JP2014238695A - 電子機器及びタップ操作検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作情報や通信部の受信状況等に応じて、タップ操作の検出精度及び当該タップ操作の検出に要する消費電力を適切に設定する電子機器及びタップ操作検出方法等を提供すること。
【解決手段】 電子機器は、加速度センサー10の加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部110と、加速度センサー10からのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部120と、操作部140からの操作情報を取得する操作情報取得部130と、情報の通信処理を行う通信部150を含み、設定部110は、通信部150による情報の受信を検出した場合、又は操作情報取得部130による操作情報の取得が検出された場合に、サンプリング周波数を、検出前のサンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器及びタップ操作検出方法等に関する。
ユーザーが電子機器に対して入力を行うためのインターフェースは種々の形態が考えられ、例えばキーやボタン等を有する操作部であってもよいし、表示部を兼ねたタッチパネルであってもよい。その他の入力インターフェースとして、タップ動作(タップ操作)を用いる手法も広く知られている。ここでタップ動作とは、ユーザーが自身の手等を用いて電子機器を叩く等の動作であり、広義には電子機器に対して衝撃を与える動作である。またタップ操作とは当該タップ動作による操作入力を表す。
タップ動作はボタン等入力デバイスが制限されるような電子機器においては有用なユーザーインターフェースである。例えば、腕時計型の電子機器では小型化、軽量化が求められたり、ユーザーにとってわかりやすいインターフェースを実現するためにシンプルな構成が求められたりするため、ボタン等の制限が大きいためである。
しかし、タップ動作を検出するには非常に短い加速度の変化を捉える必要があり、例えば200Hz程度の分解能で加速度信号のサンプリングを行わないと、誤検出の可能性が高まる。ただし分解能を細かくするとそれだけ消費電力が増える。すなわち、精度と消費電力は反比例の関係にあり、ユーザビリティと機器電池寿命の良いバランスを見つけることは非常に難しい。
例えば特許文献1には、活動量を演算し、演算した活動量に基づいて加速度センサーの検出周期を変更する手法が開示されている。特許文献1では、当該手法により活動量計の消費電力を低減するとの効果が記載されている。
特開2006−288970号公報
特許文献1の手法は、活動量計の消費電力低減を目的としたものであり、加速度センサーを用いたタップ操作の検出については考慮してない。上述したように、タップ操作ではサンプリング周波数を下げると検出精度が低下する。つまりタップ操作におけるサンプリング周波数は、消費電力という観点だけでなく、当該タップ操作の検出状況が高精度を求められているのか、低精度でも十分であるのかといった検出精度の観点も用いて設定されるべきところ、特許文献1ではその点に関する開示はない。
本発明の幾つかの態様によれば、操作情報や通信部の受信状況等に応じて、タップ操作の検出精度及び当該タップ操作の検出処理による消費電力を適切に設定する電子機器及びタップ操作検出方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部と、前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部と、操作部からの操作情報を取得する操作情報取得部と、情報の通信処理を行う通信部と、を含み、前記設定部は、前記通信部による前記情報の受信を検出した場合、又は前記操作情報取得部による前記操作情報の取得を検出した場合に、前記サンプリング周波数を、検出前の前記サンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定する電子機器に関係する。
本発明の一態様では、通信部による情報の受信又は操作情報の取得を検出した場合に、タップ操作の検出に用いる加速度センサーのサンプリング周波数を高く設定する。これにより、タップ操作がその後に行われる可能性が高い状況において、サンプリング周波数を高く設定できるため、適切な場面で高精度でのタップ操作の検出等が可能になる。また、タップ操作の可能性が低い場合にサンプリング周波数を下げることにもつながるため、効率的な消費電力の低減等も可能になる。
また、本発明の一態様では、生体情報を検出する生体情報検出センサーを含み、前記処理部は、前記加速度センサーからの前記センサー情報である体動情報に基づいて、前記生体情報検出センサーからの前記生体情報に対する補正処理を行うとともに、前記加速度センサーからの前記センサー情報に基づいて、前記タップ操作の判定を行ってもよい。
これにより、共通の加速度センサーを用いて、タップ操作の検出処理及び生体情報のノイズ低減処理を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記電子機器の動作モードのモード切替処理を行い、前記設定部は、前記処理部において、前記操作情報に基づいて、前記電子機器の前記動作モードを第1のモードから第2のモードに切り替える前記モード切替処理が行われた場合に、前記サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行ってもよい。
これにより、電子機器の動作モードに基づいて、サンプリング周波数の設定を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1のモードは、情報の表示を行う情報表示モードであり、前記第2のモードは、外部からの情報の入力を受け付ける情報入力モードであり、前記設定部は、前記処理部において、前記操作情報に基づいて、前記電子機器の前記動作モードが前記情報表示モードから前記情報入力モードに切り替える前記モード切替処理が行われた場合に、前記サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行ってもよい。
これにより、情報入力モードにおいては、情報表示モードに比べてサンプリング周波数を高く設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、表示部における情報の表示制御を行う表示制御部を含み、前記動作モードが前記情報入力モードの場合に、前記処理部は、前記サンプリング周波数がF2である前記加速度センサーからの前記センサー情報に基づいて、前記タップ操作の判定を行い、前記表示制御部は、前記処理部で前記タップ操作が検出された場合に、前記表示部に表示される表示画像を遷移させる前記表示制御を行ってもよい。
これにより、情報入力モードでタップ操作が検出された場合には、当該タップ操作に基づいて表示画像の遷移を行うこと等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記動作モードが前記情報入力モードであって、所与の期間、前記操作情報の取得が検出されず、且つ前記処理部において前記タップ操作が非検出である場合に、前記処理部は、前記動作モードを、前記情報入力モードから前記情報表示モードに切り替える前記モード切替処理を行い、前記設定部は、前記サンプリング周波数をF2からF1に変更する設定を行ってもよい。
これにより、所与の条件の下、一定期間経過後に自動的に情報入力モードから情報表示モードへのモード切替処理を行うとともに、モード切替処理に応じたサンプリング周波数の設定を行うこと等が可能になる。
本発明の他の態様は、加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部と、前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部と、電子機器の装着状態を判定する装着判定部と、を含み、前記設定部は、前記装着判定部により前記電子機器が非装着状態であると判定された場合に、前記サンプリング周波数を、判定前の前記サンプリング周波数F2に比べて低い周波数であるF1に設定する電子機器に関係する。
