JP2014512911A - 履物用シームレスアッパーおよびこれを作製するための方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、全般的に、履物およびこれを作製するための方法に関し、特に、履物用シームレスアッパーおよびシームレスアッパーを作製するための方法に関する。本発明の一態様においては、アッパーはシームレスであるおよび／または足を快適に受け入れるための内部空洞を画定する一体型構造のものである。

Description

本発明は、全般的に、履物用アッパーに関し、特に、履物用シームレスアッパーおよびこれを作製するための方法に関する。

履物のアッパー部は、機能／性能、重さ、コスト、美観、快適性および製造の容易性を含むいくつかのデザインパラメータに基づき構成およびデザインが異なる。例えば、運動靴では、通常、スポーツで要求される性能に重きを置いている。例えば、一般に、ランニングシューズはテニスシューズの側方支持を必要としないことから、通常、ランニングシューズはテニスシューズよりも軽量のものである。履物の特定のコスト競合的性質および関係する数量を考えると製造の容易性も重要な要件である。さらに、いずれの履物も快適でなければならない。

一般に、運動用履物は、アッパー部およびソール部を含む。アッパーは、ソール構造に対して足をしっかりと受け入れ、かつ、位置づける足のカバーを提供する。加えて、アッパーは、足を保護し、換気を提供することにより足を冷却し、汗を除去する構成を有してもよい。ソール構造は、通常、アッパーの下面に固定され、一般に、足と地面との間に配置される。アッパーとソール構造は協同的に機能し、ウォーキングおよびランニングなどの多様な歩行行為に適した快適な構造を提供する。

アッパーを形成する材料は、例えば、耐摩耗性、可撓性、伸縮性および通気性の特性に基づいて選択してもよい。外側層に関しては、トウ領域およびヒール領域は、比較的高程度の耐摩耗性を付与するため、皮革、合成皮革またはゴム素材で形成してもよい。しかしながら、皮革、合成皮革およびゴム素材は、所望の程度の可撓性および通気性を示さない可能性がある。したがって、アッパーの外側層の種々の他の領域を合成または天然布地材料から形成してもよい。また、アッパーの外側層は、それぞれ異なる特性をアッパーの特定の部分に付与する多くの材料要素から形成してもよい。同様に、アッパーの内側層を、足を直に取り囲む領域から汗を除去する吸湿性布地で形成してもよい。従来の運動用履物物品では、種々の層を接着剤で接合させてもよく、要素を単一層内において接合するため、またはアッパーの特定の領域を補強するために、ステッチングを使用してもよい。

運動靴の靴アッパーとして布帛または布地が頻繁に使用されている。布帛から作製された靴アッパーに固有の独特な弾性は、圧迫感および疲労感を与えないため有利と言われている。そのような弾性を有する布帛から作製された靴アッパーに関しては、（特許文献１）および（特許文献２）（両方が参照によって本願に組み込まれる）がそれぞれ、ポリウレタン層などのプラスチック発泡体層を外側布帛層と内側布帛層との間に介在させ、それらを接着することによって設けられた多層サンドウィッチ構造を有する靴アッパーを提案している。しかしながら、介在させたプラスチック発泡体層を有する上述の靴アッパーは通気性において必ずしも満足なものではない。したがって、これにより、運動中における足からの発汗および熱の発生に起因する異常な温度上昇のため靴の内部が蒸れて暑くなり、不快を生じさせるような問題が発生する。さらに、上述の樹脂発泡体層は弾性を有するが、外側布帛層と内側布帛層との間の動きに対する抵抗は大きい。これは、樹脂発泡体層が外側布帛層および内側布帛層のそれぞれに接着剤で接着されるため、靴アッパー自体の曲げに対する大きな抵抗が発生することが理由である。これにより、足の圧迫感および疲労感を軽減する効果が妨げられる。履物アッパーに使用される布地は、一般に、可撓性がありかつ足を快適に受け入れる、軽量の、通気性構造を提供する。一般に、編成材料では、動きおよび可撓性が高くなっている。布地は、可撓性、繊度および高い長さ対厚さ比によって特徴付けられる繊維、フィラメントまたは糸からの任意の製品と定義することができる。しかしながら、先行技術での履物アッパーにおける布帛および／または布地の使用では、通常、シームを必要とする。シームにより、製造およびデザインの自由における困難を含む問題および制約が生じ、使用者の意図しない擦傷が、例えば、水疱を生じさせ、それにより、運動性能が損なわれる。

耐久性および耐伸縮性を含む他の特性を履物に付与するため、例えば、皮革、合成皮革またはゴムを含む追加の材料が、通常、布地と組み合わされる。耐久性に関しては、ザイノ（Ｚａｉｎｏ）に付与された（特許文献３）に、特定の領域内に注入され、この領域を摩耗または他の損耗の形態に対して強化する高分子材料を有する布地材料で形成されたアッパーが開示されている。耐伸縮性に関しては、ブラウン（Ｂｒｏｗｎ）に付与された（特許文献４）およびボギア（Ｂｏｇｇｉａ）に付与された（特許文献５）の両方に、アッパーに固定されることにより、アッパーの特定の部分の伸縮の程度を制限する実質的に伸びない材料が開示されている。（特許文献３）、（特許文献４）および（特許文献５）は参照によって全ての目的のために本願に組み込まれる。

履物、特に運動用履物においては、材料の数および種類を最小限にすることが望ましい。靴製造が多大な労働力を要するプロセスであることを考えると、材料が少数であるほどコストが低下し、効率が増加する。一般的な靴製造プロセスは、アッパー材料を切断するステップと、接合縁（ｊｏｉｎｉｎｇ ｅｄｇｅｓ）の厚さを低減するステップ（「スカイビング」）と、アッパー部品の厚さを低減するステップ（「分離」）と、芯地をアッパー部品に接合するステップ（「芯入れ」）と、はと目を形成するステップと、アッパー部品を縫い合わせるステップと、靴型上でアッパーを成形するステップ（「釣り込み」）と、靴の底をアッパーに結合、成形または縫製するステップ（「底付け」）とを含む。現代の履物のデザイン、特に運動靴のデザインには、多数のアッパー部品および複雑な製造工程が必要であり人件費が高くなる。加えて、別個の材料をアッパーに組み込むには、複数の人を要する複数の異なる製造工程を必要とする場合がある。布地のほかに複数の材料を用いると、履物の通気性を損なうおそれもある。さらに、新しいパターンが必要となり、製造プロセスを新デザインおよびスタイル毎およびそれぞれの所望の靴サイズに合わせて再編成しなければならない。

人件費を削減するため、（特許文献６）では、製造工程の数を最小にするための熱エンボス加工の使用について記載しており、その内容を参照により本明細書中に組み込む。同文献では、一体型のアッパー全体を含む靴の構成要素を製造するプロセスについて記載している。このプロセスでは、材料の厚さを低減するため、縁端を閉止または封止するため、機能デザインまたはパターン線を組み込むため、および歪み管理のために圧縮型内において多層のアッパー材料が熱エンボス加工される。エンボス加工工程後、エンボス加工されたアッパー材料の裏側は裏あてによって互いに縫い付けられ、アッパー材料が釣り込まれ、底付けされて靴完成品が形成される。このプロセスにより切断工程およびステッチング工程が大幅に削減され、かつ、一般的な靴製造プロセスのスカイビング工程、分割工程および芯入れ工程を省くことができる。しかしながら、この靴製造プロセスでは、新デザイン、新スタイルおよび異なる靴サイズ用の新しいパターンの作成および製造プロセスの再編成に伴う組み立て時間およびコストが大きくは削減されない。むしろ、デザインの変更のたびに新しいパターンおよび新しいエンボス加工型を作成しなければならず、所望の靴サイズ毎に別個のエンボス加工型を使用しなければならない。同様に、所望のスタイルの変化に対応するため、様々な色および質感の多くのアッパー材料を在庫に保持していなければならない。

製造の観点では、履物物品に異なる特性を付与するのに複数の材料を使用することは非効率な手法となるおそれがある。例えば、一般に、従来のアッパーに使用される種々の材料は１つの供給業者から入手されない。したがって、製造施設では、特定量の材料の受け取りについて、異なる商習慣を有しうる、または異なる地域または国に位置しうる複数の供給業者と調整しなければならない。種々の材料は、また、切断するため、または他の方法で材料を履物への組み込みに備えるために追加の機械加工または異なる組み立てライン技術を要する場合がある。加えて、別個の材料をアッパーに組み込むには、複数の人を必要とする複数の異なる製造工程を伴う場合がある。布地のほかに複数の材料を用いることは、履物の通気性を損なう場合がある。例えば、皮革、合成皮革またはゴムは一般に通気性がない。したがって、皮革、合成皮革またはゴムをアッパーの外側に配置するとアッパーを通過する空気の流れを妨げる可能性があり、それにより、アッパー内および足の周りに閉じ込められた汗、水分および熱の量が増加する。

先行技術の履物用アッパーは、通常、複数の構成要素または材料を使用し、かつ、複数の製造工程を必要とする。さらに、先行技術のアッパーは、従来、１つまたは複数のシームを必要とする。したがって、既存のアッパーは、履物の性能を低下し、製造の複雑さ、時間およびコストを増加し、デザインの自由を制限する。したがって、履物用シームレスアッパーおよびこれを作製するためのプロセスに対する需要がある。

米国特許第３，７９３，７５０号明細書 米国特許第４，０４３，０５８号明細書 米国特許第４，４４７，９６７号明細書 米国特許第４，８１３，１５８号明細書 米国特許第４，７５６，０９８号明細書 国際公開第９０／０３７４４号

本発明の目的は、上記した問題を解決することができる履物用アッパーおよび履物アッパーを作製するための方法を提供することにある。

本開示の特定の実施形態は、履物用アッパーおよび履物アッパーを作製するための方法に関する。本発明は、履物アッパーおよび履物全体の製造への編成プロセスの適用に関する。好適な一実施形態では、靴の完全にシームレスなアッパー部を作成するための編成プロセスが開示される。このプロセスでは、履物アッパーを１つの工程で形成することができる。別の実施形態では、アッパー部分を含むシームレスな履物物品全体が形成される。このプロセスのいくつかの利点には、製造の容易性および効率性、組み立て時間の削減、シームの削減による最大限の快適性、およびデザインの自由を含む。方法には、アッパーの製織および／または編成を含む。編成プロセスには、通常、一連のステッチまたはループを相互に連結することによるアッパーの形成を含む。

実施形態の多くでは運動用履物に焦点を当てるが、他の用途も利用可能である。そのような用途には、履物性能の増加、製造の複雑さ、時間およびコストの削減およびデザインのより大きな自由のうち１つまたは複数が求められる行為を含む。さらに、開示される履物用シームレスアッパーの使用は履物以外の用途範囲を有し、衣服、保護用ラッピングまたはカバー、熱傷被害者用、老人介護用の外衣としての使用などの医療用およびシームレスカバーが求められるあらゆる用途を含む。

