JP2014240356A - トリアゾール−3−オン誘導体の新規な製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗癌剤として有用性が示されているトリアゾール−3−オン誘導体(1)の、短工程で効率的な製造方法の提供。
【解決手段】下記式のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)を、非プロトン性溶媒中、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対して1当量以上の水、及び前記水の当量よりも過剰当量の塩基;M−W(3)を用いて処理することにより、該化合物(2)から1工程でトリアゾール−3−オン誘導体(1)に変換する、トリアゾール−3−オン誘導体の新規な製造法。
Figure 2014240356

(式中、Mはカリウム等を示し、Wはアルコキシ基等を示し、Xは水素原子等を示し、Yはアルキル基等を示し、Rはアリール基等を示し、ZおよびZは水素原子等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の新規な製造法に関する。
5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体がHSP90阻害活性を有し、制癌剤として有望であることが報告されている。例えば特許文献1には、優れたHSP90阻害活性を有し、動物実験においても優れた制癌活性を示す5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体が記載されている。また特許文献2及び3、並びに非特許文献1において、5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体またはそのプロドラッグが、HSP90阻害活性を有することが報告されている。これらの5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の有用性に基づき、当該化合物誘導体のHSP90阻害活性を利用した医薬品開発が進められている。このため、当該化合物を含有する医薬品の安定供給を可能とする、当該化合物の効率的な合成方法の開発が望まれている。
[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の合成法として、特許文献1には下記[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)を調製し、これから3工程を経由して、その[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体に変換する合成法が開示されている(反応式1)。
反応式1;
Figure 2014240356
上記反応式1に従う製造方法は、出発物質である[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)が合成容易であり、穏やかな条件下で、高収率で[1,2,4]トリアゾール環構築ができる利点がある。しかしながら、[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)から[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1)へ変換するためには、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)を調製した後、該スルフォン誘導体(5)を経由することが必要であり、反応工程数が多いことが課題であった。また、該スルフォン誘導体(5)を製造するにあたり酸化反応を要するため、分子内に酸化され易い部分構造を有している場合、スルフォニル基の生成と同時に、その他の部位の置換基も酸化されることが問題になる。例えば、該トリアゾリルスルフィド誘導体(2)が分子内にアミノ基を有する場合、酸化反応によりスルフォニル基の生成と共に、N−オキシドの生成を伴う。このため、目的とするスルフォン誘導体(5)を得るためには、N−オキシド部分の選択的還元が必要になる。結果として、更に反応工程数が増え、操作が煩雑になり、収率にも悪影響を及ぼす課題があった。
国際公開第2006/095783号 国際公開第2009/023211号 国際公開第2007/134678号
STA−9090, a small−molecule Hsp90 inhibitor for the potential treatment of cancer. Y. Wang, et al., Current Opinion in Investigational Drugs, 11(12), 1466−1476(2010).
本願は、[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体から、効率的に[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の製造法を提供することを課題とする。具体的には、前記反応式1で示される[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)を、該トリアゾール−3−オン誘導体(1)に変換する反応に於いて、スルフォン誘導体(5)を経由することなく、該トリアゾリルスルフィド誘導体(2)から1工程で該[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1)に変換する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記反応式2に示すように、
反応式2;
Figure 2014240356
一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体を、非プロトン性溶媒中、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対して1当量以上の水、及び前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対する前記水の当量よりも過剰当量の下記一般式(3)
[化3]
M−W (3)
[式中、Mはカリウム、ナトリウムまたはリチウムを示し、WはO(Q1)で表されるアルコキシ基またはN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基を示し、前記Q1は2級または3級アルキル基を示し、前記Q2及び前記Q3は、互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基またはトリアルキルシリル基を示す]で表される塩基を用いて処理することにより、前記トリアゾリルスルフォン誘導体(5)を経由することなく、該トリアゾリルスルフィド誘導体(2)から1工程で一般式(1)で表される該トリアゾール−3−オン誘導体に変換できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本願は以下[1]乃至[11]に示す発明を、その要旨とする。
[1]下記一般式(1)
Figure 2014240356
[式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基,置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族アミノ基、置換基を有していてもよい芳香族アミノ基またはシリル基を示し、
Rは置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を有していてもよいアルキニル基を示し、
及びZは、互いに同じであっても異なっていても良く、水素原子または水酸基の保護基を示す]で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の製造法であって、
下記一般式(2)
Figure 2014240356
[式中X、Z、Z及びRは、前記一般式(1)のX、Z、Z及びRと同じ意味を表し、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す]で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体を、非プロトン性溶媒中、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対して1当量以上の水、及び前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対する前記水の当量よりも過剰当量の下記一般式(3)
[化6]
M−W (3)
[式中、Mはカリウム、ナトリウムまたはリチウムを示し、WはO(Q1)で表されるアルコキシ基またはN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基を示し、前記Q1は2級または3級アルキル基を示し、前記Q2及び前記Q3は、互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基またはトリアルキルシリル基を示す]で表される塩基で処理することを特徴とする、下記一般式(1)
Figure 2014240356
[式中X、Z、Z及びRは、前記と同じ意味を表す]で表されるトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[2]前記一般式(3)において、WがO(Q1)で表されるアルコキシ基であり、前記Q1基がtert−ブチル基、sec−ブチル基またはイソプロピル基である前記[1]に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[3]前記一般式(3)において、WがN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基であり、前記Q2及び前記Q3が共にイソプロピル基、または前記Q2及び前記Q3が共にトリメチルシリル基である前記[1]に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[4]前記非プロトン性溶媒が沸点80℃以上のエーテル溶媒である,前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[5]前記水の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し1〜50当量であり、前記一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し2〜100当量である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[6]反応温度が60℃から150℃である前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[7]前記水の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し1〜10当量であり、前記一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し2〜20当量であり、且つ前記塩基の添加量が、前記水の添加量よりも1〜10当量過剰である前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[8]前記Yが、置換基を有していてもよい炭素数1〜20アルキル基である前記[1]〜[7]に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[9]前記Rが、置換基として脂肪族アミノ基を有する炭素環アリール基、置換基として脂肪族アミノアルキル基を有する炭素環アリール基、または置換基を有していてもよい複素環アリール基である前記[1]〜[8]に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[10]前記[1]〜[9]に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法において、前記Z及び前記Zが水酸基の保護基である前記一般式(1)のトリアゾール−3−オン誘導体を、更に、脱保護反応により前記Z及び前記Zを脱離させ、下記一般式(7)
Figure 2014240356
[式中、X、Rは前記一般式(1)のX、Rと同じ意味を表す]で表されるトリアゾール−3−オン誘導体に変換する脱保護工程を含む、トリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
[11]前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)
Figure 2014240356
[式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示し、Za及びZaは、エーテル保護基またはアセタール型保護基を示す]であり、
前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2a)
Figure 2014240356