本発明の他の態様では、電子機器が非装着状態である場合に、タップ操作の検出に用いる加速度センサーのサンプリング周波数を低く設定する。これにより、タップ操作がその後に行われる可能性が低い状況において、サンプリング周波数を低く設定できるため、効率的な消費電力の低減等が可能になる。
本発明の他の態様は、加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定処理を行い、設定された前記サンプリング周波数による前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行うタップ判定処理を行い、前記設定処理として、通信部による前記情報の受信を検出した場合、又は操作情報の取得を検出した場合に、前記サンプリング周波数を、検出前の前記サンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定する処理を行うタップ操作検出方法に関係する。
本発明の他の態様は、加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定処理を行い、設定された前記サンプリング周波数による前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行うタップ判定処理を行い、前記設定処理として、電子機器の装着状態の判定を行い、前記電子機器が非装着状態であると判定された場合に、前記サンプリング周波数を、判定前の前記サンプリング周波数F2に比べて低い周波数であるF1に設定する処理を行うタップ操作検出方法に関係する。
タップ操作の説明図。 本実施形態に係る電子機器のシステム構成例。 加速度センサーの軸の設定例。 生体情報検出センサーの構成例。 適応フィルターを用いた体動ノイズ低減処理の例。 図6(A)〜図6(C)は脈波検出信号、体動検出信号及びそれらに基づく体動ノイズ低減処理後の信号の波形、周波数スペクトルの例。 図7(A)は加速度検出値の波形例、図7(B)は加速度検出値に基づくタップ操作の検出結果を表す波形例。 図8(A)、図8(B)は加速度検出値の波形がタップ操作に類似する動作の例。 図9(A)〜図9(C)は異なるサンプリング周波数におけるタップ操作による加速度検出値の波形例。 図10(A)〜図10(C)は異なるサンプリング周波数における手首の回転動作による加速度検出値の波形例。 図11(A)〜図11(C)は異なるサンプリング周波数における手首を振る動作による加速度検出値の波形例。 図12(A)〜図12(C)は比較的短い期間におけるタップ操作、手首の回転動作、手首を振る動作による加速度検出値の波形例。 サンプリングタイミングによる加速度検出値の差異を説明する図。 図14(A)、図14(B)は低いサンプリング周波数での波形例。 図15(A)、図15(B)は中程度のサンプリング周波数での波形例。 図16(A)、図16(B)は高いサンプリング周波数での波形例。 モード切替処理と画面遷移の具体例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。ユーザーが電子機器に対して入力を行うためのインターフェースは種々の形態が考えられる。家電製品等の電子機器においては、物理的に設けられたボタンやキー等が用いられることが一般的である。また近年ではタッチパネルをユーザーインターフェースとして用いることも多く、スマートフォン等の電子機器で多く利用されている。
しかし、サイズ等が制限されるような電子機器においては、上述したボタンやタッチパネル等を設けることが難しい場合も考えられる。例えば、腕時計型の電子機器では小型化、軽量化が求められることが多く、その場合には充分な数の物理ボタンを設けることができないし、タッチパネルも面積が制限され有用なインターフェースとならない。
さらに、そのような電子機器では物理ボタンを設けたとしても各ボタンの有する機能をわかりやすくユーザーに提示することが困難である。例えばテレビ等の電子機器であれば、本体やリモコンに設けられる各ボタンには、当該ボタンが電源操作用なのか、再生操作用なのか、音量調整用なのか等が文字や絵柄で示されており、それによりユーザーは多くのボタンを適切に操作可能となる。それに対して、腕時計型電子機器等では、ボタン自体も小さくする必要があり、複数のボタンを設けた場合にそれぞれがどのような機能を有するかを明確にユーザーに示すことが困難である。それに対する解決策として、ボタンの数を少なくすることでユーザーにとってわかりやすいインターフェースを実現することが考えるが、ユーザーが行うことができる操作の種類が少なくなってしまう。
そこで有用となるのがタップ操作である。タップ操作とは電子機器を叩く操作のことであり、例えば腕時計型の電子機器であれば、図1に示したように当該電子機器を装着している手とは逆の手で電子機器を叩く操作となる。なお、図1では指で叩く動作を示しているが、手のひらを使う等、他の手法により電子機器を叩く操作もタップ操作に含まれる。
タップ操作では、機器が叩かれたことを加速度センサーのセンサー情報に基づいて検出するため、電子機器にタップ操作検出用の構造を別途設ける必要がなく、上述した腕時計型電子機器等においても用いることが可能である。
しかしタップ操作を検出するには、非常に短い期間での加速度の変化を検出する必要がある。詳細は後述するが、例えば図14(B)に示したように20msの間での加速度信号波形の上下動を検出する必要がある。本出願人の行った検討では、具体的な数値として最低200Hz程度のサンプリング周波数が必要とされることがわかっている。また、サンプリング周波数を高くするほどタップ操作の検出精度は向上し、本出願人の行った検討では1620Hz程度のサンプリング周波数であれば、タップ操作の誤検出を充分小さくすることができることがわかっている。
つまり、ある程度の数値範囲において、サンプリング周波数を高くするほどタップ操作の検出精度は向上することになるというメリットがあるが、一方で消費電力も大きくなってしまうというデメリットも生じる。特に、タップ操作が有用となる電子機器は、上述したように小型で、携帯される電子機器が想定されるため、バッテリー容量等の制限を考えれば、消費電力が大きいことは無視できない問題となる。つまり、検出精度と消費電力は反比例の関係にあり、ユーザビリティと機器電池寿命のよいバランスを見つける必要がある。
特許文献1には、活動量を演算し、演算した活動量に基づいて加速度センサーの検出周期を変更する手法が開示されている。しかし特許文献1の手法は、活動量計の消費電力低減を目的としたものであり、加速度センサーを用いたタップ操作の検出については考慮してない。上述したように、タップ操作ではサンプリング周波数を下げると検出精度が低下する。つまりタップ操作におけるサンプリング周波数は、消費電力という観点だけでなく、当該タップ操作の検出状況が高精度を求められているのか、低精度でも十分であるのかといった検出精度の観点も用いて設定されるべきところ、特許文献1ではその点に関する開示はない。
そこで本出願人は、タップ操作が行われる可能性を考慮してサンプリング周波数を設定することで、タップ操作の検出精度及び当該タップ操作の検出に要する消費電力を適切に制御する手法を提案する。具体的には、操作情報や通信部の受信状況等に応じてサンプリング周波数を設定する。このようにすれば、タップ操作により適した加速度センサーの設定を行うことが可能になる。
以下、本実施形態に係る電子機器のシステム構成例を説明した後、加速度センサーを用いたタップ操作の検出手法について説明する。その後、サンプリング周波数の設定手法を説明するとともに、当該サンプリング周波数の設定に合わせてタップ操作検出の閾値を設定する手法を説明し、最後に本実施形態の具体例をまとめる。
2.システム構成例
図2に本実施形態に係る電子機器のシステム構成例を示す。図2に示したように、電子機器は加速度センサー10と、生体情報検出センサー20と、設定部110と、処理部120と、操作情報取得部130と、操作部140と、通信部150と、装着判定部160と、表示制御部170と、表示部180を含む。ただし電子機器は図2の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
