JP2014513292A - 定量的ビデオ顕微鏡を準備する方法及び関連システム - Google Patents

定量的ビデオ顕微鏡を準備する方法及び関連システム Download PDF

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Abstract

本発明の実施の形態は、サンプル内の複数の分子種を解析する撮像システムを較正する方法を対象とする。1つの実施の形態によれば、本方法は、複数の異なる波長において画像取得デバイスを用いてサンプルの複数の画像を取得するステップと、1つのそれぞれの波長において取得された画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較するステップと、1つのそれぞれの波長において取得された画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域が、異なる波長において取得された画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、複数の画像を位置合わせするステップと、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像解析に関し、より詳細には、細胞生物学及び病理学の用途における定量的ビデオ顕微鏡法のビデオ顕微鏡システムを較正又は他の方法で準備する方法及び関連システム、並びにそのコンピュータソフトウェアプログラム製品に関する。
顕微鏡画像の効果的な解析は、細胞生物学及び病理学において不可欠であり、特に、例えば、遺伝子増幅、遺伝子欠損、遺伝子突然変異、メッセンジャRNA分子定量化、又はタンパク質発現解析等による、例えば遺伝子若しくはメッセンジャRNA等の遺伝物質、又はタンパク質の形態でのこの遺伝情報の発現の検出及び定量化にとって不可欠である。細胞は、通常、対立遺伝としても知られている同じ遺伝子の2つの複製を含むが、遺伝子増幅とは、1つの細胞内に同じ遺伝子の過度に多くのコピーが存在することである。遺伝子欠損は、細胞内で確認することができる遺伝子のコピーが2つ未満であることを指す。遺伝子突然変異とは、不完全又は非機能的な遺伝子が存在することを指す。メッセンジャRNA(mRNA)は、遺伝子読み取りプロセスから合成されてタンパク質合成のテンプレートとしての役割を果たす遺伝情報を伝達する分子を指す。タンパク質発現とは、細胞によって所与のタンパク質が生成されることを指す。タンパク質発現プロセスから求められるその所与のタンパク質の遺伝子コード化が高められるか、又は遺伝子若しくはmRNAの過剰な複製が存在する場合、タンパク質は過剰発現する場合がある。逆に、遺伝子コード化が抑えられるか又は存在しない場合、タンパク質は発現不足となるか又は存在しない場合がある。
正常な細胞挙動は、多数のタンパク質、mRNA、及び遺伝子を含む分子機構によって精密に制御される。遺伝子増幅、遺伝子欠損、及び遺伝子突然変異は、異常なタンパク質発現を通じた異常な細胞挙動に顕著な役割を果たすことが知られている。関心のある細胞挙動の範囲には、例えば細胞の増殖又は分化の規制と同等の多様な挙動が含まれる。したがって、遺伝子増幅、遺伝子欠損、及び遺伝子突然変位、mRNA定量化、又はタンパク質発現解析における効果的な検出及び定量化が、研究、診断、及び予後診断の有用なツールを促進させるために必要である。
遺伝子増幅、遺伝子欠損、及び遺伝子突然変位、mRNA定量化、又はタンパク質発現解析における検出及び定量化を対象とする非常に多くの実験技法が存在する。例えば、こうした技法には、ウェスタンブロット(Western blot)技法、ノーザンブロット(Northern blot)技法、及びサザンブロット(Southern blot)技法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法、酵素結合免疫分離アッセイ(ELISA(enzyme-linked immunoseparation assay))技法、及び比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH(comparative genomic hybridization))技法が含まれる。しかしながら、顕微鏡法が日常的に利用されるのは、顕微鏡法が、細胞レベル又は細胞以下のレベルにおける迅速な検査を可能にすると同時に、比較的低コストで素早く実施することができる情報提供技法であるからである。
顕微鏡法が、選ばれた実験技法であるとき、生体サンプルは最初に特異的検出(specific detection)及びレベレーション準備(revelation preparations:顕色準備)を受けなければならない。サンプルが準備されると、専門家は、通常、定性的な研究では顕微鏡のみを用いてサンプルを解析し、又は定量的で概ね標準化された研究ではカメラ及びコンピュータに結合された顕微鏡を用いてサンプルを解析する。場合によっては、完全自動解析向けに顕微鏡を構成することができ、この場合、顕微鏡は、モータ駆動のステージ及びフォーカス、モータ駆動対物レンズ交換器(motorized objective changers)、自動光度制御装置等を用いて自動化される。
サンプルを検出する準備には、例えば、ハイブリダイゼーションベース及び免疫標識ベースの準備技法等の、顕微鏡撮像解析に適した種々のタイプの準備技法を含めることができる。そのような検出技法は、例えば、蛍光ベースの技法及び可視カラー反応ベースの技法等の適切なレベレーション技法と結合させることができる。
イン・サイチュー・ハイブリダイゼーション(「ISH」(In Situ Hybridization))及び蛍光イン・サイチュー・ハイブリダイゼーション(「FISH」(Fluorescent In Situ Hybridization))は、例えば、遺伝情報増幅及び突然変異の解析における検出及び定量化に用いられる検出及びレベレーションの技法である。ISH及びFISHはともに、組織又は細胞のサンプルに適用することができる。これらの技法は、対応する正確な配列を認識する特異的な相補的プローブを用いる。用いられる技法に応じて、この特異的プローブは化学(ISH)マーカ又は蛍光(FISH)マーカを含むことができ、その場合、サンプルは、それぞれ透過顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いて解析される。化学マーカを用いるのか又は蛍光マーカを用いるのかは、ユーザの目標次第であり、各タイプのマーカは、特定の場合に他方のマーカを上回る対応する利点を有する。
タンパク質発現解析では、例えば、免疫組織化学(IHC)技法及び免疫細胞化学(ICC)技法を用いることができる。IHCは、組織断面に免疫化学を適用することであるのに対して、ICCは、培養された細胞又は組織インプリントが例えば体液ベースの準備等の特異的細胞学的準備を受けた後に、それらに免疫化学を適用することである。免疫化学は、特異抗体の使用に基づく一群の技法であり、抗体は、細胞の内部又は細胞の表面上にある特異的標的分子に用いられる。抗体は、通常、標的分子に遭遇すると生化学反応を受け、それによって変色するマーカを含む。場合によっては、信号増幅をこの特定のプロトコルに組み込むことができ、この場合、特異的一次抗体の適用後に、マーカ染色を含む二次抗体が生じる。
ハイブリダイゼーションの研究及び免疫標識の研究の双方において、異なる色の色原体が異なるマーカを区別するのに用いられる。しかしながら、研究に用いることができる最大数のマーカは幾つかの要因によって制限される。例えば、それぞれのマーカを明らかにするのに用いられる色のスペクトルの重なり合いが制限要因になる場合がある。なぜならば、色素は、可視スペクトルの大部分を吸収することができるからである。したがって、研究に関与する色素の数が多くなるほど、スペクトルが重なり合うリスクは高まる。さらに、取得デバイスのスペクトル分解能が制限要因になる場合があり、デバイスが検出することができる最小限の色ずれを考慮しなければならない。
加えて、免疫化学は、ISHにおける化学とともに、マーカの定量化を達成しなければならないとき、乏しい感度を呈すると一般に考えられている。しかしながら、これらの技法の定量化精度は、幾つかの要因に依存する場合がある。例えば、用いられる反応のタイプは、その技法の精度に或る役割を果たす場合がある。なぜならば、リガンド濃度と免疫化学的な染色反応の程度との間の関係の線形性は、反応タイプに強く依存する場合があるからである。より詳細には、例えば、ペルオキシダーゼ/抗ペルオキシダーゼ法は、ビオチンアビジン法よりも線形であり得る。マーカの細胞内局在性も精度に影響する場合がある。その場合、例えば、細胞膜マーカ又は細胞核マーカが空間的に重なり合う場合、結果として生じる色は、それぞれの色の混合色となる。したがって、対応する定量化は主観的であるので、求める精度が影響を受ける場合がある。加えて、例えば既知の特徴を有する細胞、所与の濃度のマーカを有するゲル等の較正標準(calibration standard)は、先進の解析モデルが新しい異なった場合に適用される場合に必要とされる場合がある。較正標準を組み込んだ染色キットは一般的に利用可能である。しかしながら、この較正標準は、通常、標準に照らして一定の特徴を呈することが知られており、かつ異なる性質のサンプルに適用されたときに有用性が制限される場合がある、特定の細胞又は特定のタイプの構造等の特定の被検物にしか適用可能でない。
