子における1つもしくは複数の変異、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における1つもしくは複数の変異の存在を検出することによって同定することができ、任意の1つまたは複数の変異が存在すれば、対象がMDSまたはそれに対する素因を有することを示している。
MDSおよび他のタイプの血液障害の進行、または治療計画の有効性は、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子における変異対立遺伝子頻度、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における変異対立遺伝子頻度を経時的に決定する段階、および少なくとも1つの変異を含む1つまたは複数の遺伝子の変異対立遺伝子頻度を比較する段階によってモニターすることができる。たとえば、第一の試料は、対象が処置を受ける前に得ることができ、1つまたは複数のその後の試料は、対象の処置の後またはあいだに採取される。MDSおよび他のタイプの血液障害は、変異遺伝子における変異対立遺伝子頻度が時間と共に増加すれば進行性(または処置が進行を妨げない)であると見なされるが、変異遺伝子における変異対立遺伝子頻度が、時間が経っても一定のままである場合には、MDSまたは他のタイプの血液障害は進行性ではない。たとえば、本発明の方法は、MDSの侵襲性を識別するおよび/または進行期を評価するために用いることができる。これによって、患者を高または低リスク群に分類して、それに従って処置することができる。たとえば、全生存がより低いと予想されるMDS患者を、アザシチジン(Vidaza(登録商標)、デシタビン(Dacogen(登録商標)、レナリドミド(Revlimid)による処置、または骨髄移植などの、より積極的な治療によって処置することができる。
さらに、MDSもしくは他のタイプの血液障害を有する対象、またはMDSもしくは他のタイプの血液障害を発症するリスクを有する対象において用いるための処置または治療計画を、対象から得られた試料中の変異遺伝子の変異対立遺伝子頻度に基づいて選択することができる。MDSまたは他のタイプの血液障害の発症を遅らせる、または進行を遅らせるためにどの処置または治療計画が対象において用いるのに最も有効であるかを決定するために、2つまたはそれより多くの処置または治療計画を、同時に評価することができる。
変異対立遺伝子頻度とは、試料中に存在する変異対立遺伝子の頻度を意味する。変異対立遺伝子頻度は、当技術分野において公知の方法によって決定される。たとえば、コピー数は、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、一塩基多型(SNP)アレイ、または***間期蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)分析によって決定される。
「有効な」とは、処置によって、シグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度が減少することを意味する。本明細書において開示される危険因子の評価は、標準的な臨床プロトコールを用いて行うことができる。有効性は、血液障害を診断、同定、または処置するために任意の公知の方法に関連して決定することができる。
MDS患者に関する処置の決定に関する情報は、患者由来の試料中のシグネチャー遺伝子のいずれか1つにおける1つまたは複数の変異に関する情報を得る段階、およびシグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度が臨床的に有意に変化する場合、患者におけるMDSを予防または減少させる治療計画を選択する段階によって得ることができる。
本発明はまた、1つまたは複数のシグネチャー核酸に結合する検出試薬を有するキットを含む。同様に、検出試薬のアレイ、たとえば1つまたは複数のシグネチャー核酸に結合することができるオリゴヌクレオチドのアレイも本発明によって提供される。キットはまた、1つまたは複数のシグネチャー遺伝子における変異を検出するための1つまたは複数の試薬、たとえば質量分析による遺伝子型決定のためのプライマー、および対象の試料中の1つまたは複数の変異シグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度を決定するための1つまたは複数の試薬を含む。
特定の遺伝子または染色体領域における変異対立遺伝子頻度を評価する方法は、当業者に周知であり、これにはハイブリダイゼーションに基づくアッセイおよび増幅に基づくアッセイが挙げられる。
ハイブリダイゼーションに基づくアッセイ
ハイブリダイゼーションに基づくアッセイは、サザンブロットまたはインサイチューハイブリダイゼーション(たとえばFISH)などの従来の「直接プローブ」法、および比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)などの「比較プローブ」法を含むがこれらに限定されるわけではない。方法は、以下に記述されるように基質(たとえば、メンブレンまたはガラス)結合法またはアレイに基づくアプローチを含むがこれらに限定されるわけではない広く多様なフォーマットで用いることができる。
インサイチューハイブリダイゼーションアッセイは周知である(たとえば、Angerer (1987) Meth. Enzymol 152: 649)。一般的に、インサイチューハイブリダイゼーションは、以下の主要な段階を含む:(1)分析される組織または生物構造の固定;(2)標的DNAの接触性を増加させるためおよび非特異的結合を減少させるための生物構造のハイブリダイゼーション前処置;(3)核酸混合物と、生物構造または組織中の核酸とのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合していない核酸断片を除去するためのハイブリダイゼーション後洗浄、および(5)ハイブリダイズした核酸断片の検出。これらの段階の各々において用いられる試薬および用いるための条件は、具体的な応用に応じて異なる。
典型的なインサイチューハイブリダイゼーションアッセイにおいて、細胞は固相支持体、典型的にスライドガラスに固定される。核酸がプロービングされる場合、細胞を典型的に、熱またはアルカリによって変性させる。次に、細胞を中等度の温度のハイブリダイゼーション溶液に接触させて、タンパク質をコードする核酸配列に対して特異的な標識プローブをアニールさせる。次に、標的(たとえば、細胞)を、既定のストリンジェンシーで、または適切なシグナル対ノイズ比が得られるまでストリンジェンシーを増加させて、洗浄する。
プローブは典型的に、たとえば放射性同位元素または蛍光レポーターによって標識される。好ましいサイズの範囲は、約200 bpから約1000塩基、より好ましくは二本鎖、ニック翻訳核酸に関して約400から約800 bpである。
いくつかの応用において、反復配列のハイブリダイズ能を阻止することが必要である。このように、非特異的ハイブリダイゼーションを阻止するために、ヒトゲノムDNAまたはCot-1 DNAを用いる。
比較ゲノムハイブリダイゼーション法において、(試料)核酸(たとえば、可能性がある腫瘍から)の第一のコレクションを第一の標識によって標識して、(対照)核酸(たとえば、健康な細胞/組織から)の第二のコレクションを第二の標識によって標識する。核酸のハイブリダイゼーションの比率を、2つの(第一および第二の)標識がアレイにおける各々の繊維に結合する比率によって決定する。染色体の欠失または重複が存在する場合、2つの標識からのシグナルの比率の差を検出すれば、比率は、コピー数の測定値を提供するであろう。
本発明の方法と共に用いるために適した他のハイブリダイゼーションプロトコールは、たとえばAlbertson (1984) EMBO J. 3: 1227-1234; Pinkel (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 9138-9142;欧州特許出願公開第430,402号; Methods in Molecular Biology, Vol. 33: In Situ Hybridization Protocols, Choo, ed., Humana Press, Totowa, N.J. (1994)等に記述されている。
本発明の方法は、アレイに基づくハイブリダイゼーションフォーマットにとって特によく適している。アレイは、1つまたは複数の表面(たとえば、固体、メンブレン、またはゲル)に結合した、多数の異なる「プローブ」または「標的」核酸(または他の化合物)である。多数の核酸(または他の部分)が、1つの連続する表面に、または互いに近接する多数の表面に結合する。
アレイのフォーマットでは、多数の異なるハイブリダイゼーション反応を本質的に「同時に」行うことができる。これは、多数のハイブリダイゼーションの迅速で本質的に同時の評価を1回の「実験」で提供する。アレイに基づくフォーマットでハイブリダイゼーション反応を行う方法は、当業者に周知である(たとえば、Pastinen (1997) Genome Res. 7: 606-614; Jackson (1996) Nature Biotechnology 14: 1685; Chee (1995) Science 274: 610; WO 96/17958を参照されたい)。
アレイ、特に核酸アレイは、当業者に周知の広く多様な方法に従って作製することができる。たとえば、単純な態様において、「低密度」アレイは、固相支持体(たとえば、ガラス表面、メンブレン等)上の異なる位置に異なる核酸をスポットすることによって(たとえば、ピペットを用いて手で)単純に作製することができる。
この単純なスポッティングアプローチは、高密度スポットアレイを生じるために自動化されている(たとえば、米国特許第5,807,522号を参照されたい)。この特許は、少量の生物試料を沈着させるために表面に対して微小毛細管をタップする自動システムを用いることを記述する。このプロセスを繰り返して高密度アレイを作製する。アレイはまた、オリゴヌクレオチド合成技術を用いても作製することができる。このように、たとえば米国特許第5,143,854号およびPCT特許公開公報WO90/15070および92/10092は、高密度オリゴヌクレオチドアレイの光指向性コンビナトリアル合成を用いることを教示している。
