JP2014516074A - ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物ならびにそのPDE2阻害剤および/またはCYP3A4阻害剤としての使用 - Google Patents

ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物ならびにそのPDE2阻害剤および/またはCYP3A4阻害剤としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、とりわけ、式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩、そうした化合物の調製方法、その調製において使用する中間体、およびそれを含有する組成物、ならびに哺乳動物における、中枢神経系障害、認知障害、統合失調症、認知症、および他の障害からなる群から選択される疾患または状態の治療方法としてのそうした化合物の使用を提供する。本発明はさらに、選択的CYP3A4阻害剤である式(Id)の化合物および薬学的に許容できるその塩を提供する。
【化1】
Figure 2014516074

【化2】

Description

本発明は、一般に、PDE2の選択的阻害剤であるピラゾロ[3,4−d]ピリミジンに関する。本発明はさらに、(CYP3A5に対する)CYP3A4の選択的阻害剤である、ある特定のピラゾロ[3,4−d]ピリミジンに関する。本発明はさらに、そうした化合物、そうした化合物を含む医薬組成物、および中枢神経系(CNS)または本明細書に記載の他の障害を治療する方法におけるそうした化合物の使用に関する。本発明はまた、哺乳動物において、精神病、認知機能の低下、統合失調症、うつ病、認知症、および他の障害を含めた神経変性障害または精神障害を治療する方法に関する。
ホスホジエステラーゼ(PDE)は、ヌクレオチドである環状アデノシン一リン酸(cAMP)および環状グアノシン一リン酸(cGMP)をそのそれぞれのヌクレオチド一リン酸にする加水分解に関与する細胞内酵素の一部類である。これらの環状ヌクレオチドは、いくつかの細胞経路において二次メッセンジャーとして働いて、cAMPおよびcGMP依存的タンパク質キナーゼの活性化を始めとする、中枢神経系のニューロン内の一連の細胞内プロセスを調節し、こうした活性化が、引き続いて、シナプス伝達、シナプス可塑性、ニューロンの分化および生存の調節に関与するタンパク質のリン酸化を引き起こす。
これまで、PDE2の単一遺伝子であるPDE2Aだけが特定されているが、PDE2A1、PDE2A2、およびPDE2A3を含む、複数の選択的にスプライシングされたPDE2Aアイソフォームが報告されている。PDE2Aは、一次アミノ酸配列および独特な酵素活性に基づいてユニークなファミリーとして特定された。ヒトPDE2A3配列は、1997年に単離された(Rosmanら、Isolation and characterization of human cDNAs encoding a cGMP−stimulated 3’,5’−cyclic nucleotide phosphodiesterase、Gene、191(1):89〜95、1997)。
PDE2Aの阻害は、認知記憶、社会的相互作用、および作動記憶(これらはすべて、統合失調症で欠陥が見られる)の向上を反映する複数の認知能力前臨床モデルで認知機能の強化を示している(Boessら、Inhibition of phosphodiesterase 2 increases neuronal cGMP, synaptic plasticity and memory performance、Neuropharmacology、47(7):1081〜92、2004)。PDE2A阻害によって、加齢およびアルツハイマー病で発症する認知欠損も改善される(Domek−LopacinskaおよびStrosznajder、The effect of selective inhibition of cyclic GMP hydrolyzing phosphodiesterases 2 and 5 on learning and memory processes and nitric oxide synthetase activity in brain during aging、Brain Research、1216:68〜77、2008)。バイエル社は、認知障害におけるPDE2阻害の役割を報告する、BAY60−7550の生化学プロファイルおよび挙動プロファイルを発表している(Brandonら、Potential CNS Applications for Phosphodiesterase Enzyme Inhibitors、Annual Reports in Medicinal Chemistry 42:4〜5、2007)。この化合物は、他のPDEアイソフォームでかなりの効力を示し、クリアランスが高く、脳への浸透が限られていた。
PDE2阻害剤は、不安およびうつ病の前臨床モデルにおいて有効性を示すことも報告されている(Masoodら、Anxiolytic effects of phosphodiesterase−2 inhibitors associated with increased cGMP signaling、JPET 331(2):690〜699、2009;Masoodら、Reversal of Oxidative Stress−Induced Anxiety by Inhibition of Phosphodiesterase−2 in Mice、JPET 326(2):369〜379、2008;Reiersonら、Repeated antidepressant therapy increases cyclic GMP signaling in rat hippocampus、Neurosci.Lett.、466(3):149〜53、2009)。
神経因性疼痛および炎症性疼痛の過程では、脊髄後角および後根神経節において発現されたPDE2Aタンパク質によって、PDE2Aによるこれらの領域中の環状ヌクレオチドレベルのモジュレーションが可能になる(Schmidtkoら、cGMP Produced by NO−Sensitive Guanylyl Cyclase Essentially Contributes to Inflammatory and Neuropathic Pain by Using Targets Different from cGMP−Dependent Protein Kinase I、The Journal of Neuroscience、28(34):8568−8576、2008)。
末梢において、内皮細胞におけるPDE2Aの発現は、内皮のバリア機能の調節において肝要な役割を果たすことが報告されている。内皮細胞におけるPDE2Aの発現レベルは、敗血症および急性呼吸窮迫症候群の状態で、TNFαなどの炎症性サイトカインに反応して増大し、内皮のバリア機能を崩壊させる一因となる。PDE2Aの阻害は、敗血症において透過性不足を逆転させ、敗血症および内毒素中毒の動物モデルにおいて生存率を高めることが示されている(Seyboldら、Tumor necrosis factor−{alpha}−dependent expression of phosphodiesterase 2: role in endothelial hyperpermeability、Blood、105:3569〜3576、2005;Kayhanら、The adenosine deaminase inhibitor erythro−9−[2−hydroxyl−3−nonyl]−adenine decreases intestinal permeability and protects against experimental sepsis: a prospective, randomized laboratory investigation、Critical Care、12(5):R125、2008)。
少なくとも上で論述した理由のために、PDE2と関連する状態または疾患または障害、たとえば、ほんの数例を挙げると、統合失調症と関連する認知機能障害 不安、うつ病、神経因性疼痛、炎症性疼痛、敗血症、および内毒素中毒症を治療するための新しくより有効な医薬の開発に向けて、PDE2をモジュレートする(たとえば阻害する/拮抗する)新規または改良型の薬剤が絶えず求められている。PDE2をモジュレートする(たとえば阻害する/拮抗する)新規または改良型の薬剤の開発において、溶解性、生物学的利用能、薬動学、薬力学、および/または毒性などの化学的または生物学的性質が改良されている薬剤を発見することも、必須ではないが望ましい。副作用がより少ない、たとえば、心血管副作用がより少ない薬剤を発見することも、必須でないが望ましい。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物、組成物、および方法は、一つには、こうしたまだ対処されていない要求に照準を合わせている。
シトクロムP450酵素は、薬物および他の生体異物の代謝における最も重要な酵素に数えられる。この酵素は、大きな酵素ファミリーを構成しており、その中で最も重要なのが、1A、2A、2B、2C、2D、2E、および3A群である。こうした酵素によって触媒される薬物代謝反応は、大部分が、特に、ヒドロキシル化、ヘテロ原子脱アルキル、および脱水素反応を含めた酸化である。こうした反応は、薬物をより親水性にし(したがって、より排出されやすくし)、また(グルクロン酸または硫酸基などの)親水性の内因性実在物と引き続いて結合し、***され得る官能基を、分子に付加する働きをする。P450酵素は、薬物−薬物相互作用、またはこれら酵素の構造および/もしくは発現の自然発生的な遺伝的変異体により、患者間で薬物動態が変わりやすくなることの根源である。
多くのヒトP450酵素ファミリーの中でも、CYP3Aファミリーは、何百もの化合物の代謝に関与するので、最も重要である。CYP3Aは、ヒトでは4つの構成員:CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、およびCYP3A43を擁する。薬物の代謝においてはCYP3A4およびCYP3A5が重要である。これら2種の酵素は、アミノ酸配列は似通っているが、基質プロファイルにいくつかの違いが存在する。CYP3A5は、遺伝的多型の対象であり、一部の対象は、機能タンパク質を発現させない。これにより、治療および毒性において個体間の差が生じる場合がある。
CYP3A4およびCYP3A5は重要であるため、薬物の代謝におけるこれら酵素それぞれの寄与を識別するのに使用できるツールおよび方法を開発することが望ましい。これら酵素の構造が非常に似通っているために、新規化学物質の代謝への3A4対3A5の相対的な寄与を明らかにするツールおよび方法は、用意されていない[たとえば、Obachら、「Mechanism−Based Inactivation of Human Cytochrome P450 Enzymes and the Prediction of Drug−Drug Interactions」、Drug Metabolism And Disposition、第35巻2号、246〜255頁、2007を参照されたい]。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物、組成物、および方法は、一つには、こうしたまだ対処されていない要求に照準を合わせている。
本発明は、特に、式Iの化合物
Figure 2014516074
または薬学的に許容できるその塩を提供する[式中、
「−Q−R」は、Q1a、Q1b、またはQ1c
Figure 2014516074
であり、
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C15)シクロアルキルであり、
は、−NHRまたは−N(Rであり、
各Rは、独立して選択された1、2、3、4または5個のRでそれぞれが置換されていてもよい、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
またはRが−N(Rであるとき、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよく、またフルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R2、−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
各Rは、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
4aは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C15)シクロアルキルであり、
は、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5g
Figure 2014516074
であり、
ここでnは、0、1、2、3または4であり、
は、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−SF、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、
各Rは、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−O−(C〜C)アルキル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
またはRおよび近接するRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい、5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成しており、
または2つの近接するRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい、5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成しており、
各Rは、存在する場合は常に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C15)シクロアルキル、−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキル、−CF、−CHF、および−CHFからなる群から独立して選択され、
各Rは、ハロ、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合および1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリール部分はそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および−CFから独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい]。
本明細書では、同じ環構造上の2つの置換基の相対的な位置について述べる際の用語「近接する」とは、同じ環の2個の環形成原子にそれぞれ結合している2つの置換基において、その2個の環形成原子が化学結合によって直接つながっているものをいう。たとえば、以下の構造:
Figure 2014516074
において、2つのR基のどちらもが、Rの基に近接している。
本明細書で使用するとき、用語「n員」[ここでnは整数である]とは、通常、環形成原子の数がn個である部分において環形成原子の数を記載するものである。たとえば、ピリジンは、6員ヘテロアリール環の一例であり、チオフェンは、5員ヘテロアリール基の一例である。
本明細書では、用語「アルキル」とは、直鎖および分枝鎖を含めた飽和脂肪族炭化水素を包含すると定義される。アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有することが好ましい。たとえば、本明細書で使用するとき、用語「(C〜C)アルキル」、ならびに本明細書で言及する他の基のアルキル部分[たとえば、(C〜C)アルコキシ]とは、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい、炭素原子1〜6個の線状または分枝状の基(たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)を指す。
本明細書において炭素原子と関連する数値範囲を使用するときは必ず、たとえば、「(C〜C)アルキル」の用語において1〜6を使用するとき、この数値範囲は、アルキル基が、炭素原子6個まで、また6個を含めて、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などを含み得ることを意味し、別の例では、用語「(C〜C14)ヘテロ環」は、1〜14個の環形成炭素原子を含んでいる「ヘテロ環」基を指し、用語「(C〜C13)ヘテロアリール」は、1〜13個の環形成炭素原子を含んでいる「ヘテロアリール」基を指す。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖および分枝鎖を含めて、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素を包含すると定義される。アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有することが好ましい。アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有することがより好ましい。たとえば、本明細書で使用するとき、用語「(C〜C)アルケニル」とは、限定はしないが、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどを含めて、炭素原子2〜6個の直鎖または分枝鎖不飽和基を意味する。式Iの化合物がアルケニル基を含んでいるとき、アルケニル基は、純粋なE(エントゲーゲン)型、純粋なZ(ツザメン)型、またはその任意の混合物として存在し得る。
本明細書で使用するとき、用語「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖および分枝鎖を含めて、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素を包含すると定義される。アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有することが好ましい。たとえば、本明細書で使用するとき、用語「(C〜C)アルキニル」は、本明細書では、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい、2〜6個の炭素原子および1個の三重結合を有する、上で定義したとおりの直鎖または分枝鎖炭化水素アルキニル基を意味するのに使用する。
本明細書で使用するとき、用語「シクロアルキル」とは、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい、飽和または不飽和の(非芳香族)単環式または多環式(たとえば、二環式)炭化水素環(たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルなどの単環、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[5.2.0]ノナニルなどの架橋もしくは縮合系を始めとする二環など)を包含すると定義される。シクロアルキル基は、3〜15個の炭素原子を有する。一実施形態では、シクロアルキルは、1個、2個、またはそれ以上の非集積非芳香族性二重または三重結合、および1〜3個のオキソ基を含んでいてもよい。ビシクロアルキル基は、6〜15個の炭素原子を有することが好ましい。ビシクロアルキルは、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい。一実施形態では、ビシクロアルキルは、1個、2個、またはそれ以上の非集積非芳香族性二重または三重結合を含んでいてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「アリール」とは、共役π電子系を有する、全部が炭素の単環式または縮合環多環式の芳香族基を包含すると定義される。アリール基は、(1または複数の)環中に6、8、または10個の炭素原子を有する。より一般には、アリール基は、(1または複数の)環中に6〜10個の炭素原子を有する。より一般には、アリール基は、環中に6個の炭素原子を有する。たとえば、本明細書で使用するとき、用語「(C〜C10)アリール」とは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどの、6〜10個の炭素原子を含んでいる芳香族基を意味する。アリール基は、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの環中に、O、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子の環構成員(環形成原子)を有する、単環式または縮合環多環式の芳香族ヘテロ環基を包含すると定義される。ヘテロアリール基は、1〜13個の炭素原子と、O、SおよびNから選択される1〜8個のヘテロ原子を含めた5〜14個の環形成原子を有する。ヘテロアリール基は、1〜4個のヘテロ原子を含めた5〜10個の環形成原子を有することが好ましい。ヘテロアリール基は、1〜3個のオキソ基も含むことができる。ヘテロアリール基は、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含めた5〜8個の環形成原子を有することがより好ましい。特に対象とする単環式ヘテロアリールとしては、1〜3個のヘテロ原子を含めた5個の環形成原子を有するもの、または1個または2個の窒素ヘテロ原子を含めた6個の環形成原子を有するものが挙げられる。特に対象とする縮合二環式ヘテロアリールとしては、1〜4個のヘテロ原子を含む、縮合した2つの5員および/または6員単環が挙げられる。
