JP2014508738A - (メタ)アクリル酸製造方法における装置ファウリングの低減方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸製造方法における装置ファウリングの低減方法 Download PDF

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Abstract

本発明は(メタ)アクリル酸製造の分離及び精製工程の間に装置のファウリングを低減する方法であって、該分離及び精製工程の十分に上流でヒドラジド化合物を添加することにより、アルデヒド不純物を早期に除去することにより行う方法を提供する。特に、カルボヒドラジドは、脱水及び精製工程の前に、アルデヒド掃去剤として水性(メタ)アクリル酸に添加されうる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は2010年12月29日に出願された仮出願番号第61/460,245号の優先権を主張し、その明細書の全体を参照により本明細書中に取り込む。
発明の分野
本発明は(メタ)アクリル酸の製造方法に関し、より詳細には、アクリル酸製造の分離及び精製工程の間の装置のファウリングを低減する方法であって、分離及び精製工程の十分に上流でヒドラジド化合物によりアルデヒド不純物を除去することにより行う方法に関する。
発明の背景
(メタ)アクリル酸及びそのエステルは非常に広範な用途のためのポリマーを製造するために産業上重要であり、その用途としては、限定するわけではないが、接着剤、コーティング、フィルム、バイオメディカルキャリア及びデバイス、ならびに、バインダーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸は、とりわけ、3又は4個の炭素原子を含むアルカン、アルカノール、アルケン又はアルケナールの触媒気相酸化により製造されうる。1つの広く利用されている方法は、例えば、プロパン、アクロレイン、tert-ブタノール、イソブテン、イソブタン、イソブチルアルデヒド又はメタクロレインの触媒気相酸化である。これらの出発材料は、一般に、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、飽和炭化水素及び/又はスチームなどの不活性ガスで希釈され、その後、分子酸素を伴って又は伴わずに、混合金属酸化物触媒(例えば、モリブデン、バナジウム、タングステン及び鉄のうちの1種以上を含む)と高温(例えば、200℃〜400℃)で接触されて、(メタ)アクリル酸へと酸化される。
触媒気相酸化の間に多くの並行的反応及び逐次的反応があるので、また、不活性希釈ガスを使用するので、得られる混合ガス生成物は(メタ)アクリル酸だけでなく、不活性希釈ガス、不純物及び副生成物を含み、それらから(メタ)アクリル酸を分離しなければならない。このように、混合生成物ガスを、次に、通常、吸収処理に付して(メタ)アクリル酸をいくつかの副生成物及び不純物から除去し、そして(メタ)アクリル酸溶液を形成する。水又は疎水性有機液体(例えば、限定するわけではないが、トルエン、メチルイソブチルケトン(MiBK)及びジフェニルエーテル)又は(メタ)アクリル酸自体(例えば、精留カラム中のもの)などの吸収溶媒を吸収工程に使用することが知られている。得られた(メタ)アクリル酸溶液を、その後、共沸蒸留もしくは単純蒸留又は結晶化又は抽出などのさらなる分離及び精製工程に付し、粗(メタ)アクリル酸生成物を製造し、それを、意図した最終使用によって、所望の場合にはさらなる精製又は反応に付しても又は付さなくてもよい。
酢酸などの(メタ)アクリル酸から除去するのが比較的に簡単である副生成物の他に、混合ガス生成物は、また、アルデヒド化合物を含み、アルデヒド化合物は(メタ)アクリル酸と親密な関係があるので、(メタ)アクリル酸から分離するのが困難である。酸化生成物中に存在するアルデヒドとしては、通常、例えば、以下の1種以上が挙げられる:ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、フルフラール及びクロトンアルデヒド、ならびに、可能には、無水マレイン酸及びその酸。混合ガス生成物中に存在するアルデヒド化合物の合計量は酸化反応により得られる混合ガス生成物の合計質量を基準として、約2質量%以下であり、又は、さらにそれを超えることもできる。
