JP2014502735A - シリカナノ粒子でコーティングされたガラス状のポリマー反射防止フィルム、該フィルムの製造方法、及び該フィルムを用いた光吸収装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2010年12月20日に出願された米国特許仮出願第61/424707号の利益を主張し、その開示内容の全体を参照として本明細書に組み込むものである。
本発明は、透明反射防止構造化フィルム、詳細には、ナノ粒子でコーティングされた架橋シリコーンエラストマー材料を含む透明反射防止構造化フィルム、より詳細には、シリカナノ粒子でコーティングされたガラス状表面を備えた反射防止構造体を有するかかるフィルム、かかるフィルムの製造方法、及びかかるフィルムを含む光吸収装置に関する。
Momentive Performance Materials(Waterford,New York)より入手可能なRTV615のA液及びRTV615のB液を10:1の比で混合し、4枚の石英スライドガラスのそれぞれに厚さ100ミクロンでコーティングした。次いで、シリコーンコーティングされた石英スライドガラスを対流式オーブン中で30分にわたって85℃まで加熱し、熱硬化性シリコーンエラストマー前駆体材料を架橋/硬化させた。次に、架橋シリコーンでコーティングされたこれらスライドガラス(サンプル2〜5)に、表1に示されるような火炎処理を施した。次いで、これら火炎処理されたシリコーンコーティングガラス構造を、ナノインデンテーションで貯蔵弾性率に関して分析した。これら火炎処理されたシリコーンコーティングガラス構造の弾性率変化を表1に示す。
14枚の7.6cm(3インチ)×5.1cm(2インチ)スライドガラス(VWR International,LLC.より入手可能)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNO3で2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% H2O溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに塗布した。プライマーを室温で乾燥させた。付加型硬化シリコーン(Sylgard 184、Dow Corning(Midland,MI)より入手可能)を10:1(A部分対B部分)で混合し、下塗りされたスライドガラスの表面に、45マイクロメートルの厚さの平滑コーティングで塗布し、48時間にわたって完全に硬化させた。サンプル6及び7に関しては、シリコーンの表面は処理されなかったが、サンプル8〜19は、27インチ(68.6cm)下方駆動電極及び中央のガスポンプと共に反応イオンエッチング(RIE)用に構成された、市販のバッチプラズマシステム(Plasmathermモデル3032)を用いて酸素プラズマ処理された。このチャンバを、ドライメカニカルポンプ(EdwardsモデルiQDP80)によりバックアップされたルーツブロワー(EdwardsモデルEH1200)により排気する。RF電力は、インピーダンス整合伝送網を通じて、3kW、13.56MHzの固体発生装置(RFPPモデルRF30H)により供給された。システムは、5mTorr(0.67Pa)の公称ベース圧力を有する。ガスの流量をMKSフローコントローラーにより制御する。プラズマ処理用の基材を下方駆動電極の上に載置した。シリコーンでコーティングされたスライドガラスを、バッチプラズマ装置の駆動電極の上に載置した。プラズマ処理は、500標準cm3/分の流量で酸素ガス(Oxygen Service Corporation、UHP等級)を流し、3000ワットのプラズマ出力で90秒にわたって酸素プラズマを用いて行われた。プラズマ処理が完了した後、チャンバを大気に通気し、サンプルを取り出した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)の2枚の30.5cm(12インチ)×15.2cm(6インチ)シート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNO3で2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% H2O溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに適用した。プライマーを室温で乾燥させた。シラノール末端ポリジメチルシロキサン流体(DMS−S51、Gelest Inc.(Morrisville,PA)より入手可能)を、ノッチバーコーターを使用して、下塗りされたPETフィルム上に厚さ100マイクロメートルでコーティングした。シリコーンコーティングを有するPETフィルムをキャリアウェブにテーピングし、190keVの加速電圧及び10MRadの線量にて電子線に通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。