JP2014240371A - 化合物、太陽電池モジュール及び太陽光発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規の化合物、該化合物を用いた太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置に関する。
近赤外等の長波長領域で発光する化合物(蛍光体)は、例えば、太陽光発電装置における集光材料及び波長変換材料、並びに生体内の蛍光プローブ用材料等、種々の分野で高い需要がある。
一例として、このような蛍光体を用いた太陽光発電装置について説明する。導光体の一部に太陽電池素子を備え、導光体の内部を伝播した光を太陽電池素子に入射させて発電を行う太陽光発電装置として、特許文献1に記載の太陽光発電装置(太陽エネルギー回収窓)が知られている。
この太陽光発電装置は、導光体の一主面から入射した太陽光の一部を導光体の内部に伝播させて、太陽電池素子に導くように構成されている。導光体は蛍光体(蛍光物質)を含有しており、この蛍光体は、導光体に入射した太陽光(入射光)を吸収して励起され、発光する。そして、このときの蛍光体からの放射光(蛍光)は導光体の内部を伝播し、太陽電池素子に入射することにより、発電が行われるようになっている。
一例として、このような蛍光体を用いた太陽光発電装置について説明する。導光体の一部に太陽電池素子を備え、導光体の内部を伝播した光を太陽電池素子に入射させて発電を行う太陽光発電装置として、特許文献1に記載の太陽光発電装置(太陽エネルギー回収窓)が知られている。
この太陽光発電装置は、導光体の一主面から入射した太陽光の一部を導光体の内部に伝播させて、太陽電池素子に導くように構成されている。導光体は蛍光体(蛍光物質)を含有しており、この蛍光体は、導光体に入射した太陽光(入射光)を吸収して励起され、発光する。そして、このときの蛍光体からの放射光(蛍光)は導光体の内部を伝播し、太陽電池素子に入射することにより、発電が行われるようになっている。
このような太陽光発電装置においては、発電量を決定する一つの要因として、蛍光体の発光能が挙げられる。そして、太陽光発電装置の発電量を増大させるためには、蛍光体として、十分に長波長の光を吸収可能で、且つ蛍光量子収率が高いものを用いることが望まれ、蛍光体の選択が重要となる。
ここでは、太陽光発電装置について説明したが、生体内の蛍光プローブ等、他の用途でも同様に、十分に長波長の光を吸収可能で、且つ蛍光量子収率が高い蛍光体を選択できるようになることは、極めて重要である。
ここでは、太陽光発電装置について説明したが、生体内の蛍光プローブ等、他の用途でも同様に、十分に長波長の光を吸収可能で、且つ蛍光量子収率が高い蛍光体を選択できるようになることは、極めて重要である。
蛍光体としては、これまでに種々のものが探索されてきており、例えば、非特許文献1には、下記式(9)−1で表される化合物(以下、「化合物(9)−1」と略記する)等が開示されている。
Georg M.Fischer,et al.,Chem.Eur.J.2009,15,4857−4864
しかし、化合物(9)−1は、730nm付近の長波長領域における光の吸収係数が大きく、十分に長波長の光を吸収可能であるものの、蛍光量子収率が低い(0.69)という問題点があった。このように、光の吸収ピーク波長と蛍光量子収率とのいずれか一方が十分ではない化合物を、太陽光発電装置用の太陽電池モジュール等の所望の目的物において用いた場合、さらなる性能向上を見込むことが難しく、新規の化合物の適用が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、十分に長波長の光を吸収可能で、且つ蛍光量子収率が高い新規の化合物、該化合物を用いた太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置を提供することを課題とする。
本発明は、下記一般式(I)で表される化合物を提供する。
本発明に係る化合物は、下記一般式(I−1)で表されるものが好ましい。
本発明に係る化合物は、下記一般式(I−1−1)で表されるものが好ましい。
本発明に係る化合物は、すべての前記アルキル基及びアルコキシ基の炭素数が6〜22であり、すべての前記アリール基及びアリールオキシ基の炭素数が6〜22であり、すべての前記アルキニル基の炭素数が2〜22であるものが好ましい。
また、本発明は、前記化合物を用いたことを特徴とする太陽電池モジュールを提供する。
本発明に係る太陽電池モジュールは、光入射面及び該光入射面よりも面積が小さい光射出面を有する導光体、並びに前記光射出面からの射出光を受光して、電力を発生する太陽電池素子を備え、前記導光体は、さらに前記化合物を含み、前記光入射面からの入射光が前記化合物に吸収されて生じた前記化合物からの放射光を、前記射出光とするものが好ましい。
本発明に係る太陽電池モジュールは、光入射面及び該光入射面よりも面積が小さい光射出面を有する導光体、並びに前記光射出面からの射出光を受光して、電力を発生する太陽電池素子を備え、前記導光体は、さらに前記化合物を含み、前記光入射面からの入射光が前記化合物に吸収されて生じた前記化合物からの放射光を、前記射出光とするものが好ましい。
また、本発明は、前記太陽電池モジュールを備えたことを特徴とする太陽光発電装置を提供する。
本発明によれば、十分に長波長の光を吸収可能で、且つ蛍光量子収率が高い新規の化合物、該化合物を用いた太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置が提供される。
<化合物>
本発明に係る化合物は、下記一般式(I)で表される(以下、「化合物(I)」と略記することがある)。化合物(I)は、蛍光性の新規化合物であり、長波長の光に対して吸収係数が高いので、このような光を十分に吸収可能である。また、化合物(I)は、蛍光量子収率が高い。
本発明に係る化合物は、下記一般式(I)で表される(以下、「化合物(I)」と略記することがある)。化合物(I)は、蛍光性の新規化合物であり、長波長の光に対して吸収係数が高いので、このような光を十分に吸収可能である。また、化合物(I)は、蛍光量子収率が高い。
式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基である。
R1における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、前記アルキル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。そして、前記アルキル基は、炭素数が1〜22であることが好ましく、後述する溶媒への溶解性がより高い化合物(I)とするためには、炭素数が6以上(6〜22)であることがより好ましい。
R1における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、前記アルキル基は、単環状及び多環状のいずれでもよい。そして、前記アルキル基は、炭素数が1〜22であることが好ましく、後述する溶媒への溶解性がより高い化合物(I)とするためには、炭素数が6以上(6〜22)であることがより好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、炭素数が1〜22であることが好ましく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基が例示できる。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、化合物(I)の前記溶解性の観点からは、炭素数が6以上(6〜22)であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基は、化合物(I)の前記溶解性の観点からは、炭素数が6以上(6〜22)であることが好ましい。
環状の前記アルキル基は、炭素数が3〜22であることが好ましく、該アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示でき、さらに、これら環状のアルキル基の1個以上の水素原子が、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基で置換されたものが例示できる。ここで、水素原子を置換する直鎖状、分岐鎖状及び環状のアルキル基としては、R1におけるアルキル基として例示した上記のものが挙げられる。
環状の前記アルキル基は、化合物(I)の前記溶解性の観点からは、炭素数が6以上(6〜22)であることが好ましい。
環状の前記アルキル基は、化合物(I)の前記溶解性の観点からは、炭素数が6以上(6〜22)であることが好ましい。
R1における前記アルコキシ基としては、メトキシ基、シクロプロポキシ基等、R1における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示でき、炭素数が1〜22であることが好ましく、化合物(I)の前記溶解性の観点からは、炭素数が6以上(6〜22)であることがより好ましい。
R1における前記アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、炭素数が6〜22であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が例示でき、これらアリール基の1個以上の水素原子が、さらにこれらアリール基や、R1における前記アルキル基で置換されたものも例示できる。これら置換基を有するアリール基は、置換基も含めて炭素数が6〜22であることが好ましい。
これらのなかでも、前記アリール基は、炭素数が6〜10であることがより好ましい。
これらのなかでも、前記アリール基は、炭素数が6〜10であることがより好ましい。
R1における前記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等、R1における前記アリール基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示でき、炭素数が6〜22であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
複数個(2個)のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。
R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
化合物(I)は、R1として、アルキル基又はアルコキシ基であるものを分子中に1個以上有する場合、適切な溶媒を選択することで、上記のように溶媒への溶解性が向上する。溶媒への溶解性が高い化合物(I)を使用することで、化合物(I)の取り扱い性がより向上し、例えば、後述する太陽光発電装置であれば発電量がより多いものが、蛍光プローブであれば検出感度がより高いものが、それぞれ目的物としてより容易に得られる。ただし、R1として、アルキル基又はアルコキシ基を全く有しない化合物(I)を使用した場合でも、十分有用な目的物が得られる。
式中、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基である。
R2及びR3における前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基としては、R1における前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基と同様のものが例示でき、同一分子中において、R2及びR3は、R1と同一でもよいし、異なっていてもよい。
R2及びR3における前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基としては、R1における前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基と同様のものが例示でき、同一分子中において、R2及びR3は、R1と同一でもよいし、異なっていてもよい。
R2及びR3における前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示できる。
複数個(8個)のR2は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、R2はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
同様に、複数個(4個)のR3は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、R3はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
同様に、複数個(4個)のR3は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、R3はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