スポットアレイは、ゲノムDNA、たとえば関心対象領域に対応するアンプリコンの高解像度スキャンを提供する重なり合うクローンを含むことができる。アンプリコン核酸は、たとえばMACs、YACs、BACs、PACs、Pls、コスミド、プラスミド、ゲノムクローンのinter-Alu PCR産物、ゲノムクローンの制限消化物、cDNAクローン、増幅(たとえばPCR)産物、およびその他から得ることができる。
アレイ核酸は、本発明の標的配列に及ぶまたは標的配列を含むクローンの既にマッピングされたライブラリ、ならびに以下に記述されるゲノムの他の領域からのクローンに由来する。アレイは、1つの試料核酸集団とハイブリダイズすることができ、または(試験試料および参照試料に関して)2つの異なるように標識されたコレクションと共に用いることができる。
多様な固体表面上に核酸を固定するための多くの方法が当技術分野において公知である。天然および合成の他の材料のみならず、広く多様な有機および無機ポリマーを、固体表面の材料として使用することができる。例示的な固体表面には、たとえばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、石英、ジアゾ化メンブレン(紙またはナイロン)、シリコン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、および酢酸セルロースが挙げられる。さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびその他などのプラスチックを用いることができる。用いられうる他の材料には、紙、セラミクス、金属、メタロイド、半導体材料、サーメット、またはその他が挙げられる。さらに、ゲルを形成する物質を用いることができる。そのような材料には、たとえばタンパク質(たとえばゼラチン)、リポ多糖類、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドが挙げられる。固体表面が多孔性である場合、システムの性質に応じて様々な孔のサイズを使用してもよい。
ハイブリダイゼーション複合体を検出するには、標的およびプローブポリヌクレオチドまたは核酸の二重鎖にシグナル生成複合体が結合する必要がありうる。典型的に、そのような結合は、リガンド結合プローブとシグナルに結合した抗リガンドとの相互作用などといった、リガンドと抗リガンドとの相互作用を通して起こる。
ハイブリダイゼーションアッセイの感度は、検出される標的核酸を増加する核酸増幅システムを用いることを通して増強されうる。そのようなシステムの例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムおよびリガーゼ連鎖反応(LCR)システムが挙げられる。当技術分野において最近記述された他の方法は、核酸配列ベース増幅(NASBAO, Cangene, Mississauga, Ontario)、およびQβレプリカーゼシステムである。
ハイブリダイゼーション条件を最適化する方法は当業者に周知である(たとえば、Tijssen (1993) Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Vol. 24: Hybridization With Nucleic Acid Probes, Elsevier, N.Y.を参照されたい)。
増幅に基づくアッセイ
もう1つの態様において、増幅に基づくアッセイを用いて変異対立遺伝子頻度を測定することができる。そのような増幅に基づくアッセイにおいて、核酸配列は、増幅反応(たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))における鋳型として作用する。定量的増幅において、増幅産物の量は、当初の試料中の鋳型の量に比例するであろう。適切な対照(たとえば、健康な組織)との比較により、所望の標的核酸配列の変異対立遺伝子頻度の測定が提供される。「定量的」増幅法は当業者に周知である。たとえば、定量的PCRは、同じプライマーを用いて対照配列の公知の量を同時に共増幅する段階を伴う。これは、PCR反応を較正するために用いられうる内部標準を提供する。定量的PCRの詳細なプロトコールは、Innis et al. (1990) PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc. N.Y.において提供される。
他の適した増幅法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu and Wallace (1989) Genomics 4: 560, Landegren et al. (1988) Science 241: 1077, and Barringer et al. (1990) Gene 89: 117を参照されたい);転写増幅(Kwoh et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173):および自家持続配列複製(Guatelli et al. (1990) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 87: 1874)が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
特定の遺伝子または染色体領域の体細胞変異を検出する方法は当業者に周知であり、これには質量分析による遺伝子型決定および次世代ピロシークエンシングが挙げられる。個々の遺伝子または染色体における変異の存在を検出するために、多様な方法が利用可能である。この分野での進歩により、正確かつ容易で安価な大規模遺伝子型決定が提供されている。より最近では、たとえば動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)、マイクロプレートアレイ直交ゲル電気泳動(MADGE)、ピロシークエンシング、オリゴヌクレオチド特異的ライゲーション、TaqManシステムならびにAffymetrix SNPチップなどの様々なDNA「チップ」技術を含むいくつかの新しい技術が記述されている。これらの方法は、典型的にPCRによる標的遺伝子領域の増幅を必要とする。侵襲性切断によって小さいシグナル分子が生成された後に質量分析または固定パドロックプローブおよびローリングサークル増幅を行うなお他の新たに開発された方法により、最終的にPCRの必要性がなくなる可能性がある。特異的な一塩基多型を検出するために当技術分野において公知の方法のいくつかを以下に要約する。本発明の方法は、利用可能な全ての方法を含むと理解される。
タンパク質翻訳の早期の終了を生じる変異に関して、タンパク質切断試験(PTT)は、有効な診断アプローチを提供する(Roest, et. al., (1993) Hum. Mol. Genet. 2: 1719-21 ; van der Luijt, et. al., (1994) Genomics 20: 1-4)。PTTに関して、まず、RNAを、利用可能な組織から単離し、逆転写し、関心対象セグメントをPCRによって増幅する。次に、逆転写PCRの産物を、RNAポリメラーゼプロモーターおよび真核細胞の翻訳を開始させるための配列を含むプライマーと共にネステッドPCR増幅の鋳型として用いる。関心対象領域の増幅後、プライマーに組み入れられる特有のモチーフにより、PCR産物の連続的なインビトロ転写および翻訳が可能となる。翻訳産物のドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動による、切断されたポリペプチドの出現は、早期の翻訳終止を引き起こす変異が存在すること示す。この技術の変化形では、関心対象標的領域が1つのエキソンに由来する場合には、PCR鋳型としてDNA(RNAではなくて)を用いる。
単なる例示的な態様において、方法は、(i)患者から細胞試料を収集する段階、(ii)試料の細胞から核酸(たとえば、ゲノム、mRNA、または両方)を単離する段階、(iii)対立遺伝子のハイブリダイゼーションと増幅が起こるような条件下で、表6に記載される1つのシグネチャー遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子の5'および3'に特異的にハイブリダイズする1つまたは複数のプライマーを、核酸試料に接触させる段階、ならびに(iv)増幅産物を検出する段階を含む。これらの検出スキームは、そのような分子が非常に少数で存在する場合に、核酸分子を検出するために特に有用である。
本発明のいくつかの局面において、対立遺伝子を直接シークエンシングするために、当技術分野において公知の多様な任意のシークエンシング反応を用いることができる。例示的なシークエンシング反応は、マクサム-ギルバート((1977) Proc. Natl Acad Sci USA 74:560)またはサンガー(Sanger et al (1977) Proc. Nat. Acad. Sci USA 74:5463)によって開発された技術に基づく反応である。同様に、質量分析によるシークエンシング(たとえば、PCT公開番号WO 94/16101 ; Cohen et al. (1996) Adv Chromatogr 36: 127-162; and Griffin et al. (1993) Appl Biochem Biotechnol 38:147-159を参照されたい)を含む対象アッセイ(たとえば、Biotechniques (1995) 19:448を参照されたい)を行う場合には、任意の多様な自動シークエンシング技法を利用してもよいと企図される。ある態様に関して、シークエンシング反応において決定する必要があるのは、核酸塩基の1個のみ、2個、または3個の存在であることは当業者に明らかであろう。例として、たとえば1個のみの核酸が検出される場合、A-トラックまたはその他を行うことができる。
本発明の診断および予後指標