シリコーンでコーティングされたフィルムのうちの1枚から6枚(サンプル20、21、22、23、24、及び25)を切断し、サンプル20、21、22及び23は、窒素パージしながら172nmのエキシマーランプ(モデルUER20−172、Ushio America,Inc.(Cypress,CA)より入手可能)を用い10mW/cm2の照度で120秒にわたって暴露されたシリコーンコーティング表面を有した。サンプル24及び25はエキシマーランプ処理を受けなかった。6枚(サンプル26、27、28、29、30、及び31)は、表面を更に架橋するために通過1回につき120keV及び15MRadの線量にて4回通過する追加のe−ビーム線量を受けた他のシリコーンコーティングフィルムから切断された。次に、サンプル26、27、28、及び29を、172nmのエキシマーランプを用い10mW/cm2の照度で120秒にわたって暴露した。サンプル30及び31はエキシマーランプ処理を受けなかった。
ポリエチレンテレフタレート(PET)の2枚の30.5cm(12インチ)×15.2cm(6インチ)シート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNO3で2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% H2O溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに塗布した。プライマーを室温で乾燥させた。熱硬化性シリコーンエラストマー(Sylgard 184、Dow Corning(Midland,MI)より入手可能)を、下塗りされたPETと、反射防止表層構造を含むポリプロピレン金型フィルムとの間にコーティングした。シリコーンコーティング及びポリプロピレン金型フィルムを備えるPETフィルムを75℃のオーブンに90分間入れ、シリコーンコーティングを硬化させた次いで、フィルムをオーブンから取り出した後、金型フィルムを除去し、PETフィルムに付着した表面構造化反射防止シリコーンコーティングを得た。シリコーンの表層構造の表面の耐久性を改善する目的で追加の架橋を提供するために、次いで、コーティングされたフィルムのシートの1枚をキャリアウェブにテーピングし、通過1回につき120keVの加速電圧及び15MRadの線量にて電子線に4回通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。
シラノール末端ポリジメチルシロキサン(Gelestより入手のPDMS−S51)を、SS4120(Mometive Performance Materials(Waterford,NY)より入手可能)で下塗りされたポリエチレンテレフタレート(PET)のシート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)上に厚さ25マイクロメートルでコーティングした。シリコーンコーティングを有するPETフィルムをキャリアウェブにテーピングし、160keVの加速電圧及び12MRadの線量にて電子線を通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。次に、シリコーンでコーティングされたPETフィルムを6片に切断した。これらシリコーンでコーティングされたPET片のうちの2つ(サンプル41及び44)を、厚さ6.4mmのアルミニウム製プレートの上部の水の薄い膜に浮かべた後、コーティングされた表面を約2000℃の火炎に20秒暴露することによって火炎処理を受けさせた。シリコーンでコーティングされたPET片の別の2枚(サンプル42及び45)に、シリコーンの表面を更に架橋するために通過1回につき140keV及び12MRadにて5回通過する追加の電子線処理を受けさせた後、厚さ6.4mmのアルミニウム製プレートの上部の水の薄い膜に浮かべ、約2000℃の火炎に20秒暴露した。最後のシリコーンでコーティングされたPET片(サンプル40及び43)には追加処理を施さなかった。
汚れ吸着試験1
コーティング汚れ耐性は、95mm平方のプラスチックペトリ皿(Becton Dickinson Labwareから商品名「Falcon 35112」で入手可能)で構成される装置(5cm孔がペトリ皿の下半分にドリルにより貫通されている)を用いて試験される。5cm×8cmのコーティングされたサンプルを、サンプルのコーティングされた表面がペトリ皿の内側を向き、試験汚れに直接曝露されるように、接着テープで5cm孔を覆ってペトリ皿の外側上に取り付ける。50グラムのアリゾナ試験用ダスト(0〜600マイクロメートル分布、Powder Technology Incorporated(Burnsville,MN)から入手可能)を、ペトリ皿の下半分の中にコーティングされたサンプルを覆って配置する。ペトリ皿の二等分部分二つをしっかりと組み合わせて、汚れがサンプルの表面にわたって前後に転回するように、左右方向のサイクルで軽く振る。サンプルを1秒当たり1サイクルの速度にて60サイクルにわたって振盪する。次に、サンプルを試験装置から取り出し、軽くたたいて、汚れを除去してその付着をゆるやかにする。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、汚れ試験の前後で測定する。