適切なヘテロアリールとしては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(たとえば、1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(たとえば、1,2−チアゾリル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(たとえば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(たとえば、1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(たとえば、1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリル、ピリドン、ピリミドン、ピラジノン、ピリミジノン、1H−イミダゾール−2(3H)−オン、1H−ピロール−2,5−ジオンなどが挙げられる。ヘテロアリール基は、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロ環」とは、1〜14個の環形成炭素原子と、O、SおよびNから選択される1〜10個の環形成ヘテロ原子とを含む、単環式、架橋多環式、または縮合多環式の飽和または不飽和の非芳香族3〜15員環系(たとえば、4〜14員環系または4〜10員環系)を包含すると定義される。ヘテロ環基は、1〜3個のオキソ基も含むことができる。このようなヘテロシクロアルキル環の例として、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾオキサジニル、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタノン、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンなどが挙げられる。前記ヘテロ環の別の例として、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イル、オキサゾリジノンなどが挙げられる。ヘテロ環は、適切な1〜5個の置換基で置換されていてもよい。好ましいヘテロ環としては、5員および6員単環式または9員および10員縮合二環式の環が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロ」または「ハロゲン」基とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を包含すると定義される。
本明細書で使用するとき、「ハロアルキル」とは、1個または複数のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、限定はしないが、CF、C、CHF、CHF、CHCFなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「置換されていてもよい」とは、置換が任意選択であることを意味し、したがって、非置換および置換両方の原子および部分を包含する。「置換されている」原子または部分とは、指定された原子または部分上の任意の水素を、指定された原子または部分の通常の原子価を超過せず、置換の結果安定な化合物が得られるという前提で、示された置換基から選択した置換基で置き換えることができることを示す。たとえば、メチル基(すなわち、CH)が置換されていてもよい場合、炭素原子上の3個の水素原子を置換基で置き換えることができる。
上で言及したとおり、式Iの化合物は、たとえば、式Iの化合物の酸付加塩や塩基付加塩などの薬学的に許容できる塩の形態で存在してもよい。「薬学的に許容できる(1または複数の)塩」という表現は、本明細書で使用するとき、別段指摘しない限り、式Iの化合物において存在し得る酸付加塩または塩基塩を包含する。
式Iの化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成されるものである。例として、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が挙げられる。
適切な塩基塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が挙げられる。
酸および塩基のヘミ塩、たとえば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩を生成してもよい。
適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002)を参照されたい。式Iの化合物の薬学的に許容できる塩の製造方法は、当業者に知られている。
本明細書で使用するとき、用語「式I」および「式Iまたは薬学的に許容できるその塩」とは、その水和物、溶媒和物、異性体、結晶形態および非結晶形態、同形体、多形体、代謝産物、ならびにプロドラッグを含めた式Iの化合物のすべての形態を包含すると定義される。
式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩は、溶媒和していない形態で存在することも、溶媒和した形態で存在することもある。溶媒または水が固く結合しているとき、錯体は、湿度と無関係に明確な化学量論性を有する。しかし、チャネル溶媒和物や吸湿性化合物でのように、溶媒または水の結合が弱いとき、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に左右される。このような場合では、非化学量論性が一般的となる。
式Iの化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在することもある。本発明の範囲内には、クラスレート、すなわち、前述の溶媒和物とは対照的に、薬物とホストが化学量論量または非化学量論量で存在する、薬物−ホスト包接錯体などの錯体が含まれる。化学量論量とも非化学量論量ともなり得る2種以上の有機および/または無機成分を含有する式Iの錯体も含まれる。得られる錯体は、イオン化していても、部分的にイオン化していても、またはイオン化していなくてもよい。このような錯体の総説については、J.K.Haleblian、J.Pharm.Sci.1975、64、1269〜1288を参照されたい。
本発明の範囲内には、式Iの化合物の代謝産物、すなわち、薬物が投与されるとin vivoで生成される化合物も含まれる。
式Iの化合物は、不斉炭素原子を有する場合もある。式Iの化合物の炭素−炭素結合は、本明細書では、実線の直線(
Figure 2014516074
)、実線の楔形(
Figure 2014516074
)、または点線の楔形(
Figure 2014516074
)を使用して示す場合がある。実線の直線を使用した不斉炭素原子への結合の表記は、その炭素原子における考えられるすべての立体異性体(たとえば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)が含まれることを示すものである。実線または点線いずれかの楔形を使用した不斉炭素原子への結合の表記は、示した立体異性体だけが含まれることを示すものである。式Iの化合物が、2個以上の不斉炭素原子を含んでいる場合があることも考えられる。そうした化合物において、実線の直線を使用した不斉炭素原子への結合の表記は、考えられるすべての立体異性体が含まれることを示すものである。たとえば、別段記載しない限り、式Iの化合物は、鏡像異性体やジアステレオ異性体として存在しても、またはそのラセミ体や混合物として存在してもよいものとする。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合が実線の直線を使用して表記され、同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合が実線または破線いずれかの楔形を使用して表記されるのは、ジアステレオ異性体の混合物が存在することを示すものである。
式Iの立体異性体には、1種類に留まらない異性を示す化合物を含めた、式Iの化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体、たとえば、RおよびS鏡像異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、および互変異性体、ならびにその混合物(ラセミ体やジアステレオ異性体のペアなど)が含まれる。また、対イオンが、光学活性を有する、たとえば、D−乳酸もしくはL−リシン、またはラセミ体、たとえば、DL−酒石酸もしくはDL−アルギニンである、酸付加塩または塩基付加塩も含まれる。
ラセミ体が結晶するとき、異なる2つのタイプの結晶が考えられる。1つ目のタイプは、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1種類の均質な形態の結晶が生成される、上で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。2つ目のタイプは、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2種類の形態の結晶が等モル量で生成される、ラセミ混合物または集成物である。
式Iの化合物は、互変異性および構造異性の現象を示す場合もある。たとえば、式Iの化合物は、エノール型とイミン型、およびケト型とエナミン型を始めとするいくつかの互変異性体型、幾何異性体、ならびにその混合物として存在することがある。このようなすべての互変異性体型が、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性体の組の混合物として存在することができる。固体形態では、一方の互変異性体が優勢であるのが普通である。一方の互変異性体について記載する場合があるとしても、本発明は、式Iの化合物のすべての互変異性体を包含する。
本発明は、1個または複数の原子が、原子質量または質量数が自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子で置き換えられていること以外、上の式Iにおいて列挙した化合物と同一である、同位体標識された化合物も包含する。式Iの化合物に組み込むことのできる同位体の例として、限定はしないが、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、32P、35S、18F、36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられる。ある特定の同位体標識された式Iの化合物、たとえば、Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化した、すなわちH、および炭素14、すなわち14C同位体は、調製しやすく、検出性がよいため、特に好ましい。さらに、ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体で置換すると、代謝安定性がより高いために生じるある特定の治療上の利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の低減がもたらされる場合もあり、したがって、状況によっては好ましいこともある。同位体標識された式Iの化合物は、一般に、スキームおよび/または以下の実施例および調製例で開示する手順を、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いて実施することにより調製できる。
本発明の詳細な実施形態は、式Iaの化合物:
Figure 2014516074
または薬学的に許容できるその塩(すなわち、「−Q−R」がQ1aである、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩)である。
本発明の別の詳細な実施形態は、式Ibの化合物
Figure 2014516074
または薬学的に許容できるその塩(すなわち、「−Q−R」がQ1bである式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩)である。
本発明の別の詳細な実施形態は、式Icの化合物
Figure 2014516074
または薬学的に許容できるその塩(すなわち、「−Q−R」がQ1cである式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩)である。
特に重要な一実施形態は、Rが(C〜C)アルキルである、より詳細にはRが(C〜C)アルキルである、さらに詳細にはRがメチルまたはエチルである、さらにより詳細にはRがメチルである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが水素である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、メチル、−CF、−CHF、または−CHFである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、−CF、−CHF、または−CHFである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが(C〜C15)シクロアルキル、より詳細には(C〜C)シクロアルキルである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが−NHRまたは−N(Rであり、各Rが、独立して選択された1、2、3、4または5個のRでそれぞれが置換されていてもよい(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択される、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、
が−N(Rであり、
各Rが、(C〜C)アルキルから独立して選択され、
または前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよく、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R2、−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4員〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
特に重要な一実施形態は、Rが−N(Rであり、各Rが、独立して(C〜C)アルキルである、より詳細には、各Rが、独立して(C〜C)アルキルである、さらに詳細には、各Rが、独立してメチルまたはエチルである、さらにより詳細には、各Rがメチルである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
特に重要な一実施形態は、Rが−NHRであり、Rが(C〜C)アルキルである、より詳細には、Rが−NH(C〜C)アルキルである、さらに詳細にはRが−NH(CH)または−NH(CHCH)である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
特に重要な一実施形態は、Rが−N(Rであり、前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フルオロ、−CN、−O−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、前記(C〜C14)ヘテロ環および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、(C〜C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。さらなる一実施形態では、前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フルオロ、−CN、−O−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、(C〜C14)ヘテロ環(たとえば、ピロリジニルやピペリジニルなどの5−、6−、または7員ヘテロ環)、および(C〜C13)ヘテロアリール(たとえば、ピラゾリルやイソオキサゾリルなどの5員ヘテロアリール)からなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、アゼチジニル、ピロリジニル、またはピペリジニル環を形成していてもよく、前記(C〜C14)ヘテロ環および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、(C〜C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、各Rは、存在する場合は常に、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキル[たとえば、シクロプロピルメチルなどの−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル]からなる群から独立して選択される。
本発明の詳細な一実施形態は、各Rが、独立して水素、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、または−CHFである、より詳細には、各Rが、独立して水素、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、または−CHFである、さらに詳細には、各Rが、独立して水素、メチル、−CF、−CHF、または−CHFである、さらにより詳細には、各Rが水素である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、各R4aが、水素、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C)シクロアルキルである、より詳細には、R4aが、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C)シクロアルキルである、さらに詳細には、R4aが(C〜C)アルキルである、さらにより詳細には、R4aが(C〜C)アルキル(特にメチル)である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5a
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5b
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5c
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5d
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5e
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5f
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、RがR5g
Figure 2014516074
である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の一実施形態は、
各Rが、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−SF、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、
各Rは、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−O−(C〜C)アルキル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択される、(式Ia、Ib、および/またはIcを含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、水素、ハロ、−CF、−CHF、または−CHFである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル]−(C=O)−R、または−N[(C〜C)アルキル]−(C=O)−ORである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが(C〜C)アルキルまたは(C〜C15)シクロアルキルである、(式Ia、Ib、および/またはIcも含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
(Rが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものを含めた)式I、Ia、Ib、またはIcのいずれか1つの化合物または薬学的に許容できるその塩の一実施形態において、Rは、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、または(C〜C13)ヘテロアリールである。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、ハロ(F、Br、またはCl)、(C〜C)アルキル[たとえば、メチル、エチル、2−プロピルなどの(C〜C)アルキル]、−CF、−CHF、−OR[たとえば、メトキシなどの(C〜C)アルコキシ]、(C〜C15)シクロアルキル[たとえば、シクロプロピルなどの(C〜C)シクロアルキル]からなる群から選択される、(式Ia、Ib、および/またはIcも含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、各Rが、ハロおよび(C〜C)アルキル[たとえば、メチルやエチルなどの(C〜C)アルキル]からなる群から独立して選択される、(式Ia、Ib、および/またはIcも含め、またRが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の一実施形態は、Rおよび近接するRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成している、(Rが、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5gであるものも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。Rのさらなる一実施形態では、Rおよび近接するRは、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、以下のR部分のいずれか1つを形成し得る。
Figure 2014516074
本発明の一実施形態は、近接する2個のRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成している、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。Rのさらなる一実施形態では、近接する2個のRは、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、以下のR部分のいずれか1つを形成し得る。