加速度センサー10は、加速度に関する情報を取得するセンサーである。加速度センサー10は例えば3軸加速度センサーであってもよく、さらに具体的には、腕時計型の電子機器に設けられ、図3に示したX軸、Y軸、Z軸の各軸での加速度値を検出するセンサーであってもよい。所与の軸での加速度検出値の具体例は、図7(A)で後述するようなものである。ただし、本実施形態の加速度センサー10は、図7(A)等の値をそのまま出力するものに限定されず、図7(A)の値及び後述する設定部110で設定されたパラメーターに基づいてタップ操作の検出処理を行い、当該検出処理の結果を出力するものであってもよい。なお、タップ操作の検出処理の結果とは、例えば図7(B)に示しように、検出タイミングに対応するタイミングで信号が立ち上がるようなパルス波形であることが考えられる。
生体情報検出センサー20は、例えば脈波信号を検出する脈波センサーであってもよく、さらに具体的には光電センサー等が考えられる。本実施形態の電子機器は、単純な時計表示機能だけでなく、装着者の脈波情報等の生体情報を検出する機能を有してもよく、生体情報検出センサー20はそのような場合に用いられる。その場合、本実施形態の電子機器は例えば脈拍計等に対応する。生体情報の検出を目的としない電子機器を対象とする場合には、生体情報検出センサー20は省略可能である。
図4は電子機器のうち生体情報検出センサーを含む部分を拡大した模式図である。図4に示したように、生体情報検出センサー20は、光を照射するLED21と、照射された光が生体により反射されることによる反射光を受光するフォトダイオード(PD)22と、生体との接触部分となる凸部23とを含む。本実施形態の生体情報検出センサー20は、図4に示した凸部23を有することで、生体に対して効率的に圧力(押圧)を付加するものである。ここで、脈波情報の検出の際には、脈波センサー近傍における生体に対する圧力を表す押圧を調整することで、検出精度を向上させることが可能であることが知られている。図4の凸部23は押圧調整を考慮した構造であるが、当該押圧調整に関する手法は本実施形態の手法の主眼とは異なるため、詳細な説明は省略する。
設定部110は、後述する操作情報取得部130、通信部150、装着判定部160等からの情報に基づいて、加速度センサー10を用いたタップ操作の検出処理におけるパラメーターの設定を行う。具体的には、加速度信号のサンプリング周波数及び閾値を設定する。設定部110での設定処理の詳細については後述する。
処理部120は、加速度センサー10からのセンサー情報に基づいて種々の処理を行う。具体的には、処理部120はタップ操作の検出処理と、生体情報検出センサー20からの生体情報に対するノイズ低減処理と、電子機器の動作モードを切り替えるモード切替処理を行う。なお、タップ操作の検出処理については、後述する加速度信号値と閾値との比較処理を行うものであることを妨げない。ただし、上述したように加速度センサー10から図7(B)に示したようなパルス信号が出力される場合には、閾値との比較処理は加速度センサー10で行われるため、処理部120での処理は加速度センサー10からのセンサー情報にパルスがあるか否かの判定処理となる。
また、電子機器が生体情報の検出処理を行う場合、生体情報検出センサー20からのセンサー情報(生体情報検出信号)には、ユーザーの運動等に起因する体動ノイズが含まれることが知られている。よって処理部120は、加速度センサー10からのセンサー情報を体動検出信号として用いて、生体情報検出信号から体動ノイズを低減する処理を行ってもよい。この場合の加速度センサー10からのセンサー情報は、図7(B)ではなく、信号値を表す図7(A)であることが想定される。
適応フィルターを用いたノイズ低減処理の具体例を図5に示す。生体情報検出センサー20から取得されたセンサー情報(狭義には脈波検出信号)には、心拍に起因する成分の他に、体動に起因する成分も含まれている。このうち、脈拍数等の演算に有用であるのは心拍に起因する成分であって、体動に起因する成分は演算の妨げとなる。よって、加速度センサー10を体動センサーとして用いて体動に起因する信号(体動検出信号)を取得し、脈波検出信号から体動検出信号と相関のある信号成分(推定体動ノイズ成分と呼ぶ)を除去することで、脈波検出信号に含まれる体動ノイズを低減する。ただし、脈波検出信号中の体動ノイズと、体動センサーからの体動検出信号は、ともに同一の体動に起因する信号であったとしてもその信号レベルまで同一であるとは限らない。よって、体動検出信号に対して適応的にフィルター係数が決定されるフィルター処理を行うことで、推定体動ノイズ成分を算出し、脈波検出信号と推定体動ノイズ成分の差分をとるものとする。
以上の処理を周波数スペクトルで説明したものが図6(A)〜図6(C)である。図6(A)等は、上部に信号の時間変化波形を示し、下部にその周波数スペクトルを示したものである。図6(A)は体動ノイズ低減前の脈波検出信号を表したものであり、A1及びA2に示したように、スペクトルにおいて値の大きい周波数が2つ現れている。このうち一方が心拍に起因するものであり、他方が体動に起因するものである。なお、A1よりも高い周波数にも値が大きいものがあるが、A1,A2の整数倍に相当する高周波成分であるため、ここでは考慮しない。以下、図6(B)、図6(C)においても高周波成分が見られるが、同様にここでは考慮しないものとする。
それに対して、図6(B)は体動検出信号を表したものであり、体動検出信号の要因となった体動が1種類であれば、B1に示したように値が大きい周波数が1つ現れる。ここで、B1の周波数は図6(A)のA2に対応している。このような場合に、図5に示したような手法で脈波検出信号と推定体動ノイズ成分との差分をとることで、図6(C)の信号が得られる。図から明らかなように、心拍及び体動に起因する2つのピークA1,A2を持つ脈波検出信号から、体動に起因するピークB1を持つ推定体動ノイズ成分を引くことで、脈波検出信号中の体動成分(A2に対応)が除かれ、結果として心拍に起因するピークC1(周波数はA1に対応)が残ることになる。
操作情報取得部130は、操作部140からの操作情報を取得する。操作部140は、ボタンやキー、或いはタッチパネル等のユーザーインターフェースを表すものであり、本実施形態で対象としているタップ操作は、操作部140による操作には含まれない。なお、ここでの操作情報は、操作部140に対するユーザーの操作を表す情報であり、例えばどのボタンが押下されたという情報であってもよいし、特定のキー操作に基づいて作成された、電子機器に特定の制御を実行させる制御信号であってもよい。
通信部150は、ネットワークを介して他の電子機器等と情報の通信処理を行う。ここでのネットワークは有線無線を問わない。例えば、本実施形態の電子機器が腕時計型デバイスである場合に、当該腕時計型デバイスとスマートフォン等が短距離無線等のネットワークを介して接続され、情報の通信を行いながら連動して動作することが考えられる。通信部150はその際のインターフェースとなるものであり、例えばユーザーによるスマートフォンの操作や、スマートフォンによる情報の受信等に関する情報を、当該スマートフォンから取得する。
装着判定部160は、電子機器の装着状態を判定して、判定結果を設定部110に対して出力する。例えば図4に示したようにフォトダイオード22を有する生体情報検出センサー20が電子機器に含まれる場合には、装着判定はフォトダイオード22で検出される光量に基づいて行えばよい。通常、脈派信号の検出の際には外光を遮断したり、外光がわずかに検出されたとしてもその値をキャンセルできる程度に小さくして、LED21からの光の反射光や透過光を検出する。しかしこれは、図4に示したように生体情報検出センサー20が被検体に密着した状態で用いられる場合を想定している。そのため、例えば腕時計型デバイスが腕から外された状態のように、電子機器が非装着状態である場合には、外光がフォトダイオード22で検出されることになる。そしてこの外光は、LED21からの光の反射光や透過光に比べて非常に強い光であることが知られている。つまり、フォトダイオード22で検出される光量は、非装着状態では装着状態に比べて非常に大きいことになり、この点に着目すれば装着判定を行うことが可能である。ただし、装着判定は他の手法を用いてもよく種々の変形実施が可能である。一例としては加速度センサー10での加速度検出値を用いてもよい。例えば、装着時は歩行や腕振りによる大きな値を検出するのに対して、非装着状態で机の上等に放置された場合には重力加速度以外の値はほとんど検出されないことになるため、この差異に基づいて装着判定を行ってもよい。
