JP2014509674A - 改善したオリゴイミドおよびポリイミド - Google Patents

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Abstract

無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、少なくとも1つのEBPA残基、少なくとも1つの芳香族ジアミンの残基、および任意の芳香族非アセチレン性二無水物の少なくとも1つの残基が開示されている。そのようなオリゴイミドまたはポリイミドを得る方法も開示されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素−炭素三重結合を含む新規な架橋性のオリゴイミドおよびポリイミドに関する。また、本発明は、そのような新規な架橋性のオリゴイミドおよびポリイミドを得る方法にも関する。
ポリマーは、他の材料(例えば、金属)の置換材料として長い間使用されている。ポリマーは比較的容易に成形することのできる軽量な材料である点で優れている。しかしながら、ポリマーは、金属と比べて機械的強度が低い。さらにポリマーは耐熱性が低い。
機械的強度および耐熱性の改善されたポリマーの要求は芳香族ポリイミドの開発を促した。芳香族ポリイミドは、芳香族カルボン酸二無水物モノマー(ピロメリト酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス−[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、または3,3’,4,4’−テトラカルボキシフェニル二無水物)と芳香族ジアミンモノマー(4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、メチレンジアニリンまたは3,4’−オキシジアニリンなど)との縮合により典型的には合成される。
ピロメリト酸二無水物と4,4’−オキシジアニリンとの縮合により得られるポリイミドはとりわけ商標Vespel(登録商標)およびMeldin(登録商標)で販売されている。ポリイミドは軽量かつ柔軟であり、および耐熱性かつ耐薬品性に優れる材料を構成する。
さらに、熱硬化したポリイミドは、摩耗性および摩擦性の良好な固有の性質、良好な電気的特性、耐放射線性、良好な極低温度安定性および良好な難燃性を有する。それゆえ、ポリイミドは、電気産業において、磁石ワイヤーの絶縁膜としてのフレキシブルケーブルや医療用チューブとして用いられる。ポリイミド材料は、良好な温度特性が機能的に必須である構造部分として、高温または低温にさらされる部分にも使用される。
航空機や宇宙船に使用するためポリイミドの加工性、機械的特性の改善、変更、維持への改善要求により架橋技術が導入された。ポリマー鎖が架橋するとき、ポリマー鎖は短くなり、機械的特性は維持されまたはさらに改善されるかもしれない。より短いポリマー鎖は、ポリマーの融点での粘度が低くなり、より加工しやすくなり優位である。
そのような架橋技術の例は、ビスマレイミドおよび250℃付近の温度で硬化するナジミドベースPMR樹脂を包含する。しかしながら、そのような熱硬化したポリイミドは、架橋部位がオリゴイミド部位と比較して熱安定性に劣るので、200℃超の温度に長期間さらされ酸化的分解する。
熱安定性を改善する試みにおいて、反応性部分としてフェニルエチニル置換した芳香族種を含む熱硬化ポリイミドが開発された。
特許文献1は、フェニルエチニル末端のイミドオリゴマー(PETI)類を開示する。そのようなオリゴマーは、まず二無水物とわずかに過剰のジアミンとからアミノ末端のアミド酸オリゴマーを調製して、続いて得られたアミノ末端のアミド酸オリゴマーをフェニルエチニルフタル酸無水物(PEPA)でエンドキャップすることによって調製されてよい。当該アミド酸オリゴマーは、続いて脱水され、対応するイミドオリゴマーを与える。
加熱すると、三重結合が反応してエンドキャップされたポリイミドを架橋し、これにより耐熱性および機械的強度をさらに改善する。特許文献1に開示されるように、少なくとも350℃に加熱することが、PETIを硬化するのに必要である。
近年、代替のエンドキャッパーが発表された。特許文献2は、PEPAより低温で硬化し得る5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンを含有するフェニルエチニルトリメリット酸無水物ベースの新規なエンドキャッパー類を開示する。さらに、ポリイミド用のフェニルエチニルベースのエンドキャッパーの架橋を触媒する方法も発表されている(特許文献3参照)。フェニルエチニルトリメリット酸無水物ベースのエンドキャッパーに加えて、Nexam Chemical ABも、架橋リンカーNeximid(登録商標)500(4−(メチルエチニル)無水フタル酸、5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン)を発表している。
しかしながら、いくつかの利用において、PETIの耐熱性および機械的強度をさらに改善する必要がある。特に、PETIの機械的強度をさらに改善することを可能とすることは注目されるだろう。1990年代半ばに、芳香族カルボン酸二無水物モノマーとして5,5’−(パーフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)を用いることにより、耐熱性能の改善されたAFR−PE−4と示されるPETI樹脂が得られた。しかしながら、この樹脂よりもなおさらに加工性、耐熱性および/または機械的強度を改善することの可能性が注目されるだろう。
ポリイミド中に、PEPAの代わりに、エチニルフタル酸無水物(EPA)も架橋剤として用いられている(非特許文献1)。さらに、エチニルフタル酸無水物(EPA)でエンドキャップされたポリイミドも、さらに改善された耐熱性および機械的強度から利益をもたらす。
特許文献4は、アセチレンビスフタルイミドおよび芳香族ジアミンを用い剛直なリニアポリイミドを得ることを開示している。ポリアセチレンイミド、すなわちアセチレンジ(無水フタル酸)と芳香族ジアミンとの分子間縮合から得られるポリイミドが、高ガラス転移温度および良好な耐溶剤性を有することがわかった(おそらく、先行技術のポリアセチレンイミドと比較してポリマー骨格の剛直性が増加したことによる)。
PETIなどのエチニル基変性オリゴマーおよびポリマーの硬化において、硬化温度および架橋反応の収率はエチニル基の運動性によって決定するには広すぎる範囲である。さらに運動性のある基は、より低い硬化温度であり、架橋反応はより高収率となる。したがって、末端の基がオリゴマーおよびポリマーの他の部分と比べてより高い運動性を有するので、架橋反応のため当該技術分野で用いられるエチニル基は、典型的にはオリゴマーおよびポリマーの末端に位置し、架橋される(PETI参照)。
さらに、オリゴマーおよびポリマーの性質は各モノマーの特異性によって決定される。1つのモノマー種の(多くの)変更は、ポリマー特性を損なったものをもたらすかもしれない。それゆえ、末端基を変更することが、ポリマー特性にあまり影響はないので好ましい。
なされてもよい架橋反応の程度は、本質的に架橋する基の割合と関連する。架橋された末端基の割合はポリマーの長さを減少することにより増加するかもしれない。しかしながら、ポリマーの長さを減少することは、耐熱性や特に機械的強度を低くするだろう。さらに、ポリマーの長さが短くなった場合、重合特性が減少し、最終的にはなくなるだろう。
米国特許第5,567,800号明細書 国際特許公報第2011/128431号 国際特許公報第2011/141578号 米国特許第4,973,707号明細書
Hergenrother,P.M.、「Acetylene−terminated Imide Oligomers and Polymers Therefrom」、Am.Chem.Soc, Polymer Preprints、1980年、第21巻、第1号、81〜83頁
このように、当該技術分野において、架橋性のオリゴイミドおよびポリイミドの耐熱性および/または機械的強度を改善する要求がある。
したがって、本発明は、好ましくは無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基(例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基または少なくとも1つの4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基、および少なくとも1つの芳香族ジアミンの残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを提供することにより、上記の当該技術分野の不備および短所のうちの1以上を、単独にまたはいずれかの組み合わせで、軽減、緩和、解消または回避しようとする。加えて、オリゴイミドまたはポリイミドは、芳香族非アセチレン性二無水物の残基を含んでもよい。
さらに、本発明は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、例えば5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、芳香族ジアミン、および任意のさらなる非アセチレン性芳香族二無水物を溶媒中で混合する工程、