Figure 2014516074
本発明の詳細な一実施形態は、各Rが、存在する場合は常に、(C〜C)アルキル[たとえば、メチル、エチル、2−プロピル、tert−ブチルなどの(C〜C)アルキル]および−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキル[たとえば、シクロプロピルメチルなどの−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル]からなる群から独立して選択される、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、各Rが、水素、ハロ(F、Cl、Brなど)、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−CN、または−O−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される、より詳細には、各Rが、独立して水素またはハロである、さらに詳細には、各Rが水素である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、nが、0、1または2である、(式Ia、Ib、および/またはIcも含めた)式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、「−Q−R」がQ1aまたはQ1bである、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。さらなる一実施形態では、各Rは、水素であり、R4aは、(C〜C)アルキル(たとえば、メチルまたはエチル)であり、Rは、R5aまたはR5bである。
本発明の詳細な一実施形態は、
「−Q−R」がQ1aまたはQ1bであり、
が(C〜C)アルキルであり、
が−NHRまたは−N(Rであり、
各Rが、独立して(C〜C)アルキルであり、
または前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フルオロ、−CN、−O−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、前記(C〜C14)ヘテロ環および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、(C〜C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
各Rが水素であり、
4aが(C〜C)アルキルであり、
がR5aまたはR5bであり、
が、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−OR、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から選択され、
各Rが、ハロおよび(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択され、
各Rが、存在する場合は常に、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
各Rが水素であり、
nが、0、1または2である、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、
が、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−SF、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、
各Rが、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−O−(C〜C)アルキル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択される、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、
「−Q−R」が、Q1a
Figure 2014516074
であり、
が(C〜C)アルキルであり、
各Rが、独立して選択された1、2、または3個のRでそれぞれが置換されていてもよい(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
またはRが−N(Rであるとき、前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、フルオロ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R、−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
が水素であり、
4aが(C〜C)アルキルであり、
が、R5a、R5b、R5c、またはR5d
Figure 2014516074
であり、ここでnは、0、1、2、3または4である、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、
が、メチル、−CF、−CHF、または−CHFであり、
が−N(Rであり、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
Figure 2014516074
部分である、置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、
Figure 2014516074
である「Q1a」部分が、
Figure 2014516074
部分であり、
20aおよびR20bはそれぞれ、独立して(C〜C)アルキル(たとえば、メチルまたはエチル)であり、
またはR20aおよびR20bは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員ヘテロ環(ピロリジニルやピペリジニルなど)を形成しており、
が、メチル、エチル、またはClである、式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、
が、メチル、−CF、−CHF、または−CHFであり、
が−N(Rであり、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
Figure 2014516074
部分である、置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、
Figure 2014516074
である「Q1a」部分が、
Figure 2014516074
部分であり、
20aおよびR20bは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニルまたはピペリジニルを形成しており、
が、メチル、エチル、またはClである、式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rが、メチル、エチル、またはClである、式Idの化合物
Figure 2014516074
または薬学的に許容できるその塩である。
本発明の詳細な一実施形態は、Rがメチルまたはエチルである、式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩である。さらなる一実施形態では、Rはメチルである。
本発明の詳細な一実施形態は、
が、メチル、−CF、−CHF、または−CHFであり、
が−N(Rであり、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
Figure 2014516074
部分である、置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、
Figure 2014516074
である「Q1b」部分が、
Figure 2014516074
の部分であり、
20aおよびR20bはそれぞれ、独立して(C〜C)アルキル(たとえば、メチルまたはエチル)であり、
またはR20aおよびR20bは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員ヘテロ環[たとえば、ピロリジニルまたはピペリジニル]を形成しており、
が、メチル、エチル、またはClである、式Ibの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
別の実施形態では、本発明はまた、本出願の実施例の部において実施例1〜60として述べる化合物およびそれらの薬学的に許容できる塩でもある。
別の実施形態では、本発明は、
4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
メチル(1−{3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アゼチジン−3−イル)カルバメート;
4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;または
3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
である化合物または薬学的に許容できるその塩である。
別の実施形態では、本発明は、1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−[(3S)−3−(ピペリジン−1−イル)ピロリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンである式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩である。
本発明はまた、式Iの化合物または許容できるその塩を含む組成物(たとえば、医薬組成物)を提供する。したがって、一実施形態では、本発明は、薬学的に許容できる担体、および場合により、少なくとも1種の追加の医薬または薬剤を場合により含む、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、追加の医薬または薬剤は、以下で述べるような抗統合失調症薬である。
薬学的に許容できる担体は、従来の医薬担体または賦形剤を含むものでよい。適切な医薬担体としては、不活性希釈剤または充填剤、水および種々の溶媒(水和物や溶媒和物など)が挙げられる。医薬組成物は、所望であれば、着香剤、結合剤、賦形剤などの追加の成分を含有してもよい。すなわち、経口投与については、クエン酸などの種々の賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸、ある特定の複合シリケートなどの種々の崩壊剤、およびスクロース、ゼラチン、アカシアなどの結合剤と共に用いることができる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの滑沢剤も、しばしば打錠目的のために有用である。同様のタイプの固体組成物を、軟および硬充填ゼラチンカプセルにも用いることができる。したがって、材料の非限定的な例として、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与に水性懸濁液またはエリキシルが所望されるとき、その中の活性化合物は、種々の甘味剤または着香剤、着色物質または染料、および所望であれば、乳化剤または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはこれらの組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。
医薬組成物は、たとえば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、徐放性製剤、液剤、もしくは懸濁剤としての経口投与に適する形態、滅菌液剤、懸濁剤、もしくは乳剤としての非経口注射に適する形態、軟膏剤もしくはクリーム剤としての局所投与に適する形態、または坐剤としての直腸投与に適する形態にすることができる。
例示的な非経口投与形態としては、活性化合物を滅菌水溶液、たとえばプロピレングリコールまたはデキストロース水溶液中に含有する液剤または懸濁剤が挙げられる。このような剤形は、所望であれば、適切に緩衝剤処理してもよい。
医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適する単位剤形にすることができる。当業者であれば、複数回用量が想定されるような治療量以下の投与量で組成物を製剤してもよいこと理解されるはずである。
一実施形態では、組成物は、治療有効量の式Iの化合物を含み、薬学的に許容できる担体を場合により含む。
本発明の別の実施形態は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて統合失調症または精神病を治療する方法であって、前記哺乳動物(好ましくはヒト)に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を包含する。
本発明の別の実施形態は、PDE2の媒介による(またはPDE2と関連する)障害の治療方法であって、その必要のある哺乳動物(好ましくはヒト)に、PDE2の阻害において有効な量の式Iの化合物を投与するステップ、より好ましくは、PDE2の選択的な阻害において有効な量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を包含する。
本発明の別の実施形態は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、神経障害(たとえば、偏頭痛、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳損傷、卒中、脳血管疾患(脳動脈硬化症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳出血、および脳低酸素症−虚血を含める)、認知障害(健忘、老年認知症、HIVと関連する認知症、アルツハイマー病と関連する認知症、ハンチントン病と関連する認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、薬物関連認知症、譫妄、および軽度認知機能障害を含める)、精神薄弱(ダウン症候群および脆弱X症候群を含める)、睡眠障害(過眠症、概日リズム睡眠障害、不眠症、睡眠時異常行動、および睡眠遮断を含める)、および精神障害(たとえば、不安(急性ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、外傷後ストレス障害、および強迫性障害を含める)、虚偽性障害(急性幻覚性躁病を含める)、衝動制御障害(強迫性賭博および間欠性爆発性障害を含める)、気分障害(双極I型障害、双極II型障害、躁病、混合情動状態(mixed affective state)、大うつ病、慢性うつ病、季節性うつ病、精神病性うつ病、および産後うつ病を含める)、精神運動障害、精神病性障害(統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害、および妄想障害を含める)、薬物依存(麻薬依存、アルコール中毒、アンフェタミン依存、コカイン嗜癖、ニコチン依存、および薬物禁断症候群を含める)、摂食障害(食欲不振症、過食症、気晴らし食い障害、過食、および氷食症を含める)、および小児精神障害(注意欠陥障害、注意欠陥/多動性障害、行為障害、および自閉症を含める)を治療する方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明の別の実施形態は、統合失調症の治療方法を包含する。
本発明の別の実施形態は、統合失調症と関連する認知機能障害の治療方法を包含する。
用語「治療有効量」とは、本明細書で使用するとき、治療する障害の1つまたは複数の症状をある程度軽減する、投与される化合物の量を指す。統合失調症の治療に関して、治療有効量とは、統合失調症と関連する1つまたは複数の症状をある程度軽減する(または、好ましくは除去する)効果を有する量を指す。
用語「治療する」とは、本明細書で使用するとき、別段指摘しない限り、このような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害または状態の1つまたは複数の症状を逆転させ、緩和し、その進行を阻止し、または予防することを意味する。用語「治療」とは、本明細書で使用するとき、別段指摘しない限り、治療する行為を指し、「治療する」とは、本明細書で定義したとおりである。用語「治療する」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療も包含する。
式Iの化合物の投与は、化合物の作用部位への送達を可能にするどんな方法によって実施してもよい。そうした方法には、経口経路、鼻腔内経路、吸入経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または注入を含める)、局所、および直腸投与が含まれる。
本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、好ましくは、経口経路によって投与/実施することができる。
投与レジメンは、所望の最適な反応を得るために調整することができる。たとえば、単回ボーラス投与を施してもよいし、いくつかの分割した用量を時間をかけて投与してもよいし、または治療状況の緊急性による必要に応じて用量を比例的に増減してもよい。投与量単位形態の非経口組成物を製剤することは、投与が容易であり、投与量が均等になるため、特に有利である。投与量単位形態とは、本明細書で使用するとき、治療を受ける哺乳動物対象用の単位投与量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位が、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された予め決められた量の活性化合物を含有している。本発明の投与量単位形態の明細は、(a)化学療法剤の独特の特徴および実現しようとする特定の治療または予防効果、および(b)個体における感受性の治療のためにそのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によって必然的に決まり、またこれらに直接左右される。本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、好ましくは、ヒトの治療に使用することができる。
投与量の値は、緩和しようとする状態のタイプおよび重症度によって様々となる場合があり、単回または複数回の用量を包含し得ることを留意すべきである。任意の特定の対象について、詳細な投与レジメンは、個々の要求および組成物の投与を管理監督する者の熟練した判断に従って、時間と共に調整すべきであること、ならびに本明細書に記載する投与量範囲は、例示的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実用を限定するものではないことも、さらに理解すべきである。たとえば、用量は、薬動学的または薬力学的パラメータに基づき調整することができ、パラメータとしては、毒作用および/または臨床検査値などの臨床効果を挙げることができる。したがって、本発明は、当業者によって決定される、患者内での用量漸増を包含する。化学療法剤の投与に適する投与量およびレジメンの決定は、関連分野においてよく知られており、本明細書で開示する教示が一度示されれば、当業者によって包含されると理解されるであろう。
式Iの化合物の投与量は、治療を受ける対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の性質、および処方する医師の裁量に応じて決まる。しかし、有効な投与量は、単回または分割の用量で、体重1kgあたり1日約0.01〜約50mg、好ましくは約0.01〜約5mg/kg/日の範囲にある。70kgのヒトでは、有効な投与量は、約0.7mg〜約3500mg/日、好ましくは約5mg〜約2000mg/日の量となる。ある例では、前述の範囲の下限より少ない投与量レベルで、十分に足りることもあり、一方他の場合では、1日を通して投与される数回分の少ない容量にまず分けるという前提で、さらに多い用量を、いかなる有害な副作用も引き起こさずに用いることもある。
本明細書で使用するとき、用語「併用療法」とは、式Iの化合物の、少なくとも1種の追加の薬剤または医薬(たとえば、抗統合失調症薬)との、順次または同時の投与を指す。
上で言及したとおり、式Iの化合物は、以下で記載する1種または複数の追加の抗統合失調症薬と組み合わせて使用してもよい。併用療法を使用するとき、1種または複数の追加の抗統合失調症薬は、本発明の化合物と順次または同時投与することができる。一実施形態では、追加の抗統合失調症薬は、本発明の化合物の投与より前に哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与する。別の実施形態では、追加の抗統合失調症薬は、本発明の化合物の投与後に哺乳動物に投与する。別の実施形態では、追加の抗統合失調症薬は、本発明の化合物の投与と同時に哺乳動物(たとえば、ヒト)に投与する。
本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物において統合失調症を治療するための医薬組成物であって、一定量の上で規定したとおりの式Iの化合物(前記化合物の水和物、溶媒和物、および多形体、または薬学的に許容できるその塩を含める)を、ジプラシドン、リスペルドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、ブロナンセリン、イロペリドンなどの1種または複数(好ましくは1種〜3種)の抗統合失調症薬と組み合わせて含み、活性薬剤と組合せ薬の量が、全体として考えたとき、統合失調症の治療に治療上有効である、医薬組成物を提供する。
式Idの化合物は、CYP3A4阻害剤である。一実施形態では、CYP3A4についての式Idの化合物のIC50は、約10μM、5μM、2μM、1μM、500nM、200nM、100nM、または50nM未満である。式Idの化合物は、CYP3A5に優先して選択的であるCYP3A4阻害剤でもある。本明細書で使用するとき、(CYP3A5に優先しての)選択的CYP3A4阻害剤とは、CYP3A4についてのそのIC50に対する、CYP3A5についてのそのIC50の比が、約60、70、80、90、100、120、140、または150より大きい化合物を指す。たとえば、CYP3A4(テストステロン)についての実施例2のIC50は約122nMであり、CYP3A5(テストステロン)についての実施例2のIC50は約20.93μMである。すなわち、CYP3A4についてのそのIC50に対するCYP3A5についてのそのIC50の比(選択性倍率)は、約172である。したがって、式Idの化合物(実施例2または56など)は、薬物の代謝におけるCYP3A4とCYP3A5の相対的寄与を識別するのに用いることのできる方法の開発に用いることができる。