本明細書で用いるとき、汚れ吸着試験は、1ガロン(3.8L)のNalgen容器の内部に透明反射防止構造化フィルムサンプルを100gの細かい/埃状のアリゾナ土と一緒に入れて容器を混転することを行う。1.5”(3.8cm)×2.5”(6.4cm)のサンプルを、3”(7.6cm)×5”(12.7cm)のより大きな10ミル(0.25mm)PET片に取り付ける。試料及び汚れは、モータ駆動ローラ上に水平に置かれたNalgen容器の内側のバッフル板によってタンブルされる。2分間のタンブリング後、試料を缶入り圧縮空気で吹き飛ばし、表面に結合した汚れのみが残るように余分な汚れを除去した。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、汚れ試験の前後で測定する。
コーティングの磨耗耐性を、Humboldt MFG.Co.から入手可能な落砂摩耗試験機(商品名HP−1160)を使用して試験した。5cm×8cmのコーティングされたサンプルは、落砂チューブの出口の下に中心を置いた試験プラットフォームに接着テープで取り付けられる。1000gのASTM C778ケイ砂(U.S.Silica Companyより入手可能)は、落砂チューブに送り込まれるホッパーの中に装填される。ゲートを開くと、砂が落砂チューブを通して100cmの距離を落下し始め、コーティングされたサンプルの表面上に当たる。摩耗した表面上に水を5秒間流した後、湿ったKimWipe(Kimberly−Clark)で表面を軽く拭く。次に、乾いたKimWipeでサンプルを軽く拭き、サンプルを乾かす。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、砂落下試験の前後で測定する。
反射防止フィルムの実施形態1
透明反射防止構造化フィルム、シート、ウェブ、又は同様のもののであって、
構造化された主面と主裏打ち面とを有する構造化フィルム基材を含み、前記構造化面は、構造化表面を画定しかつ光の反射を防止する反射防止構造体を含み、前記構造化表面の少なくともかなりの部分、ほとんど、又は全てはガラス状表面を含み、少なくとも反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、前記ガラス状表面はSiO2の化学量論的組成物を含む、透明反射防止構造化フィルム、シート、ウェブ、又は同様のもの。
前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100ナノメートルの深さまで、又は更に深くまでSiO2の化学量論的組成物を含む、フィルムの実施形態1に記載のフィルム。
前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の最大で約100、110、120、130、140、又は150ナノメートルの深さまで、又は更に深くまで(例えば、1、2、3、4又は5ミクロンほどの深さまで)SiO2の化学量論的組成物を含む、フィルムの実施形態1に記載のフィルム。
前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子又は少なくとも約20モル%の炭素原子から、最大で約40モル%の炭素原子を含む、フィルムの実施形態1〜3のいずれか一つに記載のフィルム。ガラス状表面中の比較的多量の炭素原子は、本発明によるSiO2の化学量論的組成物を生成するためにシリコーン材を処理するのに用いられる時間が比較的短いことを示すと考えられる。
前記反射防止構造体が、角柱状、角錐状、円錐状、放物線状、半球状、円筒状、及び柱状構造の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、フィルムの実施形態1〜4のいずれか1つに記載のフィルム。
前記反射防止構造体が、約90°未満、約60°以下、又は約10°から最大で約90°の範囲の角柱先端角度、及び、約2ミクロン〜約2cmの範囲のピッチを有する、角柱を含む、フィルムの実施形態1〜5のいずれか1つに記載のフィルム。
前記反射防止構造体が、約15°〜約75°の範囲の角柱先端角度、及び、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲のピッチを有する角柱を含む、フィルムの実施形態1〜6のいずれか1つに記載のフィルム。
前記反射防止構造体が、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有する角柱を含む、フィルムの実施形態1〜7のいずれか1つに記載のフィルム。
前記フィルムが、前記構造化表面を前記汚れ吸着試験、前記砂落下試験、又は両試験に曝露した後に、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の光透過率を示す、フィルムの実施形態1〜8のいずれか1つに記載のフィルム。
前記フィルムが、前記構造化表面を前記汚れ吸着試験、前記砂落下試験、又は両試験に曝露した後に、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の光透過率の変化を示す、フィルムの実施形態1〜9のいずれか1つに記載のフィルム。
