JP2014506455A - ヒト化抗egfr抗体l4−h3及びそのコード遺伝子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒト化抗EGFR抗体L4−H3及びそのコード遺伝子を開示する。該抗体は、重鎖及び軽鎖からなり、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号3の1位〜145位で表され、前記重鎖定常領域は、ヒト抗体IgG1の重鎖定常領域であり、前記軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号1で表される。

Description

本発明は、抗EGFRヒト化抗体L4−H3、並びにそれらのコード遺伝子及び応用に関する。
上皮成長因子受容体(EGFR)は、上皮成長因子受容体遺伝子(erbB)ファミリーの1メンバーであり、約30%のヒト腫瘍、特に非小細胞肺癌、頭頸部扁平上皮癌及び結腸直腸癌等において過剰発現している。国内外での多くの研究が、EGFRに対する抗体が、リガンドの細胞外での結合を効果的に遮断してEGFRシグナル伝達経路を阻害することによって、EGFRの過剰発現及び変異の少なくともいずれかによって引き起こされる様々なヒト腫瘍、特に頭頸部扁平上皮癌(80%〜100%)、結腸直腸癌(25%〜77%)、及び非小細胞肺癌(40%〜80%)等に対して優れた治療効果を示すことを実証している。上皮成長因子受容体は、現在深く研究がなされ多くの注目を集めている腫瘍の治療標的の1つとなっている。遺伝子工学を使用して抗EGFRモノクローナル抗体を研究し作製することが、腫瘍免疫治療における研究のホットスポットの1つとなっている。
2004年及び2006年には、米国FDAが、結腸直腸癌の治療のためのEGFRに対するマウス−ヒトキメラ抗体セツキシマブ及び完全ヒト抗体パニツムマブを順調に承認し、2005年には、抗EGFRヒト化抗体ニモツズマブが、中国国家食品薬品監督管理局(SFDA)によって承認される新薬登録証の第1のクラスを取得し、現在では、その第II相/第III相の臨床試験が行われている。ヒトの体内で使用される場合、マウス由来のモノクローナル抗体は、ヒト抗マウス抗体反応を引き起こし、それによってその機能に負の影響を与え得る。遺伝子工学技術を用いて設計されたマウス−ヒトキメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体の免疫原性を大きく低下させ、体内における抗体の半減期を延長させ、ヒト免疫グロブリンのFcフラグメントと協力して免疫調節及びADCC作用を仲介し、これによって抗体の生物学的効果を高める。しかしながら、キメラ抗体の抗原に結合する能力は、マウス由来の抗体のものよりも98.7%低い。多くの前臨床試験及び臨床試験により、セツキシマブが、単独及び化学療法/放射線療法との組合せで、優れた治療効果を示すことが実証されている。しかしながら、単純なCDRグラフトは、抗原と抗体との結合親和性の低下を引き起こす傾向がある。パニツムマブは、トランスジェニックマウス技術を用いて作製された完全なヒト抗体であり、キメラ抗体及びヒト化抗体と比べて、ほぼ100%のヒト化配列を有し、抗体と標的との間の結合親和性を大幅に高める。しかしながら、このような抗体は、マウスグリコシル化パターン、半減期の短縮、及び更なる過敏症等の欠点を示す。ニモツズマブは、抗EGFRマウス由来モノクローナル抗体のヒト化工学によって得られたヒト化抗体である。抗体の軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子は、発現のためにそれぞれ異なる発現ベクターに連結されている。軽鎖発現と重鎖発現との間には大きな差があるので、それが完全な抗体分子の発現レベルを非常に低下させる傾向がある。
本発明の1つの目的は、抗体及びそのコード遺伝子を提供することにある。
本発明によって提供される抗体は、重鎖及び軽鎖からなり、前記重鎖は、重鎖可変領域を重鎖定常領域に結合させることにより形成され、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号3の1位〜145位で表され、前記重鎖定常領域は、ヒト化抗体IgG1の重鎖定常領域であり、前記軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号1で表される。
具体的には、上述の抗体の重鎖のアミノ酸配列は、配列番号3で表すことができる。
上述の抗体の軽鎖のコード遺伝子は、
I)配列番号2の85位〜726位で表されるか、又は配列番号2の9位〜729位で表されるヌクレオチド配列、
II)I)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記軽鎖をコードするDNA分子、又は