約1〜24時間、約20℃〜120℃、例えば20℃〜50℃の温度で混合したモノマーを反応させ、上記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基(例えば、PEPA)、および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3 −ジオン)の残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を得る工程、および
上記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA)の残基および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含む、得られたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を脱水して、オリゴイミドまたはポリイミドを得る工程、
を含む、オリゴイミドまたはポリイミドを得る方法を提供することにより、上記の当該技術分野の不備および短所のうちの1以上を、単独にまたはいずれかの組み合わせで、軽減、緩和、解消または回避しようとする。
本発明の別の態様は、そのような方法によって得られうるオリゴイミドまたはポリイミドに関する。
本発明のさらなる態様は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン、および少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基または少なくとも1つの4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む組成物、および無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン、および少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基または少なくとも1つの4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む物品に関する。
さらに本発明の有利な特徴部は、添付する請求項に定義され、本明細書に開示される実施形態に記載されている。
未硬化状態のEPBA/PEPA樹脂のDSCサーモグラムを示す図である。 硬化状態のEPBA/PEPA樹脂のDSCサーモグラムを示す図である。 EPBA/PEPA樹脂と対応するPEPA樹脂の、それぞれのRDAを示す図である。
(定義)
本願および本発明に関しては、以下の定義が適用される。
本願明細書で使用する場合、単独で、または接尾辞もしくは接頭辞として使用される「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する分枝状および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図されており、炭素原子の特定数が与えられている場合には、その特定数が意図されている。例えば「C1〜6アルキル」は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキルを表す。アルキル基を表す特定数が整数0(ゼロ)であるとき、水素原子が、そのアルキル基の位置における置換基として意図されている。例えば、「N(C0アルキル)」は「NH2」(アミノ)と等価である。
アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
本願明細書で使用する場合、用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子から構成される少なくとも1つの芳香環を含む環構造を意味する。5個、6個、7個および8個の炭素原子を含有する環構造は、単環式芳香族基(例えばフェニル)であるだろう。8個、9個、10個、11個、12個、13個、または14個の炭素原子を含有する環構造は、多環式、例えばナフチルであるだろう。この芳香環は、環の1以上の位置で置換されていてもよい。用語「アリール」は、2個以上の炭素が2つの隣り合う環に共通である2以上の環式環(これらの環は「縮合環」である)を有する多環式環系であって、それら環のうちの少なくとも1つが芳香族であり、例えば、この他の環式環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、および/またはアリールであってもよいものも包含する。
用語「ortho(オルト)」、「meta(メタ)」および「para(パラ)」は、それぞれ1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンに当てはまる。例えば、化合物名1,2−ジメチルベンゼンおよびortho−ジメチルベンゼンは同義である。
本願明細書で使用する場合、用語「置換可能な」は、水素が共有結合で結合されていてもよく、かつその水素の代わりに別の置換基が存在してもよい原子を意味する。置換可能な原子の非限定的な例は、ピリジンの炭素原子を包含する。ピリジンの窒素原子は、この定義によれば、置換可能ではない。さらに、同じ定義によれば、イミダゾールの3位のイミンの窒素は置換可能ではなく、1位のアミン窒素は置換可能である。
本発明の実施例は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基(例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)または5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA))、少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)残基、および少なくとも1つの芳香族ジアミンの残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドに関する。必須はないが、そのようなオリゴイミドまたはポリイミドは、典型的に、芳香族非アセチレン性二無水物の少なくとも1つの残基も含むだろう。
実施形態において、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)残基は、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基、すなわち対応する対称な位置異性体と置換または補完されてよい。Chemistry of Materials、2001年、第13巻、第2472頁〜第2475頁に、4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基の合成は記載されている。
本発明の好ましい実施形態は、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)または5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)の1つまたは2つの残基、少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)残基、および少なくとも1つの芳香族ジアミンの残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドに関する。必須ではないが、そのようなオリゴイミドまたはポリイミドは、典型的に、芳香族非アセチレン性二無水物の少なくとも1つの残基も含むだろう。
PEPA、EBPA、PETA、MEPA、およびEPAの構造とそれらの化合物名を以下に記載する。
5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(フェニルエチニルフタル酸無水物;PEPA)
5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(エチニルビス−フタル酸無水物;EBPA)
5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(4−(フェニルエチニル)無水フタル酸;PETA)
5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(4−(メチルエチニル)無水フタル酸;MEPA)
5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(4−(エチニル)無水フタル酸;EPA)
