JP2014502735A - シリカナノ粒子でコーティングされたガラス状のポリマー反射防止フィルム、該フィルムの製造方法、及び該フィルムを用いた光吸収装置 - Google Patents

シリカナノ粒子でコーティングされたガラス状のポリマー反射防止フィルム、該フィルムの製造方法、及び該フィルムを用いた光吸収装置 Download PDF

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Abstract

構造化面を有する構造化フィルム基材を含み、反射防止構造体が構造化表面を画定する、透明反射防止構造化フィルム。構造化面は光の反射を防止し、構造化表面の少なくともかなりの部分はガラス状表面を含む。少なくとも反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、ガラス状表面はSiOの化学量論的組成物を含む。シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、ガラス状表面をコーティングする。光エネルギーが光吸収体によって吸収されている間、光エネルギー供給源と光吸収体の光エネルギー受容面との間となるように配置される、透明反射防止構造化フィルムを含む光エネルギー吸収装置。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年12月20日に出願された米国特許仮出願第61/424707号の利益を主張し、その開示内容の全体を参照として本明細書に組み込むものである。
本発明は、契約番号DE−EE0000587の下で政府援助を受けて行われ、米国エネルギー省(DOE)により表彰された。政府は本発明において一定の権利を有する。
(発明の分野)
本発明は、透明反射防止構造化フィルム、詳細には、ナノ粒子でコーティングされた架橋シリコーンエラストマー材料を含む透明反射防止構造化フィルム、より詳細には、シリカナノ粒子でコーティングされたガラス状表面を備えた反射防止構造体を有するかかるフィルム、かかるフィルムの製造方法、及びかかるフィルムを含む光吸収装置に関する。
従来の化石燃料の燃焼に基づく発電(例えば、石油及び石炭に頼った発電所)のコストの上昇、及びこれにともなう温室効果ガスを低減する必要から、従来とは異なる電力の供給源に対する投資が増大している。例えば、米国エネルギー省は、太陽光発電の研究開発に多大な投資を行ってきた(例えば、太陽エネルギーに基づいた温水及び電力の発生)。このような従来とは異なる発電の供給源の1つとして、太陽光エネルギーを電力に変換する光電池の使用がある。太陽光エネルギーは、住宅用及び商業用の温水を直接的又は間接的に加熱する目的でも使用されている。
このような関心の高まりとともに、従来とは異なるこうした太陽エネルギー技術による光エネルギーの吸収効率を高め、これにより利用可能な太陽エネルギーの量を増大させることが求められている。
本発明は、より有用な光エネルギーを該当する光吸収体(例えば、光電池)に与えることによって、太陽エネルギー及び他の光エネルギー吸収技術の効率を高める(即ち、エネルギー発生能力を高める)手段を提供するものである。
シリコーンエラストマーは、長期の紫外線曝露下におけるその安定性によって知られ、光学的に透明かつ強靱であり得る。残念なことに、シリコーンエラストマーは、汚れ及び埃の粒子を誘引、吸着(pick-up)及び保持する傾向を有する比較的粘着性の表面を有してもいる。これまで、汚れ及び埃を吸着及び保持するこうした特性のため、シリコーンエラストマーは、例えば光電池用の光学的に透明な角柱状カバーなどの光エネルギー吸収又は変換装置の露出表面を形成するための候補としては望ましくないものであった。本発明は、少なくとも一部には、シリコーンエラストマー材料の構造化表面を、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状表面になるように処理することによって、シリコーンエラストマー表面の粘着性を有意に低減することができ、該表面の汚れ及び塵埃粒子吸着に対する耐性を有意に高めることができるという発見に基礎を置いている。このガラス状表面を無機ナノ粒子でコーティングすることによって、磨耗耐性を維持しながら、汚れ及び塵埃粒子吸着に対する耐性を更に高めることができる。
本発明の一態様では、光の反射を防止する構造化表面を画定する反射防止構造体を有する構造化面を含む、透明反射防止構造化フィルム、シート、ウェブ等が提供される。少なくとも反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、構造化表面の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分はガラス状表面を含み、このガラス状表面はSiOの化学量論的組成物を含む。ガラス状表面は、シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングである。
ガラス状表面は、約50モル%を超えるSiOを含むのが望ましい。ガラス状表面は、約50モル%を超えるSiOから約90モル%までのSiOの範囲を含むのが望ましくあり得る。ガラス状表面はまた、少なくとも約60モル%のSiOから約90モル%までのSiOの範囲を含むのが望ましくあり得る。好ましくは、ガラス状表面は、少なくとも約60、65、70、75、80、又は85モル%のSiOを含む。ガラス状表面は、少なくとも若干のSiOHを含んでもよい。本明細書で用いる場合、SiOHに関するあらゆる言及は、SiOHだけでなく、Si及びOHを含む他の成分も包含する。
各反射防止構造体の外層のみがガラス状である(即ち、各反射防止構造体がガラス状表面を有する)のが望ましい。反射防止構造体は、ベース部分又は構造化フィルム基材の裏材から突出してよい。ガラス状表面の深さは、反射防止構造体上の少なくとも有意な部分上にガラス状表面を形成するために用いる処理(例えば、火炎の温度及び継続時間、紫外線放射の強度及び継続時間、酸素プラズマの出力及び継続時間など)の設定(例えば、強度及び/又は継続時間)によって異なる。
本発明の別の態様では、本発明に基づく透明反射防止構造化フィルムを製造するための方法を提供する。該方法は、光の反射を防止する反射防止構造化表面を画定する反射防止構造体を含む構造化面を有する構造化フィルム基材であって、少なくとも該反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含む、構造化フィルム基材を提供することと、反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分を画定する架橋シリコーンエラストマー材料が、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換し、かつ反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分がSiOの化学量論的組成物を有するガラス状表面を含むように、反射防止構造化表面を処理することと、シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、ガラス状表面をコーティングすることと、を含む。
構造化フィルム基材を提供する工程は、硬化性であることで架橋シリコーンエラストマー材料を形成するシリコーン前駆体材料を提供することと、シリコーン前駆体材料を構造化フィルム基材の形状に形成することと、シリコーン前駆体材料を硬化させて構造化フィルム基材を形成することと、を含み得る。ガラス状表面を少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層でコーティングする工程は、従来のエアナイフコーティング法を用いて実施され得る。
本発明の更なる態様では、光吸収体(例えば、太陽光温水循環管又は他の導管、光電池など)及び透明反射防止構造化フィルムを有する光エネルギー吸収装置(例えば、太陽光温水システム、光起電力発電システムなど)を提供する。光吸収体は光エネルギー受容面を有し、少なくとも光エネルギーの供給源(例えば太陽)からの光エネルギーが光吸収体によって吸収されている間は、透明反射防止構造化フィルムが光エネルギー供給源と光エネルギー受容面との間となるように配置される。光エネルギー吸収装置(例えば、太陽エネルギー変換装置)は、地上における用途及び宇宙での用途の両方を含む広範な用途で使用されている。いくつかの実施形態において、太陽エネルギー変換装置は、自動車、航空機、列車、船、又は宇宙衛星などの、陸上、水上、空上及び/又は宇宙ベースの乗り物に取り付けられることができる。これらの環境の多くは有機高分子材料にとって非常に有害であり得る。
本発明の更なる態様では、光エネルギー吸収装置を製造するための方法を提供する。本方法は、本発明による透明反射防止構造化フィルムを提供する工程と、受光面を有する光吸収体を提供する工程と、光が反射防止構造化フィルムを通って光吸収体の受光面まで通過できるように、反射防止構造化フィルムを光吸収体と関連付けて固定する工程と、を含む。
本明細書で用いる場合及び別途記載のない限り、用語「フィルム」は、シート、ウェブ、及びこれに類する構造と同義語である。
本明細書で用いる場合、用語「透明な」は、例えば本発明のフィルムのような構造体が、所望の帯域幅の光を透過させる能力のことを指して言う。ある構造体は、この用語が本明細書において用いられる意味においては、澄んでいるとは考えられない場合であってもなお透明であり得る。これは、この用語が本明細書において用いられる意味において、ある構造体は曇っていると考えられる場合であってもなお透明であり得る、ということである。本発明に基づく透明な構造体は、少なくとも85%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%又は98%の光透過率を有することが望ましい。本発明は、広い光の波長帯域において有用であり得る。例えば、本発明は、約400nm〜約2500nmの波長帯域内の光の透過に対して透明であることが望ましい場合がある。この帯域は、近赤外線(IR)を含む可視光の帯域に一般的に相当する。
本明細書で用いる場合、用語「反射防止構造体」は、光が臨界角よりも大きな角度でポリマー材料に入射して内部で伝播するように、光の入射角を変化させる表面構造のことを指して言う。