表示制御部170は、表示部180の制御を行う。表示部180は、各種の表示画面を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現できる。なお、表示部180は電子機器に含まれるものに限定されず、スマートフォン等、電子機器と接続される他の機器に設けられてもよい。
3.タップ検出の基本的な手法
次に、加速度センサー10で検出される加速度検出値に基づいてタップ操作を検出する基本的な手法について説明する。タップ操作では図1に示したような叩く動作が行われるため、加速度センサー10には当該動作による衝撃が検出される。
タップ動作による衝撃は、加速度センサー10の加速度検出値では図7(A)に示したように信号波形の上下動として検出されることがわかった。そこで本実施形態では、下方向への信号値と閾値との比較処理、或いは上方向への信号値と閾値との比較処理、或いはその両方の比較処理に基づいてタップ操作の検出を行う。なお、以下の説明では下方向への信号値を用いるが、上方向への信号値についても同様の処理を行うことができる。また、上下の両方を用いる場合には、その両方で閾値を超えた場合にタップ操作を検出したとしてもよいし、少なくとも一方で閾値を超えた場合にタップ操作を検出したとしてもよい。
3.1 加速度センサーの所定軸方向の設定
図7(A)に示した波形は、加速度センサー10の所定軸方向での信号値の変化を示したものである。ここで、タップ操作による衝撃は当該衝撃を与えた方向の軸において最も強く検出されると考えられる。例えば、図1に示したように時計型デバイスの文字盤部分を上方から叩いた場合には、当該文字盤部分を上方から下方へ貫く方向の軸に対して、強い衝撃が加えられる。よって、タップ操作を検出する場合の軸としては、衝撃方向の軸を用いればよい。
例えば、加速度センサー10が少なくとも3軸の加速度を検出するものであり、当該3軸が時計型デバイスに対して図3に示すような方向に設定されていたとする。その場合には、衝撃はZ軸の負方向に加えられることになるため、Z軸の信号値の変化を用いればよく、具体的にはZ軸での信号波形が図7(A)に示したようになると考えられる。ただし、衝撃は必ずしもZ軸負方向のみに与えられるものではなく、X軸やY軸についても衝撃を表す加速度検出値が取得される可能性がある。よって、Z軸だけではなく他の軸も用いてタップ操作の検出を行ってもよい。この場合、X軸を用いた判定処理、Y軸を用いた判定処理、Z軸を用いた判定処理をそれぞれ独立で行い、その結果に基づいて最終的な検出判定を行ってもよいし、X軸Y軸Z軸の値を合成して(例えば加速度を表す合成ベクトルを作成し、当該合成ベクトルの大きさを用いて)判定処理を行ってもよい。
また、加速度センサー10の各軸の方向と、電子機器との関係は必ずしも図3に示したものにはならず、電子機器において加速度センサー10がどのような方向で取り付けられるかによる。その場合、加速度センサー10のいずれの軸も、衝撃の方向であることが想定される軸(狭義には文字盤部分を上方から下方へ貫く方向の軸)と一致しないことになる。この場合の処理も種々考えられるが、例えばX軸Y軸Z軸の値を用いて、衝撃の方向であることが想定される軸における加速度値を演算し、当該演算の結果を用いて判定処理を行えばよい。この場合には、X軸Y軸Z軸のそれぞれの値により表される3つの加速度ベクトルを合成して1つの合成ベクトルを取得し、当該合成ベクトルを上記衝撃の方向へ射影した射影ベクトルの大きさを用いた処理を行うことに対応する。或いは、衝撃の方向とは無関係に、上記合成ベクトルの大きさをそのまま用いて判定処理を行ってもよい。或いは上述したように、各軸毎に独立して判定処理を行ってその結果に基づいて最終的な判定処理を行ってもよい。
本明細書中での「加速度センサーの所定軸方向」とは、上述した種々の手法のいずれにより特定される軸の方向であってもよい。便宜上、以下の説明では図3に示したZ軸の方向が「加速度センサーの所定軸方向」であるものとするが、それには限定されない。
3.2 タップ操作と類似動作との判定処理
図7(A)に示したように、タップ操作では上下に大きな加速度の変化が現れるため、当該変化を検出すればよい。しかし、タップ操作以外にも、上下に加速度の変化が現れる動作がある。具体的には、図8(A)に示したような手首を回転させる動作や、図8(B)に示したような手首を振る動作である。
図9(A)〜図9(C)に異なるサンプリング周波数でのタップ操作の加速度検出値の変化を示す。具体的なサンプリング周波数は、図9(A)が200Hz、図9(B)が400Hz、図9(C)が1620Hzであり、図10(A)〜図10(C)、図11(A)〜図11(C)についても同様である。また、図10(A)〜図10(C)が手首の回転動作の加速度検出値の変化であり、図11(A)〜図11(C)が手首を振る動作の加速度検出値の変化である。図9(A)〜図11(C)からわかるように、加速度検出値が上下に変化する点はいずれも同様であるため、タップ操作を精度よく検出するには、手首の回転動作、手首を振る動作とタップ操作とを適切に区別する必要がある。
タップ操作、手首の回転動作、手首を振る動作のそれぞれの、比較的短い期間での加速度変化を図12(A)〜図12(C)に示す。図12(A)〜図12(C)でのサンプリング周波数は400Hzとしている。
図12(A)がタップ操作による加速度検出値の波形であり、タップ操作では加速度の上下動の幅が約−6G〜+5.7G程度であることがわかる。なお、ここではタップ操作がない状態での加速度値を0Gとして説明している。また、図12(A)の点線で囲んだ領域からわかるように、一方向での加速度の変化は約10〜13ms程度の長さであり、上下動の一周期は約20〜26ms程度の長さとなる。
この点を踏まえて図12(B)の手首の回転動作の波形変化と比較した場合、手首の回転動作では上下動の幅が比較的小さく、約−2.4G〜+1.9G程度である。つまり、負方向で判定する場合には−6G〜−2.4Gの間、正方向で判定する場合には+1.9G〜+5.7Gの間に閾値を設けることで、当該閾値と加速度検出値との比較処理に基づいて、タップ操作と手首の回転動作を区別可能と言える。
一方、タップ操作を図12(C)の手首を振る動作の波形変化と比較した場合、加速度検出値の上下動の幅は、タップ操作の方がやや大きいが、タップ操作と手首の回転動作との比較に比べて値の差異が小さく、閾値による判定では高精度の区別が難しいと考えられる。しかし、横軸(時間)のスケールを同程度とした図12(A)と図12(C)の比較からわかるように、手首を振る動作は波形の周期がタップ操作に比べて非常に長い。上述したように、タップ操作では1/2周期が約10〜13ms程度であるため、10〜13ms内での信号値を用いることで波形の振幅に相当する値を求めることができる。それに対して手首を振る動作では、図12(C)に示したように10〜13ms内の信号値を用いたとしても、その間での信号値の変化は非常に小さく、振幅に相当する値を取得することはできない。つまり、タップ操作の検出に用いられる波形を10〜13ms分(広義にはタップ操作の波形の周期に基づいて設定される所与の期間)とすることで、タップ操作と手首を振る動作とを適切に区別可能と言える。
以上のことから、タップ操作の検出に用いる期間及び閾値を適切に設定することで、類似動作と混同することなくタップ操作を検出することが可能となる。
3.3 サンプリング周波数の範囲
上述したように、タップ操作の検出では手首を振る動作との区別を行うために、タップ操作の波形の周期に基づいて設定される所与の期間での波形を処理対象とする。その場合、サンプリング周波数があまりにも低く設定されていると、当該期間内で1つも信号値が取得できない可能性があり、閾値との比較処理がそもそもできない。例えば、10msに対応する周波数である100Hz以下のサンプリング周波数を用いた場合、ある10msの期間を対象とした場合、当該対象期間内で信号値が1つも取得されない可能性があり不適切である。