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の少なくとも1つの残基を含むオリゴイミドまたはポリイミド(例えば、末端基として5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、および少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または分子鎖内の4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基)は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の少なくとも1つの残基を含むだけのオリゴイミドまたはポリイミド(例えば、末端基として5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)残基)と比べてより高密度の架橋が可能である。このように、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミド(例えば、PEPAおよびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の耐熱性および/または機械的強度は、末端にのみ架橋性の基を有するオリゴイミドおよびポリイミド(例えば、1度だけ架橋したPEPA残基)の耐熱性および/または機械的強度と比較して改善されるだろう。
オリゴイミドまたはポリイミド中に存在する非アセチレン性二無水物モノマーのうちの少なくとも1つをEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)で置き換えることにより、架橋性の炭素−炭素三重結合は、オリゴイミドまたはポリイミド鎖に組み込まれてよい。EBPAおよび4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)は、芳香族カルボン酸二無水物でもあるので、オリゴイミドまたはポリイミド鎖へのそれらの挿入はオリゴイミドまたはポリイミドの硬化における影響は限られるだけだろう。
一実施形態において、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミド中の芳香族ジアミンの残基)、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼンの残基または一般式(1)に係るジアミンの残基である。
(式中、アミノ基はベンゼン残基中の任意の炭素原子、すなわち、2位、3位または4位、と2’位、3’位’位、または4’位のそれぞれと結合していてよく、結合していてよく、Xは直接の結合または−0−、−S−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部位である。おそらく、アミノ基は個々のベンゼン残基の3位または4位に結合している。対称ジアミン、すなわち、一般式(1)に係る3,3’位および4,4’位の置換ジアミンは、一般式(1)に係る非対称ジアミン、すなわち3,4’位および4,3’位の置換ジアミンと同様に可能である。
当該技術分野で周知なように、非対称ジアミンおよび二無水物は、高いTgを有し、かつ有機溶媒への樹脂の溶解性とともに向上した加工性および高い溶融流動性を有する、湾曲し回転しにくい嵩高い構造を有するポリイミドを調製するために用いられてよい。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPAおよびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドに包含される好ましい芳香族ジアミンの例は、4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、メチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンおよび3,4’−オキシジアニリンを含む。
一実施形態において、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミド中に任意に存在する芳香族非アセチレン性二無水物の残基は、ピロメリト酸二無水物の残基または一般式(II)に係る二無水物の残基である。
(式中、Gは、直接の結合またはカルボニル基、メチレン基、スルホン基、スルフィド基、エーテル基、−C(O)−フェニレン−C(O)−基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される二価の基を表し、かつGはイソベンゾフラン−1,3−ジオン残基中の4位または5位および4’位または5’位とそれぞれ結合していてよい。)
対称な芳香族非アセチレン性二無水物は芳香族非アセチレン性二無水物と同様に可能である。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドに包含される芳香族非アセチレン性二無水物の好ましい例は、ピロメリック二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス−[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、4,4’,5,5’−スルホニルジスルホン酸無水物、および5,5’−(パーフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)を包含する。
本発明をよく理解するために、PEPAおよびEBPA残基を含む代表的なオリゴイミドの例を以下に示す。
例示のオリゴイミドは、以下のモノマー(反時計方向の)を構成要素とする:PEPA、4,4’−オキシジアニリン、4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−オキシジアニリン、EBPA、4,4’−オキシジアニリン、およびPEPA。
PEPAは、本明細書に開示されるオリゴイミドまたはポリイミドの好ましいエンドキャップ体であるが、他の無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(エチニルフタル酸無水物(EPA)など)も同様に用いられてよい。
さらに、米国特許第5,681,967党明細書に開示されている無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体も用いられてよい。そのような無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の例は式(V)に係る無水物である。
(式中、Wは、
からなる群から選択されるラジカルである。)
国際公開第2011/128431号に開示されるように、式(V)(式中、「W」が−C(O)−)に係る化合物はPEPA(すなわち、式(V)(式中、「W」が直接の結合)になる化合物)と比較して低温で硬化するかもしれない。
本発明者らは、Nexam Chemical ABで商標Neximid(登録商標)500として購入できる、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体として用いられてよい、架橋MEPA(4−(メチルエチニル)無水フタル酸、5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン)を開発した。MEPAは、
ブロモフタル酸無水物、トリエチルアミン、およびトルエンをガラス反応器中、窒素雰囲気下で室温で混合する工程、
ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム、Cul、トリフェニルホスフィンを添加し、50℃に加温する工程、 および
プロピンをガス注入口からゆっくり加える工程、により合成されてよい。
続いて、反応混合物は、ガラスフィルター付きロートで濾過され、乾固するまで溶液を濃縮され、粗製の固体生成物とされてよい。粗生成物は、トルエンから再結晶されて、生成物の純度を向上してよい。
さらに、置換されたPEPAベースのアセチレンのエンドキャップ体は無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体として用いられてよい。そのような置換されたPEPAベースのアセチレンのエンドキャップ体の例は、式(VV)に係る無水物である。
式中、「n」は1〜5の整数であり、例えば1または2であり、好ましくは1であり、および
「n」が1超の整数である場合、R10は互いに独立してハロゲン(フルオロなど)、ニトロ、アリール(フェニルおよびナフチルなど)、ベンジル、フェノキシ、C1〜4のアルキル(メチル、またはtert−ブチルなど)、シアノ、トリフルオロメチル、およびベンゾイルからなる群から選択される。式(VV)に係る化合物において、置換したR10は、フェニル基の置換可能な任意の炭素原子に結合されていてよい。整数「n」が1である場合、R10は、パラ位にあるのが好ましい。無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミド内の種々の残基のモル比は変動してよい。
一例として、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基を含み、低分子量(例えば、20未満のジアミン残基を含む)を有するオリゴイミドまたはポリイミドは、
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオンなど)の1つまたは2つの残基、