III)I)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記軽鎖
をコードするDNA分子
で表される。
上述の抗体の重鎖のコード遺伝子は、
1)配列番号4で表されるヌクレオチド配列、
2)1)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記重鎖をコードするDNA分子、又は
3)1)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記重鎖をコードするDNA分子
で表される。
上述のコード遺伝子のいずれかを含む組換えベクター、組換え株、組換え細胞、又は発現カセットもまた、本発明の保護範囲に入る。
上述の組換えベクターは、具体的には、軽鎖のコード遺伝子を、ベクターpIRESのNhe I制限酵素認識部位及びEcoR I制限酵素認識部位の間に、Nhe I制限酵素認識部位からEcoR I制限酵素認識部位の方向に挿入して中間組換えベクターとしての組換えベクターを得る工程、及び、重鎖のコード遺伝子を、中間組換えベクターのXba I制限酵素認識部位及びNot I制限酵素認識部位の間に、Xba I制限酵素認識部位からNot I制限酵素認識部位の方向に挿入する工程を含む方法によって作製した組換え発現ベクターであってもよい。得られた組換えベクターは、目的の組換え発現ベクターである。
上述の組換え細胞は、特に、上述の組換え発現ベクターを開始細胞に導入することによって得られた組換え細胞であってもよい。
ここで、開始細胞は293T細胞である。
上述の抗体のいずれかを作製する方法もまた、本発明の保護範囲に入る。
上述の抗体のいずれかを作製する方法は、上述の組換え細胞を培養する工程、及び上清を回収して抗体を得る工程を含むことができる。
組換え細胞の培養中に、抗体の軽鎖及び抗体の重鎖がそれぞれ発現され、抗体の軽鎖及び抗体の重鎖は、抗体へと自己組織化される。
本発明の別の目的は、上皮成長因子受容体のシグナル伝達経路を阻害する阻害剤を提供することにある。
本発明において提供される上皮成長因子受容体のシグナル伝達経路を阻害する阻害剤の有効成分は、上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかである。
本発明の別の目的は、腫瘍細胞の浸潤を阻害する阻害剤を提供することにある。
本発明において提供される腫瘍細胞の浸潤を阻害する阻害剤の有効成分は、上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかである。
本発明の別の目的は、腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかのための製品を提供することにある。
本発明において提供される腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかのための製品の有効成分は、上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかである。
上述の阻害剤または製品においては、腫瘍は結腸癌であり、腫瘍細胞はSW480細胞である。
上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかの、上皮成長因子受容体のシグナル伝達経路を阻害する阻害剤の製造のための使用もまた、本発明の保護範囲に入る。
上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかの、腫瘍細胞浸潤を阻害する阻害剤の製造のための使用もまた、本発明の保護範囲に入る。
上述の抗体、上述のコード遺伝子、上述の組換えベクター、上述の組換え株、上述の組換え細胞、及び上述の発現カセットの少なくともいずれかの、腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかのための製品の製造のための使用もまた、本発明の保護範囲に入る。
上述の用途においては、腫瘍は結腸癌であり、腫瘍細胞はSW480細胞である。
本発明の最後の目的は、タンパク質フラグメント、及びそのコード遺伝子を提供することにある。
本発明において提供されるタンパク質フラグメントのアミノ酸配列は、配列番号3の1位〜145位で表される。
本発明において提供されるタンパク質フラグメントのコード遺伝子は、
a)配列番号4の1位〜435位で表されるヌクレオチド配列、
b)a)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、タンパク質フラグメントをコードするDNA分子、又は
c)a)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記タンパク質フラグメントをコードするDNA分子