全体として、上述の「比色」研究は、色におけるサンプル解析情報を提供し、その情報の処理及び定量化を容易にし、それによって、診断の提供又は特定の場合の予後診断の形成を助ける。例示として、HER2タンパク質発現及び/又は遺伝子増幅の検出及び定量化は、定量顕微鏡法において用いられる種々の手法によって評価することができる。HER2は、転移性乳癌において診断及び予後診断の重要性を有することが示されている細胞膜タンパク質である。HER2陽性患者は、Herceptin(商標)を含む治療法(Genentech社によって開発された標的治療法)がより有効であることが示されたので、転移性乳癌のHER2状況を明確にすることは、適切な治療プロトコルの選択において第1に重要であることが明らかになっている。このHER2状況を明確にすることは、ハイブリダイゼーション(FISH、ISH)又は免疫標識(IHC)技法のいずれかが施されるサンプルの研究に基づいたものである。
そのような研究において、例えば、Vysis社によって製造されたPathVysion(商標)等のFDAが認可したキットとともにFISHを用いるには、あらゆる細胞に存在するHER2遺伝子のコピーの数を計数する画像解析プロトコルが必要となる。正常な場合には、遺伝子の2つのコピーが各細胞に確認されるのに対して、細胞内に遺伝子のコピーが4つ以上あることは、遺伝子が増幅されていることを示している。代替的に、例えば、Dako社によって製造されたHerceptest(商標)等のFDAが認可したキットとともにIHCを用いるには、HER2特異的膜染色の強度及び局在性に応じてケースを4つのカテゴリに分類する画像解析プロトコルが必要である。現在の研究は、これらの2つの検査技法(ハイブリダイゼーション及び免疫標識)が相補的なものとすることができ、組み合わされると、病理学者の腫瘍亜類型診断を助けることができることを示す傾向がある。
しかしながら、そのような比色研究には、広範囲にわたるサンプル準備及びプロシージャ制御が必要となる。このため、適合した染色プロトコルを処理するとき、有用で正確な結果が、収集された情報から得られるように、サンプルごとの染色が、画像取得処理デバイスにおいて用いられる特定のモデルに整合していることを検証することができることが極めて重要である。そうでなければ、解析を、サンプル準備段階から再び開始して繰り返されなければならない場合があり、それによって、結果的に多くのコスト及び多くの時間を要するプロセスになるおそれがある。
画像の取得及び処理に基づく一般的な顕微鏡デバイスでは、最初に、カメラを用いてサンプルの拡大画像を取得してデジタル化しなければならない。一般的には、電荷結合素子(CCD)デジタルカメラが、光学定量顕微鏡法又は蛍光定量顕微鏡法のいずれかにおいて用いられる。分光光度計を除くと、比色顕微鏡研究を行うのに用いられる1つの技法には、白黒(BW)CCDカメラを用いるものが含まれる。そのような場合に、解析されるサンプルの染色に特有の波長を有する単色光に対応して、サンプルのグレイレベル画像が得られる。この特有の波長の光は、特有の狭帯域幅フィルタを介して白色光源光をフィルタリングすることによるか又はその光源の波長を手動制御若しくは電子制御のいずれかを用いて直接制御することによるかのいずれかで得られる。種々の波長におけるサンプルのスペクトル応答を示すサンプルの画像は、解析を容易にするように順次個別に取得される。複数のシーン又は視野が解析されるとき、一般的なプロトコルは、処理時間を節約するようにバッチモードでシーケンスを自動化することである。しかしながら、対象シーン、対象視野、又は対象領域が複数、解析されるとき、1つの特定の波長の下で取得された1つの画像内で検査される対象シーン、対象視野、又は対象領域は、その対象シーン、対象視野、又は対象領域の正確な解析を確保するように、異なる波長の下で取得された別個の画像内で検査される対象シーン、対象視野、又は対象領域に対応しなければならない。さらに、異なる波長の下で取得された画像は、色収差によって生成される異なる倍率の補正を受けなければならない。
したがって、準備されたサンプルの比色解析において用いられる技法は、幾つかの要因に起因して、対象となる種の検出及び定量化において使用が限られている。これらの要因は、例えば、スペクトルの重なり、細胞膜マーカと細胞質マーカと細胞核マーカとの空間的重なりに起因した混色、光路における色収差、取得デバイスのスペクトル分解能の限界、較正の特質、検出及び定量化プロセスの主観性、並びに人間オペレータ間の不整合性等である。比色解析技法の画像処理部分は、歴史的には、準備されたサンプル内のコントラストの主観的検出、又は光源及びフィルタの組み合わせを用いた光の様々な特定の波長におけるサンプルの複雑で多量の解析を対象としてきた。したがって、サンプルについての必要な解析情報を含む高品質のデータを生成すると同時に、サンプル解析における主観性及び不整合性を低減するために、複数の対象画像、対象シーン、対象視野及び/又は対象領域間の正確な比較を提供するように撮像システムを準備する必要性がある。
これらの必要性及び他の必要性は本発明によって満たされる。本発明は、1つの実施の形態では、サンプル内の複数の分子種を解析する撮像システムを較正する方法を提供する。本方法は概して、複数の異なる波長において、ビデオ顕微鏡システムにおけるカメラ等の画像取得デバイスを用いて前記サンプルの複数の画像を取得するステップを含む。本方法は、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較するステップを含む。さらに、本方法は、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域が、前記異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、前記複数の画像を位置合わせするステップを含む。
本発明の1つの実施の形態によれば、本方法は、複数の波長のそれぞれについて基準画像からの拡大係数を求めるステップを更に含むことができ、前記拡大係数は、1つの波長に関して取得された1つの画像と、異なる波長に関して取得された別の画像との間の倍率の相違を特徴付ける。前記拡大係数を求めるステップは、前記複数の波長のそれぞれにおいて較正スライドのピンぼけ画像(焦点がぼけた画像)を取り込むステップを含むことができる。そのような較正スライドは、交互パターンに配列された複数のセルの格子を含むことができ、各セルは、複数のピクセルを更に含む。1つの技法によれば、前記ピンぼけ画像は、前記較正スライドの合焦画像にローパスフィルタを適用することによって取り込まれる。別の実施の形態では、前記ピンぼけ画像は、焦点面を正又は負のz軸において調整することによって取り込むことができる。
1つの態様では、本方法は、最も明るいシェーディングを有する或る割合のピクセルと、最も暗いシェーディングを有する或る割合のピクセルとを区別する画像マスクを形成するように、前記複数のピクセルのそれぞれのシェーディングを求めるステップを更に含むことができる。1つの実施の形態では、前記最も暗いシェーディングを有するピクセルの割合と、前記最も明るいシェーディングを有するピクセルの割合とは同等であり、それぞれ約25%とすることができる。加えて、本方法は、前記複数のセルのそれぞれの面積及び中心を求めるステップと、前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離を測定するステップと、前記複数のセルのそれぞれの面積の測定値と、前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離の測定値とを精緻化するステップとを含むことができる。
前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離は、前記複数のセルのそれぞれの中心と、東西南北方向における前記複数のセルの主要近接セルのそれぞれの中心との間で測定された距離を平均化することによって測定することができる。さらに、前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離は、信頼区間に含まれない平均の計算からの距離を該平均の計算から除外することによって精緻化することができる。同様に、前記複数のセルの面積の測定値は、信頼区間に含まれない平均の計算からの面積を該平均の計算から除外することによって精緻化することができる。
さらに、前記拡大係数の測定値は、前記較正スライドをランダムな方向又は別の方法で事前に確立されていない方向に複数回変位させ、前記較正スライドが変位される回数のそれぞれについてピンぼけ画像を取り込み、最も明るいシェーディングを有する或る割合のピクセルと、最も暗いシェーディングを有する等しい割合のピクセルとを区別するマスクを形成するように、該変位された較正スライドのそれぞれにおける前記複数のピクセルのそれぞれのシェーディングを求め、前記較正スライドのそれぞれにおける前記複数のセルのそれぞれの面積を求め、前記変位された較正スライドにおける前記複数のセルのそれぞれの中心を求め、前記変位された較正スライドのそれぞれにおける前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離を測定し、前記変位された較正スライドのそれぞれにおける前記複数のセルのそれぞれの前記面積の測定値と、前記変位された較正スライドのそれぞれにおける前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離の測定値とを精緻化することによって精緻化することができる。
本発明の1つの実施の形態では、前記サンプルの複数の画像を取得するステップは、複数の異なる波長において前記画像をスキャンするステップを含む。各スキャンは、第1の方向及び第2の方向における変位係数を生成する。該変位係数は、1つの波長に関して取得された画像の対象領域と、異なる波長に関して取得された画像の対象領域との間の変位の差を規定する。