さらに、履物および履物アッパーに関して開示される概念は、例えば、バスケットボール、野球、フットボール、サッカー、ウォーキングおよびハイキングを含む種々の他の運動活動のために特にデザインされた履物スタイルに適用してもよく、また、種々の非運動用の履物スタイルに適用してもよい。したがって、当業者であれば、本明細書中に開示される概念を広範囲の履物スタイルに適用してもよく、以下に記載されかつ図に示される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解するであろう。

本概念は、また、ドレスシューズ、ローファ、サンダルおよびワークブーツを含む、一般に非運動用とされる履物スタイルに適用してもよい。したがって、本明細書中に開示される概念は、多様な履物スタイルに適用される。また、本発明の態様を、アッパー部材構造内の層、履物製品の（中敷きなどの）内側ライニングおよび（任意選択で、履物構造内に封入するための）ブーティ部材などの、履物構造の他の部分と共に使用してもよい。

本明細書で用いる、「１つの」（“ａ”または“ａｎ”）実体という用語はその実体の１つまたは複数を意味する。したがって、「１つの」（“ａ”または“ａｎ”）、「１つまたは複数の」（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ）および「少なくとも１つの」（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）という用語は、本明細書においては交換可能に用いられうる。「含む」（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）、「含む」（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）および「有する」（ｈａｖｉｎｇ）も交換可能に用いられうることに留意されたい。

本明細書で用いる、「少なくとも１つの」（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）、「１つまたは複数の」（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ）および「および／または」（ａｎｄ／ｏｒ）という用語は、運用上、接続語および離接語の両方である制限のない表現である。例えば、「Ａ、ＢおよびＣの少なくとも１つ」（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ ｏｆ Ａ，Ｂ ａｎｄ Ｃ）、「Ａ、ＢまたはＣの少なくとも１つ」（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ ｏｆ Ａ，Ｂ，ｏｒ Ｃ）、「Ａ、ＢおよびＣの１つまたは複数」（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ ｏｆ Ａ，Ｂ，ａｎｄ Ｃ）、「Ａ、ＢまたはＣの１つまたは複数」（ｏｎｅ ｏｒ ｍｏｒｅ ｏｆ Ａ，Ｂ，ｏｒ Ｃ）および「Ａ、Ｂおよび／またはＣ」（Ａ，Ｂ，ａｎｄ／ｏｒ Ｃ）の各表現は、Ａのみ（Ａ ａｌｏｎｅ）、Ｂのみ（Ｂ ａｌｏｎｅ）、Ｃのみ（Ｃ ａｌｏｎｅ）、ＡとＢの両方（Ａ ａｎｄ Ｂ ｔｏｇｅｔｈｅｒ）、ＡとＣの両方（Ａ ａｎｄ Ｃ ｔｏｇｅｔｈｅｒ）、ＢとＣの両方（Ｂ ａｎｄ Ｃ ｔｏｇｅｔｈｅｒ）、またはＡとＢとＣのすべて（Ａ，Ｂ ａｎｄ Ｃ ｔｏｇｅｔｈｅｒ）を意味する。

本明細書では、用語「中底」は、アッパーの開口部から履物物品内に挿入され、着用者の解剖学的構造および履物物品の目的とする使用に応じて着用者の足に支持を提供するようにデザインされた、履物物品のソールの取り外し可能な部分を意味する。

本明細書では、用語「中物」は、表底が取り付けられた、履物物品のソールの、中底と表底との間に挟まれた部分を意味する。
本明細書では、用語「表底」は、履物物品のソールの、アッパーから最も遠い部分を意味する。

本明細書では、「ニット構造」は、表目、および表目を含む糸および／または細糸の１つまたは両方を意味する。本明細書では、用語「ニット要素」、「ニット構造」、「布地」および「布地要素」は、アッパーの組み立てに使用される材料を意味する。

本明細書では、用語「バンプ」は、足の、つま先と、足につながっている脚との間の先端部の任意の部分を被覆する靴アッパーの一部を意味する。
本明細書では、用語「アッパー」は、靴の、ソール上方の任意の部分を意味する。

本明細書では、用語「靴」および「履物」は、使用者の足に着用される物品を意味する。
さらなる背景、前後関係を提供し、米国特許法１１２条の記述および可能な要求事項をさらに満たすために以下の参考文献の全体を参照によって本願に組み込み、明示的な目的として、履物用のアッパーおよび編成の性質を説明し、種々のツールおよび一般にそれらに関係する他の装置についてさらに説明する。「家庭用布地において使用されるフランネルシーツファブリック（Ｆｌａｎｎｅｌ Ｓｈｅｅｔｉｎｇ Ｆａｂｒｉｃ ｆｏｒ Ｕｓｅ ｉｎ Ｈｏｍｅ Ｔｅｘｔｉｌｅｓ）」と題された米国特許出願公開第２０１１／００５９２８８号明細書、「編機（Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許出願公開第２０１１／００６７４５５号明細書、「縦編布帛、これを製造する方法および縦編布帛のニット構造（Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｅｄ Ｆａｂｒｉｃ， Ｍｅｔｈｏｄ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ｔｈｅ Ｓａｍｅ，ａｎｄ Ｋｎｉｔ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ ｏｆ Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｅｄ Ｆａｂｒｉｃ）」と題された米国特許出願公開第２０１１／００６７４５５号明細書、サトウ（Ｓａｔｏ）に付与された、「靴およびこれを製造する方法（Ｓｈｏｅ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ ｔｈｅ Ｓａｍｅ）」と題された、米国特許出願公開第２０１１／００５６２４８号明細書、オヤ（Ｏｙａ）に付与された、「衣服（Ｇａｒｍｅｎｔ）」と題された米国特許出願公開第２００９／０２４１３７４号明細書、「縦編布帛およびその製造方法（Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｆａｂｒｉｃ Ａｎｄ Ｉｔｓ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｍｅｔｈｏｄ）」と題された米国特許出願公開第２００９／００６４７２１号明細書、「巻取りシステム用にデザインされたクリールおよび対応するクリールを操作するための方法およびデバイス（Ｍｅｔｈｏｄ Ａｎｄ Ｄｅｖｉｃｅ Ｆｏｒ Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ａ Ｃｒｅｅｌ Ｄｅｓｉｇｎｅｄ Ｆｏｒ Ａ Ｗｉｎｄｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ Ａｎｄ Ｃｏｒｒｅｓｐｏｎｄｉｎｇ Ｃｒｅｅｌ）」と題された米国特許第７，７７０，２７１号明細書、「炭素繊維束を広げるためのデバイスおよび方法（Ｄｅｖｉｃｅ Ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ Ｆｏｒ Ｓｐｒｅａｄｉｎｇ Ａ Ｃａｒｂｏｎ Ｆｉｂｅｒ Ｈａｎｋ）」と題された米国特許第７，５３６，７６１号明細書、「繊維帯を編機に供給するためのデバイス（Ｄｅｖｉｃｅ Ｆｏｒ Ｆｅｅｄｉｎｇ Ｆｉｂｅｒ Ｂａｎｄｓ Ｔｏ Ａ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第７，４５８，２３６号明細書、「編機内のガイドバー駆動部（Ｇｕｉｄｅ Ｂａｒ Ｄｒｉｖｅ Ｉｎ Ａ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第７，３３２，８３６号明細書、「編機（Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第７，３３１，２００号明細書、「編機（Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第７，２９９，６６０号明細書、「フィラメントの繊維帯を敷設するためのプロセスおよび装置（Ｐｒｏｃｅｓｓ Ａｎｄ Ａｐｐａｒａｔｕｓ Ｆｏｒ Ｌａｙｉｎｇ Ｆｉｂｅｒ Ｂａｎｄｓ Ｏｆ Ｆｉｌａｍｅｎｔｓ）」と題された米国特許第７，１２０，９７６号明細書、「多層の、事前固定された糸または繊維配置を作製するための方法およびシステム（Ｍｅｔｈｏｄ Ａｎｄ Ｓｙｓｔｅｍ Ｆｏｒ Ｐｒｏｄｕｃｉｎｇ Ａ Ｍｕｌｔｉ−Ｌａｙｅｒ，Ｐｒｅ−Ｆｉｘｅｄ Ｔｈｒｅａｄ Ｏｒ Ｆｉｂｅｒ Ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）」と題された米国特許第６，９９３，９３９号明細書、「衣服部品の形成用布帛、それから得られる衣服部品およびそれにより製作される衣服（Ｆａｂｒｉｃ Ｆｏｒ Ｔｈｅ Ｆｏｒｍａｔｉｏｎ Ｏｆ Ｇａｒｍｅｎｔ Ｐｉｅｃｅｓ，Ｔｈｅ Ｇａｒｍｅｎｔ Ｐｉｅｃｅｓ Ｏｂｔａｉｎｅｄ Ｔｈｅｒｅｆｒｏｍ Ａｎｄ Ｔｈｅ Ｇａｒｍｅｎｔｓ Ｐｒｏｄｕｃｅｄ Ｔｈｅｒｅｗｉｔｈ）」と題された米国特許第６，６９１，５３５号明細書、「フィラメント糸をエアで処理するための方法およびデバイス（Ｍｅｔｈｏｄ Ａｎｄ Ｄｅｖｉｃｅ Ｆｏｒ Ｔｒｅａｔｉｎｇ Ｆｉｌａｍｅｎｔ Ｙａｒｎ Ｗｉｔｈ Ａｉｒ）」と題された米国特許第６，６５１，４２０号明細書、「フィラメント糸をエアで処理するための方法およびデバイス（Ｍｅｔｈｏｄ Ａｎｄ Ｄｅｖｉｃｅ Ｆｏｒ Ｔｒｅａｔｉｎｇ Ｆｉｌａｍｅｎｔ Ｙａｒｎ Ｗｉｔｈ Ａｉｒ）」と題された米国特許第６，３５４，０６９号明細書、「縦編機の２つの構造要素間のジョイントベアリング（Ｊｏｉｎｔ Ｂｅａｒｉｎｇ Ｂｅｔｗｅｅｎ Ｔｗｏ Ｓｔｒｕｃｔｕｒａｌ Ｅｌｅｍｅｎｔｓ Ｏｆ Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅｓ）」と題された米国特許第６，３２２，２５５号明細書、「パターンを備えた縦編機（Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｗｉｔｈ Ｐａｔｔｅｒｎ）」と題された米国特許第６，２５３，５８３号明細書、「縦編機における幅保持器の把持（Ｇｒｉｐｐｉｎｇ Ｂｒｅａｄｔｈ Ｈｏｌｄｅｒｓ Ｉｎ Ａ Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第６，２４７，３３７号明細書、「整経機械およびパターン縦糸を製造するためのプロセス（Ｗａｒｐｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ Ａｎｄ Ｐｒｏｃｅｓｓ Ｆｏｒ Ｐｒｏｄｕｃｉｎｇ Ｐａｔｔｅｒｎ Ｗａｒｐｓ）」と題された米国特許第６，２３３，７９８号明細書、「糸シート回転機構を備えた縦編機（Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｗｉｔｈ Ｔｈｒｅａｄ Ｓｈｅｅｔ Ｔｕｒｎｉｎｇ Ａｒｒａｎｇｅｍｅｎｔ）」と題された米国特許第６，２１２，９１５号明細書、「能動部品をラップ編機のバーに固定するためのデバイスおよび能動部品を取り外すおよび取り付けるための付属ツール（Ｄｅｖｉｃｅ Ｆｏｒ Ｆａｓｔｅｎｉｎｇ Ａｃｔｉｖｅ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ Ｔｏ Ｔｈｅ Ｂａｒ Ｏｆ Ａ Ｗｒａｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ Ａｎｄ Ａｃｃｏｍｐａｎｙｉｎｇ Ｔｏｏｌ Ｆｏｒ Ｒｅｍｏｖｉｎｇ Ａｎｄ Ｉｎｓｔａｌｌｉｎｇ Ｔｈｅ Ａｃｔｉｖｅ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ）」と題された米国特許第６，１５１，９２９号明細書、「糸の多層、多軸層を縦編機の編み位置に供給するための装置（Ａｐｐａｒａｔｕｓ ｆｏｒ Ｓｕｐｐｌｙｉｎｇ Ａ Ｍｕｌｔｉ−Ｌａｙｅｒ， Ｍｕｌｔｉ−Ａｘｉａｌ Ｌａｙｅｒ Ｏｆ Ｙａｒｎ Ｔｏ Ｔｈｅ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｓｉｔｅ Ｏｆ Ａ Ｗａｒｐ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ）」と題された米国特許第６，１５１，９２３号明細書、「編機において搬送器に組み込まれた糸処理要素を使用するためのプロセス（Ｐｒｏｃｅｓｓ Ｆｏｒ Ａ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｅｍｐｌｏｙｉｎｇ Ｔｈｒｅａｄ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｅｌｅｍｅｎｔｓ Ｅｍｂｅｄｄｅｄ Ｉｎ Ｃａｒｒｉｅｒ）」と題された米国特許第６，００９，７２９号明細書、ヨシヒロ（Ｙｏｓｈｉｈｉｒｏ）に付与された、「ソールおよびソールを製造する方法（Ｓｏｌｅ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄ ｏｆ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｓｏｌｅ）」と題された米国特許出願公開第２０１０／０１４６８２３号明細書、オノダ（Ｏｎｏｄａ）に付与された、「スポーツウェア（Ｓｐｏｒｔｓｗｅａｒ）」と題された米国特許出願公開第２０１０／００１１４７９号明細書、キタ（Ｋｉｔａ）に付与された、「靴のソール構造（Ｓｏｌｅ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ ｆｏｒ ａ Ｓｈｏｅ）」と題された米国特許出願公開第２００９／０２４１３７７号明細書、サトウ（Ｓａｔｏ）に付与された、「靴のアッパー構造（Ｕｐｐｅｒ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ ｆｏｒ ａ Ｓｈｏｅ）」と題された米国特許出願公開第２００８／０１２０８７１号明細書、サトウ（Ｓａｔｏ）に付与された、「靴のソールアセンブリの足中央部構造（Ｍｉｄｆｏｏｔ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ ｏｆ ａ Ｓｏｌｅ Ａｓｓｅｍｂｌｙ ｆｏｒ ａ Ｓｈｏｅ）」と題された米国特許第７，８８６，４６１号明細書、オレイ（Ｏｒｅｉ）らに付与れた、「軽量靴（Ｌｉｇｈｔ Ｗｅｉｇｈｔ Ｓｈｏｅｓ）」と題された米国特許第７，０５１，４６０号明細書、オコナー（Ｏ'Ｃｏｎｎｏｒ）に付与された、「工業用布帛のサブアセンブリ（Ｓｕｂａｓｓｅｍｂｌｙ ｆｏｒ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｆａｂｒｉｃｓ）」と題された米国特許出願公開第２００８／０１７９０３０号明細書、コンドウ（Ｋｏｎｄｏｕ）らに付与された、「多層構造を有する弾性編地（Ｅｌａｓｔｉｃ Ｋｎｉｔｔｉｎｇ Ｆａｂｒｉｃ Ｈａｖｉｎｇ Ｍｕｌｔｉｌａｙｅｒ Ｓｔｒｕｃｔｕｒｅ）」と題された米国特許出願公開第２００４／０２３７５９９号明細書、ワルドロップ（Ｗａｌｄｒｏｐ）らに付与された、「ダブルニードルバーエラストマスペーサニット（Ｄｏｕｂｌｅ Ｎｅｅｄｌｅ Ｂａｒ Ｅｌａｓｔｏｍｅｒｉｃ Ｓｐａｃｅｒ Ｋｎｉｔ）」と題された米国特許第７，５５２，６０４号明細書、ハインリッヒ（Ｈｅｉｎｒｉｃｈ）らに付与された、「多方向布帛ウェブを製造するための方法（Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｐｒｏｄｕｃｉｎｇ ａ Ｍｕｌｔｉｄｉｒｅｃｔｉｏｎａｌ Ｆａｂｒｉｃ Ｗｅｂ）」と題された米国特許出願公開第２００９／００５６８５７号明細書、シマザキ（Ｓｈｉｍａｚａｋｉ）に付与された「布帛および布地製品（Ｆａｂｒｉｃ ａｎｄ Ｔｅｘｔｉｌｅ Ｐｒｏｄｕｃｔ）」と題された米国特許出願公開第２００７／０２２４８９７号明細書、トーマス（Ｔｈｏｍａｓ）らに付与された、「履物物品用流体充填袋（Ｆｌｕｉｄ−Ｆｉｌｌｅｄ Ｂｌａｄｄｅｒ Ｆｏｒ Ａｎ Ａｒｔｉｃｌｅ Ｏｆ Ｆｏｏｔｗｅａｒ）」と題された米国特許第７，０７０，８４５号明細書。