で表される。
図1は、軽鎖遺伝子及び重鎖可変領域遺伝子のPCR増幅産物のアガロースゲル電気泳動のプロットである。 図2は、本発明の抗体を含む発現ベクターの概略図である。 図3は、本発明の抗体の還元SDS−PAGE分析である。 図4は、本発明の抗体の免疫ブロット分析である。
特に断りがない限り、以下の実施例において使用した実験方法は、全て従来の方法である。
特に断りがない限り、以下の実施例で使用される材料及び薬剤等は、全て市販されている。
pIRESバイナリ発現ベクターを、Clontech Incorporationから製品カタログ番号:631605で購入し、pMD18−T発現ベクターを、Takara Bio Companyから製品カタログ番号:D504 CAで購入した。
ベクターpIRES−Anti−CD20は、軍事医学科学院バイオテクノロジー研究所から公開された「Anti−CD20キメラモノクローナル抗体の構築、発現及び特性評価,China Biotechnology 2005,25(7):34−39」に開示されている。
実施例1 抗体の軽鎖及び重鎖可変領域のコード遺伝子の取得
マウス−ヒトキメラ抗体セツキシマブのタンパク質構造及びアミノ酸配列は、新規抗体のコンピュータモデリング設計のための鋳型として使用される。設計に続いて、軽鎖のこれらのアミノ酸配列、及び重鎖の「可変領域+重鎖定常領域1」のアミノ酸配列に基づく遺伝子の合成工程が行われる。
本発明の抗体は、軽鎖L4及び重鎖H3から構成され、前記重鎖H3は、重鎖可変領域(VH)、重鎖定常領域1(CH1)、ヒンジ領域、重鎖定常領域2(CH2)、及び重鎖定常領域3(CH3)から構成される(H3=VH+CH1+ヒンジ+CH2+CH3)。本発明の抗体を、L4−H3とした。
軽鎖L4:アミノ酸配列は、配列番号1で表され、コード遺伝子の配列は、配列番号2の85位〜726位で表される。
重鎖H3:アミノ酸配列は、配列番号3で表され、コード遺伝子の配列は、配列番号4で表される。
配列番号3において、1位〜145位のアミノ酸が重鎖可変領域(VH)であり、146位〜243位のアミノ酸が重鎖定常領域1(CH1)であり、244位〜258位のアミノ酸がヒンジ領域であり、259位〜369位のアミノ酸が重鎖定常領域2(CH2)であり、370位〜475位のアミノ酸が重鎖定常領域3(CH3)である。
配列番号4において、1位〜435位のヌクレオチドが重鎖可変領域(VH)遺伝子であり、436位〜729位のヌクレオチドが重鎖定常領域1(CH1)遺伝子であり、730位〜739位のヌクレオチドがスプライスドナーであり、740位〜1,117位のヌクレオチドがイントロン1であり、1,118位〜1,162位のヌクレオチドがヒンジ領域であり、1,163位〜1,280位のヌクレオチドがイントロン2であり、1,281位〜1,613位のヌクレオチドが重鎖定常領域2(CH2)であり、1,614位〜1,710位のヌクレオチドがイントロン3であり、1,711位〜2,031位のヌクレオチドが重鎖定常領域3(CH3)であり、2,032位〜2,230位のヌクレオチドがイントロン4である。
重鎖H1の「可変領域+定常領域1」:コード遺伝子の配列は、配列番号5で表される。
軽鎖L4のコード遺伝子は、人工合成によって得られた(即ち、配列番号2の9位〜729位のヌクレオチドは、人工的に合成された)。重鎖H3の「定常領域2+定常領域3」のコード遺伝子(即ち、配列番号4の730位〜2,230位のヌクレオチド)は、人工合成によって得ることができ、ベクターpIRES−Anti−CD20の酵素消化によって得ることもできる。
重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子は、人工合成によって得ることができ、配列番号5で表されるコード遺伝子を人工合成する以下の方法によって得ることもできる。配列番号5で表される人工的に合成したコード遺伝子を鋳型として使用し、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子を、重複PCR法を用いて、プライマー1、プライマー2、プライマー3、プライマー4、プライマー5及びプライマー6から増幅することによって得た。フラグメント(A、B、及びCと名付けた)を、プライマー対1及び3、プライマー対4及び5、並びにプライマー対6及び2を用いてそれぞれ増幅した。次いで、増幅したA、B及びCを鋳型として混合し、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」の標的コード遺伝子を、プライマー1及びプライマー2で増幅した。
1: 5’−gtgtctagagccgccaccatggactgga−3’ (XbaI);(配列番号6)
2: 5’−gggatccacttacctgttgctttct−3’ (BamHI);(配列番号7)