式中、R4はハロゲン原子、シアノ基、又は1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基若しくはアルキニル基である。
R4における前記アルキル基及びアリール基としては、R1における前記アルキル基及びアリール基と同様のものが例示でき、R4における前記ハロゲン原子としては、R2及びR3における前記ハロゲン原子と同様のものが例示できる。そして、同一分子中において、R4は、R1、R2又はR3と同一でもよいし、異なっていてもよい。
R4における前記アルキル基及びアリール基としては、R1における前記アルキル基及びアリール基と同様のものが例示でき、R4における前記ハロゲン原子としては、R2及びR3における前記ハロゲン原子と同様のものが例示できる。そして、同一分子中において、R4は、R1、R2又はR3と同一でもよいし、異なっていてもよい。
R4における前記アルキニル基としては、エチニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)等、R1における前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換されたものが例示でき、三重結合の位置は特に限定されない。
前記アルキニル基は、炭素数が2〜22であることが好ましい。
前記アルキニル基は、炭素数が2〜22であることが好ましい。
アルキル基、アリール基及びアルキニル基において、水素原子が置換されていてもよい前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示できる。
前記ハロゲン原子で置換されている水素原子の数は、1個のみでもよいし、2個以上でもよく、すべての水素原子が前記ハロゲン原子で置換されていてもよい。そして、2個以上の水素原子が前記ハロゲン原子で置換されている場合、これら2個以上のハロゲン原子は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。また、前記ハロゲン原子で置換されている水素原子の位置は、特に限定されない。
前記ハロゲン原子で置換されている水素原子の数は、1個のみでもよいし、2個以上でもよく、すべての水素原子が前記ハロゲン原子で置換されていてもよい。そして、2個以上の水素原子が前記ハロゲン原子で置換されている場合、これら2個以上のハロゲン原子は、すべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。また、前記ハロゲン原子で置換されている水素原子の位置は、特に限定されない。
複数個(4個)のR4は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、R4はすべて同一でもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ異なっていてもよい。化合物(I)をより容易に製造できるという点では、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR4が互いに同一であることが好ましく、すべて(4個)のR4が互いに同一であることが好ましい。
R4はハロゲン原子、又は1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基若しくはアルキニル基であることが好ましく、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基若しくはアルキニル基であることがより好ましい。
式中、X1は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は式「−NH−」で表される基である。
複数個(2個)のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I)をより容易に製造できるという点では、複数個のX1は互いに同一であることが好ましい。
X1は酸素原子、硫黄原子又は式「−NH−」で表される基であることが好ましく、酸素原子又は硫黄原子であることがより好ましい。
複数個(2個)のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I)をより容易に製造できるという点では、複数個のX1は互いに同一であることが好ましい。
X1は酸素原子、硫黄原子又は式「−NH−」で表される基であることが好ましく、酸素原子又は硫黄原子であることがより好ましい。
化合物(I)は、R1、R2若しくはR3としてアルキル基又はアルコキシ基を有し、R4としてアルキル基を有する場合、これらアルキル基又はアルコキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I)は、R1、R2若しくはR3としてアリール基又はアリールオキシ基を有し、R4としてアリール基を有する場合、これらアリール基又はアリールオキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I)は、R4としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
また、化合物(I)は、R1、R2若しくはR3としてアリール基又はアリールオキシ基を有し、R4としてアリール基を有する場合、これらアリール基又はアリールオキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I)は、R4としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
化合物(I)は、上記の構造を有することで、光の吸収ピーク波長が長波長となり、また、蛍光量子収率が大きくなる。化合物(I)は、特に、両端部のベンゼン環骨格に縮環している5員環骨格を有することにより、光の吸収ピーク波長が長波長となり、R1を有することにより、蛍光量子収率が大きくなる。
例えば、文献「Georg M.Fischer,et al.,Chem.Eur.J.2009,15,4857−4864」で開示されている化合物(9)−1等の一連の化合物は、750nm付近の長波長領域における光の吸収係数が大きく、十分に長波長の光を吸収可能であるものの、蛍光量子収率が低い。これは、例えば下記化合物(9)−1の場合であれば、矢印で示す炭素原子(含窒素複素5員環骨格中の窒素原子及び炭素原子間に位置する炭素原子)に、4−アルコキシフェニル基(4−オクチルオキシフェニル基)が結合しているためであると推測される。これは、化合物(9)−1以外の化合物でも同様であり、同様の炭素原子に4−アルコキシフェニル基が結合しているためであると推測される。
なお、本明細書において、「ピーク波長」とは、光スペクトルの主たるピークの波長を意味し、好ましくはスペクトル強度が最大のピークの波長である。
例えば、文献「Georg M.Fischer,et al.,Chem.Eur.J.2009,15,4857−4864」で開示されている化合物(9)−1等の一連の化合物は、750nm付近の長波長領域における光の吸収係数が大きく、十分に長波長の光を吸収可能であるものの、蛍光量子収率が低い。これは、例えば下記化合物(9)−1の場合であれば、矢印で示す炭素原子(含窒素複素5員環骨格中の窒素原子及び炭素原子間に位置する炭素原子)に、4−アルコキシフェニル基(4−オクチルオキシフェニル基)が結合しているためであると推測される。これは、化合物(9)−1以外の化合物でも同様であり、同様の炭素原子に4−アルコキシフェニル基が結合しているためであると推測される。
なお、本明細書において、「ピーク波長」とは、光スペクトルの主たるピークの波長を意味し、好ましくはスペクトル強度が最大のピークの波長である。
化合物(I)は、下記一般式(I−1)で表されるもの(以下、「化合物(I−1)」と略記することがある)が好ましい。
式中、R11は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基であり、化合物(I)におけるR1と同じである。
複数個(2個)のR11は互いに同一でも異なっていてもよい。
複数個(2個)のR11は互いに同一でも異なっていてもよい。
式中、R21及びR31は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアリール基であり、かかるアルキル基及びアリール基は、化合物(I)のR2及びR3における前記アルキル基及びアリール基と同じである。
複数個(8個)のR21は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(4個)のR31は互いに同一でも異なっていてもよい。
複数個(8個)のR21は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(4個)のR31は互いに同一でも異なっていてもよい。
式中、R41はハロゲン原子、又は1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基若しくはアルキニル基であり、シアノ基が含まれない点以外は、化合物(I)におけるR4と同じである。
複数個(4個)のR41は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1)をより容易に製造できるという点では、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR41が互いに同一であることが好ましく、すべて(4個)のR41が互いに同一であることが好ましい。
複数個(4個)のR41は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1)をより容易に製造できるという点では、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR41が互いに同一であることが好ましく、すべて(4個)のR41が互いに同一であることが好ましい。
式中、X11は酸素原子、硫黄原子又は式「−NH−」で表される基であり、セレン原子が含まれない点以外は、化合物(I)におけるX1と同じである。
複数個のX11(2個)は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1)をより容易に製造できるという点では、複数個のX11は互いに同一であることが好ましい。
複数個のX11(2個)は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1)をより容易に製造できるという点では、複数個のX11は互いに同一であることが好ましい。
化合物(I−1)は、R11としてアルキル基又はアルコキシ基を有し、R21、R31又はR41としてアルキル基を有する場合、これらアルキル基又はアルコキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1)は、R11としてアリール基又はアリールオキシ基を有し、R21、R31又はR41としてアリール基を有する場合、これらアリール基又はアリールオキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1)は、R41としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1)は、R11としてアリール基又はアリールオキシ基を有し、R21、R31又はR41としてアリール基を有する場合、これらアリール基又はアリールオキシ基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1)は、R41としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
さらに、化合物(I−1)は、下記一般式(I−1−1)で表されるもの(以下、「化合物(I−1−1)」と略記することがある)が好ましい。
式中、R12、R22及びR32は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、該アルキル基は、化合物(I)のR1における前記アルキル基と同じである。
複数個(2個)のR12は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(8個)のR22は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(4個)のR32は互いに同一でも異なっていてもよい。
複数個(2個)のR12は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(8個)のR22は互いに同一でも異なっていてもよく、複数個(4個)のR32は互いに同一でも異なっていてもよい。
式中、R42はフッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基若しくはアルキニル基であり、シアノ基が含まれず、ハロゲン原子(R4そのもの、及び水素原子が置換されるもの)が共にフッ素原子に特定されている点以外は、化合物(I)におけるR4と同じである。