本明細書で用いる場合、用語「ガラス状表面」は、シリコーンエラストマー基材(即ち、架橋シリコーンエラストマー材料、熱可塑性シリコーンエラストマー材料、又は両方)の表面を指し、その場合該表面は、シリカ(SiO)の化学量論的組成物を含み、かつ、100%ガラス表面が示すのに匹敵する又は少なくとも同様の汚れ及び塵埃粒子吸着に対する耐性(即ち、耐汚れ性)及び/又は磨耗耐性を示す。「ガラス状表面」は親水性であり得るが、親水性である必要がなくてもよい。更に「ガラス状表面」は、以下に記載される汚れ吸着試験、砂落下試験、又は両方の試験に供された後、意図される光エネルギー吸収用途で許容可能なある程度の光透過率を示す。本明細書で用いる場合、試験された後のガラス状表面が示す光透過率の程度及び/又は光透過率の変化にかかる試験が及ぼす影響からも明らかなように、反射防止構造化表面の一部は、この表面が汚れ吸着試験、砂落下試験、又は両方の試験に対する望ましい耐性を示すとき、実質的にガラス状である。
本明細書で用いる場合、用語「シリカ又はSiOの化学量論的組成物」は、組成物がシリカガラスの特性の少なくともいくつかを示すシリカの化学量論的組成物(即ち、酸素:シリコーンの比が2:1)と十分に近い比率で、シリコーンと酸素とを含有する組成物を指す。例えば、組成物が少なくとも1.25〜1.00、少なくとも1.5〜1.0、少なくとも1.75〜1.00の酸素:シリコーンの比、好ましくは約2.0〜1.0の酸素:シリコーンの比に近い又は等しい酸素:シリコーンの比を有するとき、該組成物はシリカの化学量論的組成物を有する。
用語「含む(comprises)、(comprising)、(including)」及びその変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲で用いられた場合、制限的な意味を有さない。
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で、特定の利点をもたらし得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ、又は他の状況下においては他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の引用は、他の実施形態が有用ではないという意味を含むものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から除外することを意図しない。
本明細書で用いられる「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」、及び「1以上」は、内容上そうでないことが明らかに示されない場合は互換可能に使用される。
用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する(例えば、反射防止構造化表面を処理するために紫外線、UVO、酸素プラズマ、及び/又は熱を用いるとは、紫外線、UVO、酸素プラズマ、熱、又はこれら3つの任意の組み合わせを用いることを意味する)。
本明細書では更に、端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5の範囲には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、4.6、5、5.3などが包含される)、及びその範囲のあらゆる範囲が含まれる。
本明細書において開示される反射防止構造化フィルムの使用によって、反射されて光エネルギー吸収装置の光吸収要素に到達しない光の量が減少することが実証されている。例えば、このような反射防止構造化フィルムにより、従来の光起電ソーラーモジュールにおいて約3%〜約7%の範囲で平均出力を増加させることが可能となる。本発明は、反射防止構造化フィルムの露出面の汚れ及び塵埃粒子の吸着に対する耐性(即ち、耐汚れ性)、並びに/又は磨耗耐性を向上させることにより、光エネルギー吸収装置の耐用期間の間、このような反射防止構造化フィルムを通る光の透過率を維持するのを助けることができる。これにより、本発明は、こうした光吸収装置の光に曝露される表面から反射される入射光の量を低減する助けとなり得るものである。具体的には、ガラス状表面を有することにより、本発明の構造化面は、より手入れしやすくなり(即ち、汚れ吸着に対する耐性が増す)、ガラス状表面を有さない同じシリコーンエラストマー材料に比べて、並びに他のポリマー材料(例えば、ポリウレタン)を用いて形成された同じ構造化面に比べて、比較的良好な機械的耐久性(例えば、砂落下に対する耐性)を有する。このような構造化面は更に、蓄積した汚れ及び塵埃粒子を比較的容易に取り除くことができる。
光エネルギー吸収装置、及び特に反射防止構造化フィルムの構造化面は、外部環境からの様々な有害な条件に曝され得る。例えば構造化面は、構造化面の構造化表面を損傷させ得る雨、風、雹、雪、氷、吹きつける砂などの環境的要素に曝され得る。更に、太陽からの熱及びUVに対する曝露などの他の環境条件に対する長期の曝露も構造化面の劣化を引き起こし得る。例えば多くのポリマー有機材料は、UV放射に繰り返し曝露されると分解しやすい。例えば太陽エネルギー変換装置のような光エネルギー吸収装置の耐候性は、材料が劣化したり又は性能が損なわれたりすることなく何年にもわたって機能し得ることが望ましいため、一般的に年数によって測定される。材料は、光透過率又は機械的一体性が大幅に損なわれることなく20年程度の屋外曝露に耐え得ることが望ましい。一般的なポリマー有機材料は、20年といった長期に及んで光透過率又は機械的一体性が損なわれることなく屋外曝露に耐え得るものではない。少なくとも一部の実施形態において、本発明の構造化面は、少なくとも約5年〜少なくとも約20年の範囲、場合によっては更に長期(例えば、少なくとも約25年)の耐汚れ性及び/又は機械的耐久性を示すことが予想される。更に、構造化面はシリコーン材料で形成されることから、少なくとも約15年、約20年、又は更には約25年の長期の紫外線安定性を示し得る。
本発明のこれら及び他の潜在的な利点を、同様の参照番号を用いて同様の部材を表す本発明の図面及び「発明を実施するための形態」に更に示し、説明する。ただし、図面及び説明文はあくまで説明を目的としたものであって、本発明の範囲を不要に限定するものとして読まれるべきものではない点は理解を要する。
添付の図面において:
本発明の透明反射防止構造化フィルムの実施形態の側縁図。 本発明の代替の透明反射防止構造化フィルムの実施形態の側縁図。 本発明の別の透明反射防止構造化フィルムの実施形態の側縁図。 光吸収体によって吸収される光の量を増大させるように配置された透明反射防止構造化フィルムを有する光エネルギー吸収装置の実施形態の側面図。 光吸収体によって吸収される光の量を増大させるように入射光が伝播し得る反射の経路を示す、別の光エネルギー吸収装置の実施形態の側面図。
以下の説明は、実例となる実施形態をより詳細に例示するものである。以下の本発明の実施形態の説明では、説明を分かりやすくするために特定の用語を用いる。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図せず、そのように選択された各用語は、同様に作動する全ての技術的相当物を含む。更に、説明される異なる実施形態の同じ、又は類似の要素を特定するために同じ参照符合を用いる。
そうではない旨が断られない限り、上記明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値的パラメータは、本明細書に開示される教示を利用する当業者が得ようとする所望の特性に応じて変更することが可能な近似的な値である。
図1を参照すると、例示的な透明反射防止構造化フィルム10は、例えば光の反射を防止する角柱状リブレット16(図5を参照)の形の反射防止構造体を備える構造化された主面14を有する構造化フィルム基材12を含む。各反射防止構造体(例えば、リブレット)16は、先端角αと、谷から頂点までの高さHTPと、露出している構造化表面18と、を有する。2つの隣接する反射防止構造体(例えば、リブレット)16は、それらの間に谷角β及び頂点間距離DPPを画定する。フィルム10は更に、そこから反射防止構造体16が延出するベース部分20を有する。ベース部分20は、図に示されるように構造16の一体形成された部分としてもよく、あるいは破線21によって示されるような別の層としてもよい。耐久性を向上させるため、リブレット16は、丸みを帯びた頂点Rと丸みを帯びた谷Rとを備えるのが望ましくあり得る。
構造化フィルム基材12は、架橋シリコーンエラストマー材料を含む。シリコーンエラストマー材料は、例えば、熱硬化又は縮合硬化され得る2部のシリコーン・ゴム(例えば、Momentive RTV615シリコーン)、電子線(e−ビーム)硬化され得るポリジメチルシロキサン(例えば、Gelest,located(Morrisville,PA)から入手可能なDMS−S51)など、又はこれらの組み合わせであってもよい。構造化表面を形成するために使用することができるシリコーン材料の他の具体的な例としては、Sylgard 184(Dow Corningより入手可能)又はElastosil 601(Wacker Chemie AGより入手可能)などの他のヒドロシリル化硬化シリコーン、732及び734RTVシリコーン(Dow Corningより入手可能)などの縮合硬化シリコーン、及びDMS−S42(Gelestより入手可能)又はEL Polymer NA(Wackerより入手可能)などの電子線架橋性シリコーンがある。
構造化面14は、各構造体16の表面18の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分を画定する架橋シリコーンエラストマー材料を、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換する処理に暴露される。かかる処理は、例えば、空紫外(VUV)光(例えば、172nmのエキシマVUVランプ処理)、真空紫外光及びオゾン(VUVO)、火炎、酸素プラズマ、並びにシリコーンエラストマー材料中のケイ素原子をSiOの化学量論的組成物を呈するように変換することができる任意の他の処理のうちの1つ又はこれらの組み合わせにシリコーン材料を暴露することを含み得る。このガラス状物質は、各構造体16の中の深さDまで形成される。ガラス状物質の深さDは、処理の暴露強度及び/又は継続時間によって異なる。したがって、構造体16のそれぞれの中に架橋シリコーンエラストマー材料のコア又は残部22が残る深さDまで、又は、各構造体16が完全にガラス状物質で形成される深さDまで、ガラス状物質を形成することができる。後者の実施形態では、未処理のシリコーンエラストマー材料で形成されたフィルム基材12の残部(例えば、点線21より下)が存在することがある。構造化表面18を形成する材料が呈するのが、SiOの化学量論的組成物に近くなればなるほど、表面18は、汚れ及び塵埃粒子吸着に耐性を示す(汚れ吸着試験の結果で示される)、磨耗耐性を示す(砂落下試験の結果で示される)、又はその両方である可能性が高くなる。