[式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、Yaは置換基を有していてもよい炭素数1〜20アルキル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示し、ZaおよびZaはエーテル型保護基またはアセタール型保護基を示す]であり、
前記一般式(7)で表される化合物が、下記一般式(7a)
Figure 2014240356
[式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示す]である前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
本発明により、[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の効率的な製造方法が提供される。当該化合物は必要に応じ脱保護工程を経由し、優れたHSP90阻害活性を有する5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体に変換される。本発明により、優れたHSP90阻害活性を有し、特に癌治療剤の有効成分として用いることができる5−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体またはその薬理学的に許容される塩を、短工程で簡便に提供することが可能となる。
以下に本発明の詳細を述べる。
(用語の説明)
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を示す。
本発明において、アルキル基とは特に記載しない場合は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基を示す。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n―ドデシル基,n−テトラデシル基,n−ヘキサデシル基、等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、1−メチル−プロピル基、2−メチル−プロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、等が挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、等が挙げられる。
本発明において、アルケニル基とはいずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する、炭素数2〜30の直鎖状、分岐状、又は環状アルケニル基を示す。直鎖状アルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロパ−1−エニル基又はブタ−1−エニル基、等の1−アルケニル基、若しくはブタ−2−エニル基、又はペンタ−2−エニル基、等の2−アルケニル基、等が挙げられる。分岐状アルケニル基としては、例えばイソプロペニル基、3−メチルブタ−1−エニル基、又はゲラニル基、等が挙げられる。環状アルケニル基としては、シクロヘキサ−2−エニル基、シクロヘキサ−2,5−ジエニル基、ジシクロペンタエニル基、ジシクロペンタジエニル基、等が挙げられる。
本発明において、アルキニル基とはいずれか1カ所以上に炭素−炭素三重結合を有する、炭素数2〜30のアルキニル基を示す。例えば、エチニル基、プロパ−1−イニル基、3,3−ジメチルブタ−1−イニル基、等の1−アルキニル基、若しくはプロパ−2−イニル基、ブタ−2−イニル基、等の2−アルキニル基、等が挙げられる。
本発明において、炭素環アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、等が挙げられる。複素環アリール基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基、等が挙げられる。
本発明において、アルキルチオ基としては置換基を有していても良い炭素数1〜20のアルキルチオ基を示し、例えば、メチルチオ基、イソプロピルチオ基、ベンジルチオ基,ドデシルチオ基、等が挙げられる。アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基、等が挙げられる。
本発明において、アルコキシ基とは置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、等の1級アルコキシ基、イソプロポキシ基、sec−ブトキシ基、等の2級アルコキシ基、若しくはtert−ブトキシ基、等の3級アルコキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、等が挙げられる。
本発明において、脂肪族アミノ基とは非環状の1級アミノ基または非環状の2級アミノ基、若しくは環状の2級アミノ基を示す。非環状の脂肪族1級アミノ基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状アルキル基がN−モノ置換したアミノ基である。例えば、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、等が挙げられる。非環状の脂肪族2級アミノ基としては、同一であっても異なっていても良く、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状アルキル基がN,N−ジ置換したアミノ基である。例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。環状の脂肪族2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。
本発明において、芳香族アミノ基とは芳香族基が窒素原子に結合したアミノ基を示し、例えばフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−メチル−N−ピリジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、等が挙げられる。
本発明において、シリル基としてはトリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、等が挙げられる。
本発明において、置換基を有していてもよい、と記載した場合の置換基としては、例えば、メルカプト基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜8アルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数2〜10アルキニル基、炭素環または複素環アリール基、炭素数1〜8アルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数1〜8アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、炭素数1〜8アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数1〜8アルコキシ基、アリールオキシ基、脂肪族又は芳香族アミノ基、脂肪族アミノ基が置換された炭素数1〜8アルキル基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、若しくはシリル基、等を挙げることができる。芳香環上の置換位置は、オルト位でも、メタ位でも、パラ位でもよい。
本発明において、アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、等が挙げられる。
アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、等が挙げられる。
アルキルスルフォニル基としては、メチルスルフォニル基、エチルスルフォニル基、イソプロピルスルフォニル基、シクロヘキシルスルフォニル基、等が挙げられる。
アリールスルフォニル基としては、フェニルスルフォニル基、ナフチルスルフォニル基、等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、等が挙げられる。
(一般式中の置換基の説明)
本発明において、[1,2,4]トリアゾールとは、前記一般式(1)において、カルボニル基が該トリアゾール環骨格に組み込まれている位置を3位とし、前記R基の置換位置を4位とし、4位にZO基、2位にZO基が置換し、更にX基を備えるフェニル基が配する位置を5位とする[1,2,4]トリアゾールである。
前記一般式(1)で表される化合物(1)は、ケト−エノール互変異性体が存在し、下記一般式(1E)で示される異性体構造を取り得る。すなわち本発明において、前記(1)及び(1E)は同一化合物である。したがって、本発明は、一般式(1E)の製造法も包含するものである。
Figure 2014240356
本発明において、Xで表される置換基は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族アミノ基、置換基を有していてもよい芳香族アミノ基、またはシリル基を示す。
Xで表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基である。好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基である。例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、モルホリニルメチル基、ピペリジニルメチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル基、メトキシエチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、ピリジルメチル基、等を挙げることができる。Xにおける置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。中でもエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基が好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。
Xで表される置換基を有していてもよいアルケニル基としては、炭素数2〜30の1−アルケニル基または2−アルケニル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良い炭素数2〜10の1−アルケニル基または2−アルケニル基である。1−アルケニル基としては、例えばエテニル基、イソプロペニル基、3−ヒドロキシプロパ−1−エニル基、2−アセチル−エテニル基、2−フェニル−エテニル基、等が挙げられる。2−アルケニル基としては、例えばアリル基、ブタ−2−エニル基、等が挙げられる。
Xで表される置換基を有していてもよいアルキニル基としては、炭素数2〜30の1−アルキニル基または2−アルキニル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良い炭素数2〜10の1−アルキニル基または2−アルキニル基である。1−アルキニル基としては、例えばエチニル基、3,3−ジメチルブタ−1−イニル基、2−フェニル−エチニル基、2−トリメチルシリル−1−エチニル基、等が挙げられる。2−アルキニル基としては、例えばプロパ−2−イニル基、ブタ−2−イニル基、3−フェニルプロパ−2−イニル基、4,4−ジメチルペンタ−2−イニル基、3−トリメチルシリルプロパ−2−イニル基、等が挙げられる。炭素数2〜10の2−アルキニル基が好ましく、プロパ−2−イニル基またはブタ−2−イニル基が特に好ましい。
Xで表される置換基を有していてもよい炭素環アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、等が挙げられる。
Xで表される置換基を有していてもよい複素環アリール基としては、例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、4−キノリル基、6−キノリル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、2−フリル基、等が挙げられる。
Xで表される置換基を有していてもよいアルキルチオ基としては、炭素数1〜20のアルキルチオ基を示す。好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキルチオ基である。例えばメチルチオ基、イソプロピルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルエチルチオ基、等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールチオ基としては、例えばフェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基、等が挙げられる。
Xで表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜10の1級、2級、3級アルコキシ基を示す。例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、等の1級アルコキシ基、またはイソプロポキシ基、sec−ブトキシ基、等の2級アルコキシ基、若しくはtert−ブトキシ基、等の3級アルコキシ基が挙げられる。
