以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る複合機1の構成例を示す図である。複合機1は、図1に示すように、複合機本体部100と、制御部200、記憶部300、入力部400、表示部500を含んで構成されている。なお、制御部200と、記憶部300、入力部400、表示部500は一体となってコンピュータとして機能する。
ここで、複合機本体部100は複写機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ等の機能を持った部分を含んで構成されている。複合機本体部100は通信回線2に接続され、印刷ジョブの送受信やファクシミリの送受信を行う。
制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んでおり、記憶部300に格納されているプログラムを実行することにより、複合機1の全体を制御する。また、制御部200は記憶部300に格納された表示情報に基づき、表示プログラムを実行することにより、第1表示制御部210と第2表示制御部220の機能である操作画像の生成及び表示部500への表示の制御を行う。この表示プログラムの処理の具体的な内容については後に詳細に説明する。
記憶部300は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含んでいる。記憶部300は制御部200が実行するプログラムを格納するとともに、制御部200のワークメモリとしても機能する。本実施の形態では、記憶部300は上述した表示情報を記憶する表示情報記憶部310を含む。なお、記憶部300に格納される制御部200が実行するプログラムは、電気通信回線を介して提供されるものであってもよいし、半導体記憶素子等のコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
入力部400は、ユーザの指示を制御部200に出力する。本実施の形態では、入力部400は物理キー410とタッチパネル420を含んでいる。
表示部500は、例えば液晶ディスプレイであり、ユーザが複合機1を操作するために必要な情報等を表示する。本実施の形態では、表示部500と入力部400に含まれるタッチパネル420が一体となってユーザインターフェースを構成し、表示部500上に表示されたアイコン画像をタップすることにより複合機1の操作を行う。
ここで、「タップ」とは、タッチパネルを指先で軽く叩く動作を意味する。本実施の形態のように、表示部500とタッチパネル420が一体となってユーザインターフェースを構成する場合、指先が触れた位置に表示されているアイコン画像がタップ動作により指定されたとして、当該アイコン画像に関連した複合機1の機能が呼び出される。
図2(a)は、本実施の形態において第1表示制御部210によって生成され、表示部500に表示される第1操作画像600を示すものである。図中の縦軸と横軸は、画像表示座標の基準線を表す。ここで、表示座標において用いられているx1−x5、y1−y5の符号は予め定められた数値を表すものとする。
本実施の形態においては、全ての画像は矩形で、画像は基準線と平行に配置されるものとし、画像表示座標は矩形の左上頂点の座標を指定するものとする。その他に、例えば円形の画像を用いるのであれば、画像表示座標の基準点を円の中心などとしてもよい。
第1操作画像600は、宛先表示欄610と、宛先登録ボタン620、短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630、アドレス帳アイコン(サイズ大)640、オンフックアイコン650を含んでいる。第1操作画像600において表示される画像として、この他に例えば複合機の設定に関するアイコン等を含んでいてもよい。
宛先表示欄610には、例えば「Enter Number」などの文字が表示され、ユーザが物理キー410を用いて数字を入力すると、その数字が宛先表示欄610に表示される。
また、本実施の形態において、短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630はファクシミリの短縮ダイヤル機能に関連し、アドレス帳アイコン(サイズ大)640はアドレス帳機能、オンフックアイコン650はオンフック機能に関連する。これらの機能アイコンをタップすると、関連するファクシミリ機能が実行される。
ここで、短縮ダイヤル機能とは、頻繁に使用する宛先の入力を省略するための機能で、4桁程度の番号で宛先を代替する機能である。アドレス帳機能とは、宛先を氏名もしくは名称等とともに記憶部300に格納し、例えば五十音順に索引を付け、宛先の管理および検索を容易にする機能である。また、オンフック機能とは、電話機の受話器を置いた状態(オンフック状態)のまま発信する機能であり、受話器を有さない複合機の場合は当該機能実行後に入力した宛先に向けてファクシミリ等を送信する機能である。
宛先表示欄610に宛先が入力された状態で宛先登録ボタン620をタップし、登録された宛先件数が1件以上になると、以下に説明する第2操作画像700に表示が切り替わる。この際、当該宛先は記憶部300に一時的に格納され、ファクシミリの送信処理が完了するまで保持される。
図2(b)は、本実施の形態における第2操作画像700を示すものである。第2操作画像700は、宛先表示欄610と、宛先登録ボタン620、短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710、アドレス帳アイコン(サイズ小)720、宛先確認欄730を含んでいる。