理論に束縛されることを望まないが、ガラス状表面は、反射防止構造体の露出面上又はその近くのSi−C結合が、高エネルギー光子の吸収又は熱酸化により切断されることによって形成されると考えられている。かかるSi−C結合の切断後、SiOHが生成され、これが縮合してSiOの化学量論的組成物を形成する。
シリカナノ粒子凝集体の少なくとも1つの層23でガラス状表面をコーティングすることにより、構造化表面18の汚れ及び塵埃粒子吸着に対する耐性(汚れ吸着試験の結果で示される)を更に改善することができる。凝集体は、シリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子は、隣接するシリカナノ粒子に結合される。シリカナノ粒子は、約5ナノメートル(nm)から約100nm以下の範囲の平均サイズ(即ち、外径又は寸法)を有するのが望ましくあり得る。シリカナノ粒子コーティングは、最大で約1000nmの厚さを有するのが望ましくあり得、また、シリカナノ粒子コーティングは、約20nmから約100nm以下の範囲の厚さを有するのが更に望ましくあり得る。100nmを超えるコーティングを塗布すると、問題が生じる可能性がある。例えば、そのように厚いナノ粒子のコーティングは、ナノ粒子の過剰凝集をもたらす場合があり、及び/又はコーティングが望ましくない着色効果(coloring affect)を呈する原因となる場合がある。こうしたシリカナノ粒子の層としては、PCT国際公開特許WO2009/140482、米国特許出願公開第2001/036547号、米国特許第3,986,997号、及び米国特許第4,027,073号、並びにPCT特許出願US2010/056773、2010年10月6日出願の米国特許仮出願第61/390491号、及び2009年11月18日出願の米国特許仮出願第61/262423号に開示されているもののうちのいずれか1つ又は組み合わせを挙げることができ、当該特許文献は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
フィルム10又は本発明に基づく他のあらゆる透明反射防止構造化フィルムは、場合により用いられる透明支持裏材24と組み合わせて使用することが望ましい場合がある。こうした実施形態では、支持裏材24は主面24aを有し、構造化フィルム基材12は更に支持裏材24の主面24aと結合される主裏打ち面12aを含むことにより、強化された透明反射防止構造化フィルムが形成される。支持裏材24は、ポリマー材料若しくはガラス、又は他の透明セラミック材料で形成することができる。例示的なポリマー材料には、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)フィルム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、プライミングされたPETフィルム、ポリカーボネートフィルム、架橋ポリウレタンフィルム、アクリレートフィルム、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)フィルム、又はこれらのブレンドの内の少なくとも1つ又は組み合わせが含まれる。屋外耐久性を改善するために、紫外線吸収材(例えば、Tinuvin 1577(Ciba Geigy)、並びにSukano TA11−10 MB03 PMMA−UVA及びSukano TA07−07 MV02 PET−UVA(共にSukano Polymers Corporation(Duncan,SC)より入手可能)など)を、PMMA及びPVDFとPMMAとの混合物に組み込むことができる。他の透明セラミック材料は、例えば、水晶等であってもよい。透明な不織若しくは織り繊維材料、又は透明短繊維を使用して、支持裏材24を形成してもよい。こうした繊維材料は、構造化フィルム10を形成するシリコーンエラストマー材料中に配するか、構造化フィルム10上に配するか、あるいはその両方であってよい。
透明支持裏材24は、静電気を消散させるように選択することもできる。例えば、支持裏材は、支持裏材24に静電気を消散させるような1種以上のポリマー材料で形成することができる。静電気を消散させるために、透明支持裏材24は更に本質的に静電気消散性のポリマーを含んでもよく、該ポリマーとしては、Lubrizol Corpから入手可能なSTATRITE X5091ポリウレタン又はSTATRITE M809ポリメチルメタクリレートが挙げられる。あるいは、3M Companyから入手可能なFC4400などの静電気消散性の塩を、透明支持裏材24(例えば、PVDF)を作製するために使用するポリマーに混入させることができる。これに加えるか又はこれに代えて、構造化フィルム基材12はこうした静電気消散性の塩を含んでもよい。
支持裏材24に代えるか又は支持裏材24に加えて、フィルム10又は本発明に基づく他のあらゆる透明反射防止構造化フィルムは、場合により用いられる水分バリア層26と組み合わせて使用することが望ましい場合もある。こうした実施形態では、水分バリア層26は、例えば水分バリア層26を1つ以上の中間層(例えば、支持裏材層24)を介して間接的に、又は構造化フィルム基材12の主裏打ち面12a上に直接的に積層、コーティング、又は結合することによって形成することができる。また、水分バリア層26は、フィルム10の組成物を水分バリア性を示すように(例えば、水分の吸収、浸透を阻止するように)配合することによって形成することもできる。
水分バリアは、例えば、PCT国際公開特許出願US2009/062944、米国特許第7,486,019号、米国特許第7,215,473号、及び米国特許出願公開第2006/0062937(A1)号に開示されているバリアアセンブリ又は1つ以上のバリア層であってもよく、該特許文献は参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。シリコーンは高い透湿度を有し、光電池は典型的には感湿性であるので、水分バリアは有用であり得る。したがって、水分バリア層で裏打ちすることによって、本発明の透明反射防止構造化フィルムを、感湿性の光電池(例えば、銅/インジウム/ガリウム/セレンつまりCIGS光電池)上で直接使用することができる。
図2を参照すると、本発明の透明反射防止構造化フィルムの別の実施形態10aでは、構造化された主面14は、反射防止構造体16のそれぞれのシリコーンエラストマー材料の全てを、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換させるだけの処理の程度/継続時間に暴露される。この実施形態では、フィルム基材12の残部22は、シリコーンエラストマー材料のままである。点線23は、基材12のガラス状物質部分をシリコーンエラストマー材料部分と区別している。ここでも同様に、シリカナノ粒子凝集体の少なくとも1つの層23のコーティングでガラス状表面をコーティングすることにより、構造化表面18を更に改善することができる。
図3を参照すると、本発明の透明反射防止構造化フィルムの更なる実施形態10bでは、反射防止構造体16のそれぞれが別体のベース部分20’から延出している。別体のベース部分20’は架橋シリコーンエラストマー材料の1つ以上の層であってもよく、あるいは別体のベース部分20’は異なる材料の1つ以上の層であってもよい(例えば、PMMA、PVDF及びPETなどのより安価な材料)。別体のベース部分20’は、シリコーンエラストマー材料と異なる材料との適合性に応じて、任意の適当な手段によって反射防止構造体16に接着又は結合される。例えば、ベース部分20’は、シリコーンエラストマー反射防止構造体16のそれぞれの主裏打ち面16aを受承して、主裏打ち面16aと結合されるように場合に応じてプライマーでコーティングされるか、又は処理(例えば、コロナ放電処理)若しくは準備される主面20aを有し得る。反射防止構造体16は、例えば、その主面の少なくとも一方に反射防止構造体16の所望のパターンと一致する微小複製パターンが形成された金型フィルム(図に示されていない)によって形成することができる。
所望のシリコーンエラストマー前駆体材料の層をベース部分面20aの表面上に押出す、コーティングする、ないしは別の方法で適用することができる。次いで金型フィルムの微小複製された主面を、シリコーンエラストマー前駆体材料の層と接触させることによって、適用されたシリコーンエラストマー前駆体材料の露出面を所望の反射防止構造体16の形状に形成することができる。あるいは、シリコーンエラストマー前駆体材料の層を金型フィルムの微小複製された主面上に押出す、コーティングする、又は適用することができ、次いで適用された前駆体材料の露出した裏面をベース部分面20aの表面に積層、ないしは別の方法で接触させて結合させることができる。あるいは、3つの層を、例えば、ニップロールのステーションを通過させるなどして合わせて積層する場合、シリコーンエラストマー前駆体材料の層を、金型フィルムの微小複製された主面とベース部分面20aの表面との間に直接押出す、コーティングする、ないしは別の方法で適用することができる。形成された前駆体材料がベース部分面20aの表面と接触すると、シリコーンエラストマー前駆体材料が最初に架橋又は硬化され、金型が除去され、その後、反射防止構造体16の少なくとも表面18内にガラス状物質を生成するための後続処理が行われる。
反射防止構造体は、角柱状、角錐状、円錐状、半球状、放物線状、円筒状、及び柱状構造の少なくとも1つ又は組み合わせで構成され得る。角柱を含む反射防止構造体は、約90°未満、約60°以下、約30°以下、又は約10°から最大で約90°の範囲の角柱先端角度αを有し得る。かかる反射防止角柱構造体は更に、約2ミクロン〜約2cmの範囲の谷間又は頂点間のピッチ又は距離を示すことができる。角柱を含む反射防止構造体は更に、約15°〜約75°の範囲の角柱先端角度を有することができる。角柱を含む反射防止構造体は更に、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷間又は頂点間のピッチを有することができる。耐久性が改善された反射防止構造体16の一実施形態では、リブレット16は、半径が約5ミクロン、谷角βが約53°、頂点間のピッチ又は距離DPPが約50ミクロン、谷から頂点までの高さHTPが約37.7307ミクロンの、丸みを帯びた頂点Rと谷Rとを有する。