本発明は、いくつかのタイプの中でもMDSなどの血液障害の予後および診断を可能にする。MDSなどの疾患に罹患している対象がより低い全生存を有するリスクは、試験試料中のETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における1つまたは複数の変異を検出することによって決定することができる。全生存が減少するリスクを有すると同定された対象を任意で、対象の疾患の進行を遅らせる、減少させる、または予防するために、アザシチジン(Vidaza(登録商標)、デシタビン(Dacogen(登録商標)、レナリドミド(Revlimid)の投与、または骨髄移植を受けることなどのより積極的な治療計画を受けるように選択することができる。
本発明は、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子における1つもしくは複数の変異、またはETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における1つまたは複数の変異を検出することによって、対象を診断するために用いられうる。
シグネチャー遺伝子の変異は、次世代シークエンシングまたは質量分析による遺伝子型決定によって検出することができる。ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1から選択される任意の1つまたは複数の遺伝子に1つまたは複数の非サイレント変異が存在すれば、MDSなどの血液障害に罹患している対象の全生存が減少するリスクを示している。
変異したシグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度によって、MDSなどの血液障害の処置の経過をモニターすることができる。この方法では、生物試料を、治療計画、たとえばMDSに関する薬物処置を受ける対象から提供することができる。必要に応じ、生物試料は、処置の前、あいだ、または後の様々な時点で対象から得られる。
変異シグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度は、当技術分野において公知の任意の方法によって、たとえばリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、一塩基多型(SNP)アレイ、または***間期蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)分析によって決定することができる。
本発明はまた、任意の数の状況において患者または対象集団をスクリーニングするために用いることができる。たとえば、健康維持機構、公衆衛生団体または学校保健プログラムは、先に記述したように、介入を必要とする対象を同定するために、または疫学的データを収集するために、対象の群をスクリーニングしうる。保険会社(たとえば、健康、生命、または障害保険)は、可能性がある介入に関する適用範囲または価格決定、または既存のクライアントを決定するプロセスにおいて申込者をスクリーニングしうる。そのような集団において収集されたデータは、特に癌または転移事象のような状態への任意の臨床上の進行と結びつく場合、たとえば健康維持機構、公衆衛生プログラムおよび保険会社の事業において貴重であろう。そのようなデータのアレイまたはコレクションを、機器読み取り可能な媒体に保存して、医療サービスの向上、費用効果の高い医療、保険事業の向上等を提供するために、任意の数の健康関連データ管理システムにおいて用いることができる。たとえば、米国特許出願第2002/0038227号;米国特許出願第2004/0122296号;米国特許出願第2004/ 0122297号;および米国特許第5,018,067号を参照されたい。そのようなシステムは、本明細書においてさらに詳細に記述されるように、内部データ保存場所から直接、または離れた1つもしくは複数のデータ保存サイトから、データにアクセスすることができる。
機器読み取り可能な保存媒体は、データを用いるための命令によってプログラムされた機器を用いる場合、経時的なMDS危険因子または薬物治療に反応したMDS危険因子などの血液障害に関連する対象の情報などの、しかしこれらに限定されない多様な目的のために用いることができる機器読み取り可能なデータまたはデータアレイによって暗号化されたデータ保存材料を含むことができる。シグネチャー遺伝子の変異、および本発明の少なくとも1つの変異を有するシグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度、および/またはそれらのバイオマーカーから得られたリスクの評価は、とりわけプロセッサ、データ保存システム(揮発性および非揮発性メモリおよび/または保存エレメント)、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置を含む、プログラム可能なコンピューター上で実行されるコンピュータープログラムにおいて実行することができる。入力したデータにプログラム暗号を適用して、上記の機能を行うことができ、出力情報を生成することができる。出力情報は、当技術分野において公知の方法に従って、1つまたは複数の出力装置に適用することができる。コンピューターは、たとえばパーソナルコンピューター、マイクロコンピューター、または通常設計のワークステーションでありうる。
各プログラムは、コンピューターシステムと通信するための高レベル手続き型またはオブジェクト指向プログラム言語において実行することができる。しかし、プログラムは、必要に応じアセンブリまたはマシン言語で実行することができる。言語は、コンパイラまたはインタプリタ言語でありうる。各々のそのようなコンピュータープログラムは、保存媒体または装置が本明細書において記述される技法を行うためにコンピューターによって読み取られる場合にコンピューターを設定および操作するように、一般的または特殊な目的のプログラム可能なコンピューターによって読み取り可能な保存媒体または装置(たとえば、ROMまたは磁気ディスケットまたは本開示において他所で定義されるその他)に保存することができる。本発明の健康関連データ管理システムはまた、そのように設定された保存媒体がコンピューターに、本明細書において記述される様々な機能を行うように、特異的および既定の様式で操作させる場合、コンピュータープログラムによって設定されるコンピューター読み取り可能な保存媒体として実行されると見なされうる。
対象の遺伝的構成の差によって、MDSなどの血液障害の症状または危険因子を調節しうる様々な薬物の相対的代謝能の差が起こりうる。MDSを有するまたはMDSを発症するリスクを有する対象は、年齢、民族、および他のパラメータが多様でありうる。したがって、本明細書において開示されるシグネチャーを用いることにより、単独でおよび薬物代謝に関する公知の遺伝的要因と共に、選択された対象において試験される推定の治療または予防が対象における癌または転移事象を処置または予防するために適しているであろうという既定の予測可能性レベルが可能となる。
本発明の上記の方法は、MDSなどの血液障害と診断されている、および薬物処置を受けた対象の進行および/または改善を評価またはモニターするために用いることができる。
本発明の成績および精度測定
本発明の成績ならびにこのように絶対的および相対的臨床有用性は、先に述べたように多数の方法で評価されうる。成績の様々な評価において、本発明は臨床診断および予後の精度を提供すると意図される。診断または予後に関する試験、アッセイ、または方法の精度は、試験、アッセイ、または方法が、MDSを有する対象またはより低い全生存のリスクを有する対象を識別できることに関係し、対象が表6に記載される1つまたは複数のシグネチャー遺伝子において非サイレント変異を有するか否かに基づく。いくつかの態様において、1つのみのシグネチャー遺伝子における1つまたは複数の変異は、リスクの統計学的に有意な評価を提供することができる。以下に示すように、そして本発明を何ら制限することなく、統計学的有意性に達すること、したがって好ましい分析、診断、および臨床精度は、必ずしもいくつかのシグネチャーの組み合わせを共に用いることを必要としない。数学的アルゴリズムは、統計学的に有意な指標を達成するために必ずしも必要ではない。
疾患状態のカテゴリー診断において、試験(またはアッセイ)のカットポイントまたは閾値を変化させることは、通常、感度および特異性を変化させるが、定量的に反比例して変化させる。それゆえ、対象の状態を評価するために提唱される医学的試験、アッセイ、または方法の精度および有用性を評価する場合、感度および特異性はカットポイントの範囲に対して有意に変化しうることから、常に、感度と特異性の両方を考慮に入れるべきであり、感度と特異性が報告されているのはどのカットポイントであるかに注意すべきである。全ての起こりうるカットポイント値を包含するAUCなどの統計量を用いることは、本発明を用いるほとんどのカテゴリーリスク測定にとって好ましいが、連続的リスク測定の場合、適合度の統計量および観察された結果に対する較正または他の至適基準が好ましい。
既定の予測可能性レベルとは、方法が許容可能なレベルの臨床または診断精度を提供することを意味する。そのような統計量を用いて、「許容可能な程度の診断精度」は、本明細書において、AUC(試験またはアッセイのROC曲線下面積)が少なくとも0.60、望ましくは少なくとも0.65、より望ましくは少なくとも0.70、好ましくは少なくとも0.75、より好ましくは少なくとも0.80、および最も好ましくは少なくとも0.85である、試験またはアッセイ(シグネチャー遺伝子の変異の臨床的に有意な存在を決定して、それによってMDSおよび/またはより低い生存率を有するリスクの存在を示す本発明の試験など)として定義される。
「非常に高い程度の診断精度」とは、AUC(試験またはアッセイのROC曲線下面積)が少なくとも0.75、0.80、望ましくは少なくとも0.85、より望ましくは少なくとも0.875、好ましくは少なくとも0.90、より好ましくは少なくとも0.925、および最も好ましくは少なくとも0.95である試験またはアッセイを意味する。
または、本発明は、MDSなどの血液障害の有無、または治療に対する反応を、少なくとも75%の精度で、より好ましくは80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、またはそれより高い精度で予測する。