1つの実施の形態によれば、1つのそれぞれ波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較するステップは、前記複数の画像のそれぞれにローパスフィルタを適用するステップと、前記画像のそれぞれにおける光学濃度の複数のヒストグラムを求めるステップと、前記画像のそれぞれにおける負の領域と正の領域とを区別する画像マスクを形成するように、前記それぞれのヒストグラムのそれぞれからの閾値に従って前記複数の画像を2値化するステップと、各それぞれの2値化された画像マスクから前記画像のそれぞれの複数のプロファイルエリアを求めるステップであって、該複数のプロファイルエリアは、比較するように選択された前記対象領域を少なくとも表すように構成されている、求めるステップと、前記複数のプロファイルエリアの座標をスプライン関数に従って再スケーリングするステップと、基準画像に対する前記複数の画像間のシフトを求めるステップとを更に含む。
1つの実施の形態では、前記ローパスフィルタを適用するステップは、3×3行列等の、等しい数の行及び列を有する正方行列(すなわち、X・X行列)を含むカーネルを用いて前記画像に対してローパスフィルタを適用するステップを含むことができ、要素は、3×3行列の場合には1/9の値等の、行の総数と列の総数との積の逆数(すなわち、1/X)にほぼ等しい値を有する。さらに、前記それぞれのヒストグラムのそれぞれから形成された前記閾値は、前記それぞれのヒストグラムの前記複数のピクセルのそれぞれの前記光学濃度のモード及び標準偏差によって規定される値を含むことができる。さらに、前記プロファイルエリアは、前記複数の画像のそれぞれに対して水平及び垂直に配向させることができ、各画像が対象領域を更に含む。水平プロファイルエリア幅は、水平変位係数によって部分的に規定することができ、水平プロファイルの数は、垂直変位係数によって部分的に規定することができる。垂直プロファイルエリア高は、前記水平変位係数によって部分的に規定することができ、垂直プロファイルエリアの数は、前記水平変位係数によって部分的に規定することができる。
本発明の別の実施の形態は、水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアの水平座標を、ピクセルで測定される座標から、中心基準ピクセル位置と前記対応する水平ピクセル位置のそれぞれとの間の距離によって測定される座標に再スケーリングするステップを含む。1つの実施の形態では、前記距離は、マイクロメートルで測定することができる。前記水平プロファイルエリア及び前記垂直プロファイルエリアの垂直座標は、前記画像の特定の水平座標位置及び関係した波長における平均光強度に関係するように再スケーリングすることができる。さらに、本発明の実施の形態は、基準画像の再スケーリングされた水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアと、ターゲット画像の再スケーリングされた水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアとの間の変位の差を求めることによって、前記複数の画像間のシフトを求めるステップを更に含むことができる。加えて、前記複数の画像を位置合わせするステップは、前記複数の画像をそれぞれの拡大係数によって再スケーリングするステップと、前記画像のそれぞれの再スケーリングされた水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアを前記基準画像の再スケーリングされた水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアと位置合わせするように、前記画像を水平方向及び垂直方向にシフトするステップとを更に含むことができる。
本発明の別の有利な態様は、前記複数の画像内の対応する各ピクセル位置における各ピクセルについて、それぞれの色素によって示される分子種の量を求めるステップを含み、前記複数の画像は、互いに対して位置合わせされている。さらに、本発明は、サンプル内の複数の分子種の量を解析する撮像システムであって、異なる波長において前記サンプルの複数の画像を取得するように構成された画像取得デバイスと、前記画像取得デバイスと通信するプロセッサデバイスとを備えることができる。前記プロセッサデバイスは、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較し、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域が前記異なる波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、該撮像システムによって取り込まれた前記複数の画像を位置合わせする、ように構成することができる。
1つの実施の形態によれば、前記画像取得デバイスは、前記画像をスキャンすることによって前記複数の画像を取得するように更に構成することができ、各スキャンは、第1の方向及び第2の方向における変位係数を生成し、該変位係数は、1つの波長に関して取得された画像の対象領域と、異なる波長に関して取得された画像の対象領域との間の変位の差を規定する。前記プロセッサデバイスは、前記複数の画像内の各ピクセルについて、それぞれの色素によって示される各分子種の量を求めるように構成することができる。さらに、前記プロセッサデバイスは、基準画像の波長と異なる波長を用いて取得された前記複数の画像のそれぞれの拡大係数を求めるように構成することができる。別の実施の形態では、前記画像取得デバイスは、白黒カメラを含むことができ、複数のフィルタを備えることができ、各フィルタは、前記サンプル内のそれぞれの色素を表す異なる波長に対応する。
本発明のまた別の有利な態様は、サンプル内の複数の分子種の量を求める撮像システムを較正する、コンピュータデバイス上で実行可能であるように構成されたコンピュータソフトウェアプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は、複数の異なる波長において画像取得デバイスを用いて前記サンプルの複数の画像を取得する実行可能部と、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較する実行可能部と、1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域が、前記異なる波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、前記複数の画像を位置合わせする実行可能部と、を含む。
したがって、本発明の実施の形態は、サンプルについての必要な情報を含む高品質のデータを生成すると同時に、サンプル解析における主観性及び不整合性を低減するために、複数の対象画像、対象シーン、対象視野、及び/又は対象領域間の正確な比較を提供するように撮像システムを準備する較正技法を含む。本発明の実施の形態は、サンプル解析用の高品質のデータを生成するために、複数の対象画像、対象シーン、対象視野、及び/又は対象領域間の正確な比較を提供するように撮像システムを準備する装置及びコンピュータプログラム製品を更に提供することができる。
このように本発明を概括的に説明してきたが、ここで添付の図面を参照する。図面は縮尺通りに描かれているとは限らない。
本発明の1つの実施形態による定量的ビデオ顕微鏡システムの一般的な概略図である。 本発明の1つの実施形態による定量的ビデオ顕微鏡システムの一般的な概略図である。 本発明の1つの実施形態によるビデオ顕微鏡システムを較正するフローチャートである。 本発明の1つの実施形態によるビデオ顕微鏡システムを較正するフローチャートである。 本発明の1つの実施形態によるビデオ顕微鏡システムから取得された画像の歪評価を示す散布図である。 本発明の1つの実施形態によるビデオ顕微鏡システムから取得されたサンプルの画像内の複数のピクセルの光学濃度統計を示すヒストグラムの図である。 垂直プロファイルエリア及び水平プロファイルエリアを備えるスライドの対象領域の説明図である。
(発明の詳細な説明)
次に、以下において、本発明の好ましい実施形態が示された添付図面を参照して本発明をより十分に説明する。ただし、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書において説明される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。それとは逆に、これらの実施形態は、この開示内容が十分かつ完全であるようにするとともに本発明の範囲を当業者に十分に伝達するように提供される。同様の参照符号は、全体を通じて同様の要素を参照する。
本発明の実施形態は、包括的に、ビデオ顕微鏡システムを較正又は他の方法で準備するシステム及び方法を対象とし、このシステムは、サンプル内の複数の分子種の量(例えば、濃度)を求めるように構成することができる。この分子種は、色素によって示される。分子種の量は、ビデオ顕微鏡システムにおけるカメラ又はスキャナ等の画像取得デバイスを用いて取り込まれるサンプルの画像を解析することによって求められる。本発明の1つの実施形態によれば、システムは、1つ又は複数の特定の色素を検出することができるように構成することができる。各色素は、画像内の各ピクセル位置における各ピクセル内の分子種の量を求めるために、特定のスペクトルシグネチャに対応する。1つの実施形態では、ビデオ顕微鏡システムは、画像内の各ピクセル位置における各ピクセル内の分子種の量を求める前に準備される。したがって、本発明の実施形態は、複数の画像内の各ピクセル位置における各ピクセルの不適切な較正又は不正確な比較に起因した色素濃度推定の推定における誤差の低減等の、従来技術を上回る利点を提供することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、サンプルの解析は、基準細胞核とみなされる正常なメラニン細胞核(上皮細胞の基底層からのメラニン細胞)と、異常なメラニン細胞核(腫瘍病巣からのメラニン細胞)との双方においてメラスタチン染色を定量化するのに用いることができる。そのような定量的解析の結果は、遺伝子が異常な細胞核内で下方制御されるのか又は正常に発現されるのかを示す。しかしながら、この定量的解析の効率は、プロトコルに用いられる特有の色素の比色解析だけでなく、メラニン細胞核の分割を検討及び実行しなければならない画像解析方法論に大きく依存する。