本発明はさらに、CYP3A4を(実施例2などの)式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させる(インキュベートを含める)ことを含む、(in vitroまたはin vivoのいずれかで)CYP3A4の活性を阻害する方法を提供する。
本発明はさらに、CYP3A4を(実施例2などの)式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させる(インキュベートを含める)ことを含む、(in vitroまたはin vivoのいずれかで)CYP3A4の活性を選択的に阻害する方法を提供する。本発明は、CYP3A4をCYP3A5の存在下で(実施例2などの)式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させる(インキュベートを含める)ことを含む、(in vitroまたはin vivoのいずれかで)CYP3A4の活性を選択的に阻害する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、(実施例2などの)式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩を使用することを含む、(in vitroまたはin vivoのいずれかで)化合物の代謝へのCYP3A4対CYP3A5の相対的な寄与を明らかにする方法を提供する。一実施形態では、(実施例2などの)式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩を、そのような方法における基準標準物質/化合物として使用する。
その塩を含めた本発明の化合物は、既知の有機合成技術を使用して調製することができ、可能な数多くの合成経路のいずれかに従って合成することができる。
本発明の化合物を調製するための反応は、有機合成の分野の技術者が容易に選択することのできる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、反応を実施する温度、たとえば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲となり得る温度において、出発材料(反応物)、中間体、または生成物と実質的に反応性でないものでよい。所与の反応は、1種の溶媒または1種を超える溶媒の混合物中で実施することができる。ある特定の反応ステップに適する溶媒を、その特定の反応ステップに応じて、当業者が選択してよい。
本発明の化合物の調製には、種々の化学基の保護および脱保護が伴う場合がある。保護および脱保護の必要、ならびに相応しい保護基の選択については、当業者が容易に判断することができる。保護基の化学については、たとえば、参照によりその全体が本明細書に援用される、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley&Sons,Inc.、New York(1999)で見ることができる。
反応は、当業界で知られている適切などんな方法に従ってモニターしてもよい。たとえば、生成物の生成は、核磁気共鳴分光法(たとえば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光測光法(たとえば、UV−可視)、質量分析などの分光法的手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)などの、クロマトグラフィーによる方法によってモニターすることができる。
式Iの化合物およびその中間体は、以下の反応スキームおよび付随する解説に従って調製することができる。特に指摘しない限り、反応スキームおよび続く解説において、RからR、Q、n、および構造式Iは、上で規定したとおりである。一般に、本発明の化合物は、特に、本明細書に収載する記述に照らして、化学分野で知られているのと類似した方法を含む方法によって生成することができる。本発明の化合物およびその中間体のある特定の製造方法は、本発明のさらなる特色として提供し、以下の反応スキームによって例示する。他の方法を実験の部に記載する場合もある。本明細書で示すスキームおよび例(相当する記述を含める)は、例示のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
スキーム1は、式Iの化合物の調製を示すものである。スキーム1に関して、式Iの化合物は、式IIの化合物[ここでLgは、トリアゾリルやハロ(たとえばClまたはBr)などの適切な脱離基である]から、式NHNHRのヒドラジンと、過剰のNHNHRまたは塩基(ピリジンなど)の存在下で反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜120℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は、通常、ピリジン、アセトニトリル、ジオキサン、および他の有機溶媒から選択することができる。式IIの化合物は、アセトニトリルやN,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な有機溶媒中にて、場合により、炭酸セシウム、N,N−ジイソプロピルアミン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、式IIIの化合物[ここでLgおよびLgはそれぞれ、独立して、トリアゾリルやハロ(たとえばClもしくはBr)またはトリフレートなどの適切な脱離基である]を、式HRの第一級または第二級アミン化合物[式中、Rは、N(RまたはHNRである]約1モル当量と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。式IIIの化合物は、市販されており、または本明細書に記載の方法もしくは当業者によく知られている他の方法によって生成することができる。
Figure 2014516074
スキーム2は、式Iの化合物の調製の代替法を示すものである。スキーム2に関して、式Iの化合物は、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な有機溶媒中にて、場合により塩基(炭酸セシウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)の存在下、式IVの化合物[ここでLgは、トリアゾリルやハロ(たとえば、ClまたはBr)などの適切な脱離基である]を式HRの第一級または第二級アミン化合物[式中、Rは、N(RまたはHNRである]と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜120℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。式IVの化合物は、式IIIの化合物[ここでLgおよびLgはそれぞれ、独立して、トリアゾリル、ハロ(たとえばClまたはBr)、トリフレートなどの適切な脱離基である]を、約1モル当量の式NHNHRのヒドラジンと、過剰のNHNHRまたは塩基(ピリジンなど)の存在下で反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜120℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、極性非プロトン性有機溶媒(アセトニトリルやジオキサンなど)の1種または複数から選択することができる。
Figure 2014516074
スキーム3は、式Iの化合物(式IaまたはIbを含める)を調製する別の代替法を示すものである。スキーム3に関して、式Iの化合物は、式Vの化合物[式中、Xは、H、ハロゲン(Cl、Br、またはI)、トリフレートなどである]を、パラジウムを触媒とするカップリング反応によって、式R−Zの化合物[式中、Zは、Br、B(OH)、B(OR)(ここで各Rは、HもしくはC1〜6アルキルであり、または2個の(OR)基が、これらが結合しているB原子と一緒になって、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい5〜10員ヘテロ環を形成している)、またはトリアルキルスズ部分などでよい]と反応させることにより調製できる。用いる反応の種類は、XおよびZの選択次第である。たとえば、Xがハロゲンまたはトリフレートであり、R−Z試薬がボロン酸またはボロン酸エステルであるとき、鈴木反応を使用することができる[A.Suzuki、J.Organomet.Chem.1999、576、147〜168;N.MiyauraおよびA.Suzuki、Chem.Rev.1995、95、2457〜2483;A.F.Littkeら、J.Am.Chem.Soc.2000、122、4020〜4028]。一部の特定の実施形態では、式Vのヘテロ芳香族ヨウ化物、臭化物、またはトリフレートを、エタノールなどの適切な有機溶媒中で、1〜3当量の式R−Zのアリールもしくはヘテロアリールボロン酸またはボロン酸エステル、および2〜5当量の炭酸ナトリウムなどの適切な塩基と合わせる。0.01当量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒を加え、反応混合物を60〜100℃の範囲の温度に1〜24時間加熱する。場合によっては、溶媒としての1,2−ジメトキシエタン中にて、1〜2当量の塩化銅(I)および1〜2当量の臭化カリウムを鈴木反応に用いることが有利となり得る。代替として、カップリング反応は、式Vの化合物(式中、XはHである)を、1,4−ジオキサンまたはトルエンなどの適切な溶媒中にて、0.01〜0.5当量の塩化アリルパラジウム二量体、および2〜4当量の炭酸カリウムなどの適切な塩基の存在下で、1〜3当量の式R−Zの化合物(式中、ZはBrである)と反応させることにより実施できる。反応は通常、0〜180℃の範囲の温度で24〜72時間実施することができる。Xがハロゲンまたはトリフレートであり、Zがトリアルキルスズであるとき、スティルカップリングを用いることができる[V.Farinaら、Organic Reactions 1997、50、1〜652]。より詳細には、式Vの化合物(式中、Xは、臭化物、ヨウ化物、またはトリフレートである)を、トルエンなどの適切な有機溶媒中にて、0.05当量のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などのパラジウム触媒の存在下で、1.5〜3当量の式R−Zの化合物(式中、R−Z化合物はRスタナン化合物である)と合わせることができ、反応液を、100〜130℃の範囲の温度に12〜36時間加熱することができる。XがBr、I、またはトリフレートであり、ZがBrまたはIであるとき、根岸カップリングを使用することができる[E.Erdik、Tetrahedron 1992、48、9577〜9648]。より詳細には、式Vの化合物(式中、Xは、臭化物、ヨウ化物、またはトリフレートである)は、1〜1.1当量のアルキルリチウム試薬に続いて、1.2〜1.4当量の塩化亜鉛をテトラヒドロフランなどの適切な溶媒に溶かした溶液で、−80〜−65℃の範囲の温度にて処理することにより、金属交換反応にかけることができる。10〜30℃の間の温度に温めた後、反応液を式R−Zの化合物(式中、Zは、BrまたはIである)で処理し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの触媒を加えて50〜70℃で加熱することができる。反応は、1〜24時間の範囲の時間で実施することができる。これらの反応はどれも、他の数多くの条件を使用することもできるので、上述の溶媒、塩基、または触媒を用いることに限定されない。
スキーム3に示すとおり、式IaまたはIbの化合物は、それぞれ式VaまたはVbの化合物から出発して、式Iの化合物の生成について本明細書に記載する1つまたは複数の方法によって、生成することができる。
Figure 2014516074
スキーム4は、スキーム1および/または2で使用することのできる式IIIの化合物の調製を示すものである。スキーム4に関して、式IIIの化合物は、適切な酸化試薬(Dess−Martin試薬など)を用いることによる式VIのアルコールの酸化によって生成することができる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、クロロホルム、ジクロロメタン、またはアセトニトリルから選択することができる。式VIのアルコール化合物は、アルカリ金属ジアルキルアミド(たとえば、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基の存在下、適切な有機溶媒(テトラヒドロフランなど)中にて、式VIIIのピリミジン[ここでLgおよびLgはそれぞれ、独立して、トリアゾリル、ハロ(たとえばClまたはBr)、トリフレートなどの適切な脱離基である]を式VIIのヘテロアリール−アルデヒドと反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は−100℃〜0℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。
Figure 2014516074
スキーム5は、スキーム4で使用することのできる式VII(VIIaを含める)の化合物の調製を示すものである。スキーム5に関して、式VIIのヘテロアリール−アルデヒドは、式IXのヘテロアリール化合物をVilsmeier−Haack反応条件下[たとえば、POClおよびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下]に置くことにより調製できる。たとえば、A.VilsmeierおよびA.Haack、Ber.1927、60、119〜122ならびにW.G.Jacksonら、J.Am.Chem.Soc.1981、103、533〜540を参照されたい。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜160℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。同様に、式VIIaのピラゾール−アルデヒドを式IXaのピラゾールから生成することができる。
Figure 2014516074
スキーム6は、スキーム4で式VIIの化合物として使用することのできる式VIIbの化合物の調製を示すものである。スキーム6に関して、式VIIbの化合物(アルデヒド)は、式Xのアルコールを、適切な酸化試薬[Dess−Martin試薬、二酸化マンガン、PCC(クロロクロム酸ピリジニウム)など]の存在下で酸化させる、または式XのアルコールをSwern酸化条件[塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびトリエチルアミンなどの有機塩基]下に置くことにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、ジクロロメタン、クロロホルム、またはテトラヒドロフラン(または別の極性非プロトン性有機溶媒)から選択することができる。式Xのアルコールは、式XIのイミダゾール−エステルを、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)や水素化アルミニウムリチウムなどの適切な還元試薬の存在下で還元することにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は−100℃〜40℃の間である。適切な反応時間は、20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、テトラヒドロフランなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。式XIのイミダゾール−エステルは、式XII−0のエステルを、置換されていてもよい式XII−1のトルエンスルホニルメチルイソシアニド、たとえば、イソシアノメチル4−メチルフェニルスルホンと反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜120℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール性溶媒から選択することができる。たとえば、A.M.van Leusen、J.Wildeman、O.H.Oldenziel、J.Org.Chem.1977、42、1153;B.−C Chenら、Tetrahedron Lett.2000、41、5453〜5456;J.Siskoら、J.Org.Chem.2000、65、1516〜1524を参照されたい。式XII−0のエステルは、式R−NHのアリール−アミンまたはヘテロアリール−アミン(たとえば、F、Cl、Br、およびC1〜4アルキルからそれぞれ独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアニリン)を、メタノールなどの溶媒中で2−オキソ酢酸エチルと反応させることにより調製できる(別法として、式XII−0のエステルをその場で生成し、式II−1の化合物と反応させることもできる)。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールから選択することができる。
Figure 2014516074
スキーム7は、スキーム5で使用することのできる式IXaの化合物の調製を示すものである。スキーム7に関して、式IXaの化合物は、式XIIIの化合物[式中、Zは、Br、B(OH)、B(OR)(ここで各Rは、HもしくはC1〜6アルキルであり、または2個の(OR)基が、これらが結合しているB原子と一緒になって、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい4〜10員ヘテロ環を形成している)、またはトリアルキルスズ部分などでよい]を、パラジウムを触媒とするカップリング反応によって、式R−Xの化合物[式中、Xは、H、ハロゲン(Cl、BrまたはI)、トリフレートなどである]と反応させることにより調製できる。用いる反応の種類は、XおよびZの選択次第である。スキーム7で使用することのできるカップリング反応の機序および種類は、スキーム3に記載のものと同様である。たとえば、Xがハロゲン(たとえば、BrまたはI)であり、式XIIIの化合物がボロン酸またはボロン酸エステルである[すなわち、Zが、B(OH)またはB(OR)(ここで各Rは、HもしくはC1〜6アルキルであり、または2個の(OR)基が、これらが結合しているB原子と一緒になって、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい4〜10員ヘテロ環を形成している)である]とき、鈴木反応を使用することができる。
Figure 2014516074
スキーム8は、式XIIIaの化合物(スキーム7における式XIIIの化合物の一例)の調製を示すものである。スキーム8に関して、式XIIIaのピラゾール−ボロン酸は、式XIVaのピラゾールを、RLi(式中、Rは、アルキル、たとえばn−ブチルでよい)などの強塩基の存在下で、ホウ酸トリアルキル(たとえば、ホウ酸トリイソプロピル)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は−100℃〜40℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、テトラヒドロフランなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。
Figure 2014516074
スキーム9は、式XVIIのピラゾール(スキーム5における式IXaの化合物の一例)の調製を示すものである。スキーム9に関して、式XVIIのピラゾールは、式XVIの化合物を式R4aNH−NHのヒドラジン(たとえば、メチルヒドラジン)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜160℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、N,N−ジメチルホルムアミドや1,4−ジオキサンなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。式XVIの化合物は、式XVのアリール−メチルケトンまたはヘテロアリール−メチルケトン(たとえば、式中、Rは、4−メチルフェニルまたは4−エチルフェニルである)をN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜160℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は、(試薬でもある)N,N−ジメチルホルムアミドから選択することができる。
Figure 2014516074
スキーム10は、式Iaの化合物の調製の代替法を示すものである。スキーム10に関して、式Iaの化合物は、パラジウム触媒[たとえば、酢酸パラジウム(II)]および適切な塩基(たとえば、炭酸カリウムや酢酸テトラ−n−ブチルアンモニウムなどのアルカリ炭酸塩)の存在下で、式XXIIIの化合物を式R−Xのアリールまたはヘテロアリール化合物[式中、Xは、ハロ(たとえば、BrまたはI)やトリフレートなどの脱離基でよい]と反応させることにより調製できる。用いることのできる、パラジウムを触媒とする反応は、Xの選択に応じて決まり、用いることのできるカップリング反応の機序および種類は、スキーム3に記載のものと同様である。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜180℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜120時間である。適切な反応溶媒は通常、1,4−ジオキサンやトルエンなどの有機溶媒から選択することができる。式XXIIIの化合物は、パラジウム触媒[たとえば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)]および適切な塩基(たとえば、リン酸カリウム)の存在下で、式XXIのヨウ化化合物を、式XXIIのボロン酸またはボロン酸エステル化合物[ここで各Rは、HもしくはC1〜6アルキルであり、または2個の(OR)基が、これらが結合しているB原子と一緒になって、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい4〜10員ヘテロ環を形成している]と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜200℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、1,4−ジオキサン/リン酸カリウム水溶液の混合物から選択することができる。