3: 5’−atccactcaagtctttgtccaggggcctgtcgcacccagtggacgccgtagttagtcaggctgaatccag−3’ (配列番号8)
4: 5’−gagtggatgggagtgatctggagtggtggtaacactgactacaacacccccttcactagcagagtcacc−3’ (配列番号9)
5: 5’−gaccagggttccctggccccagtaggcgaactcgtagtcgtaataagtcagggctctcgcacag−3’ (配列番号10)
6: 5’−cctactggggccagggaaccctggtcaccgtctcctcagcctccaccaagggcccatcg−3’ (配列番号11)
得られたそれぞれの遺伝子についてゲル電気泳動分析を行い、結果は予想されたサイズと一致した。軽鎖L4のフラグメントサイズは、約720bpであり、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子のサイズは、約729bpである(図1)。M:相対分子量標準、A:レーン1は、軽鎖L4のコード遺伝子であり、B:レーン1は、重鎖H1の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子であり、レーン3は、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子である。
得られた軽鎖のコード遺伝子、及び重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子を、ベクターpMD18−Tにそれぞれクローニングし、大腸菌DH5aを形質転換し、モノクローナル株を選択し、プラスミドを抽出し、識別のためにシークエンシングした。結果は、配列番号2の9位〜729位のヌクレオチドで表されるDNA(即ち、軽鎖のコード遺伝子)がベクターpMD18−Tに挿入されたことを実証し、組換えベクターをpMD18−T/L4とした。配列番号4の1位〜729位で表されるヌクレオチド(即ち、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のコード遺伝子)をベクターpMD18−Tに挿入し、組換えベクターをpMD18−T/VH+CH1とした。
実施例2 抗体の発現及び精製
A.組換え発現ベクターの構築:
組換えベクターpMD18−T/L4及びpIRESバイナリ発現ベクターを、対応する制限エンドヌクレアーゼ(Nhe I及びEcoR I)でそれぞれ酵素消化した。アガロースゲル電気泳動後、精製された標的フラグメントを回収した。軽鎖遺伝子フラグメントL4とベクター断片とを混合し、リンキング剤の作用の下で、16℃で12時間互いに反応させた。大腸菌DH5aを形質転換し、モノクローナル株を選択し、プラスミドを抽出し、識別のためにシークエンシングした。結果:配列番号2における9位〜729位のヌクレオチドで表される軽鎖のコード遺伝子を、ベクターpIRESのNhe I制限酵素認識部位及びEcoR I制限酵素認識部位の間に(Nhe I制限酵素認識部位からEcoR I制限酵素認識部位の方向に)挿入した。構築した組換えベクターは正しいことが実証され、これを組換え発現ベクターpIRES/L4とした。
プラスミドの大型フラグメントを、pIRES/L4を鋳型として使用し、Xba I及びNot Iでの酵素消化によって回収し、フラグメント1とした。約729bpのフラグメント(即ち、重鎖H3の「可変領域+定常領域1」のフラグメント)を、pMD18−T/VH+CH1を鋳型として使用し、Xba I及びBamH Iでの酵素消化によって回収し、フラグメント2とした。約1502bpのフラグメント(即ち、「重鎖の定常領域2+定常領域3」を含むフラグメント)を、pIRES−Anti−CD20を鋳型として使用し、BamH I及びNot Iでの酵素消化によって回収し、フラグメント3とした。フラグメント1、フラグメント2、及びフラグメント3を、組換えベクターを得るために連結し、大腸菌DH5aを形質転換し、モノクローナル株を選択し、プラスミドを抽出し、識別のためにシークエンシングをした。結果は、配列番号4で表される重鎖のコード遺伝子が、ベクターpIRESのXba I制限酵素認識部位とNot I制限酵素認識部位との間に(Xba IからNot Iの方向に)挿入され、配列番号2における9位〜729位のヌクレオチドで表される軽鎖のコード遺伝子が、ベクターpIRESのEcoR I制限酵素認識部位とNhe I制限酵素認識部位との間に(Nhe IからEcoR Iの方向に)挿入され、IRES(内部リボソーム導入部位IRESは、独立してリボソームを補充して重鎖のmRNAを翻訳し得る)が、軽鎖のコード遺伝子と重鎖のコード遺伝子との間に配置されたことを実証した。陽性の組換え発現ベクターを、pIRES/L4/H3とした(図2)。