複数個(4個)のR42は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1−1)をより容易に製造できるという点では、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR42が互いに同一であることが好ましく、すべて(4個)のR42が互いに同一であることが好ましい。
複数個(4個)のR42は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1−1)をより容易に製造できるという点では、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR42が互いに同一であることが好ましく、すべて(4個)のR42が互いに同一であることが好ましい。
式中、X12は酸素原子又は硫黄原子である。
複数個(2個)のX12は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1−1)をより容易に製造できるという点では、複数個のX12は互いに同一であることが好ましい。
複数個(2個)のX12は互いに同一でも異なっていてもよい。化合物(I−1−1)をより容易に製造できるという点では、複数個のX12は互いに同一であることが好ましい。
化合物(I−1−1)は、R12、R22、R32又はR42としてアルキル基を有する場合、該アルキル基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1−1)は、R42としてアリール基を有する場合、該アリール基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1−1)は、R42としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1−1)は、R42としてアリール基を有する場合、該アリール基の炭素数は、すべて6〜22であることが好ましい。
また、化合物(I−1−1)は、R42としてアルキニル基を有する場合、該アルキニル基の炭素数は、すべて2〜22であることが好ましい。
化合物(I)は、光の吸収ピーク波長が、好ましくは650nm以上、より好ましくは690nm以上となり、光の吸収波長が十分に長波長のものである。一方、化合物(I)は、特に上述の太陽光発電装置や蛍光プローブ等の用途に用いる場合には、発光のピーク波長が、730〜950nmであるとより有用である。
また、化合物(I)は、蛍光量子収率が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上となり、十分に高いものである。
蛍光量子収率は、発光のピーク波長の影響を受けるものであり、化合物(I)は、発光のピーク波長が、例えば730〜770nmの範囲、好ましくは750nmにあると、より高い蛍光量子収率が得られる傾向にある。
また、化合物(I)は、蛍光量子収率が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上となり、十分に高いものである。
蛍光量子収率は、発光のピーク波長の影響を受けるものであり、化合物(I)は、発光のピーク波長が、例えば730〜770nmの範囲、好ましくは750nmにあると、より高い蛍光量子収率が得られる傾向にある。
化合物(I)の光の吸収ピーク波長及び発光のピーク波長は、量子化学計算によって求めることもできる。このとき、汎用の量子化学計算ソフトを用いることができ、このようなものとしては、Gaussian09(Gaussian社製)が例示でき、例えば、計算条件をB3LYP/6−31+g(d)として、光の吸収ピーク波長を求めることができる。ただし、計算条件は、これに限定されるものではない。
蛍光量子収率は、公知の方法で求められる。
蛍光量子収率は、公知の方法で求められる。
このように化合物(I)は、十分に長波長の光を吸収可能で、発光のピーク波長も十分に長波長となる。さらに化合物(I)は、蛍光量子収率が高い。したがって、例えば、後述する太陽光発電装置における蛍光体として化合物(I)を用いることで、かかる太陽光発電装置は発電量に優れたものとなる。また、蛍光プローブとして化合物(I)用いることで、検出感度がより高いものとなる。なお、化合物(I)の用途はこれらに限定されず、蛍光体を用いるすべての分野で、化合物(I)を適用できる。
<化合物の製造方法>
化合物(I)は、例えば、下記一般式(Id)で表される化合物(以下、「化合物(Id)」と略記する)と、下記一般式(Ic)で表される化合物(以下、「化合物(Ic)」と略記する)とを反応させて、下記一般式(Ib)で表される化合物(以下、「化合物(Ib)」と略記する)を得る工程(以下、「化合物(Ib)製造工程」と略記する)、及び化合物(Ib)と、下記一般式(Ia)で表される化合物(以下、「化合物(Ia)」と略記する)とを反応させて、化合物(I)を得る工程(以下、「化合物(I)製造工程」と略記する)を有する製造方法により、製造できる。ただし、ここに挙げた製造方法は一例であり、化合物(I)の製造方法は、これに限定されない。
化合物(I)は、例えば、下記一般式(Id)で表される化合物(以下、「化合物(Id)」と略記する)と、下記一般式(Ic)で表される化合物(以下、「化合物(Ic)」と略記する)とを反応させて、下記一般式(Ib)で表される化合物(以下、「化合物(Ib)」と略記する)を得る工程(以下、「化合物(Ib)製造工程」と略記する)、及び化合物(Ib)と、下記一般式(Ia)で表される化合物(以下、「化合物(Ia)」と略記する)とを反応させて、化合物(I)を得る工程(以下、「化合物(I)製造工程」と略記する)を有する製造方法により、製造できる。ただし、ここに挙げた製造方法は一例であり、化合物(I)の製造方法は、これに限定されない。
[化合物(Ib)製造工程]
化合物(Ib)製造工程においては、化合物(Ic)及び(Id)を反応させる。
化合物(Ic)において、R2、R3及びX1は、一般式(I)におけるR2、R3及びX1と同じである。
化合物(Id)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。
化合物(Ib)製造工程においては、化合物(Ic)及び(Id)を反応させる。
化合物(Ic)において、R2、R3及びX1は、一般式(I)におけるR2、R3及びX1と同じである。
化合物(Id)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。
化合物(Ib)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素等が例示できる。
また、化合物(Ib)製造工程においては、オキシ塩化リン(O=PCl3)を用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Ib)製造工程において、化合物(Ic)の使用量は、化合物(Id)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜4倍モルであることがより好ましい。また、オキシ塩化リンの使用量は、化合物(Id)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜6倍モルであることがより好ましい。
化合物(Ib)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜10時間であることが好ましい。
また、化合物(Ib)製造工程においては、オキシ塩化リン(O=PCl3)を用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Ib)製造工程において、化合物(Ic)の使用量は、化合物(Id)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜4倍モルであることがより好ましい。また、オキシ塩化リンの使用量は、化合物(Id)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜6倍モルであることがより好ましい。
化合物(Ib)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜10時間であることが好ましい。
化合物(Ib)製造工程においては、化合物(I)として、複数個(2個)のX1が互いに同一であるものを製造する場合には、対応する化合物(Ic)を1種のみ用いることが好ましい。一方、複数個(2個)のX1が互いに異なるものを製造する場合には、対応する化合物(Ic)を2種用いればよい。この場合、主生成物である目的物以外に、少なくとも2種の副生成物(ただし、これら2種の副生成物も化合物(Ib)に該当するものである)が生じ得るが、例えば、後述する後処理、取り出し及び精製の一以上を適した条件で行うことで、これら副生成物を除去できる。
化合物(Ib)製造工程において、反応終了後は、公知の手法によって、必要に応じて後処理を行い、化合物(Ib)を取り出せばよい。すなわち、適宜必要に応じて、ろ過、洗浄、抽出、pH調整、脱水、濃縮等の後処理操作をいずれか単独で、又は二種以上組み合わせて行い、濃縮、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等により、化合物(Ib)を取り出せばよい。また、取り出した化合物(Ib)は、さらに必要に応じて、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作をいずれか単独で、又は二種以上組み合わせて一回以上行うことで、精製してもよい。
化合物(Ib)製造工程においては、反応終了後、必要に応じて後処理を行った後、化合物(Ib)を取り出すことなく、引き続き化合物(I)製造工程を行ってもよい。
化合物(Ib)製造工程においては、反応終了後、必要に応じて後処理を行った後、化合物(Ib)を取り出すことなく、引き続き化合物(I)製造工程を行ってもよい。
[化合物(I)製造工程]
化合物(I)製造工程においては、化合物(Ia)及び(Ib)を反応させる。
化合物(Ia)において、R4は、一般式(I)におけるR4と同じである。
また、R91及びR92はそれぞれ独立にアルキル基であり、該アルキル基としては、R1における前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜10であることが好ましい。また、R91及びR92は相互に結合して、R91、R92、並びにR91及びR92がそれぞれ結合している酸素原子で環を形成していてもよい。
ここで示している化合物(Ia)は、ジアルキルエーテル又は環状エーテルの錯体であるが、R4の種類によっては、このような錯体を形成していなくても安定に存在できるものがあり、このような一般式「BR4 3」で表されるものも、化合物(Ia)として好適である。
化合物(I)製造工程においては、化合物(Ia)及び(Ib)を反応させる。
化合物(Ia)において、R4は、一般式(I)におけるR4と同じである。
また、R91及びR92はそれぞれ独立にアルキル基であり、該アルキル基としては、R1における前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜10であることが好ましい。また、R91及びR92は相互に結合して、R91、R92、並びにR91及びR92がそれぞれ結合している酸素原子で環を形成していてもよい。
ここで示している化合物(Ia)は、ジアルキルエーテル又は環状エーテルの錯体であるが、R4の種類によっては、このような錯体を形成していなくても安定に存在できるものがあり、このような一般式「BR4 3」で表されるものも、化合物(Ia)として好適である。
化合物(I)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、1,1,2−トリクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等が例示できる。
また、化合物(I)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、トリエチルアミン等の有機塩基であることが好ましい。
化合物(I)製造工程において、化合物(Ia)の使用量は、化合物(Ib)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜20倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Ib)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜20倍モルであることがより好ましい。
化合物(I)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は10分〜5時間であることが好ましい。
また、化合物(I)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、トリエチルアミン等の有機塩基であることが好ましい。