少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(1〜10の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基など)、
芳香族ジアミンの1以上20未満の残基、および芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基であり、それ自体が芳香族非アセチレン性二無水物の10〜19個の残基であり、
5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基の合計が20未満である。
さらなる例として、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドであって、中間の分子量(例えば、20以上200未満のジアミン残基を含む)を有するものは、
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の1つまたは2つの残基、
少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(例えば、1〜100個の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン残基など)、
芳香族ジアミンの20以上200未満の残基、および
芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基(芳香族非アセチレン性二無水物の100〜199の残基など)からなるものを含み、
5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基の合計は20以上200未満である。
追加実施例として、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドであって、高分子量(例えば、少なくとも200個のジアミン残基を含む)であるものは、
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の1つまたは2つの残基、
少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(例えば、1〜少なくとも100個の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基
少なくとも200個の芳香族ジアミン残基、および
芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基(芳香族非アセチレン性二無水物の少なくとも100個の残基など)からなるものなどを含んでよく、
5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基の合計は200個であってよい。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA、または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドの重量平均分子量は、約1,000〜10,000(例えば、約2,500〜7,500など)であってよく、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むポリイミドの重量平均分子量は、10,000〜200,000(25,000〜100,000など)であってよい。
これらに限定されないが、当該技術分野で周知なように、オリゴイミドおよびポリイミドの調製は、好ましくは非プロトン性溶媒(ジメチルアセトアミドなど、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドンなど)中で行われる。オリゴイミドおよびポリイミドの調製で用いられる溶媒および溶媒の混合物のさらなる例は、クレゾール、クレゾール/ トルエン、N−メチルピロリドン/オルトジクロロベンゼン、安息香酸、およびニトロベンゼンである。その上、そのような溶媒は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを得るために用いられてよい。
溶媒のもっとさらなる例は、
フェノール溶媒(フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、および3,5−キシレノールなど)、
非プロトン性アミド溶媒(Ν,Ν−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、N−メチルカプロラクタム、およびヘキサメチルホスホロトリアミドなど)、
エーテル溶媒(1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン、およびジフェニルエーテルなど)、
アミン溶媒(ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソホロン、ピペリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリブチルアミンなど)、および
他の溶媒(ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、および水など)
を含む。
さらに、アルカノール(メタノールまたはエタノールなど)は無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを得るために溶媒として用いられてよい。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミの調製において、モノマー:溶媒の重量比は典型的には1:10〜1:1である。同様に無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドは、典型的には、約10〜40wt%に対応するモノマーの乾燥重量で調製される。
オリゴイミドおよびポリイミドは、当該技術分野で、2段階手順でしばしば得られ、モノマーは中間体としてオリゴアミド酸またはポリアミド酸を得るために、室温または少し昇温して、典型的には約20℃〜120℃(25℃〜50℃)などで溶媒に混合される。得られたオリゴアミド酸またはポリアミド酸の中間体は、実質的に水を除去する脱水によって、はるかに高い温度(約180℃など)でイミド化される。
脱水は、化学的になされてもよく、もし無水酢酸が添加された場合は、イミド化が低温(約100〜150℃など)で行われるかもしれない。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドは、同様の手順で得られてよく、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))も溶媒に添加される。EBPAおよび4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)が二無水物であるとき、それらは芳香族非アセチレン性二無水物を置換するかもしれない。しかしながら、好ましくは、EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)は、芳香族非アセチレン性二無水物と同様用いられる。
第1段階、すなわちオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)の形成中の反応温度は典型的には約20℃〜120℃(20℃〜50℃など(例えば、約25℃))である。約1〜24時間後、温度はオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)のオリゴイミドまたはポリイミドへの環化脱水を開始するために上昇されてよい。その温度は、典型的には約170℃〜200℃に上げられる。環化脱水は約3〜24時間行われてよい。
種々のモル比の無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(PEPA、EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)など)、芳香族ジアミン、および任意に芳香族非アセチレン性二無水物が用いられてよい。さらに、連鎖停止剤として作用する芳香族ジアミンおよび/または無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(PEPAなど)の相対モル量は重合の程度を制御するために用いられてよい。
一実施例において、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))、芳香族ジアミン、および任意の芳香族非アセチレン性二無水物の以下の相対モル量は無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを得るために用いられてよい、
ジアミン:1+X
二無水物:Y
EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン):1−Y
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA):Z
