JP2014238527A - 超広角レンズ用ndフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 厚さの薄いNDフィルタを容易に得、極めて軽量かつ低コストに実施可能にするとともに、汎用性を高める。【解決手段】 周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性となる超広角レンズ用NDフィルタであって、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦な透明板2の表面Fに、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成する。【選択図】 図1
Description
本発明は、撮影画像の周辺光量が不足しやすい超広角レンズに用いて好適な超広角レンズ用NDフィルタ及びその製造方法に関する。
従来、対角画角が130〔゜〕以上となる広範な視野をカバーすることができる超広角レンズは知られており、一例として示す特許文献1にもこの種の超広角レンズが開示されている。
同文献1に示す超広角レンズは、車載用テレビカメラ、監視用テレビカメラ等に好適な小型及び薄型で光学性能の高い超広角レンズの提供を目的とし、具体的には、物体側から像面側に向けて順に、負の屈折率を有し両凹形状の第1レンズ、負の屈折率を有し像面側よりも物体側の面の曲率半径が大きい第2レンズ、正の屈折率を有する第3レンズ、所定の口径をなす開口絞りSD、正の屈折率を有し両凸形状の第4レンズが配列されている。この超広角レンズによれば、4群4枚構成を採用すると共に第1レンズを負レンズとすることにより、対角画角が130゜以上の適切な広画角を確保できるようにしたものである。これにより、レンズ全長を短くでき、CCD等搭載したデジタルカメラのレンズ系に必要な赤外光カットフィルターあるいはローパスフィルター等を配置するためのバックフォーカスを確保できる。
しかし、上述した特許文献1等で開示される従来の超広角レンズは、次のような問題点があった。
即ち、超広角レンズの場合、撮影画像の周辺が暗くなる傾向がある。特に、超広角レンズとして構成される古くからの一眼レフカメラ用レンズの場合や絞りを開放した場合等においては周辺光量の減少が大きくなる傾向がある。結局、このような周辺光量の減少は、画質に対して無視できる程度のものであれば、超広角レンズ固有の特性として、ある程度仕方がないものとして使用されているのが実情である。
一方、画質に対して周辺光量の減少に伴う影響が無視できないほど大きくなった場合にはその対策が必要となり、その対策として使用するセンタNDフィルタも知られている。このセンタNDフィルタは、超広角レンズに装着することにより全体の光透過率分布を均一化することができる。しかし、従来のセンタNDフィルタは、平凹レンズと平凸レンズを接合し、中心側の光透過率を低下させる特性を持たせて構成するため、ある程度の厚さが生じざるを得ず、厚さの薄いフィルタを得るには限界がある。しかも、通常のレンズと同様の精度を有する二枚のレンズ部品を必要とするため、高コスト化も避けられない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した超広角レンズ用NDフィルタ及びその製造方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る超広角レンズ用NDフィルタ1は、上述した課題を解決するため、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性となる超広角レンズ用NDフィルタであって、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦な透明板2の表面Fに、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成してなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、透明板2には、ガラス板Gpを用いることができる。なお、ドットdの幅Wd寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定することが望ましい。
一方、本発明に係る超広角レンズ用NDフィルタ1の製造方法は、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性となる超広角レンズ用NDフィルタ1を製造するに際し、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦な透明板2を用意し、この透明板2の表面Fに、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成処理するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、ドットdの幅Wd寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定することが望ましい。また、遮光性マスク層3の形成処理には、少なくとも、薄膜形成処理,インクジェット方式印刷処理,シルク印刷処理,のいずれか一つを含ませることができる。
このような本発明に係る超広角レンズ用NDフィルタ1及びその製造方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) NDフィルタ1は、平坦な透明板2の表面Fに、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成してなるため、フィルタ全体の厚さは平坦な透明板2の厚さで足りる。したがって、厚さの極めて薄いNDフィルタ1を容易に得ることができるとともに、使用部品としては、ガラス板等の実質一枚の透明板で足りるため、極めて軽量かつ低コストに実施できる。