化合物(I)製造工程において、化合物(Ia)の使用量は、化合物(Ib)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜20倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Ib)に対して2倍モル以上であることが好ましく、2〜20倍モルであることがより好ましい。
化合物(I)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は10分〜5時間であることが好ましい。
化合物(I)製造工程においては、化合物(I)として、すべて(4個)のR4が互いに同一であるものを製造する場合には、対応する化合物(Ia)を1種のみ用いることが好ましい。一方、例えば、同一のホウ素原子(B)に結合している2個のR4が互いに同一であり、且つ異なるホウ素原子に結合しているR4が互いに異なる(一方のホウ素原子に結合している2個のR4が互いに同一であり、他方のホウ素原子に結合している2個のR4が、前記一方のホウ素原子に結合している2個のR4とは異なる種類で互いに同一である)ものを製造する場合には、対応する化合物(Ia)を2種用いればよい。この場合、主生成物である目的物以外に、少なくとも2種の副生成物(ただし、これら2種の副生成物も化合物(I)に該当するものである)が生じ得るが、例えば、化合物(Ib)製造工程の場合と同様に、後処理、取り出し及び精製の一以上を適した条件で行うことで、これら副生成物を除去できる。
化合物(I)製造工程において、反応終了後は、化合物(Ib)製造工程の場合と同様の方法で、化合物(I)を取り出せばよく、取り出した化合物(I)をさらに精製してもよい。
化合物(Ic)及び(Id)の市販品が入手できない場合には、公知の方法を組み合わせた以下に示す方法で、それぞれ製造すればよい。
化合物(Ic)は、例えば、下記一般式(Icc)で表される化合物(以下、「化合物(Icc)」と略記する)から、下記一般式(Icb)で表される化合物(以下、「化合物(Icb)」と略記する)を得る工程(以下、「化合物(Icb)製造工程」と略記する)、及び化合物(Icb)と、下記一般式(Ica)で表される化合物(以下、「化合物(Ica)」と略記する)とを反応させて、化合物(Ic)を得る工程(以下、「化合物(Ic)製造工程」と略記する)を有する製造方法により、製造できる。ただし、ここに挙げた製造方法は一例であり、化合物(Ic)の製造方法は、これに限定されない。
[化合物(Icb)製造工程]
化合物(Icb)製造工程においては、化合物(Icc)から化合物(Icb)を得る。かかる工程で行う反応はハロゲン化反応である。
化合物(Icc)及び(Icb)において、R2及びR3は、一般式(I)におけるR2及びR3と同じである。
化合物(Icb)において、L1はハロゲン原子であり、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
化合物(Icb)製造工程においては、化合物(Icc)から化合物(Icb)を得る。かかる工程で行う反応はハロゲン化反応である。
化合物(Icc)及び(Icb)において、R2及びR3は、一般式(I)におけるR2及びR3と同じである。
化合物(Icb)において、L1はハロゲン原子であり、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
化合物(Icb)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素等が例示できる。
化合物(Icb)製造工程において用いるハロゲン化剤は、公知のものでよく、例えば、臭素化する場合には、臭素(Br2)を前記溶媒に溶解させて用いることが好ましい。
また、化合物(Icb)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基であることが好ましく、硫酸ナトリウムを併用してもよい。
化合物(Icb)製造工程においては、脱水条件下で反応を行うことが好ましく、このようにすることで、化合物(Icb)の収率が向上する。そのためには、例えば、化合物(Icc)、ハロゲン化剤及び塩基等の原料や、溶媒として、乾燥品(脱水処理を行ったもの)を用いることが好ましい。また、上記の原料や溶媒以外に、別途脱水剤を共存させて反応を行ってもよい。
化合物(Icb)製造工程において、ハロゲン化剤の使用量は、化合物(Icc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜3倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Icc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、脱水剤の使用量は、その種類やその他の使用原料の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
化合物(Icb)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間であることが好ましい。
化合物(Icb)製造工程において用いるハロゲン化剤は、公知のものでよく、例えば、臭素化する場合には、臭素(Br2)を前記溶媒に溶解させて用いることが好ましい。
また、化合物(Icb)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基であることが好ましく、硫酸ナトリウムを併用してもよい。
化合物(Icb)製造工程においては、脱水条件下で反応を行うことが好ましく、このようにすることで、化合物(Icb)の収率が向上する。そのためには、例えば、化合物(Icc)、ハロゲン化剤及び塩基等の原料や、溶媒として、乾燥品(脱水処理を行ったもの)を用いることが好ましい。また、上記の原料や溶媒以外に、別途脱水剤を共存させて反応を行ってもよい。
化合物(Icb)製造工程において、ハロゲン化剤の使用量は、化合物(Icc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜3倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Icc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、脱水剤の使用量は、その種類やその他の使用原料の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
化合物(Icb)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間であることが好ましい。
化合物(Icb)製造工程において、反応終了後は、化合物(Ib)製造工程の場合と同様の方法で、化合物(Icb)を取り出せばよく、取り出した化合物(Icb)をさらに精製してもよい。また、反応終了後、必要に応じて後処理を行った後、化合物(Icb)を取り出すことなく、引き続き化合物(Ic)製造工程を行ってもよい。このように、目的物を取り出す方法や、目的物を取り出すことなく次工程で用いることは、以降で説明するその他の各種中間体においても同様である。
[化合物(Ic)製造工程]
化合物(Ic)製造工程においては、化合物(Icb)及び(Ica)を反応させる。
化合物(Ica)において、X1は、一般式(I)におけるX1と同じである。
化合物(Ic)製造工程においては、化合物(Icb)及び(Ica)を反応させる。
化合物(Ica)において、X1は、一般式(I)におけるX1と同じである。
化合物(Ic)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、2−プロパノール、エタノール等のアルコール等が例示できる。
化合物(Ic)製造工程において、化合物(Ica)の使用量は、化合物(Icb)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜3倍モルであることがより好ましい。
化合物(Ic)製造工程における前記反応の反応温度は、30〜80℃であることが好ましく、反応時間は1分〜5時間であることが好ましい。
化合物(Ic)製造工程において、化合物(Ica)の使用量は、化合物(Icb)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜3倍モルであることがより好ましい。
化合物(Ic)製造工程における前記反応の反応温度は、30〜80℃であることが好ましく、反応時間は1分〜5時間であることが好ましい。
一方、化合物(Id)は、例えば、下記一般式(Ide)で表される化合物(以下、「化合物(Ide)」と略記する)と、下記一般式(Idd)で表される化合物(以下、「化合物(Idd)」と略記する)とを反応させて、下記一般式(Idc)で表される化合物(以下、「化合物(Idc)」と略記する)を得る工程(以下、「化合物(Idc)製造工程」と略記する)、化合物(Idc)から、下記一般式(Idb)で表される化合物(以下、「化合物(Idb)」と略記する)を得る工程(以下、「化合物(Idb)製造工程」と略記する)、及び化合物(Idb)と、下記一般式(Ida)で表される化合物(以下、「化合物(Ida)」と略記する)とを反応させて、化合物(Id)を得る工程(以下、「化合物(Id)製造工程」と略記する)を有する製造方法により、製造できる。ただし、ここに挙げた製造方法は一例であり、化合物(Id)の製造方法は、これに限定されない。
[化合物(Idc)製造工程]
化合物(Idc)製造工程においては、化合物(Idd)及び(Ide)を反応させる。
化合物(Idd)において、R93及びR94はそれぞれ独立にアルキル基であり、該アルキル基としては、R1における前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜10であることが好ましい。
化合物(Ide)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。
化合物(Idc)製造工程においては、化合物(Idd)及び(Ide)を反応させる。
化合物(Idd)において、R93及びR94はそれぞれ独立にアルキル基であり、該アルキル基としては、R1における前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜10であることが好ましい。
化合物(Ide)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。
化合物(Idc)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、1,4−ジオキサン、ジエチエーテル等のエーテル等が例示できる。
また、化合物(Idc)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、トリエチルアミン等の有機塩基であることが好ましい。
また、化合物(Idc)製造工程においては、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライド等の触媒を用いて反応を行うことが好ましく、塩基及び触媒を併用することが好ましい。
化合物(Idc)製造工程において、化合物(Ide)の使用量は、化合物(Idd)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Idd)に対して0.5倍モル以上であることが好ましく、0.5〜3倍モルであることがより好ましい。また、触媒の使用量は、その種類やその他の使用原料の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライドを用いる場合には、その使用量は、化合物(Idd)に対して0.05〜0.5倍モルであることが好ましい。
化合物(Idc)製造工程における前記反応の反応温度は、60〜130℃であることが好ましく、反応時間は1〜15時間であることが好ましい。
また、化合物(Idc)製造工程においては、塩基を用いて反応を行うことが好ましく、前記塩基は、トリエチルアミン等の有機塩基であることが好ましい。
また、化合物(Idc)製造工程においては、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライド等の触媒を用いて反応を行うことが好ましく、塩基及び触媒を併用することが好ましい。
化合物(Idc)製造工程において、化合物(Ide)の使用量は、化合物(Idd)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、塩基の使用量は、化合物(Idd)に対して0.5倍モル以上であることが好ましく、0.5〜3倍モルであることがより好ましい。また、触媒の使用量は、その種類やその他の使用原料の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライドを用いる場合には、その使用量は、化合物(Idd)に対して0.05〜0.5倍モルであることが好ましい。