反射防止構造体は、約1.55未満の屈折率、好ましくは約1.50未満の屈折率を示すことが望ましい場合がある。反射防止構造体が角柱構造体を含む場合(例えば、直線状角柱構造体又はリブレット)、それぞれの角柱が、それらの基部から約90°未満の頂角、好ましくは約60°以下の頂角を有する先端へと幅が狭くなることが望ましい場合がある。このような角柱構造体は、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有することが望ましい場合がある。このような角柱構造体は、約25ミクロン〜約100ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有することが望ましい場合もある。
本発明の透明反射防止構造化フィルムは、構造化表面を汚れ吸着試験、砂落下試験、又は両試験の組み合わせに曝露した後に、少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の光透過率を示すことが望ましい場合がある。これらの試験については後述する。本発明の透明反射防止構造化フィルムは、構造化表面を汚れ吸着試験、砂落下試験、又は両試験の組み合わせに曝された後に、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の光透過率の変化を示すことが望ましい場合もある。
本発明の透明反射防止構造化フィルムは、反射防止構造体のシリコーンエラストマー材料中に無機粒子、好ましくはナノ粒子を含んでもよい。これらの粒子には、任意の適当な無機材料が含まれ得る(例えば、シリカ、ジルコニア、チタニアなど、又はこれらの任意の組み合わせ)。こうした粒子はまた、シリコーンの分散を促進するために、シラン表面改質剤でコーティングされてもよい。こうした粒子は、約2.0ミクロン以下の範囲の粒径を有するものでよい。シリカ粒子は最大でミクロンサイズであってよいが、他の材料で形成された粒子はナノメートルサイズのものが使用されることが好ましい(即ち、約5nm〜約50nm以下の範囲)。こうした粒子、特にナノ粒子は、0重量%〜約60重量%以下の範囲でシリコーンエラストマー材料に担持されてもよい。
図4を参照すると、本発明の透明反射防止構造化フィルム10のいずれの実施形態も、例えば、光源熱エネルギー吸収装置(例えば、太陽光温水システム)、光起電力装置、又は他の任意の光エネルギー吸収装置などの光エネルギー吸収装置30において使用することができる。こうした装置30は、光エネルギー受容面32aを有する光吸収体32(例えば、光電池)を更に含み、透明反射防止構造化フィルム10が、光エネルギー供給源(例えば、太陽)と光エネルギー受容面32aとの間となるように光吸収体32に対して配置される。これにより、光源からの光エネルギーは、光吸収体32によって吸収される前に構造化フィルム10を通過することになる。フィルム10は、光エネルギー受容面32aに結合、接着、機械的に締結又は直接接触させて配置することができる。また、必要な場合には、1つ以上の透明支持裏材24又は他の中間層を、フィルム10と光吸収体32との間に配置することができる。
図5を参照すると、本発明の透明反射防止構造化フィルム10を光エネルギー吸収装置30の光吸収体32とともに使用することにより、反射防止構造体16の表面18に入射する入射光(矢印40により示される)が複数回反射される可能性が高くなる(矢印40により示される)。このような光40の複数回の反射によって、光40が光吸収体32内へと屈折する確率、及び入射光の受容角が大きくなる確率が高くなる。このように、こうした透明反射防止構造体の使用により、装置30の効率及びエネルギー出力を高めることが可能である。
光吸収装置が光起電装置である場合、光吸収体は、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュールである。反射防止構造化フィルムは表面反射を低減し、それにより光電池に衝突する光の量を増加させることができ、電気エネルギーの生成が増加する。このようにして本発明の透明反射防止構造化フィルムを使用することにより、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を、少なくとも約3%、場合により約5%〜約10%以下の範囲で高めることが可能である。透明反射防止構造体はフィルムの形態であるため、光電池は、破損することなくロールに巻いたり、折り畳めたりするような充分な可撓性及び柔軟性を有し得る。
本発明の光エネルギー吸収装置は、反射防止構造化フィルムを通って光吸収体(例えば、光電池)の受光面へと光が通過できるように、光吸収体に反射防止構造化フィルムを機械的に取り付けるか、接着剤により接着するか、あるいは他の手段により固定することによって作製することができる。光吸収体は例えば、太陽光温水ヒーター又は他の光により発生する熱エネルギーの吸収装置、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための光電池、又はこれらの組み合わせであってよい。
本発明による透明反射防止構造化フィルムは、上述の透明構造化フィルム基材を提供した後、構造化表面を画定する架橋シリコーンエラストマー材料の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分が、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換されるように、構造化表面を処理することによって作製され得る。次に、このガラス状表面は、シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層を含む、から本質的になる、又はからなるコーティングでコーティングされ、該凝集体は、シリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子は隣接するシリカナノ粒子に結合する。
例えば、反射防止構造化表面に、例えば、真空紫外(VUV)光(例えば、172nmのエキシマ処理)、真空紫外光及びオゾン(VUVO)、酸素プラズマ、並びに熱(例えば、誘導加熱、火炎等)のうちの1つ又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な処理を受けさせることによってガラス状表面を形成するように、初期構造化フィルム基材の反射防止構造化表面を処理することができる。大量生産の現場に適しているためには、かかる処理は比較的迅速に行われる必要がある。具体的には、例えば、高速(即ち、大量)ウェブベースの製造工程は、例えば、約5分以下と短い処理時間を用いる必要がある。それと同時に、シリコーン材料の表面は、シリコーンからSiOの化学量論的組成物への所望のレベルの変換を得るのに十分な時間の間(例えば、172nmのエキシマーランプ暴露で5〜300秒)、好適なエネルギーレベル(例えば、酸素が50ppm未満の窒素不活性雰囲気下で10〜50mW/cm)で処理される必要がある。ガラス状表面を形成するのに用いる処理の設定(例えば、強度及び/又は継続時間)によっては、構造化フィルム基材のガラス状物質に変換されていない残存部分が存在し得る。例えば、図2から分かるように、処理設定は、反射防止構造体のそれぞれを画定する架橋シリコーンエラストマー材料の全てが、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換されるように選択され得る。あるいは、処理設定は、反射防止構造体のそれぞれのコア部分がシリコーンエラストマー材料のままであるように(図1、3、及び4参照)選択され得る。エネルギーコストを節約するため、反射防止構造化表面がガラス状表面に変換される深さ及び程度を最小限に抑えるのが望ましくあり得る。
透明構造化フィルム基材は、硬化性であることで架橋シリコーンエラストマー材料を形成するシリコーンエラストマー前駆体材料を提供することによって作製され得る。このシリコーンエラストマー前駆体材料は、任意の好適な成形技術を用いて構造化フィルム基材の形状に形成される。例えば、適当な大きさの溝を基材に形成した後、この基材を鋳型表面として使用してその上にシリコーンエラストマー前駆体材料をコーティングすることによって、構造化フィルム基材の反射防止構造体を有する構造化された主面を成型することができる。このような鋳型基材は、例えば、その全容を本明細書に援用するところの米国特許出願公開第2006/0234605号に開示される方法及び装置に基づいて作製することができる。シリコーンエラストマー前駆体材料は、この形状で硬化させることで構造化フィルム基材が形成される。あるいは、米国特許出願第2006/0234605号に開示される金型を使用して、適当な大きさの溝をポリマー鋳型基材(例えば、フィルムの形態の)に成形した後、これを鋳型表面として使用することもできる。使用するシリコーンエラストマー前駆体材料に応じて、硬化プロセスにおいて前駆体材料に架橋処理(例えば、熱処理及び/又は放射線処理)を施すことができる。前駆材料が2成分型の自己硬化型シリコーンエラストマー材料である場合、硬化プロセスにおいて、2成分を混合した後、前駆材料を鋳型表面と充分に長い時間、接触状態に維持することで架橋を生じさせることができる。
ガラス状表面を少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層でコーティングする工程は、例えば、先に組み込まれたPCT国際公開特許WO2009/140482、米国特許出願公開第2001/036547号、米国特許第3,986,997号、米国特許第4,027,073号、並びにPCT特許出願US2010/056773、2010年10月6日出願の米国特許仮出願第61/390491号、及び2009年11月18日出願の米国特許仮出願第61/262423号に開示されている技術に従って実施され得る。シリカナノ粒子コーティングの良好な湿潤を得るために、ガラス状表面は親水性を呈するのが望ましくあり得る。ナノ粒子を一緒に焼結するように、シリカナノ粒子コーティングに熱を加える(例えば、火炎、誘導加熱などにより)ことも望ましくあり得る。焼結工程を制限することが望ましい場合があり、さもなければシリカナノ粒子凝集体の過剰な平坦化が起こる可能性がある。様々なコーティング技術を利用して1つ以上のシリカナノ粒子の凝集体層を適用することができるが、従来のエアナイフコーティング法を用いてかかるコーティングを適用することが望ましいことが見出されている。こうしたエアナイフコーティングプロセスは、ガラス状反射防止構造化表面上のシリカナノ粒子凝集体コーティングが比較的薄くなるのを確実にするのを助ける。