また、図12(A)を用いて上述した−6G〜+5.7G程度というタップ操作での加速度検出値の範囲は、波形の上下動の最小値と最大値(或いはそれに近い値)に対応するものである。そのため、サンプリング周波数が低く最小値或いは最大値に対応するタイミングでの加速度が加速度検出値として取得されない場合には、タップ操作による衝撃が本来有する加速度に比べて、加速度センサー10で検出される加速度検出値は小さいものとなってしまう。例えば、タップ操作本来の加速度波形が図13に示したものである場合、上述した100Hz程度のサンプリング周波数では、10ms内で1つの値しか取得できない。そのため、t1に示すタイミングがサンプリングタイミングとなれば所望の処理を行うことができるが、t2やt3等のタイミングがサンプリングタイミングとなった場合には、加速度検出値が小さくなってしまう。結果として、タップ操作による加速度検出値が、手首の回転動作の加速度検出値の変化幅である約−2.4G〜+1.9G程度よりも小さくなってしまう可能性も否定できず、その場合上述した閾値を用いた判定処理では、タップ操作を検出できないことになる。
つまり、タップ操作の検出精度は、信号波形の頂点或いはそれに近い値をサンプリングすることができる可能性に依存することになり、これは言い換えればサンプリング周波数を高くするほどタップ操作の検出精度が向上するということに他ならない。具体例を図14(A)〜図16(B)に示す。図14(A)がサンプリング周波数を200Hzにした場合のタップ操作による加速度検出値の波形であり、図14(B)が図14(A)の一部を拡大したものである。同様に図15(A)、図15(B)が400Hz、図16(A)、図16(B)が1620Hzのサンプリング周波数での信号波形である。なお、図14(B)等では1周期に相当する20msを対象としているが、1/2周期を対象とした場合でも考え方は同様である。
図14(B)に示したように、1つの山当たり2点程度のサンプリングが期待される200Hzをサンプリング周波数とすることで、対象とする期間の中での信号値の上下動をある程度検出可能となる。具体的には、サンプリング周波数を200Hzとすることで、70%程度の精度でタップ操作を検出することが可能である。
また、図15(B)に示したように、サンプリング周波数を400Hzとすることで、200Hzの場合に比べて、対象期間内での信号波形の変化をより詳細に取得することが可能である。このため、加速度検出値の最大値、最小値の絶対値についても、200Hzの場合よりも大きい値を取得することができ、閾値との比較処理を用いた判定での誤検出の可能性を抑止できる。具体的には、サンプリング周波数を400Hzとすることで、80%程度の精度でタップ操作を検出することが可能である。
同様に、図16(B)に示したように、サンプリング周波数を1620Hzとすることで、400Hzの場合に比べてさらに詳細な信号波形を取得可能となる。図16(B)に示したように、1620Hzのサンプリング周波数では、ほぼ確実に山の頂点となる値を取得することができ、その値は図12(A)や図15(B)に示した400Hzでの最小値、最大値に比べてその絶対値が大きい。つまり、400Hzの場合と比較して、より確実にタップ操作を検出できることになり、具体的には、ほぼ100%程度の精度でタップ操作を検出することが可能である。
4.サンプリング周波数の設定手法
上述したように、適切な処理対象期間(図7(A)でいえばタップ判定期間)、閾値を設定することでタップ操作を検出可能であり、その検出精度はサンプリング周波数を高くするほど高くなる。しかし、サンプリング周波数を高くすることで加速度センサー10の消費電力も大きくなる。例えば、サンプリング周波数が200Hzの場合の電流量は約18μAであるが、400Hzでは36μA、1620Hzでは100μAになる。
よって本実施形態では、設定部110においてサンプリング周波数の設定を行い、設定されたサンプリング周波数を用いて加速度センサー10を動作させる。具体的には、タップ操作が行われる可能性が高い場面、或いは高精度でのタップ操作の検出が要求される場面ではサンプリング周波数を高くする。これはタップ操作はユーザーインターフェースの1つであり、電子機器のユースケース上、タップ操作が行われる可能性や要求される精度を推定可能であるという考えに基づくものである。以下、さらに具体的な例について説明する。
4.1 操作情報の取得又は通信部による受信の検出
サンプリング周波数の設定タイミングとして、操作情報取得部130において操作情報が取得された場合、或いは通信部150において情報の受信を行った場合が考えられる。
操作情報が取得された場合とは、具体的にはユーザーにより操作部140の操作が行われた場合である。操作部140の操作とは、ボタンやキーの押下、タッチパネルに対するタッチ等である。これらの操作は一般的にはタップ操作に比べて誤操作の可能性が低いものである。なぜなら、ボタンやキーは物理的に押下されることを想定した構造となっており、且つ電子機器のうちの一部の領域に設けられるものであるため、ユーザーは当該ボタン等を視認した上で既定の操作を行うため誤操作は考えにくい。タッチパネルについても、意図した位置とは異なる位置をタッチしてしまう可能性は否定できないが、少なくともユーザーの視認に基づく操作が期待される。それに対して、タップ操作は電子機器のうちどの部分を叩くかということは特に限定されない。そのため、腕時計型の電子機器が服の袖の下にある等、視認できない状況で操作が行われたり、電子機器の方を見ないで操作が行われることで、十分な衝撃を与えられない等の誤操作が起こりうる。また、ボタン等と異なり操作の仕方(タップの位置、方向、強度等)に個人差があったり、同一ユーザーでも操作の度に差異が生じる可能性がある。
このことから、情報入力等の一連の操作を行う場合に、最初からタップ操作を行うのではなく、まずキー操作等による入力を行い、その後にタップ操作を行うというユースケースは充分考えられる。
例えば、腕時計型の電子機器であれば、時計等の情報表示を行う情報表示モードと、何らかの情報の入力を行う情報入力モードという複数の動作モードを有する可能性が高い。その場合、情報入力モードで入力された情報は、電子機器自体や他のシステムにおいて、記憶されたり何らかの処理に用いられることになる。よって、ユーザーが情報入力を意図していないのにもかかわらず情報入力モードへ動作モードが遷移して、不適切な情報が入力されることは好ましくない。その場合には、情報表示モードから情報入力モードへの動作モードの切替は、誤操作の可能性が低い操作部140の操作により行い、情報入力モードへの移行後の情報入力においてタップ操作を用いるとよい。このようなユースケースでは、操作部140の操作の後はタップ操作が行われる可能性が高いと言えるため、サンプリング周波数を高く設定するとよい。
モード切替の具体例を図17に示す。図17のD1に示した表示画面が情報表示モードに対応し、ここでは日付、時刻、バッテリー残量、ネットワーク環境等の情報を表示している。D1を表示する情報表示モードである場合に、操作部140でのキー操作を受け付けた旨の操作情報を取得すると、処理部120は動作モードを情報入力モードに切り替え、それに合わせて表示制御部170は情報入力画面を表示部180に表示する。ここでの情報入力画面は例えばD2aに示した画面であり、この例では摂取カロリーに関する情報として食事量に関する情報入力を行っている。食事量には、「少なめ」、「普通」、「多め」といったように複数の入力候補が考えられるため、図17の例ではこのフェーズでタップ操作を受け付け、1回のタップ操作を受け付ける度に、選択状態にある食事量を遷移させるとともに表示画面もそれに合わせて遷移するものとしている。例えば、食事量が「少なめ」と「多め」の2つであれば、タップ操作が行われる度に、D2aとD2bの画面を交互に表示すればよいし、3つ以上の食事量があるならば、それらを順次表示すればよい。なお、図17の例では、食事量の確定操作(決定操作)についても誤操作が好ましくないものと考え、当該確定操作はキー入力により行っている。つまり、情報入力モードにおいて操作情報の取得が検出された場合には、D3(D1と同一のもの)に示すように情報表示モードへのモード切替処理が行われる。
また、電子機器はスマートフォン等の他の機器と連動して動作する場合も考えられる。例えば、スマートフォンの操作部を用いて電子機器を操作したり、スマートフォンが保持している詳細情報のうち、一部の簡易情報を電子機器に転送し電子機器の表示部180に表示する等の連動が考えられる。さらに具体的には、スマートフォンが電子メール等の情報を受信した場合に、電子機器を操作することで当該電子メールの簡易情報(差出人名やタイトル、受信日時等の情報)或いはメール本文を電子機器で表示してもよい。或いはスマートフォンが電話の着信を検出した場合に、着信音の停止等を電子機器の操作により実現してもよい。