Xで表されるアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、等が挙げられる。
Xで表される置換基を有していてもよい脂肪族アミノ基とは、非環状の1級アミノ基または非環状の2級アミノ基、若しくは環状の2級アミノ基を示す。非環状の脂肪族1級アミノ基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状アルキル基がN−モノ置換したアミノ基である。例えば、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、等が挙げられる。非環状の脂肪族2級アミノ基としては、同一であっても異なっていても良く、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、または環状アルキル基がN,N−ジ置換したアミノ基である。例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。環状の脂肪族2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。
Xで表される置換基を有していてもよい芳香族アミノ基としては、芳香族基が窒素原子に結合したアミノ基を示し、例えばフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−メチル−N−ピリジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、等が挙げられる。
Xで表されるシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基,tert−ブチルジフェニルシリル基、等が挙げられる。
2,4−ジヒドロキシフェニル基上のXの位置は、3、5、6位の何れでもよく、モノ置換、ジ置換、トリ置換のいずれでもよい。
Xで表される好ましい置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、若しくは置換基を有していてもよいアルキニル基である。中でも、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、若しくは炭素数2〜10の2−アルキニル基が特に好ましい。特に好ましいXで表される置換基の具体例としては、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、プロパ−2−イニル基またはブタ−2−イニル基である。
2,4−ジヒドロキシフェニル基上のXの置換位置は5位が好ましく、5位モノ置換体であることがより好ましい。すなわち、Xで表される置換基の好適な例としては、5位にエチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、プロパ−2−イニル基またはブタ−2−イニル基から選択される1種がモノ置換された態様が挙げられる。中でもX基として、5位にイソプロピル基を備えた態様が特に好ましい。
本発明においてRで表される置換基は、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいアルキニル基を示す。
Rで表される置換基を有していてもよい炭素環アリール基において、炭素環アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。置換基を有していてもよい炭素環アリール基としては、置換基としてアルキル基を有する炭素環アリール基、置換基としてハロゲン原子を有する炭素環アリール基、置換基としてアルコキシ基を有する炭素環アリール基、置換基としてアミノ基を有する炭素環アリール基、または置換基としてアミノアルキル基を有する炭素環アリール基が挙げられる。
前記置換基としてアルキル基を有する炭素環アリール基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基が少なくとも1つ以上を置換する炭素環アリール基である。好ましくは炭素数1〜8の直鎖状、又は分岐状アルキル基が置換するフェニル基である。例えば、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、1−エチルプロピル基、2−メチルプロピル基、等が挙げられる。
前記置換基としてハロゲン原子を有する炭素環アリール基としては、少なくとも1つ以上のハロゲン原子が置換された炭素環アリール基である。好ましくはモノハロゲン置換フェニル基、またはジハロゲン置換フェニル基である。例えば2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、等が挙げられる。
前記置換基としてアルコキシ基を有する炭素環アリール基としては、少なくとも1つ以上の炭素数1〜10の1級、2級、または3級アルコキシ基を有する炭素環アリール基である。例えば、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基が挙げられる。中でも4−メトキシフェニル基が好ましい。
Rで表される置換基としてアミノ基を有する炭素環アリール基としては、前記アミノ基として、無置換のアミノ基、非環状の1級または2級アミノ基、若しくは環状の2級アミノ基を置換基として備える炭素環アリール基が挙げられる。
置換基として備わる前記アミノ基において、非環状の1級アミノ基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、若しくはアリール基が置換したアミノ基が挙げられる。例えばメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、フェニルアミノ基、等が挙げられる。
非環状の2級アミノ基としては、同一てあっても異なっていても良く、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、若しくはアリール基がN,N−ジ置換したアミノ基である。例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−メチル−N−ピリジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、等が挙げられる。
環状の2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。
前記置換基のアミノ基は、非環状の脂肪族1級または非環状の2級アミノ基、若しくは環状の脂肪族2級アミノ基が好ましい。すなわち、非環状の脂肪族1級アミノ基としては、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、を好ましい例として挙げることができる。非環状の脂肪族2級アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基を好ましい例として挙げる事ができる。環状の脂肪族2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、を好ましい例として挙げることができる。
置換基としてアミノ基を有する炭素環アリール基における、炭素環アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が挙げられる。炭素環アリール基としてはフェニル基が好ましい。該フェニル基上のアミノ基の置換位置は特に限定されるものではなく、2〜6位の何れの置換体であって良い。3位または4位のアミノ基置換体が好ましい。
置換基としてアミノ基を有する炭素環アリール基において、好ましい態様としては、4位に非環状の脂肪族2級アミノ基が置換されたフェニル基、または4位に環状の脂肪族2級アミノ基が置換されたフェニル基が挙げられる。特に4−ジメチルアミノフェニル基、4−(モルフォリノ)フェニル基、または4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル基が好ましい。
Rで表される置換基としてアミノアルキル基を有する炭素環アリール基としては、前記アミノ基として、無置換のアミノ基、非環状の1級または非環状の2級アミノ基、若しくは環状の2級アミノ基を置換基として有する炭素数1〜8アルキル基が置換した炭素環アリール基が挙げられる。
非環状の1級アミノ基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、若しくはアリール基が置換したアミノ基が挙げられる。例えばメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、フェニルアミノ基、等が挙げられる。
非環状の2級アミノ基としては、同一てあっても異なっていても良く、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状アルキル基、若しくはアリール基がN,N−ジ置換したアミノ基である。例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−メチル−N−ピリジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、等が挙げられる。
環状の2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。
前記置換基のアミノ基は、非環状の脂肪族1級または非環状の2級アミノ基、若しくは環状の脂肪族2級アミノ基が好ましい。すなわち、非環状の脂肪族1級アミノ基としては、メチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、を好ましい例として挙げることができる。非環状の脂肪族2級アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基を好ましい例として挙げる事ができる。環状の脂肪族2級アミノ基としては、モルフォリノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、を好ましい例として挙げることができる。
前記アミノ基を置換基として有する炭素数1〜8アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、等を挙げることができる。
置換基としてアミノアルキル基を有する炭素環アリール基としては、フェニル基またはナフチル基が挙げられる。炭素環アリール基としてはフェニル基が好ましい。該フェニル基上の、アミノアルキル基の置換位置は特に限定されるものではなく、2〜6位の何れの置換体であって良い。3位または4位のアミノ基置換体が好ましい。
置換基としてアミノアルキル基を有する炭素環アリール基において、好ましい態様としては、炭素数1〜5アルキル基の末端位に環状の脂肪族2級アミノ基が置換され、もう一方の末端基がフェニル基の4位に置換された態様が挙げられる。特に、4−(モルフォリノメチル)フェニル基、4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル基、4−(2−モルフォリノエチル)フェニル基、4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]フェニル基、4−(4−モルフォリノブチル)フェニル基、4−[5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペンチル]フェニル基である。更に好ましい態様としては、4−(モルフォリノメチル)フェニル基、または4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル基である。
Rで表される置換基を有していてもよい複素環アリール基としては、置換基を有していても良いピリジル基、置換基を有していても良いピリミジニル基、置換基を有していても良いキノリル基、置換基を有していても良いキナゾリニル基、置換基を有していても良いナフチリジニル基、置換基を有していても良いフリル基、置換基を有していても良いピロリル基、置換基を有していても良いインドリル基、置換基を有していても良いイミダゾリル基、置換基を有していても良いピラゾリル基、置換基を有していても良いオキサゾリル基、置換基を有していても良いイソキサゾリル基、置換基を有していても良いトリアゾリル基、等が挙げられる。好ましくは、置換基を有していても良いピリジル基、置換基を有していても良いピリミジニル基、置換基を有していても良いインドリル基、置換基を有していても良いイミダゾリル基を挙げることができる。特に好ましくは置換基を有していても良いピリジル基、置換基を有していても良いピリミジニル基、置換基を有していても良いインドリル基である。
すなわち、本発明における、Rで表される置換基を有していてもよい複素環アリール基の好ましい態様としては、ピリジル基、置換基としてアルキル基を有するピリジル基、置換基としてアミノ基を有するピリジル基、ピリミジニル基、置換基としてアルキル基を有するピリミジニル基、置換基としてアミノ基を有するピリミジニル基、インドリル基、置換基としてアルキル基を有するインドリル基、である。