任意の試験の予測値は、試験の感度および特異性、ならびに試験される集団における疾患の有病率に依存する。ベイズの定理に基づくこの考え方は、スクリーニングされる疾患が個体または集団に存在する可能性がより高ければ(試験前確率)、正の試験の有効性はより大きくなり、結果が真の陽性である確率はより高くなる。このように、疾患が存在する可能性が低い任意の集団において試験を用いることの問題は、陽性結果が限られた値を有する点(すなわち、偽陽性である可能性がより高い)である。同様に、非常に高いリスクを有する集団において、陰性結果は偽陰性である可能性がより高い。
結果として、ROCおよびAUCは、疾患有病率が低い試験集団(年間の発生率が1%未満、または明記された計画対象期間での累積有病率が10%未満である集団として定義される)における試験の臨床有用性に関して誤った方向に導く可能性がある。または、本開示において他所で定義される絶対リスク比および相対リスク比を、臨床有用性の程度を決定するために使用することができる。試験される対象の集団はまた、試験の測定値によって四分位数に分類することができ、この場合、上位四分位(集団の25%)は、血液障害を発症する相対リスクが最も高い対象の群を含み、下位四分位は、血液障害を発症する相対リスクが最も低い対象の群を含む。一般的に、有病率が低い集団における上位四分位から下位四分位までの相対リスクの2.5倍以上を有する試験またはアッセイに由来する値は、「高い程度の診断精度」を有すると見なされ、各四分位の相対リスクの5倍から7倍の値は、「非常に高い程度の診断精度」を有すると見なされる。それにもかかわらず、各四分位に関する相対リスクのわずか1.2倍から2.5倍を有する試験またはアッセイに由来する値は、なおも臨床的に有用であり、疾患の危険因子として広く用いられ、それは総コレステロールおよび将来の転移事象の予測に関する多くの炎症バイオマーカーの場合に当てはまる。しばしば、診断精度がより低いそのような試験は、上記の総合的なリスク評価指標の場合と同様に、治療介入に関して意味のある臨床閾値を導き出すためにはさらなるパラメータと組み合わせなければならない。
健康経済学的効用関数は、各々に関する臨床的および経済的価値の実際の測定に基づいて可能性があるカテゴリー試験転帰に重み付けする段階からなる、所与の試験の成績および臨床値を測定するなおもう1つの手段である。健康経済学的な成績は、健康経済学的効用関数が、試験対象の正確な分類の利益および誤分類の費用に関して経済的価値を特異的に割付することから、精度に密接に関連している。成績の測定として、試験が、試験の目標価格を超えて一試験あたりの健康経済学的価値(試験前費用)を増加させる成績レベルを達成する必要があることは珍しくない。
一般的に、疾患カテゴリーまたはリスクカテゴリー(転移事象を有することに関するそれらのアティック(attic)リスクなどの)が、関連する医学会および医療の実践によってまだ明確に定義されていない場合、治療的使用の閾値がまだ確立されていない場合、または疾患にかかる前の診断に関する既存の至適基準がない場合、診断精度を決定する代替法が、連続測定のために通常用いられる。リスクの連続測定に関して、計算された指数の診断精度の測定は典型的に、予想される連続値と実際の観察値(または過去の指標計算値)とのあいだの曲線の適合および較正に基づき、R二乗、ホスマー・レメショウP値統計量および信頼区間などの測定を利用する。Genomic Health, Inc.(Redwood City, California)によって商品化された将来の乳癌再発のリスクに関する試験のように、そのようなアルゴリズムを用いて、過去に観察されたコホートの予測に基づいて信頼区間(通常90%または95%CI)を含む予測値が報告されることは珍しくない。
一般的に、診断精度の程度、すなわちROC曲線上のカットポイントを定義することによって、許容可能なAUC値を定義することによって、および本発明の少なくとも1つの変異を有するシグネチャー遺伝子における相対的変異対立遺伝子頻度の許容可能な範囲を決定することによって、当業者は、既定の予測可能性レベルおよび成績で、対象を同定、診断、または予後を決定するためにシグネチャー遺伝子の変異を用いることができる。
当業者は、上記のシグネチャーが、血液障害に関連するとは通常認められていない多くの経路を含む、生理学的および生物学的経路の多様な組に由来することを認めるであろう。異なるシグネチャーのこれらの群分けは、たとえ高い有意性区分内であっても、疾患の進行の段階または速度の異なるシグナルを予言する可能性がある。シグネチャーのそのような独特な群分けによって、複数のシグネチャーシグナルを組み合わせたシグネチャーアルゴリズム内のパターン認識の機会と共に、シグネチャーからのより生物学的に詳細で臨床的に有用なシグナルが可能となりうる。
記載のシグネチャーの1つまたは複数、2つまたはそれより多くを本発明の実践において検出することができる。たとえば、2個、3個、4個、5個、10個、15個またはそれより多くのシグネチャーを検出することができる。
いくつかの局面において、本明細書において記載される20個全てのシグネチャーを検出することができる。シグネチャーの数を検出することができる好ましい範囲は、1から20のあいだから選択される任意の最小値、特に2個、4個、5個、10個、20個、50個、またはそれより多くによって境界を定められる範囲を含む。
キット
本発明はまた、キットの形で共に包装されるシグネチャー核酸の部分と相補的なオリゴヌクレオチド配列などの相同な核酸配列を有することによって、1つまたは複数のシグネチャー核酸を特異的に同定する核酸などの、シグネチャー遺伝子の変異を検出するための試薬、および少なくとも1つの非サイレント変異を有するシグネチャー遺伝子における変異対立遺伝子頻度を決定するための試薬を含む。オリゴヌクレオチドは、シグネチャー遺伝子の断片でありうる。たとえば、オリゴヌクレオチドは、長さがヌクレオチド200個、150個、100個、50個、25個、10個またはそれ未満でありうる。キットは、マトリクスにそれらを結合させるための試薬、対照製剤(陽性および/または陰性)、および/またはとりわけフルオレセイン、緑色蛍光タンパク質、ローダミン、シアニン色素、Alexa色素、ルシフェラーゼ、放射標識などの検出可能な標識を、異なる容器にまたは個別包装して含みうる。アッセイを行うための説明書(たとえば、書面、テープ、VCR、CD-ROM等)をキットに含めてもよい。アッセイはたとえば、当技術分野において公知であるノザンハイブリダイゼーションまたはサンドイッチELISAの形式であってもよい。または、キットは、1つまたは複数の核酸配列を含む核酸基質アレイを含む。
本発明をその詳細な説明と共に記述してきたが、前述の記述は、本発明を説明することを意図しており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限することを意図しない。他の局面、長所、および改変は添付の特許請求の範囲の範囲内である。
本明細書において言及される特許および科学文献は、当業者に利用可能である知識を規定する。本明細書において引用された全ての米国特許および公表されたまたは公表されていない米国特許出願は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用された全ての公表された外国特許、特許出願、およびその他の参考文献は、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書において引用されるアクセッション番号によって示されるGenbankおよびNCBI提出物は、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明を、その好ましい態様に関連して詳しく示し、記述してきたが、形式および詳細において様々な変更を行ってもよく、それらも添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲に含まれることは当業者に理解されるであろう。
実施例1:一般的方法
患者試料
MDS患者の全骨髄吸引液および口腔内スワブ試料を、Rush University Medical Center、the University of Massachusetts Medical Center、およびthe MD Anderson Cancer Centerから得た。試料は、各施設の施設内倫理委員会によって承認されたプロトコールに従って、1994年から2008年のあいだに同意を得た患者から得た。DNAを単離して、全ゲノムを増幅した(Qiagen, Valencia, CA)。増幅したDNAを変異の発見のために用いた。患者の人口統計学を以下の表1に詳述する。試料収集時にIPSSリスク群を再計算した。生存分析により、本発明者らの試料セットにおけるこの再計算の予後的妥当性が確認された(表2)。追跡期間の中央値は4.44年(95%CI 4.12、6.19)であり、そのあいだに患者332人が死亡して、107人は、生存していることがわかっている最後の日付で打ち切りとした。
(表1)患者の特徴と生存期間の中央値との関連
Figure 2014518069
Figure 2014518069
全体で患者31人が治療関連MDSを有すると報告された。IPSSはこの亜群において検証されておらず、および治療に曝露された経歴を有する患者が本当に治療関連MDSを有することを確認することは難しいことから、本発明者らは全ての患者に対してIPSSリスク群を割付した。本発明者らの試料セットにおける患者10人のみが幹細胞移植を受けた。他の可能性がある処置の詳細は、必ずしも全ての患者に関してわかっていない。しかし、MDS患者の全生存を延長させることが証明された治療のFDA承認前に、大部分の患者が死亡した。追跡期間の際に死亡したことがわかった患者332人中、167人(50.3%)がアザシチジンの承認日(5/19/2004)より前に死亡し、201人(63.3%)がデシタビンの承認日(5/2/2006)より前に死亡して、および193人(58.1%)がレナリドミドの承認日(12/27/2005)より前に死亡した。それゆえ、本試験において調べた患者の多くは、生命を延長させることが可能な処置を受けなかった可能性がある。
(表2)国際予後判定システム(IPSS)リスク群の決定
3つの予後予測変数の各々に、以下の表に概要されるようにスコアを割付する。これらのスコアの合計を用いてIPSSリスク群を決定する。