化合物(Idc)製造工程における前記反応の反応温度は、60〜130℃であることが好ましく、反応時間は1〜15時間であることが好ましい。
[化合物(Idb)製造工程]
化合物(Idb)製造工程においては、化合物(Idc)から化合物(Idb)を得る。かかる工程で行う反応は、ラクタムを形成する環化反応である。
化合物(Idb)製造工程においては、化合物(Idc)から化合物(Idb)を得る。かかる工程で行う反応は、ラクタムを形成する環化反応である。
化合物(Idb)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、酢酸等の有機酸等が例示できる。
また、化合物(Idb)製造工程は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、化合物(Idb)製造工程においては、窒素源として酢酸アンモニウムを用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Idb)製造工程において、酢酸アンモニウムの使用量は、化合物(Idc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜10倍モルであることがより好ましい。
化合物(Idb)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜10時間であることが好ましい。
また、化合物(Idb)製造工程は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、化合物(Idb)製造工程においては、窒素源として酢酸アンモニウムを用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Idb)製造工程において、酢酸アンモニウムの使用量は、化合物(Idc)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜10倍モルであることがより好ましい。
化合物(Idb)製造工程における前記反応の反応温度は、70〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜10時間であることが好ましい。
[化合物(Id)製造工程]
化合物(Id)製造工程においては、化合物(Ida)及び(Idb)を反応させる。
化合物(Ida)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。そして、化合物(Ida)におけるR1と化合物(Idb)におけるR1とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
化合物(Id)製造工程においては、化合物(Ida)及び(Idb)を反応させる。
化合物(Ida)において、R1は、一般式(I)におけるR1と同じである。そして、化合物(Ida)におけるR1と化合物(Idb)におけるR1とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
化合物(Id)製造工程においては、溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。溶媒は、原料となる化合物の溶解性や反応条件等を考慮し、反応を妨げないものから適宜任意に選択でき、具体的な溶媒としては、2−メチル−2−ブタノール(tert−アミルアルコール)等のアルコール等が例示できる。
また、化合物(Id)製造工程においては、金属ナトリウムを用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Id)製造工程において、化合物(Ida)の使用量は、化合物(Idb)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、金属ナトリウムの使用量は、化合物(Ida)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜10倍モルであることがより好ましい。
化合物(Id)製造工程における前記反応の反応温度は、60〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜15時間であることが好ましい。
また、化合物(Id)製造工程においては、金属ナトリウムを用いて反応を行うことが好ましい。
化合物(Id)製造工程において、化合物(Ida)の使用量は、化合物(Idb)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜5倍モルであることがより好ましい。また、金属ナトリウムの使用量は、化合物(Ida)に対して1倍モル以上であることが好ましく、1〜10倍モルであることがより好ましい。
化合物(Id)製造工程における前記反応の反応温度は、60〜120℃であることが好ましく、反応時間は1〜15時間であることが好ましい。
上記の化合物(I)の製造方法においては、各中間体で市販品が入手可能なものがあれば、これを用いてもよい。
化合物(I)、化合物(Ib)等の各工程の生成物は、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法、質量分析法(MS)、赤外分光法(IR)、紫外・可視分光法(UV−VIS吸収スペクトル)等、公知の手法で構造を確認できる。
<太陽電池モジュール>
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記化合物(I)を用いたことを特徴とし、化合物(I)に太陽光を吸収させ、生じた化合物(I)からの放射光を集光して、これを太陽電池素子に導入する構成のものが例示できる。
このような太陽電池モジュールで好ましいものとしては、光入射面及び該光入射面よりも面積が小さい光射出面を有する導光体、並びに前記光射出面からの射出光を受光して、電力を発生する太陽電池素子を備え、前記導光体は、さらに化合物(I)を含み、前記光入射面からの入射光が化合物(I)に吸収されて生じた化合物(I)からの放射光を、前記射出光とすることを特徴とするものが例示できる。
本発明に係る太陽電池モジュールは、化合物(I)を用いたことで、発電量に優れる。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図面においては、各構成要素を認識可能な大きさとするために、各構成要素の縮尺を適宜変更している。
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記化合物(I)を用いたことを特徴とし、化合物(I)に太陽光を吸収させ、生じた化合物(I)からの放射光を集光して、これを太陽電池素子に導入する構成のものが例示できる。
このような太陽電池モジュールで好ましいものとしては、光入射面及び該光入射面よりも面積が小さい光射出面を有する導光体、並びに前記光射出面からの射出光を受光して、電力を発生する太陽電池素子を備え、前記導光体は、さらに化合物(I)を含み、前記光入射面からの入射光が化合物(I)に吸収されて生じた化合物(I)からの放射光を、前記射出光とすることを特徴とするものが例示できる。
本発明に係る太陽電池モジュールは、化合物(I)を用いたことで、発電量に優れる。
以下、本発明に係る太陽電池モジュールについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図面においては、各構成要素を認識可能な大きさとするために、各構成要素の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明に係る太陽電池モジュールの一実施形態の概略構成を模式的に示す図であり、図2は、かかる太陽電池モジュールの断面図である。
図1に示す太陽電池モジュール1は、太陽Sに対向して設置された矩形板状の集光板2と、集光板2の端面に設けられた太陽電池素子3と、集光板2の背面側に設けられた反射板(反射体)4と、枠体5とを備えて構成されたものである。
集光板2は、太陽電池素子3に射出光を導入する導光体である。そして、太陽電池素子3は、集光板2の第1端面2cから射出された射出光を受光する。枠体5は、集光板2と太陽電池素子3とを一体に保持する。
集光板2は、太陽電池素子3に射出光を導入する導光体である。そして、太陽電池素子3は、集光板2の第1端面2cから射出された射出光を受光する。枠体5は、集光板2と太陽電池素子3とを一体に保持する。
集光板2は、図1〜2に示すように光入射面となる主面2aと、主面2aと反対の側の背面2bと、光射出面となる前記第1端面2cと、その他の端面とを備えている。本実施形態では、第1端面2c以外の端面には反射層6が設けられている。
集光板2において、第1端面2cは、主面2aよりも面積が小さく、このようにすることで、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
集光板2において、第1端面2cは、主面2aよりも面積が小さく、このようにすることで、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
集光板2は、図2に示すように、透明基材7中に、蛍光体8が分散されたものである。透明基材7は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂や、ポリカーボネート等の透明性が高い有機材料;ガラス等の透明性が高い無機材料等からなる。
透明基材7としては、外光を有効に取り込めるように、360〜800nmの波長領域の光に対して好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上の透過率を有するものが例示できる。そして、広い波長領域の光の透過率が高い点から、好ましい透明基材7としては、PMMA等のアクリル樹脂からなる基板、シリコン樹脂基板、石英基板等が例示できる。
本実施形態においては、蛍光体8として、前記化合物(I)を用いる。
蛍光体8は、透明基材7中にほぼ均一に分散している。
化合物(I)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
蛍光体8は、透明基材7中にほぼ均一に分散している。
化合物(I)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
蛍光体8としては、化合物(I)以外に、公知のその他の蛍光体を併用してもよい。
化合物(I)以外の蛍光体としては、紫外光又は可視光を吸収して、可視光又は赤外光を発光し、放射する光機能材料が例示できる。なお、可視光とは、380〜750nmの波長領域の光であり、紫外光とは、380nm未満の波長領域の光であり、赤外光とは、750nmよりも大きい波長領域の光である。
化合物(I)以外の蛍光体としては、紫外光又は可視光を吸収して、可視光又は赤外光を発光し、放射する光機能材料が例示できる。なお、可視光とは、380〜750nmの波長領域の光であり、紫外光とは、380nm未満の波長領域の光であり、赤外光とは、750nmよりも大きい波長領域の光である。
化合物(I)以外の蛍光体は、無機蛍光体及び有機蛍光体のいずれでもよい。
前記有機蛍光体としては、クマリン系色素、ペリレン系色素、フタロシアニン系色素、スチルベン系色素、シアニン系色素、ポリフェニレン系色素,キサンテン系色素,ピリジン系色素、オキサジン系色素、クリセン系色素、チオフラビン系色素、ピレン系色素、アントラセン系色素、アクリドン系色素、アクリジン系色素、フルオレン系色素、ターフェニル系色素、エテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素、オキサゾール系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、チアゾール系色素、チアジン系色素、ナフタルイミド系色素、アントラキノン系色素等が例示できる。
前記有機蛍光体として、より具体的には、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)等のクマリン系色素;クマリン色素系染料であるベーシックイエロー51;ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素;ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素;1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル〕ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)等のピリジン系色素;シアニン系色素:オキサジン系色素等が例示できる。
さらに、これら以外でも、直接染料、酸性染料、塩基性染料及び分散染料等の各種染料で、蛍光性を有するものも使用可能である。