置換基としてアルキル基を有するピリジル基としては、6−メチルピリジン−2−イル基、2−メチルピリジン−4−イル基、等が挙げられる。置換基としてアミノ基を有するピリジル基としては、4−ジメチルアミノピリジン−2−イル基、等が挙げられる。置換基としてアルキル基を有するピリミジニル基としては、2−メチルピリミジン−4−イル基、2−メチルピリミジン−3−イル基、等が挙げられる。置換基としてアミノ基を有するピリミジニル基としては、2−ジメチルアミノピリミジン−4−イル基、2−モルフォリノピリミジン−4−イル基、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−イル基、等が挙げられる。置換基としてアルキル基を有するインドリル基としては、1−メチルインドール−5−イル基、1−エチルインドール−5−イル基、等が挙げられる。
Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の直鎖状、分岐状または環状アルキル基である。好ましくは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状アルキル基である。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n―ドデシル基,n−テトラデシル基,n−ヘキサデシル基、等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、イソプロピル基、tert−ブチル基、1−メチル−プロピル基、2−メチル−プロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、等が挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基における置換基としては、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素環アリール基、複素環アリール基、脂肪族若しくは芳香族アミノ基、炭素数1〜8アルキルチオ基、炭素数1〜8アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、エチル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、n−へキシル基、シクロへキシル基、4−ヒドロキシブチル基、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル基、4−ブロモブチル基、2−メトキシエチル基、4−メトキシエチル基、テトラヒロドフラニルメチル基、2−(3−ピリジル)エチル基、4−(3−ピリジル)ブチル基、2−モルフォリノエチル基、3−モルフォリノプロピル基、等が挙げられる。
Rで表される置換基を有していてもよいアルケニル基としては、置換基を有していてもよい、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜30の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基である。好ましくは、炭素数2〜12の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基である。アルケニル基の具体例としては、エテニル基、プロパ−1−エニル基、又はブタ−1−エニル基、等の1−アルケニル基、若しくはブタ−2−エニル基、又はペンタ−2−エニル基、等の2−アルケニル基が挙げられる。分岐状アルケニル基としては、例えば、イソプロペニル基、3−メチルブタ−1−エニル基、又はゲラニル基、等が挙げられる。環状アルケニル基としては、シクロヘキサ−2−エニル基、シクロヘキサ−2,5−ジエニル基、ジシクロペンタエニル基、ジシクロペンタジエニル基、等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルケニル基における置換基としては、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素環アリール基、複素環アリール基、脂肪族または芳香族アミノ基、炭素数1〜8アルキルチオ基、炭素数1〜8アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、が挙げられる。前記アルケニル基において、これら置換基は任意に備えられていても良い。
Rで表される置換基を有していてもよいアルキニル基としては、置換基を有していてもよい、いずれか1カ所以上に炭素−炭素三重結合を有する炭素数2〜30のアルキニル基を示す。好ましくは、炭素数2〜8のアルキニル基である。例えば、エチニル基、プロパ−1−イニル基、3,3−ジメチルブタ−1−イニル基、等の1−アルキニル基、若しくはプロパ−2−イニル基、ブタ−2−イニル基、等の2−アルキニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキニル基における置換基としては、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素環アリール基、複素環アリール基、脂肪族または芳香族アミノ基、炭素数1〜8アルキルチオ基、炭素数1〜8アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、が挙げられる。前記アルキニル基において、これら置換基は任意に備えられていても良い。
本発明において、Z及びZは、互いに同じであっても異なっていても良く、水素原子または水酸基の保護基を示す。Z及びZで表される水酸基の保護基としては、後にZ基及びZ基を脱離させ、相当する水酸基が生成することができるものであれば、特に限定されるものではない。Z及びZにおける水酸基の保護基としては、エーテル型保護基、アセタール型保護基、チオアセタール型保護基、シリル型保護基、アシル型保護基、等が挙げられる。
本発明において前記エーテル型保護基とは、保護基の結合によりエーテル構造を形成する水酸基の保護基であって、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基を示す。好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、または環状アルキル基、炭素数2〜8の1−アルケニル基または2−アルケニル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を置換基とする炭素数1〜4の直鎖状アルキル基である。エーテル型保護基としては、例えばベンジル基、パラメトキシベンジル基、メチル基、tert−ブチル基、アリル基、プロパルギル基、等が挙げられる。特にベンジル基、パラメトキシベンジル基、メチル基、アリル基、が好ましい。
本発明において前記アセタール型保護基とは、保護基の結合によりアセタール構造又はケタール構造を形成する水酸基の保護基であって、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルコキシ基を1位に置換するアルキル基を示す。アセタール型保護基としては、例えばメトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、等が挙げられる。特にメトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基が好ましい。
本発明において前記チオアセタール型保護基とは、保護基の結合によりチオアセタール構造、又はチオケタール構造を形成する水酸基の保護基であって、置換基を有していても良い炭素数1〜10アルキルチオ基を1位に置換するアルキル基、または置換基を有していても良い1−アリールチオアルキル基を示す。チオアセタール型保護基としては、例えばメチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、等が挙げられる。
本発明において前記シリル型保護基とは、保護基の結合によりシリルエーテル構造を形成する水酸基の保護基であって、置換基を有していてもよいアルキル基及び/または置換基を有して位いてもよいアリール基が置換したシリル基が挙げられる。シリル型保護基としては、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチル−ジメチル−シリル基,tert−ブチル−ジフェニル−シリル基、等が挙げられる。
本発明において前記アシル型保護基とは、保護基の結合によりエステル構造を形成する水酸基の保護基であって、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、または炭素数7〜16のアリールカルボニル基を示す。アシル型保護基としては、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、2−フェニルアセチル基、等が挙げられる。
本発明の反応条件を考慮すると、Z及びZで示される水酸基の保護基としては、アルカリ条件下で脱離しない水酸基の保護基であることが好ましい。したがって、Z及びZにおける好ましい水酸基の保護基として、エーテル型保護基またはアセタール型保護基が挙げられる。Z及びZで表される水酸基の保護基としては、中でもアセタール型保護基が特に好ましく、中でもメトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基が特に好ましい。
本発明において一般式(2)におけるYは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、または置換基を有していてもよいアリール基を示す。
Yで表される置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基が挙げられる。直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n―ドデシル基,n−テトラデシル基,n−ヘキサデシル基、等が挙げられる。分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、等が挙げられる。環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等が挙げられる。
Yで表される置換基を有していても良いアルケニル基としては、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜30の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状アルケニル基が挙げられる。直鎖状アルケニル基としては、例えばエテニル基、1−プロペニル基又は1−ブテニル基、等の1−アルケニル基、若しくは2−ブテニル基又は2−ペンテニル基、等の2−アルケニル基が挙げられる。分岐状アルケニル基としては、例えばイソプロペニル基、3−メチル−1−ブテニル基、又はゲラニル基、等が挙げられる。
Yで表される置換基を有していても良いアルキニル基としては、いずれか1カ所以上に炭素−炭素三重結合を有する炭素数2〜30のアルキニル基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられる。例えばエチニル基、1−プロピニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、等の1−アルキニル基、若しくは2−プロピニル基、2−ブチニル基、等の2−アルキニル基が挙げられる。
Yで表される置換基を有していても良いアリール基としては、炭素環アリール基又は複素環アリール基を示す。炭素環アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、等が挙げられる。複素環アリール基としては、例えばピリジル基、ピリミジニル基、キノリル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、トリアゾリル基、等が挙げられる。
本発明においてYとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−へキシル基、n−オクチル基、n―ドデシル基、n−テトラデシル基、3−メチルブチル基、2−シクロヘキシルエチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、等が挙げられる。特に好ましくは炭素数1〜16の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−へキシル基、n−オクチル基、またはn―ドデシル基が特に好ましい。
一般式(1)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体において、下記一般式(1a)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体が、本発明のより好ましい態様として挙げることができる。
Figure 2014240356
以下に、一般式(1a)で表される、Xa基が5位フェニル基の5位に配され、且つ(CH2)m−A基;(m=0〜5の整数、Aは脂肪族アミノ基を示す)が置換されたフェニル基が4位に置換された[1,2,4]トリアゾール−3−オンについて、その詳細について述べる。
一般式(1a)におけるXa基はエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基から選ばれる1種である。Za及びZa基は、水酸基の保護基であり、エーテル型保護基またはアセタール型保護基である。エーテル型保護基またはアセタール型保護基としては、前述した一般式(1)におけるZ基及びZ基について規定したエーテル型保護基、及びアセタール型保護基と同義である。前記Za及び前記Za基は、同一の水酸基の保護基であっても良く、若しくはそれぞれ異なる水酸基の保護基であっても良い。