加えて、さらなる背景、前後関係を提供し、米国特許法１１２条の記述および可能な要求事項をさらに満たすために以下の参考文献の全体を参照によって本願に組み込み、明示的な目的として、履物用のアッパーおよび編成の性質を説明し、種々のツールおよび一般にそれらに関係する他の装置についてさらに説明する。米国特許出願公開第２０１２／００５５０４４号明細書、米国特許出願公開第２００５／０１９３５９２号明細書、米国特許出願公開第２０１０／０３２５９１６号明細書、米国特許出願公開第２０１２／０００５９２２号明細書、米国特許出願公開第２００８／０１９６１８１号明細書、米国特許出願公開第２０１２／００７９７４３号明細書、米国特許出願公開第２０１２／００７９７４１号明細書、米国特許出願公開第２００９／００８４１４２号明細書、米国特許出願公開第２０１０／０１０７５９０号明細書、米国特許出願公開第２０１０／０１０７３８３号明細書、米国特許出願公開第２０１０／０１０７３８２号明細書、米国特許出願公開第２０１１／０２１４３１３号明細書、米国特許出願公開第２０１２／０００５９２３号明細書、米国特許出願公開第２０１２／００１１７４４号明細書、米国特許第４，７８５，５５８号明細書、米国特許第５，３７７，４３０号明細書、米国特許第６，３９３，６２０号明細書、米国特許第６，５３３，８８５号明細書、米国特許第７，３４７，０１１号明細書、米国特許第７，８１４，５９８号明細書、米国特許第８，０４２，２８８号明細書、米国特許第８，１２８，４５７号明細書、米国特許第８，１３３，８２４号明細書、米国特許第８，１３２，３４０号明細書、米国特許第８，１０４，１９７号明細書、米国特許第８，１００，５３２号明細書、米国特許第８，０９９，７９７号明細書、米国特許第８，０９９，７９６号明細書、米国特許第８，０９５，９９６号明細書、米国特許第８，０４２，２８９号明細書、米国特許第８，０２９，７１５号明細書、米国特許第８，０２８，４４０号明細書、米国特許第７，９９２，２２６号明細書、米国特許第７，９４５，３４３号明細書、米国特許第７，９４１，９４５号明細書、米国特許第７，９４１，８６９号明細書、米国特許第７，８７０，６８２号明細書、米国特許第７，８４５，０２３号明細書、米国特許第７，８４５，０２２号明細書、米国特許第７，８１４，６８７号明細書、米国特許第７，８１４，５７４号明細書、米国特許第７，７８８，８２７号明細書、米国特許第７，７８４，１１１号明細書、米国特許第７，７７４，９５６号明細書、米国特許第７，７５２，７７２号明細書、米国特許第７，６３７，０３２号明細書、米国特許第７，６３６，９５０号明細書、米国特許第７，５６５，７０３号明細書、米国特許第７，５６２，４７１号明細書、米国特許第７，５５５，８５１号明細書、米国特許第７，５４３，３９７号明細書、米国特許第７，３８６，９４６号明細書、米国特許第７，２７８，１７３号明細書、米国特許第７，１３１，２９６号明細書、米国特許第７，０７６，８９１号明細書、米国特許第７，０７０，８４５号明細書、米国特許第６，９８６，２６９号明細書、米国特許第６，９３１，７６２号明細書、米国特許第６，９１０，２８８号明細書、米国特許第６，６５４，９６４号明細書、米国特許第６，４８４，４１９号明細書、米国特許第７，３３１，３６３号明細書および米国特許第５，２７１，１０１号明細書。

本発明の一実施形態において、履物物品用アッパーは編機で形成される布地要素を含む。本発明の一態様においては、アッパーはシームレスおよび／または一体型構造のものである。編機は布地要素を縦編または横編のいずれかにより形成する構成を有してもよい。

本発明の別の態様は履物物品を製造する方法に関する。方法は、例えば、円筒状の布地構造を形成するため糸を丸編機械で機械的に操作するステップを含む。加えて、方法は、少なくとも１つの布地要素を布地構造から取り除くステップと、シームレスアッパーおよび／またはシームレスの履物全体を形成するため布地要素を履物物品用アッパーに組み込むステップと、を含む。

本発明の別の態様では、履物物品はシームレスアッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する。アッパーは編機で形成される布地要素を組み込む。布地要素は、布地要素の輪郭を含む布地構造から取り外される。布地要素は互いに接合され足を受け入れるための空洞の少なくとも一部を画定する縁端を有する。

一実施形態において、アッパーは、足を快適に受け入れるための内部空洞を画定し、かつ、ソール構造に対して足の位置を固定する布地要素から少なくとも部分的に形成される。布地要素の種々の縁端は、その後、互いに固定されアッパーの形状を形成する。いくつかの実施形態では、布地要素は、アッパーの全てを形成しても、アッパーのほぼ全てを形成してもよく、布地要素はアッパーの一部のみであってもよい。

履物のアッパーの製造において種々の材料を使用してもよい。運動用履物物品用アッパーは、例えば、外側層、中間層および内側層を含む複数の材料層から形成してもよい。アッパーの外側層を形成する材料は、例えば、耐摩耗性、可撓性および通気性の特性に基づいて選択してもよい。外側層については、トウ領域およびヒール領域は比較的高程度の耐摩耗性を付与するため皮革、合成皮革またはゴム素材で形成してもよい。皮革、合成皮革およびゴム素材は、所望の程度の可撓性および通気性を示さない場合がある。したがって、アッパーの外側層の種々の他の領域を合成または天然布地から形成してもよい。また、アッパーの外側層は、それぞれが異なる特性をアッパーの特定の部分に付与する多くの材料要素から形成してもよい。