Figure 2014518069
質量分析による遺伝子型決定
遺伝子111個を代表する変異953個の遺伝子型決定を、OncoMapアッセイの完全なセットを用いて既に記述されたように19,20、増幅されたDNAに関するiPlex(Sequenom, San Diego, CA)伸長ケミストリーおよび質量分析器検出によって行った。この技術は、良好に特徴が調べられた位置に限定されるそれらの再発性の腫瘍遺伝子変異をハイスループットで同定することができることから選択された。質量分析による遺伝子型決定によって同定された全ての候補変異を、既に記述されたように21、相同Mass-Extend(hME)ケミストリーを用いて同じ個体からの非増幅または個々に増幅されたDNAにおいて再設計アッセイによって検証した。この技術は、10%またはそれより高い頻度で存在する変異を信頼可能に検出することができる。
DNAシークエンシング
TET2、RUNX1、TP53、CDKN2A、PTEN、NPM1-エキソン11、ならびにCBL-エキソン8および9のPCR増幅エキソンの次世代ピロシークエンシングを、454 Life Sciences(Branford, CT)のシークエンシングプラットフォームを用いて行った。公知の一塩基多型(SNP)、スプライス接合部から6塩基以上のイントロン多型、およびサイレント変異を、さらなる分析から除外した。ASXL1、EZH2、KDM6A、IDH1エキソン4、IDH2エキソン4、およびETV6をサンガーシークエンシングによって分析した。全ゲノム増幅DNAにおいて検出された候補変異を、非増幅DNAを用いて検証した(図4および図7)。IPSSリスク群を試料収集時に決定して、各患者に関する当初のIPSS分類と比較した。図4に示されるように、患者73人は、そのIPSSリスク群が再分類時に変化した。患者2人のみが1つより多くのカテゴリー(中間リスク2から低リスクへの移動が1人および低リスクから中間リスク2への移動が1人)を移動した。図4Bは、その再分類IPSSに基づく患者の全生存を比較するカプランマイヤー生存プロットである。対応のある比較により、各群の生存が、他のあらゆる群と有意差があることが確認される。
サンガーDNAシークエンシングおよび分析:個々の患者試料における標的領域をPCR増幅して、標準的な技術を用いてシークエンシングし、平均品質スコア20またはそれより上を有する全てのトリミングされたリードの95.9%を生じた。クロマトグラムデータをMutation Surveyor v3.30(State College, PA)によって分析した。全ての軌跡を肉眼で検分して、変異候補体を同定および確認した。
454 DNAシークエンシングおよび分析:4個または5個の試料のプールを混合した後、標的領域のPCR増幅を行った。GS Amplicon Variant Analyzerソフトウェアを用いて候補変異をコールして、2%またはそれより高い頻度に関してフィルタリングした。候補の挿入および一塩基欠失を、各個々の整列させたリードを分析して、2%未満の頻度で存在するまたは主に一方向に存在する変種を除去することによってコールした。候補変異を全て相互に再検討してアラインメントを確認した。一方向で少なくとも5回のリードを行って両方向のリードで発見された変異を、hMEまたはサンガーシークエンシングによる検証のために選択した。
生殖系列変異分析
本試験において分析した試料439個中219個(49.9%)に関して、マッチさせた口腔内DNAが利用可能であった。既に生殖系列として公表されているまたは本発明者らのコホートにおける任意の患者からの口腔内試料に存在する一塩基多型(dbSNP)ビルド130のデータベースに記載される変異は、生殖系列変異であると見なされ、さらなる分析から除外した(表3)。
一塩基多型(SNP)アレイ
MDS患者試料75個からDNAを調製して、Affymetrix Genome-Wide Human SNP 6.0 Array GeneChipマイクロアレイに、製造元のプロトコール(Affymetrix, Santa Clara, CA)に従ってハイブリダイズさせた。コピー数変種をUltrasome aberration caller(Nilsson et al. Ultrasome: efficient aberration caller for copy number studies of ultra-high resolution. Bioinformatics 2009;25: 1078-9)を用いて検出した。
統計分析
患者の特徴を、分類データに関してFisherの正確確率検定を用いて、順位のあるカテゴリーデータに関してヨンクヒール・タプストラ検定を用いて、および連続データに関してはウィルコキソン順位和検定を用いて群のあいだで比較した(Conover WJ. Practical nonparametric statistics. 3rd ed. New York: Wiley; 1999)。試料収集時から任意の原因による死亡時までの全生存(OS)を測定した;最後に生存していることがわかった患者は、その時点で打ち切りとした。OS曲線を、カプラン-マイヤーの方法を用いて作製して、ログランク検定を用いて比較した。P値は全て両側検定に基づいた。臨床特徴と18個の変異の各々との関連を調べる単変量解析に関して、個々の患者の臨床特色の多重性を反映するためにP≦0.01が統計学的に有意であると見なされた。他の全ての評価に関して、名目上のp値を表す。
OSを、未調整および調整済みCox比例ハザード回帰モデリングを用いて全ての患者に関して評価した;モデルを、試料収集時のIPSSリスク群に関して調整した。各変異の予後的重要性を、-2対数尤度統計量を用いて評価したステップアップモデルを用いて決定した(Collett D. Modelling survival data in medical research. 2nd ed. Boca Raton, Fla.: Chapman & Hall/CRC; 2003)。変異の状態およびIPSSリスクを含む完全なモデルを、-2対数尤度の差を用いてIPSSリスクのみを含むヌルモデルと比較して、適切な自由度のカイ二乗分布を用いて検定した。ステップワイズCox回帰モデリングにおける候補となる説明変数は、年齢(55歳未満対55歳以上として分類される)、IPSSリスク、性別、および頻度が1%以上である変異13個(可能性がある予後予測特色として調べた18個中)を含んだ。前進変数選択技法を用いて同じ最終モデルを得た。年齢のカテゴリーは、OSに基づく再帰分配アルゴリズムを用いて決定した。SASバージョン9.2およびRバージョン2.8.0を全ての分析に用いた。
実施例2:骨髄異形成症候群における変異は全生存の独立した予測因子であり、臨床特色に関連する
MDSにおける新規体細胞変異の同定
MDSを有する患者の罹病率および死亡率を変化させる変異を同定するために、本発明者らはMDS患者からの骨髄吸引液の大きい臨床注釈付きコレクションの遺伝子分析を行った。本発明者らは最初に、MDSにおける変異の組を定義するために試料のサブセットの詳しい遺伝子分析を行って、その後図8における概要に例証されるように、本発明者らの完全な試料セットにおいて検証された変異を有する遺伝子の全てを分析した。
質量分析による遺伝子型決定を用いて、本発明者らは、癌関連遺伝子111個における再発性変異953個に関してMDS試料191例を調査した20。本発明者らは遺伝子10個:NRAS、KRAS、BRAF、JAK2、GNAS、FLNB、MET、EGFR、CDH1、およびPTPN11における変異を同定および検証した。口腔内スワブからの生殖系列DNAの遺伝子型決定により、各遺伝子における変異が、MET(E168D、3例)、EGFR(T790M、1例)、およびCDH1(A617T、3例)の変異を除き体細胞変異であることが証明された。生殖系列試料は、FLNB(R566Q)に変異を有する患者1人に関して入手できなかった。それゆえ、これらの結果は、MDSにおいて変異していることがわかっている5つの遺伝子(NRAS、KRAS、BRAF、JAK2、PTPN11)における体細胞変異を確認して、血液悪性疾患においてこれまでに報告されていないGNASにおける再発性の変異を発見した。
本発明者らは、患者75人の試料サブセットにおいて、Affymetrix 6.0 SNPアレイを用いてコピー数変化に関するゲノム全体の分析を行った。公知の細胞遺伝学異常に加えて、本発明者らは、急性白血病における転座に繰り返し関係するが、MDSにおいて変異することが知られていない遺伝子であるETV6(TEL)を含む限局性の欠失を有する1例を同定した(図9)。他の試料におけるこの遺伝子のその後のシークエンシングにより、マッチさせた口腔内スワブDNAの検査により体細胞であることが確認されたいくつかの点突然変異を明らかとなった。
MDS試料439個における変異の調査
MDSにおける変異の臨床での影響を調べるために、本発明者らは、上記で同定された全ての遺伝子に加えて、MDSを有する患者の一般的集団を代表する人口統計学を有する患者439人の試料中の血液悪性疾患において変異していることが既に報告されている遺伝子の組13個を評価した(表1)。その骨髄吸引液を収集した時点で、この群は年齢70歳の中央値を有し、男性70%を含み、66%がより低いIPSSリスクを有し、58%が正常な細胞遺伝学を有し、および13%が複雑な細胞遺伝学を有し、全ての値が公表された疫学的研究において報告された値と同等であった22-24,2
本発明者らは、本発明者らのMDS試料の組439個中18個の遺伝子において変異を同定した(表6)。少なくとも1つの変異が226個(51.5%)の試料に存在した。KDM6A(UTX)の異常は、試料3例において見いだされたが、これらのミスセンス変異は、体細胞であると確認することができず、先に記載した全体に含まれない。
共存する体細胞変異の頻度は、癌の分子回路に洞察を与えることができる。2つまたはそれより多くの遺伝子の変異が試料79個(18.0%)に存在した(図1、表4)。既に報告されたように、チロシンシグナル伝達経路に関係する遺伝子(JAK2、CBL、およびNRAS/KRAS/BRAF)の変異は、主に相互に排他的であった。対照的に、TET2変異は、ほぼあらゆる他の変異遺伝子の病変と重なっており、TET2変異が他の異常とは少なくとも部分的に無関係である病原性役割を有することを示唆している。