ここで、
Xは約0.001〜1(0.01〜0.15など)
Yは約0.01〜0.9(0.1〜0.7など)、および
Zは約0.001〜3(0.02〜0.3など)。
オリゴイミドまたはポリイミドは、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA)でエンドキャップされるとき、二無水物(PEPA)およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の総量と比較してわずかに過剰のジアミンを用いるのが好ましい。
別の実施形態において、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))、芳香族ジアミン、および任意の芳香族非アセチレン性二無水物の以下の相対モル量は無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを得るために用いられてよい:
ジアミン:1.01〜1.2、
二無水物:0.1〜0.9、
EBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン):0.1〜0.9、および無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA):0.01〜0.3
ただし、二無水物およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の相対モル量の合計は1に等しい。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基を含み、種々の重量平均分子量を伴うオリゴイミドまたはポリイミドを得るために用いられてよいモノマーのモル比の例は、以下に提供される。見られるように、エンドキャップ体の相対モル量(例えば示される実施例のPEPA)は、得られるポリマーの分子量に影響を及ぼすだろう。
2000年のDebra Lynn Dunsonの学術論文「Synthesis and characterization of thermosetting polyimide oligomers for microelectronics packaging(マイクロエレクトロニクス包装用の熱硬化性ポリイミドの合成と解析)」は、137〜139頁に、他の分子量を有するモノマーを用いる場合にモル比を計算する指針を示している。さらに、その論文は、他の重量平均分子量の他のオリゴイミドおよびポリイミドを得るための指針も示している。加えて、当該論文はPEPAでエンドキャップされたオリゴイミドおよびポリイミドの調製に関する情報を示す。同様の手段はEBPAおよびPEPA残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを調製するために用いられてよい。さらに、その手順は、PEPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基以外の他の無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを調製するために用いられてよい。従って、2000年のDebra Lynn Dunsonの学術論文「Synthesis and characterization of thermosetting polyimide oligomers for microelectronics packaging」は、参照により本明細書に援用される。
無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA)を添加するよりむしろ、まず、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA)は、芳香族ジアミン、EBPAおよび任意の芳香族二無水物の反応に続いて添加されてよく、すなわち、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA)がEBPA残基を含む得られたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)をエンドキャップするために使用されてよい。続いて、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPA)の残基を含むエンドキャップされたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPAおよびEBPA)の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを得るために環化脱水されてよい。
本発明のさらなる実施形態は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、好ましくは5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを得る方法に関する。そのような方法において、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、例えば、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、芳香族ジアミン、および任意の芳香族非アセチレン性二無水物は溶媒に混合される。溶媒、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、芳香族ジアミン、および 芳香族非アセチレン性二無水物は、本明細書に上述される。モノマーは、続いて無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))を得るために約20℃〜120℃(20℃〜50℃など(例えば、約25℃))の温度で約1〜24時間反応させられる。無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含む得られるオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)は、続いて、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを得るために脱水されてもよい。
当業者によく知られているように、オリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)は種々の方法で脱水されてよい。すでに記載したように、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)は、20℃〜120℃で約1〜24時間の初期反応に続いて、約170℃ 〜200℃に温度を上げて約3〜24時間脱水されてよい。得られた無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAもしくは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドは、その後溶媒を除去して単離されてよい。
さらに、化学的脱水剤(無水物など(例えば、無水酢酸))が添加される場合、イミド化は幾分低い温度(例えば、約120〜150℃)で行われてよい。さらに、他の乾燥剤(オルトエステル(例えば、トリエチルオルトギ酸)、カップリング剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびジシソプロピルカルボジイミド(DIC)のようなカルボジイミド)は化学的脱水剤として用いられてよい。固体支持体上のカップリング剤も化学的脱水剤として用いられてよい。
加えて、イミド化は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)の成形(圧縮成形など)中に起こってよい。圧縮成形において、金型は、金型が閉じられる前に、典型的には軟化点より高い20−50℃に加熱される。イミド化を進めるための加熱および金型を閉じることに続いて、著しく硬化するかもしれない、得られる無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドの架橋はさらに温度を、およそ、例えば、380〜400℃に上げることによって行われる。
ポリ(アミド酸)は通常、熱的イミド化ルートで最終のポリイミドに変換される。利用される具体的な熱的な環化は多く、それらは本質的に2つの異なる種類に分けられうる、
1)ポリイミドの安定性およびTgに応じて、徐々に250℃〜350℃に加熱する工程
2)ポリ(アミド酸)混合物を100℃に加熱し1時間維持し、100℃〜200℃に加熱し1時間維持し、200℃〜300℃に加熱し1時間維持し、および300℃から室温へゆっくり冷却する工程。
ポリ(アミド酸)の化学的イミド化は、粉末を成形する有用な製造技術である。当該プロセスは、本質的に、室温から還流温度でポリ(アミド酸)を脂肪族カルボン酸二無水物および第三級アミンの混合物と処理することからなる。用いられる共通の試薬は、無水酢酸、ピリジンおよびトリエチルアミンである。形成されうる最終的なポリイミドは通常イミド化の混合物に不溶性であり、従って沈殿する。一般に、化学的イミド化技術は、イミド化を完成させかつ少量の溶媒を除去するために約300℃またはTg超の温度に一時的に加熱する最終的な処理を必要とする。