一般式(1a)において、前記Aは脂肪族アミノ基を表す。Aで表される脂肪族アミノ基としては、脂肪族1級アミノ基または脂肪族2級アミノ基が挙げられる。脂肪族1級アミノ基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有するN−アルキルアミノ基がある。例えばメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。脂肪族2級アミノ基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有するN,N−ジアルキルアミノ基、若しくは環状の2級アミノ基が挙げられる。N,N−ジアルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、N−メチル−N−ブチルアミノ基、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基、等が挙げられる。環状の脂肪族2級アミノ基としては、モルフォリノ基、4−メチルピペラジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピロリジン−1−イル基、等が挙げられる。Aで現される脂肪族アミノ基としては、環状の2級アミノ基が好ましい。中でもモルフォリノ基または4−メチルピペラジン−1−イル基が特に好ましい。
一般式(1a)において、mは0乃至5の整数を表す。中でもmは0または1が好ましい。
一般式(2)で表される[1,2,4]トリアゾリルスルフィド誘導体において、下記一般式(2a)で表される[1,2,4]トリアゾリルスルフィド誘導体が、本発明のより好ましい態様として挙げることができる。
Figure 2014240356
一般式(2a)で示される[1,2,4]トリアゾリルスルフィド誘導体について、その詳細について述べる。一般式(2a)において、Xa、Za,Za、A、mについては、前記一般式(1a)で規定されたものと同義である。
一般式(2a)において、Yaは置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−へキシル基、n−オクチル基、n―ドデシル基、n−テトラデシル基、3−メチルブチル基、2−シクロヘキシルエチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、等が挙げられる。特に好ましくは炭素数1〜16の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−へキシル基、n−オクチル基、またはn―ドデシル基が特に好ましい。
本発明において一般式(3)
[化15]
M−W (3)
[式中、Mはカリウム、ナトリウムまたはリチウムを示し、WはO(Q1)で表されるアルコキシ基またはN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基を示し、前記Q1は2級または3級アルキル基を示し、前記Q2及び前記Q3は、互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基またはトリアルキルシリル基を示す]で表される塩基が用いられる。一般式(3)におけるMはアルカリ金属であり、カリウム、ナトリウムまたはリチウムを示す。WはO(Q1)で表されるアルコキシ基、またはN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基を示す。すなわち、本発明で用いる一般式(3)で示す塩基は、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ金属アミドである。
本発明において、一般式(3)のWがO(Q1)で表されるアルコキシ基において、前記Q1は2級または3級アルキル基を示す。特に好ましくは炭素数3〜6の2級または3級アルキル基である。Q1としては、例えば、tert−ブチル基,sec−ブチル基,sec−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基またはイソプロピル基が挙げられる。中でも,tert−ブチル基が特に好ましい.本発明において、WがO(Q1)で表されるアルコキシ基の場合、一般式(3)で示される塩基としては、カリウムtert−ブトキシド、またはナトリウムtert−ブトキシドが特に好ましい。
本発明において、一般式(3)のWがN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基において、Q2及びQ3は互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基またはトリアルキルシリル基を示す。前記Q2及び前記Q3で表されるアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状または環状アルキル基であることが好ましい。例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、等が挙げられる。中でも、イソプロピル基が特に好ましい。本発明において、前記Q2及び前記Q3で表されるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、等が挙げられる。中でも、トリメチルシリル基が好ましい。本発明において、WがN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基の場合の塩基としては、リチウムジイソプロピルアミド、またはカリウムヘキサメチルジシラジドが好ましい。
本発明において、Wで表される置換基としては,O(Q1)で表されるアルコキシ基が好ましく、一般式(3)で表される塩基;M−Wで表される塩基としては、カリウムtert−ブトキシド、またはナトリウムtert−ブトキシドが特に好ましい。
(反応の説明)
次に、下記反応式2に示す一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体(2)を、非プロトン性溶媒中、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対して1当量以上の水、及び前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対する前記水の当量よりも過剰当量の下記一般式(3)M−Wで表される塩基を用いて処理することにより、一般式(1)で表されるトリアゾール−3−オン誘導体(1)に変換する反応について説明する。
反応式2;
Figure 2014240356
本発明は、一般式(2)で示すトリアゾリルスルフィド誘導体(2)を、非プロトン性溶媒中、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対して1当量以上の水、及び前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する前記水の当量よりも過剰当量の一般式(3)M−Wで表される塩基と混合することで達成される。前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)、水、前記塩基(3)の混合様式は特に限定されるものではなく、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)を、それぞれ所定当量の水及び前記塩基(3)と、非プロトン性溶媒の溶液中、またはその懸濁液中で混合する工程を含むことにより、本発明は達成される。
本発明において、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)、水、及び前記一般式(3)で表される塩基を混合する操作としては、前記塩基(3)の非プロトン性溶媒の溶液、またはその懸濁液中に、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)をそのまま、またはその非プロトン性溶媒の溶液、または懸濁液として加え、最後に水を添加する操作が挙げられる。別の態様として、前記塩基(3)及び水の非プロトン性溶媒の溶液、またはその懸濁液中に、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)をそのまま、若しくはその非プロトン性溶媒の溶液、またはその懸濁液を加える操作を挙げることができる。或いは、反対に、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)の非プロトン性溶媒の溶液、またはその懸濁液中に、前記塩基及び水を加える操作であっても良い。
本発明において、非プロトン性溶媒中で、前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)と前記塩基(3)の混合物を予め調製し、これに対し最後に水を添加する操作が好ましい。
本発明の反応において、水の添加量は、一般式(2)で示すトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し化学量論当量以上であることが、満足すべき反応収率を得るためには必要である。好ましくは、水の添加量は一般式(2)の化合物に対し1〜50当量である。水の添加量が、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し50当量以上用いると、前記塩基(3)の使用量もそれに伴い増加するため、製造上不利である。特に好ましい水の添加量は、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し1〜30当量である。更に好ましくは1〜10当量である。
本発明において添加する一般式(3)M−Wで表される塩基の量は、一般式(2)で示すトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する前記水の添加当量よりも、過剰当量であることが必要である。前記塩基の添加量は、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する化学量論当量として、前記水の添加当量よりも1当量以上過剰であることが好ましい。具体的な前記塩基の添加量としては、一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し2〜100当量であって、且つトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する前記水の添加当量よりも1当量以上過剰当量であることが好ましい。前記塩基の添加量として、特に好ましくは該誘導体(2)に対し2〜50当量であって、且つトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する前記水の添加当量よりも1当量以上過剰当量であることが好ましい。更に好ましい前記塩基の添加量は、該誘導体(2)に対して2〜20等量であって、該誘導体(2)に対する前記水の添加当量よりも、1当量以上過剰当量である。
本発明の反応において、水の添加量、及び一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量の組み合わせとしては、水の添加量が一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し1〜50当量であり、一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し2〜100当量であって、前記塩基(3)の添加量が、一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対する前記水の添加当量より過剰である組合せが好ましい。更に好ましくは、水の添加量が一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し1〜50当量であり、一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し2〜100当量であって、且つ該塩基(3)の添加当量が、前記水の添加当量よりも1〜30当量過剰である組み合わせが特に好ましい。
本発明の反応において、水の添加量、及び一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量のより好適な組み合わせとしては、水の添加量が一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し1〜10当量であり、一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、一般式(2)のトリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し2〜20当量であって、且つ該塩基(3)の添加当量が、前記水の添加当量よりも1〜10当量過剰である組み合わせが特に好ましい。
本発明の反応は、非プロトン性溶媒を反応溶媒として使用する。本発明の反応に用いる非プロトン性溶媒とはプロトン供与性を持たない溶媒を意味し、例えばエーテル溶媒、炭化水素溶媒、ハロゲン溶媒等が挙げられる。