変異とOSとの関連
7個の遺伝子の異常が単変量解析においてOSの不良に有意に関連した(表6、図10)。6個の遺伝子、すなわちASXL1、RUNX1、TP53、EZH2、CBL、およびETV6における変異は、IPSSリスク群に関する調整後、OS不良の有意な予測因子であり、正常な細胞遺伝学を有する患者255人中74人(29.0%)に見いだされた。
細胞遺伝学および血球減少症と変異との関連
MDSにおける点突然変異の予後的重要性は、IPSSなどの既存の臨床リスクスコアによって捕らえられた核型、芽球比率、および血球減少症を含む危険因子とこれらの変異との関連によって促進されうる。それゆえ、本発明者らは、各々の変異を有する患者の臨床特徴を、それぞれの病変を有しない患者と比較した。
特異的核型群に最も強く関連した変異遺伝子は、TET2およびTP53であった。TET2の変異は、正常な細胞遺伝学を有する試料において過剰発現されたが(p=0.005、表5)、TP53変異は複雑な細胞遺伝学に強く関連した(p<0.001)。TP53変異体試料33個中8個(24.2%)が、17番染色体の異常を有し(p<0.0001)、変異と染色体の欠損の組み合わせがしばしば協調して、野生型TP53活性を排除することを示唆している。対照的に、7番染色体長腕の遠位部分に存在するEZH2遺伝子の変異は、7番染色体長腕欠失に関連しなかった。
MDSは、無効な造血および分化障害を特徴として、末梢血の血球減少症に至るが、特定の血球減少症に対する特異的遺伝子型の関与は不明である。本発明者らは、RUNX1、TP53、およびNRASの変異が各々、重度の血小板減少症に強く関連することを観察した(図2A、各遺伝子に関してp<0.001)。これらの遺伝子の変異を有する患者はまた、上昇した芽球比率を有する可能性がより高かった(図2B)が、好中球減少症または貧血の程度に差はなかった(図2C)。これらの知見は、いくつかの変異と生存不良との関連が、血球減少症、芽球比率、および核型との関連によりIPSSによって間接的にどのように捕らえられうるかを証明している。
多変量生存モデル
多数の遺伝子の変異は、単変量解析においてOSと関連した(表6)。しかし、これらの変異はしばしば互いに同時に存在して、いくつかは、確立された予後予測マーカーに関連した。OSに対する変異状態の相対的関与を決定するために、本発明者らは、年齢、性別、IPSS、および本試験において同定された最も頻繁な変異遺伝子13個に関する変異の状態を組み入れるステップワイズ変数選択技法を用いて多変量Coxモデルを作製した。予想されたように、患者の年齢およびIPSSリスク群はOSに強く関連した(表7)。
TP53、EZH2、ETV6、RUNX1、およびASXL1の変異は、独立した生存予測因子として出現した。これまでに予後不良のマーカーとして報告されていたNRASの変異は、おそらく、腫瘍遺伝子NRAS変異とIPSSの成分とのあいだの強い関連により、このモデルでは生存とのその関連を保持しなかった。公知の予後予測マーカーに関連しないEZH2変異は、モデルにおいてその高いハザード比を保持した。この分析は、TP53、EZH2、ETV6、RUNX1、およびASXL1に関する変異の状態の評価が、MDS患者における既存の予後予測スコアに対して最も多くの情報を追加することを示している。
IPSSに変異を組み入れる1つのアプローチは、これらの5つの予後予測遺伝子の1つまたは複数の変異に関する変数を含めることであろう(図3)。全てのしかし最高リスクの患者において、これらの変異は、次に高いIPSSリスク群の患者のOSと同等のOSに関連する。
所見
MDSの初回試料439個における変異の広い調査において、本発明者らは、この障害において変異しているとこれまで報告されていなかった2個(ETV6およびGNAS)を含む18個の遺伝子において点突然変異を同定した。本発明者らは、これらの遺伝子病変のいくつかが、特異的血球減少症、芽球比率、細胞遺伝学異常、およびOSを含む臨床表現型の重要な特色と強く相関することを見いだした。臨床パラメータおよび他の変異を含む多変量解析において、TP53、EZH2、ETV6、RUNX1、およびASXL1変異は各々独立してOSの減少に関連した。これらの遺伝子の1つまたは複数における変異は、患者439人中137人(31.2%)に存在した。これらの知見は、特異的遺伝子の変異が、MDSの臨床での不均一性を説明するために役立つこと、およびこれらの異常を同定すれば、MDS患者の予後の予測を改善して、適切な治療の選択を助けるであろうことを示している。
SNPアレイによるコピー数変化およびハイスループット遺伝子型決定による腫瘍遺伝子変異を分析して、本発明者らはETV6およびGNASにおいて新規変異を同定した。まれなETV6転座がMDSにおいて記述されており、変異はAMLにおいて同定されたが、本発明者らの知る限り、ETV6変異はMDSにおいてこれまで報告されていなかった25,26。本発明者らはまた、ヘテロ三量体GSタンパク質複合体のG-サブユニットをコードする遺伝子であるGNASにおけるアミノ酸R201の活性化変異を有する症例3例を同定した。GNASの同一の体細胞活性化変異がいくつかの固形腫瘍タイプにおいて同定されているが、血液悪性疾患では同定されていない27-30。より一般的に、本発明者らのデータは、腫瘍遺伝子の活性化変異がMDSでは比較的まれであるという知見を支持する。癌関連遺伝子111個における900個を超える変異に関する本発明者らの調査により、患者試料の10%未満に存在する変異腫瘍遺伝子6個のみが同定された。
予後的に重要な体細胞変異は、全てのリスク群の患者に起こった。EZH2またはASXL1変異を有するほとんどの患者は、低リスクから中間リスク-1のIPSSリスクを有した(それぞれ、86%および73%)。EZH2変異は、2.13(95%CI 1.36〜3.33)という高い死亡のハザード比を有し、年齢、性別、IPSSリスク群および他の変異の存在を含むステップワイズ多変量モデルにおいてOSの減少に強く関連した(p<0.001)。ASXL1変異は、ハザード比1.38(95%CI 1.00〜1.89)を有したが、本試験において同定された次に最も一般的な変異遺伝子は、最大数の患者に対してさらに有害なリスクに寄与した。それゆえ、EZH2およびASXL1変異を有する低リスクMDS患者は、IPSSによって予測されるより積極的な処置を必要としうる。
対照的に、TP53変異は中間リスク-2および高リスクのIPSSリスクを有する患者(79%)において主に観察され、血小板減少症、芽球比率の上昇、および複雑な細胞遺伝学に強く関連した。たとえこれらの測定をIPSSに組み込んでも、TP53変異は、IPSSリスク群に関して調整後であってもより短いOSに強く関連したままであり(p<0.001)、これらの変異が追加の手段を通して生存に有害な影響を及ぼすことを示した(図11)。さらに、変異体TP53および複雑な細胞遺伝学を有する患者は、他の遺伝子の変異を少数有し、この群が独特な病原性機序を有するMDSの明確な分子サブクラスであると見なされうることを示唆した。
TET2変異は、本発明者らの試料セットにおいて同定された最も有病率の高い遺伝子異常であった。これらの変異は、血球減少症および芽球比率などの臨床測定値に強く関連せず、TET2変異は、造血細胞の分化の欠損を特徴としない骨髄増殖性新生物を含む多様な骨髄悪性疾患において起こるという知見と一貫する。TET2変異を有する試料の4分の1を超える(25.6%)試料がこの遺伝子において2つの別個の変異を有し、このことは、野生型TET2の二対立遺伝子の喪失が症例のサブセットにおいてMDSの病因に寄与することを示唆している。より小さい試料セットによるこれまでの報告とは対照的に、一対立遺伝子または二対立遺伝子変異のいずれもIPSSリスクまたはOSに関連しなかった(図12)11,31。さらに、TET2および他の遺伝子に変異を有する試料中の変異対立遺伝子負荷の分析から、TET2変異が唯一の初期病原性事象である場合に予測される最大の頻度でTET2変異が必ずしも存在するわけではないことが示される(図13)。TET2変異は、ASXL1およびEZH2などの他の後成的調節因子の異常と共存した32-34。これらの遺伝子の変異は、OSを含む臨床表現型に対して異なる関連を有し、これらの染色質修飾遺伝子がMDSへの細胞の移行の別個の相加的な局面を促進することを示唆した。予後的に重要な変異の各々は、遺伝的病変と後成的病変の組み合わせにおける複雑な相互作用により、細胞遺伝学異常の場合と同様に特有の方法でMDSの生物学および表現型を変化させる。とはいえ、単純化された予後判定スキームは大きい臨床有用性を有する。1つのアプローチは、独立した予後的重要性を有する任意の遺伝子の変異が次のリスクレベルまでスコアを増加させる1つのさらなる変数をIPSSに含めることであろう。
本発明者らが本明細書において証明したように、いくつかの遺伝子の体細胞変異は、血球減少症、芽球比率、他の分子病変が共存する可能性、およびOSに対して明確な効果に関連する。臨床的に、感度のよい遺伝子型決定法によって末梢血中の広範囲の点突然変異を検出することがまもなく可能となり、これによってMDSの予後が改善されるのみならず、これらの障害の診断、疾患進行の評価、および処置に対する反応のモニタリングが促進されるであろう。診断分類および予後判定システムに変異の評価を組み込むことは、多様なMDSを、より一貫した臨床表現型、予後、および治療応答を有する明確な疾患の組へと分解するために有望である。
実施例3:LR-PSSの検証
本発明者らは最初に、IPSSスコアによって決定した場合に、低リスク疾患を有するMDS患者における予後の予測を改善させうる臨床パラメータを評価した。LR-PSSは、患者856人のコホートにおいてこの目的のために開発されたが、独立したコホートの患者において検証されていない。本発明者らは、低リスクまたは中間リスク-1 IPSSリスクのMDSを有し、疫学研究に記述される低リスクMDS患者を代表する臨床特徴を有する患者288人の十分な注釈付きコホートにLR-PSSを適用した(表8)。LR-PSSをこのコホートに適用したところ、患者57人(19.8%)がリスクカテゴリー1に割付され、生存期間の中央値は5.19年(95%信頼区間[CI]、3.01〜10.34)であり;患者160人(55.6%)がカテゴリー2に割付され、生存期間の中央値は2.65年(CI、2.18〜3.30)であり;および71人(24.7%)がカテゴリー3に割付され、生存期間の中央値は1.11年(CI、0.82〜1.51、図14、表11)であった。