前記有機蛍光体としては、クマリン系色素、ペリレン系色素、フタロシアニン系色素、スチルベン系色素、シアニン系色素、ポリフェニレン系色素,キサンテン系色素,ピリジン系色素、オキサジン系色素、クリセン系色素、チオフラビン系色素、ピレン系色素、アントラセン系色素、アクリドン系色素、アクリジン系色素、フルオレン系色素、ターフェニル系色素、エテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素、オキサゾール系色素、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、チアゾール系色素、チアジン系色素、ナフタルイミド系色素、アントラキノン系色素等が例示できる。
前記有機蛍光体として、より具体的には、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)等のクマリン系色素;クマリン色素系染料であるベーシックイエロー51;ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド系色素;ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素;1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル〕ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)等のピリジン系色素;シアニン系色素:オキサジン系色素等が例示できる。
さらに、これら以外でも、直接染料、酸性染料、塩基性染料及び分散染料等の各種染料で、蛍光性を有するものも使用可能である。
前記無機蛍光体としては、GdBO3:Eu、Gd2O3:Eu、Gd2O2S:Eu、Gd3Al5O12:Eu、Gd3Ga5O12:Eu、GdVO4:Eu、Gd3Ga5O12:Ce,Cr、Y2O3:Eu、Y2O2S:Eu、La2O3:Eu、La2O2S:Eu、InBO3:Eu、(Y,In)BO3:Eu等の赤色発光の蛍光体;Gd2O3:Tb、Gd2O2S:Tb、Gd2O2S:Pr、Gd3Al5O12:Tb、Gd3Ga5O12:Tb、Y2O3:Tb、Y2O2S:Tb、Y2O2S:Tb,Dy、La2O2S:Tb、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Au、Zn2SiO4:Mn、InBO3:Tb、MgGa2O4:Mn等の緑色発光の蛍光体;YAlO3:Ce、Y2SiO5:Ce、Gd2SiO5:Ce、YTaO4:Nb、BaFCl:Eu、ZnS:Ag、CaWO4、CdWO4、ZnWO4、MgWO4、Sr5(PO4)3Cl:Eu、YPO4:Cl等の青色発光の蛍光体が例示できる。
化合物(I)以外の蛍光体は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
蛍光体8を二種以上併用する場合、これら蛍光体8の間でフェルスター機構によるエネルギー移動を生じさせ、最も発光スペクトルのピーク波長の大きい蛍光体8から放射された光を、太陽電池素子3への射出光とするように構成してもよい。この場合、併用する複数種の蛍光体8のうちの一種以上として、化合物(I)を用いることができ、いずれを化合物(I)とするかは、任意に選択できる。
フェルスター機構は、光の発生及び吸収のプロセスを経ずに、近接した2つの蛍光体の間で励起エネルギーが電子の共鳴により直接移動するものである。フェルスター機構による蛍光体間のエネルギー移動は、光の発生及び吸収のプロセスを介さずに行われるため、最適条件では、エネルギー移動効率はほぼ100%にすることが可能であり、エネルギーのロスが小さい。よって、太陽電池モジュールの発電効率の向上に寄与する。エネルギーのロスを抑制して効率よく発電を行うためには、例えば、併用する蛍光体8の透明基材7中での密度を高くすればよい。
また、フェルスター機構によるエネルギー移動は、蛍光体のような発光材料だけでなく、外光によって励起されるが、光を発生せずに失活する非発光体においても生じる。したがって、蛍光体8以外に、このような非発光体を光機能性材料として、透明基材7中に分散させてもよい。
透明基材7中の蛍光体8の総量に占める化合物(I)の比率は、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大することから、5質量%以上であることが好ましく、化合物(I)と併用するその他の蛍光体の数や光の吸収ピーク波長等に応じて、適宜調節することが好ましい。
透明基材7中に蛍光体8が分散されてなる集光板2は、例えば、透明基材7を構成する原料モノマーと、蛍光体8と、を含有する樹脂組成物を調製し、蛍光体8を分散させた状態で、該樹脂組成物を硬化させることで得られる。樹脂組成物の硬化方法は、原料モノマーの種類に応じて選択すればよい。
集光板2において、蛍光体8の含有量は、透明基材7に対して好ましくは0.001〜0.04質量%である。下限値以上であることで、集光板2における太陽光の吸収量が向上し、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。また、上限値以下であることで、太陽電池素子3への集光効率が向上し、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
集光板2において、蛍光体8の含有量は、透明基材7に対して好ましくは0.001〜0.04質量%である。下限値以上であることで、集光板2における太陽光の吸収量が向上し、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。また、上限値以下であることで、太陽電池素子3への集光効率が向上し、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
集光板2の主面2aと背面2bとは、互いに平行で且つ平坦な面となっている。集光板2の第1端面2c以外の全ての端面には、集光板2の内部から外部に向けて進行する光(蛍光体8から放射された光)を、集光板2の内部に向けて反射する反射層6が、空気層を介して又は空気層を介さずに直接接触して設けられている。
反射層6としては、銀、アルミニウム等の金属の膜からなる反射層;ESR(Enhanced Specular Reflector)反射フィルム(3M社製)等の誘電体多層膜からなる反射層等が例示できる。また、反射層は、入射した光を鏡面反射する鏡面反射層でもよく、入射した光を散乱反射する散乱反射層でもよい。反射層に散乱反射層を用いた場合には、太陽電池素子3の方向に直接向かう光の光量が増えるため、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。また、反射光が散乱されるため、時間や季節による発電量の変化が平均化される。なお、散乱反射層としては、マイクロ発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)(古河電工社製)等からなるものが例示できる。
反射板4は、形状が異なる点以外は、反射層6と同様のものとすることができる。
また、反射板4は、太陽Sからの光(太陽光L)のうち、集光板2に入射した入射光L1の一部を、集光板2の主面2aの法線に対して入射光L1(太陽光L)の入射光路側の所定方向に反射光として反射するものとすることもできる。
反射板4を設けることにより、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
また、反射板4は、太陽Sからの光(太陽光L)のうち、集光板2に入射した入射光L1の一部を、集光板2の主面2aの法線に対して入射光L1(太陽光L)の入射光路側の所定方向に反射光として反射するものとすることもできる。
反射板4を設けることにより、太陽電池素子3への集光効率が高まり、太陽電池モジュール1の発電量がより増大する。
入射光L1の一部を、前記所定方向に反射光として反射する反射板4としては、再帰性反射板、オフアクシス反射板が例示できる。
再帰性反射板としては、樹脂からなる基材の表面上に空気層を介して、3つの平面を形成したプリズム形状を多数有するプリズム層(コーナーキューブアレイ)を有したものが例示でき、市販品としては、ハイ・インテンシティグレードHIP高輝度反射シート、ダイヤモンドグレードDG超高輝度反射シート(以上、3M社製)、プリズム型超高輝度再帰反射シート(日本カーバイド工業社製)等が例示できる。
また、再帰性反射板としては、入射した光をガラスビーズで屈折させ、裏側の反射層にて反射させて再び入射した方向に帰るように構成されたものも例示でき、市販品としては、エンジニアグレードEGP普通反射シート(3M社製)、封入レンズ型再帰反射シート、カプセルレンズ型再帰反射シート(以上、日本カーバイド工業社製)等が例示できる。
また、再帰性反射板としては、入射した光をガラスビーズで屈折させ、裏側の反射層にて反射させて再び入射した方向に帰るように構成されたものも例示でき、市販品としては、エンジニアグレードEGP普通反射シート(3M社製)、封入レンズ型再帰反射シート、カプセルレンズ型再帰反射シート(以上、日本カーバイド工業社製)等が例示できる。
オフアクシス反射板としては、例えば、アクリル板等の基板の一方の面にプリズム形状が付与され、このプリズム面にアルミニウム又は銀等の反射性材料が蒸着されて反射面とされ、さらにその表面に透明保護層がコーティングされて形成されたもの、4分の1波長の光学膜厚毎に、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層して誘電体の多層膜とし、この多層膜を所定の角度でスライスして(切り出して)得られた、誘電体多層膜からなるもの、透明基材中にて反射性板状粒子が所定方向に向けて整列配置されたものが例示できる。
太陽電池素子3は、受光面が集光板2の第1端面2cに対向して配置されており、第1端面2cと光学接着されていることが好ましい。
太陽電池素子3は、公知のものでよく、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、量子ドット太陽電池、有機系太陽電池等が例示できる。これらの中でも、太陽電池素子3は、より高い効率で発電できることから、化合物半導体を用いた化合物系太陽電池又は量子ドット太陽電池であることが好ましい。
前記化合物系太陽電池としては、InGaP、GaAs、InGaAs,AlGaAs、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)(Se,S)2、CuInS2、CdTe、CdS等を用いたものが例示できる。
前記量子ドット太陽電池としては、Si、InGaAs等を用いたものが例示できる。
ただし、価格や用途によっては、シリコン系太陽電池、有機系太陽電池等の他の種類の太陽電池が好ましい場合もある。
前記化合物系太陽電池としては、InGaP、GaAs、InGaAs,AlGaAs、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)(Se,S)2、CuInS2、CdTe、CdS等を用いたものが例示できる。
前記量子ドット太陽電池としては、Si、InGaAs等を用いたものが例示できる。
ただし、価格や用途によっては、シリコン系太陽電池、有機系太陽電池等の他の種類の太陽電池が好ましい場合もある。
なお、図1〜2では、太陽電池素子3を集光板2の一つの第1端面2cのみに設置した例を示したが、太陽電池素子3は集光板2の複数の端面に設置してもよい。太陽電池素子3を集光板2の一部の端面(1辺、2辺又は3辺)に設置する場合には、太陽電池素子3が設置されていない端面に、反射層6を設置することが好ましい。
図2に示すように枠体5は、アルミニウム等のフレームからなり、集光板2の主面2aを外部に臨ませ、その状態で集光板2の四周を保持するとともに、太陽電池素子3も集光板2とともに保持している。集光板2の主面2aを外部に臨ませる開口部5aには、ガラス等の透明部材が嵌め込まれていてもよい。このような構成のもとに集光板2は、枠体5から外部に臨む主面2aが光入射面となっており、集光板2の第1端面2cが光射出面となっている。また、主面2aから入射した外光(太陽光)の一部は、背面2bを透過して反射板4に入射するようになっている。
太陽電池モジュール1は、図1〜2に示したように、集光板2の主面2aを太陽Sに対向させて設置される。そして、太陽電池モジュール1は、太陽Sからの光(太陽光L)の一部を入射光L1として集光板2の主面2aで受光し、集光板2中の蛍光体8に入射光L1が吸収され、蛍光体8が発光する。このとき生じた蛍光体8からの放射光は、集光板2の透明基材7中を伝播し、第1端面2cから射出され、太陽電池素子3に導入される。このように、前記射出光を受光することで、太陽電池素子3は電力を発生する。
なお、本実施形態では、集光板2として、透明基材7中に蛍光体8が分散されたものを示したが、集光板はこのような構成に限定されず、例えば、図3(a)又は(b)に示す構成のものでもよい。
図3(a)に示す集光板は、アクリル板等からなる板状の透明基材7の表面に、蛍光体(図示せず)を分散させた塗料を塗布し、蛍光体層26を形成したものである。前記塗料は、蛍光体とこれを分散させる透明樹脂とを含有するものである。すなわち、この塗料中の透明樹脂が、蛍光体を均一に分散させる透明基材となる。