以下の実施例は、単に本発明の特徴、利点、及び/又は他の細部を更に説明するために選択されたものである。しかしながら、実施例はこの目的を果たすものではあるが、使用される特定の成分及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本発明の範囲を必要以上に限定するものとして解釈されるべきではない点は明確に理解されるはずである。
(実施例1)
Momentive Performance Materials(Waterford,New York)より入手可能なRTV615のA液及びRTV615のB液を10:1の比で混合し、4枚の石英スライドガラスのそれぞれに厚さ100ミクロンでコーティングした。次いで、シリコーンコーティングされた石英スライドガラスを対流式オーブン中で30分にわたって85℃まで加熱し、熱硬化性シリコーンエラストマー前駆体材料を架橋/硬化させた。次に、架橋シリコーンでコーティングされたこれらスライドガラス(サンプル2〜5)に、表1に示されるような火炎処理を施した。次いで、これら火炎処理されたシリコーンコーティングガラス構造を、ナノインデンテーションで貯蔵弾性率に関して分析した。これら火炎処理されたシリコーンコーティングガラス構造の弾性率変化を表1に示す。
Figure 2014502735
(実施例2)
14枚の7.6cm(3インチ)×5.1cm(2インチ)スライドガラス(VWR International,LLC.より入手可能)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNOで2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% HO溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに塗布した。プライマーを室温で乾燥させた。付加型硬化シリコーン(Sylgard 184、Dow Corning(Midland,MI)より入手可能)を10:1(A部分対B部分)で混合し、下塗りされたスライドガラスの表面に、45マイクロメートルの厚さの平滑コーティングで塗布し、48時間にわたって完全に硬化させた。サンプル6及び7に関しては、シリコーンの表面は処理されなかったが、サンプル8〜19は、27インチ(68.6cm)下方駆動電極及び中央のガスポンプと共に反応イオンエッチング(RIE)用に構成された、市販のバッチプラズマシステム(Plasmathermモデル3032)を用いて酸素プラズマ処理された。このチャンバを、ドライメカニカルポンプ(EdwardsモデルiQDP80)によりバックアップされたルーツブロワー(EdwardsモデルEH1200)により排気する。RF電力は、インピーダンス整合伝送網を通じて、3kW、13.56MHzの固体発生装置(RFPPモデルRF30H)により供給された。システムは、5mTorr(0.67Pa)の公称ベース圧力を有する。ガスの流量をMKSフローコントローラーにより制御する。プラズマ処理用の基材を下方駆動電極の上に載置した。シリコーンでコーティングされたスライドガラスを、バッチプラズマ装置の駆動電極の上に載置した。プラズマ処理は、500標準cm3/分の流量で酸素ガス(Oxygen Service Corporation、UHP等級)を流し、3000ワットのプラズマ出力で90秒にわたって酸素プラズマを用いて行われた。プラズマ処理が完了した後、チャンバを大気に通気し、サンプルを取り出した。
サンプル6〜17を、1枚のコーティングしていないそのままのスライドガラスとともに、以下に記載の汚れ吸着試験1に定期的に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、それぞれに関して表2(汚れ吸着試験1の結果)に表形式で示す。透過率は透過率計を使用して試験した。表形式データは、未処理のサンプル6及び7に比べて、酸素プラズマ処理されたサンプル8〜17で光透過率が有意に上昇したことを示している。この光透過率の差は、未処理のサンプル6及び7よりも汚れをその上に吸着し保持しない、追加処理されたシリコーンエラストマー表面(サンプル8〜17)によってもたらされる。表2のデータは更に、処理されたサンプル6〜17が、そのままのスライドガラスの光透明性に匹敵する光透明性を呈したことを示す。
Figure 2014502735
サンプル18及び19を以下に記載の砂落下試験に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を表3(砂落下試験)に示す。表形式データは、処理されたサンプル18及び19が、そのままのスライドガラスの光透明性に匹敵する光透明性を呈したことを示す。
Figure 2014502735
サンプル18及び19を更に、砂落下試験の直後に汚れ試験に供し、砂落下試験後の透過率値を表す初期透過率(Ti)、汚れ試験後の透過率値を表す最終透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、下の表4(砂落下試験直後の汚れ試験1の結果)に表形式で示す。表形式データは、酸素プラズマ処理されたシリコーンサンプルは、そのままのスライドガラスの性能の2%以内であることを示す。
Figure 2014502735
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレート(PET)の2枚の30.5cm(12インチ)×15.2cm(6インチ)シート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNOで2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% HO溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに適用した。プライマーを室温で乾燥させた。シラノール末端ポリジメチルシロキサン流体(DMS−S51、Gelest Inc.(Morrisville,PA)より入手可能)を、ノッチバーコーターを使用して、下塗りされたPETフィルム上に厚さ100マイクロメートルでコーティングした。シリコーンコーティングを有するPETフィルムをキャリアウェブにテーピングし、190keVの加速電圧及び10MRadの線量にて電子線に通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。シリコーンでコーティングされたフィルムのうちの1枚から6枚(サンプル20、21、22、23、24、及び25)を切断し、サンプル20、21、22及び23は、窒素パージしながら172nmのエキシマーランプ(モデルUER20−172、Ushio America,Inc.(Cypress,CA)より入手可能)を用い10mW/cmの照度で120秒にわたって暴露されたシリコーンコーティング表面を有した。サンプル24及び25はエキシマーランプ処理を受けなかった。6枚(サンプル26、27、28、29、30、及び31)は、表面を更に架橋するために通過1回につき120keV及び15MRadの線量にて4回通過する追加のe−ビーム線量を受けた他のシリコーンコーティングフィルムから切断された。次に、サンプル26、27、28、及び29を、172nmのエキシマーランプを用い10mW/cmの照度で120秒にわたって暴露した。サンプル30及び31はエキシマーランプ処理を受けなかった。
サンプル20、21、24、26、27、及び30を以下に記載の汚れ吸着試験1に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、それぞれに関して表5(汚れ吸着試験1の結果)に表形式で示す。表形式データは、未処理サンプル24及び30に比べて、追加処理されたサンプル20、21、26及び27の光透過率が有意に上昇したことを示す。この光透過率の差は、未処理サンプル24及び30よりも汚れをその上に吸着し保持しない、追加処理されたシリコーンエラストマー表面(サンプル20、21、26、及び27)によってもたらされる。表5のデータは更に、処理されたサンプル20、21、26、及び27が、表5のそのままのスライドガラスの光透明性に匹敵する光透明性を呈したことを示す。表は更に、電子線処理も172nmのエキシマーランプ処理も受けていないサンプル24と比較すると、サンプル30における追加の電子線架橋は、172nmのエキシマーランプ処理を受けなくても透過率の損失をより少なくすることを示している。
Figure 2014502735
サンプル22、23、25、28、29、及び31を、以下に記載の砂落下試験に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を表6(砂落下試験)に表形式で示す。表形式データは、追加の電子線架橋を受けなかったサンプル22及び23に比べて、172nmのエキシマーランプ処理の前に追加の電子線架橋を受けたサンプル28及び29の光透過率が上昇したこと(即ち、砂落下試験の結果)を示す。表は更に、追加の電子線架橋又は172nmのエキシマーランプ処理のいずれも受けなかったサンプル25、並びに172nmのエキシマーランプ処理のみを受けたサンプル22及び23、及び追加の電子線架橋及び172nmのエキシマーランプ処理の両方受けたサンプル28及び29と比較すると、サンプル31における172nmのエキシマーランプ処理なしの追加の電子線架橋は、透過率の損失をより少なくすること示している。
Figure 2014502735
(実施例4)