アルデヒド化合物、特に、より低分子量のC〜C類似体(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピオンアルデヒド)は蒸留カラム、リボイラー及び熱交換器設備などの別の装置内で(メタ)アクリル酸の重合を開始することが報告されている。特に、ホルムアルデヒドはフェノチアジン(PTZ)、ヒドロキノン(HQ)及びヒドロキノンモノメチルエーテル(MeHQ)などの一般的な重合開始剤と接触したときに、固形分に寄与するものと当該技術分野で示されている (米国特許出願公開第2007/0167650号明細書を参照されたい)。フルフラール(C)及びアクロレインも(メタ)アクリル酸の処理においてファウリング寄与因子として報告されている。米国特許出願公開2001/0004960号明細書はフルフラール及びアクロレインを除去するために、粗(メタ)アクリル酸中にアルデヒド掃去剤としてヒドラジンを添加することを教示している。米国特許出願公開第2005/0187495号明細書は、MiBK、トルエンなどの重質溶媒を使用した共沸蒸留による分離及び精製の後に、粗アクリル酸からアルデヒド及びマレイン化合物を除去するためにヒドラジン、ヒドラジン水和物及びそれらの混合物を使用することを記載している。
米国特許第5,961,790号明細書は粗アクリル酸へのヒドラジドの添加により(メタ)アクリル酸からのアルデヒドの除去を教示している。
米国特許第6,179,966号明細書は粗アクリル酸を製造するための通常の共沸蒸留分離に付す前の水性アクリル酸の本質的気化である「蒸発」の前に、水性アクリル酸に対して第一級アミン及び第二級アミン、ヒドラジンならびに関連誘導体及び塩を添加することを開示している。
米国特許出願公開第2001/0016668号明細書は、混合生成物ガスから(メタ)アクリル酸を吸収すること、次いで、溶媒抽出又は共沸蒸留により粗(メタ)アクリル酸を生成することを含む、(メタ)アクリル酸の製造方法を記載している。この方法においてアルデヒド処理化合物を粗(メタ)アクリル酸に添加し、その後、それを真空蒸留に付して高純度の(メタ)アクリル酸を得て、そして真空蒸留により生成した廃棄液体を吸収もしくは分離工程に戻す。アルデヒド処理剤は第一級アミン及び/又はその塩であり、それは、特定のアミンの中でもとりわけ、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジンであってよい。
米国特許第7,393,976号明細書は、とりわけ、硫酸、ヒドラジン化合物、アミン化合物及びヒドラジド化合物であることができるアルデヒド処理化合物を、濃縮水性(メタ)アクリル酸を製造するための吸収及び水除去工程の後に、1つ以上の蒸留カラムに添加することを教示している。
同様に、米国特許第5,482,597号明細書は、蒸留による精製に付す(メタ)アクリル酸溶液を製造するための非水性重質溶媒を用いた吸収の後に、1つ以上の蒸留カラムにC〜Cジカルボン酸のヒドラジン又はジヒドラジンを添加することを記載している。米国特許第5,961,790号及び同第6,228,227号明細書は、両方とも、不活性疎水性有機液体溶媒を含む(メタ)アクリル酸溶液を蒸留による精製に付す、1つ以上の蒸留カラムに有機カルボン酸のヒドラジドなどの第一級アミン又はその塩を添加することを教示している。
本発明は、プロセスの水除去及び蒸留工程の上流で、カルボヒドラジドなどのヒドラジド化合物を添加することにより、ホルムアルデヒドなどのアルデヒドを除去することによる、(メタ)アクリル酸の製造方法における分離装置の下流でのファウリングを低減するためのより有効かつ効率的な方法を提供する。
発明の要旨
本発明は(メタ)アクリル酸の精製の間の装置のファウリングを低減するための方法であって、
A)(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、(メタ)アクリル酸よりも低い沸点を各々有する1種以上のライトエンド化合物、及び、(メタ)アクリル酸よりも高い沸点を各々有する1種以上のヘビーエンド化合物を含む、混合生成物ガスを製造すること、