第1段階の高温の溶液重合技術は、重合温度で有機溶媒中に溶解しているポリイミドに用いられる。当該プロセスは高温で沸騰している溶媒中のモノマーの混合物または180℃〜220℃で溶媒の混合物を加熱する工程を含む。反応によって生成する水は溶媒と一緒に共沸混合物として連続的に蒸留して除かれる。共通して用いられる溶媒はニトロベンゼン、m−クレゾールおよび双極性の非プロトン性アミド溶媒である。重合はしばしば触媒(キノリン、第三級アミン、アルカリ金属および亜鉛のカルボン酸塩など)の存在下で行われる。このプロセスは、特に非反応性の二無水物およびジアミンを含む重合に有用である。この方法の興味深い特徴は2段階の方法で得られうる材料より高い結晶度を有する材料をしばしば生成することである。
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に開示される方法によって得られうる無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドに関する。
別の実施形態は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む組成物に関する。当該組成物は、少なくとも1つの追加のポリマー(少なくとも1つの追加のオリゴイミドもしくはポリイミド、ならびに/または少なくとも1つの充填剤、補強剤、顔料、可塑剤および/もしくは当該技術分野で公知の任意の他の添加剤など)をさらに含んでもよい。無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドは、好ましくは組成物の少なくとも10wt%に対応する量(組成物の少なくとも25、40、60、または80wt%など)で存在する。
別の実施形態は、無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む物品に関する。任意に、物品中のオリゴイミド、またはポリイミドは、物品を加熱して架橋される。
そのような物品の例は、エレクトロニクス用のフレキシブルフィルム、ワイヤー隔離、ワイヤーコーティング、ワイヤーエナメル、インク、または耐荷重性構造成分を包含する。無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体(例えば、PEPA、およびEBPAまたは4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン))の残基を含むオリゴイミドまたはポリイミドを含む物品のさらなる例は、成形樹脂/部分、ワイヤーエナメル、フィルム、繊維、プリプレグ、混合物、薄板、コーティング、発泡体、および接着剤を包含する。
さらなる実験を行うことなく、当業者は、上述の説明を用いて、本発明を完全な程度で利用できると考える。上述の好ましい詳細な実施形態は、それゆえ、例示として解釈され、形はどうであれ、開示内容を限定するものではない。
本発明は、上記の具体的な実施形態を参照されるが、本明細書に説明する特異的な形態に限定されることを意図していない。むしろ、本発明は、添付する請求項によってのみ限定され、上記の説明より他の実施形態はこれらの係属する請求項の範囲内において、例えば上記と異なっていても同様に可能である。
請求項において、用語「含む/含んでいる」は、他の要素または工程の存在を排除しない。さらに、個々の特徴部は異なる請求項に包含されてよく、これらは可能なように有利に組み合わされてよく、そして異なる請求項に包含されているものは特徴部の組み合わせが可能ではないおよび/または有利ではないことを意味しない。
加えて、同様の記載は複数存在することを排除しない。用語「1つ」、「第1」、「第2」などは、複数であることを除外しない。
(図面の簡単な説明)
図1は未硬化状態のEPBA/PEPA樹脂のDSCサーモグラムを示す図である。
図2は硬化状態のEPBA/PEPA樹脂のDSCサーモグラムを示す図である。
図3はEPBA/PEPA樹脂と対応するPEPA樹脂の、それぞれのRDAを示す図である。
以下の例は、単なる例であり、本発明の範囲を限定するとは決して解釈されるべきではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
従来の2つのポリイミド合成の方法は第1段階でポリ(アミド酸)を調製し、続いて第2段階でポリマーの環化脱水を行う。第2の段階は熱的、化学的、または溶液方法の何れかによって行われうる。
(一般例)
以下は、目的とする重量平均分子量10,000であるPEPA残基およびEBPA残基を含むオリゴイミドおよびポリイミドを得る一般例である。
メカニカルスターラーおよび窒素注入口を備える反応器に、フレッシュなN−メチルピロリドン(900ml)および4,4’−オキシジアニリン(1.060mol)を加える。得られた混合物を窒素気流下で撹拌し、ジアミンを完全に溶解させる。その後、EBPA(0.500mol)、5,5’−(パーフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(0.500mol)およびPEPA(0.124mol)をN−メチルピロリドン(210ml)を用いてジアミン溶液中に、徐々にゆすぎながら入れる。その後、得られた混合物を一定の窒素気流下で撹拌し、無水物を徐々に溶解させる(通常、数時間以内に完了する。)。反応溶液が均一になった場合、撹拌を同じ条件(室温、窒素パージ)で20時間続ける。典型的には、得られた黄色から暗褐色の透明なポリ(アミド酸)溶液は初期のモノマー溶液より粘度がいくらか高い。
その後、この溶液をそのまま用い、濃縮して用い、事前にイミド化して用いまたは、完全にイミド化して用い、膜または部品を調製する。
成形品を調製するために溶液および膜の成形された部分の例を以下に示す。
(圧縮成形)
異なる厚さの部品および膜を軟化点超の20〜50℃の温度で圧縮成形を用いて調製してよい。
第1に、PEPAおよびEBPA残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を含む溶液から溶媒を除去して得られる粉末のポリ(アミド酸)オリゴマーを事前加熱した金型内に入れ、オリゴマーを融解し、続けて金型を閉じる。圧力を当該金型のアセンブリにかけ、加工の温度を所望の硬化温度(例えば、380−400℃)に高め、硬化温度に1時間保ち、ポリイミドを硬化する。硬化後、温度を徐々に室温に低下させプレスからサンプルの金型を除く。
(溶媒から流し込む工程)
膜の部品をNMPまたはNMP/o−DMBのどちらかからなる溶媒中で調製されたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)の溶液を流し込んで調製してよい。流し込む前に、溶液を濾過して粒子を除いてよい。溶液を85℃に加熱し、溶媒を蒸発させる。固体が得られたとき12時間真空にし、温度を徐々に上げ、8時間超85〜200℃真空下とする。最後に、完全に乾燥したことを確認し、最終温度をオリゴマーのTgより10℃超に上げる。続いて乾燥して、生成物を所望の硬化温度(例えば、380−400℃)で加熱炉中窒素雰囲気で硬化させ、1時間維持し、架橋材料を得てよい。
実施例1
EPBAおよびPEPA残基を含むポリイミド樹脂を200g得るために、EBPA(2mol)、6FDA(ヘキサフルオロ二無水物;2mol)、pPDA(パラフェニレンジアミン;5mol)、およびPEPA(2mol)を4Lのガラス反応器中、メタノール(400g)に混合した。得られた混合物を加熱還流し、合計2時間撹拌した。その後、溶媒をアルミニウム鍋に移し、温度が204℃になるまで2.5℃/minの速度で加熱した。その後、温度が232℃になるまで0.05℃/minで加熱し続け、脆性固体の粉末を製造した。段階分けした脆性固体の粉末すり潰し、完全な真空下3時間371℃で、3’’x3’’(7.6cm×7.6cm)プレートに成形した。
DSCを、それぞれ、段階分けし(図1参照)および硬化した(図2参照)後の粉末に行った。さらにRDA(レオロジー動的分析)を硬化したプレートに対して行った。
図1からわかるように、未硬化粉末のガラス転移温度は約225℃である。さらに、未硬化の粉末は約395℃で発熱する(樹脂の硬化に対応する)。PEPA樹脂の対応する発熱は約35℃低い。したがって、図1は、EBPA残基は架橋していることを示す。以下に示すように(図3参照)、硬化したプレートの材料データもEBPA残基が存在により改善された性質を有する樹脂が得られることを示す。さらに、粉末の硬化には対応する発熱は見られない(図2参照)。
RDA(図3参照)は、ポリイミドにEBPA残基を組み入れることおよび続く硬化により、ポリイミド樹脂の性質がかなり改善されることを示す。PEPA樹脂の黄褐色のピークの差は約690°F(365℃)であり、EBPA/PEPA樹脂の対応するピークはほぼ850°F(455℃)である。さらに、G’(Δ)は、EBPA/PEPA樹脂については800°F超の温度まで比例的に上がるが、PEPA樹脂についてはたった約575°F(302℃)である。このように、EBPA/PEPA樹脂は、対応するPEPA樹脂より高温で使用されうるだろう。