ポリエチレンテレフタレート(PET)の2枚の30.5cm(12インチ)×15.2cm(6インチ)シート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)を、ナノシリカをベースとするプライマーで下塗りした。このナノシリカプライマーは、HNOで2.5〜2.0のpHにした、第1のコロイドシリカ(「NALCO 1115 COLLOIDAL SILICA」)と第2のコロイドシリカ(「NALCO 1050 colloidal SILICA」)の重量比70:30ブレンドの5重量% HO溶液から構成される。このナノシリカプライマー溶液で湿らせた小さな拭取り布(Kimberly−Clark(Roswell,GA)から商品名「KIMTECH」で入手)で表面を拭くことにより、プライマーの薄い(約100ナノメートル)均質コーティングを各スライドガラスに塗布した。プライマーを室温で乾燥させた。熱硬化性シリコーンエラストマー(Sylgard 184、Dow Corning(Midland,MI)より入手可能)を、下塗りされたPETと、反射防止表層構造を含むポリプロピレン金型フィルムとの間にコーティングした。シリコーンコーティング及びポリプロピレン金型フィルムを備えるPETフィルムを75℃のオーブンに90分間入れ、シリコーンコーティングを硬化させた次いで、フィルムをオーブンから取り出した後、金型フィルムを除去し、PETフィルムに付着した表面構造化反射防止シリコーンコーティングを得た。シリコーンの表層構造の表面の耐久性を改善する目的で追加の架橋を提供するために、次いで、コーティングされたフィルムのシートの1枚をキャリアウェブにテーピングし、通過1回につき120keVの加速電圧及び15MRadの線量にて電子線に4回通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。
4枚(サンプル32、33、34、及び35)を、追加の電子線処理を受けなかったシリコーンコーティングフィルムから切断し、サンプル32及び33は、窒素パージしながら172nmのエキシマーランプ(UshioモデルUER20−172)を用い約10mW/cmの照度で300秒にわたって暴露されたシリコーンコーティング表面を有した。サンプル34及び35はエキシマーランプ処理を受けなかった。4枚(サンプル36、37、38、及び39)を、追加のe−ビーム処理を受けた他のシリコーンコーティングフィルムから切断した。次に、サンプル37及び37を、172nmのエキシマーランプを用い約10mW/cmの照度で300秒にわたって暴露した。サンプル38、及び39はエキシマーランプ処理を受けなかった。
サンプル32、34、36及び38を、以下に記載の汚れ吸着試験1に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、それぞれに関して表7(汚れ吸着試験1の結果)に表形式で示す。表形式データは、未処理のサンプル34及び38に比べて、172nmのエキシマーランプで処理されたサンプル32及び36で光透過率が有意に上昇したことを示している。この光透過率の差は、未処理サンプル34及び38よりも汚れをその上に吸着し保持しない、172nmのエキシマーランプで処理されたシリコーンエラストマー表面(サンプル32及び36)によってもたらされる。表7のデータは更に、172nmのエキシマーランプ処理の前に追加の電子線架橋を受けたサンプル36は、172nmのエキシマーランプ処理のみを受けたサンプル32よりも良好な汚れ吸着試験の結果を引き起こすことを示している。
Figure 2014502735
サンプル33、35、37、及び39を、以下に記載の砂落下試験に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を表8(砂落下試験)に表形式で示す。表形式データは、172nmのエキシマーランプで処理されなかったサンプル35及び39に比べて、172nmのエキシマーランプ処理を受けたサンプル33及び37の光透過率が上昇したこと(即ち、砂落下試験の結果)を示す。上昇は、追加の電子線架橋を受けなかったサンプル33及び35に比べて、172nmのエキシマーランプ処理の前に追加の電子線架橋を受けたサンプル37、及び39の光透過率(即ち、砂落下試験の結果)にも見られる。
Figure 2014502735
サンプル33、35、37、及び39を更に、砂落下試験の直後に汚れ試験1に供し、砂落下試験後の透過率値を表す初期透過率(Ti)、汚れ試験後の透過率値を表す最終透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、下の表9(砂落下試験直後の汚れ試験1の結果)に表形式で示す。表形式データは、追加の電子線による表面処理を受けなかったサンプル33及び35に比べて汚れ試験後の透過率の損失が少なかったことから分かるように、電子線による表面処理を受けたサンプル37及び39はサンプルの耐汚れ性を維持したことを示す。
Figure 2014502735
(実施例5)
シラノール末端ポリジメチルシロキサン(Gelestより入手のPDMS−S51)を、SS4120(Mometive Performance Materials(Waterford,NY)より入手可能)で下塗りされたポリエチレンテレフタレート(PET)のシート(DuPont Teijin Films(Chester,VA)から商品名「MELINEX 618」で入手)上に厚さ25マイクロメートルでコーティングした。シリコーンコーティングを有するPETフィルムをキャリアウェブにテーピングし、160keVの加速電圧及び12MRadの線量にて電子線を通過させた。電子線ユニットは、ブロードバンドカーテンタイプの電子線プロセッサ(PCT Engineered Systems,LLCから入手)であった。次に、シリコーンでコーティングされたPETフィルムを6片に切断した。これらシリコーンでコーティングされたPET片のうちの2つ(サンプル41及び44)を、厚さ6.4mmのアルミニウム製プレートの上部の水の薄い膜に浮かべた後、コーティングされた表面を約2000℃の火炎に20秒暴露することによって火炎処理を受けさせた。シリコーンでコーティングされたPET片の別の2枚(サンプル42及び45)に、シリコーンの表面を更に架橋するために通過1回につき140keV及び12MRadにて5回通過する追加の電子線処理を受けさせた後、厚さ6.4mmのアルミニウム製プレートの上部の水の薄い膜に浮かべ、約2000℃の火炎に20秒暴露した。最後のシリコーンでコーティングされたPET片(サンプル40及び43)には追加処理を施さなかった。
サンプル41及び42を、以下の汚れ吸着試験2に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を、それぞれに関して表10(汚れ吸着試験2の結果)に表形式で示す。表形式データは、未処理サンプル40に比べて、追加処理されたサンプル41及び42で光透過率が有意に上昇したことを示している。この光透過率の差は、未処理のサンプル40よりも汚れをその上に吸着し保持しない、追加処理されたシリコーンエラストマー表面(サンプル41及び42)によってもたらされる。表10のデータは更に、火炎処理の前の追加の架橋(即ち、サンプル42)は、良好な汚れ吸着試験の結果を引き起こすことを示している。
Figure 2014502735
サンプル43、44、及び45を、以下の砂落下試験に供し、試験を行う前の初期光透過率(Ti)、試験を行った後の最終的な光透過率(Tf)、及び初期光透過率と最終光透過率との差(Td)を表11(砂落下試験)に表形式で示す。表形式データは、未処理サンプル43に比べて、追加処理されたサンプル45で光透過率が有意に上昇したことを示している。この光透過率の差は、未処理のサンプル43よりも汚れをその上に吸着し保持しない、追加処理されたシリコーンエラストマー表面(サンプル45)によってもたらされる。表形式データはまた、追加架橋されなかったサンプル44に比べて、火炎処理の前に追加架橋されたサンプル45で光透過率が上昇したこと(即ち、砂落下試験の結果)を示す。
Figure 2014502735
試験方法
汚れ吸着試験1
コーティング汚れ耐性は、95mm平方のプラスチックペトリ皿(Becton Dickinson Labwareから商品名「Falcon 35112」で入手可能)で構成される装置(5cm孔がペトリ皿の下半分にドリルにより貫通されている)を用いて試験される。5cm×8cmのコーティングされたサンプルを、サンプルのコーティングされた表面がペトリ皿の内側を向き、試験汚れに直接曝露されるように、接着テープで5cm孔を覆ってペトリ皿の外側上に取り付ける。50グラムのアリゾナ試験用ダスト(0〜600マイクロメートル分布、Powder Technology Incorporated(Burnsville,MN)から入手可能)を、ペトリ皿の下半分の中にコーティングされたサンプルを覆って配置する。ペトリ皿の二等分部分二つをしっかりと組み合わせて、汚れがサンプルの表面にわたって前後に転回するように、左右方向のサイクルで軽く振る。サンプルを1秒当たり1サイクルの速度にて60サイクルにわたって振盪する。次に、サンプルを試験装置から取り出し、軽くたたいて、汚れを除去してその付着をゆるやかにする。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、汚れ試験の前後で測定する。
汚れ吸着試験2
本明細書で用いるとき、汚れ吸着試験は、1ガロン(3.8L)のNalgen容器の内部に透明反射防止構造化フィルムサンプルを100gの細かい/埃状のアリゾナ土と一緒に入れて容器を混転することを行う。1.5”(3.8cm)×2.5”(6.4cm)のサンプルを、3”(7.6cm)×5”(12.7cm)のより大きな10ミル(0.25mm)PET片に取り付ける。試料及び汚れは、モータ駆動ローラ上に水平に置かれたNalgen容器の内側のバッフル板によってタンブルされる。2分間のタンブリング後、試料を缶入り圧縮空気で吹き飛ばし、表面に結合した汚れのみが残るように余分な汚れを除去した。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、汚れ試験の前後で測定する。
砂落下試験
コーティングの磨耗耐性を、Humboldt MFG.Co.から入手可能な落砂摩耗試験機(商品名HP−1160)を使用して試験した。5cm×8cmのコーティングされたサンプルは、落砂チューブの出口の下に中心を置いた試験プラットフォームに接着テープで取り付けられる。1000gのASTM C778ケイ砂(U.S.Silica Companyより入手可能)は、落砂チューブに送り込まれるホッパーの中に装填される。ゲートを開くと、砂が落砂チューブを通して100cmの距離を落下し始め、コーティングされたサンプルの表面上に当たる。摩耗した表面上に水を5秒間流した後、湿ったKimWipe(Kimberly−Clark)で表面を軽く拭く。次に、乾いたKimWipeでサンプルを軽く拭き、サンプルを乾かす。コーティングされたサンプルの透過性を、BYK−Gardnerから入手可能なHaze Gard Plusを用いて、砂落下試験の前後で測定する。