B)(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、1種以上のライトエンド化合物、1種以上のヘビーエンド化合物及び水を含む、水性(メタ)アクリル酸を前記混合生成物ガスから製造すること、
C)前記水性(メタ)アクリル酸から水の少なくとも一部を除去して、濃縮水性(メタ)アクリル酸を製造すること、
D)前記1種以上のヘビーエンド成分の少なくとも一部を除去することにより前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を精製すること、及び、
E)場合により、前記1種以上のライトエンド成分のさらなる部分を除去することにより、前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を精製すること、
の工程を含む方法を提供する。
より詳細には、本発明の方法は1)水性(メタ)アクリル酸を製造する工程B)の間に、又は、2)工程B)の後に、水性(メタ)アクリル酸に対して、そして水除去及び精製工程C)、D)及びE)のいずれかの前に、又は、3)1)及び2)の両方で、少なくとも1種のヒドラジド化合物を添加することにより、前記水性(メタ)アクリル酸から前記1種以上のアルデヒド化合物の少なくとも一部を除去することを含む。
ヒドラジド化合物は下記式:
N−NHR
(上式中、RはC(O)NH又はC(O)NHNHである)を有する。
ある実施形態において、ヒドラジド化合物はセミカルボヒドラジドである。他の実施形態において、ヒドラジド化合物はカルボヒドラジドである。
ヒドラジド化合物は水性(メタ)アクリル酸中に存在するアルデヒド化合物1モルあたりに0.5〜5モルの量で添加される。
混合生成物ガスから水性(メタ)アクリル酸を製造する工程は混合生成物ガスを、水を含む溶媒による吸収に付し、1種以上のライトエンド化合物の少なくとも一部を除去することにより行うことができる。
発明の詳細な説明
本明細書中に使用されるときに、用語「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸の製造方法は、一般に、関係する技術における当業者によってよく理解されそして実施されており、そして(メタ)アクリル酸を含む混合ガス生成物を製造すること、溶液中に(メタ)アクリル酸を捕獲すること、及び、(メタ)アクリル酸溶液を1つ以上のさらなる精製工程に付すことを含む、プロセス工程の類似のシーケンスを含む傾向がある。本発明の方法は、(メタ)アクリル酸を吸収により捕獲して、水性(メタ)アクリル酸を形成し、その後、さらなる分離及び精製工程の前に水除去工程に付す、製造方法に有利に応用可能である。
より詳細には、本発明は、(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、(メタ)アクリル酸よりも低い沸点を各々有する1種以上のライトエンド化合物、及び、(メタ)アクリル酸よりも高い沸点を各々有する1種以上のヘビーエンド化合物を含む、混合生成物ガスを製造する第一の工程を一般に含む、(メタ)アクリル酸の製造方法において、(メタ)アクリル酸の精製の間の装置のファウリングを低減する方法を提供する。(メタ)アクリル酸を含む混合生成物ガスを製造する方法は特に重要でなく又は限定されないが、1つの方法は3又は4個の炭素原子を含むアルカン、アルカノール、アルケン又はアルケナール、例えば、プロパン、プロペン、アクロレイン、tert-ブタノール、イソブテン、イソブタン、イソブチルアルデヒド又はメタクロレインの触媒気相酸化であろう。酸化反応の出発材料は窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、飽和炭化水素及び/又はスチームなどの不活性ガスで希釈されてよく、その後、分子酸素を伴い又は伴わずに混合金属酸化物触媒(例えば、モリブデン、バナジウム、タングステン及び鉄のうちの1種以上を含む)と高温(例えば、200〜400℃)で接触されてよい。