具体的に、増加したガラス転移温度(T)は、濡れTも同様に増加することを暗示することを示唆する。このことは、航空宇宙用途などの湿潤環境で増加した耐熱性を可能とするだろう。さらに、摩擦摩耗および高耐用性が必要な高温にさらされる用途などの用途においての増加した耐久性が可能である。


Claims (31)

  1. 無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、
    少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基または少なくとも1つの4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基、および
    少なくとも1つの芳香族ジアミンの残基、
    を含むオリゴイミドまたはポリイミド。
  2. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が式(V)に係る無水物であり、
    式中Wが
    からなる群から選択されるラジカルであり、
    式(VV)に係る無水物が
    であり、
    式中「n」が1〜5の整数であり、例えば1または2であり、好ましくは1であり、および
    「n」が1超の整数である場合、R10は互いに独立してハロゲン(フルオロなど)、ニトロ、アリール(フェニルおよびナフチルなど)、ベンジル、フェノキシ、C1〜4のアルキル(メチル、またはtert−ブチルなど)、シアノ、トリフルオロメチル、およびベンゾイルからなる群から選択され、または
    無水物は5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)および5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)からなる群から選択される、
    請求項1に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  3. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)および5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)からなる群から選択される、請求項1または2に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  4. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)である、請求項3に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  5. 前記オリゴイミドまたはポリイミドが、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基の少なくとも1つを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  6. 前記オリゴイミドまたはポリイミドが、芳香族非アセチレン性二無水物の少なくとも1つの残基をさらに含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  7. 前記芳香族非アセチレン性二無水物がピロメリト酸二無水物または一般式(II)に係る二無水物である、請求項6に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
    (式中、Gは、直接の結合またはカルボニル基、メチレン基、スルホン基、スルフィド基、エーテル基、−C(O)−フェニレン−C(O)−基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される二価の基を表す。)
  8. 前記芳香族非アセチレン性二無水物が、ピロメリック二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス−[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、4,4’,5,5’−スルホニルジスルホン酸無水物、および5,5’−(パーフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)からなる群から選択される、請求項7に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  9. 前記芳香族ジアミンが、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼンおよび一般式(I)に係るからなる群から選択される、請求項1〜8の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
    (式中、アミノ基が各ベンゼン残基の任意の炭素原子に結合し、およびXが直接の結合または−O−、−S−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部分である。)
  10. 前記芳香族ジアミンが、4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、メチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンおよび3,4’−オキシジアニリンからなる群から選択される、請求項9に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  11. 前記オリゴイミドまたはポリイミドが、
    前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、
    少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(1〜10の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基など)、
    芳香族ジアミンの1以上20未満の残基、および
    芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基(芳香族非アセチレン性二無水物の10〜19残基など)であり、
    ただし、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基の合計数が20未満である、ものを含む、請求項1〜10の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  12. 前記オリゴイミドまたはポリイミドが、
    前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、
    少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(1〜100の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基など)、
    芳香族ジアミンの20以上200未満の残基、および
    芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基(100〜199の芳香族非アセチレン性二無水物の残基など)であり、
    5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基との合計数が20以上200未満である物を含む、
    請求項1〜10の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  13. 前記オリゴイミドまたはポリイミドが、
    前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の1つまたは2つの残基、
    少なくとも1つの5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基(1〜少なくとも100の5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基など)、
    芳香族ジアミンの少なくとも200の残基、および
    芳香族非アセチレン性二無水物の任意の少なくとも1つの残基(少なくとも100の芳香族非アセチレン性二無水物の残基)であり、
    5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)残基と芳香族非アセチレン性二無水物の残基との合計数が少なくとも200である、