例えば、1つ又は複数のマーカ(例えば、ブラウンDAB(Brown DAB)又はBCIP−NBT)、1つ又は複数の形態学的対比染色(例えば、細胞核高速(Nuclear Fast)Red−NFR、ヘマトキシリン、エオシン、淡緑色SF(Light Green SF)、オレンジG(Orange G))、及び1つ又は複数の天然色素(例えば、メラニン)等の複数の色原体が、組織サンプル又は細胞サンプルに存在し得る。これらの色原体の全ては、通常、サンプルを解析するのに考慮に入れられ、本発明の実施形態は、色原体のそれぞれを与えられたサンプルをピクセル単位で解析して、サンプル内の1つ又は複数の分子種の量を定量化する技法を提供する。例えば、パパニコロー染色に基づく細胞学的試験は、4つの異なる色素、すなわち、ヘマトキシリン、オレンジG、エオシンY及び淡緑色SFを含む多色染色プロシージャである。
画像解析による生体サンプルの評価のプラットフォームは、汎用の画像解析器から、より特殊化された、多くの場合に高度に特殊化された専用の「病理学ワークステーション」にますます移行してきている。そのようなワークステーションは、通常、定型作業を容易にするように設計されており、多くの場合、病理学者に最良の可能な結果を求めるのに必要な情報を提供するのに必要とされるツールの多くを組み合わせている。そのようなワークステーションの一例が、本発明の1つの実施形態による、参照符号100によって示された定量的ビデオ顕微鏡システムとして図1に示されている。システム100は、一般に、光源200及び拡大対物レンズ250を有する顕微鏡150と、複数のフィルタ600と、カメラ300と、コンピュータデバイス350と、カメラ300とコンピュータデバイス350との間のデータ伝送リンク400とを備える。顕微鏡150は、例えば、独国のZEISS社によって製造されたAxioplan(若しくはAxiovert)顕微鏡、又は明視野光源を有する同様の顕微鏡を含むことができる。カメラ300は、顕微鏡150と作動的に連動し、1つの実施形態では、例えば、Allied Vision Technologies社から提供されるプロシリカ(prosilica)GE1910等の白黒カメラを含む。通常、そのようなカメラ300は、画像キャプチャを容易にするように、関連したフレームグラバ(図示せず)も備える。これらのカメラ300及び関連したフレームグラバの双方は、本明細書では、便宜上「カメラ300」として参照される。場合によっては、カメラ300及び顕微鏡150の双方は、例えば、白黒リニアフラットスキャナ及び制御された照明光源に取り替えることができる。必要なシステム100の異なる構成が本発明によって意図されているが、本明細書では、本発明は、カメラ300及び関連した顕微鏡150に関して説明されることに留意されたい。したがって、当業者は、本明細書に詳述されるような本発明を達成するこれらの異なる構成に関連した機能及び方法論を理解及び認識するであろう。さらに、本実施形態はカメラとして開示されるが、このカメラは、カメラ、スキャナ、又は複数の画像を取り込むように構成された任意のデバイス等の任意の画像取得デバイスとすることができることが理解される。画像取得システムは、様々な対象領域内、及びサンプル又はスライドの全部又は一部に対応することができる様々な視野内において、低解像度画像及び/又は高解像度画像を任意の所望の倍率でキャプチャすることができる。
カメラ300は、一般に、拡大対物レンズ250を通してサンプル500の複数の画像450を取り込むように構成されている(フラットスキャナが用いられる場合、画像450は、内部レンズを通して取り込まれる)。画像450は、対応する画像データを有するデジタル画像を更に含むことができる(本明細書では「画像450」と総称する)。1つの実施形態によれば、画像取得システムによって取り込まれた、図2に示すような較正スライド550の較正画像451を、スライド上に配置されたサンプルの解析の前に顕微鏡システムを準備するのに用いることができる。フィルタ600は、光源200からの光をフィルタリングし、システム100の動作中、サンプル500の複数の画像が、異なるフィルタを用いて取得され、これらの異なるフィルタは、フィルタホイール又は当業者に知られているような他のフィルタリングデバイスによって提供される。1つの実施形態によれば、各波長は、画像内に存在し得る、それぞれの対象色素に対応する。1つの実施形態では、用いられるフィルタは、460nm、490nm、520nm、570nm、及び630nmの波長に対応することができる。したがって、画像450は、一般に、個別に取り込まれ、各画像は、視野の波長フィルタリングされた個々の画像に対応する。本発明の1つの実施形態によれば、カメラ300は、複数のフィルタのそれぞれに対応する較正スライド550の複数の較正画像455をキャプチャするように構成され、これらのフィルタは、異なるスペクトルシグネチャに対応する。データ伝送リンク400は、較正画像455をコンピュータデバイス350に送信することができるように構成され、コンピュータデバイス350は、波長のそれぞれに関して較正画像455を解析することができるように更に構成されている。当業者であれば、コンピュータデバイス350は、画像取得システムと通信するように構成された任意の種類のプロセッサデバイス又は処理要素とすることができ、本明細書に説明するように複数の画像を解析するように更に構成されていることを認識するであろう。
本発明の特に有利な態様によれば、システム100は、ランベルト・ベールの法則に従って、細胞生物学及び病理学の用途における定量的ビデオ顕微鏡法のビデオ顕微鏡システムを準備するよう較正画像を解析するように構成されている。ランベルト・ベールの法則は、一般に、溶液内の分子の濃度(「分子種」又は「サンプル」の濃度)とその溶液を通じて測定される光強度との間で観測することができる比例性を表している。ランベルト・ベールの法則は、通常、以下のように表される。
OD=ε・l・C (1)
式中、ODは、溶液の光学濃度であり、εは、モル吸光係数又はモル吸収係数と呼ばれる比例定数であり、lは、サンプルの厚さであり、Cは、分子種の濃度である。吸収係数εは、分子種に固有であり、通常、L・mol−1・cm−1の単位で表される。
ランベルト・ベールの法則によって規定されるこの比例関係は、幾つかの条件下で検証されている。この幾つかの条件には、例えば、サンプルを照明する単色光、サンプル内の低分子濃度、一般にサンプルの蛍光応答不均一性又は光応答不均一性がないこと(無視できる蛍光及び散乱)、及びサンプルの化学的感光性の欠落が含まれる。さらに、ランベルト・ベールの法則による解析の別の要件は、例えば、顕微鏡下のサンプルの適正なKohler照明を含む。Kohler照明は、多くの最近の顕微鏡とともに利用可能であり、画像平面内のサンプルの均一な照明を提供し、効果的なコントラスト制御を可能にする。Kohler照明は、例えばデンシトメトリ解析等の或る特定のプロセスに極めて重要である。適正なKohler照明は、通常、例えば、光源が補助集光レンズによってサブステージ集光レンズのアパーチャ内で撮像される顕微鏡用の2ステージ照明システムによって提供される。サブステージ集光レンズは、次に、補助集光レンズの画像を物体上に形成する。虹彩絞りを各集光レンズに配置することもでき、この場合、第1の絞りが、照明される物体のエリアを制御し、第2の絞りが、照明ビームの開口数を変化させる。
顕微鏡下で撮像される所与の種の濃度を正確に測定するためには、種々の波長において行われる光学濃度の測定は、サンプルの観察部分に明確に対応していなければならない。したがって、本発明の1つの有利な態様は、1つの波長の下でのサンプルの1つの観察部分の所与のピクセル位置におけるピクセルを、1つ又は複数の異なる波長におけるサンプルの観察部分内の対応するピクセル位置におけるピクセルに明確に対応させるために、種々の波長の下で撮像される所与の較正スライド、シーン、又はパターンの相対倍率を決定する方法を含む。カメラ300の画像生成構成要素を備える電子デバイス又はチップの中心に対する拡大対物レンズ250の中心の座標が求められる。次に、観察される拡大係数が波長ごとに求められ、任意に選ばれた波長の拡大係数と比較される。例えば、中心波長は、他の波長のそれぞれの拡大係数が比較される上記選ばれた波長を含む。次に、各波長の画像が、求められた相対拡大係数及び拡大対物レンズ250の中心の相対座標に従って調整される。
図3を参照すると、1つの実施形態によれば、FocalPoint社の較正プレート等のチェス盤パターン画像を含む較正スライドが、種々の波長においてカメラ300によって取り込まれる(ブロック10)。具体的には、このチェス盤パターンは、当該チェス盤パターンの合焦画像にローパスフィルタを適用することによって、ピンぼけ画像(焦点がぼけた画像)として取り込むことができる。別の実施形態では、チェス盤パターンのピンぼけ画像は、最良のz焦点面の上方又は下方のいずれかの垂直方向に焦点面を調整することによってチェス盤パターンのピンぼけ画像を直接取り込むことによって取り込むことができる。ピンぼけ画像が得られた後、例えば、画像内の25%の最も暗いピクセル及び25%の最も明るいピクセルを詳細化するピンぼけ画像のヒストグラムが得られる。
したがって、ピンぼけ画像は、25%の最も暗いピクセル及び25%の最も明るいピクセルを表示するように修正することができ、中間の50%のピクセルは、画像から廃棄されて、セルの格子を含むピンぼけ画像の画像マスクが作成される(ブロック11)。これらのセルは、例えば、25%の最も暗いピクセル及び25%の最も明るいピクセルを含む。ピンぼけ画像の縁部に隣接する最も暗いピクセル及び最も明るいピクセルを含むセルも廃棄して、後続の較正ステップから除外することができる。さらに、画像マスクのセルの面積を測定することができ(ブロック12)、平均面積サイズ及び標準偏差を計算することができる。例えば、95%の信頼区間に含まれない面積サイズを有するセルも較正プロセスから廃棄される。