本発明者らのコホートにおける患者のLR-PSSカテゴリー間の全生存の差は、非常に有意であり(各比較に関してp≦0.001)、LR-PSSに関する当初の記述の差と同等であった(カテゴリー1〜3においてそれぞれ、6.7、2.3、および1.2年)。カテゴリー3に割付された患者の転帰は、中間リスク-2 IPSSリスクを有する患者に関して公表された生存期間の中央値と類似であり、これらの患者を、より高リスクのMDSに関して一般的に指定される治療に関して検討すべきであることを示している。これらの知見は、独立した患者コホートにおけるLR-PSSを検証する。
実施例4:低IPSSリスクMDSの遺伝的特徴付け
個々の遺伝子の変異は、一般的にMDS患者におけるIPSSスコアとは無関係である予後情報を提供することができるが、変異の予後的重要性は、低リスクMDSの患者では詳しく調べられていない。本発明者らのコホートにおける患者288人の骨髄吸引液は、TET2、ASXL1、TP53、RUNX1、EZH2、ETV6、およびNRASを含む遺伝子18個の変異に関して既に検査された。MDSにおけるDNMT3A、SF3B1、SRSF2、およびU2AF1の変異に関する最近の報告に従って、本発明者らは、全ての試料においてこれらの遺伝子の繰り返し変異する領域をシークエンシングした。
低リスクMDSにおいて最も一般的に変異した遺伝子は、TET2(試料の23%)、SF3B1(22%)、U2AF1(16%)、ASXL1(15%)、SRSF2(15%)、およびDNMT3A(13%)であった。合計すると、本発明者らは、正常な核型を有する症例の70%を含む、低リスクMDS患者試料288個中204個(コホートの71%)において変異を同定した。変異の分布および同時発生を図15に示す。
実施例5:DNMT3AおよびSF3B1変異は通常、同時発生する
DNMT3AおよびSF3B1変異は、他の任意の頻繁に変異する遺伝子の変異と共存したが、偶然に予想されるよりも有意に頻繁に互いに同時に発生し(p<0.001)、これらの2つの遺伝的病変のあいだにこれまで認識されていない分子相乗効果が存在することを示唆している。具体的に、DNMT3A変異を有する患者36人中、20人(56%)が同様にSF3B1変異を有した。既に報告されたように、SF3B1の変異は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)患者由来の試料において非常に多く存在し、非RARS症例の13%に対し、症例の78%に存在した(p<0.001)。
実施例6:予後予測特色に関連する変異遺伝子
変異は、LR-PSSによって正確に捉えられるように臨床パラメータを変化させうる。または、いくつかの変異は、標準的な臨床変数では十分に捕らえられないMDS表現型に関して統計学的に独立した情報を生じうる。これらの可能性に取り組むために、本発明者らは、LR-PSSに含まれる臨床パラメータと変異との関連を調べた。高齢であることは、1つまたは複数の変異の存在に関連したが(60歳未満で48%に対し、60歳以上では77%、p≦0.001)、個々の遺伝子変異は年齢に有意に関連しなかった。ASXL1、RUNX1、およびEZH2の変異は、10 gm/dL未満のヘモグロビンレベルに関連した(各々の比較に関してp≦0.008)。4%またはそれより多くの骨髄芽球数は、SRSF2、ASXL1、RUNX1、NRAS、およびCBLの変異に関連したが(各々の比較に関してp<0.005)、U2AF1、ASXL1、RUNX1、およびNRASの変異は、<50×109個/Lの血小板数に関連した(各々の比較に関してp<0.01)。対照的に、SF3B1変異は、正常または上昇した血小板数に関連した(<50×109個/Lの4%に対し50〜200×109個/Lの15%、>200×109個/Lの51%、p<0.001)。
これらの知見は、変異がLR-PSSを計算するために使用される特異的パラメータに有意に関連することを証明している。それゆえ、本発明者らは、高リスク特色に関連する変異が、高リスクLR-PSSカテゴリーにおいて不釣り合いに表現されるか否かを調べた。実際に、ASXL1、U2AF1、SRSF2、RUNX1、NRAS、およびCBLにおいて変異を有する患者は、最高リスクのLR-PSSカテゴリーへと上方に表現された(各々の比較に関してp≦0.005、図16〜17)。対照的に、予後的に有害な臨床測定に関連しなかったSF3B1変異を有する患者は、カテゴリー3へと有意に下方に表現された(p<0.001)。これらの知見は、予後的臨床変数と変異との関連を証明し、LR-PSSが特定の変異によって促進される生物学をより正確に捉えうることを示唆している。
実施例7:全生存の差に関連する変異遺伝子
本発明者らは次に、本発明者らの低リスクMDSコホートにおける全生存と変異の状態との関連を調べた。単変量解析において、ASXL1、RUNX1、EZH2、SRSF2、U2AF1、およびNRASの変異は、表9に示されるハザード比および図19における生存曲線により、より短い全生存に関連した。SF3B1の変異のみが生存を延長させる方向に有意でない傾向を示した(HR 0.76、[CI、0.54〜1.07]、p=0.12)。
本発明者らは次に、変異がLR-PSSに関して調整後の予後を予測するか否かを調べた。変異した遺伝子のほとんどに関する予後的重要性は、LR-PSSリスクカテゴリーに関する調整後ではそれほど顕著ではなく、LR-PSSに組み込まれた臨床パラメータが、点突然変異の予後的重要性のいくつかを捕らえることを示した(表9)。調整済みハザード比は、ASXL1変異に関して1.56(CI、1.08〜2.26)、およびRUNX1変異に関して1.67(CI、1.07〜2.61)であった。NRAS、U2AF1、およびSRSF2の変異は、LR-PSSに関する調整後ではもはや有意ではなかった。TP53の変異は、IPSS(HR 2.43[CI、1.07〜5.52])またはLR-PSS(HR 2.63[CI、1.16〜5.99])のいずれかに関する調整後、より短い全生存を予測したが、低リスクMDS患者(n=7)のこのコホートではまれであった。重要なことは、EZH2変異はなおも、LR-PSSリスクカテゴリーに関する調整後の全生存の強力かつ有意な予測因子であった(HR 2.90[CI、1.85〜4.52])。
変異の予測力の有意な部分がLR-PSSによって捕らえられることから、本発明者らは、ステップワイズ多変量Cox回帰分析を行って、既存の予後判定システムに加えて全生存の予測に有意に寄与して、それゆえ臨床的に分析するために最も有用である変異を同定した。本発明者らは最初に、モデルにおける候補変数として、患者の年齢(60歳未満対60歳以上)、性別、IPSSリスク群および症例の1%より多くにおいて変異した遺伝子15個の各々の変異の状態を考慮して、IPSSを調べた(表10)。年齢およびIPSSリスク群に加えて、EZH2、NRAS、およびASXL1の変異は各々が、このモデルにおいてより高い死亡リスクに独立して関連した。全体で、患者の21%がこれらの遺伝子において1つまたは複数の変異を有し、IPSSによって低リスクMDSとして分類された患者の5分の1より多くが、悪い予後に関連する変異を有することを示した。
年齢およびIPSSリスク群の代わりにLR-PSSリスクカテゴリーを考慮する類似のモデルにおいて、LR-PSSリスク群に加えてEZH2変異のみがなおもより短い全生存の有意な予測因子のままであった(HR 2.90[CI、1.85〜4.52]、図19)。この分析は、LR-PSSがより短い全生存に関連する遺伝子変異に連鎖する予後情報の多くを捕らえる臨床特徴を考慮することを証明する。それにもかかわらず、EZH2の変異は、全てのモデルにおいて≧2.84のハザード比で全生存の非常に有意な予測因子であり、EZH2変異の影響はIPSSまたはLR-PSSのいずれによっても捕らえられない。それゆえ、EZH2の遺伝子分析は低リスクMDSにおける予後の予測を有意に改善するであろう。
(表3)タンパク質配列を崩壊させると予測され、分析に含まれる変異の一覧
Figure 2014518069
Figure 2014518069
Figure 2014518069
Figure 2014518069
Figure 2014518069
(表4)生殖系列であることが証明されるか、または生殖系列であるとこれまでに報告され、dbSNPに含まれていない変異の一覧
Figure 2014518069
(表5)変異の一致
この表は、任意の所与の遺伝子対において変異を有した試料の数を示す。対角線上の灰色の欄は、その遺伝子のみにおいて変異を有する試料の数を示す。上の行の欄はその列に記載される遺伝子に変異を有する試料の総数を記載する。2つより多くの変異を有する試料は、行および列あたり1つより多くの欄において計数される。それゆえ、変異対の総数(下の行に記載される)は、上の行に示される変異試料の数より多い可能性がある。
Figure 2014518069
(表6)変異した遺伝子の頻度と生存期間の中央値との関連
Figure 2014518069
(表7)多変量生存モデルにおける変異および予後
Figure 2014518069
(表8)低リスク予後判定システム(LR-PSS)
Figure 2014518069
(表9)遺伝子15個の変異に関連する単変量および調整済みハザード比
Figure 2014518069
(表10)IPSSおよびLR-PSSに関する多変量全生存モデル
Figure 2014518069
症例の29%がLR-PSSカテゴリー3リスクまたはEZH2変異を有する。
(表11)患者の特徴
Figure 2014518069
Figure 2014518069
(表12)IPSS低リスク群からLR-PSSリスクカテゴリーへの割付
A. IPSS低リスク群のマッピング(n=288)
Figure 2014518069
B.IPSS低リスクスコアのマッピング(n=283)*
Figure 2014518069
* 中間-1リスクの患者5人は、臨床情報を失ったためにその総IPSSスコアが0.5または1.0であるか否かが不明であることから、この表から除外した。