図3(b)に示す集光板は、前記蛍光体層26の表面(透明基材7とは反対側の表面)に、さらに透明保護層(透明層)27を設けたものである。
透明保護層27の材質としては、各種の透明樹脂が例示できる。例えば、透明保護層27は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン又はポリアミド等からなる透明樹脂フィルムを、蛍光体層26上にラミネートすることで形成できる。また、透明保護層27は、酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体や、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタン等の透明樹脂を溶解させた塗布液を調製し、これを蛍光体層26上に塗布した後、乾燥させることによっても形成できる。
透明保護層27の材質としては、各種の透明樹脂が例示できる。例えば、透明保護層27は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン又はポリアミド等からなる透明樹脂フィルムを、蛍光体層26上にラミネートすることで形成できる。また、透明保護層27は、酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体や、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタン等の透明樹脂を溶解させた塗布液を調製し、これを蛍光体層26上に塗布した後、乾燥させることによっても形成できる。
また、本実施形態の太陽電池モジュール1は、建物の平面からなる側壁面に設置するものとして、図4(a)に示すような、平板状の集光板2及び平板状の反射板(反射体)4を用い、これによって全体を平板状に構成したものであるが、太陽電池モジュールは、設置面の形状等に応じて、全体形状を調節してもよい。
このような平板状以外の太陽電池モジュールとしては、表面が曲面状である建物の壁面に対応させて、図4(b)に示すように、全体を湾曲させた曲板状のものが例示できる。この場合、集光板2としては、図3(a)、(b)に示したような、透明基材の表面に蛍光体を分散させた塗料を塗布し、蛍光体層を形成したものが好ましい。透明基材を所望の湾曲形状(曲板状)に形成しておくことで、その表面に所望の湾曲形状の蛍光体層を形成できる。また、反射板としては、基板を所望の湾曲形状(曲板状)に形成し、その表面上に再帰性シートを貼設したものが例示できる。
なお、上記の曲板状の集光板を、建物の平板状の壁面に設置してもよい。この場合の反射板は、上記と同様に曲板状でもよいし、平板状でもよい。
また、太陽電池モジュールは、建物の屋根や柱、電柱等にも設置できる。例えば、屋根に設置する場合には、図4(b)に示した曲板状のものと同様の手法で、集光板や反射板を瓦状や波状等に形成し、太陽電池モジュール全体を瓦状や波状等に形成すればよい。
また、太陽電池モジュールは、建物の屋根や柱、電柱等にも設置できる。例えば、屋根に設置する場合には、図4(b)に示した曲板状のものと同様の手法で、集光板や反射板を瓦状や波状等に形成し、太陽電池モジュール全体を瓦状や波状等に形成すればよい。
また、電柱等の柱に設置する場合には、図4(c)に示すように中空円柱状(円筒状)の集光板2と、その内周面側に配置された中空円柱状(円筒状)の反射体4と、集光板2の端面に配置された中空円柱状(円筒状)又はリング状の太陽電池素子3とを備えた、全体が中空円柱状(円筒状)の太陽電池モジュールを形成し、これを柱に外挿して設置するのが好ましい。なお、中空部の形状は、ここでは、その軸に対して垂直な方向の形状が円形の場合について例示しているが、外挿する対象物の形状に応じて適宜調節すればよく、円形に限定されるものではない。
また、図4(d)に示すように円柱状の集光部材2eを平面状に並べて見かけ上板状体、すなわち集光板2として設置してもよい。集光部材2eの一方の端面(端部)には、太陽電池素子3が配置されている。さらに、集光部材2eを柔軟に互いに連結させることで、平面でない曲面などに自由に形を変えて設置することもできる。また、すだれのような形状に構成することで、必要なときに展開して集光を行い、必要でないときには巻き取って収納するなどの調整も可能である。
また、本発明における集光板としては、図5(a)に示すようなプリズム形状を有する集光板28を用いてもよい。この集光板28は、光入射面となる主面28aと反対側の背面に、プリズム面29を有するものである。プリズム面29は、図5(b)に示すように一方の端面側に向くスロープ面29aを多数形成したもので、入射した光L1がこのスロープ面29aにて屈折することにより、図5(a)に示すように一方の端面側に配置された太陽電池素子3に射出されるようになっている。また、このような光L1と同様に伝播する蛍光体8からの放射光も、同様に太陽電池素子3に射出されるようになっている。
さらに、本発明における集光板としては、図5(c)に示すように、プリズム面29を有し、且つ厚さが太陽電池素子3から遠ざかるにつれて徐々に薄くなるように形成された、クサビ形状の集光板30を用いてよい。このように形成されることで集光板30は、入射した光L1及び蛍光体8からの放射光が、その内部を全反射する回数が減り、光がスロープ面29aで屈折されることにより生じる光のロスが低減する。したがって、光の取り出し効率が高くなる。
また、本発明における集光板としては、図5(d)に示すように、前記集光板2と、プリズム形状を有する形状集光板28(30)とを積層したタンデム構造としたものも例示できる。この場合、プリズム形状を有する形状集光板28(30)は、化合物(I)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
<太陽光発電装置>
本発明に係る太陽光発電装置は、上記の本発明に係る太陽電池モジュールを備えたことを特徴とする。
図6は、本発明に係る太陽光発電装置の一実施形態の概略構成図である。
ここに示す太陽光発電装置1000は、太陽Sからの太陽光のエネルギーを電力に変換する太陽電池モジュール1001と、太陽電池モジュール1001から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ(直流/交流変換器)1004と、太陽電池モジュール1001から出力された直流電力を蓄える蓄電池1005と、を備えている。
本発明に係る太陽光発電装置は、上記の本発明に係る太陽電池モジュールを備えたことを特徴とする。
図6は、本発明に係る太陽光発電装置の一実施形態の概略構成図である。
ここに示す太陽光発電装置1000は、太陽Sからの太陽光のエネルギーを電力に変換する太陽電池モジュール1001と、太陽電池モジュール1001から出力された直流電力を交流電力に変換するインバータ(直流/交流変換器)1004と、太陽電池モジュール1001から出力された直流電力を蓄える蓄電池1005と、を備えている。
太陽電池モジュール1001は、上記の本発明に係る太陽電池モジュールであり、太陽光を集光する集光部材(集光板)1002と、集光部材1002によって集光された太陽光によって発電を行う太陽電池素子1003とを備えている。
太陽光発電装置1000は、外部の電子機器1006に対して電力を供給する。電子機器1006には、必要に応じて補助電力源1007から電力が供給される。
このような構成の太陽光発電装置1000は、上記の本発明に係る太陽電池モジュールを備えているため、発電量に優れる。
このような構成の太陽光発電装置1000は、上記の本発明に係る太陽電池モジュールを備えているため、発電量に優れる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<化合物(I)の製造>
[実施例1]
下記手順に従い、化合物(I)として、後述する式(I)−101で表される化合物(以下、「化合物(I)−101」と略記する)を製造した。
[実施例1]
下記手順に従い、化合物(I)として、後述する式(I)−101で表される化合物(以下、「化合物(I)−101」と略記する)を製造した。
(化合物(Idc)製造工程)
三つ口フラスコに、フマル酸ジエチル(下記式(Idd)−101で表される化合物、0.058モル)、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライド(0.006モル)、トリエチルアミン(0.035モル)、1,4−ジオキサン(50ml)を仕込み、得られた混合液を90℃で加熱して、ウンデカナール(下記式(Ide)−101で表される化合物、0.17モル)を1,4−ジオキサン(40ml)に溶解させた溶液を、この混合液に7時間かけて滴下した。
次いで、得られた反応液を水(100ml)に加え、さらにトルエン(100ml)を加えて、50〜60℃に加温し、分液した。
得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、減圧条件下で濃縮乾固し、乾固物にアセトンを加えて、再度減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで、得られた乾固物にアセトンを加えて内容物を分散させた後、冷却し、不溶物をろ過して、アセトンでかけ洗いし、得られたろ液を濃縮乾固した。そして、得られた乾固物を減圧蒸留し、残渣物として下記式(Idc)−101で表される化合物(以下、「化合物(Idc)−101」と略記する)を得た(収率106%)。
三つ口フラスコに、フマル酸ジエチル(下記式(Idd)−101で表される化合物、0.058モル)、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライド(0.006モル)、トリエチルアミン(0.035モル)、1,4−ジオキサン(50ml)を仕込み、得られた混合液を90℃で加熱して、ウンデカナール(下記式(Ide)−101で表される化合物、0.17モル)を1,4−ジオキサン(40ml)に溶解させた溶液を、この混合液に7時間かけて滴下した。
次いで、得られた反応液を水(100ml)に加え、さらにトルエン(100ml)を加えて、50〜60℃に加温し、分液した。
得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、減圧条件下で濃縮乾固し、乾固物にアセトンを加えて、再度減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで、得られた乾固物にアセトンを加えて内容物を分散させた後、冷却し、不溶物をろ過して、アセトンでかけ洗いし、得られたろ液を濃縮乾固した。そして、得られた乾固物を減圧蒸留し、残渣物として下記式(Idc)−101で表される化合物(以下、「化合物(Idc)−101」と略記する)を得た(収率106%)。
(化合物(Idb)製造工程)
三つ口フラスコに、化合物(Idc)−101(0.029モル)、酢酸アンモニウム(0.234モル)、酢酸(60ml)を仕込み、窒素気流下、100℃で4時間撹拌した。
次いで、得られた反応液を水(400ml)に加え、さらに酢酸エチルを加えて、分液した。
得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固して、黄色油状物として下記式(Idb)−101で表される化合物(以下、「化合物(Idb)−101」と略記する)を得た(収率48%)。
三つ口フラスコに、化合物(Idc)−101(0.029モル)、酢酸アンモニウム(0.234モル)、酢酸(60ml)を仕込み、窒素気流下、100℃で4時間撹拌した。
次いで、得られた反応液を水(400ml)に加え、さらに酢酸エチルを加えて、分液した。
得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固して、黄色油状物として下記式(Idb)−101で表される化合物(以下、「化合物(Idb)−101」と略記する)を得た(収率48%)。
(化合物(Id)製造工程)
三つ口フラスコに、金属ナトリウム(0.13モル)、2−メチル−2−ブタノール(tert−アミルアルコール)を仕込み、還流下反応させた後、ウンデカンニトリル(下記式(Ida)−101で表される化合物、0.02モル)を滴下した。次いで、化合物(Idb)−101(0.0136モル)を2−メチル−2−ブタノールに溶解させた溶液を滴下して、90℃で5時間撹拌した。なお、2−メチル−2−ブタノールの使用量は合計で0.386モルとした。
次いで、得られた反応液を氷水(200ml)に加え、さらに塩酸で中和した後、有機層を水洗し、ろ過助剤ハイフロスーパーセル(セライト)を加えてろ過して、得られたろ液をさらに食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで、得られた乾固物にメタノールを加えて内容物を分散させた後、冷却し、ろ過して、結晶として下記式(Id)−101で表される化合物(以下、「化合物(Id)−101」と略記する)を得た(収率16.4%)。