本開示は、靴の筒状アッパーをシームなしで編むための方法を提供する。丸編および縦編はアッパー部を形成するためのプロセスの例である。縦編は、糸が、１つの段（ｒｏｗ）（「コース」）ではなく、布帛の長さに沿って、すなわち、編み物の隣接する列（ｃｏｌｕｍｎ）（「ウェール」）に従いジグザグに進む編成法に属する。丸編または横編プロセスは、１本の糸を丸筒の外周に沿って編むことを含む。織布は、通常、寸法安定性を提供する。その一方で、横編布帛は、通常、より弾性がある。縦編布帛はこれら２つの特性を併せ持ち、これらは寸法安定性、弾性ならびに高弾性を有するものとして作製することができる。縦糸編地は、通常、より耐久性のある編地が必要な運動用衣服、水着および下着に使用される。

アッパーの中間層は、緩衝性を提供し、アッパーに接触するおそれのある物体から足を保護する軽量高分子発泡体材料から形成してもよい。同様に、アッパーの内側層は、足を直に取り囲む領域から汗を除去する吸湿性布地で形成してもよい。いくつかの運動用履物物品では、種々の層を接着剤で接合してもよく、単一層内において要素を結合するため、またはアッパーの特定の領域を補強するためにシームを使用してもよい。

アッパー用に選択される材料は極めて多様であるが、布地材料が外側層および内側層の少なくとも一部を形成することが多い。布地は、可撓性、繊度および高い長さ対厚さ比により特徴付けられる繊維、フィラメントまたは糸からの任意の製品と定義されうる。

布地は全般的に２つのカテゴリに分類される。第１のカテゴリは、フィラメントまたは繊維のウェブから、無作為に絡み合わせて不織布およびフェルトを構築することによって直接作成される布地を含む。第２のカテゴリは、糸の機械的操作により形成されることによって、例えば、織布を作成する布地を含む。

糸は、第２のカテゴリの布地を形成するために使用される原材料である。一般に、糸は、少なくとも１つのフィラメントまたは複数の繊維で形成された、かなりの長さおよび比較的小さな断面を有するアセンブリとして画定される。繊維は、比較的短い長さを有するため、布地に使用するのに適した長さの糸を作成するには紡糸または撚糸工程を必要とする。繊維の一般的な例は綿およびウールである。しかしながら、フィラメントが不定の長さを有し、単に他のフィラメントと組み合わせて布地に使用するのに適した糸を作成してもよい。現代のフィラメントは、レーヨン、ナイロン、ポリエステルおよびポリアクリルなどの複数の合成材料を含み、絹は主要な天然起源の例外である。糸は、従来、モノフィラメント糸と呼ばれる単一フィラメントまたはまとめられた複数の個別のフィラメントで形成してもよい。糸は、また、異なる材料で形成された別個のフィラメントを含んでもよく、糸は、それぞれ２つ以上の異なる材料で形成されたフィラメントを含んでもよい。同様の概念が、繊維から形成された糸にも適用される。したがって、糸は、上で定めた定義に全般的に適合する種々の構成を有してもよい。

糸を機械的に操作して布地にするための種々の技術には、織り合わせ（ｉｎｔｅｒｗｅａｖｉｎｇ）、絡み合わせ（ｉｎｔｅｒｗｉｎｉｎｇ）および撚糸および自糸ルーピング（ｉｎｔｅｒｌｏｏｐｉｎｇ）を含む。織り合わせは、交差し、互いに対して直角で織り合わせられる２つの糸の交差である。織り合わせに使用される糸は、従来、縦糸および横糸と呼ばれる。絡み合わせおよび撚糸には、糸が互いに絡み合い布地を形成するブレーディングおよびノッティングなどの手法を含む。自糸ルーピングは、噛み合ったループの複数の列の形成を含み、編成は自糸ルーピングの最も一般的な方法である。

丸編を超える縦編の少なくともいくつかの利点は、耐久性と、より広い範囲のデザイン構造と、メッシュタイプおよびサイズを形成する機能と、圧縮、伸縮および厚みの位置およびタイプと、材料の少なくとも縦糸に沿って糸を変える機能と、編まれた筒の前と後との間で糸を変える機能と、実質的にシームレス構造の作成と、履物構造／フォーマットにおいて実質的にシームレス構造を作成する機能である。例えば、アッパーは、緩衝、圧縮、通気性、色および糸内容（ｙａｒｎ ｃｏｎｔｅｎｔ）の領域を有するように編むことができる。

平編が本発明による構造例において使用される場合、種々の利点を提供することができる。例えば、平編は、布地切断工程を避けることができる（これにより、廃棄がなくなる、縁端の仕上げ削りの必要が回避される、時間が節約される、費用が節減されるなど）ように所望の最終形状の履物アッパーに使用される布地構造を提供するために使用することができる。平編要素は、また、所望の３次元の形状に直接形成することができ、これにより、全体的な履物構造において追加の支持構造を使用する必要を避けられる（これにより、また、時間、費用などが節減され、より軽量のおよび／またはより可撓性のある製品が製造され、シームおよび少なくともいくつかの縫製などを省略することができる）。編成プロセス時、複数の異なる糸および／またはステッチパターンを全体的な構造の複数の異なる位置に選択的に配置することによって、平編製品は、単一の一体型構造内の複数の異なる位置または領域（例えば、単一履物構造内の異なる領域または位置における異なる特性）に複数の異なる物理的特性（例えば、異なる伸縮性、異なる水分管理能力など）を有してもよい。付加的に、平編は最終製品にポケット、トンネルまたは他の階層構造を形成するために使用することができる。

布地要素は、平編プロセスにより形成してもよい。一般に、平編は、材料が周期的に方向転換される（すなわち、材料が交互の側から編まれる）編材料を製造する方法である。材料の２つの側（あるいは「面」と呼ばれる）は、従来、「表側」（すなわち、見る者に向かって、外側に面した側）および「裏側」（すなわち、見る者から離れる方に、内側に面した側）として示される。平編は、布帛が常に同じ側から編まれる丸編と対比されうる。種々の丸編技術が公知であり、例えば、狭筒（ｎａｒｒｏｗ ｔｕｂｅ）丸編および広筒（ｗｉｄｅ ｔｕｂｅ）丸編である。丸編技術のより具体的な例が米国特許出願公開第２００５／０１９３５９２号明細書に記載されており、この刊行物は参照により本明細書中に組み込まれる。丸編とは対照的に、平編は、表側および裏側から編まれる場合、（表側から見て）同じステッチが２つの異なる動きによって作成されるため、より複雑となる場合がある。したがって、表目（表側から見て）は表側の表目によって、または裏側の裏目によって作成してもよい。平編では、布帛は、通常、段毎に方向が転換される。平編は布地要素を形成するのに適した手法を提供するが、他の種類の編成もまた使用してもよく、例えば、広筒丸編、狭筒丸編ジャカード、シングルニット丸編ジャカード、ダブルニット丸編ジャカードおよび縦編ジャカードが含まれる。種々の他の種類の編成を超える平編の利点は、略３次元の構造、もしくは材料の層が互いに重なり（すなわち、少なくとも部分的に同一の広がりを有する）、ループまたは他の重ね合わせ構成を形成する構造を形成するために平編プロセスを使用してもよいことである。より具体的には、平編プロセスは、１つの層の両側が別の層と一体型構造で形成されるように層が互いに接合される構造を作成してもよい。加えて、異なるタイプのステッチを備えた領域および異なるタイプの糸を備えた領域を形成するために平編を使用してもよい。例えば、アッパーの前方部分は、中央部分および／または後方部分のリブなし形態とは異なる程度まで伸縮するように構成してもよい。さらに、布地要素は、前方部分よりも伸縮性が低いタイプのステッチから形成してもよく、選択した布地要素のために選択した糸は、前方部分のために選択した糸よりも耐摩耗性が高くてもよい。別の例として、後方部分のために使用するニット／糸の組み合わせを、伸縮および復元を足首開口部に付与するように選択してもよい。したがって、平編プロセスを、異なるタイプのステッチおよび異なるタイプの糸の組み合わせから作成される異なる特性を備えた領域を有するほぼ３次元の構造または重なった構造を形成するために使用してもよい。また、この特徴により、製造プロセスにおいて廃棄が削減され、時間と費用が削減される。

一実施形態において、アッパーは布地要素から形成され、また、履物の従来のアッパーに関連する紐または他の要素を含んでもよい。布地要素は、一体型（すなわち、ワンピースの）構造を示すように形成された単一の材料要素であり、布地要素は、足の周りに延びるように形成される、または、他の方法で成形される。布地要素は、より大きな布地要素の一部として形成してもよい。布地要素は、その後、このより大きな布地要素から取り外され、アッパーの形状が形成される。

上述のように、布地要素は一体型構造を備えた単一の材料要素である。本発明の目的のため定義されるように、一体型構造および／または「シームレス」は、布地要素の一部がシームまたは他の連結部によって互いに接合されていない形態を表現することを意図したものである。布地要素は、主として、例えば、織り合わせ、絡み合わせおよび撚糸、または自糸ルーピング工程のいずれかにより、機械的に操作される１つまたは複数の糸から形成される。記載したように、織り合わせは、交差し、互いに対して直角で織り合わせられる２つの糸の交差である。織り合わせに使用される糸は、従来、縦糸および横糸と呼ばれる。絡み合わせおよび撚糸には、糸が互いに絡み合い布地を形成するブレーディングおよびノッティングなどの手法を含む。自糸ルーピングは、噛み合ったループの複数の列の形成を含み、編成は自糸ルーピングの最も一般的な方法である。したがって、布地要素は、これら布地を製造するためのプロセスの１つから形成してもよい。

布地を製造するための種々の機械的プロセスが開発されている。一般に、機械的プロセスは、縦編または横編のいずれかのカテゴリに分類することができる。縦編については、布地を製造するために使用してもよい種々の特定のサブタイプにトリコット、ラッシェルおよびダブルニードルバーラッシェル（ジャカードダブルニードルバーラッシェルをさらに含む）を含む。横編については、布地を製造するために使用してもよい種々の特定のサブタイプに丸編および平編を含む。種々の種類の丸編には、靴下編み（狭筒）、ボディガーメント（ｂｏｄｙ ｇａｒｍｅｎｔ）（シームレスまたは広筒）およびジャカードを含む。

布地要素は上述した機械的プロセスのいずれかにより形成してもよい。したがって、布地要素を、縦編機または横編機のいずれかにおいて形成してもよい。開示を限定しない一例として、布地要素を形成するための１つの適切な編機は丸編ジャカード機械である。一実施形態において、丸編ジャカード機械により形成された布地要素は緩衝、圧縮、通気性、色および糸内容の種々の領域を有する。