その後、精製カラムで一般的なとおり、水を含む溶媒又は(メタ)アクリル酸を用いて混合生成物ガスを吸収処理に付すことによるなどして、混合生成物ガスから水性(メタ)アクリル酸を回収する。吸収の間に、1種以上のライトエンド化合物の少なくとも一部を混合生成物ガスから分離する。期待されるとおり、得られる水性(メタ)アクリル酸は(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、1種以上のライトエンド化合物、1種以上のヘビーエンド化合物及び水を含む。その後、(メタ)アクリル酸からライトエンド化合物及びヘビーエンド化合物を除去するようにより特定的に設計された分離工程のための準備において、水の少なくとも一部を水性(メタ)アクリル酸から除去して、濃縮水性(メタ)アクリル酸を製造する。関連する技術の当業者に知られているとおり、任意の従来法によって水性(メタ)アクリル酸から水を除去することができ、その従来法は、例えば、限定するわけではないが、精留、蒸留、抽出又は結晶化である。
下流の分離装置のファウリングを生じさせるポリマー固形分の生成を低減するために、水除去工程の前に、そしてさらなる分離工程及び精製工程の前に、ヒドラジド化合物を水性(メタ)アクリル酸に添加することにより、アルデヒド化合物、例えば、限定するわけではないが、ホルムアルデヒドの少なくとも一部を水性(メタ)アクリル酸から除去する。
ある実施形態において、本発明の方法により、水性(メタ)アクリル酸に対して、その生成(例えば、吸収による)の後に、ヒドラジド化合物を添加することができる。ある実施形態において、ヒドラジド化合物を吸収工程に、すなわち、水性(メタ)アクリル酸の製造(例えば、吸収による)の間に、添加することができる。なおも他の実施形態において、本発明により、ヒドラジド化合物を吸収工程に添加し、また、水性(メタ)アクリル酸に対して、吸収によるその生成の後で、濃縮水性(メタ)アクリル酸の製造のために水を除去する前に、添加することができる。
ヒドラジド化合物は下記式:
N−NHR
(上式中、RはC(O)NH又はC(O)NHNHである)を有する。ヒドラジド化合物はセミカルボヒドラジド、カルボヒドラジド及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。1つの実施形態において、ヒドラジド化合物はカルボヒドラジドである。ヒドラジド化合物は、適切には、水性(メタ)アクリル酸中に存在するアルデヒド化合物1モルあたりに0.5〜5モルの量で添加されうる。例えば、ヒドラジド化合物の添加量はアルデヒド化合物1モルあたりに0.5〜2モル、又は、さらには0.5〜1モルであることができる。
(メタ)アクリル酸溶液からホルムアルデヒドなどのアルデヒドを除去するのに同様の効力を示した、ヒドラジンを含むアミンをベースとするアルデヒド掃去剤とは対照的に、カルボヒドラジドなどのヒドラジド化合物は、健康、安全及び取扱の観点から有意に優しい。
カルボヒドラジド(CBZ)などのヒドラジド化合物をアルデヒド及び他のカルボニル(非酸)化合物を含むストリームと接触させるときに、カルボニルは消費される。例えば、カルボヒドラジドは、水、酢酸、アクリル酸及びそれらの混合物を含む溶液中でホルムアルデヒドと優先的に反応するようである。
さらに、ホルムアルデヒドの最も高い濃度の位置であるアブソーバのすぐ下流でアルデヒドを掃去することにより(すなわち、ヒドラジドを水性(メタ)アクリル酸に、吸収によるその生成の後に添加することにより)、本発明の方法は蒸留カラムの安定性を劇的に改良し、ファウリングを低減しそして資産利用性及び操作性を増加させることができる。驚くべきことに、アルデヒドのヒドラジドでの掃去に関する以前の報告とは対照的に、カルボヒドラジドでの掃去の生成物は(メタ)アクリル酸マトリックス中に可溶性であることも発見された。これは、米国特許第5,482,597号明細書中で堆積物を大きく低減することができたと報告されている重質溶媒又は有機スルホン酸のいずれかの必要性をなくす。
アルデヒド化合物の少なくとも一部を除去するためのヒドラジド化合物による処理の後に、濃縮水性(メタ)アクリル酸を、その後、関係する技術の当業者に知られている任意の適切な様式で、ライトエンド化合物及びヘビーエンド化合物の少なくとも一部が除去されるさらなる精製工程に付すことができる。例えば、濃縮水性(メタ)アクリル酸は、例えば、共沸蒸留又は単純蒸留などの任意の既知の方法により、1種以上のヘビーエンド成分の少なくとも一部を除去することにより精製されうる。さらに、濃縮水性(メタ)アクリル酸は、例えば、共沸蒸留又は単純蒸留などの任意の既知の方法により、1種以上のライトエンド成分の一部を除去することにより精製されうる。