三つ口フラスコに、金属ナトリウム(0.13モル)、2−メチル−2−ブタノール(tert−アミルアルコール)を仕込み、還流下反応させた後、ウンデカンニトリル(下記式(Ida)−101で表される化合物、0.02モル)を滴下した。次いで、化合物(Idb)−101(0.0136モル)を2−メチル−2−ブタノールに溶解させた溶液を滴下して、90℃で5時間撹拌した。なお、2−メチル−2−ブタノールの使用量は合計で0.386モルとした。
次いで、得られた反応液を氷水(200ml)に加え、さらに塩酸で中和した後、有機層を水洗し、ろ過助剤ハイフロスーパーセル(セライト)を加えてろ過して、得られたろ液をさらに食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで、得られた乾固物にメタノールを加えて内容物を分散させた後、冷却し、ろ過して、結晶として下記式(Id)−101で表される化合物(以下、「化合物(Id)−101」と略記する)を得た(収率16.4%)。
(化合物(Icb)製造工程)
ベンゼン(400ml)に乾燥インダン−2−オン(下記式(Icc)−101で表される化合物、0.2モル)を溶解させ、さらに炭酸水素ナトリウム(0.24モル)及び無水硫酸ナトリウム(0.07モル)を懸濁させた液体を室温で激しく撹拌しながら、ここへ臭素(0.2モル)をベンゼン(60ml)に溶解させた溶液を7分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
次いで、得られた反応液をろ過し、濃縮して、残渣物に対してメタノール(35ml)で再結晶を行い、結晶をろ過して取り出すことにより、下記式(Icb)−101で表される化合物(以下、「化合物(Icb)−101」と略記する)を得た(収率80%)。
ベンゼン(400ml)に乾燥インダン−2−オン(下記式(Icc)−101で表される化合物、0.2モル)を溶解させ、さらに炭酸水素ナトリウム(0.24モル)及び無水硫酸ナトリウム(0.07モル)を懸濁させた液体を室温で激しく撹拌しながら、ここへ臭素(0.2モル)をベンゼン(60ml)に溶解させた溶液を7分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
次いで、得られた反応液をろ過し、濃縮して、残渣物に対してメタノール(35ml)で再結晶を行い、結晶をろ過して取り出すことにより、下記式(Icb)−101で表される化合物(以下、「化合物(Icb)−101」と略記する)を得た(収率80%)。
(化合物(Ic)製造工程)
2−シアノチオアセトアミド(下記式(Ica)−101で表される化合物、0.004モル)を2−プロパノール(20ml)に溶解させた溶液を60℃に加熱し、ここへ化合物(Icb)−101(0.004モル)を加えて、3分間撹拌した。
次いで、得られた反応液を冷却し、析出した結晶をろ過して取り出すことにより、結晶として下記式(Ic)−101で表される化合物(以下、「化合物(Ic)−101」と略記する)を得た(収率78%)。
2−シアノチオアセトアミド(下記式(Ica)−101で表される化合物、0.004モル)を2−プロパノール(20ml)に溶解させた溶液を60℃に加熱し、ここへ化合物(Icb)−101(0.004モル)を加えて、3分間撹拌した。
次いで、得られた反応液を冷却し、析出した結晶をろ過して取り出すことにより、結晶として下記式(Ic)−101で表される化合物(以下、「化合物(Ic)−101」と略記する)を得た(収率78%)。
(化合物(Ib)製造工程)
三つ口フラスコに、化合物(Ic)−101(0.0106モル)、化合物(Id)−101(0.0044モル)、トルエン(60ml)を仕込み、得られた混合液を100℃に加熱して、ここへオキシ塩化リン(0.0196モル)をトルエン(10ml)に溶解させた溶液を滴下して、さらに室温で2時間撹拌した。
次いで、得られた反応液を冷却し、不溶物をろ過して除去し、得られたろ液を水洗し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで得られた乾固物をカラムクロマトグラフィーで精製した後、精製物をメタノールに分散させて、結晶をろ過して取り出すことにより、下記式(Ib)−101で表される化合物(以下、「化合物(Ib)−101」と略記する)を得た(収率5.7%)。
三つ口フラスコに、化合物(Ic)−101(0.0106モル)、化合物(Id)−101(0.0044モル)、トルエン(60ml)を仕込み、得られた混合液を100℃に加熱して、ここへオキシ塩化リン(0.0196モル)をトルエン(10ml)に溶解させた溶液を滴下して、さらに室温で2時間撹拌した。
次いで、得られた反応液を冷却し、不溶物をろ過して除去し、得られたろ液を水洗し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固した。
次いで得られた乾固物をカラムクロマトグラフィーで精製した後、精製物をメタノールに分散させて、結晶をろ過して取り出すことにより、下記式(Ib)−101で表される化合物(以下、「化合物(Ib)−101」と略記する)を得た(収率5.7%)。
(化合物(I)製造工程)
三つ口フラスコに、化合物(Ib)−101(0.00019モル)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(下記式(Ia)−101で表される化合物、0.0028モル)、1,1,2−トリクロロエタン(0.1874モル)、トリエチルアミン(0.0025モル)を仕込み、90〜95℃で30分間撹拌する。
次いで、得られた反応液を、炭酸水素ナトリウム(0.3g)を水(20ml)に溶解させた溶液に加えて、分液する。
次いで、得られた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固する。
次いで得られた乾固物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(I)−101を得る。
三つ口フラスコに、化合物(Ib)−101(0.00019モル)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(下記式(Ia)−101で表される化合物、0.0028モル)、1,1,2−トリクロロエタン(0.1874モル)、トリエチルアミン(0.0025モル)を仕込み、90〜95℃で30分間撹拌する。
次いで、得られた反応液を、炭酸水素ナトリウム(0.3g)を水(20ml)に溶解させた溶液に加えて、分液する。
次いで、得られた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、さらに活性炭処理し、減圧条件下で濃縮乾固する。
次いで得られた乾固物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(I)−101を得る。
Gaussian09(Gaussian社製)を用い、B3LYP/6−31+g(d)により求めた、化合物(I)−101の光の吸収ピーク波長は740nmである。
[実施例2]
化合物(Icb)製造工程において、乾燥インダン−2−オン(式(Icc)−101で表される化合物、0.2モル)に代えて、乾燥5−tert−ブチルインダン−2−オン(下記式(Icc)−102で表される化合物、0.2モル)を用いること以外は、化合物(Ic)−101の場合と同様の方法で、下記式(Ic)−102で表される化合物(以下、「化合物(Ic)−102」と略記する)を製造する。
そして、化合物(Ib)製造工程において、化合物(Ic)−101(0.0106モル)に代えて化合物(Ic)−102(0.0106モル)を用いること以外は、化合物(Ib)−101の場合と同様の方法で、下記式(Ib)−102で表される化合物(以下、「化合物(Ib)−102」と略記する)を製造する。
さらに、化合物(I)製造工程において、化合物(Ib)−101(0.00019モル)に代えて化合物(Ib)−102(0.00019モル)を用いること以外は、化合物(I)−101の場合と同様の方法で、下記式(I)−102で表される化合物(以下、「化合物(I)−102」と略記する)を製造する。
化合物(Icb)製造工程において、乾燥インダン−2−オン(式(Icc)−101で表される化合物、0.2モル)に代えて、乾燥5−tert−ブチルインダン−2−オン(下記式(Icc)−102で表される化合物、0.2モル)を用いること以外は、化合物(Ic)−101の場合と同様の方法で、下記式(Ic)−102で表される化合物(以下、「化合物(Ic)−102」と略記する)を製造する。
そして、化合物(Ib)製造工程において、化合物(Ic)−101(0.0106モル)に代えて化合物(Ic)−102(0.0106モル)を用いること以外は、化合物(Ib)−101の場合と同様の方法で、下記式(Ib)−102で表される化合物(以下、「化合物(Ib)−102」と略記する)を製造する。
さらに、化合物(I)製造工程において、化合物(Ib)−101(0.00019モル)に代えて化合物(Ib)−102(0.00019モル)を用いること以外は、化合物(I)−101の場合と同様の方法で、下記式(I)−102で表される化合物(以下、「化合物(I)−102」と略記する)を製造する。
Gaussian09(Gaussian社製)を用い、B3LYP/6−31+g(d)により求めた、化合物(I)−102の光の吸収ピーク波長は745nmである。
[実施例3]
化合物(I)製造工程において、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(式(Ia)−101で表される化合物、0.0028モル)に代えて、クロロジフェニルボラン(下記式(Ia)−102で表される化合物、0.0028モル)を用いること以外は、化合物(I)−101の場合と同様の方法で、下記式(I)−103で表される化合物(以下、「化合物(I)−103」と略記する)を製造する。
クロロジフェニルボランは、2−アミノエチルジフェニルボリン酸((C6H5)2BOCH2CH2NH2)から公知の方法で得られるテトラフェニルジボロキサン((C6H5)2B−O−B(C6H5)2)を、窒素ガス雰囲気下、等モルの五塩化リン(PCl5)と混合した後、150℃までゆっくり昇温して反応させ、さらに昇温して蒸留することにより得る。
化合物(I)製造工程において、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(式(Ia)−101で表される化合物、0.0028モル)に代えて、クロロジフェニルボラン(下記式(Ia)−102で表される化合物、0.0028モル)を用いること以外は、化合物(I)−101の場合と同様の方法で、下記式(I)−103で表される化合物(以下、「化合物(I)−103」と略記する)を製造する。
クロロジフェニルボランは、2−アミノエチルジフェニルボリン酸((C6H5)2BOCH2CH2NH2)から公知の方法で得られるテトラフェニルジボロキサン((C6H5)2B−O−B(C6H5)2)を、窒素ガス雰囲気下、等モルの五塩化リン(PCl5)と混合した後、150℃までゆっくり昇温して反応させ、さらに昇温して蒸留することにより得る。
Gaussian09(Gaussian社製)を用い、B3LYP/6−31+g(d)により求めた、化合物(I)−103の光の吸収ピーク波長は790nmである。
<太陽電池モジュールの製造>
[実施例4]
蛍光体8として、実施例1〜3の化合物(I)をそれぞれ別々に用い、図1〜3に示す太陽電池モジュール1を製造する。
[実施例4]
蛍光体8として、実施例1〜3の化合物(I)をそれぞれ別々に用い、図1〜3に示す太陽電池モジュール1を製造する。
[実施例5]
蛍光体8として、実施例1〜3の化合物(I)をそれぞれ別々に用い、さらに化合物(I)以外のその他の蛍光体も併用して、図1〜3に示す太陽電池モジュール1を製造する。
蛍光体8として、実施例1〜3の化合物(I)をそれぞれ別々に用い、さらに化合物(I)以外のその他の蛍光体も併用して、図1〜3に示す太陽電池モジュール1を製造する。
本発明は、太陽電池モジュール及び太陽光発電装置に利用可能である。
1,1001・・・太陽電池モジュール、2,28,30,1002・・・集光板(導光体)、2a,28a・・・集光板の主面(光入射面)、2b・・・集光板の第1端面(光射出面)、3,1003・・・太陽電池素子、7・・・透明基材、8・・・蛍光体(化合物(I))、26・・・蛍光体層、1000・・・太陽光発電装置、L・・・太陽光、L1・・・入射光
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表される化合物。
- 下記一般式(I−1)で表される請求項1に記載の化合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物を用いたことを特徴とする太陽電池モジュール。
- 請求項4に記載の太陽電池モジュールを備えたことを特徴とする太陽光発電装置。
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