    請求項1〜10の何れか1項(請求項1など)に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  14. 前記オリゴイミドまたはポリイミドがオリゴイミドであるとき、前記オリゴイミドまたはポリイミドの重量平均分子量が約2,500〜7,500であり、前記オリゴイミドまたはポリイミドがポリイミドであるとき、前記オリゴイミドまたはポリイミドの重量平均分子量が約25,000〜100,000である、請求項1〜10の何れか1項に記載のオリゴイミドまたはポリイミド。
  15. 5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、芳香族ジアミン、および任意の芳香族非アセチレン性二無水物を溶媒中で混合する工程、
    約1〜24時間、約20℃〜120℃の温度で混合したモノマーを反応させ、前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含むオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を得る工程、および
    前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含む得られたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を脱水して、オリゴイミドまたはポリイミドを得る工程、
    を含む、オリゴイミドまたはポリイミドを得る方法。
  16. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、および前記芳香族ジアミンを5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)と混合する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記脱水が、前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体の残基および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の残基を含む得られたオリゴ(アミド酸)またはポリ(アミド酸)を、約170℃〜200℃で約3〜24時間加熱するなどして行われる、請求項15または16に記載の方法。
  18. 溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クレゾール、クレゾール/トルエン、N−メチルピロリドン/オルトジクロロベンゼン、安息香酸、ニトロベンゼン、メタノールおよびエタノールからなる群から選択される、請求項15〜17の何れか1項に記載の方法。
  19. モノマー:溶媒の重量比が約1:10〜1:1である、請求項15〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が式(V)に係る無水物であり、
    式中Wが
    からなる群から選択されるラジカルであり、
    式(VV)に係る無水物が
    であり、
    式中「n」が1〜5の整数(1または2など(好ましくは1))であり、および
    「n」が1超の整数である場合、R10は互いに独立してハロゲン(フルオロなど)、ニトロ、アリール(フェニルおよびナフチルなど)、ベンジル、フェノキシ、C1〜4のアルキル(メチル、またはtert−ブチルなど)、シアノ、トリフルオロメチル、およびベンゾイルからなる群から選択され、または
    無水物は5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)および5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)からなる群から選択される、
    請求項15〜19の何れか1項に記載の方法。
  21. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が、5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン(EPA)、5−(3−フェニルプロピオロイル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PETA)および5−(プロプ−1−イン−1−イル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(MEPA)からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体が5−(フェニルエチニル)イソベンゾフラン−1,3−ジオン(PEPA)である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記芳香族非アセチレン性二無水物がピロメリト酸二無水物または一般式(II)に係る二無水物である、請求項15〜22の何れか1項に記載の方法。
    (式中、Gは、直接の結合またはカルボニル基、メチレン基、スルホン基、スルフィド基、エーテル基、−C(O)−フェニレン−C(O)−基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される二価の基を示す。)
  24. 前記芳香族非アセチレン性二無水物が、ピロメリック二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、2,2−ビス−[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]−プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、4,4’,5,5’−スルホニルジスルホン酸無水物,および5,5’−(パーフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記芳香族ジアミンが、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼンおよび一般式(I)に係るジアミンである、請求項15〜24の何れか1項に記載の方法。
    (式中、アミノ基が各ベンゼン残基の任意の炭素原子に結合し、およびXが直接の結合または−O−、−S−、−C(O)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH−、3−オキシフェノキシ基、4−オキシフェノキシ基、4’−オキシ−4−ビフェノキシ基、および4−[1−(4−オキシフェニル)−1−メチルエチル]フェノキシ基からなる群から選択される部分である。)
  26. 前記芳香族ジアミンが、4,4’−オキシジアニリン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、メチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンおよび3,4’−オキシジアニリンからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記オリゴイミドまたはポリイミドを得るために用いられる前記無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体、5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)(EBPA)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)、前記芳香族ジアミン、および前記芳香族非アセチレン性二無水物の相対モル量が、それぞれ、
    ジアミン:1.01〜1.2、
    二無水物:0.1〜0.9、
    5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン):0.1〜0.9、および
    無水物ベースのアセチレンのエンドキャップ体:0.01〜0.3、であり、
    ただし、二無水物および5,5’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)または4,4’−(エチン−1,2−ジイル)ビス(イソベンゾフラン−1,3−ジオン)の相対モル量の合計が1に等しい、
    請求項15〜26の何れか1項に記載の方法。
  28. 請求項15〜27の何れか1項に記載の方法によって得られうる、オリゴイミドまたはポリイミド。
  29. 請求項1〜14の何れか1項に記載のオリゴイミドもしくはポリイミド、または請求項28に記載のオリゴイミドもしくはポリイミド、ならびに少なくとも1つの追加のオリゴイミドもしくはポリイミド、少なくとも1つの充填剤、補強剤、顔料、可塑剤および/もしくは任意の他の添加剤を含む組成物。
  30. 請求項1〜15の何れか1項に記載のオリゴイミドもしくはポリイミド、もしくは請求項28に記載のオリゴイミドまたはポリイミド、または
    請求項29に記載の組成物を含む物品。
  31. 前記物品が、エレクトロニクス用のフレキシブルフィルム、ワイヤー隔離、ワイヤーコーティング、ワイヤーエナメル、インク、または耐荷重性構造成分である、請求項30に記載の物品。


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