上記に記載した本発明の実施形態は単に例示であり、そして当業者は本発明の精神及び範囲から逸脱することなく変形及び変更を行うことができることは理解されるであろう。すべてのこのような変形及び変更は本発明の範囲に含まれることが意図される。
以下の実施例は本発明の例示であり、その範囲を限定することが意図されない。

例1
水性アクリル酸の製造ユニットサンプルを分取し、そして個々の画分にカルボヒドラジドを装填した。サンプルを各々60℃に30分間加熱し、そして個々のアリコートを、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール及びマレイン酸について分析した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2014508738
例2
凝集剤グレードのアクリル酸(64.99g)、HO(35.01g)、ホルムアルデヒド(0.5g、1.35gの37%ホルマリン溶液として)、マレイン酸(0.5g)及びプロピオンアルデヒド(0.5g)を混合することにより水性アクリル酸の合成溶液を調製した。ホルムアルデヒド(2.89ミリモル)、マレイン酸(0.79ミリモル)及びプロピオンアルデヒド(1.59ミリモル)を含むアリコート(17.41g)を取り出し、そしてカルボヒドラジド(97%純度、0.178g、1.91ミリモル)を添加した。溶液を混合し、そして49.5℃で30分間加熱した。アリコートを取り出し、H NMRにより分析し、そして当初の原料溶液と比較した。NMRによりホルムアルデヒドシグナルを検知せず、そしてプロピオンアルデヒドの多くが消費された。プロピオンアルデヒドの損失はメチル及びメチレン基の消失に基づいた。
例3
ホルムアルデヒド(0.557wt%、0.468モル当量)を含む水性AA溶液にカルボヒドラジド(0.768モル当量)を装填した。溶液を室温に1時間維持し、そしてH NMRにより分析した。このサンプルを標準サンプルと比較し、そして5.4及び4.95ppmでのホルムアルデヒド及び水和物のピークは処理されたサンプルから完全に無くなっていることが判った。
例4
ホルムアルデヒド(0.557wt%、12.33モル当量)、フルフラール(0.013wt%、0.09モル当量)及びベンズアルデヒド(0.018wt%,0.11モル当量)を含む商業生産ユニットからの水性AAのサンプルにカルボヒドラジド(3.77モル当量)を装填した。サンプルを30℃で30分間加熱し、一晩放置した。サンプルをロータリーエバポレータで単一段フラッシュに付し、そしてホルムアルデヒドをオーバーヘッド中(0.164wt%、2モル当量)及びボトム中(0.021wt%、0.41モル当量)に提供した。フルフラール及びベンズアルデヒドに関して同様の分析を オーバーヘッド(それぞれ、0.005wt%、0.02モル当量、0.007wt%、0.02モル当量)及びボトム(それぞれ、0.016wt%、0.009モル当量、0.034wt%、0.02モル当量)中で 行った。
例5
代表的な例として、アクリル酸(65wt%)、水(30wt%)、ホルムアルデヒド(0.65wt%)を含むアクリル酸水溶液を265g/hの速度で共沸蒸留カラムにフィードした。カラムは直径33mmであり、そして30段のオールダーシャウ(Oldershaw)トレーを備えている。スチーム加熱リボイラーを用いてカラム中で蒸気を発生させた。フィードをカラムの中間セクションに添加し、この場合に、第18段トレーに添加した。メチルイソブチルケトン(MiBK)を350g/hの速度で還流フィードとしてトップに添加した。オーバーヘッドを凝縮させ、相分離させ、そして有機層を還流液として戻した。水性層を分析した。ボトム温度をスチームコントローラにより維持し、97〜98℃に設定した。カラムボトム圧力を200mmHgに維持した。リボイラーループ中のボトム抜き取りは製品を提供する。1時間留分を回収し、そしてホルムアルデヒドについて分析した。下記の表中のデータは典型的な5時間運転の間の最後の1時間の運転時間での値を示す(添加剤なし)。