前記構造化表面が少なくとも約20MPaの貯蔵弾性率示し、各反射防止構造体の残りの部分が、前記構造化表面によって示される貯蔵弾性率よりも低い貯蔵弾性率を示す、フィルムの実施形態1〜10のいずれか1つに記載のフィルム。
少なくとも前記反射防止構造体の前記架橋シリコーンエラストマー材料中に無機ナノ粒子(例えば、シリカ、ジルコニア、チタニアなど)を更に含む、フィルムの実施形態1〜11のいずれか1つに記載のフィルム。こうした粒子は、約2.0ミクロン以下の範囲の粒径を有するものでよい。シリカ粒子は最大でミクロンサイズであってよいが、他の材料で形成された粒子はナノメートルサイズのものが使用されることが好ましい(即ち、約5nm〜約50nm以下の範囲)。こうした粒子、特にナノ粒子は、0重量%から約60重量%以下の範囲で前記シリコーンエラストマー材料に担持されてもよい。
前記構造化フィルム基材が、そこから前記反射防止構造体が延出するベース部分を更に含む、フィルムの実施形態1〜12のいずれか一つに記載のフィルム。前記ベース部分及び反射防止構造体が、共にシリコーンエラストマー材料で作製される場合、前記反射防止構造体のそれぞれは、ほぼ同じシリコーンエラストマーの架橋密度を有することができ、前記ベース部分は、前記反射防止構造体のそれぞれの架橋密度よりも低いシリコーンエラストマーの架橋密度を有することができる。
前記構造化フィルム基材が、前記支持裏材の前記主面と結合されて、強化された反射防止構造化フィルムを形成する裏打ち面(例えば、主裏打ち面)を更に含む、フィルム主面を有する透明支持裏材と組み合わされたフィルムの実施形態1〜13のいずれか1つに記載のフィルム。前記反射防止構造体は、強化された反射防止構造化フィルムの露出面を形成することができる。
前記透明支持裏材が静電気を消散させる、フィルムの実施形態14に記載のフィルム。
前記構造化フィルム基材が裏打ち面(例えば、主裏打ち面)を更に含み、前記バリア層が前記構造化フィルム基材の前記裏打ち面と結合される、バリア層と組み合わされたフィルムの実施形態1〜15のいずれか1つに記載のフィルム。
前記バリア層が水分バリアである、フィルムの実施形態16に記載のフィルム。
前記反射防止構造体のそれぞれが、シリコーンエラストマーの架橋密度勾配を示し、前記シリコーンエラストマーの架橋密度は、前記ガラス状表面に近いほど高く、前記ガラス状表面から離れるほど低い、フィルムの実施形態1〜17のいずれか1つに記載のフィルム。
前記反射防止構造体のそれぞれが、そのガラス状表面に加えてコア部分と残部部分とを有し、前記コア部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料は、前記残部部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料よりも低い架橋密度を有する、フィルムの実施形態1〜18のいずれか1つに記載のフィルム。前記コア部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料は、前記残部部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料よりも低い、実質的に均一な架橋密度を有し得る。
前記コーティングが、約50Å〜約10,000Åの範囲の乾燥厚さを有する、フィルムの実施形態1〜19のいずれか1つに記載のフィルム。このコーティングは、約50Å〜約2500Åの範囲の厚さを有するのが望ましくあり得る。
前記シリカナノ粒子が、約40ナノメートル以下の平均粒径を有する、フィルムの実施形態1〜20のいずれか1つに記載のフィルム。前記シリカナノ粒子は球状であってもよい。
前記コーティングが、
a)約60重量%(即ち、重量百分率)〜約95重量%のシリカナノ粒子の凝集体と、
b)約0.1重量%〜約20重量%の少なくとも1種以上のテトラアルコキシシランと、
c)任意に、約0重量%〜約5重量%の界面活性剤と、
d)任意に、約0重量%〜約5重量%の湿潤剤と、を含む、フィルムの実施形態1〜21のいずれか1つに記載のフィルム。
前記コーティングが、
a)約0.5重量%〜約99重量%の水と、
b)約0.1重量%〜約20重量%の、40nm以下の平均粒径を有する前記シリカナノ粒子と、
c)任意に、約0重量%〜約20重量%の、約50nmを超える平均粒径を有する前記シリカナノ粒子であって、b)とc)との合計は約0.1重量%〜約20重量%である、前記シリカナノ粒子、
d)pHを5未満に低減するのに十分な量の、3.5未満のpKaを有する酸と、
e)任意に、前記シリカナノ粒子の量に対して約0重量%〜約20重量%のテトラアルコキシシランと、
を含む、フィルムの実施形態1〜20のいずれか1つに記載のフィルム。