次に、ピンぼけ画像の格子を含む残りのセルのそれぞれの重心の座標を計算することができる。次に、各セルの中心座標と近接セルのそれぞれの中心座標との間の、東西南北方向等の種々の方向における距離を測定することができる(ブロック12)。次に、初期平均距離を計算することができ、この距離は、セルのそれぞれの中心座標のそれぞれと、それらのセルの近接セルのそれぞれの中心座標との間の測定距離を平均化するものである。所与のセルについて、そのセルの中心座標とそのセルの主要近接セル(cardinal neighbors)の中心座標との間の平均距離は、以下の式によって計算することができる。
ここで、
は、そのセルのk番目の主要近接セルである。
平均距離に加えて、較正プロセスは、例えば95%の信頼区間に含まれない距離が、その後に、格子セルの平均距離の特徴付けから廃棄されるような標準偏差を求めることも含むことができる(ブロック13)。したがって、例えば、東西南北方向の4つの有効な主要近接セルまでの4つの有効な距離を有しない画像マスク内のいずれのセルも、セル格子距離の平均及び標準偏差の計算から除外される。次に、残りの有効な距離から、平均セル格子距離が、観察されるシーンの相対拡大係数を提供する(ブロック14)。
本発明の別の有利な態様は、異なる波長のそれぞれの下で較正スライド、画像、又はパターンから取得された拡大係数を精緻化することを含む。特定の波長の下での所与の較正スライド、画像、又はパターンについての平均セル格子距離が計算されると、その較正スライド、画像、又はパターンを、x軸及びy軸の双方の方向等の複数のランダムな方向又は別の方法で事前に確立されていない方向に変位させることができる。次に、較正スライドをz軸焦点面に自動的に合焦させることができ、較正プロセスが繰り返される。1つの実施形態によれば、較正プロセスを繰り返すことは、新たに変位された画像のそれぞれについて、新たなピンぼけ画像を得ることと、新たな画像マスクを作成することと、新たな平均セル格子距離を計算することとを含むことができる。本発明の1つの実施形態では、この倍率精緻化プロセスは、少なくとも30回等、複数回繰り返される。本実施形態は、少なくとも30回繰り返される倍率精緻化プロセスを含むが、当業者であれば、本発明を任意の回数繰り返すことができることを認識するであろう。
本発明の更に有利な態様によれば、システムは、歪、すなわち、取り込まれた画像の縁の近くでの直線を湾曲させる収差も制限する。この収差は、画像を、樽のように外方に湾曲させるか、又は針刺しのように内方に湾曲させる。歪収差は、ビデオ顕微鏡システムでは問題となる。なぜならば、1つの特定の波長の下で取得された画像内のピクセル位置が、異なる波長の下で取得された複数の画像のそれぞれにおけるそれぞれのピクセル位置に対応すべきであるからである。したがって、歪収差は、異なる波長の下で取得された画像を比較するとき、誤りを生み出すおそれがある。歪収差は、画像の視野の中心からのセルの距離に対する、各セルの中心座標と近接セルのそれぞれの中心座標との間の、東西南北方向等の複数の方向における距離をプロットすることによって求めることができる。これらの点がプロットされると、線形回帰線を用いて、セルの主要距離(cardinal distances)と、視野の中心までのセルの距離との間の線形関数をモデル化することができる。歪収差を有する画像は、実質的に正又は負のいずれかである傾きを有する線形回帰線を作成する。樽状又は針刺し状の歪は、それぞれ負及び正の傾きを生成する。加えて、システムは、何らかの大きな歪収差が存在した場合、その歪が画像のそれぞれに存在し、必要な場合には、当該技術分野においてよく知られているような精密な画像アンワーピング(image unwarping)技法を適用して、この歪を補正することができるように、同じ光路を有する画像を取り込むことができる。
1つの例示的なシステムによれば、ハイエンドのプラン・アポクロマート(Plan Apo Achromat)対物レンズ、Allied Vision Technology社のGE1910カメラ、FocalPoint社のチェス盤100の較正プレートパターン、及び視野よりも小さな対象領域を有する画像を用いて歪を制限することができる。歪は、主として視野の縁に予想される。さらに、本発明の1つの実施形態によれば、解析対象領域は、視野画像の中心部分を表すことができ、全視野画像の3分の1〜2分の1のみを概ね表すことができる。そのようなシステムを用いた散布図及び回帰線は、図5に示すように、ほぼ0.0001の傾きを有する回帰線を示す。したがって、本発明のこの実施形態は、歪収差を微々たる量に制限する。
前述したように、ランベルト・ベールの法則から導出された色原体分離方程式を解くために、基本となる前提は、視野内の物体の同じ部分が検査されるべきであるということである。したがって、本発明の1つの有利な態様は、横色収差の補正である。この横色収差は、観察されると、異なる波長の光について、それらの異なる焦点距離に起因して、倍率の相違をもたらす。例えば、相対的に短い青色光波長の下で視認される画像は、相対的により長い赤色の長さの波長の下で視認される同じ画像よりも大きく見える。しかしながら、複数の画像が、前述したプロセスから適切な拡大係数を用いて補正された後であっても、それらの画像が位置合わせされていない場合、1つの波長の下で取得された1つの画像内のピクセル位置は、異なる波長の下で取得された第2の画像内のピクセル位置に対応しない場合がある。
図3の例示的な実施形態を再び参照すると、サンプルの画像が、スライド上のサンプルの対象エリア又は対象領域をスキャンするシステムによって取り込まれる(ブロック30)。各画像は、当該技術分野においてよく知られているように、ランベルト・ベールの法則に従って透過率から光学濃度に変換される。1つの実施形態では、較正ステップを用いて、複数の波長(λ)のそれぞれについて黒色基準画像(B)及び白色基準画像(Io)を取り込むことができる。シェーディング補正された各光学濃度画像は、以下の式を用いて、所与の波長において取り込まれた各ピクセル(x,y)の透過率を、その特定の波長において取り込まれた各ピクセルの光学濃度ODxyλに変換することによって計算することができる。
Nは、画像のピクセル深度に応じた増倍率であり、ピクセル画像当たり16ビットの場合、約10,000とすることができる。
システムは、異なる波長に関してサンプルを再びスキャンする前に、1つの特定の波長に関してサンプルを十分にスキャンする。したがって、色原体分離方程式が、その後にサンプル内の分子種の量を求めるのに用いられる視野の領域に関する相関を提供するように、光の別々の波長について得られた画像を調整することができる。さらに、特定の波長に関して取得された物体のスキャンのそれぞれから取得された複数の画像を位置合わせして、1つの波長において取り込まれた画像のピクセル位置が、異なる波長において取り込まれた画像のピクセル位置に対応するようにすることができる。本発明の1つの実施形態によれば、スライド上のサンプルの対象エリア又は対象領域をスキャンするとき、1つの波長に関するサンプルの各スキャンは、異なる波長に関してシステムをスキャンする前に完了するので、システムは、変位係数を作成することができる。したがって、1つの波長の下で完了したスキャンは、異なる波長に関して取得された画像の対応する対象領域から変位された対象領域を有する画像を生成することができる。この変位は、変位係数によって特徴付けられる。
したがって、本発明の実施形態は、図3に示すように、1つの波長の下で取得された1つの画像の各ピクセル位置が、異なる波長の下で取得された画像のそれぞれのピクセル位置に対応するように、スキャンされた画像のそれぞれを位置合わせする方法を提供する。本発明の別の実施形態は、1つの波長の下で取得された画像のうちの少なくとも1つの対象領域が、異なる波長の下で取得された画像のうちの少なくとも1つの対象領域に対応するように、スキャンされた画像のそれぞれを位置合わせする方法を提供する。各画像が、中心波長に関する適切な拡大係数によって補正された後、それらの画像は、当該画像のそれぞれのピクセル位置が、取り込まれた画像のそれぞれのピクセル位置に対応するように位置合わせすることができる。本発明の1つの実施形態は、背景及び物体の光学濃度に基づいて複数の画像のそれぞれから複数の異なる方向における複数のプロファイル(例えば、水平プロファイル及び垂直プロファイル)を抽出してそれらの複数の画像を位置合わせすることを提供する。具体的には、水平プロファイル及び垂直プロファイルは、基準波長又は中心波長に関して取得された第1の画像内の対象領域を、異なる波長に関して取得された第2の画像内の対象領域と位置合わせするように、第1の画像から抽出することができる。さらに、水平プロファイル及び垂直プロファイルは、基準画像からの同じ対象領域を他の画像内の対応する対象領域と位置合わせするように画像のそれぞれから抽出することができる。
本発明の1つの態様では、高周波雑音アーティファクトを低減するように、ローパスフィルタが画像のそれぞれに適用される(ブロック31)。1つの例示的な実施形態によれば、このローパスフィルタはカーネルを備える。このカーネルは、行の数及び列の数が等しい正方行列(例えば、3×3カーネル)等であり、各要素は、行の総数と列の総数との積の逆数(例えば、3×3カーネルの場合には+1/9)にほぼ等しい特定の値を有する。したがって、3×3カーネルが特定のピクセルに適用される場合、中心ピクセルと、この中心ピクセルを取り囲む8つの近接ピクセルのそれぞれとが合算され、次に、9によって除算される。次に、その結果の値が、中心ピクセルの値の代わりに用いられる。このプロセスを画像内の各ピクセルについて繰り返して、フィルタリングされた光学濃度画像を作成することができる。