同一の設定を用いた別の実験において、AA(65wt%)、水(30wt%)及びホルムアルデヒド(0.65wt%)を含む水性アクリル酸フィードをカルボヒドラジド(0.29モル)で処理した。混合物を室温で16時間攪拌し、その後、上記のとおりの共沸蒸留カラムにフィードした。最後の1時間から得られた結果を下記の表2に示す。蒸留の間及び後のカラムの試験はファウリング物又はポリマーがないことを示した。
Figure 2014508738
分析標準及び装置
499.741MHzで操作しているバリアンイノバ計器(Varian Inova Instrument)でNMRデータを得た。2秒間獲得時間及び11.1マイクロ秒の90°パルスを用いて35000Hzのスペクトル幅で120.46MHzで一次元13Cスペクトルを得た。FIDディテクタを含むアジレント(Agilent) HP 6890を用いてガスクロマトグラフィーを行った。ホルムアルデヒド測定を充填カラムを用いてHP 6890で行った。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリル酸の精製の間の装置のファウリングを低減するための方法であって、
    A)(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、(メタ)アクリル酸よりも低い沸点を各々有する1種以上のライトエンド化合物、及び、(メタ)アクリル酸よりも高い沸点を各々有する1種以上のヘビーエンド化合物を含む、混合生成物ガスを製造すること、
    B)(メタ)アクリル酸、1種以上のアルデヒド化合物、1種以上のライトエンド化合物、1種以上のヘビーエンド化合物及び水を含む、水性(メタ)アクリル酸を前記混合生成物ガスから製造すること、
    C)前記水性(メタ)アクリル酸から水の少なくとも一部を除去して、濃縮水性(メタ)アクリル酸を製造すること、
    D)前記1種以上のヘビーエンド成分の少なくとも一部を除去することにより前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を精製すること、及び、
    E)場合により、前記1種以上のライトエンド成分のさらなる部分を除去することにより、前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を精製すること、
    の工程を含み、
    その改良点は、
    1)前記水性(メタ)アクリル酸を製造する工程B)の間に、又は、
    2)工程B)の後に、水性(メタ)アクリル酸に対して、そして水除去及び精製工程C)、D)及びE)のいずれかの前に、又は、
    3)1)及び2)の両方で、
    少なくとも1種のヒドラジド化合物を添加することにより、前記水性(メタ)アクリル酸から前記1種以上のアルデヒド化合物の少なくとも一部を除去することを含み、
    前記ヒドラジド化合物は下記式:
    N−NHR
    (上式中、RはC(O)NH又はC(O)NHNHである)を有する、方法。
  2. 前記ヒドラジド化合物はセミカルボヒドラジドである。請求項1記載の方法。
  3. 前記ヒドラジド化合物はカルボヒドラジドである、請求項1記載の方法。
  4. 前記ヒドラジド化合物は前記水性(メタ)アクリル酸中に存在するアルデヒド化合物1モルあたりに0.5〜5モルの量で添加される、請求項1記載の方法。
  5. 水性(メタ)アクリル酸を製造する工程B)は混合生成物ガスを、水を含む溶媒による吸収に付し、1種以上のライトエンド化合物の少なくとも一部を除去することにより行なわれる、請求項1記載の方法。
  6. 工程D)は前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を蒸留することにより、少なくとも部分的に行われる、請求項1記載の方法。
  7. 任意工程E)は前記濃縮水性(メタ)アクリル酸を蒸留することにより、少なくとも部分的に行われる、請求項1記載の方法。
  8. 前記(メタ)アクリル酸はアクリル酸である、請求項1記載の方法。
  9. 混合生成物ガスを製造する工程A)はアルカン、アルケン又はそれらの混合物の気相酸化により行われる、請求項1記載の方法。
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