本発明の例示的実施形態
反射防止フィルムの実施形態1
透明反射防止構造化フィルム、シート、ウェブ、又は同様のもののであって、
構造化された主面と主裏打ち面とを有する構造化フィルム基材を含み、前記構造化面は、構造化表面を画定しかつ光の反射を防止する反射防止構造体を含み、前記構造化表面の少なくともかなりの部分、ほとんど、又は全てはガラス状表面を含み、少なくとも反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、前記ガラス状表面はSiOの化学量論的組成物を含む、透明反射防止構造化フィルム、シート、ウェブ、又は同様のもの。
フィルムの実施形態2
前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100ナノメートルの深さまで、又は更に深くまでSiOの化学量論的組成物を含む、フィルムの実施形態1に記載のフィルム。
フィルムの実施形態3
前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の最大で約100、110、120、130、140、又は150ナノメートルの深さまで、又は更に深くまで(例えば、1、2、3、4又は5ミクロンほどの深さまで)SiOの化学量論的組成物を含む、フィルムの実施形態1に記載のフィルム。
フィルムの実施形態4
前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子又は少なくとも約20モル%の炭素原子から、最大で約40モル%の炭素原子を含む、フィルムの実施形態1〜3のいずれか一つに記載のフィルム。ガラス状表面中の比較的多量の炭素原子は、本発明によるSiOの化学量論的組成物を生成するためにシリコーン材を処理するのに用いられる時間が比較的短いことを示すと考えられる。
フィルムの実施形態5
前記反射防止構造体が、角柱状、角錐状、円錐状、放物線状、半球状、円筒状、及び柱状構造の少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、フィルムの実施形態1〜4のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態6
前記反射防止構造体が、約90°未満、約60°以下、又は約10°から最大で約90°の範囲の角柱先端角度、及び、約2ミクロン〜約2cmの範囲のピッチを有する、角柱を含む、フィルムの実施形態1〜5のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態7
前記反射防止構造体が、約15°〜約75°の範囲の角柱先端角度、及び、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲のピッチを有する角柱を含む、フィルムの実施形態1〜6のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態8
前記反射防止構造体が、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有する角柱を含む、フィルムの実施形態1〜7のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態9
前記フィルムが、前記構造化表面を前記汚れ吸着試験、前記砂落下試験、又は両試験に曝露した後に、少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の光透過率を示す、フィルムの実施形態1〜8のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態10
前記フィルムが、前記構造化表面を前記汚れ吸着試験、前記砂落下試験、又は両試験に曝露した後に、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満の光透過率の変化を示す、フィルムの実施形態1〜9のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態11
前記構造化表面が少なくとも約20MPaの貯蔵弾性率示し、各反射防止構造体の残りの部分が、前記構造化表面によって示される貯蔵弾性率よりも低い貯蔵弾性率を示す、フィルムの実施形態1〜10のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態12
少なくとも前記反射防止構造体の前記架橋シリコーンエラストマー材料中に無機ナノ粒子(例えば、シリカ、ジルコニア、チタニアなど)を更に含む、フィルムの実施形態1〜11のいずれか1つに記載のフィルム。こうした粒子は、約2.0ミクロン以下の範囲の粒径を有するものでよい。シリカ粒子は最大でミクロンサイズであってよいが、他の材料で形成された粒子はナノメートルサイズのものが使用されることが好ましい(即ち、約5nm〜約50nm以下の範囲)。こうした粒子、特にナノ粒子は、0重量%から約60重量%以下の範囲で前記シリコーンエラストマー材料に担持されてもよい。
フィルムの実施形態13
前記構造化フィルム基材が、そこから前記反射防止構造体が延出するベース部分を更に含む、フィルムの実施形態1〜12のいずれか一つに記載のフィルム。前記ベース部分及び反射防止構造体が、共にシリコーンエラストマー材料で作製される場合、前記反射防止構造体のそれぞれは、ほぼ同じシリコーンエラストマーの架橋密度を有することができ、前記ベース部分は、前記反射防止構造体のそれぞれの架橋密度よりも低いシリコーンエラストマーの架橋密度を有することができる。
フィルムの実施形態14
前記構造化フィルム基材が、前記支持裏材の前記主面と結合されて、強化された反射防止構造化フィルムを形成する裏打ち面(例えば、主裏打ち面)を更に含む、フィルム主面を有する透明支持裏材と組み合わされたフィルムの実施形態1〜13のいずれか1つに記載のフィルム。前記反射防止構造体は、強化された反射防止構造化フィルムの露出面を形成することができる。
フィルムの実施形態15
前記透明支持裏材が静電気を消散させる、フィルムの実施形態14に記載のフィルム。
フィルムの実施形態16
前記構造化フィルム基材が裏打ち面(例えば、主裏打ち面)を更に含み、前記バリア層が前記構造化フィルム基材の前記裏打ち面と結合される、バリア層と組み合わされたフィルムの実施形態1〜15のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態17
前記バリア層が水分バリアである、フィルムの実施形態16に記載のフィルム。
フィルムの実施形態18
前記反射防止構造体のそれぞれが、シリコーンエラストマーの架橋密度勾配を示し、前記シリコーンエラストマーの架橋密度は、前記ガラス状表面に近いほど高く、前記ガラス状表面から離れるほど低い、フィルムの実施形態1〜17のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態19
前記反射防止構造体のそれぞれが、そのガラス状表面に加えてコア部分と残部部分とを有し、前記コア部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料は、前記残部部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料よりも低い架橋密度を有する、フィルムの実施形態1〜18のいずれか1つに記載のフィルム。前記コア部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料は、前記残部部分を形成する前記架橋シリコーンエラストマー材料よりも低い、実質的に均一な架橋密度を有し得る。
フィルムの実施形態20
前記コーティングが、約50Å〜約10,000Åの範囲の乾燥厚さを有する、フィルムの実施形態1〜19のいずれか1つに記載のフィルム。このコーティングは、約50Å〜約2500Åの範囲の厚さを有するのが望ましくあり得る。
フィルムの実施形態21
前記シリカナノ粒子が、約40ナノメートル以下の平均粒径を有する、フィルムの実施形態1〜20のいずれか1つに記載のフィルム。前記シリカナノ粒子は球状であってもよい。
フィルムの実施形態22
前記コーティングが、
a)約60重量%(即ち、重量百分率)〜約95重量%のシリカナノ粒子の凝集体と、
b)約0.1重量%〜約20重量%の少なくとも1種以上のテトラアルコキシシランと、
c)任意に、約0重量%〜約5重量%の界面活性剤と、
d)任意に、約0重量%〜約5重量%の湿潤剤と、を含む、フィルムの実施形態1〜21のいずれか1つに記載のフィルム。
フィルムの実施形態23
前記コーティングが、
a)約0.5重量%〜約99重量%の水と、
b)約0.1重量%〜約20重量%の、40nm以下の平均粒径を有する前記シリカナノ粒子と、
c)任意に、約0重量%〜約20重量%の、約50nmを超える平均粒径を有する前記シリカナノ粒子であって、b)とc)との合計は約0.1重量%〜約20重量%である、前記シリカナノ粒子、
d)pHを5未満に低減するのに十分な量の、3.5未満のpKaを有する酸と、
e)任意に、前記シリカナノ粒子の量に対して約0重量%〜約20重量%のテトラアルコキシシランと、
を含む、フィルムの実施形態1〜20のいずれか1つに記載のフィルム。
光エネルギー吸収装置の実施形態1
光エネルギー吸収装置であって、光エネルギー受容面を有する光吸収体と、光エネルギーの供給源からの光エネルギーが前記光吸収体によって吸収されている間、前記光エネルギー供給源と前記光エネルギー受容面との間となるように配置される、フィルムの実施形態1〜23のいずれか1つに記載の透明反射防止構造化フィルムと、を含む、光エネルギー吸収装置。光エネルギー吸収装置としては、例えば、光源(例えば、太陽)からの熱エネルギーを吸収するための熱エネルギー吸収装置、光を電気エネルギーに変換する光起電装置、又は任意の他の光エネルギー吸収装置を挙げることができるが、これらに限定されない。
装置の実施形態2