布地要素を形成するための別の適切な編機はイタリア（Ｉｔａｌｙ）のロナティグループ（Ｌｏｎａｔｉ Ｇｒｏｕｐ）のサントーニエスピーエー（Ｓａｎｔｏｎｉ Ｓ．ｐ．Ａ．）によりＳＭ８ ＴＯＰ１の型番で作製されている広筒丸編機械である。サントーニエスピーエー（Ｓａｎｔｏｎｉ Ｓ．ｐ．Ａ．）によって製作されている広筒丸編機械は、略円筒状の布地構造を形成し、単一布地構造内に種々の種類のステッチを形成することが可能である。一般に、広筒丸編機械は、針の選択により布地構造上のデザインを変えるようプログラムしてもよい。つまり、布地構造の各位置に形成されるステッチの種類を、特定の針が各ステッチ位置において糸を受け取るまたは受け取らないのいずれかとなるように広筒丸編機械をプログラミングすることによって選択してもよい。このようにして、布地構造に種々のパターン、質感またはデザインを選択的かつ意図的に付与してもよい。

上述のように布地構造を広筒丸編機械で形成してもよい。１つまたは複数の布地要素の輪郭を布地構造上に形成するため、布地構造を形成するステッチの種類を変えてもよい。つまり、１つまたは複数の布地要素の輪郭を描くため布地構造に異なるタイプのステッチを形成するよう広筒丸編機械をプログラムしてもよい。布地要素を形成する糸は、一般に、少なくとも１つのフィラメントまたは複数の繊維で形成された、かなりの長さおよび比較的小さな断面を有するアセンブリと定義してもよい。

布地要素を形成するのに好適な編機の開示を限定しない別の例は、米国特許第８，１３２，４３１号明細書に記載のものである。同開示は、振り駆動部と、スイングスルー（ｓｗｉｎｇ−ｔｈｒｏｕｇｈ）駆動部と、少なくとも１つのガイドバーとを含む編機を提供する。ガイドバーは、振り駆動部によって振り方向に、およびスイングスルー駆動部によって振り方向に対して直交する方向に可動する。ガイドバーの動きの順序は、ループ構成においてガイドバーが振り方向に一度前後に動く（ｍｏｖｅｄ ｏｎｃｅ ｂａｃｋ ａｎｄ ｏｎｃｅ ｆｏｒｔｈ）ように制御される。（振り方向はガイドバーの長手方向の伸長に一致する方向、すなわち、ガイドバーのガイドの全てが前後に配置される方向である。）さらに、摺動面対は、振り方向に対して直交する方向に配向された２つの摺動面を有し、振り駆動部は摺動面対を介してガイドバーに作用する。実施形態によれば、振り駆動部は、振り方向に案内され、摺動面対の摺動面のうちの１つを支持する伝達要素を含む。伝達要素はアクチュエータロッドとして形成してもよい。米国特許第８，１３２，４３１号明細書を参照によって全ての目的のために本願に組み込む。

本発明を限定することなく、伸縮特性および復元特性をアッパーおよび／または布地要素に付与するため、エラスタン繊維を組み込んだ糸を使用してもよい。このようなエラスタン繊維は、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー（Ｅ．Ｉ．ｄｕＰｏｎｔ ｄｅ Ｎｅｍｏｕｒｓ Ｃｏｍｐａｎｙ）からライクラ（Ｌｙｃｒａ）の商標で入手できる。このような繊維は、被覆されたライクラ（Ｌｙｃｒａ）の形態を有してもよく、繊維は、ナイロンのシースによって囲まれたライクラ（Ｌｙｃｒａ）コアを含む。１つの好適な糸は、例えば、２つ撚り、８０デニール、９２フィラメント構造を有するナイロンで被覆された７０デニールのエラスタンコアを含む。スパンデックス（ｓｐａｎｄｅｘ）、エラスパン（ｅｌａｓｐａｎ(登録商標)）、クレオラ（ｃｒｅｏｒａ（登録商標））、ロイカ（ｒｏｉｃａ(登録商標)）、ドラスタン（ｄｏｒｌａｓｔａｎ(登録商標)）、リネル（ｌｉｎｅｌ(登録商標)）およびエスパ（ｅｓｐａ(登録商標)）を含むがこれらに限定されない弾性特性を示す他の繊維またはフィラメントもまた使用してもよい。

上述のように、布地要素にはエラスタン繊維を組み込んだ糸が好適である。布地要素には、弾性または非弾性に関わらず、複数の他の糸も好適である。布地要素用に選択される糸の特徴は、主として、種々のフィラメントおよび繊維を形成する材料に依存する。例えば、綿は、柔らかな手触り、自然の美および生分解性を提供する。上述のエラスタン繊維は、かなりの伸縮性および復元性を提供する。レーヨンは高い光沢および吸湿性を提供する。ウールは、保温特性に加え、また、高い吸湿性を提供する。ポリテトラフルオロエチレンコーティングは布地と肌との間に低摩擦接触を提供することができる。ナイロンは高い強度を備えた耐久性のある耐摩耗性材料である。最後に、ポリエステルは、また、比較的高い耐久性を提供する撥水性材料である。したがって、糸に含まれる材料を、種々の物理的特性を布地要素に付与するために選択してもよく、物理的特性には、例えば、強度、伸縮性、サポート性、剛性、復元性、フィットおよび形状を含んでもよい。

質感を形成するためにステッチの種類を変えることに加えて、布地要素の種々の領域において使用される糸の種類を異なる特性を付与するために変えてもよい。糸は、例えば、綿、ウール、エラスタン、レーヨン、ナイロンおよびポリエステルから形成してもよい。これら糸の種類のそれぞれが異なる特性を付与してもよい。例えば、伸縮性を付与するためにエラスタンを使用してもよく、断熱のためにウールを使用してもよく、耐久性のためにナイロンを使用してもよい。したがって、異なる特性を付与するため異なる糸の種類を使用してもよい。異なる特性（例えば、糸の特徴、質感など）を備えた異なる領域を形成するために使用してもよい編みの種類は、例えば、トリコット、ラッシェル、ダブルニードルバーラッシェル、丸編および平編などの前述の種々の縦編プロセスおよび横編プロセスを含むよう大幅に変えてもよい。

布地要素は、ほぼ滑らかな、変わらないステッチ構成を有するものとして示される。つまり、布地要素の種々の部分に共通の質感を付与するために布地要素の全体にわたり類似のステッチが使用される。しかしながら、上述のように、広筒丸編機械は、一般に、単一布地構造内に種々のタイプのステッチを形成することが可能である。したがって、広筒丸編機械は、例えば、種々のパターン、デザインまたは質感を形成するために布地要素内においてステッチを変えてもよい。種々のタイプのステッチもまた他の種類の編機で形成してもよい。

多くの従来の履物物品は、それぞれが異なる特性を示す種々の材料要素を備えたアッパーを組み込む。例えば、第１の材料要素は滑らかであってもよく、第２の材料要素はざらざらして（ｔｅｘｔｕｒｅｄ）いてもよい。第１の材料要素および第２の材料要素は、その後、縫い合わされ従来のアッパーの一部を形成する。布地要素は、また、滑らかな領域およびざらざらした領域を示す。しかしながら、従来のアッパーとは対照的に、縫い合わされるか、他の方法で互いに接合される２つの別個の要素ではなく、第１の質感および第２の質感が単一の布地の要素に組み込まれる。

布地要素または上述の種々の他の布地要素を形成するため、種々の縦編プロセスまたは横編プロセスを使用してもよい。このプロセスの利点は、布地要素の物理的特性または美観を変更するため、種々のステッチを布地要素の特定の位置に組み込んでもよいことである。従来のアッパーが、縫い付けられるか接着的に接合された種々の要素を含む一方で、布地要素は、一個の、単一の材料の要素である。製造の観点では、履物物品に異なる特性を付与するために複数の材料を使用することは非効率な手法となる可能性がある。しかしながら、布地要素を一個の、単一の材料の要素となるように形成することによって、アッパーが多数の接合された要素よりもむしろ単一布地要素を含んでもよいために効率が増加する。

上述したように、布地要素を形成するために種々の編成プロセスを使用してもよい。特定の例として、平布地構造を形成するためにジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を使用してもよく、また、布地構造を、スペーサメッシュ布地の形態を有するように形成するためにジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を使用してもよい。略円筒状の形態を示す布地構造とは異なり、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機で形成された布地構造は平坦な構成を有する。しかしながら、布地構造と同様に、布地要素の輪郭を、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機で形成された布地構造に付与してもよい。つまり、布地構造内のステッチの違いにより、目的とする布地要素の形状および寸法を備えた輪郭を形成してもよい。したがって、布地要素を布地構造から取り外し、履物に組み込んでもよい。加えて、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を、様々な質感、種々の特性または種々の糸タイプを布地要素に付与するために使用してもよい。同様に、本発明の範囲内において、様々な質感、種々の特性または種々の糸タイプを布地要素に付与するため平編などの他の編み方を使用してもよい。

ダブルニードルバーラッシェルは、布帛の両面を一度に編むことができる縦編機械の一例である。この種の機械は、編成プロセス時、布帛の両面を一緒に縫うことによって縦編筒を編むために使用することが可能である。縦編機は、ジャカードダブルニードルバー機械を使用することによって成形筒を編むようにデザインすることができる。電子的なジャカードダブルニードルバーはデザインされた構造を有する成形筒を作成することができる。アッパーのデザインおよび性能にはいくつかの可能性がある。以下は、特定用途のアッパーを作成するために調整することができる。糸のタイプ（弾性、非弾性、糸サイズ、（デニール、組成、ポリエステル、ナイロンなど）繊維のタイプなど）、ステッチの構造（メッシュ、通気性および／または耐久性、ならびに伸縮特性および／または弾性特性のためより目を詰めるまたは開くなど）、剛性（サポートおよびフィットのため）、サイズ（靴のフィットのため）。

一実施形態では、靴アッパーは、トリコット編機またはラッシェル編機などの編機を使用して編まれる。編成は、１つまたは複数のニット層またはタイプ（例えば、外側編地層および内側編地層などの）を編むステップと、１つまたは複数のニット層またはタイプを交差する糸と連結させるステップとにより段階的に実施してもよい。あるいは、編成は、靴アッパーを簡単に１つのステップで編むことができるダブルラッシェル編機を使用して構成してもよい。これは、ダブルラッシェル編機が２つの上述のステップを同時に実施できるためである。

本発明から逸脱することなく、例えば、型抜き、レーザ切断、手動切断などを含む、任意の所望のタイプの切断動作を使用してもよい。また、本発明から逸脱することなく、任意の所望の種類の材料を使用してもよい。材料は、アッパーおよび／または履物構造の他の部分を構成する布帛要素の弾性係数と比較して（例えば、スパンデックス、綿、ポリエステルまたは構造をなす他の布帛要素の耐伸縮性または圧縮力印加性能（ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｖｅ ｆｏｒｃｅ ａｐｐｌｙｉｎｇ ｃａｐａｂｉｌｉｔｙ）と比較して）より高い弾性係数を有する（例えば、引張伸縮力（ｔｅｎｓｉｌｅ ｓｔｒｅｔｃｈｉｎｇ ｆｏｒｃｅｓ）により抵抗のあるおよび／またはより高い圧縮力を提供する）材料であってもよい。さらにいくつかの特定の例として、材料は、タックルツイル製造において一般に使用される材料であってもよく、例えば、カンバスタイプの材料、ポリエステルタイプの材料、熱可塑性ポリウレタン接着材料である。