このような場合には、電子メールの受信や電話の着信を表す情報等、スマートフォンからの何らかの情報が電子機器の通信部150において受信されることになる。つまり、通信部150での情報の受信は、操作情報取得部130での操作情報の取得と同様に、その後タップ操作が行われる可能性が高いことを示すものであるため、通信部150での情報の受信を検出した場合にはサンプリング周波数を高く設定するとよい。特に上述した着信音の停止等を考慮すると、より迅速な操作が要求されるためキー操作等に比べて容易に実行できるタップ操作が行われる可能性が高く、サンプリング周波数を高くすることの利点が大きいと言える。
なお、操作情報の取得、或いは通信部150での情報の受信によりサンプリング周波数を高くするのは所定期間内に限定するとよい。このようにすれば、サンプリング周波数が長時間高くなることで消費電力が増大することを抑止できる。また、当該所定期間中に新たに操作情報の取得や情報の受信が検出された場合には、当該検出タイミングを始点として所定期間を再度設定すればよい。このようにすれば、タップ操作が行われる可能性が高い状態であるにもかかわらず、サンプリング周波数が低い状態に戻ってしまうことを抑止できる。
4.2 装着状態の判別
またユーザーによる電子機器の装着状態に基づいてサンプリング周波数を設定してもよい。上述したように、装着判定部160では、フォトダイオード22での検出値や、加速度センサー10の加速度検出値を用いることで電子機器が装着状態か非装着状態かを判定できる。
腕時計型の電子機器であれば、当該電子機器に対する操作は装着状態で行われる可能性が高く、非装着状態であれば操作の可能性は低い。特にタップ操作については、タップによる衝撃を加速度センサー10を用いて検出する関係上、電子機器が腕等に固定されているような衝撃が充分伝わる状況で行われることが望ましく、手で把持した状態の電子機器や、机の上に置かれた電子機器等に対するタップ操作は想定しづらい。
そのため、電子機器が非装着状態である場合には、装着状態である場合に比べてサンプリング周波数を低く設定するとよい。なお、非装着状態でのサンプリング周波数は200Hz等、ある程度の精度でタップ操作を検出可能な周波数とすることを妨げない。例えば、装着状態で400Hzや1620Hzであった周波数を200Hzとする設定であってもよい。しかし、上述したように非装着状態ではタップ操作の検出が困難であるため、タップ操作の検出処理自体を行わないものとしてもよい。つまり、非装着状態でのサンプリング周波数は、例えば200Hzを下回るような、充分な検出精度を出せない程度の周波数であってもよく、このようにすることでより一層の低消費電力化が可能となる。
4.3 変形例
またサンプリング周波数の設定タイミングは上述のものに限定されない。例えば、サンプリング周波数が低い状態においてタップ操作が検出された場合に、所定期間サンプリング周波数を高くする(狭義には1620Hz等、設定上の最大周波数とする)ものとしてもよい。
これは例えばダブルタップ操作を検出する場合に有用である。ダブルタップ操作は、マウスにおけるダブルクリックと同様に、短期間に2回タップ操作が行われるものであり、当該2回のタップ操作を1つのユーザー入力として解釈し、シングルタップ操作とは異なる入力として取り扱うものである。ダブルタップ操作が許容される場合には、1回のタップ操作の直後にタップ操作が再度行われる可能性が出てくるため、当該再度のタップ操作を検出するためにサンプリング周波数を高く設定するとよい。特に、本出願人のデータ分析により、ダブルタップ操作の2回目のタップ操作における加速度検出値は、1回目のタップ操作やシングルタップ操作の加速度検出値に比べて小さい値となることがわかった。よって閾値との比較処理であるタップ操作の検出処理において誤判定が起こる可能性が高まるため、充分な検出精度を確保するためにもサンプリング周波数は高くすることが望ましい。
またユーザーの行動分析を行い、当該行動分析の結果に基づいてサンプリング周波数を設定してもよい。具体的には、ユーザーが運動状態にあると判定された場合には、非運動状態にあると判定された場合に比べてサンプリング周波数を高く設定する。
運動状態では、当該運動による加速度が加速度センサー10の加速度検出値に含まれることになり、加速度検出値に占めるタップ操作による衝撃の信号値の割合が低下して、タップ操作の検出精度も低下する。よって運動状態においてはサンプリング周波数を高く設定することで、検出精度を高めることが望ましい。
運動状態の判別手法の一例としては加速度センサー10の加速度検出値を用いればよく、加速度検出値が平常時に比べて大きい場合に運動状態と判定してもよい。或いは、歩行や走行等では運動に周期性があるため加速度検出値にも所与の周期性が見られる。つまり加速度検出値の周期性の有無から運動状態か否かを判定してもよい。なおユーザーの行動分析については種々の手法が知られており、本実施形態では任意の手法を適用可能であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
5.サンプリング周波数に連動した閾値の設定手法
以上の説明では、設定部110ではサンプリング周波数を設定するものとしたが、それだけには限定されない。設定部110は、サンプリング周波数を変更するとともに、当該サンプリング周波数に連動させてタップ操作検出の閾値を変更する設定を行ってもよい。
具体的には、設定部110はサンプリング周波数を高くするほど、閾値も高くなるような設定を行う。例えば、サンプリング周波数をF1からF2(>F1)に変更する場合には、閾値もTh1からTh2(>Th1)とする。
上述したように、タップ操作を適切に検出するためには、手首の回転動作との判別処理が必要となる。また、運動等に起因する加速度も加速度検出値にノイズとして含まれる場合がある。本実施形態では、タップ操作による加速度検出値は、手首の回転動作やノイズによる加速度検出値よりも大きいという考えに基づいて、手首の回転動作やノイズとして想定される加速度検出値の上限よりも大きい値を閾値として設定する。なお、負方向の加速度検出値については、手首の回転動作やノイズとして想定される加速度検出値の下限よりも小さい値を閾値として設定することになるが、絶対値を用いることで正方向の場合と同様に考えることが可能である。
図12(B)の例であれば、回転動作で想定される負方向での加速度検出値の絶対値は約2.4Gとなるため、それよりも大きい値を閾値として設定し、検出された加速度検出値の絶対値が当該閾値よりも大きい場合に、タップ操作を検出したと判定する。しかし、手首の回転動作は毎回必ず同じ動作が行われるということは考えにくく、動作の度に加速度検出値は異なるものになる。そのため回転動作の加速度検出値に関して、その絶対値の上限を明確に決定することは困難である。よって、閾値はタップ操作以外の動作による加速度検出値として想定される値に対して、ある程度のマージンを持って設定されることが望ましい。図12(B)の例であれば、−2.5Gといった閾値を設定してしまうと、回転動作によってはそれよりも絶対値の大きい加速度検出値が現れる可能性があり、その場合には回転動作をタップ操作であると誤検出することになる。つまり、タップ操作以外の動作をタップ操作であると誤検出する可能性を抑止するという観点でいえば、閾値の絶対値は大きいほど好ましいと言える。例えば−4.0G程度を閾値とすれば、回転動作をタップ操作であると誤検出する可能性は充分低くすることが可能である。
しかし、図14(A)〜図16(B)を用いて上述したように、サンプリング周波数が低いほど、波形における山の頂点の値を検出できない可能性が高くなり、結果として加速度検出値が小さくなってしまう可能性が高まる。そのため、閾値の絶対値を大きくしすぎてしまうと、タップ操作であるにもかかわらず加速度検出値が設定された閾値を超えることができなくなる、すなわちタップ操作であるのにタップ操作ではないと誤検出するおそれがある。
以上の点を鑑みるに、サンプリング周波数に応じて加速度検出値が変化する傾向が見られる以上、全てのサンプリング周波数で同一の閾値を設定するのではなく、サンプリング周波数に応じて閾値を動的に変更することが好ましいと言える。