B.抗体のベクター形質転換及び発現
293T細胞(293Tヒト胎児腎臓T細胞)を、American Type Culture Collection(ATCC)から製品カタログ番号CRL−11268で購入し、リポフェクタミン2000を、Invitrogen Corporationから製品カタログ番号12566014で購入し、HyQSFM4CHO培地を、HyClone Incorporationから製品カタログ番号SH30518.02で購入し、rProtein Aクロマトグラフィーカラムを、GE Incorporationから製品カタログ番号17−5079−01で購入した。
293T細胞を、直径10cmの培養皿に1×10/mLの濃度でそれぞれ植菌した。培養皿を、10%のウシ胎仔血清を含むDMEM培地で充填し、5%のCOインキュベーター中で37℃で培養した。工程Aにおいて得られた5μgのプラスミドpIRES/L4/H3を、薬剤リポフェクタミン2000の説明に従った詳細な操作で、293T細胞に導入するのに使用した。組換え細胞293T−pIRES/L4/H3が得られた。
組換え細胞293T−pIRES/L4/H3を、無血清DMEM培地で培養した。6時間〜8時間後、無血清培地を取り除いてHyQSFM4CHO培地と交換した。同じ条件で合計84時間培養を続け、細胞の上清を12時間毎に一回回収した。次いで、ELISA法を用いて抗体の発現を大まかに評価した。トランスフェクションシステムを増幅し、4L〜5Lの細胞培養上清を回収し、それをpH6.0〜pH7.0に調整し、0.45μmのフィルター膜を介して濾過し、次いで抗体をrProtein Aクロマトグラフィーカラムにより製品の説明に従った詳細な操作で精製した。
ELISA:未知の抗原を分析するための、二重抗体サンドイッチ法:
1.コーティング:タンパク質の濃度が1μg/mL〜10μg/mLになるまで抗体(一次抗体は、ヤギ抗ヒトIgGである)を希釈するために、0.05M及びPH9.0の炭酸コーティング緩衝液を使用した。ポリスチレンプレートの各反応ウェルに0.1mLを添加し、4℃で一晩置いた。翌日、ウェル内の溶液を捨て、プレートを、洗浄緩衝液で3回、それぞれ3分間洗浄した(洗浄と簡略化し、以下同様である)。
2.充填:コーティングされた反応ウェルを、0.1mLの試料で充填し、一定の割合に希釈し、37℃で1時間インキュベートし、洗浄した。また、ブランクのウェル、陰性対照ウェル(導入されていないプラスミドの293T細胞の上清)及び陽性対照ウェル(セツキシマブ注射液(エルビタックス),輸入医薬品認可番号:S20050095 MERCK &CO. INC.,ドイツ,製品ロット番号:7667201)を充填した。
3.酵素標識抗体(二次抗体は、ヤギ抗ヒトIgG−HRP(ヤギ抗ヒトIgG−西洋ワサビペルオキシダーゼ)である)の添加:0.1mLの新たに希釈した酵素標識抗体(滴定後の希釈)を、各反応ウェルに添加し、37℃で0.5時間〜1時間インキュベートし、洗浄した。
4.発色基質溶液の添加:0.1mLの一時的に作製したTMB基質溶液を、10分間〜30分間、37℃で各反応ウェルに添加した。
5.反応のクエンチング:0.05mLの2M硫酸を、各反応ウェルに添加した。
6.結果の評価:結果は、白を背景にして肉眼で直接観察してもよく、ここで、反応ウェルの内部の色がより深い程、より強い陽性を示しており、陰性反応は、無色であるか又は非常に明るかった。「+」及び「−」の指標を、色の程度に従って使用した。OD値の測定:ブランクの対照ウェルでのゼロ点調整後、各ウェルのOD値を、ELISA装置上で450nmで(ABTSで着色されている場合は、410nmで)測定した。OD値が、所定の陰性対照の値より2.1倍を超えて大きい場合は、陽性であった。
薬剤
(1)コーティングバッファー(PH9.6及び0.05Mの炭酸塩緩衝液):1.59gのNaCO、及び2.93gのNaHCOに蒸留水を加えて1000mLにした。
(2)洗浄緩衝液(pH7.4のPBS):0.15M:0.2gのKHPO、2.9gのNaHPO・12HO、8.0gのNaCl、0.2gのKCl、及び0.5mLの0.05%のTween−20に蒸留水を加えて1000mLにした。
(3)希釈:0.1gのウシ血清アルブミン(BSA)を洗浄バッファーに添加して全体で100mLとするか、又は、ヤギ血清及びウサギ血清等を使用する洗浄溶液とともに5%〜10%に調製した。
(4)クエンチング溶液(2MのHSO):178.3mLの蒸留水を、21.7mLの濃硫酸(98%)に滴下した。
リン酸ナトリウム緩衝液(結合緩衝液):Protein Aを精製するための結合緩衝液。作製の方法:57.7mLの1MのNaHPO及び42.3mLの1MのNaHPOを均一に混合して、100mLの0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を得、これを次いで蒸留水によって使用できる状態の20mMに希釈した。
クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液(抽出緩衝液):Protein Aを精製するための抽出緩衝液。作製の方法:186mLの0.1Mのクエン酸及び14mLの0.1Mのクエン酸ナトリウムを均一に混合して、200mLの0.1Mのクエン酸塩緩衝液(pH3.0)を得た。
抗体は、rProtein Aクロマトグラフィーカラムで精製した(精製培地:5mLのHiTrap rProtein A FFを、GE Incorporationからロット番号:17−5079−01で購入した)。詳細な使用方法の説明については、本企業が提供する説明を参照。
手順:
1)チューブを、1MのNaOH及びddHOによってこの順で洗浄し、小型フィルターを0.1MのNaOH中で10分間煮沸し、次いでそれをddHOへ1分間〜2分間浸漬し、
2)プログラムを設定してrProtein Aアフィニティークロマトグラフィーカラムを接続し、
3)20mMの結合緩衝液(pH7.0)を用いてクロマトグラフィーカラムを平衡化し、
4)調整した細胞上清を1mL/分〜2mL/分の流量で充填し(前記細胞上清の調整:12,000gで15分間の遠心の後に上清を取り出し、次いで該上清をろ過滅菌用の0.22umの硝酸セルロースフィルター膜を通過させる)、
5)充填の終了直前に1Mの抽出バッファー(pH3.0)で標的タンパク質を抽出し、
6)抽出溶液(即ち、標的タンパク質)を回収し、トリス塩基(pH9.0)を用いてpHを7.0に調整し、次いで電気泳動によって分析し、
7)工程1)に記載のチューブ及び小型フィルターを洗浄する。
C.タンパク質の分析
ヤギ抗ヒトIgG−HRP抗体を、Sigma Corporationから製品カタログ番号(046K4801)で購入し、ヤギ抗マウスIgG1を、SBA(Southern Biotechnology Associates, Inc.)から製品カタログ番号(1010−05)で購入した。
SDS−PAGE:15μLの抽出溶液(即ち、抗体溶液)を取り出して12%のゲル上で還元SDS−PAGE電気泳動を行い、クマシーブリリアントブルーR−250で染色した。
結果は、精製して得られた抗体の重鎖及び軽鎖の相対分子量が、それぞれ25×10及び50×10であることを示し(図3)、予想された結果と一致した。図3において、レーン1〜レーン4は、本発明の抗体L4−H3を表し、レーン5は、陽性対照セツキシマブを表す。
免疫ブロット分析:抽出溶液の別の部分を取り出して12%のゲル上で還元SDS−PAGE電気泳動を行い、次いで硝酸セルロース膜に転写した。次いで、膜を取り出し、室温で2時間ブロッキング緩衝液(5%の脱脂粉乳を含む1×PBST)中でブロッキングし、1:5,000で希釈したヤギ抗ヒトIgG−HRP抗体とともに2時間(室温で)インキュベートし、次いで1×PBSTで3回洗浄した。最後に、膜をECLで着色し、X線フィルムに露光した。図4において、レーン1は、陽性対照セツキシマブを表し、レーン2〜レーン5は、本発明の抗体L4−H3を表す。
免疫ブロッティング(12%)分析は、抗体がヤギ抗ヒトIgGと特異的に結合することができることを実証している。しかしながら、抗ヒトIgG二次抗体(市販のセツキシマブを含む)と反応する部分的な非特異的にハイブリダイズしたレーンがあり、これは精製中の部分的な非全長重鎖フラグメントの混合によって生じた可能性がある。しかしながら、上記の結果は、抗体の結合親和性の評価には影響を与えない。上述の抗体はいずれも、ヤギ抗マウスIgG1とは反応しない。
本抗体の軽鎖及び重鎖は同じ発現ベクターにおいて比例的に発現されるので、それらは、2つの軽鎖と2つの重鎖とを含む完全な抗体へと自己組織化される。
D.タンパク質の発現量
4L〜5Lの発現抗体L4−H3の細胞培養上清を、工程A及び工程Bの方法に従って得た。抗体を、rProtein Aクロマトグラフィーカラムにより精製して293T細胞における抗体の発現量を分析したところ、結果は抽出溶液中に0.6μg/mLである。
実施例3 抗体の機能特性
A.表面プラズモン共鳴[Biacore]での抗体と抗原との結合能の測定
センサーチップCM5を、BD Incorporationから製品カタログ番号BR−1000−1014で購入し、BD BioCoat(登録商標)マトリゲル(登録商標)インベーションチャンバーを、BD Incorporationから製品カタログ番号354480で購入した。
EGFRタンパク質を、Sigma Corporationから製品カタログ番号E2645−500UNで購入した。