光エネルギー吸収装置であって、光エネルギー受容面を有する光吸収体と、光エネルギーの供給源からの光エネルギーが前記光吸収体によって吸収されている間、前記光エネルギー供給源と前記光エネルギー受容面との間となるように配置される、フィルムの実施形態1〜23のいずれか1つに記載の透明反射防止構造化フィルムと、を含む、光エネルギー吸収装置。光エネルギー吸収装置としては、例えば、光源(例えば、太陽)からの熱エネルギーを吸収するための熱エネルギー吸収装置、光を電気エネルギーに変換する光起電装置、又は任意の他の光エネルギー吸収装置を挙げることができるが、これらに限定されない。
前記光吸収装置が光起電装置であり、前記光吸収体が、少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュールを含み、前記反射防止構造化フィルムが、前記光起電力モジュールの電力出力を改善するために(即ち、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力モジュールの効率を改善するために)、表面反射を少なくとも約3%低減する、装置の実施形態1に記載の装置。光起電力モジュールの電力出力は、少なくとも約5%、好ましくは約5%〜約10%の範囲内、又は更にはそれ以上改善されるのが望ましい。
前記光吸収体が光電池を含み、前記光吸収装置が、破損することなくロールに巻かれる又は折り畳まれるのに充分なだけ可撓性及び柔軟性がある、装置の実施形態1又は2に記載の装置。
前記光吸収装置が、剛性の光起電力モジュールを含む、装置の実施形態1又は2に記載の装置。
前記光吸収装置が、太陽熱パネルを含む、装置の実施形態1に記載の装置。
前記構造化フィルム基材がガラス基材の上に積層される、コーティングされる、又は他の方法で重置される、装置の実施形態1、2、4及び5のいずれか1つに記載の装置。
透明反射防止構造化フィルムの製造方法であって、該方法は、構造化された主面と主裏打ち面とを有する透明構造化フィルム基材であって、該構造化面は、光の反射を防止する反射防止構造化表面を画定する反射防止構造体を含み、少なくとも該反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含む、透明構造化フィルム基材を提供することと、前記反射防止構造化表面の架橋シリコーンエラストマー材料が、SiO2の化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換し、かつ、前記反射防止構造化表面の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分が、前記SiO2の化学量論的組成物を有するガラス状表面を含むように、前記反射防止構造化表面の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分を処理することと、シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、ガラス状表面をコーティングすることと、を含む。
前記処理する工程が、真空紫外(VUV)光(例えば、172nmのエキシマ処理)、真空紫外光及びオゾン(VUVO)、酸素プラズマ、並びに熱(例えば、誘導加熱、火炎等)のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせに、前記反射防止構造化表面を暴露することを含む、フィルムの製造方法の実施形態1に記載の方法。
少なくとも前記構造化表面の架橋シリコーンエラストマー材料の更なる架橋を引き起こすために、前記反射防止構造化表面をe−ビーム照射に暴露することを更に含み、該e−ビーム照射は前記処理の前に実施される、フィルムの製造方法の実施形態1又は2に記載の方法。
前記透明構造化フィルム基材を提供する工程が、
硬化性であることで架橋シリコーンエラストマー材料を形成するシリコーン前駆体材料(例えば、溶融熱硬化性又は架橋性熱硬化性シリコーンエラストマー樹脂)を提供することと、
前記シリコーン前駆体材料を前記構造化フィルム基材の形状に形成することと、
前記透明構造化フィルム基材を形成するために前記シリコーン前駆体材料を硬化することと、を含む、フィルムの製造方法の実施形態1〜3のいずれか一つに記載の方法。
例えば光源(例えば、太陽光)の熱エネルギー吸収装置、光起電力装置、又は他の任意の光エネルギー吸収装置などの光エネルギー吸収装置の製造方法であって、該方法は、
実施形態1〜23のいずれか1つに記載の透明反射防止構造化フィルムを提供することと、光受容面を有する光吸収体(例えば、太陽光温水ヒーター又は他の熱エネルギー吸収装置、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュールなど)を提供することと、前記反射防止構造化フィルムを通って前記光吸収体の前記光受容面へと光が通過できるように、前記反射防止構造化フィルムを前記光吸収体に関連付けて機械的に取り付けるか、接着剤により接着するか、あるいは他の手段により固定することと、を含む。
例えば光源(例えば太陽光)の熱エネルギー吸収装置、光起電力装置、又は他の任意の光エネルギー吸収装置などの光エネルギー吸収装置の製造方法であって、前記方法は、