本発明において、エーテル溶媒とはエーテル構造を有する溶媒を意味し、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、メチルフェニルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、等が挙げられる。
炭化水素溶媒としては、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、等の脂肪族炭化水素系溶媒、若しくはベンゼン、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。
ハロゲン溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、等が挙げられる。
本発明の反応溶媒は、非プロトン性溶媒であれば特に限定されるものではないが、中でも沸点60℃以上のエーテル溶媒が好ましい。例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、等が挙げられる。特に好ましくは沸点が80℃以上のエーテル溶媒であり、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、等が好適な反応溶媒として挙げることができる。これらは単独で用いても良く、混合溶媒として用いても良い。
本発明において、非プロトン性溶媒の使用量は特に限定されるものではない。しかしながら、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)が当該反応条件において、全て溶解するのに十分な溶媒量を用いることが好ましい。すなわち、本発明において用いる非プロトン性溶媒は、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し1〜100質量部である。より好ましくは、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対し2〜50質量部である。
本発明の反応温度は、反応が進行する限りにおいて特に限定されるものではない。しかしながら、反応促進のため、加熱条件で反応させることが好ましい。反応温度は,60℃から150℃で行なうことが好ましい。特に80℃から120℃で反応を行なうことで、反応時間の短縮と、十分な反応収率を達成できることから特に好ましい。
本発明における好ましい反応条件としては、第1の態様としては、非プロトン性溶媒として1,4−ジオキサンを用い、水を前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対して1〜10当量用い、塩基としてカリウムtert−ブトキシドを前記トリアリルスルフィド誘導体(2)に対して2〜20当量用い、前記カリウムtert−ブトキシドは前記水より1〜10当量過剰で混合する製法が挙げられる。第2の態様として、非プロトン性溶媒としてジメトキシエタンを用い、水を前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対して1〜10当量用い、塩基としてカリウムtert−ブトキシドを前記トリアリルスルフィド誘導体(2)に対して2〜20当量用い、前記カリウムtert−ブトキシドは前記水より1〜10当量過剰で混合する製法が挙げられる。第3の態様として、非プロトン性溶媒としてビス(2−ジメトキシエチル)エーテルを用い、水を前記トリアゾリルスルフィド誘導体(2)に対して1〜10当量用い、塩基としてカリウムtert−ブトキシドを前記トリアリルスルフィド誘導体(2)に対して2〜20当量用い、前記カリウムtert−ブトキシドは前記水より1〜10当量過剰で混合する製法が挙げられる。
本発明は、当該反応終了後、通常行なわれる水性後処理により、容易に目的生成物である一般式(1)で示される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1)を単離することができる。すなわち、当該反応混合物を水性処理し、有機溶媒にて抽出し、目的生成物(1)を単離できる。単離された目的生成物(1)は必要に応じ、クロマトグラフィー又は懸濁精製、等による精製工程を経由しても良い。
本発明において、一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体が、前記一般式(2a)においても、非プロトン性溶媒中、前記一般式(2a)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対して1当量以上の水、及び前記一般式(2a)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対する前記水の当量よりも過剰当量の下記一般式(3)M−Wで表される塩基を用いて処理することにより、一般式(1a)で表されるトリアゾール−3−オン誘導体(1a)に変換する事ができる(反応式3)。
反応式3;
Figure 2014240356
本発明により得られる一般式(1)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1)は、Z及びZ基が水酸基の保護基である場合、下記反応式4で表されるように脱保護反応により、HSP90阻害活性を有する[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(7)[式中、X,Rは、前述した一般式(1)における規定と同義である]に変換できる。
反応式4;
Figure 2014240356
なお、一般式(7)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(7)は、ケト/エノール互変異性体の関係にある下記一般式(7E)で表される異性体構造を取り得る事は自明であって、前記化合物(7)及び前記化合物(7E)は同じ化合物である。
Figure 2014240356
同様に、本発明により得られる一般式(1a)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1a)は、Z及びZ基が水酸基の保護基である場合、下記反応式5で表されるように脱保護反応により、HSP90阻害活性を有する[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(7a)[式中、Xa,A,mは、前述した一般式(1a)における規定と同義である]に変換できる。
反応式5;
Figure 2014240356
なお、一般式(7a)で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(7a)は、ケト/エノール互変異性体の関係にある下記一般式(7aE)で表される異性体構造を取り得る事は自明であって、前記化合物(7a)及び前記化合物(7aE)は同じ化合物である。
Figure 2014240356
反応式4または反応式5によるZ基及びZ基、並びにZa基及びZa基の脱保護反応は、Z基及びZ基等の該水酸基の保護基の化学反応性に応じ、適宜設定されるものである。例えばZ基及びZ基がアセタール型保護基であり、例えばメトキシメチル基の場合、酸性条件による処理またはトリメチルシリルブロマイドによる処理、等により脱保護反応をすることができる。好ましくは、酸性条件による処理方法が採用される。
一般式(1)において、Z及びZ基がメトキシメチル基の場合における脱保護反応の具体例としては、塩酸−1,4−ジオキサン溶液、塩酸−エタノール溶液、または塩酸−イソプロパノール−テトラヒドロフラン溶液、等で処理することにより、脱保護反応を行なうことができる。
生成した[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(7)または(7a)は、公知の単離操作により単離され、必要に応じ精製操作、任意に造塩工程を経由し、目的生成物をして製造することができる。
本発明の原料化合物である一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体は、公知の方法により調製できる。例えば、特許文献1の実施例3−1等に記載の方法に準じて合成できる。すなわち下記反応式6に従い、[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)に対し、塩基存在下で、ハロゲン原子等適当な脱離基を有する置換基Y残基を有する反応試薬を反応させることにより、トリアゾリルスルフィド誘導体(2)が調製できる。一般式(2a)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体も、同様の方法により合成することができる。
反応式6;
Figure 2014240356
また、前記[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)は、公知の方法により調製できる。例えば、特許文献1の実施例1−1等に記載の方法に準じて合成できる。すなわち、下記反応式7に従い、チオセミカルバジド(8)を塩基性条件下で加熱処理することにより、[1,2,4]トリアゾール−3−チオン誘導体(4)を調製することができる。
反応式7;
Figure 2014240356
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例として、トリアゾリルメチルスルフィド誘導体(2b)またはトリアゾリル−n−ドデシルスルフィド誘導体(2c)を用いた、本発明による、5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)の合成について示す(スキーム1)。
スキーム1;
Figure 2014240356
実施例化合物、及び合成例化合物の検出及び同定、並びに純度測定のためのLC/MS測定条件は次のとおりである。

機種:島津 LCMS−2010A
カラム:Inertsil ODS−3、2.1mm×100mm、
移動相A:アセトニトリル/ギ酸 (99.9/0.1)
移動相B:水/ギ酸 (99.9/0.1)
グラジェント:時間(分) 0.0 5.5 6.5 6.51 10.0
A濃度 5 90 90 5 5
流速:0.3mL/分
実施例1
3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)の加水分解反応。
実施例1−1
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)(12.74g,18.3mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(127mL)溶液中に、カリウムtert−ブトキシド(13.56g,120.8mmol)を加え、室温で15分撹拌した。次いで、室温撹拌下、水(0.725mL,40.3mmol)を加え、10時間加熱還流した。氷冷撹拌下、反応液に、食塩水(127mL)、及び1N硫酸水素カリウム(121mL)を加えてpH約7−8とし、酢酸エチル(200mL,100mL,60mL)で抽出した。抽出液を、食塩水(100mL,2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、酢酸エチル溶液(1)を得た。pH約7−8の水層に、固形炭酸水素ナトリウム(3.075g,36.6mmol)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液(150mL)を食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、酢酸エチル溶液(2)を得た。酢酸エチル溶液(1)と酢酸エチル溶液(2)の乾燥剤を濾去し、濾液を合して減圧下溶媒を留去し、淡黄色ペースト状の粗生成物を得た。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル,500mL)(溶出溶媒:酢酸エチル−メタノール 49:1〜19:1)により精製し、白色固体5027mgを得た。この白色固体に、ジイソプロピルエーテル(40mL)及びn−ヘキサン(10mL)を加え、得られた懸濁液を室温で3時間撹拌した。析出している固体を濾取し、ジイソプロピルエーテル−n−ヘキサン(2:1)(5mL,10mL)で洗浄後、減圧乾燥して5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)4769mg(51%)を白色固体として得た。
得られた生成物の分析結果を以下に示す。
HPLC面比:99.7%(210nm)
カラム:Inertsil ODS−3;4.6×150mm; カラム温度:30℃
溶出溶媒:アセトニトリル−1%HPO
0−20min:アセトニトリル濃度 20→80%; 20−30min:アセトニトリル濃度 80%
試料0.5mgをアセトニトリル(1mL)−水(1mL)に溶解し、10μLをインジェクトした。

LC/MS 保持時間:4.403分; 面比:100.0%(210nm);
m/z(ESI,POS):512[M+H]

NMR[400MHz,CDCl,TMS]ppm:1.158(6H,d,J=7.0Hz),2.285(3H,s),2.449(8H,brs),3.170(3H,s),3.234(1H,septet,J=7.0Hz),3.446(2H,s),3.476(3H,s),4.630(2H,s),5.174(2H,s),6.812(1H,s),7.132(2H,d,J=8.4Hz),7.209(1H,s),7.296(2H,d,J=8.4Hz),10.021(1H,brs).