画像から水平プロファイル及び垂直プロファイルを抽出するように、シェード補正された画像から2値化された画像マスクを作成することができる。シェード補正された光学濃度画像に基づいて、ピクセルの光学濃度を詳細化するヒストグラムを作成することができ(ブロック32)、このヒストグラムは、シェード補正された画像を2値化して、2値化された画像マスクを形成するように構成される。したがって、1つの実施形態によれば、ヒストグラムは、ピクセルのそれぞれの背景ピーク統計に基づいて作成される。例えば、16ビットの白黒カメラ300がシステム100に用いられる場合、各波長フィルタにおいてピクセルのそれぞれを透過する光強度は、0と65535との間の216(=65536)個の値として表すことができる。さらに、ピクセルのそれぞれの光学濃度は、ランベルト・ベールの法則に従って計算することができ、16ビットのダイナミックレンジを用いてコンピュータデバイス350に格納することができる。したがって、ピクセルのそれぞれの光学濃度を詳細化するヒストグラムは、図6に示すように、0と65535との間に複数のビンを有する。例えば、100%の透過率に対応する光源200の初期強度Iは、好ましくは、複数の波長のそれぞれにおいて、各波長において可能な限り最も明るい値を表すほぼ65535の値として表わされ、透過率から光学濃度に変換された後は0の値として表わされる。逆に、ほぼ0%の透過率に概ね対応する光がない場合、「黒色画像」は、波長のそれぞれにおけるほぼ0の強度値を有し、あるいは、光学濃度に変換された後はヒストグラムの上端の値を有する。
ピクセルのそれぞれの背景ピーク統計を詳細化するヒストグラムが構築されると、画像を2値化して2値画像マスクを作成する(ブロック33)のに利用される閾値を、背景のモード及び標準偏差に基づいて計算することができる。1つの実施形態によれば、上記モードは、最小ビンと、最小ビンに4096を加算したものとの間で見つけられた光学濃度背景ピークによって求められる。上記標準偏差は、半値全幅に基づいて計算することができる。具体的には、1つの実施形態では、光学濃度ヒストグラの標準偏差は、以下の式に示すように、半値全幅(FWHM)を例えば2.35で除算したものとして計算される。
StDev=FWHM/2.35 (4)
この半値全幅は、以下の式によって示すとともに図6に示すように、モード(すなわち、最小ビンと、最小ビンに4096を加算したものとの間の背景ピーク)と、このモードの例えば50%に等しいビンとの間の2つの距離を加算することによって計算される。
FWHM=D+D (5)
モードとこのモードの50%に等しいビンとの間の距離のうちの一方が、このモードとこのモードの50%に等しい他方のビンとの間の他方の距離よりも、例えば1.2倍大きい場合、半値全幅値は、以下の式によって示すとともに図6に示すように、それらの2つの距離のうちの小さい方の例えば2倍として計算することができる。
>1.2×Dの場合、FWHM=2×D (6)
したがって、次に、前述したように、標準偏差は、半値全幅を2.35によって除算したものとして、計算することができ、2値化された画像マスクを作成する(ブロック33)のに用いられる閾値は、以下の式によって示すように、標準偏差を例えば6倍したものをモードに加算したものとして計算される。
閾値=モード+6×StDev (7)
別の実施形態では、閾値は、標準偏差を少なくとも3倍したものをモードに加算したものとして計算することができる。
次に、画像内のピクセルのそれぞれの値を閾値と比較して、2値画像マスクを作成することができる。閾値以下の値を有するピクセルには0の値を割り当てることができる一方、閾値よりも大きな値を有するピクセルには1の値を割り当てることができる。したがって、次に、画像を2値化されたマスクに変換することができ、この画像マスク内の各ピクセルは、0又は1の値を有する。本発明の1つの実施形態によれば、基準画像において閾値よりも大きな値を有するピクセルの割合は、再位置合わせされる画像の2値化されたマスクを生成するのに用いられる閾値を精緻化するのに用いることができる。2値画像マスクが画像のそれぞれに適用されると、画像のそれぞれについて、水平プロファイル及び垂直プロファイルを抽出することができる。これらの画像は、異なる波長に対応するものである。これらの水平プロファイル及び垂直プロファイルは、取り込まれる画像のそれぞれの一部分から対象領域を位置合わせするように抽出される(ブロック34)。
2値化された画像から抽出された水平プロファイルは、図7によって示すように、水平軸上への対象領域の垂直投影を表している。同様に、抽出された垂直プロファイルは、垂直軸上への対象領域の水平投影を表している。水平プロファイルの数は、垂直方向の変位の許容誤差をカバーするのに必要なピクセルの数に相関する一方、垂直プロファイルの数は、水平方向の変位の許容誤差をカバーするのに必要なピクセルの数に相関する。本発明の1つの実施形態では、検査される対象領域は、等しい値の長さ及び幅を有する。したがって、水平プロファイルは、水平変位係数を2倍したものを領域のサイズに加算したものに等しい水平長を有する。水平変位係数は、例えば12個の標準偏差を平均水平変位に加算したものに等しい。同様に、垂直変位係数は、例えば12個の標準偏差を平均垂直変位に加算したものに等しい。さらに、垂直プロファイルは、垂直変位係数を2倍したものを領域のサイズに加算したものに等しい垂直長を有する。
水平プロファイル及び垂直プロファイルが、複数の画像のそれぞれについて抽出されると、画像のそれぞれのこれらの水平プロファイル及び垂直プロファイルは、スプライン関数を用いて再スケーリングすることができる。本発明の1つの実施形態によれば、複数の画像のそれぞれについての水平プロファイル及び垂直プロファイルのそれぞれの水平座標は、以下の式に示すように、ピクセルの数によって規定される座標からマイクロメートルで規定される座標に変換される。
マイクロメートルで再スケーリングされた新たな水平座標値X(μm)は、ピクセルでの元の水平座標値X(pm)から、画像の中心等の基準点の、ピクセルでの水平座標Xcenter(pm)を減算し、マイクロメートルでのピクセルのサイズpixelSize(μm)を乗算し,基準点の水平座標を加算したものに等しい。1つの実施形態によれば、基準点の水平座標値は、ゼロに等しくすることができる。
複数の画像のそれぞれについての水平プロファイル及び垂直プロファイルのそれぞれの垂直座標は、プロファイル強度によって少なくとも部分的に関連付けられるように、スプライン関数によって新たな値に再スケーリングすることができる(ブロック35)。具体的には、水平プロファイル及び垂直プロファイルのそれぞれの垂直座標は、以下の式に従って再スケーリングされる。
この新たな垂直座標値Yvalueは、対応する水平位置におけるピクセルの平均強度profileValueに、対応する波長におけるピクセルのサイズpixelSize(λ)を乗算し、基準波長のピクセルのサイズpixelSize(λref)によって除算したものに等しい。本発明の1つの実施形態では、基準波長は、570nmに等しくすることができる。再スケーリングされるスプラインプロファイルの数は、プロファイルの数に等しくすることができる。
複数の画像のそれぞれから抽出された水平プロファイル及び垂直プロファイルのそれぞれが、スプライン関数に従って再スケーリングされると、本発明の実施形態は、基準画像からのスプラインプロファイルと、複数の画像のそれぞれのスプラインプロファイルとの間のシフトを評価すること(ブロック36)を提供する。最初に、以下の式に従って誤差係数を計算することによって、基準画像からのスプラインプロファイルに対する対象画像からのスプラインプロファイルを評価することができる。
誤差=Σ[Pλ(dx,dy)−Pλref(0,0)] (10)
最小量の誤差を有するスプラインプロファイルが、基準プロファイルに最も良く一致する。誤差係数は、スプラインプロファイルの座標と基準プロファイルの座標との差の2乗和に等しい。シフトは、水平スプラインプロファイル及び垂直スプラインプロファイルの双方について評価される。本発明の1つの実施形態によれば、スプラインプロファイルと基準スプラインプロファイルとの間のシフトを平均化することによって、プロファイル間のシフトを評価する好ましい精度が提供される。さらに、別の実施形態は、位置合わせ及び比較される2つの画像からの複数の対象領域からプロファイルを抽出することを含むことができる。
最小量の誤差を有するスプラインプロファイルが求められると、最初に、前に求められた拡大係数を用いて画像を再スケーリングすることによって、対象画像を基準画像に位置合わせすることができる(ブロック37)。次に、最小量の誤差を提供するように求められたシフト係数によって画像を水平方向及び垂直方向にシフトさせることによって、画像を基準画像に位置合わせすることができる。倍率再スケーリング、並びに水平方向及び垂直方向における補正シフトは、基準波長画像に対する複数のスペクトル画像のそれぞれに適用することができる。複数のスペクトル画像のそれぞれが、基準波長画像に対して再スケーリング及び位置合わせされると、本発明の1つの実施形態によれば、システムは、次に、サンプルの色原体分離解析に進むことができる(ブロック40)。
特に、システムは、次に、サンプル内の複数の分子種の量を求めることに進むことができる。各分子種は、色素によって示されている。1つの実施形態では、システムは、色原体分離技法を用いることによって複数の分子種の量を求めることができる。そのような技法は、複数の画像内の対応する各ピクセル位置における各ピクセルのサンプルの光学濃度を求めることを含む。1つの実施形態では、対応する光学濃度行列が、そのピクセル用に形成され、そのピクセル用の結果の行列を形成するために相対吸収係数行列の逆行列を乗算される。相対吸収係数行列は、サンプルと無関係に、複数の波長のそれぞれにおける各色素の相対吸収係数を含む。1つの実施形態では、この方法は、複数の画像内の1つ又は複数のピクセル位置における複数の分子種の量を精緻化することを含むことができる。さらに、システムは、サンプルの複数の拡大されたデジタル画像を取り込むように構成された画像取得デバイスと、各分子種の量を求めるように構成されたプロセッサデバイスとを備えるビデオ顕微鏡システムを含むことができる。サンプル内の分子種の量を求める技法に関する更に例示的な議論をするには、2012年4月12日に出願された「METHOD FOR OPTIMIZATION OF QUANTITATIVE VIDEO-MICROSCOPY AND ASSOCIATED SYSTEM」という発明の名称の米国特許出願第61/474,250号を参照されたい。この米国特許出願は、その全内容が本明細書の一部をなすものとする。