さらにスキーム10に関して、式XXIの化合物は、極性有機溶媒[たとえば、テトラヒドロフラン(THF)]などの適切な有機溶媒中にて、場合により炭酸水素ナトリウム水溶液やトリエチルアミンなどの塩基の存在下、式XXの塩化化合物を式HRの第一級または第二級アミン化合物[式中、RはN(RまたはHNRである]と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。式XXの化合物は、極性非プロトン性有機溶媒(たとえば、アセトニトリルや1,2−ジクロロエタン)などの適切な有機溶媒中で、式XIXのヒドロキシル化合物を塩素化試薬(オキシ塩化リンなど)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜150℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。式XIXの化合物は、極性非プロトン性有機溶媒(たとえば、アセトニトリルや1,2−ジクロロエタン)中にて、テトラフルオロホウ酸などの酸を場合により使用しながら、式XVIIIのピラゾロピリミジンをヨウ素化試薬(N−ヨードスクシンイミドなど)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜130℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。
Figure 2014516074
スキーム11は、式Iaの化合物の調製の代替法を示すものである。スキーム11に関して、式Iaの化合物は、式XXIXのケトン[ここでLgは、トリアゾリル、ハロ(たとえばClまたはBr)、トリフレートなどの適切な脱離基である]を、約1モル当量の式NHNHRのヒドラジンと、過剰のNHNHRまたは塩基(ピリジンなど)の存在下で反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、1,4−ジオキサンなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。式XXIXのケトンは、適切な酸化試薬(Dess−Martin試薬など)を用いることによる式XXVIIIのアルコールの酸化によって生成することができる。前述の反応に適する温度は、通常は−20℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、ジクロロメタンなどの極性溶媒から選択することができる。式XXVIIIのアルコールは、式XXVのアルデヒドと、式XXVIIのヨウ素化化合物などのハロゲン化化合物とを、金属−ハロゲン交換に適する試薬(有機リチウム化合物、たとえば、n−ブチルリチウム、または有機マグネシウム化合物、たとえば、臭化イソプロピルマグネシウムもしくは塩化イソプロピルマグネシウムなど)の存在下で反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は−100℃〜50℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。適切な反応溶媒は通常、テトラヒドロフランなどの極性非プロトン性溶媒から選択することができる。
さらにスキーム11に関して、式XXVの化合物は、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な有機溶媒中にて、場合により、炭酸セシウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、式XXIVの化合物[ここでLgは、トリアゾリルやハロ(たとえばClまたはBr)などの適切な脱離基である]を、式HRの第一級または第二級アミン化合物[式中、RはN(RまたはHNRである]と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜100℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。式XXVIIのヨウ素化ピラゾールなどのハロゲン化ピラゾールは、式XXVIのピラゾールを、極性有機溶媒(たとえば酢酸)などの適切な有機溶媒中でヨウ素化試薬(N−ヨードスクシンイミドなど)と反応させることにより調製できる。前述の反応に適する温度は、通常は0℃〜120℃の間である。適切な反応時間は、通常は20分〜48時間である。
Figure 2014516074
本発明の化合物の生成に有用な追加の出発材料および中間体は、Sigma−Aldrichなどの化学製品供給業者から入手することができ、または化学分野において記載されている方法に従って生成することもできる。
当業者なら、本明細書に記載のスキームのすべてにおいて、R、Rなどの置換基上に官能(反応性)基が存在する場合、適切および/または所望であれば、当業者によく知られている方法を使用して、さらに変更できることを認識し得る。たとえば、CN基を加水分解してアミド基を得ることができ、カルボン酸をアミドに変換することができ、カルボン酸をエステルに変換することができ、それを今度はアルコールに還元することができ、それをまたさらに変更することができる。別の例については、OH基を、今度はシアン化物イオン(CN)によるものなどの求核置換に適する、メシレートなどのより良好な脱離基に変換することができる。別の例については、−S−を−S(=O)−および/または−S(=O)−に酸化することができる。さらに別の例については、C=CやC≡Cなどの不飽和結合を、水素化によって飽和結合に還元することができる。一部の実施形態では、(R、Rなどの置換基上に存在する)第一級アミンまたは第二級アミン部分を、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネート、またはチオイソシアネート化合物などの相応しい試薬と反応させることにより、アミド、スルホンアミド、尿素、またはチオ尿素部分に変換することができる。当業者なら、これ以上のこうした変更を認めるところとなろう。したがって、官能基を含んでいる置換基を有する式Iの化合物は、異なる置換基を有する別の式Iの化合物に変換することができる。
同様に、当業者なら、本明細書に記載のスキームのすべてにおいて、R、Rなどの置換基上に官能(反応性)基が存在する場合、適切および/または所望であれば、ここに記載する合成スキームの過程で、そうした官能基を保護/脱保護できることも認識し得る。たとえば、OH基は、ベンジルオキシカルボニル基によって保護することができ、合成プロセスの後の段階で、脱保護し、OH基に再び変換することができる。別の例については、NH基をBoc基によって保護することができ、合成プロセスの後の段階で、脱保護し、再びNH基に変換することができる。
本明細書で使用するとき、用語「反応させる」(または「反応」もしくは「反応した」)とは、指定された化学反応物が一緒くたになった結果、化学変換が起こって、最初に系に導入されたどの化合物とも異なる化合物が生じることを指す。反応は、溶媒の存在下でも、非存在下でも起こり得る。
キラル中心を有する式Iの化合物は、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体などの立体異性体として存在することもある。個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術としては、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、またはたとえばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用してのラセミ体の分割が挙げられる。代替として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、光学活性を有する適切な化合物、たとえばアルコールと、または、化合物が酸性もしくは塩基性部分を含んでいる場合では酒石酸や1−フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させてもよい。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な(1または複数の)鏡像異性体に変換することができる。キラルな式Iの化合物(およびキラルなその前駆体)は、0〜50%、通常は2〜20%のイソプロパノール、および0〜5%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いた不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、鏡像異性体富化された形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、富化された混合物が得られる。立体異性体集成物は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。たとえば、その開示の全体が参照により本明細書に援用される、E.L.Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994)を参照されたい。適切な立体選択的な技術は、当業者によく知られている。
式Iの化合物がアルケニル基またはアルケニレン(アルキリデン)基を含んでいる場合では、シス/トランス(またはZ/E)幾何異性体が考えられる。シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技術、たとえば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。本発明の塩は、当業者に知られている方法に従って調製することができる。
性質が塩基性である式Iの化合物は、種々の無機酸および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩は、動物への投与について薬学的に許容できなければならないが、実際には、反応混合物から本発明の化合物を薬学的に許容できない塩として最初に単離し、次いで後者をアルカリ試薬での処理によって単純に変換して遊離塩基化合物に戻し、引き続いて後者の遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが、多くの場合望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、水性溶媒媒質、またはメタノールやエタノールなどの適切な有機溶媒中にて、塩基化合物を実質上等しい量の選択された鉱酸または有機酸で処理することにより調製できる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。所望の酸塩は、溶液に適切な鉱酸または有機酸を加えることにより、遊離塩基の有機溶媒溶液から沈殿させることもできる。
本発明化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容できる塩は、当分野で利用可能な適切な任意の方法によって、たとえば、遊離塩基を、無機酸、たとえば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで、または有機酸、たとえば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、パントテン酸、重酒石酸(bitartric acid)、アスコルビン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、フマル酸、グルコン酸、糖酸、ギ酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]酸、グルクロン酸やガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸や酒石酸などのα−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸やケイ皮酸などの芳香族酸、p−トルエンスルホン酸やエタンスルホン酸などのスルホン酸などで処理することにより調製できる。
性質が酸性である式Iの化合物は、種々の薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例として、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。こうした塩は、すべて従来の技術によって調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩の調製に試薬として使用される化学塩基は、酸性の式Iの化合物と非毒性の塩基塩を形成するものである。こうした塩は、適切な任意の方法によって、たとえば、遊離酸を、無機塩基または有機塩基、たとえば、アミン(第一級、第二級、または第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物などで処理することにより調製できる。こうした塩は、対応する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、得られる溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾燥することにより調製してもよい。代替として、酸性化合物の低級アルカノール溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドを混ぜ合わせ、次いで、得られる溶液を前と同じようにして蒸発乾燥することにより、こうした塩を調製することもできる。どちらの場合でも、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を確保するために、化学量論量の試薬を用いることが好ましい。
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号は同じであるが原子質量または質量数が自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なっている原子で置き換えられている、同位体標識された式Iの化合物も包含する。同位体標識された式Iの化合物は、一般に、当業者に知られている従来の技術によって、またはそうでなく用いられる標識していない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用する、本明細書に記載の方法と類似した方法によって調製することができる。
本発明について、特定の例を挙げてより詳細に記載する。以下の例は、例示的な目的で提供し、本発明を一切限定しないものとする。当業者なら、変更または修正して本質的に同じ結果を得ることのできる、肝要でない様々なパラメータを容易に認めるところとなる。以下の実施例および調製例において、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、濃度に関する場合の「N」は規定を意味し、「M」はモル濃度を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μmol」はマイクロモルを意味し、「eq.」は当量を意味し、「℃」はセルシウス度を意味し、「MHz」はメガヘルツを意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味する。
実験は、一般に、特に酸素または水分に敏感な試薬または中間体を用いた場合では、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬は、適切な場合では無水溶媒を含めて、一般にそれ以上精製せずに使用した(たとえば、一般に、Aldrich Chemical Company、Milwaukee、Wisconsin、USAのSure−Seal(商標)製品、別の例については、Sigma Aldrich、St.Louis、MO、USAまたはFisher Scientific、Pittsburgh、PA、USAから市販の溶媒および試薬を入手することができる)。生成物は、一般に、さらなる反応に進めるまたは生物学的試験にまわす前に真空乾燥した。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)計装のいずれかから報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で示す。
他の実施例または方法の手順を基準とする合成については、反応条件(反応の長さおよび温度)が変わる場合もある。一般に、反応は、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析によって追跡し、適切な場合、後処理にかけた。精製は、実験によって様々でよく、一般に、溶離液/勾配に使用した溶媒および溶媒比率は、適切なRまたは保持時間が得られるように選択した。
(実施例1)
4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2014516074
ステップ1:(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸(C1)の合成
1−メチル−1H−ピラゾール(110g、1.34mol)の無水テトラヒドロフラン(2L)溶液に、撹拌しながら、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5M、590mL、1.47mol)を滴下した。加え終えた後、混合物を−78℃で1.5時間撹拌した。次いで、ホウ酸トリイソプロピル(277g、1.47mol)を加え、混合物を徐々に室温に温め、終夜撹拌した。反応混合物の温度を10℃未満に保ちながら、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)を滴下した。得られる混合物を1N塩酸水溶液でpH約6に酸性化した。有機相を分離し、水相を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を石油エーテル(3×300mL)で洗浄し、得られる固体を真空乾燥して、生成物を白色の固体として得た。収率:157g、1.25mol、93%。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.97 (s, 3H), 6.72-6.74 (m, 1H), 7.34-7.36 (m, 1H), 8.35 (br s,
2H).
ステップ2:5−(4−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(C2)の合成
(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸(C1)(60.0g、0.476mol)および1−ブロモ−4−メチルベンゼン(75.0g、0.438mol)を1,2−ジメトキシエタン(1.2L)と2M炭酸ナトリウム水溶液(550mL)の混合物に混ぜた混合物を、脱気し、Nでパージし、次いでこの手順を2回繰り返した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3.1g、4.4mmol)を加え、混合物をNで2回パージした。反応混合物を加熱還流し、N中で3時間撹拌した。混合物を冷却し、減圧下で1,2−ジメトキシエタンを除去し、残渣に水(500mL)を加え、得られる混合物をジクロロメタン(3×500mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の液体として得られた。収率:55.0g、319mmol、73%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.42 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 6.29 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.29 (br AB四重線, JAB=8 Hz, ΔνAB=18 Hz, 4H), 7.52 (d, J=2.0 Hz, 1H).
ステップ3:5−(4−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド)(C3)の合成
N,N−ジメチルホルムアミド(300mL)を0℃に冷却し、オキシ塩化リン(80g、0.52mol)で処理した。加え終えた後、得られる混合物を室温に温め、1時間撹拌した。5−(4−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(C2)(30.0g、174mmol)を加え、反応混合物を120℃に加熱し、終夜撹拌した。混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を氷水(700mL)中に注ぎ、次いで飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH約8に調整した。得られる混合物をジクロロメタン(4×300mL)で抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:1:100〜1:30の酢酸エチル石油エーテル溶液)によって精製すると、生成物が黄色の固体として得られた。収率:28.2g、141mmol、81%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.46 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 7.33 (br AB四重線,
JAB=8 Hz, ΔνAB=17 Hz, 4H), 8.04 (s, 1H), 9.60 (s, 1H).