例えば、サンプリング周波数が1620Hz等のように充分高い周波数である場合には、タップ操作による加速度検出値が充分大きいと考えて、閾値も高い値を設定する。このようにすれば、回転動作やノイズ等のタップ操作以外の動作を、タップ操作であると誤検出する可能性を抑止できる。例えば、図16(B)のTh3+やTh3−に示した値を閾値として設定すればよい。
一方、サンプリング周波数が200Hz等のように低い周波数である場合には、タップ操作であるのにタップ操作でないと誤検出する可能性を抑止するために、閾値はサンプリング周波数が高い場合に比べて小さい値に設定する。この場合、1620Hz等の場合に比べて、タップ操作以外の動作をタップ操作であると誤検出する可能性が高くなるが、その点は許容する。なぜなら、ユーザーが明確な意図を持ってタップ操作を行っているにもかかわらず、当該タップ操作が電子機器により認識されないという状況は、ユーザーに対して多大なストレスを与えることになり好ましくないためである。例えば、図14(B)に示したように、Th3+やTh3−よりも絶対値の小さいTh1+やTh1−を閾値として設定すればよい。
なお、400Hz等の中間的なサンプリング周波数では、加速度検出値も中間的な値となることが想定されるため、閾値についても図15(B)に示したように、Th1+<Th2+<Th3+を満たすTh2+、或いは|Th1−|<|Th2−|<|Th3−|を満たすTh2−等を用いればよい。
6.本実施形態の具体例
以上の本実施形態では、電子機器は図2に示したように、加速度センサー10の加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部110と、加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部120と、操作部140からの操作情報を取得する操作情報取得部130と、情報の通信処理を行う通信部150を含む。そして、設定部110は、通信部150による情報の受信を検出した場合、又は操作情報取得部130による操作情報の取得を検出した場合に、サンプリング周波数を、検出前のサンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定する。
これにより、通信部150による情報の受信、又は操作情報の取得をトリガーとして、サンプリング周波数を高くすることが可能になる。図17等を用いて上述したように、通信部150による情報の受信や、操作情報の取得が行われた場合には、その後タップ操作が行われる可能性が高いと考えられる。そのため、タップ操作が行われると考えられる場合に、適切にサンプリング周波数を高くして、高精度でタップ操作を検出することが可能になる。逆に考えれば、タップ操作の可能性が低い状況では、サンプリング周波数を低く設定することもできるため、消費電力を低減することが可能になる。つまり本実施形態の手法によれば、タップ操作が行われる可能性に応じて、検出精度と消費電力のバランスを考慮したサンプリング周波数の設定を行うことが可能になると言える。
また、電子機器は図2に示したように生体情報を検出する生体情報検出センサー20を含んでもよい。そして、処理部120は、加速度センサー10からのセンサー情報である体動情報に基づいて、生体情報検出センサー20からの生体情報に対する補正処理を行うとともに、加速度センサー10からのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う。
これにより、加速度センサー10を体動ノイズの低減処理と、タップ操作の検出処理の両方に共通して用いることが可能になる。生体情報検出センサー20(狭義には脈波センサー)のセンサー情報には、ユーザーの運動等に起因する体動ノイズが含まれることが知られている。よって脈拍計等の生体情報の検出を行う電子機器では、図5や図6を用いて上述したように体動センサーのセンサー情報に基づくノイズ低減処理を行うことが一般的である。また、腕時計型デバイスのような電子機器ではタップ操作が有用なインターフェースとなることは上述したとおりである。つまり、腕装着型の脈拍計等においても、タップ操作が有用であるところ、当該タップ操作は図7(A)等に信号波形を示したように、加速度センサー10を用いて検出可能である。以上のことから、本実施形態の手法を脈拍計等の電子機器に適用することで、タップ操作の適切な検出及び生体情報からの体動ノイズの除去を、共通の加速度センサー10により実現可能となり、省スペース化、低コスト化等が実現できる。
また、処理部120は、電子機器の動作モードのモード切替処理を行ってもよい。そして、設定部110は、処理部120において、操作情報に基づいて、電子機器の動作モードを第1のモードから第2のモードに切り替えるモード切替処理が行われた場合に、サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行う。
具体的には図17に示したように、第1のモードは、情報の表示を行う情報表示モードであり、第2のモードは、外部からの情報の入力を受け付ける情報入力モードであってもよい。そして、設定部110は、処理部120において、操作情報に基づいて、電子機器の動作モードが情報表示モードから情報入力モードに切り替えるモード切替処理が行われた場合に、サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行う。
これにより、電子機器の動作モードの切替処理に対応させて、サンプリング周波数の設定を行うことが可能になる。上述したように、キー操作等の操作部140の操作と、タップ操作を比較した場合、操作部140の操作は誤操作の可能性がタップ操作に比べて低いという利点があり、タップ操作には操作部140の操作に比べて容易に操作可能という利点がある。なお、ここでの容易に操作可能とは、ユーザーが操作を意図してから操作完了までの時間が短い、或いはユーザーにより操作対象の電子機器が視認されなくても操作できるといった意味である。つまり各操作に異なる特性があるため、ユースケースの中でそれぞれの操作が用いられる状況をある程度限定することも可能と言える。図17の例でいえば、情報表示モードから情報入力モードへのモード切替処理のトリガーとしては、誤操作の可能性が低い操作部140の操作が適していると言えるし、情報入力モードでの入力インターフェースとしては容易に操作可能であるタップ操作が適している。つまり、動作モードに対応づけてタップ操作が行われる可能性を決定することができるため、動作モードとサンプリング周波数を対応づけることも有用と言える。
また、電子機器は図2に示したように、表示部180における情報の表示制御を行う表示制御部170を含んでもよい。そして、動作モードが情報入力モードの場合に、処理部120は、サンプリング周波数がF2である加速度センサー10からのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行い、表示制御部170は、処理部120でタップ操作が検出された場合に、表示部180に表示される表示画像を遷移させる表示制御を行う。
これにより、タップ操作を画面遷移に用いること、及びその際には高精度でのタップ操作の検出のためにサンプリング周波数を高く設定することが可能になる。腕時計型デバイス等では表示部180の面積が制限されることが多いため、1つの表示画像に多くの情報を含めることは現実的でない。結果として、図17の食事量の入力画面に示したように、複数の表示画像を用意しておき、それらの間で画面を遷移させることで、情報の提示を行うことが自然と考えられる。本実施形態で想定している電子機器は、ボタンやキーの数に制限があるため、入力できる操作の種類が限定されてしまい、所与の表示画面から他の任意の表示画面への遷移を行うような複雑な操作は困難である。そのため、画面遷移は図17に示したように、順番に並べられた表示画像を先頭から1つ1つ選択して表示していく形態等になり、所望の画面表示までに複数回の操作が要求される可能性の高いものとなる。つまり情報入力モードにおいては、ユーザーによる複数回の操作を想定したインターフェースを実現することが好ましく、その点から考えれば容易に操作可能であるタップ操作が行われる可能性は充分高いものと言える。