抗体とEGFRとの間の結合親和性を、Biacore3000装置で分析した。10mmol/Lの酢酸ナトリウムで希釈した異なるpH(4.0、4.5、5.0及び5.5)を有するEGFRタンパク質を作製し、CM5チップ上に予め凝縮して最適pHを有する酢酸ナトリウム希釈タンパク質を選択した。精製した抗体(即ち、実施例2の工程Bで得られた洗浄溶液)をCM5センサーチップに共有結合させた。移動相はHBS−EP(pH7.4)であり、流量は20μL/分であった。5つの異なる濃度(0nmol/L、10.55nmol/L、21.1nmol/L、42.2nmol/L及び84.4nmol/L)の抗体とEGFRタンパク質との間の結合親和性を分析した。結合親和性を、Biacore3000により付属のソフトウェアで計算した。同時に、セツキシマブを対照群として用いた。
実験は3回繰り返し、結果を平均した。
結果は、抗体と抗原EGFRとの間に良好な結合活性があることを示し、結合親和性は2.75×10−9Mであり、セツキシマブの結合親和性は1.1×10−9Mである。結果は、本発明のヒト化抗体が、親の抗体の良好な結合活性を維持し、マウス由来の抗体の有害反応を克服し、かつ十分な臨床応用価値を有することを実証している。
B.腫瘍細胞浸潤の実験
SW480細胞を、American Type Culture Collection(ATCC)からATCC(登録商標)番号:CCL−228(登録商標)で購入し、セツキシマブ抗体を、ドイツのMerck−Lipha Pharmaceuticals Ltdから購入した(商標:ERBITUX、薬剤名:セツキシマブ、中国における参照商標:ai bi tuo、分子構造名:セツキシマブ、起源:ドイツ、製造元:ドイツのMerck−Lipha Pharmaceuticals Ltd)。
RPMI1640培地(Invitrogen Corporationからカタログ番号31800−022で購入)を、SW480細胞の培養に使用した。インベーションチャンバーを、無血清RPMI1640培地で水分補給し、2時間(37℃、5%CO)インキュベートした。無血清RPMI1640を捨て、750μLのRPMI1640(10%血清を含む)を、インベーションチャンバー(BD Incorporationから製品カタログ番号354480で購入した、BD BioCoat(登録商標)マトリゲル(登録商標)インベーションチャンバー)のウェルチャンバーに添加し、475μLのRPMI1640(1%血清を含む)を、インサートチャンバーに添加し、次いで25μLの消化したSW480細胞(細胞数>10/500μL)を添加した。最後に、陰性対照PBS及び本発明の抗体を別々にインサートチャンバーに添加し、各試料が、抗体の最終濃度が100ng/mLである2つの繰り返しウェルを有するようにした。24時間のインキュベーション後、浸潤カセットの基底膜を貫通していなかった細胞を、滅菌綿棒で拭き取り、浸潤カセットの基底膜を貫通した細胞を、固定し、染色し、室温で乾燥し、次いで光顕微鏡下で数えた。
統計:対応する3セットの各インサートチャンバー内の試料の細胞の数を、100倍の顕微鏡下で数えた。SPSS12.0解析ソフトウェアにより、細胞浸潤実験データに対してt検定を実行し、本発明の抗体をヒトIgGのセットと比較した。結果がP<0.05であった場合は、2つの処理効果の間の差異は統計的に有意であった。
本発明の抗EGFR抗体は有意差を有しており、そのSW480腫瘍細胞の浸潤に対する阻害が有意である。実験は3回繰り返し、結果を平均した。t検定の結果は、ヒトIgGのセット、及び本発明の抗体のP値が、対照セットにおけるヒトIgGと比較して0.01未満であることを示している(表1)。
細胞浸潤実験のt検定の結果
注:ヒトIgGと比較して、*P<0.01
実験結果は、本発明の抗体が、優れた抗原結合活性、並びに腫瘍細胞の増殖、転移、及び浸潤を阻害する能力を有することを実証している。その一方で、国際市場での一般的な抗EGFRヒト−マウスキメラ抗体であるセツキシマブの結合親和性は、1.1×10−9Mである。本発明のヒト化抗体は、良好にEGFRと結合することができ、従ってその抗腫瘍効果を確実にする。本発明の抗体を作製する方法は、軽鎖と重鎖とを同時に発現することができ、軽鎖と重鎖との1:1に近い発現比率をもたらし、従ってより大きな割合の整合した二重鎖抗体を製造する。結論として、本発明の抗体及びその作製方法は、腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかを行う分野において広い実用性の見込みを有するであろう。

Claims (10)

  1. 重鎖及び軽鎖からなる抗体であって、前記重鎖は、重鎖可変領域と重鎖定常領域との組合せにより形成され、前記重鎖可変領域のアミノ酸配列は、配列番号3の1位〜145位で表され、前記重鎖定常領域は、ヒト化抗体IgG1の重鎖定常領域であり、前記軽鎖のアミノ酸配列は、配列番号1で表されることを特徴とする抗体。