ステップ4:(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノール(C4)の合成
ジイソプロピルアミン(85.2mL、0.60mol)のテトラヒドロフラン(600mL)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、240mL、0.60mol)を滴下した。反応液を−78℃で30分間撹拌しておいた後、4,6−ジクロロピリミジン(89.4g、0.600mol)のテトラヒドロフラン(600mL)溶液を約−90℃で滴下し、撹拌は1時間続けた。この混合物に、5−(4−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(C3)(60.0g、300mmol)のテトラヒドロフラン(600mL)溶液を約−90℃で滴下した。加え終えた後、反応混合物をこの温度で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸(60g)で失活させ、混合物を室温に温め、次いで減圧下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。残渣を酢酸エチル(2L)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1L)で洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。酢酸エチルから再結晶させると、生成物が白色の固体として得られた。収率:82.0g、235mmol、78%。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.39 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 6.26 (s, 1H), 7.17 (br AB四重線, JAB=8 Hz, ΔνAB=32 Hz, 4H), 7.66 (s, 1H), 8.55 (s, 1H).
ステップ5:(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C5)の合成
(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノール(C4)(60g、170mmol)とクロロホルム(1.8L)の混合物に、Dess−Martinペルヨージナン(110g、258mmol)を室温で少量ずつ加えた。加え終えた後、反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液(0.5N、2×800mL)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。メタノールから再結晶させると、生成物が淡黄色の固体として得られた。収率:31.3g、90.1mmol、53%。LCMS m/z 346.9 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.33 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 7.07-7.15 (br AB四重線, JAB=8 Hz, ΔνAB=8 Hz, 4H), 8.15 (s, 1H), 8.49 (s, 1H).
ステップ6:[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル][1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C6)の合成
(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C5)(200mg、0.576mmol)のアセトニトリル(6.0mL)溶液に、アゼチジン(39.0μL、0.576mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(151μL、0.867mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで真空中で濃縮した。生成物をそれ以上精製せずにステップ7に進めた。LCMS m/z 368.4 (M+1).
ステップ7:4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(1)の合成
[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル][1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C6)(ステップ6からのもの、≦0.576mmol)のピリジン(5.0mL)溶液に、メチルヒドラジン(0.302mL、5.74mmol)を加え、反応液を85℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0〜30%のメタノールジクロロメタン溶液)によって精製して、表題生成物を無色の油状物として得た。収率:2ステップで200mg、0.556mmol、97%。LCMS m/z 360.5 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.21-2.30 (m, 2H), 2.34 (br s, 3H), 3.75-4.04 (br m, 4H), 3.91 (s,
3H), 3.99 (s, 3H), 7.20 (br AB四重線, JAB=8.1
Hz, ΔνAB=33 Hz, 4H),
7.67 (s, 1H), 8.32 (s, 1H).
(実施例2)
1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−[(3S)−3−(ピペリジン−1−イル)ピロリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2014516074
(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C5)(7.3g、21mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(13.56g、104.9mmol)のアセトニトリル(100mL)混合物に、1−[(3S)−ピロリジン−3−イル]ピペリジン(4.8g、31mmol)を加え、得られる反応混合物を室温で3時間撹拌した。この{4−クロロ−6−[(3S)−3−(ピペリジン−1−イル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−5−イル}[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C7)の溶液に、メチルヒドラジン(12.1g、262mol)のアセトニトリル(20mL)溶液を滴下した。室温で終夜撹拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン(100mL)と水(100mL)とに分配した。水層をジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜50%の酢酸エチル石油エーテル溶液)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収量:8.64g、18.9mmol、収率90%。LCMS m/z 457.3 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.39-1.49 (br m, 2H), 1.53-1.73 and 2.00-2.25 (br多重線, 8H推定), 2.31 (s, 3H), 2.32-2.45 (br m, 2H),
2.56-2.68 (br m, 1H), 2.90-3.16 (v br m, 1H), 3.26-3.78 (br m, 3H), 3.87 (s,
3H), 4.00 (s, 3H), 7.16 (br AB四重線, JAB=8 Hz,
ΔνAB=26 Hz, 4H),
7.66 (s, 1H), 8.29 (s, 1H).
(実施例3)
3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2014516074
ステップ1:3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オール(C8)の合成
アセトニトリル(50mL)中で、1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オール(5.50g、36.6mmol)をN−ヨードスクシンイミド(97%、12.7g、54.8mmol)およびテトラフルオロホウ酸(50%水溶液、23.0mL、183mmol)と合わせ、反応混合物を5時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物を、炭酸水素ナトリウム(18.6g、220mmol)を含有する水(50mL)中に少量ずつ注いだ。気体の発生が止んでしまってから、混合物を濾過し、暗色の固体を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(25mL)および水(2×25mL)で続けて洗浄した。得られる固体を50℃で終夜真空乾燥して、生成物をクリーム色の固体として得た。収率:9.35g、33.9mmol、93%。LCMS m/z 277.0 (M+1). 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6)
δ3.87 (s, 3H), 8.07 (s, 1H), 12.08 (v br s, 1H).
ステップ2:4−クロロ−3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C9)の合成
1,2−ジクロロエタン(90mL)中で、3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オール(C8)(9.35g、33.9mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(10.5mL、135mmol)、およびオキシ塩化リン(9.57mL、102mmol)を合わせ、混合物を2時間80℃に加熱した。これを、室温に冷却した後、炭酸水素ナトリウム(28.7g、339mmol)を2−プロパノール(90mL)および水(90mL)に混ぜた冷えた混合物(0〜5℃)を含有するビーカーに、激しく撹拌しながら少量ずつ加えた。得られる混合物を0〜5℃で6時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。得られる固体を濾過によって収集し、水で洗浄して、生成物を黄色の固体として得た。収率:8.45g、28.7mmol、85%。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ4.04 (s, 3H), 8.82 (s, 1H).
ステップ3:4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C10)の合成
4−クロロ−3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C9)(2.00g、6.79mmol)、3−フルオロアゼチジン(833mg、7.46mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、およびテトラヒドロフラン(40mL)を合わせ、室温で18時間撹拌した。真空中で揮発性物質を除去した後、残渣を水で希釈した。濾過すると、生成物が黄褐色の固体として得られた。収率:1.91g、5.73mmol、84%。LCMS m/z 334.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ3.91 (s, 3H), 4.47-4.63 (m, 2H), 4.75-4.90 (m, 2H),
5.44-5.64 (m, 1H, JHF=58.0 Hz), 8.31 (s, 1H).
ステップ4:4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C11)の合成
1,4−ジオキサン(10mL)中で、4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C10)(500mg、1.50mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(910mg、2.63mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(98%、56mg、0.060mmol)、およびトリシクロヘキシルホスフィン(96%、35.1mg、0.120mmol)を合わせた。リン酸カリウム(97%、657mg、3.00mmol)を水(5mL)に溶かした水溶液を加え、反応混合物を150℃および200Wで90分間のマイクロ波照射にかけた。反応混合物を酢酸エチル(20mL)とリン酸緩衝水溶液(20mL)とに分配し、水層を酢酸エチル(2×20mL)およびジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:35%〜100%の(10%メタノール酢酸エチル溶液)ヘプタン溶液]によって精製すると、生成物がガラス状物として得られた。収率:302.3mg、1.05mmol、70%。
LCMS m/z 288.1 (M+1). 1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δ3.83-3.92 (m, 2H), 3.93
(s, 6H), 4.14-4.26 (m, 2H), 5.23-5.43 (m, 1H, JHF=58.0 Hz), 7.63 (d,
J=0.6 Hz, 1H), 7.99 (br s, 1H), 8.35 (s, 1H).
ステップ5:3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン)の合成
1,4−ジオキサン(7mL)中で、4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C11)(300mg、1.04mmol)、1−ブロモ−4−シクロプロピルベンゼン(617mg、3.13mmol)、および炭酸カリウム(289mg、2.09mmol)を合わせた。酢酸パラジウム(II)(98%、50.2mg、0.219mmol)を加え、反応混合物を100℃で48時間加熱した。濾過して固体を除去し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:25%〜50%の(10%メタノール酢酸エチル溶液)ヘプタン溶液]を使用して精製すると、生成物がガラスとして得られた。収率:205.3mg、0.509mmol、49%。LCMS m/z 404.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ0.61-0.66 (m, 2H), 0.91-0.97 (m, 2H), 1.81-1.89 (m, 1H), 3.77-3.95
(br m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 4.07-4.26 (br m, 2H), 5.15-5.36 (m, 1H,
JHF=57.5 Hz), 7.05 (br d, J=8.2 Hz, 2H), 7.23 (br d, J=8.4 Hz, 2H),
7.71 (s, 1H), 8.20 (s, 1H).
(実施例4)
4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2014516074
ステップ1:4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−カルバルデヒド(C12)の合成
4,6−ジクロロピリミジン−5−カルバルデヒド(1.00g、5.65mmol)をクロロホルムに溶かした0℃の溶液に、アゼチジン(99%、0.392mL、5.71mmol)およびトリエチルアミン(5滴)を加えた。反応混合物を室温に温め、次いで18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%の酢酸エチルヘプタン溶液)によって精製して、生成物を得た。収率:880mg、4.45mmol、79%。
LCMS m/z 198.1, 200.1 (M+1). 1H
NMR (400 MHz, CD3OD) δ2.34-2.43 (m, 2H),
4.12-4.33 (br m, 4H), 8.30 (s, 1H), 10.28 (s, 1H).
ステップ2:2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(C13)の合成
1,2−ジメトキシエタン(30mL)および水(3mL)の中で、(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ボロン酸(C1)(1.00g、7.94mmol)、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(1.79g、7.92mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(279mg、0.397mmol)、および炭酸ナトリウム(3.37g、31.8mmol)を合わせ、反応混合物を還流温度で18時間加熱した。反応液が室温に冷えた後、それを真空中で濃縮し、追加の水で希釈し、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%の酢酸エチルヘプタン溶液)での精製によって、生成物を得た。収率:630mg、2.77mmol、35%。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ3.95 (s, 3H), 6.60 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.94
(br d, J=8.2 Hz, 1H), 8.19-8.23 (m, 1H), 8.89 (br d, J=2 Hz, 1H).
ステップ3:2−(4−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(C14)の合成
2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(C13)(390mg、1.72mmol)と酢酸(4mL)の混合物に、N−ヨードスクシンイミド(95%、427mg、1.80mmol)を加え、反応混合物を70℃で1時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜100%の酢酸エチルヘプタン溶液)にかけて、生成物を白色の固体として得た。収率:524mg、1.48mmol、86%。APCI m/z 353.8 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ3.89 (s, 3H), 7.66 (s, 1H), 8.00 (br d, J=8 Hz, 1H), 8.17 (br dd,
J=8, 2 Hz, 1H), 8.83 (br d, J=2 Hz, 1H).
ステップ4:[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル]{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}メタノール(C15)の合成
2−(4−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(C14)(50mg、0.14mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶かした−78℃の溶液に、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、74μL、0.185mmol)をゆっくりと滴下した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで、4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−カルバルデヒド(C12)(28.1mg、0.142mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液を加えた。撹拌を−78℃で1.5時間続け、次いで水を加え、冷却浴から反応混合物を取り出した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:94:5:1のジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン)を使用して精製すると、生成物が得られた。収率:40mg、0.094mmol、67%。LCMS m/z 425.2, 427.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ2.17-2.26 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.89-3.97 (m, 2H),
4.23-4.31 (m, 2H), 6.32 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.79 (br d, J=8 Hz, 1H), 7.85
(s, 1H), 7.92 (br dd, J=8, 2 Hz, 1H), 8.58 (br d, J=2 Hz, 1H).
ステップ5:[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル]{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}メタノン(C16)の合成
[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル]{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}メタノール(C15)(30mg、0.071mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液を、0℃に冷却し、Dess−Martinペルヨージナン(33.1mg、0.078mmol)を少量ずつ加えた。加え終えた後、反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に温め、さらに18時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液(1mL)およびチオ硫酸ナトリウム水溶液(1mL)で失活させた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルを使用してのクロマトグラフィー精製[勾配:0%〜100%の(95:2.5:2.5の酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン)ヘプタン溶液]によって、生成物を得た。収率:29mg、0.069mmol、97%。LCMS m/z 423.1, 425.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD)
δ2.30-2.39 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.99-4.07 (m, 4H),
7.89 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.00-8.13 (m, 3H), 8.72 (br s, 1H).
ステップ6:4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンの合成
[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル]{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}メタノン(C16)(200mg、0.473mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)溶液に、メチルヒドラジン(98%、0.254mL、4.73mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、生成物を固体として得た。収率:120mg、0.290mmol、61%。LCMS m/z 415.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ2.25-2.34 (m, 2H), 3.79-4.04 (br m, 4H), 3.94 (s, 3H), 3.98 (s, 3H),
7.80 (s, 1H), 7.85 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.12-8.16 (m, 1H), 8.17 (s, 1H),
8.77-8.79 (m, 1H).