また、動作モードが情報入力モードであって、所与の期間、操作情報の取得が検出されず、且つ処理部120においてタップ操作が非検出である場合に、処理部120は、動作モードを、情報入力モードから情報表示モードに切り替えるモード切替処理を行い、設定部110は、サンプリング周波数をF2からF1に変更する設定を行う。
これにより、一定期間操作や情報の受信が検出されない場合には、情報入力モードから情報表示モードへのモード切替処理を行うことが可能になる。上述したように、本実施形態で想定している電子機器はボタン数に制限がある。モード切替処理は、誤って行われた場合には、不要な情報入力が行われたり、途中まで行われていた情報入力がキャンセルされ入力データが失われたりするおそれがあるため、操作部140の操作に基づいて行われることが好ましい。しかしボタン数の制限が非常に強く、操作部140による操作入力が1通りしかできない場合(例えばボタンやキーが1つしかない)場合も考えられる。その場合、情報表示モードから情報入力モードへのモード切替や、情報入力が完了して入力された情報を確定、記憶して情報表示モードへ戻るモード切替については操作部140の操作により行うことができる。しかし、ユーザーが誤って情報表示モードから情報入力モードへのモード切替処理を行ってしまった場合に、情報入力を確定させずに情報表示モードへと戻るモード切替処理は実現できなくなってしまう。そのような場合に、不要な情報を一旦入力し、後で当該情報を削除するという操作をユーザーに強いるのは不適切であるため、本実施形態では操作が一定期間非検出である、ということをトリガーに情報入力モードを抜けるものとしてもよい。このようにすれば、ユーザーにとって使いやすいインターフェースを実現することが可能になる。なお、情報入力モードから情報表示モードへのモード切替処理のトリガーは種々の変形実施が可能である。例えば、上記条件に加えて、通信部150による情報の受信が検出されない場合に、情報表示モードへのモード切替処理を行うものであってもよい。
また以上の本実施形態では、電子機器は図2に示したように、加速度センサー10の加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部110と、加速度センサー10からのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部120と、電子機器の装着状態を判定する装着判定部160を含む。そして、設定部110は、装着判定部160により電子機器が非装着状態であると判定された場合に、サンプリング周波数を判定前のサンプリング周波数F2に比べて低い周波数であるF1に設定する。
これにより、電子機器の装着状態の判定結果に基づいて、サンプリング周波数の設定を行うことが可能になる。非装着状態とは、例えば腕時計型の電子機器であれば、ベルトが外された状態に対応する。そのため、ベルトが外された状態でユーザーの手で把持されている状態も非装着状態であるし、完全にユーザーの手から離れて机等の上に放置されている状態も非装着状態である。いずれにせよ、非装着状態ではユーザーのタップ操作による衝撃を加速度センサー10により検出することが難しくなるため、タップ操作の可能性が低いと判定してよい。そして、タップ操作の可能性が低い場合にはサンプリング周波数を低くしてもよいという点は、上述した操作情報や通信部150での受信状況を用いる手法と同様である。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 加速度センサー、20 生体情報検出センサー、21 LED、
22 フォトダイオード、23 凸部、110 設定部、120 処理部、
130 操作情報取得部、140 操作部、150 通信部、160 装着判定部、
170 表示制御部、180 表示部

Claims (8)

  1. 加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部と、
    前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部と、
    操作部からの操作情報を取得する操作情報取得部と、
    情報の通信処理を行う通信部と、
    を含み、
    前記設定部は、
    前記通信部による前記情報の受信を検出した場合、又は前記操作情報取得部による前記操作情報の取得を検出した場合に、前記サンプリング周波数を、検出前の前記サンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1において、
    生体情報を検出する生体情報検出センサーを含み、
    前記処理部は、
    前記加速度センサーからの前記センサー情報である体動情報に基づいて、前記生体情報検出センサーからの前記生体情報に対する補正処理を行うとともに、
    前記加速度センサーからの前記センサー情報に基づいて、前記タップ操作の判定を行うことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1又は2において、
    前記処理部は、
    前記電子機器の動作モードのモード切替処理を行い、
    前記設定部は、
    前記処理部において、前記操作情報に基づいて、前記電子機器の前記動作モードを第1のモードから第2のモードに切り替える前記モード切替処理が行われた場合に、前記サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行うことを特徴とする電子機器。
  4. 請求項3において、
    前記第1のモードは、情報の表示を行う情報表示モードであり、
    前記第2のモードは、外部からの情報の入力を受け付ける情報入力モードであり、
    前記設定部は、
    前記処理部において、前記操作情報に基づいて、前記電子機器の前記動作モードが前記情報表示モードから前記情報入力モードに切り替える前記モード切替処理が行われた場合に、前記サンプリング周波数をF1からF2に変更する設定を行うことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項4において、
    表示部における情報の表示制御を行う表示制御部を含み、
    前記動作モードが前記情報入力モードの場合に、
    前記処理部は、
    前記サンプリング周波数がF2である前記加速度センサーからの前記センサー情報に基づいて、前記タップ操作の判定を行い、
    前記表示制御部は、
    前記処理部で前記タップ操作が検出された場合に、前記表示部に表示される表示画像を遷移させる前記表示制御を行うことを特徴とする電子機器。
  6. 請求項4又は5において、
    前記動作モードが前記情報入力モードであって、
    所与の期間、前記操作情報の取得が検出されず、且つ前記処理部において前記タップ操作が非検出である場合に、
    前記処理部は、
    前記動作モードを、前記情報入力モードから前記情報表示モードに切り替える前記モード切替処理を行い、
    前記設定部は、
    前記サンプリング周波数をF2からF1に変更する設定を行うことを特徴とする電子機器。
  7. 加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定部と、
    前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行う処理部と、
    電子機器の装着状態を判定する装着判定部と、
    を含み、
    前記設定部は、
    前記装着判定部により前記電子機器が非装着状態であると判定された場合に、前記サンプリング周波数を、判定前の前記サンプリング周波数F2に比べて低い周波数であるF1に設定することを特徴とする電子機器。
  8. 加速度センサーの加速度検出のサンプリング周波数を設定する設定処理を行い、
    設定された前記サンプリング周波数による前記加速度センサーからのセンサー情報に基づいて、タップ操作の判定を行うタップ判定処理を行い、
    前記設定処理として、
    通信部による前記情報の受信を検出した場合、又は操作情報の取得を検出した場合に、前記サンプリング周波数を、検出前の前記サンプリング周波数F1に比べて高い周波数であるF2に設定する処理を行うことを特徴とするタップ操作検出方法。
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