前記光吸収装置が光起電装置であり、前記光吸収体が、少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュールを含み、前記反射防止構造化フィルムが、前記光起電力モジュールの電力出力を改善するために(即ち、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力モジュールの効率を改善するために)、表面反射を少なくとも約3%低減する、装置の実施形態1に記載の装置。光起電力モジュールの電力出力は、少なくとも約5%、好ましくは約5%〜約10%の範囲内、又は更にはそれ以上改善されるのが望ましい。
装置の実施形態3
前記光吸収体が光電池を含み、前記光吸収装置が、破損することなくロールに巻かれる又は折り畳まれるのに充分なだけ可撓性及び柔軟性がある、装置の実施形態1又は2に記載の装置。
装置の実施形態4
前記光吸収装置が、剛性の光起電力モジュールを含む、装置の実施形態1又は2に記載の装置。
装置の実施形態5
前記光吸収装置が、太陽熱パネルを含む、装置の実施形態1に記載の装置。
装置の実施形態6
前記構造化フィルム基材がガラス基材の上に積層される、コーティングされる、又は他の方法で重置される、装置の実施形態1、2、4及び5のいずれか1つに記載の装置。
透明反射防止フィルムの製造方法の実施形態1
透明反射防止構造化フィルムの製造方法であって、該方法は、構造化された主面と主裏打ち面とを有する透明構造化フィルム基材であって、該構造化面は、光の反射を防止する反射防止構造化表面を画定する反射防止構造体を含み、少なくとも該反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含む、透明構造化フィルム基材を提供することと、前記反射防止構造化表面の架橋シリコーンエラストマー材料が、SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換し、かつ、前記反射防止構造化表面の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分が、前記SiOの化学量論的組成物を有するガラス状表面を含むように、前記反射防止構造化表面の全て、ほとんど、又は少なくともかなりの部分を処理することと、シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、ガラス状表面をコーティングすることと、を含む。
フィルムの製造方法の実施形態2
前記処理する工程が、真空紫外(VUV)光(例えば、172nmのエキシマ処理)、真空紫外光及びオゾン(VUVO)、酸素プラズマ、並びに熱(例えば、誘導加熱、火炎等)のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせに、前記反射防止構造化表面を暴露することを含む、フィルムの製造方法の実施形態1に記載の方法。
シリコーン材料の表面は、シリコーンからSiOの化学量論的組成物への所望のレベルの変換を得るのに十分な時間の間(例えば、172nmのエキシマーランプ暴露で5〜300秒)、好適なエネルギーレベル(例えば、酸素が50ppm未満の窒素不活性雰囲気下で10〜50mW/cm)で処理される必要がある。
フィルムの製造方法の実施形態3
少なくとも前記構造化表面の架橋シリコーンエラストマー材料の更なる架橋を引き起こすために、前記反射防止構造化表面をe−ビーム照射に暴露することを更に含み、該e−ビーム照射は前記処理の前に実施される、フィルムの製造方法の実施形態1又は2に記載の方法。
フィルムの製造方法の実施形態4
前記透明構造化フィルム基材を提供する工程が、
硬化性であることで架橋シリコーンエラストマー材料を形成するシリコーン前駆体材料(例えば、溶融熱硬化性又は架橋性熱硬化性シリコーンエラストマー樹脂)を提供することと、
前記シリコーン前駆体材料を前記構造化フィルム基材の形状に形成することと、
前記透明構造化フィルム基材を形成するために前記シリコーン前駆体材料を硬化することと、を含む、フィルムの製造方法の実施形態1〜3のいずれか一つに記載の方法。
光エネルギー吸収装置の製造方法の実施形態1
例えば光源(例えば、太陽光)の熱エネルギー吸収装置、光起電力装置、又は他の任意の光エネルギー吸収装置などの光エネルギー吸収装置の製造方法であって、該方法は、
実施形態1〜23のいずれか1つに記載の透明反射防止構造化フィルムを提供することと、光受容面を有する光吸収体(例えば、太陽光温水ヒーター又は他の熱エネルギー吸収装置、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュールなど)を提供することと、前記反射防止構造化フィルムを通って前記光吸収体の前記光受容面へと光が通過できるように、前記反射防止構造化フィルムを前記光吸収体に関連付けて機械的に取り付けるか、接着剤により接着するか、あるいは他の手段により固定することと、を含む。
光エネルギー吸収装置の製造方法の実施形態2
例えば光源(例えば太陽光)の熱エネルギー吸収装置、光起電力装置、又は他の任意の光エネルギー吸収装置などの光エネルギー吸収装置の製造方法であって、前記方法は、
フィルムの実施形態1〜4を製造する方法のいずれか1つの方法に従って透明反射防止構造化フィルムを製造することと、光エネルギー受容面を有する光吸収体(例えば、太陽光温水ヒーター又は他の熱エネルギー吸収装置、太陽エネルギー又は他の光エネルギーを電気エネルギーに変換するための少なくとも1つの光電池を有する光起電力モジュール)を提供することと、前記反射防止構造化フィルムを通って前記光吸収体の前記光エネルギー受容面へと光が通過できるように、前記反射防止構造化フィルムを前記光吸収体に関連付けて機械的に取り付けるか、接着剤により接着するか、あるいは他の手段により固定することと、を含む。
本発明には、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な改変及び変更を行うことができる。したがって本発明は上記の記載によって限定されるものではないが、以下の「特許請求の範囲」及びそのあらゆる均等物において記載される限定条件によって規制されるものである。
本発明は、本明細書に詳細に開示されていない要素を欠いても適宜実施され得る。
上記に引用した全ての特許及び特許出願は、「背景技術」の項目において記載されるものを含め、その全容にわたって本文書に援用するものである。

Claims (10)

  1. 透明反射防止構造化フィルムであって、
    構造化面を有する構造化フィルム基材を含み、前記構造化面は、構造化表面を画定しかつ光の反射を防止する反射防止構造体を含み、前記構造化表面の少なくともかなりの部分はガラス状表面を含み、少なくとも前記反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含み、前記ガラス状表面は、SiOの化学量論的組成物を含み、かつ少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のーティングでコーティングされ、前記凝集体は、シリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、前記シリカナノ粒子は隣接するシリカナノ粒子に結合する、透明反射防止構造化フィルム。
  2. 前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約5ナノメートルの深さまで前記SiOの化学量論的組成物を含む、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記ガラス状表面が、前記反射防止構造体のそれぞれの中の少なくとも約10ナノメートル〜約100ナノメートルの範囲の深さまで前記SiOの化学量論的組成物を含む、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
  5. 前記ガラス状表面が、最小量の少なくとも約10モル%の炭素原子から、最大で約40モル%の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム。
  6. 前記反射防止構造体が、約15°〜約75°の範囲の角柱先端角度、及び、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲のピッチを有する角柱を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム。
  7. 前記反射防止構造体が、約10ミクロン〜約250ミクロンの範囲の谷から頂点までの高さを有する角柱を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルム。
  8. 前記フィルムが、前記構造化表面を汚れ付着試験及び砂落下試験に曝露した後に、8%未満の光透過率の変化を示す、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム。
  9. 光エネルギー受容面を有する光吸収体と、
    光エネルギーの供給源からの光エネルギーが前記光吸収体によって吸収されている間、前記光エネルギー供給源と前記光エネルギー受容面との間となるように配置される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の透明反射防止構造化フィルムと、を含む光エネルギー吸収装置。
  10. 透明反射防止構造化フィルムの製造方法であって、前記方法は、
    光の反射を防止する反射防止構造化表面を画定する反射防止構造体を含む構造化面を有する構造化フィルム基材であって、少なくとも前記反射防止構造体は架橋シリコーンエラストマー材料を含む、構造化フィルム基材を提供することと、
    前記反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分を画定する架橋シリコーンエラストマー材料が、前記SiOの化学量論的組成物を含むガラス状物質に変換し、かつ前記反射防止構造化表面の少なくともかなりの部分がSiOの化学量論的組成物を有するガラス状表面を含むように、前記反射防止構造化表面を処理することと、
    シリカナノ粒子の凝集体の少なくとも1つの層であって、前記凝集体がシリカナノ粒子の三次元の多孔質網目構造を含み、前記シリカナノ粒子が隣接するシリカナノ粒子に結合した、少なくとも1つのシリカナノ粒子の凝集体層のコーティングで、前記ガラス状表面をコーティングすることと、を含む方法。
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