(実施例5)
(3R)−1−{3−[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン
Figure 2014516074
ステップ1:エチル1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(C17)の合成
エタノール(40mL)中で、4−エチルアニリン(2.08mL、16.6mmol)とオキソ酢酸エチル(50%トルエン溶液、3.30mL、16.6mmol)を合わせ、室温で3時間撹拌した。炭酸カリウム(5.75g、41.6mmol)およびイソシアノメチル4−メチルフェニルスルホン(98%、3.98g、20.0mmol)を加え、反応混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物をCeliteで濾過した。濾液を真空中で濃縮し、酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜33%の酢酸エチルヘプタン溶液)によって精製すると、生成物が透明な褐色の油状物として得られ、静置すると凝固した。収率:3.03g、12.4mmol、75%。LCMS m/z 245.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.29 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.73 (q, J=7.6 Hz,
2H), 4.21 (q, J=7.1 Hz, 2H), 7.27 (br AB四重線, JAB=8.6
Hz, ΔνAB=24 Hz, 4H),
7.66 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.85 (d, J=1.1 Hz, 1H).
ステップ2:[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノール(C18)の合成
エチル1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート(C17)(6.5g、27mmol)をテトラヒドロフラン(45mL)に溶かした−78℃の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(1Mテトラヒドロフラン溶液、27mL、27mmol)を加え、反応混合物を−78℃で0.5時間撹拌し、次いで室温に温め、さらに2時間撹拌した。飽和酒石酸カリウム水溶液を加えて反応を失活させた。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られる淡黄色の油状物を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜5%のメタノール酢酸エチル溶液)を使用して精製すると、生成物が得られた。収率:3.8g、18.8mmol、70%。LCMS m/z 203.0 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.29 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.73 (q, J=7.6 Hz, 2H), 4.57 (s, 2H),
2.35-2.53 (br s, 1H), 7.13-7.14 (br s, 1H), 7.35 (br AB四重線, JAB=8.5 Hz, ΔνAB=27 Hz, 4H), 7.62 (br s, 1H).
ステップ3:1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(C19)の合成
[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノール(C18)(2.50g、12.4mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液を、活性酸化マンガン(IV)(96%、11.1g、123mmol)で処理し、混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、反応混合物をCeliteで濾過し、フィルターパッドをジクロロメタンで洗浄した。濾液を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:30%〜80%の酢酸エチルヘプタン溶液)による精製を行って、生成物を得た。収率:1.8g、9.0mmol、73%。LCMS m/z 201.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.31 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.75 (q, J=7.6 Hz, 2H), 7.26-7.30 (m, 2H, 推定;溶媒ピークにより一部不明確), 7.32-7.36 (m, 2H), 7.77
(dd, J=0.8, 0.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J=0.9 Hz, 1H), 9.76 (d, J=0.8 Hz, 1H).
ステップ4:(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノール(C20)の合成
実施例1ステップ4において(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノール(C4)の合成について記載した手順と類似した手順を使用して、1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(C19)を生成物に変換した。粗生成物である黄色の固体を、ヘプタンと酢酸エチルの1:1混合物で洗浄して、生成物を得た。収率:473mg、1.35mmol、74%。LCMS m/z 348.9 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.29 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.73 (q, J=7.6 Hz, 2H), 6.27 (br s, 1H),
7.14-7.15 (m, 1H), 7.28-7.33 (m, 4H), 7.69 (d, J=0.7 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H).
ステップ5:(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノン(C21)の合成
酢酸エチル層を水酸化ナトリウム水溶液でなく炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄したことを除き、実施例1ステップ5において(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン(C5)の合成について記載した手順と類似した手順を使用して、(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノール(C20)を生成物に変換した。この場合では再結晶を行わず、生成物を固体として得た。収率:701mg、2.02mmol、94%。LCMS m/z 346.9 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.31 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.75 (q, J=7.6 Hz, 2H), 7.30-7.36 (m, 4H),
7.61 (br s, 1H), 7.85 (d, J=0.8 Hz, 1H), 8.85 (s, 1H).
ステップ6:4−クロロ−3−[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C22)の合成
メチルヒドラジン(18.1mg、0.393mmol)のアセトニトリル(3mL)溶液に、(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]メタノン(C21)(136mg、0.392mmol)のアセトニトリル(3mL)溶液を加えた。ピリジン(41mg、0.52mmol)を加えた後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜20%の酢酸エチルヘプタン溶液)によって精製すると、回収された出発材料(35mg、0.10mmol)と共に、生成物が得られた。収率:81mg、0.24mmol、61%(回収された出発材料に基づくと82%)。LCMS m/z 339.0 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ1.21 (t, J=7.6 Hz, 3H), 2.62 (q, J=7.6 Hz, 2H), 4.11 (s, 3H),
7.11-7.15 (m, 4H), 7.52 (d, J=0.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J=1.0 Hz, 1H), 8.73 (s,
1H).
ステップ7:(3R)−1−{3−[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(5)の合成
4−クロロ−3−[1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C22)(37mg、0.11mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液に、(3R)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(12.4mg、0.109mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(14.5mg、0.109mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。真空中で揮発性物質を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜15%の酢酸エチルメタノール溶液)にかけて、生成物をガラス状物として得た。収率:13mg、0.031mmol、28%。LCMS m/z 417.1 (M+1). 1H NMR (500 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク: δ1.17 (t, J=7.6 Hz,
3H), 2.49-2.65 (m, 8H), 3.51-3.61 (br m, 1H), 3.72-3.81 (br m, 1H), 4.08 (s,
3H), 7.10 (br d, J=8.3 Hz, 2H), 7.22-7.29 (m, 2H, 推定;溶媒ピークにより一部不明確), 7.40 (br s, 1H), 7.90 (br s, 1H), 8.29 (s, 1H).
(実施例6)
4−(アゼチジン−1−イル)−3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
Figure 2014516074
ステップ1:(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(C23)の合成
エチル5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.00g、8.58mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶かした0℃の溶液を、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mテトラヒドロフラン溶液、18.9mL、18.9mmol)で処理し、混合物を室温に温め、18時間撹拌した。飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加え、撹拌を4時間続けた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1の酢酸エチル/メタノール)によって精製すると、生成物が得られた。収率:1.63g、8.53mmol、99%。LCMS m/z 192.9 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.44 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 4.48 (s, 2H), 7.51 (s, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(C24)の合成
実施例5ステップ3で1−(4−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(C19)の合成について記載した手順と類似した手順を使用して、(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノール(C23)を生成物に変換した。この場合では、クロマトグラフィーを実施しなかった。収率:1.46g、7.72mmol、92%。LCMS m/z 191.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ3.93 (s, 3H), 7.96 (s, 1H), 9.76 (s, 1H).
ステップ3:(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノール(C25)の合成
実施例1ステップ4で(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノール(C4)の合成について記載した手順と類似した手順を使用して、5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(C24)を生成物に変換した。この場合では、生成物を再結晶によって精製せず、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1のヘプタン/酢酸エチル、次いで2:1のヘプタン/酢酸エチル)を使用して精製した。収率:1.26g、3.73mmol、70%。LCMS m/z 339.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.4-3.0 (v br s, 1H), 3.88 (s, 3H), 6.36 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.74
(s, 1H).
ステップ4:(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノン(C26)の合成
(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノール(C25)(1.20g、3.55mmol)のクロロホルム(30mL)溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(2.26g、5.33mmol)を少量ずつ加え、混合物を2時間撹拌した。濾過した後、濾液を真空中で濃縮し、酢酸エチル(300mL)で希釈し、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(3×150mL)で洗浄し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1のヘプタン/酢酸エチル)を使用して精製すると、生成物が得られた。収率:1.16g、3.45mmol、97%。LCMS m/z 337.1 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ3.97 (s, 3H), 7.92 (s, 1H), 8.90 (s, 1H).
ステップ5:[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル](5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン(C27)の合成
0℃のアセトニトリル(30mL)中で、(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノン(C26)(1.14g、3.39mmol)をアゼチジン(98%、0.212mL、3.08mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.645mL、3.70mmol)と合わせた。次いで混合物を室温に温め、18時間撹拌した。真空中で揮発性物質を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:100:1の酢酸エチル/メタノール)によって精製して、生成物を得た。収率:1.07g、3.00mmol、97%。LCMS m/z 356.2, 358.2, 360.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ2.25-2.36 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.96-4.09 (br m, 4H),
7.85 (br s, 1H), 8.37 (s, 1H).
ステップ6:4−(アゼチジン−1−イル)−3−(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C28)の合成
メチルヒドラジン(98%、1.57mL、29.2mmol)および[4−(アゼチジン−1−イル)−6−クロロピリミジン−5−イル](5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン(C27)(1.04g、2.92mmol)をピリジン(15mL)に混ぜた混合物を16時間85℃に加熱した。真空中で揮発性物質を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0.5%〜5%のメタノール酢酸エチル溶液)を使用して精製して、生成物を固体として得た。収率:960mg、2.76mmol、94%。LCMS m/z 348.3, 350.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ2.25-2.34 (m, 2H), 3.84-4.04 (br m, 4H), 3.97 (s, 3H),
4.05 (s, 3H), 7.67 (s, 1H), 8.39 (s, 1H).
ステップ7:4−{4−[4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル}ベンズアルデヒド(C29)の合成
エタノール(10mL)中で、4−(アゼチジン−1−イル)−3−(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C28)(345mg、0.991mmol)、(4−ホルミルフェニル)ボロン酸(163mg、1.09mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.6mg、0.0100mmol)、および炭酸ナトリウム(210mg、1.98mmol)を合わせた。水(2mL)を加え、反応混合物を100℃で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水で希釈した。水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:0%〜100%の(90:5:5の酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン)ヘプタン溶液]にかけた。生成物は、多少の不純物との混合物として得られ、さらに精製することなく次のステップで使用した。収率:270mg、0.723mmol、73%。APCI m/z 374.0 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
生成物のピークのみ: δ2.25-2.34 (m, 2H),
3.8-4.0 (br m, 4H), 3.95 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 7.61 (br d, J=8.2 Hz, 2H), 7.76
(s, 1H), 7.92 (br d, J=8.4 Hz, 2H), 8.16 (s, 1H), 9.97 (s, 1H).