第2操作画像700は第1操作画像600の場合に比べて機能アイコンの表示サイズが小さく、オンフックアイコン650を含まず、ファクシミリの操作に関連したアイコンの数が3つから2つに減っている。オンフック機能は、上述のように当該機能実行後に入力した宛先1件に向けてファクシミリを送信する機能であり、送信宛先が2件以上ある場合には実行できない機能となっている。なお、本実施の形態では第2操作画像700においてオンフックアイコン650が表示されないこととしたが、表示されない機能アイコンをユーザが設定することとしてもよい。
第1操作画像600では宛先表示欄610に入力中の宛先しか表示されなかったのに対し、第2操作画像700では登録済みの宛先4件が宛先確認欄730に表示されている。この表示状態は、ユーザが既に4件の宛先を登録した場合を表している。仮にさらに宛先を追加登録した場合、例えば宛先確認欄730にスクロールバーが現れ、宛先確認欄730をスクロールすることで全ての登録済み宛先を閲覧できるようにしてもよい。
制御部200は、第1操作画像600もしくは第2操作画像700の生成にあたって、記憶部300の表示情報記憶部310に格納された情報に基づいて処理を行う。本実施の形態において表示情報記憶部310に格納されている情報の具体例を、図3に示した。
本実施の形態において、表示情報記憶部310は、第1操作画像レイアウト記憶部311、第2操作画像レイアウト記憶部312、機能アイコン画像記憶部313を含む。
図4(a)に示すように、第1操作画像レイアウト記憶部311は第1操作画像レイアウト情報を格納する。当該情報は宛先表示欄610と、宛先登録ボタン620、短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630、アドレス帳アイコン(サイズ大)640、オンフックアイコン650の表示座標及び表示サイズを表したものである。図4(b)に示す第2操作画像レイアウト記憶部312に格納された第2操作画像レイアウト情報についても同様である。
また、図5は機能アイコン画像記憶部313の内容例を示す。機能アイコン画像記憶部313は、第1操作画像600もしくは第2操作画像700を生成する際に用いられる機能アイコンの画像情報を格納する。
本実施の形態において、第1操作画像600を生成する際に用いられる短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630、アドレス帳アイコン(サイズ大)640、オンフックアイコン650の各画像は文字と図からなる。また、第2操作画像700を生成する際に用いられる短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710、アドレス帳アイコン(サイズ小)720の各画像は図のみからなる。
ここで、短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630は「Speed Dial」の文字と短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710を切り出した図からなり、当該文字は短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710を説明するものとなっている。この他に、短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630に含まれる図として、例えば短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710を拡大、縮小、回転、透過処理等施したものを用いてもよいし、それらの一部を切り出した図を用いてもよい。アドレス帳アイコン(サイズ大)640についても同様である。
また、例えば文字のみによってファクシミリ機能を表現し、小さい画像サイズにおいては略称を用いるなどしてもよい。
機能アイコン画像記憶部313は遷移アニメーションを生成する際に用いられるアイコンのモーフィング画像も格納する。本実施の形態では、第1操作画像600において表示されるアイコン画像と第2操作画像700において表示されるアイコン画像を補完する画像として3枚の画像を用意したが、1枚以上であれば何枚であってもよい。ただし、制御部200の処理能力と記憶部300の容量が許すのであれば、滑らかなモーフィングを得るために複数枚の画像を用意することが望ましい。本実施の形態におけるモーフィングの様子は後述する。
図6は、本実施の形態に係る複合機のファクシミリ機能を呼び出した際、制御部200で実行される表示プログラムの処理をフローチャート図により示したものである。以下で当該処理の具体的な流れを図6の記載に沿って説明する。
はじめに、制御部200に含まれる第1表示制御部210は、記憶部300の表示情報記憶部310に格納されているアイコン画像情報及び第1操作画像レイアウト情報を読み込み(S100)、第1操作画像600を生成し、表示部500を用いて第1操作画像600を表示する処理を行う(S200)。なお、制御部200は、はじめに第1操作画像600と異なる画像を表示し、ユーザからの要求があった場合に第1操作画像600を表示することにしてもよい。
次に、制御部200は、ユーザが入力部400を用いて情報を入力するまで待機する(S300)。一定時間経過しても入力が無い場合、表示部500のバックライトを消灯するなどしてもよい。
ユーザからの入力が検出された場合、制御部200は、その入力が物理キー410による数字の入力か判断する(S400)。入力が物理キー410による数字の入力であった場合、入力された数字を第1操作画像600中の宛先表示欄610に表示する処理を行い(S410)、その後、制御部200は別の入力を検出するまで待機する処理に戻る(S300)。