いくつかの実施形態では、縦編および／または丸編により形成されたシームレスアッパー構成要素は、靴型に装着され、加熱成型されるように構成される。シームレスアッパーは、その後、靴底に取り付けられ、例えば、完成靴が形成される。いくつかの実施形態では、アッパーおよび構成要素の１つまたは両方が支持構造を含み、外骨格、シンチングまたはクローザシステムを形成する場合、アッパーは構成要素に編み込むおよび／または接合させて靴を形成することができる。いくつかの実施形態は中底挿入物を含む。

一実施形態において、アッパーの編布帛は実質的に均一な厚さのものではなく、その代わりに、曲線、***またはパターンを形成する。
一実施形態においては、履物のアッパーのみがシームレスニットのものである。別の実施形態では、アッパーを含む履物全体がシームレスニットのものである。

一実施形態において、布地要素は、参照によって全ての目的のために本願に組み込まれる米国特許第８，１３３，８２４号明細書に開示されるような「立体化（ｄｉｍｅｎｓｉｏｎａｌｉｚｅｄ）」構造である。

一実施形態において、アッパーは、１つまたは複数のシームレスの編はと目を含む、および／または一体的におよび／または同時にアッパーの組み立てと共に組み立てられる。
一実施形態において、アッパーは単一種類のニット構造で構成されている。一実施形態において、アッパーは、単一層で構成されている、および／またはシングルステッチ構成で構成されている。一実施形態において、アッパーは、それが長手方向の縁端を有しないように構成されている。

一実施形態において、アッパーは、複数のニット構造を有する単一種類の布地を組み込むように構成されている。一実施形態において、アッパーは、単一種類のニット構造を有する単一種類の布地を組み込むように構成されている。一実施形態において、アッパーは、複数のニット構造を有する単一種類の布地を組み込む円筒状の布地構造を形成するための丸編機械で構築される。

一実施形態において、アッパーは、シングルニット構造を有する単一種類の布地を組み込む横編布地要素で構成されている。一実施形態において、アッパーは、単一層を組み込む横編布地要素で構成されている、および／またはシングルステッチ構成で構成されている。

一実施形態において、編要素は編成プロセス時に構築される。
一実施形態において、アッパーは編材料および／または層が重なる形態を特徴としない。

一実施形態において、アッパーは、織要素ではない編要素で構成されている。一実施形態において、アッパーは、織要素で構成されていない、および／または実質的に織機で形成された要素で構成されていない。

一実施形態において、履物物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造とを含む。
一実施形態において、履物物品は、アッパーと、アッパーに取り付けられたソール構造とを含み、アッパーは、紐受容要素および／またははと目を含み、アッパーは、紐受容要素の近傍およびソール構造の近傍の領域に延びるストランドを含まない。

一実施形態において、アッパーは、側方側および対向する中央側を有する編要素を含み、編要素は、２つの間隔をおいて配置された編み層の間に形成され、側方側に位置する少なくとも１つの側方チャネルと、２つの間隔をおいて配置された編み層の間に形成され、かつ、中央側に位置する少なくとも１つの中央チャネルとを画定し、側方チャネルおよび中央チャネルのそれぞれは一体型構造で形成されている。

前述は本発明の簡略化した概要であり、本発明のいくつかの態様の理解を提供するものである。この概要は、本発明およびその種々の実施形態の広範囲でも網羅的でもない概要である。本発明の重要または重大な要素を示すことを意図するものでも本発明の範囲を詳述することを意図するものでもなく、以下に示すより詳細な説明への導入として本発明の選択した概念を簡略化した形態で示すことを意図するものである。理解されるように、本発明の他の実施形態は、単独で、または上述のまたは以下に詳細に記載される特徴の１つまたは複数と組み合わせて使用することが可能である。

本開示は、種々の実施形態、構成または態様において、実質的に本明細書中に示されかつ記載される構成要素、方法、プロセス、システムおよび／または装置を含み、それら種々の態様、実施形態、構成、部分組み合わせおよび部分集合を含む。当業者であれば、本開示の理解後、本開示の種々の態様、実施形態、構成、部分組み合わせおよび部分集合をいかに作成し、使用するかを理解するであろう。本開示は、種々の態様、実施形態および構成において、例えば、性能の向上、容易性の達成および／または実施コストの削減のために、従来のデバイスまたはプロセスにおいて使用されている可能性のあるような物品がない場合を含み、本明細書中もしくは本発明の種々の態様、実施形態または構成に図示しないおよび／または記載されない物品がない場合にデバイスおよびプロセスを提供するステップを含む。

本発明の上記説明は例示および説明の目的で提示されてきた。上記説明は、本明細書で開示する１つまたは複数の形状に本発明を限定することを意図するものではない。例えば、上記の発明を実施するための形態において、開示を合理化する目的で、１つまたは複数の態様、実施形態、または構成において、本発明の様々な特徴を併せてまとめている。本開示の態様、実施形態、または構成の特徴は上述のもの以外の代替的な態様、実施形態、または構成と組み合わせてもよい。本開示の方法は、特許請求された開示が各請求項に明示的に記載する以上の特徴を要するという意図を反映するものとして解釈されてはならない。むしろ、下記の請求項が反映するように、発明の態様は、単一の上記開示した態様のすべてではないものの特徴内にある。したがって、以下の請求項はそれによりこの発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項はそれ自体が本発明の個別の好ましい実施形態として自立する。

さらに、本発明の説明は１または複数の態様、実施形態、または構成、一定の変形形態および修正形態の説明を含むが、その他の変形、組み合わせ、および修正は本発明の範囲内にあり、例えば、本開示を理解した後の当業者の能力および知識の範囲内であってもよい。特許請求されているものに対する代替的、互換的および／または同等の構造体、機能、範囲または段階を含む代替的な態様、実施形態、または構成を許容される範囲で含む権利を取得することも意図されている。この場合、このような代替的、互換的および／または同等の構造体、機能、範囲または段階が本明細書に開示されているか否かは関係なく、特許可能な任意の発明の対象を公的に献納するという意図も存在しない。

いくつかの例を示すため、添付の図面が明細書に組み込まれ、明細書の一部分を構成する。これら図面は明細書と共に本発明の原理を説明するものである。図面は、本発明をいかに作成し、使用するかについての好適かつ代替的な例を単に示すものであり、本発明を示しかつ記載した例のみに限定すると解釈されるものではない。

さらなる特徴および利点が、以下に述べられる図面によって示される、以下の、本発明の種々の実施形態のより詳細な説明から明らかになろう。

履物用シームレスアッパーの一実施形態を示す斜視図。 図１Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態を示す底面図。 図１Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態を示す頂面図。 図１Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態の側方４分の３図（ｌａｔｅｒａｌ ｔｈｒｅｅ−ｆｏｕｒｔｈｓ ｖｉｅｗ）。 図１Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態の中央４分の３図（ｍｅｄｉａｌ ｔｈｒｅｅ−ｆｏｕｒｔｈｓ ｖｉｅｗ）。 製織、横編および縦編の概略図。 複数の履物アッパーを形成する１つの方法を示す図。 複数の履物アッパーを形成する別の方法を示す図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 履物がプラスチックディップ工程に供される履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 編はと目の一実施形態を示す斜視図。 編はと目の別の実施形態を示す斜視図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 図８Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態を示す頂面図。 図８Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態を形成する１つの方法を示す頂面図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 トウキャップ補強部がシームレスアッパーに組み付けられていない、図１０Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態の頂面図。 バンプ補強部がシームレスアッパーに組み付けられていない、図１０Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態の頂面図。 ヒールキャップ補強部がシームレスアッパーに組み付けられていない、図１０Ａの履物用シームレスアッパーの実施形態の頂面図。 中物部を備えた履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す側面図。 図１１の中物部を備えた履物用シームレスアッパーの実施形態をさらに説明する切開側面図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す切開側面図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す切開側面図。 履物用シームレスアッパーの別の実施形態を示す斜視図。

本開示は、履物用アッパーおよび履物アッパーを作製するための方法に関する。本発明は、履物アッパーの製造における編成プロセスの適用に関する。好適な一実施形態では、靴の完全にシームレスなアッパー部を作成するための編成プロセスが開示される。このプロセスでは、履物アッパーを１つの工程で形成することができる。このプロセスのいくつかの利点には、製造の容易性および効率、組み立て時間の削減、シームの削減による最高の快適性、およびデザインの自由を含む。方法には、アッパーの製織および／または編成を含む。編成プロセスは、通常、一連のステッチまたはループを相互に連結することによるアッパーの形成を含む。

以下の説明において、および説明の目的のため、本発明の種々の態様の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細を記載する。しかしながら、当業者には、これら特定の詳細なく本発明を実施してもよいことが理解されるであろう。他の例においては、本発明が不明瞭になることを回避するため公知の構造およびデバイスがより全般的に示されるまたは記載される。多くの場合、特に動作がソフトウェアで実施される場合、動作の説明は本発明の種々の形態の実施を可能にするのに十分なものである。開示される発明を適用してもよい多くの異なるおよび代替的な構成、デバイスおよび技術があることに留意されたい。本発明の全範囲は、以下に記載される例に限定されるものではない。

以下の説明は、通常、特定構造の実施形態および方法について述べるものである。本発明を、具体的に開示される実施形態および方法に限定する意思はなく、本発明を他の特徴、要素、方法および実施形態を使用して実施してもよいことは理解されよう。本発明を説明するため、特許請求の範囲に定義されるその範囲を限定することなく好適な実施形態が記載される。さらに、記載される実施形態は本明細書中に明示的にまたは暗に記載されるいずれの１つまたは複数の他の実施形態と組み合わせてもよい。当業者であれば、以下に続く記載における様々な同等変形形態を認識しよう。種々の実施形態における同様の要素は、通常、同様の参照符号により言及される。

本発明の一実施形態においては、履物物品用アッパーは編機で形成される布地要素を含む。本発明の一態様においては、アッパーはシームがないおよび／または一体型構造のものである。編機は布地要素を縦編または横編のいずれかにより形成する構成を有してもよい。

本発明の別の態様は、履物物品を製造する方法に関する。方法は、例えば、円筒状の布地構造を形成するために糸を丸編機械で機械的に操作するステップを含む。加えて、方法は、少なくとも１つの布地要素を布地構造から取り除くステップと、シームレスアッパーおよび／またはシームレス履物全体を形成するため布地要素を履物物品用アッパーに組み込むステップとを含む。