ステップ8:4−(アゼチジン−1−イル)−3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンの合成
4−{4−[4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル}ベンズアルデヒド(C29)(220mg、0.589mmol)のジクロロメタン溶液に、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.116mL、0.885mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。追加の三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(0.05mL、0.4mmol)を反応液に導入し、撹拌を1時間続けた。反応液に固体炭酸ナトリウムを加え、得られる反応混合物を、クロマトグラフィー精製[勾配:0%〜100%の(90:5:5の酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン)ヘプタン溶液]用のシリカゲルカラムに直接かけ、これにより、生成物が白色の固体として得られた。収率:130mg、0.329mmol、56%。LCMS m/z 396.5 (M+1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ2.24-2.34 (m, 2H), 3.80-4.02 (m, 4H), 3.93 (s, 3H), 3.95 (s, 3H),
6.75 (t, JHF=56.0 Hz, 1H), 7.54 (br AB四重線, JAB=8.3
Hz, ΔνAB=15 Hz, 4H),
7.74 (s, 1H), 8.16 (s, 1H)
方法A
3−置換1−R−置換1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの、(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)ケトンからの、アミン付加に続くヒドラジン環化による調製
Figure 2014516074
4,6−ジクロロピリミジンC30のアセトニトリル溶液(0.333M、300μL、100μmol)を含有するバイアルに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(35.2μL、200μmol)を加えた。次いで、必要なアミン[HNRまたはHN(R](0.333M、300μL、100μmol)を加え、反応混合物にふたを被せ、30℃で1.5時間振盪した。LCMSによって判断して反応が完了したと思われたとき、相応しいヒドラジン(NHNHR)(50μL)を加え、続いて追加のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(50μL、290μmol)を加え、混合物にふたを被せ、70℃で16時間振盪した。LCMSによって判断して環化が完了したとき、反応混合物を濾過し、分取HPLCによって、a)Phenomenex Luna C18カラム、移動相A:0.1%のトリフルオロ酢酸を含有する水、移動相B:0.1%のトリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル、b)Phenomenex Luna C18 AXIAカラム、移動相A:20mMの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:10%の水アセトニトリル溶液の系の一方において適切な勾配を使用して精製した。
方法B
鈴木反応による4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−(1−メチル−5−置換−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンの調製
Figure 2014516074
バイアルに、相応しいボロン酸またはボロン酸エステル(150μmol、各Rは、HもしくはC1〜6アルキルであり、または2個の(OR)基が、これらが結合しているB原子と一緒になって、1個または複数のC1〜6アルキルで置換されていてもよい5〜10員ヘテロ環を形成している)の1,4−ジオキサン(450μL)溶液を装入した。4−(アゼチジン−1−イル)−3−(5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(C28)を脱気した1,4−ジオキサンに溶かした溶液(0.167M、450μL、75μmol)を加えた後、炭酸ナトリウム(15.9mg、150μmol)を加えた。次いで水(150μL)を加えた後、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.5mg、3.8μmol)を加え、約1分間溶液に窒素をバブルした。バイアルにふたを被せ、100℃で16時間振盪した。溶媒を除去した後、分取HPLCによって、Phenomenex Gemini C18カラム、ならびに水酸化アンモニウム水溶液(pH10)およびアセトニトリルで構成された適切な勾配を使用して精製を実施した。
実施例7〜60は、方法AもしくはB、または実施例1〜6のいずれか1つの合成について記載した方法と実質的に類似した方法を使用して調製した。
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
Figure 2014516074
実施例AA:PDE2アッセイおよびデータ
式Iの化合物(式Ia、IbまたはIcのいずれか一つの化合物を含む)は、PDE2活性をモジュレートまたは阻害するのに有用である。一部の実施形態では、本発明の化合物は、他のPDE受容体サブタイプと比べると、PDE2の選択的モジュレーターまたは阻害剤である。したがって、こうした本発明の化合物は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて認知障害、統合失調症、認知症などの中枢神経系の疾患または状態を予防および/または治療するのに有用である。
用語「PDE2を阻害する」とは、本明細書で使用するとき、PDE2活性の予防、進行の妨害、または治療上有意な低減を意味する。当業者なら、化合物がPDE2活性を阻害するかどうかを容易に判定することができる。たとえば、PDE2阻害を評価するために好都合に使用することのできるアッセイは、2006年7月13日に公開された米国特許出願公開第2006/0154931号(USSN11/326,221)で見ることができる。一般に、物質は、IC50が約10μM以下、好ましくは約0.1μM以下である場合、PDE2活性を有効に阻害するとみなされる。
「選択的PDE2阻害剤」は、たとえば、物質によるPDE2活性阻害能を、他のPDEファミリーからのPDE酵素に対するその阻害能と比較することにより特定することができる。たとえば、物質を、それによるPDE2活性、ならびにPDE1A、PDE1B、PDE1C、PDE3A、PDE3B、PDE4A、PDE4B、PDE4C、PDE4D、PDE5、PDE6、PDE7、PDE8、PDE9、PDE10、およびPDE11活性の阻害能について、アッセイすることができる。一実施形態では、選択的PDE2阻害剤は、PDE2の阻害についてのKが、他の任意のPDE酵素の阻害についてその物質が有するKの約10分の1以下である、本発明の化合物である、すなわち、化合物は、他の任意のPDE酵素の阻害に必要な濃度の約10分の1以下の濃度で同程度にPDE2活性を阻害する。
SPA技術による組換え型ヒトPDE2A3阻害の測定
本アッセイでは、ヒト全長PDE2A3酵素に対する試験物質の活性を、Amersham TRKQ7100の指示(GE Healthcare、Arlington Heights、IL、USA)を変更した[H]−cGMPシンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用して求めた。PDE2A3タンパク質は、sf21昆虫細胞のFLAG精製から、このタグ(抗FLAG M2、Sigma Aldrich、St.Louis、MO、USA)に対する標準的なアフィニティー精製手順を使用して取得した。簡潔に述べると、SPAアッセイは、環状ヌクレオチドであるcGMPと比べて、線状ヌクレオチドであるGMPに優先的に結合する、PDE SPAケイ酸イットリウムビーズ(Perkin Elmer RPNQ0024;PerkinElmer,Inc.、Waltham、MA、USA)を使用して実施した。H−GMP産物は、Wallac MicroBetaシンチレーションカウンターを使用して検出した。反応時間は、酵素によって基質の10〜20%が加水分解された時間を基準にして選択した。
アッセイは、代表的な本発明の化合物を試験する前に、PDE2選択的な文献化合物であるエリスロ−9−(2−ヒドロキシ−3−ノニル)アデニン(EHNA)およびBAY60−7550を対照として使用し、検証した(Podzuweitら、Isozyme selective inhibition of cGMP−stimulated cyclic nucleotide phosphodiesterases by erythro−9−(2−hydroxy−3−nonyl) adenine、Cell Signal、7(7):733〜8、1995、Boessら、Inhibition of phosphodiesterase 2 increases neuronal cGMP, synaptic plasticity and memory performance、Neuropharmacology、47(7):1081〜92、2004)。得られたIC50値は、文献の値(EHNAについては1.7μM、BAY60−7550については4.66μM)の3倍以内であった。化合物のPDE活性の阻害についての対応するIC50値は、濃度−効果曲線から、非線形回帰によって求めた。
Figure 2014516074
Figure 2014516074
実施例BB:CYP3Aアッセイおよびデータ
WalskyおよびObach、「Validated Assays For Human Cytochrome P450 Activities」、Drug Metabolism And Disposition、第32巻6号、647〜660頁、2004に記載のアッセイなどの有効なCYP3Aアッセイを使用して、式Idの化合物のCYP3A4 IC50およびCYP3A5 IC50を測定することができる。化学的な阻害表現型判定に式Idの化合物を利用する実際的な方法である、2ステップの時間依存的不活性化動力学的評価を行った。式Idの化合物は、CYP3A4を短期間でIC85まで不活性化する能力を有するので、クリアランスの低い化合物には追加の非無希釈法(以下を参照されたい)も利用できるが、その代謝へのCYP3A5の寄与を評価する必要がある。時間依存的な実験は、式Idの化合物を用いた行程、活性ベンチマークを確立するための媒体対照、最後に、ケトコナゾール[CAS番号:65277−42−1、化学名:1−[4−(4−{[(2R,4S)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}フェニル)ピペラジン−1−イル]エタン−1−オン]を競合的pan−CYP3A阻害剤として使用する行程の3行程からなるものであった。式Idの化合物および媒体行程について、評価の第1ステップは、CYP3A5であると遺伝子型判定された単一ドナー(すなわち、CYP3A5*1/*1、*1/*3、*3/*3)からのヒト肝臓ミクロソームまたは多個体のドナーからプールされた肝臓ミクロソームを、式Idの化合物または媒体に加える、不活性化反応からなるものであった。37℃でプレインキュベートして平衡に達するようにしてから5分後、10mMのNADPH再生系0.01mL(最終濃度:1mMのMgCl存在下の100mMのリン酸カリウム緩衝液中に5mMのグルコース−6−リン酸、1mMのNADP+、および1U/mLのグルコース−6−リン酸脱水素酵素、または1mMのNADPH)を式Idの化合物および媒体対照行程に送達して、不活性化反応を開始した。5分間インキュベートした後、不活性化または媒体対照反応からの一定分量を取り、活性を測定するためにCYP3A基質に加えた。試験化合物についてのCYP3Aのベースライン寄与を確立するために、ケトコナゾールを競合的pan阻害剤として利用した。次いでこれをCYP3A4特異的阻害剤での結果と比較し、その差を、残存する無影響のCYP3A5活性であると想定した。同様の方法を使用して、式Idの化合物の能力を、無希釈不活性化反応において、低いクリアランスの試験化合物でも試験した。ケトコナゾール研究では、100μMのケトコナゾールを、CYP3A5と遺伝子型判定された単一ドナーの肝臓ミクロソームHLMおよびCYP3A基質に導入し、5分間プレインキュベートした後、NADPH再生系またはNADPHを加えて、反応を開始した。CYP3A基質の消費および/またはその(1または複数の)代謝産物の生成モニターすることにより、活性を測定した。
Figure 2014516074
Figure 2014516074
本明細書に記載したものに加えて、本発明の種々の変更形態が、前述の記述から当業者に明らかとなろう。そのような変更形態も、付属の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。本出願で引用した各参照文献(すべての特許、特許出願、学術論文、書籍、および他の任意の刊行物を含める)は、その全体が参照により本明細書に援用される。

Claims (37)

  1. 式Iの化合物
    Figure 2014516074
    または薬学的に許容できるその塩[式中、
    「−Q−R」は、Q1a、Q1b、またはQ1c
    Figure 2014516074
    であり、
    は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C15)シクロアルキルであり、
    は、−NHRまたは−N(Rであり、
    各Rは、独立して選択された1、2、3、4または5個のRでそれぞれが置換されていてもよい、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
    またはRが−N(Rであるとき、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよく、またフルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R2、−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
    各Rは、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
    4aは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CF、−CHF、−CHF、または(C〜C15)シクロアルキルであり、
    は、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、またはR5g
    Figure 2014516074
    であり、
    ここでnは、0、1、2、3または4であり、
    は、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−SF、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、
    各Rは、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−O−(C〜C)アルキル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
    またはRおよび近接するRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい、5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成しており、
    または2つの近接するRが、これらが結合している2個の炭素原子と一緒になって、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルキル、および(C〜C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基でそれぞれが置換されていてもよい、5員もしくは6員ヘテロアリールまたは5員もしくは6員ヘテロ環を形成しており、
    各Rは、存在する場合は常に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C15)シクロアルキル、−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキル、−CF、−CHF、および−CHFからなる群から独立して選択され、
    各Rは、ハロ、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合および1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリール部分はそれぞれ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロ、および−CFから独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい]。
  2. 化合物が式Iaの化合物
    Figure 2014516074
    である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  3. 化合物が式Ibの化合物
    Figure 2014516074
    である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  4. 化合物が式Icの化合物
    Figure 2014516074
    である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  5. が(C〜C)アルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  6. がメチルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  7. が−N(Rであり、
    各Rが、(C〜C)アルキルから独立して選択され、
    または前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよく、またフルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R2、−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、4員〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  8. が−NHRであり、Rが(C〜C)アルキルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  9. 各Rが水素である、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  10. 4aが(C〜C)アルキルである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  11. がR5a
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  12. がR5b
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  13. がR5c
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  14. がR5d
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  15. がR5e
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  16. がR5f
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  17. がR5g
    Figure 2014516074
    である、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  18. が、水素、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−CHF、−CF−(C〜C)アルキル、−SF、−CN、−(C〜C)アルキル−CN、−NO、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群から選択され、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、
    各Rが、ハロ、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−O−(C〜C)アルキル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択される、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  19. が、水素、ハロ、−CF、−CHF、または−CHFである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  20. が、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−OR、−O−(C=O)−N(R、−SR、−S(O)R、−S(O)、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル]−(C=O)−R、または−N[(C〜C)アルキル]−(C=O)−ORである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  21. が(C〜C)アルキルまたは(C〜C15)シクロアルキルである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  22. が、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)ヘテロ環、(C〜C10)アリール、または(C〜C13)ヘテロアリールである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  23. が、ハロ、(C〜C)アルキル、−CF、−CHF、−OR、(C〜C15)シクロアルキルである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  24. 各Rが、ハロおよび(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  25. 各Rが、存在する場合は常に、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択される、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  26. nが、0、1または2である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  27. 「−Q−R」が、Q1a
    Figure 2014516074
    であり、
    が(C〜C)アルキルであり、
    各Rが、独立して選択された1、2、または3個のRでそれぞれが置換されていてもよい(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、および(C〜C15)シクロアルキルからなる群から独立して選択され、
    またはRが−N(Rであるとき、前記Rの両方が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個または2個のオキソ基(O=)を含んでいてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成していてもよく、フルオロ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、−(C=O)−R、−(C=O)−OR、−(C=O)−N(R−O−(C=O)−R、−OR、−O−(C=O)−OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−NH−(C=O)−R、−NH−(C=O)−OR、−O−(C=O)−N(R、−NH−(C=O)−N(R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−R、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−OR、−N[(C〜C)アルキル](C=O)−N(R、(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキルおよび(C〜C14)ヘテロ環はそれぞれ、1個の二重または三重結合を含んでいてもよく、また1個〜2個のオキソ(O=)基を含んでいてもよく、前記(C〜C15)シクロアルキル、(C〜C10)アリール、(C〜C14)ヘテロ環、および(C〜C13)ヘテロアリールはそれぞれ、フルオロ、クロロ、ブロモ、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OH、−O−(C〜C)アルキル、−O−(C〜C)ハロアルキル、NH、−NH−(C〜C)アルキル、−N[(C〜C)アルキル]、(C〜C)アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)アルケニル、および(C〜C)アルキニルからそれぞれ独立して選択される1個〜3個の置換基で置換されていてもよく、
    が水素であり、
    4aが(C〜C)アルキルであり、
    が、R5a、R5b、R5c、またはR5d
    Figure 2014516074
    であり、ここでnは、0、1、2、3または4である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  28. が、メチル、−CF、−CHF、または−CHFであり、
    が−N(Rであり、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
    Figure 2014516074
    部分である、置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、
    Figure 2014516074
    である「Q1a」部分が、
    Figure 2014516074
    部分であり、
    20aおよびR20bはそれぞれ、独立して(C〜C)アルキルであり、
    またはR20aおよびR20bは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員ヘテロ環を形成しており、
    が、メチル、エチル、またはClである、請求項2に記載の式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩。
  29. 式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩が、
    がメチルまたはエチルである、式Idの化合物
    Figure 2014516074
    または薬学的に許容できるその塩である、請求項2に記載の式Iaの化合物または薬学的に許容できるその塩。
  30. が、メチル、−CF、−CHF、または−CHFであり、
    が−N(Rであり、前記Rの両方は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
    Figure 2014516074
    部分である、置換されていてもよい4員〜6員ヘテロ環を形成しており、
    Figure 2014516074
    である「Q1b」部分が、
    Figure 2014516074
    部分であり、
    20aおよびR20bはそれぞれ、独立して(C〜C)アルキルであり、
    またはR20aおよびR20bは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員または6員ヘテロ環を形成しており、
    が、メチル、エチル、またはClである、請求項3に記載の式Ibの化合物または薬学的に許容できるその塩。
  31. 4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    メチル(1−{3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}アゼチジン−3−イル)カルバメート;
    4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−3−{1−メチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(アゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−[5−(4−エチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;
    3−[5−(4−シクロプロピルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン;または
    3−{5−[4−(ジフルオロメチル)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル}−4−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
    である、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  32. 1−メチル−3−[1−メチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4−[(3S)−3−(ピペリジン−1−イル)ピロリジン−1−イル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンである、請求項29に記載の式Idの化合物または薬学的に許容できるその塩。
  33. 請求項1から32のいずれか一項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物。
  34. ヒトにおいて統合失調症と関連する認知機能障害を治療する方法であって、前記ヒトに、治療有効量の請求項1から32のいずれか一項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
  35. CYP3A4を、請求項29に記載の式Idの化合物もしくは請求項32の化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させることを含む、CYP3A4の活性を阻害する方法。
  36. CYP3A4を、CYP3A5の存在下で、請求項29に記載の式Idの化合物もしくは請求項32の化合物または薬学的に許容できるその塩と接触させることを含む、CYP3A4の活性を選択的に阻害する方法。
  37. 請求項29に記載の式Idの化合物または請求項32の化合物を使用することを含む、化合物の代謝へのCYP3A4対CYP3A5の相対的な寄与を明らかにする方法。
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