入力が物理キー410による数字の入力でなかった場合、制御部200は、その入力が第1操作画像600中の宛先登録ボタン620をタップすることにより行われたものか判断する(S500)。入力が宛先登録ボタン620のタップにより行われた場合、宛先表示欄610に表示中の宛先を記憶部300に一時的に格納する(S510)。
続いて、制御部200は宛先登録ボタン620がタップされる以前の宛先登録件数を1と比較する(S520)。そこで、当該宛先登録件数が1より少なかった場合、制御部200に含まれる第2表示制御部220は、記憶部300の表示情報記憶部310に含まれるアイコン画像情報及び第2操作画像レイアウト情報を読み込み(S521)、遷移アニメーションを生成し、表示部500を用いて遷移アニメーションを表示する処理を行い(S522)、第2操作画像700を表示する処理を行う(S523)。その後、制御部200は別の入力を検出するまで待機する処理に戻る(S300)。
一方、当該宛先登録件数が1以上であった場合、第2操作画像700中の宛先確認欄730に登録された宛先を追加した画像を生成し、表示部500を用いて更新された第2操作画像700を表示する処理を行う(S530)。その後、制御部200は別の入力を検出するまで待機する処理に戻る(S300)。
入力があったが、その入力が物理キー410による数字の入力でなく、宛先登録ボタン620をタップすることにより行われたものでもない場合、制御部200は、第1操作画像600もしくは第2操作画像700中の機能アイコンがタップされることにより行われたものか判断する(S600)。入力が機能アイコンのタップにより行われた場合、当該機能アイコンに対応するファクシミリの機能を実行する(S610)。
入力が上記の何れにも該当しなかった場合、制御部200は物理キー410によるファクシミリ機能終了指令が行われたか判断する(S700)。ファクシミリ機能終了指令があった場合、制御部200はファクシミリ機能を終了させる処理を行い、例えば複合機の総合メニュー画面などを表示する処理を行う。一方、ファクシミリ機能終了指令が行われたのではない場合、制御部200は、新たな入力を検出するまで待機する処理に戻る(S300)。
図7は、記憶部300の機能アイコン画像記憶部313に含まれる機能アイコンのモーフィング画像を用いたモーフィングの様子を示す。
第1操作画像600において表示される短縮ダイヤルアイコン(サイズ大)630と、第2操作画像700において表示される短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710の間には、画像サイズがやや小さくなった短縮ダイヤルアイコン(サイズ中1)631と、画像サイズがさらに小さくなって図がせり出してきた短縮ダイヤルアイコン(サイズ中2)632、文字が図によってほとんど隠された短縮ダイヤルアイコン(サイズ中3)633の3枚がモーフィング画像として用意されている。アドレス帳アイコン(サイズ大)640についても同様である。
当該モーフィング画像を図7に記載した時間経過軸に沿って表示することにより、第2表示制御部220は遷移アニメーションを生成する。ここで、機能アイコンの遷移アニメーションを生成する際、どのような時間間隔で画像を切替えてもよいが、モーフィングによる変化の様子が視認できる程度の時間間隔であることが望ましい。
図8は、本実施の形態において、第2表示制御部220が生成し、表示部500に表示する遷移アニメーションを示す。以下において、当該アニメーションの流れを説明する。
図8(a)は、第1操作画像600においてユーザが1件の宛先を入力した状態を示す。ここで、ユーザが宛先登録ボタン620をタップすることを契機として、第2表示制御部220は表示情報記憶部310に含まれる第2操作画像レイアウト情報及び機能アイコン画像情報を読み込み、遷移アニメーションの生成を開始する。
図8(b)は、遷移アニメーションの第1コマを示す。ここで、オンフックアイコン650が消去される。なお、機能アイコンの消去は、第2コマ以降における他の画像処理と同時に行ってもよいし、例えばアイコン画像に透過処理を施すことにより段階的に消えていくことにしてもよい。
図8(c)は、遷移アニメーションの第2コマを示す。ここで、アイコンが短縮ダイヤルアイコン(サイズ中1)631とアドレス帳アイコン(サイズ中1)641に変わり、表示座標が移動する。なお、機能アイコンのサイズ変更と表示座標の移動は同時に行われなくてもよいし、どのような順序で行われてもよい。
図8(d)は、遷移アニメーションの第3コマを示す。ここで、アイコンが短縮ダイヤルアイコン(サイズ中2)632とアドレス帳アイコン(サイズ中2)642に変わり、表示座標の移動が完了する。
図8(e)は、遷移アニメーションの第4コマを示す。ここで、アイコンが短縮ダイヤルアイコン画像(サイズ中3)633とアドレス帳アイコン画像(サイズ中3)643に変わり、同時に宛先確認欄730が表示される。
図8(f)は、遷移アニメーションの最終コマである第5コマを示す。ここで、宛先確認欄730に向けて、登録した宛先がスライドする。また、アイコンが短縮ダイヤルアイコン(サイズ小)710とアドレス帳アイコン(サイズ小)720に変わる。
図8(g)は、宛先が1件登録された状態の第2操作画像700を示す。ユーザがさらに宛先を入力し、宛先登録ボタン620をタップした際には、当該登録された宛先が宛先確認欄730に順次追加表示されていく。
以上により、本実施の形態に係る複合機におけるファクシミリ機能の状況に応じた操作画像の切り替えが行われる。
なお、本発明の実施の形態は以上に説明したものに限られない。例えば、複合機1は以上に説明したファクシミリ機能以外の機能においても、状況に応じて操作画像の切り替えを行うこととしてもよい。