実施例1−2、実施例1−3、実施例1−4
3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)の加水分解反応における、水及び塩基の当量比を変えた例を示す。
実施例1−2
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)1モル当量部の乾燥1,4−ジオキサン溶液中に、カリウムtert−ブトキシドを該化合物(2c)に対し10モル当量部を加え、室温で15分撹拌した。次いで、室温撹拌下、水を該化合物(2c)に対し7モル当量部を加え、4時間加熱還流した。反応溶液を採取し、以下のHPLC条件にて原料(2c)、及び生成物(1bc)の定量分析を行なった。結果を表1に示した。
原料(2c)及び生成物(1bc)の定量分析に用いたHLPC分析条件を示す。
カラム:Inertsil ODS−3;4.6×150mm; カラム温度:室温
溶出溶媒:アセトニトリル−1%HPO
0−20min:アセトニトリル濃度 20→80%; 20−30min:アセトニトリル濃度 80%
試料:1mLのメスフラスコに反応液20μLをとり、50%アセトニトリル水溶液を加えてメスアップして試料溶液とし、2μLをインジェクトした。
検出波長:254nm
実施例1−3
実施例1−2における、水の添加量を該化合物(2c)に対し4モル当量部とした以外は、同様の反応条件にて同様の操作を行なった。反応時間4時間時点での反応系内における原料(2c)、及び生成物(1bc)の定量分析を行なった。結果を表1に示した。
実施例1−4
実施例1−2における、水の添加量を該化合物(2c)に対し2モル当量部とした以外は、同様の反応条件にて同様の操作を行なった。反応時間4時間時点での反応系内における原料(2c)、及び生成物(1bc)の定量分析を行なった。結果を表1に示した。
表1:実施例1−2,1−3,1−4の結果一覧
Figure 2014240356
*1;2cに対する当量、 *2;HPLC面積換算値
実施例1−2、1−3、及び1−4の結果から、本発明の製造方法は、水及び塩基の添加当量により、反応速度を制御できることが明らかとなった。すなわち、トリアゾリルスルフィド誘導体(2c)に対し水の添加量を7当量とし、塩基であるカリウムtert−ブトキシドを、添加水に対して3当量過剰に用いた実施例1−2は、比較的穏やかな反応速度で、目的化合物である[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)を生成した。一方、該化合物(2c)に対する水の添加量が4当量で、カリウムtert−ブトキシドが添加水に対して6当量過剰に用いた実施例1−3、及び該化合物(2c)に対する水の添加量が2当量で、カリウムtert−ブトキシドが添加水に対して8当量過剰に用いた実施例1−4は比較的速い反応速度で、目的化合物である[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)を生成した。本反応結果から、本発明の製造方法は、添加する塩基の過剰当量が多いほど、より速い反応速度で当該反応を進行させられる事が明らかとなった。
実施例2:3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)の加水分解反応を、種々の反応溶媒を用いて実施した。
実施例2−1
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)(108mg,0.20mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(2mL)溶液中に、カリウムtert−ブトキシド(148mg,1.32mmol)、及び水(0.0079mL,7.9mg,0.44mmol)を加え、100℃で6時間撹拌した。反応液を冷水(13mL)中に加え、1N硫酸水素カリウム水溶液、及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH約8とした。更に、塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、濾液に固形炭酸カリウムを加えて室温で50分撹拌した。炭酸カリウムを濾去し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物(100mg)を得た。この粗生成物(95mg)を、酢酸エチルーメタノール(29:1)(2mL)に溶解し、カラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル,45mL)(溶出溶媒:酢酸エチル−メタノール 29:1)により精製し、5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc),59mg(61%)を白色固体として得た。
得られた生成物のLC/MS分析結果を示す。
LC/MS
保持時間:4.368分; 面比:100.0%(210nm);
m/z(ESI,POS):512[M+H]
実施例2−2
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)(108mg,0.20mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(THF;2mL)溶液中に、カリウムtert−ブトキシド(148mg,1.32mmol)、及び水(0.0079mL,7.9mg,0.44mmol)を加え、室温で20時間45分撹拌し、次いで、15.5時間加熱還流した。
反応液のLC/MS面比は、原料化合物(2b)83.0%、目的物(1bc)15.4%であった。
実施例2−3
実施例2−2の反応溶液を用い、次いで、反応液に乾燥ビス(2−メトキシエチル)エーテル(ジグライム;1mL)、及びカリウムtert−ブトキシド(148mg,1.32mmol)を加え、100℃で3.5時間撹拌した。
反応液のLC/MS面比は、原料化合物(2b)が5%以下、目的物(1bc)が90%であった。
実施例2−2、2−3の結果を下記表2にまとめた。
表2;実施例2−2、実施例2−3の反応結果
Figure 2014240356
*1;HPLC面積換算値
実施例2−3の反応液を冷水(12mL)中に加え、1N硫酸水素カリウム水溶液、及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH約8とした。更に、塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、減圧下溶媒を留去して、淡黄色オイルを得た。得られた淡黄色オイルにn−ヘキサン(5mL)を加え、得られた懸濁液を室温で4.5時間撹拌した。析出している固体を濾取し、n−ヘキサン(2mL)、及びn−ヘキサン(2mL)−ジイソプロピルエーテル(0.5mL)で洗浄し、白色固体(73.9mg)を得た。この粗生成物を、酢酸エチル−メタノール(29:1)(2.5mL)、及びジクロロメタン(0.6mL)に溶解し、カラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル,40mL)(溶出溶媒:酢酸エチル−メタノール 29:1)により精製し、5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc),57mg(56%)を,白色固体として得た。
得られた生成物のLC/MS分析結果を示す。
LC/MS
保持時間:4.385分; 面比:100.0%(210nm);
m/z(ESI,POS):512[M+H]
実施例2−4
アルゴン雰囲気中、室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)(108mg,0.20mmol)の乾燥1,2−ジメトキシエタン(DME;2mL)溶液中に、カリウムtert−ブトキシド(148mg,1.32mmol)、及び水(0.0079mL,7.9mg,0.44mmol)を加え、8時間加熱還流した。室温撹拌下、反応液にカリウムtert−ブトキシド(74mg,0.66mmol)を追加し、更に7時間加熱還流した。反応液を冷水(13mL)中に加え、1N硫酸水素カリウム水溶液(1.7mL)を加えてpH7−8とし、更に、塩化ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出液を合して塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、減圧下溶媒を留去して、粗生成物(87mg)を得た。この粗生成物(87mg)を、酢酸エチルーメタノール(29:1)(2mL)に溶解し、カラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル,45mL)(溶出溶媒:酢酸エチル−メタノール 29:1)により精製して,5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)、56mg(55%)を白色固体として得た。
得られた生成物のLC/MS分析結果を示す。
LC/MS
保持時間:4.369分; 面比:99.7%(210nm);
m/z(ESI,POS):512[M+H]
実施例2では、本発明の反応溶媒として用いられる非プロトン性溶媒において、種々のエーテル溶媒を用いた反応条件の検討を示した。実施例2−1(1,4−ジオキサン/100℃)、実施例2−2(テトラヒドロフラン/加熱還流)、実施例2−3(ビス(2−メトキシエチル)エーテル/100℃)、実施例2−4(1,2−ジメトキシエタン/加熱還流)にて反応を行なった結果、何れの反応エーテル溶媒を用いても反応は進行し、目的物(1bc)が得られた。したがって、本発明における好適な非プロトン性反応溶媒としては、エーテル溶媒が好ましい。
実施例2において、反応温度を100℃以上にすると、本発明の製造方法は反応速度が速くなる傾向が認められた。したがって高温の反応条件に設定できる、1,4−ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ジメトキシエタンが特に好ましい反応溶媒である。
比較例1
3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)の水酸化ナトリウム水溶液による加水分解検討。
室温撹拌下、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−メチルチオ−[1,2,4]トリアゾール(2b)(54mg,0.10mmol)のビス(2−メトキシエチル)エーテル(ジグライム;0.4mL)溶液中に、5%水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL,0.25mmol)を加え、室温で17.5時間、次いで90℃で2時間15分撹拌した。反応液は原料の(2b)のみで、目的物の(1bc)は認められなかった(薄層クロマトグラフィーによる検出分析)。
比較例1の製造方法は、本発明において用いる水及び塩基として水酸化ナトリウム水溶液を用いた反応条件である。比較例1の反応条件では、目的物(1bc)の生成は認められなかった。
実施例1及び2、並びに比較例1の結果を踏まえると、トリアゾリルスルフィド誘導体(2bまたは2c)から[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1bc)へ変換する反応は、水酸化カリウム以上の強塩基を、添加した水の当量より過剰当量に用いる場合において進行する結果であった。本発明に係る実施例は、塩基としてカリウムtert−ブトキシドを、水と共に用いた反応条件である。添加した水は、カリウムtert−ブトキシドと反応し、水酸化カリウムに変換され、反応に供せられる。すなわち、本発明に係る反応は、水酸化カリウムとカリウムtert−ブトキシドの2種類の塩基を、トリアゾリルスルフィド誘導体(2bまたは2c)に対し反応させる事を特徴とするものである。このような特殊な反応条件が、通常のアルカリ加水分解反応では進行しないトリアゾリルスルフィド誘導体(2bまたは2c)から[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(1bc)への直接変換の反応を進行させていると言える。