  2. 抗体の重鎖のアミノ酸配列が、配列番号3で表される請求項1に記載の抗体。
  3. 請求項1又は2に記載の抗体のコード遺伝子、又は
    軽鎖のコード遺伝子が、
    I)配列番号2の85位〜726位で表されるか、又は配列番号2の9位〜729位で表されるヌクレオチド配列、
    II)I)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記軽鎖をコードするDNA分子、又は
    III)I)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記軽鎖をコードするDNA分子
    で表されるか、又は重鎖のコード遺伝子が、
    1)配列番号4で表されるヌクレオチド配列、
    2)1)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記重鎖をコードするDNA分子、又は
    3)1)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記重鎖をコードするDNA分子
    で表されることを特徴とするコード遺伝子。
  4. 請求項3のコード遺伝子を含むことを特徴とする組換えベクター、組換え株、組換え細胞、又は発現カセット。
  5. 軽鎖のコード遺伝子を、ベクターpIRESのNhe I制限酵素認識部位及びEcoR I制限酵素認識部位の間に、Nhe I制限酵素認識部位からEcoR I制限酵素認識部位の方向に挿入して中間組換えベクターとしての組換えベクターを得る工程と、重鎖のコード遺伝子を、前記中間組換えベクターのXba I制限酵素認識部位及びNot I制限酵素認識部位の間に、Xba I制限酵素認識部位からNot I制限酵素認識部位の方向に挿入し、得られた組換えベクターが目的の組換え発現ベクターである工程と、を含む方法によって作製された組換え発現ベクターである請求項4に記載の組換えベクター。
  6. 請求項5の組換え発現ベクターを開始細胞に導入することによって得られた組換え細胞であるか、又は請求項5の組換え発現ベクターを開始細胞に導入することによって得られた組換え細胞であり且つ前記開始細胞が293T細胞である請求項4に記載の組換え細胞。
  7. 請求項6の組換え細胞を培養する工程、及び上清を回収して請求項1又は2の抗体を得る工程を含む、請求項1又は2の抗体を作製することを特徴とする方法。
  8. 有効成分が、請求項1又は2の抗体、請求項3のコード遺伝子、請求項4又は5の組換えベクター、請求項4の組換え株、請求項4又は6の組換え細胞、及び請求項4の発現カセットの少なくともいずれかであり、腫瘍は結腸癌であり、腫瘍細胞はSW480細胞であることを特徴とする、上皮成長因子受容体のシグナル伝達経路を阻害する阻害剤、腫瘍細胞の浸潤を阻害する阻害剤、及び腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかのための製品。
  9. 請求項1又は2の抗体、請求項3のコード遺伝子、請求項4又は5の組換えベクター、請求項4の組換え株、請求項4又は6の組換え細胞、及び請求項4の発現カセットの少なくともいずれかの、上皮成長因子受容体のシグナル伝達経路を阻害する阻害剤の製造のための使用、請求項1又は2の抗体、請求項3のコード遺伝子、請求項4又は5の組換えベクター、請求項4の組換え株、請求項4又は6の組換え細胞、及び請求項4の発現カセットの少なくともいずれかの、腫瘍細胞浸潤を阻害する阻害剤の製造のための使用、及び、請求項1又は2の抗体、請求項3のコード遺伝子、請求項4又は5の組換えベクター、請求項4の組換え株、請求項4又は6の組換え細胞、及び請求項4の発現カセットの少なくともいずれかの、腫瘍の予防及び治療の少なくともいずれかのための製品の製造のための使用であって、腫瘍が結腸癌であり、腫瘍細胞がSW480細胞であることを特徴とする使用。
  10. タンパク質フラグメント及びそのコード遺伝子であって、
    前記タンパク質フラグメントのアミノ酸配列は、配列番号3の1位〜145位で表され、
    前記タンパク質フラグメントの前記コード遺伝子は、
    a)配列番号4の1位〜435位で表されるヌクレオチド配列、
    b)a)に規定するDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、前記タンパク質フラグメントをコードするDNA分子、又は
    c)a)に規定するDNA配列と70%を超える同一性を示し、前記タンパク質フラグメントをコードするDNA分子
    で表されることを特徴とするタンパク質フラグメント及びそのコード遺伝子。
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