本明細書において説明した方法論によれば、求められた色素濃度は、次に、サンプルの人工画像を再構成するのに用いことができる。これらの人工画像は、サンプルを準備するのに用いられるマーカ及び/又は対比染色を含む色素の組み合わせを用いて、実質的にリアルタイム若しくはライブ画像として、又は静止画像として生成することができる。より詳細には、色素の全てによる影響を受けるようなサンプル、1つ若しくは複数のマーカ色素による影響を受けるようなサンプル、又は対比染色による影響を受けるようなサンプルを示す視野の人工画像を生成することができる。その結果、サンプルを準備するのに用いられる色素が、システムによって特徴付けられるので、例えば、サンプル又は視野を自動的にスキャンして、特定の色素の特徴によって識別されるような特定の対象領域を検出することができるように、又はその特定の対象領域に対して行われる作業に作用するか若しくはその作業を容易にするように、システムの機能を拡張することができる。
またさらに、視野の人工画像は、処理されたサンプルの選択された特徴の識別及び抽出を容易にするのに用いることもできる。例えば、マーキング点プロセス、文脈解析、及び/又は地球統計学を用いて、例えば、特定の色素の空間分布解析に基づき画像から特徴を識別及び抽出することができる。そのような特徴抽出機能によって、例えば、所与のマーカ色素の全体的内容又は特定のマーカの選択される比率に基づいて、例えば、対象視野又は対象物体をソート、フラグ付け、又は別の方法で識別若しくはグループ化することも可能になる。例えば、閾値判定基準を確立することができる場合、そのような機能は、稀な事象、悪化する事象、又は他の深刻な事象を検出することである。更に続けると、次に、対比染色及び/又はマーカ色素特有の画像に起因する画像処理に特に基づいた分類器を確立して、視野に基づく或る特定の細胞タイプの存在の評価又は診断の実行に用いることができる。例えば、本明細書に説明したシステム及び方法に従って確立される連続的な診断スケールとの比較によって、HER2をこの方法で評価することができる。そのような分類器は、通常、例えば、細胞の形態学又はテクスチャに基づく細部等の他の情報を提供する特徴部も包含することができる。
システム100に関連して本明細書で詳述した方法論及びプロシージャは、サンプルの画像を取得及び解析するビデオ顕微鏡システムを較正するか又は別の方法で準備する方法を具体的に述べていることが理解されよう。当業者であれば、拡大係数を求めて複数の画像を位置合わせすることができる実行可能部を有する、コンピュータデバイス上で実行可能なコンピュータソフトウェアプログラム製品を提供するように、そのような方法を自動化することができることも認識するであろう。したがって、本発明の実施形態は、本発明の範囲に従って、適切に構成されるハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで達成することができる方法及び/又は対応するコンピュータソフトウェアプログラム製品の実施態様を記載している。このように、本発明の実施形態は、雑音ゆらぎ、不適切な較正、及び/又は色収差に起因した色素濃度推定における誤差等の従来技術の制限要因を克服する、対象となる種の効果的な検出及び定量化を提供することができる、準備されたサンプルを解析するビデオ顕微鏡システムの準備技法を含む。
本発明の数多くの変形及び他の実施形態は、上述した説明及び関連する図面に提示した教示から利益を得る、本発明が関連する当業者には思いつくであろう。したがって、本発明は、開示する特定の実施形態に限定されないこと、並びに変更形態及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されていることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を採用しているが、それらは、一般的かつ説明的な意味でのみ用いられ、限定の目的では用いられていない。

Claims (38)

  1. サンプル内の複数の分子種を解析する撮像システムを較正する方法であって、
    複数の異なる波長において画像取得デバイスを用いて前記サンプルの複数の画像を取得するステップと、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較するステップと、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域が、前記異なる波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、前記複数の画像を位置合わせするステップと、
    を含む、方法。
  2. 複数の波長のそれぞれについて基準画像からの拡大係数を求めるステップを更に含み、該拡大係数は、1つの波長に関して取得された1つの画像と、異なる波長に関して取得された別の画像との間の倍率の相違を特徴付ける、請求項1に記載の方法。
  3. 前記拡大係数を求めるステップは、
    前記複数の波長のそれぞれにおいて較正スライドの、焦点がぼけた画像を取り込むステップであって、前記較正スライドは、交互パターンに配列された複数のセルの格子を含み、各セルは、複数のピクセルを更に含む、取り込むステップと、
    或る割合の最も明るいピクセルと、等しい割合の最も暗いピクセルとを区別するマスクを形成するように、前記複数のピクセルのそれぞれのシェーディングを求めるステップと、
    複数のセルのそれぞれの面積を求めるステップと、
    複数のセルのそれぞれの中心を求めるステップと、
    前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離を測定するステップと、
    前記複数のセルのそれぞれの前記面積の測定値と、前記複数のセルのそれぞれの前記中心間の距離の測定値とを精緻化するステップと、
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記焦点がぼけた画像は、較正スライドの合焦画像にローパスフィルタを適用することによって生成される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ピンぼけ画像は、焦点面を正又は負のz軸において調整することによって生成される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記複数のセルのそれぞれの前記中心間の距離を測定するステップは、セルの中心と、東西南北方向における近接セルのそれぞれからの中心との間の、東西南北方向のそれぞれにおける距離を測定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記複数のセルのそれぞれの前記中心間の距離を測定するステップは、
    前記複数のセルの前記中心間の距離の平均及び標準偏差を求めるステップと、
    信頼区間に含まれない前記複数のセルの前記中心間の距離を前記平均の計算から除外することによって、前記複数のセルの前記中心間の複数の距離の平均を精緻化するステップと、
    を更に含む、請求項3に記載の方法。
  8. 前記複数のセルのそれぞれの面積を求めるステップは、
    前記複数のセルのそれぞれの面積の平均及び標準偏差を求めるステップと、
    信頼区間に含まれない前記面積を前記平均の計算から除外することによって、前記複数のセルの複数の面積の平均を精緻化するステップと、
    を更に含む、請求項3に記載の方法。
  9. 前記測定値を精緻化するステップは、
    前記較正スライドをランダムな方向を変位させるステップと、
    該変位された較正スライドの、焦点がぼけた画像を取り込むステップと、
    或る割合の最も明るいピクセルと、等しい割合の最も暗いピクセルとを区別するマスクを形成するように、前記変位された較正スライド内の前記複数のピクセルのそれぞれのシェーディングを求めるステップと、
    前記変位された較正スライド内の複数のセルのそれぞれの面積を求めるステップと、
    前記変位された較正スライド内の複数のセルのそれぞれの中心を求めるステップと、
    前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離を測定するステップと、
    を更に含む、請求項3に記載の方法。
  10. 前記測定値を精緻化するステップは、
    前記較正スライドをランダムな方向に複数回変位させるステップと、
    前記スライドが変位される前記複数回のそれぞれにおいて、該変位された較正スライドの、焦点がぼけた画像を取り込むステップと、
    或る割合の最も明るいシェーディングを有するピクセルと、等しい割合の最も暗いシェーディングを有するピクセルとを区別するマスクを形成するように、前記変位された較正スライドのそれぞれにおいて前記複数のピクセルのそれぞれのシェーディングを求めるステップと、
    前記変位された較正スライドのそれぞれにおいて前記複数のセルのそれぞれの面積を求めるステップと、
    前記変位された較正スライドにおいて前記複数のセルのそれぞれの中心を求めるステップと、
    前記変位された較正スライドにおいて前記複数のセルのそれぞれの中心間の距離を測定するステップと、