合成例1
5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン(4c)のアルキル化反応による、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)の合成反応(スキーム2)。
スキーム2;
Figure 2014240356
5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン(4c)は、特許文献1;国際公開WO2006/095783号の実施例2−5の記載に従い合成した。
5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン(4c)(18g,34.1mmol)のエタノール(90mL)懸濁液を浴温50℃(内温44℃)で加温した後、炭酸セシウム(12.23g,37.5mmol)を加え、油浴上、浴温50℃(内温44℃)で1時間撹拌した。次いで、1−ヨードドデカン(8.6mL,10.3g,34.9mmol)を加え、油浴上、浴温50℃(内温44〜47℃)で4時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣に水(72mL)を加え、酢酸エチル(72mL,36mL)で抽出した。酢酸エチル抽出液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液(36mL)、次いで、飽和食塩水(36mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無水硫酸ナトリウムを濾去、減圧下溶媒を留去し、残渣を減圧乾燥して、3−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−5−(n−ドデシルチオ)−[1,2,4]トリアゾール(2c)(23.78g,収率100%; HPLC 96.5%)を得た。このものを精製することなく、本発明に係る加水分解反応の原料として用いた。
実施例3
5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)の脱保護反応による、5−(2,4−ジヒドロキシー5−イソプロピルフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン・2塩酸塩(7bc)の製造(スキーム3)。
スキーム3;
Figure 2014240356
室温下、5−(5−イソプロピル−2,4−ビス−メトキシメトキシフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(1bc)(6.07g,11.87mmol)に2規定塩酸/エタノール溶液(48.6mL)を加え、室温で24時間撹拌した。析出している結晶を濾取、エタノール(48.6mL)で洗浄し、減圧乾燥して粗結晶(5.96g)を得た。反応が完結していなかったため、この粗結晶に再び2規定塩酸/エタノール溶液(48.6mL)を加え、55℃で6.5時間撹拌した。析出している結晶を濾取、エタノール(48.6mL)で洗浄し、減圧乾燥して、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−4−[4−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン・2塩酸塩(7bc)(5.78g,98.1%)を白色結晶として得た。
得られた生成物の分析結果を以下に示す。
HPLC面比:98.6%(254nm)
カラム:Inertsil ODS−3;4.6×150mm; カラム温度:室温
溶出溶媒:アセトニトリル−1%HPO
0−20min:アセトニトリル濃度 10→30%; 20−30min:アセトニトリル濃度 30%
試料2mgをアセトニトリル−水(1:1)を加えて1mLとし、5μLをインジェクトした。

LC/MS
保持時間:3.65分; 面比:99.0%(210nm);
m/z(ESI,POS):424[M−2HCl+H]

融点:>230℃

NMR(400MHz,DO)ppm:0.909(6H,d,J=6.8Hz),2.972(3H,s),2.977(1H,septet,J=6.8Hz),3.295(4H,bs),3.495(4H,bs),4.152(2H,s),6.388(1H,s),6.884(1H,s),7.323(2H,d,J=8.6Hz),7.522(2H,d,J=8.6Hz).

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2014240356
    [式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい脂肪族アミノ基、置換基を有していてもよい芳香族アミノ基、またはシリル基を示し、
    Rは、置換基を有していてもよい炭素環アリール基、置換基を有していてもよい複素環アリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、または置換基を有していてもよいアルキニル基を示し、
    及びZは、互いに同じであっても異なっていても良く、水素原子または水酸基の保護基を示す]で表される[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体の製造法であって、
    下記一般式(2)
    Figure 2014240356
    [式中、X、Z、Z、及びRは前記一般式(1)のX、Z、Z、及びRと同じ意味を表し、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、または置換基を有していてもよいアリール基を示す]で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体を、非プロトン性溶媒中、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対して1当量以上の水、及び前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対する前記水の当量よりも過剰当量の下記一般式(3)
    [化3]
    M−W (3)
    [式中、Mはカリウム、ナトリウムまたはリチウムを示し、WはO(Q1)で表されるアルコキシ基またはN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基を示し、前記Q1は2級または3級アルキル基を示し、前記Q2及び前記Q3は、互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基またはトリアルキルシリル基を示す]で表される塩基で処理することを特徴とする、下記一般式(1)
    Figure 2014240356
    [式中、X、Z、Z及びRは、前記と同じ意味を表す]で表されるトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  2. 前記一般式(3)において、WがO(Q1)で表されるアルコキシ基であり、前記Q1基がtert−ブチル基、sec−ブチル基またはイソプロピル基である請求項1に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  3. 前記一般式(3)において、WがN(Q2)(Q3)で表されるアミノ基であり、前記Q2及び前記Q3が共にイソプロピル基、または前記Q2及び前記Q3が共にトリメチルシリル基である請求項1に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  4. 前記非プロトン性溶媒が、沸点が80℃以上のエーテル溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  5. 前記水の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し1〜50当量であり、前記一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し2〜100当量である請求項1〜4のいずれか1項に記載に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  6. 反応温度が60℃から150℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  7. 前記水の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し1〜10当量であり、前記一般式(3)M−Wで表される塩基の添加量が、前記一般式(2)で表されるトリアゾリルスルフィド誘導体に対し2〜20当量であり、且つ前記塩基の添加量が、前記水の添加量よりも1〜10当量過剰である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  8. 前記Yが、置換基を有していてもよい炭素数1〜20アルキル基である請求項1〜7のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  9. 前記Rが、置換基として脂肪族アミノ基を有する炭素環アリール基、置換基として脂肪族アミノアルキル基を有する炭素環アリール基、または置換基を有していてもよい複素環アリール基である請求項1〜8のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  10. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法において、前記Z及び前記Zが水酸基の保護基である前記一般式(1)のトリアゾール−3−オン誘導体を、更に、脱保護反応により前記Z及び前記Zを脱離させ、下記一般式(7)
    Figure 2014240356
    [式中、X、Rは前記一般式(1)のX、Rと同じ意味を表す]で表されるトリアゾール−3−オン誘導体に変換する脱保護工程を含む、トリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
  11. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)
    Figure 2014240356
    [式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示し、Za及びZaはエーテル型保護基またはアセタール型保護基を示す]であり、
    前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2a)
    Figure 2014240356
    [式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、Yaは置換基を有していてもよい炭素数1〜20アルキル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示し、Za及びZaはエーテル型保護基またはアセタール型保護基を示す]であり、
    更に、前記一般式(7)で表される化合物が、下記一般式(7a)
    Figure 2014240356
    [式中、Xaはエチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基を示し、mは0乃至5を示し、Aは脂肪族アミノ基を示す]である請求項1〜10のいずれか1項に記載のトリアゾール−3−オン誘導体の製造法。
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