(表13A)多変量COX生存モデル−本発明者らのNEJM論文原本から
Figure 2014518069
439個中137個(31.2%)の試料が1つまたは複数の予後予測変異を有する。
(表13B)多変量COX生存モデル−DNMT3Aおよびスプライス遺伝子を含む
Figure 2014518069
439個中184個(41.9%)の試料が1つまたは複数の予後予測変異を有する。
同等物
当業者は、単なるルーチンの実験を用いて本明細書において記述される特異的技法に対する多数の同等物を認識するか、または確認することができるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲に含まれる。様々な置換、変更、および修飾を本発明に行ってもよく、それらも特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含まれる。他の局面、長所、および修飾は、本発明の範囲内である。本出願を通して引用された全ての参考文献、公布された特許、および公表された特許出願の内容は、参照により本明細書に組み入れられる。それらの特許、出願、および他の文書の適切な成分、プロセス、および方法を、本発明およびその態様のために選択してもよい。
参考文献
Figure 2014518069
Figure 2014518069
Figure 2014518069

Claims (31)

  1. 以下の段階を含む、骨髄異形成症候群(MDS)に罹患している対象における全生存を既定の予測可能性レベルで評価する方法:
    a.対象から核酸試料を得る段階;および
    b.該核酸試料において、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つまたは複数の遺伝子における1つまたは複数の変異の存在を検出する段階。
  2. 前記遺伝子の1つにおける1つまたは複数の変異の存在が、該変異を有しない対象と比較した、前記対象の全生存の減少を示す、請求項1記載の方法。
  3. TET2およびSF3B1の両方における1つまたは複数の変異の存在が、TETE2のみに変異を有する対象と比較した、前記対象の生存の増加を示す、請求項1記載の方法。
  4. DNMT3AおよびSF3B1の両方における1つまたは複数の変異の存在が、DNMT3Aのみに変異を有する対象と比較した、前記対象の生存の増加を示す、請求項1記載の方法。
  5. 前記対象がRARS型MDSを有しかつSF3B1に1つまたは複数の変異を有する場合、RARS型MDSを有しかつ該変異を有しない対象と比較した、前記対象の生存の増加を示す、請求項1記載の方法。
  6. TP53における1つまたは複数の変異を検出する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  7. 前記対象が、低リスクまたは中間リスクMDSを有する、請求項1記載の方法。
  8. 以下の段階を含む、対象におけるMDSまたはそれに対する素因を診断する方法:
    a.対象から核酸試料を得る段階;および
    b.該核酸試料において、
    i. 表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子における1つもしくは複数の変異、または
    ii. ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子における1つもしくは複数の変異
    の存在を検出する段階であって、該変異の存在が、該対象がMDSまたはそれに対する素因を有することを示す、段階。
  9. TP53における1つまたは複数の変異を検出する段階をさらに含む、請求項12記載の方法。
  10. MDSに対する処置の有効性を既定の予測可能性レベルでモニターする方法であって、
    a.対象由来の第一の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第一の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    b.対象由来の第二の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第二の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    段階(a)および段階(b)において決定された変異対立遺伝子頻度を比較する段階
    を含み、処置の有効性が、対象から検出された少なくとも1つの前記変異を含む前記遺伝子における変異対立遺伝子頻度の変化によってモニターされる、前記方法。
  11. 対象におけるMDSの進行を既定の予測可能性レベルで評価する方法であって、
    a.対象由来の第一の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第一の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    b.対象由来の第二の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第二の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    c. 段階(a)および段階(b)において決定された変異対立遺伝子頻度を比較する段階
    を含み、対象におけるMDSの進行が、対象から検出された少なくとも1つの前記変異を含む前記遺伝子における変異対立遺伝子頻度の変化によって評価される、前記方法。
  12. MDSであると診断された対象のための治療計画を既定の予測可能性レベルで選択する方法であって、
    a.対象由来の第一の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第一の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    b.任意で、対象由来の第二の核酸試料において、
    i. 1つもしくは複数の変異を有する、表6から選択される2つもしくはそれより多くの遺伝子、または
    ii. 1つもしくは複数の変異を有する、ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される任意の1つもしくは複数の遺伝子
    における、第二の期間での変異対立遺伝子頻度を決定する段階;
    c. 段階(a)および段階(b)において決定された変異対立遺伝子頻度を比較する段階
    を含み、対象のための治療計画が、対象から検出された少なくとも1つの前記変異を含む前記遺伝子における変異対立遺伝子頻度の変化によって決定される、前記方法。
  13. 対象が既にMDSに関して処置されている請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 第一の試料が、MDSに関して処置される前に対象から採取される、請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
  15. 第二の試料が、MDSに関して処置された後に対象から採取される、請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
  16. 変異対立遺伝子頻度が、次世代シークエンシング、質量分析による遺伝子型決定、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、一塩基多型(SNP)アレイ、および***間期蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)分析からなる群より選択される方法によって決定される、請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
  17. 前記変異がサイレント変異ではない、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  18. MDSに関連する少なくとも1つの危険因子を検出する段階をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記危険因子がIPSSスコアである、請求項18記載の方法。
  20. 前記危険因子が核型である、請求項18記載の方法。
  21. 前記危険因子が芽球比率である、請求項18記載の方法。
  22. 前記危険因子が血球減少症である、請求項18記載の方法。
  23. 前記危険因子が年齢である、請求項18記載の方法。
  24. 前記核酸試料が対象の骨髄から単離される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  25. 検出する段階が、次世代ゲノムシークエンシングおよび/または質量分析による遺伝子型決定によって行われる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  26. 表6から選択される対応する遺伝子を検出する複数の検出試薬を含む、キット。
  27. 検出試薬が1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む、請求項26記載のキット。
  28. ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される1つまたは複数の遺伝子を検出するための試薬と、キットを使用するための説明書とを含む、キット。
  29. TP53を検出するための試薬をさらに含む、請求項28記載のキット。
  30. ETV6、EZH2、RUNX1、ASXL1、DNMT3A、SRSF2、U2AF1、およびSF3B1からなる群より選択される1つまたは複数の遺伝子の変異パターンを含む、MDS発現プロファイル。
  31. 請求項30記載の1つまたは複数のMDS発現プロファイルと、任意で追加の試験結果および対象情報とを含む、機器読み取り可能な媒体。
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