    を更に含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記サンプルの複数の画像を取得するステップは、複数の異なる波長において前記画像をスキャンするステップを更に含み、各スキャンは、第1の方向及び第2の方向における変位係数を生成し、該変位係数は、1つの波長に関して取得された画像の対象領域と、異なる波長に関して取得された画像の対象領域との間の変位の差を規定する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記対象領域を比較するステップは、
    前記複数の画像をシェーディング補正された光学濃度画像に変換するステップと、
    前記複数の画像のそれぞれにローパスフィルタを適用するステップと、
    前記画像のそれぞれから複数の光学濃度ヒストグラムを求めるステップと、
    前記画像のそれぞれにおける負の領域と正の領域とを区別するマスクを形成するように、前記それぞれのヒストグラムのそれぞれからの閾値に従って前記複数の画像を2値化するステップと、
    各それぞれの2値化された画像マスクから前記画像のそれぞれの複数のプロファイルエリアを求めるステップであって、該複数のプロファイルエリアは、比較するように選択された前記対象領域を少なくとも表すように構成されている、求めるステップと、
    前記複数のプロファイルエリアの座標をスプライン関数に従って再スケーリングするステップと、
    基準画像に対する前記複数の画像間のシフトを求めるステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ローパスフィルタを適用するステップは、カーネルを用いて前記画像に対してローパスフィルタを適用するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記カーネルは、等しい数の行及び列を有する正方行列を含み、該正方行列の要素は、行の総数と列の総数との積の逆数に等しい値を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記それぞれのヒストグラムのそれぞれからの前記閾値は、前記それぞれのヒストグラムの少なくとも1つの標準偏差をモードに加算したものによって規定される値を含む、請求項12に記載の方法。
  16. 各それぞれのヒストグラムの前記モードは、各それぞれのヒストグラムの複数のピクセルのそれぞれの前記光学濃度の値の範囲間で見つけられたピーク最大値によって規定される値を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 各それぞれのヒストグラムの前記標準偏差は、各それぞれのヒストグラムの半値全幅の値によって部分的に規定される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記複数のプロファイルエリアは、前記複数の画像のそれぞれに対して水平及び垂直に配向されたプロファイルエリアを更に含み、前記複数の画像はそれぞれ、対象領域を含む、請求項12に記載の方法。
  19. 前記複数の水平プロファイルエリアは、水平プロファイル幅を更に含み、該水平プロファイル幅は、水平変位係数によって部分的に規定され、該水平変位係数は、平均水平再配置誤差変位に、水平再配置誤差変位の平均の少なくとも1つの標準偏差を加算又は減算したものによって規定される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記水平プロファイルエリアの数は、垂直変位係数によって部分的に規定され、該垂直変位係数は、平均垂直再配置誤差変位に、垂直再配置誤差変位の平均の少なくとも1つの標準偏差を加算又は減算したものによって規定される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記複数の垂直プロファイルエリアは、垂直プロファイル高を更に含み、該垂直プロファイル高は、前記垂直変位係数によって部分的に規定される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記垂直プロファイルエリアの数は、前記水平変位係数によって部分的に規定される、請求項19に記載の方法。
  23. 前記座標を再スケーリングするステップは、水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアの水平座標を再スケーリングするステップを更に含み、該水平座標は、水平ピクセル位置と中心ピクセル位置との間の差に関係する、請求項12に記載の方法。
  24. 前記座標を再スケーリングするステップは、水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアの垂直座標を再スケーリングするステップを更に含み、該垂直座標は、前記画像の特定の水平位置及び関係した波長における平均光強度に関係する、請求項12に記載の方法。
  25. 前記複数の画像間のシフトを求めるステップは、水平基準プロファイルエリア及び垂直基準プロファイルエリアと、前記複数の画像のそれぞれについて求められた前記水平プロファイルエリア及び前記垂直プロファイルエリアとの間の変位の差を求めるステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
  26. 画像の複数の水平プロファイルエリア及び垂直プロファイルエリアから取得された複数の変位測定値を平均化するステップを更に含み、各画像は、複数の対象領域を更に含む、請求項12に記載の方法。
  27. 前記複数の画像を位置合わせするステップは、前記画像のそれぞれからの複数のプロファイルエリアを、基準画像の複数のプロファイルエリアと位置合わせするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記複数の画像を位置合わせするステップは、
    前記画像を拡大係数によって再スケーリングするステップと、
    該再スケーリングされた画像を水平方向及び垂直方向にシフトするステップと、
    を更に含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記複数の画像内の対応する各ピクセル位置における各ピクセルについて、それぞれの色素によって示される分子種の量を求めるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  30. サンプル内の複数の分子種の量を解析する撮像システムであって、
    異なる波長において前記サンプルの複数の画像を取得するように構成された画像取得デバイスと、
    前記画像取得デバイスと通信するプロセッサデバイスであって、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較し、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域が、前記異なる波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、該撮像システムによって取り込まれた前記複数の画像を位置合わせする、
    ように構成されたプロセッサデバイスと、
    を備える、システム。
  31. 前記画像取得デバイスは、前記画像をスキャンすることによって前記複数の画像を取得するように更に構成され、各スキャンは、第1の方向及び第2の方向における変位係数を生成し、該変位係数は、1つの波長に関して取得された画像の対象領域と、異なる波長に関して取得された画像の対象領域との間の変位の差を規定する、請求項30に記載のシステム。
  32. 前記プロセッサデバイスは、前記複数の画像内の各ピクセルについて、それぞれの色素によって示される各分子種の量を求めるように更に構成されている、請求項30に記載のシステム。
  33. 前記プロセッサデバイスは、基準画像からの前記複数の波長のそれぞれの拡大係数を求めるように更に構成されている、請求項30に記載のシステム。
  34. 前記複数の分子種の量は、対応するピクセル位置に存在する色素の濃度によって求められる、請求項32に記載のシステム。
  35. 前記画像取得デバイスは、白黒カメラを含む、請求項31に記載のシステム。
  36. 前記画像取得デバイスは、複数のフィルタを備え、各フィルタは、前記サンプル内のそれぞれの色素を表す異なる波長に対応する、請求項30に記載のシステム。
  37. 前記プロセッサデバイスは、対応する各ピクセル位置における各ピクセルに存在する色素の濃度を求めるように更に構成されている、請求項32に記載のシステム。
  38. サンプル内の複数の分子種の量を求める撮像システムを較正するコンピュータプログラムを用いてコード化されているコンピュータ可読媒体であって、該コンピュータ可読媒体は、コンピュータデバイス上で実行可能なコンピュータプログラムを用いて符号化され、該コンピュータプログラムは、
    複数の異なる波長において画像取得デバイスを用いて前記サンプルの複数の画像を取得する実行可能部と、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域を、異なる波長において取得された前記画像のうちの少なくとも1つに関連した対象領域と比較する実行可能部と、
    1つのそれぞれの波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域が、前記異なる波長において取得された前記画像のうちの前記少なくとも1つに関連した対象領域に対応するように、前記複数の画像を位置合わせする実行可能部と、
    を含む、コンピュータ可読媒体。
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