(2) NDフィルタ1は、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを利用するため、パターンデザインを自在に変更することができ、超広角レンズの設計自由度を高めることができるとともに、容易かつ低コストに実施できることから、様々な超広角レンズに適用可能となるなど、汎用性に優れる。
(3) NDフィルタ1を製造するに際しては、平坦な透明板2を用意し、この透明板2の表面Fに、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成処理するようにしたため、目的とするNDフィルタ1を容易かつ低コストに製造することができる。
(4) 好適な態様により、透明板2としてガラス板Gpを用いた場合であっても、厚さを極めて薄くできることから、高品質で、しかも軽量かつ実用的なNDフィルタ1を容易に得ることができる。
(5) 好適な態様により、ドットdの幅Wd寸法を、25〜250〔μm〕の範囲に選定すれば、実用上、良好なNDフィルタ1を得ることができる。即ち、ドットdの幅Wd寸法が小さ過ぎる場合、製造技術上(コスト上)の制約を生じるとともに、ドットdの幅Wd寸法が大き過ぎる場合、良質画像を確保できない。しかし、ドットdの幅Wd寸法を、25〜250〔μm〕の範囲に選定すれば、実用的観点から良好なNDフィルタ1を得ることができる。
(6) 好適な態様により、遮光性マスク層3の形成処理には、少なくとも、薄膜形成処理,インクジェット方式印刷処理,シルク印刷処理,のいずれか一つを含ませることができる。即ち、NDフィルタ1を製造するに際しては、汎用的な手法を含む各種形成処理技術を適用でき、製造工程の柔軟性及び容易性に優れるとともに、製造コストの低減にも寄与できる。
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る超広角レンズ用NDフィルタ1の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
このNDフィルタ1は、基本的な構成として、図1及び図2に示すように、平坦かつ円形の透明板2の表面Fに、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成したものである。
この場合、透明板2にはガラス板Gpを用いる。ガラス板Gpは、表裏が平行面となる厚さが1〔mm〕前後の板ガラスを用いることができ、素材としては、例えば、レンズに使用される光学ガラスをはじめ各種ガラス素材を使用可能である。ガラス板Gpとしては、基本的に光透過率がほぼ100〔%〕となる透明ガラスを用いる。なお、光透過率は、100〔%〕であることがNDフィルタ1にとって最適となるが、着色等の他の機能を付加することも可能であるため、必ずしも100〔%〕である必要はない。しかし、NDフィルタ1としての十分な機能を確保する必要があることから、80〔%〕以上の光透過率に選定することが望ましい。また、本実施形態に係るNDフィルタ1は、後述するように、厚みを極めて薄くすることができる。したがって、透明板2としてガラス板Gpを用いた場合であっても、高品質で、しかも軽量かつ実用的なNDフィルタ1を容易に得ることができる。
一方、遮光性マスク層3は、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上となるように形成する。各ドットd…は、例えば、色として、黒色を選定するとともに、反射を防止するため、艶消し状態にすることが望ましい。したがって、光透過率としては0〔%〕が望ましいが、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiを持たせればよいため、必ずしも0〔%〕である必要はなく、光透過率は20〔%〕以下であればよい。
多数のドットd…は、ランダム(乱数)に配し、結果的に、上述した特性、即ち、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiを生じさせるようにする。具体的には、例えば、NDフィルタ1を装着する超広角レンズLの対角画角が130〔゜〕以上となり、光透過率特性が、図3に示す光透過率特性(分布特性)Qrを有しているものとする。例示の場合、光軸の中心部Csの光透過率は100〔%〕であるが、周辺部Cfの透光量は減少し、80〔%〕まで減少している。したがって、NDフィルタ1を装着しない場合、実際の撮影画像は、周辺が薄暗い状態となる。
そこで、NDフィルタ1の光透過率特性Qiを、図3に示すように、超広角レンズの光透過率特性Qrに対して反対特性となるように選定する。即ち、光軸の中心部Csの光透過率が80〔%〕となり、周辺部Cfの光透過率が0〔%〕となる光透過率特性Qiを選定する。これにより、NDフィルタ1を装着した超広角レンズLにおける全体の光透過率特性Qsは、図3に示すように、80〔%〕に低下するものの、中心部Csから周辺部Cfまでの光透過率分布を一定(フラット)にすることができる。
また、ドットdの幅Wd寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定する。図1(a),(b)は、それぞれドットdの幅Wd寸法を異ならせた場合のパターン例を示している。図1(a)は縦横100〔μm〕の正方形を放射方向に平行に配した場合、図1(b)は縦横250〔μm〕の正方形を放射方向に平行に配した場合、をそれぞれ示している。ドットパターンPdにおける各ドットd…は同一の形状及び大きさを有しているため、そのランダムな分布密度を変更することにより、透光量を、いわばデジタル的に変化させることができる。したがって、多数のドットd…の分布密度により、上述した光透過率特性Qiを容易に設定することができる。なお、超広角レンズ(広角レンズを含む)の場合、焦点距離が短いため、基本的にドットdの大きさは小さい方が良好な結果を得る。反面、製造技術の要請からは限界があり、製造容易性を考慮すれば、ドットdの大きさは、25〔μm〕以上が望ましい。一方、ドットdの幅Wd寸法が大き過ぎる場合、いわば粗さが目立つことになり良質画像を確保できない。このため、ドットdの幅Wd寸法を、25〜250〔μm〕の範囲に選定すれば、実用的観点から良好なNDフィルタ1を得ることができる。しかし、ドットdの幅Wd寸法が小さ過ぎるとしても、製造技術やコストを無視すれば実現可能であり、また、ドットdの幅Wd寸法が大き過ぎるとしても、画質を無視すれば実現可能である。