フィルムの実施形態1〜4を製造する方法のいずれか1つの方法に従って透明反射防止構造化フィルムを製造することと、光エネルギー受容面を有する光吸収体(例えば、太陽光温水ヒーター又は他の熱エネルギー吸収装置、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュール)を提供することと、前記反射防止構造化フィルムを通って前記光吸収体の前記光エネルギー受容面へと光が通過できるように、前記反射防止構造化フィルムを前記光吸収体に関連付けて機械的に取り付けるか、接着剤により接着するか、あるいは他の手段により固定することと、を含む。
Claims (10)
- 透明反射防止構造化フィルムであって、
構造化面を有する構造化フィルム基材を含み、前記構造化面は、構造化表面を画定しかつ光の反射を防止する反射防止構造体を含み、前記構造化表面の少なくともかなりの部分はガラス状表面を含み、少なくとも前記反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、前記ガラス状表面は、SiO2の化学量論的組成物を含み、かつ少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のーティングでコーティングされ、前記凝集体は、シリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、前記シリカナノ粒子は隣接するシリカナノ粒子に結合する、透明反射防止構造化フィルム。 - 前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約5ナノメートルの深さまで前記SiO2の化学量論的組成物を含む、請求項1に記載のフィルム。
- 前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約10ナノメートル〜約100ナノメートルの範囲の深さまで前記SiO2の化学量論的組成物を含む、請求項1又は2に記載のフィルム。
- 前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
- 前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子から、最大で約40モル%の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
- 前記反射防止構造体が、約15°〜約75°の範囲の角柱先端角度、及び、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲のピッチを有する角柱を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム。
- 前記反射防止構造体が、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有する角柱を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルム。
- 前記フィルムが、前記構造化表面を汚れ付着試験及び砂落下試験に曝露した後に、8%未満の光透過率の変化を示す、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム。
- 光エネルギー受容面を有する光吸収体と、
光エネルギーの供給源からの光エネルギーが前記光吸収体によって吸収されている間、前記光エネルギー供給源と前記光エネルギー受容面との間となるように配置される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の透明反射防止構造化フィルムと、を含む光エネルギー吸収装置。 - 透明反射防止構造化フィルムの製造方法であって、前記方法は、
光の反射を防止する反射防止構造化表面を画定する反射防止構造体を含む構造化面を有する構造化フィルム基材であって、少なくとも前記反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含む、構造化フィルム基材を提供することと、
前記反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分を画定する架橋シリコーンエラストマー材料が、前記SiO2の化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換し、かつ前記反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分がSiO2の化学量論的組成物を有するガラス状表面を含むように、前記反射防止構造化表面を処理することと、
シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、前記凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、前記シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、前記ガラス状表面をコーティングすることと、を含む方法。
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