本発明の別の態様では、履物物品はシームレスアッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する。アッパーは、編機で形成される布地要素を組み込む。布地要素は、布地要素の輪郭を含む布地構造から取り外され、布地要素は互いに接合され足を受け入れるための空洞の少なくとも一部を画定する縁端を有する。

一実施形態において、アッパーは、足を快適に受け入れるための内部空洞を画定し、かつ、ソール構造に対して足の位置を固定する布地要素から少なくとも部分的に形成される。布地要素の種々の縁端は、その後、互いに固定され、アッパーの形状を形成する。いくつかの実施形態では、布地要素は、アッパーの全てを形成しても、アッパーのほぼ全てを形成してもよく、布地要素はアッパーのわずか一部であってもよい。

ここで図１〜１６を参照すると、本発明のいくつかの図および構成が示される。図１Ａ〜Ｅに関しては、履物用シームレスアッパーの一実施形態が示される。底部１３０および上部（本明細書中においては「アッパー」または「アッパー部」とも呼ばれる）１２０を備えた履物１００が示される。履物１００は、ヒール部１０３と、トウ部１０２と、バンプ部１０４と、アッパーカバー１０８とを含む。図１Ａ〜Ｅに示す履物１００の実施形態では、３種類のニットを有する履物１００が示される。特に、耐摩耗性ニットを備えたヒール部１０３およびトウ部１０２、支持用ニットを備えたバンプ部１０４、および通気性のある／透かし編みニットのアッパーカバー１０８および底１３０などの残りの部分が示される。バンプ部１０４の支持用ニットは、全般的に、アッパーカバー１０８および底１３０の通気性のある／透かし編みニットに比してより目が詰まったニットのものである。しかしながら、種々のニットは、実質的にまたは完全にシームレスものとなるように構成される。図１Ａは、使用者（図示せず）に着用された履物１００を示す。図１Ａの構成では、アッパーは、履物１００の内部に使用者の足を受け入れるための空洞を形成する。対照的に、図１Ｃは、使用者に着用されておらず、前述の空洞がほぼまたは完全に閉じているときの履物１００の頂面図を示す。一実施形態において、十分に拡張して前述の空洞を形成し、履物１００の内部に使用者の足を受け入れることを可能にするために弾性特性を備えた別のニットがアッパーカバー１０８のアッパー部に取り付けられている。履物１００および／またはアッパー部１２０の他の実施形態では実質的に同じニット材料を含む一方で、履物１００および／またはアッパー部１２０の他の実施形態では複数のニットを含む。

編アッパーは１つまたは複数のサポートおよび／または締め付け領域を有する。１つまたは複数のサポートおよび／または締め付け領域のニット構造は、非締め付け領域内よりも締め付け領域内においてより収縮性のあるエラストマ糸および／またはニットを含んでもよい。さらに、サポートおよび／または締め付け領域は、非締め付け領域のニット構造に比してより頑丈、より丈夫および／またはより多くの荷重を支持することが可能なニット構造を含んでもよい。アッパーの１つまたは複数の領域は透かし編みニットを含む。好ましくは、透かし編みニットは、かなり「通気性のある」ニット構造である。本明細書では、「通気性のある」とは、空気、酸素および水分の１つまたは複数に対する透過性を意味する。

アッパーの１つまたは複数の領域は緩衝ニットを含む。好ましくは、緩衝ニットは、少なくともいくらかの衝撃吸収特性を有するニット構造である。本明細書では、「衝撃吸収」は、例えば、走るまたは歩くときに人の足が地面に当たる際の衝撃エネルギーのような衝撃および／または衝動エネルギーを平滑化する、減衰する、および／または逃がすことを意味する。緩衝ニットは、通常、締め付け領域および中底の１つまたは複数の周りに配置される。

好ましくは、アッパーの１つまたは複数の領域が実質的に耐摩耗性である。より好ましくは、耐摩耗性領域は実質的に摩耗に対して耐久性のあるニット構造を含む。本明細書では、「耐摩耗性」は、機械的および／または摩擦作用による擦れおよび／または削れに対する耐性を意味する。さらにより好ましくは、１つまたは複数の耐摩耗性領域は耐摩耗性ニット構造を含む。耐摩耗性ニット構造の非限定的な例は、高密度ニットおよび耐摩耗性糸および／または耐摩耗性細糸の１つまたは両方を含む。

編アッパーは、任意選択で、１つまたは複数の通気性領域、１つまたは複数の締め付けおよび／またはサポート領域、１つまたは複数の緩衝領域、ならびに任意選択で、１つまたは複数の耐摩耗性領域を有する。さらに、任意の１つまたは複数の通気性領域、締め付けおよび／またはサポート領域、緩衝領域および耐摩耗性領域の任意の１つが、その対応するニット構造に加えて、通気性、締め付けおよび／またはサポート、緩衝および耐摩耗性ニット構造に対応するニット構造を含む。つまり、例えば、通気性領域は、通気性ニット構造を含むのに加え、いくつかの実施形態では、緩衝ニット構造もまた含んでもよい。

図２に関しては、製織、横編および縦編の概略図が提供される。特に、ななこ織ならびに横編および縦編が示される。一実施形態において、履物１００および／またはアッパー部１２０は、横編および縦編材料の１つまたは複数を含む。

布地要素または上述の種々の他の布地要素を形成するため、種々の縦編プロセスまたは横編プロセスを使用してもよい。このプロセスの利点は、布地要素の物理的特性または美観を変更するため、種々のステッチを布地要素の特定の位置に組み込んでもよいことである。従来のアッパーが、縫い付けられたまたは接着的に接合された種々の要素を含む一方で、布地要素は、一個の、単一の材料の要素である。製造の観点では、履物物品に異なる特性を付与するために複数の材料を使用することは非効率な手法となりうる。しかしながら、布地要素を一個の、単一の材料の要素となるように形成することによって、アッパーが多数の接合された要素よりもむしろ単一布地要素を含んでもよいために効率が増加する。

布地要素を形成するために上述のような種々の編成プロセスを使用してもよい。特定の例として、平布地構造を形成するためにジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を使用してもよく、また、布地構造を、スペーサメッシュ布地の形態を有するように形成するためにジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を使用してもよい。略円筒状の形態を示す布地構造とは異なり、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機で形成された布地構造は平坦な構成を有する。しかしながら、布地構造と同様に、布地要素の輪郭を、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機で形成された布地構造に付与してもよい。つまり、布地構造内のステッチの違いにより、目的とする布地要素の形状および寸法を備えた輪郭を形成してもよい。したがって、布地要素を布地構造から取り外し、履物に組み込んでもよい。加えて、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を、様々な質感、種々の特性または種々の糸タイプを布地要素に付与するために使用してもよい。同様に、本発明の範囲内において様々な質感、種々の特性または種々の糸タイプを布地要素に付与するため平編などの他の種類の編成を使用してもよい。

図３および図４に関しては、履物および／またはアッパー部３０２の形成および／または裁断の方法の図を示す。図３および図４のそれぞれにおいて、最も上の領域は、編機（図示せず）から出力された単一の編シート３０１を示す。図３は、いくつかの実施形態では、複数の編アッパー３０２が単一の編シート３０１において形成されることを示す。編成プロセスにおいて複数の編アッパーを形成するプロセスが、個々の編アッパーを形成するプロセスおよび／または織アッパーを形成するプロセスよりも好ましい。図４は、いくつかの実施形態では、編アッパーの一部をなさない編シートの無駄を大幅に削減する構成においてアッパー３０２を単一の編シート３０１上に編むことができることを示す。

図５に関しては、履物用シームレスアッパー５００の別の実施形態の斜視図が示される。図５は、いくつかの実施形態では、ニット要素５０１を、着用者の足の周りの中央側方方向において巻くことができることを示す。他の実施形態では、ニット要素５０１は、着用者の足の周りの前方（トウ）／後方（ヒール）方向において巻くことができる。中央側方方向におけるニット要素５０１を有する実施形態は、着用者の足の周りの中央側方方向において巻かれる１つまたは複数のサポートおよび／または締め付け領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、ニット要素５０１は、例えば、靴を着用者の足に固定するための締めひもシステムの応力であるがこれに限定されない着用者の足の周囲の応力を支持することができる。

いくつかの実施形態では、編アッパー５０４は、編トウ５０２を含む。トウニット構造５０２は、通気性、締め付けおよび／またはサポート、緩衝および耐摩耗性の１つまたは複数を備えたニット構造とすることができる。通気性、締め付けおよび／またはサポート、緩衝および耐摩耗性の１つまたは複数を備えたニット構造は、表目によって、または表目を形成する１つまたは複数の糸によって形成されうる。

他の実施形態では、編アッパー５０４は編ヒール５０３を含む。ヒールニット構造５０４は、通気性、締め付けおよび／またはサポート、緩衝および耐摩耗性の１つまたは複数を備えたニット構造とすることができる。通気性、締め付けおよび／またはサポート、緩衝および耐摩耗性の１つまたは複数を備えたニット構造は、表目によって、または表目を形成する１つまたは複数の糸によって形成されうる。

図６に関しては、履物用シームレスアッパー６００の別の実施形態の斜視図が示される。一実施形態において、図６は、編アッパーを含む靴６００を、プラスチックディップ６１０などであるがそれに限定されない材料でコーティングすることができることを示す。プラスチックディップは、耐摩耗性，耐水性，１つまたは複数のチーム色、装飾的な要素などであるがそれらに限定されない態様を靴に提供してもよい。図６は、プラスチックディップでコーティングされたトウ６０２およびヒール６０３を示す。いくつかの実施形態では、プラスチックディップは靴の所有者によって塗布され、他の実施形態では、プラスチックディップは靴の１つによって塗布されてもよい。「プラスチック」ディップは、当業者には、耐摩耗特性を有し、例えば、天然ゴム、ラテックス、合成ゴムおよび他のファイバで被覆された樹脂状の材料、合成材料、ポリマーおよび天然材料を含むとして公知のあらゆる材料であってもよい。

図７に関しては、編アッパー７００の編はと目の２つの実施形態の斜視図が示される。図７Ａの実施形態では、はと目空隙７０１がアッパー表面に形成される。図７Ｂの実施形態では、はと目ループ７０２がアッパー７００に形成される。はと目は、当技術分野内において公知の表目によって形成された任意の編構造を含んでもよい。

図８Ａ〜Ｂおよび図９に関しては、履物用シームレスアッパーの別の実施形態が示される。図８Ａは斜視図であり、図８Ｂは、シームレスアッパー８０１の実施形態の頂面図である。図９は、シームレスアッパー８０１の実施形態を形成する１つの方法の頂面図であり、編機によって製造されたシームレスアッパー８０１および編バンプ（またはサイド）８０２を示す（その編まれた出力ロールは上部および下部の平行破線として示される）。編アッパー８０１は、１つまたは複数の編サイド８０２、トウ８０３およびヒール８０４のウイングと共に編むことができる。編サイド８０２，トウ８０３およびヒール８０４のウイングは任意のニット構造を含む。さらに、サイド８０２、トウ８０３およびヒール８０４のニット構造は同じとすることも異なるものとすることもできる。いくつかの実施形態では、１つまたは複数の編サイド８０２、トウ８０３およびヒール８０４のウイングは、編アッパー８０１と異なる表目および異なる糸の１つまたは両方を含む。例により限定されることは望まないが、１つまたは複数の編サイド８０２、トウ８０３およびヒール８０４のウイングは、編アッパー８０１の表目および／または糸と異なる、補強および／または耐摩耗性表目および／または糸を含む。いくつかの実施形態では、編サイド８０２、トウ８０３およびヒール８０４のウイングは、筒状ニット構造８０５を含む。非限定的な例では、筒状ニット構造８０５は着用者の足の周りに巻くためのスペーサニットを形成することができる。

図１０Ａ〜Ｄに関しては、履物用シームレスアッパー８０１の別の実施形態が示される。図１０Ａは、この実施形態の斜視図である。図１０Ｂ〜Ｄは、各々のトウキャップ補強部８０３、バンプ（側部）補強材８０２およびヒールキャップ８０４部がシームレスアッパー８０１に組み付けられていない上面図を示す。この実施形態では、編サイドウイング（バンプ）８０２は靴のクオータを形成する。編サイドウイング／バンプ８０２は、より伝統的な靴アッパーの美観を付与するために靴のクオータの周りに巻くことができるスペースメッシュの形態にすることができる。

一実施形態において、編アッパーは、１つまたは複数の中央および／または側方サイドウイング８０２を有する。サイドウイングは、編アッパー８０１の周りの、編アッパー８０１の中央および側方側の１つまたは両方の周りに巻かれてもよい。好ましくは、サイドウイング８０２は、アッパーの中央および側方側および／または編アッパー８０１内に配置された足をさらに支持する。好ましくは、編トウ８０２のウイングおよびヒール８０４のウイングの１つまたは両方が耐摩耗性ニット構造を含む。

図１１に関しては、履物１１００用シームレスアッパーの別の実施形態の側面図が示される。図１１は、編中物１１０１を有する編アッパー１１０２を含む履物１１００を示す。編中物１１０１は、アッパー１１０２とソール１１０３との間に配置される。好ましくは、編中物１１０１はアッパー１１０２をソール１１０３に結合する。編中物１１０１は、編アッパー１１０２のニット構造とは異なるニット構造を含む。一実施形態において、編中物１１０１はソール１１０３を編アッパー１１０２に成形および／または接着的に接合することによって形成される。さらに具体的には、ソール１１０３の、アッパー１１０２への成形時、ソール１１０３を形成するために樹脂が型に注入されると、注入された樹脂が編アッパー１１０２の少なくともいくらかに含浸し、編中物１１０１を形成する。ソール１１０３を編アッパー１１０２に接着的に接合する場合、接着剤を編アッパーに含浸させて、編中物１１０１を形成する。

図１２に関しては、履物用シームレスアッパーの別の実施形態の切開側面図が示される。図１２は、編アッパーのクオータまたはバンプウイング１２０５をソール１２０１の空洞１２０４から通すことによりソール１２０１に接合された編アッパーを含む履物を示す。ソール１２０１は、中物１２０２および表底１２０３を含み、空洞１２０４は、好ましくは、中物１２０１の周りに位置する。

図１３に関しては、履物１３００用シームレスアッパーの別の実施形態の斜視図が示される。図１３は、履物のソール１３０３に接合される編アッパー１３０１を含む編履物１３００を示す。編履物アッパー１３００は複数の空洞１３０２を含む。編履物１３００は、サンダル、スリッパ、水中靴またはそのような履物物品の１つとされうる。ソール１３０３は、編アッパー１３０１に対して接着的に接合される、成形される、および編構成（ｋｎｉｔｔｅｄ ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎ）によって形成される、の１つとすることができる。

図１４に関しては、履物１４００用シームレスアッパーの別の実施形態の斜視図が示される。図１４は、ソール１４０３とフレーム１４０２とに相互連結した編アッパー１４０１を含む靴／履物１４００を示す。フレーム１４０２は、編アッパー１４０１に相互連結されてもされなくてもよい。好ましくは、フレーム１４０２は、フレーム１４０２に相互接続されるか接着されるかのいずれかである。フレーム１４０２は任意の剛性材料または半剛性材料を含んでもよい。本明細書では、「半剛性」は、応力が印加された場合に少なくともある程度の可撓性を有するが、応力により破断しないおよび／または恒久的に歪まない任意の材料を意味する。印加される応力は、一般に、履物に対して生じる応力の範囲内である。履物分野の非限定的な例は、ストリート用、カジュアル用、運動用、工業用、専門家用、作業用、ドレス用および正装用の履物である。好ましくは、フレームは高分子材料を含む。

図１５Ａ〜Ｂに関しては、履物１５００用シームレスアッパーの別の実施形態の切開側面図が示される。図１５は、ソール１５０１および編アッパー１５０２を含む靴／履物１５００の断面平面図を示す。編アッパー１５０２は、１つまたは複数の編アッパー空洞（図示せず）を有する。ソール１５０１は、内底１５０３要素と外部ソール１５０４要素とを相互に連結する少なくとも１つのアーム１０５を含む。編アッパーは、内底１５０３要素を１つまたは複数の編アッパー空洞（図示せず）を通じて通すことによりソール１５０１に相互連結される。１つまたは複数の編アッパー空洞は、好ましくは、１つまたは複数の空洞を編アッパー１５０２内に編むことによって形成される。

図１６に関しては、履物１６００用シームレスアッパーの別の実施形態の斜視図が示される。図１６は、アッパー１６０１内に編まれた複数のチャネル１６０２を有する靴１６００を示す。好ましくは、複数のチャネル１６０２のそれぞれは、部材１６０３を受け入れるように構成されている。部材１６０３のそれぞれは、形状および物理的特性の１つまたは両方において異なることができる。例えば、いくつか部材は、他の部材１６０３よりも多少可撓性のあるおよび／または剛性のあるものであってもよい。さらに、いくつかの部材は、異なる輪郭、幅、長さ、厚さまたはそれらの組み合わせを有してもよい。いくつかの実施形態では、靴１６００の着用者が複数の部材１６０３を選択し、自身の必要および／または足に合うように靴１６００を構成する。部材１６０３はあらゆる材料を含むことができる。好ましくは、部材１６０３は高分子材料を含む。

本開示の種々の実施形態を詳細に記載してきたが、当業者がそれら実施形態の改良形態および変更形態に思い至ることは明らかである。しかしながら、そのような改良形態および変更形態は以下の特許請求の範囲に記載する本開示の範囲および精神内であると明確に理解されるものである。

本発明の上記説明は例示および説明の目的で提示されてきた。上記説明は、本明細書で開示する１つまたは複数の形状に本発明を限定することを意図するものではない。例えば、上記の発明を実施するための形態において、開示を合理化する目的で、１つまたは複数の実施形態において、本発明の様々な特徴を併せてまとめている。本開示の方法は、特許請求された開示が各請求項に明示的に記載する以上の特徴を要するという意図を反映するものとして解釈されてはならない。むしろ、下記の請求項が反映するように、発明の態様は、単一の上記開示した態様のすべてに満たない特徴内にある。したがって、以下の請求項はそれによりこの発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項はそれ自体が本発明の個別の好ましい実施形態として自立する。

さらに、本発明の説明は１つまたは複数の実施形態、一定の変形形態および修正形態の説明を含むが、その他の変形形態、組み合わせ、および修正形態は本発明の範囲内にあり、例えば、本開示を理解した後の当業者の能力および知識の範囲内であってもよい。特許請求されているものに対する代替的、互換的および／または同等の構造体、機能、範囲または段階を含む代替的な実施形態を許容される範囲で含む権利を取得することも意図されている。この場合、このような代替的、互換的および／または同等の構造体、機能、範囲または段階が本明細書に開示されているか否かは関係なく、特許可能な任意の発明の対象を公的に献納するという意図も存在しない。

Claims (20)

1. アッパー部を含む履物物品であって、前記アッパー部が、シームレス編材料を含み、かつ、使用者の足を受け入れるための空洞を画定する足受容部を備えて構成されている、履物物品。
2. 前記シームレス編材料が、自糸ループ編、織り合わせ編、縦編、横編、丸編および平編からなる群から選択される請求項１に記載の履物物品。
3. 前記シームレス編材料が、レーヨン、ポリエステル、ポリアクリル、絹、綿、ウールおよびエラスタンの少なくとも１つを含む、請求項１に記載の履物物品。
4. 前記アッパー部が、エンドキャップ部、バンプ部およびヒール部の少なくとも１つを含む、請求項１に記載の履物物品。
5. エンドキャップ部、バンプ部およびヒール部の少なくとも１つがエラストマ材料を含む、請求項４に記載の履物物品。
6. 前記アッパー部が履物のソールを係合するように構成されている、請求項１に記載の履物物品。
7. 前記アッパー部が、前記アッパーのバンプ部と連通する１つまたは複数の構造挿入物と係合するように構成されている、請求項１に記載の履物物品。
8. 前記アッパー部が履物物品を形成する、請求項１に記載の履物物品。
9. 前記アッパーが複数の編はと目をさらに含む、請求項１に記載の履物物品。
10. 前記編材料が、ステッチタイプおよび糸タイプの少なくとも１つを変えることによって形成される複数の異なる編生地を有する、請求項１に記載の履物物品。
11. 履物物品用アッパーを製造する方法であって、足受容部を含むシームレス編材料を形成するステップと、前記編成プロセス時、前記足受容部内に使用者の足を受け入れるための開口部を形成するステップと、アッパーを形成するステップと、を含む、履物物品用アッパーを製造する方法。
12. 前記形成するステップが、編要素を形成するためにダブルニードル編成プロセスを使用するステップを含む、請求項１１に記載の方法。
13. 前記アッパーが複数の編はと目をさらに含む、請求項１１に記載の方法。
14. 前記アッパー部が履物のソールを係合するように構成されている、請求項１１に記載の方法。
15. 履物物品を製造する方法であって、布地要素を取り囲む布地構造と共に編むステップであって、編まれた前記布地要素がシームレス履物アッパーを形成するように構成される、ステップと、前記編まれた布地要素を前記取り囲む編まれた布地構造から取り外すステップと、前記編まれた布地要素を履物アッパーの物品に形成するステップと、を含む、履物物品を製造する方法。
16. 前記編まれた布地要素が、前記取り囲む編まれた布地構造から取り外す際、ほぼ平坦な構成を有する、請求項１５に記載の方法。
17. 前記編まれた布地要素が、ステッチタイプおよび糸タイプの少なくとも１つを変えることによって形成される複数の異なる編生地を有する、請求項１５に記載の方法。
18. 布地要素を取り囲む布地構造と共に同時に編むステップが、ジャカードダブルニードルバーラッシェル編機を使用するステップを含む、請求項１５に記載の方法。
19. 前記アッパーが複数の編はと目をさらに含む、請求項１５に記載の方法。
20. 前記アッパー部が履物のソールを係合するように構成されている、請求項１５に記載の方法。