一方、遮光性マスク層3を形成した透明板2は、本実施形態に係る超広角レンズ用NDフィルタ1となるため、図4に示すように、筒形(リング形)のフィルタ保持フレーム11の内部に組み付けて固定する。これにより、超広角レンズLの前端に対して着脱可能なNDフィルタユニットUを得ることができる。したがって、フィルタ保持フレーム11の内周面における後端部には、超広角レンズLの外周面の前端部に対してネジ方式により着脱可能な雌ネジ部11nが形成されている。
次に、本実施形態に係る超広角レンズ用NDフィルタ1の使用方法について、図1〜図4を参照して説明する。
NDフィルタ1(NDフィルタユニットU)は、図4に示すように、超広角レンズLの前端に着脱して使用することができる。この場合、超広角レンズLの外周面Lfの前端部には雄ネジ部Lfsが形成されているため、NDフィルタ1を使用する際は、NDフィルタユニットUの雌ネジ部11nを超広角レンズLの雄ネジ部Lfsに螺着し、NDフィルタ1を使用しないときは、NDフィルタ1(NDフィルタユニットU)を取り外すことができる。したがって、NDフィルタユニットU(NDフィルタ1)は、超広角レンズLに対してネジ方式により着脱する。なお、一例として挙げた超広角レンズLは、レンズ鏡筒15の内部に、前側から、前レンズ群Lf,中間レンズ群Lm,後レンズ群Lrを有し、対角画角が130〔゜〕以上となる超広角を確保している。
これにより、超広角レンズLにおける周辺部Cfの透光量が減少し、撮影画像の周辺(Cf)が中心(Cs)に対して相対的に薄暗い状態となる場合であっても、NDフィルタ1の光透過率特性Qiにより補正され、NDフィルタ1を装着した超広角レンズLの全体の光透過率特性Qsは、中心部Csから周辺部Cfまで一定(フラット)となる。なお、この際、全体の透光量(光透過率)分布が減少するが、絞り等により明るさを調整することができる。
このように、本実施形態に係る超広角レンズ用NDフィルタ1によれば、平坦なガラス板Gpの表面Fに、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、少なくとも、周辺部Cfにおけるドットd…の面積を0とし、かつ中心部Csのドットd…の面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成してなるため、フィルタ全体の厚さは平坦な透明板2の厚さで足りる。したがって、厚さの極めて薄いNDフィルタ1を容易に得ることができるとともに、使用部品としては、実質一枚のガラス板Gpで足りるため、極めて軽量かつ低コストに実施できる。また、NDフィルタ1は、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを利用するため、パターンデザインを自在に変更することができ、超広角レンズの設計自由度を高めることができるとともに、容易かつ低コストに実施できることから、様々な超広角レンズに適用できるなど、汎用性に優れる。
次に、本実施形態に係る超広角レンズ用NDフィルタ1の製造方法の一例について、図5及び図6を参照して説明する。
なお、図5及び図6に示す製造方法は、遮光性マスク層3を形成処理するに際し、薄膜形成処理方法を用いたものである。また、ドットパターンPdは、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる。したがって、このような光透過率特性Qiを有するドットパターンPdは、超広角レンズLに係わるデータ及びドットdの形状や大きさ等の既知のデータに基づいて自動設計が可能である。例示の場合、このような自動設計を行うアプリケーションプログラムが予め作成されている。
今、図4に示した超広角レンズLに使用するNDフィルタ1を製造する場合を想定する。まず、CAD等の設計用コンピュータに、超広角レンズLに係わるデータ及び使用するドットdの形状や大きさ等の既知のデータを入力(又は選択)する(ステップS1)。これにより、設計用コンピュータでは、目的とするドットパターンPdを自動設計する(ステップS2)。
一方、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦なガラス板Gpを用意し、製造システムにおける所定位置に、当該ガラス板Gpをセットする(ステップS3)。例示のガラス板Gpは、表裏が平行面となる厚さ1〔mm〕の透明な板ガラスであり、全体形状は所定径を有する円形である。次いで、図6(a)に示すように、ガラス板Gpの表面(上面)Fに、金属素材(クロム等)を用いた金属薄膜21を塗布(蒸着等の各種付着手段を含む)する。この金属薄膜21には、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる素材を選定する。さらに、この金属薄膜21の上にレジスト(感光剤)22を塗布する(ステップS4,S5)。これにより、原材料となるガラス基板23が得られる。次いで、ガラス基板23の上面に対して直角方向からレーザビームを照射し、設計したドットパターンPd(設定データ)を描画する(ステップS6)。
また、ドットパターンPdの描画が終了したなら現像処理を行い、ドットパターンPd以外の部分のレジスト22を除去する(ステップS7)。図6(b)に、レジスト22を除去したガラス基板23を示す。次いで、エッチング(触刻)処理を行い、ガラス基板23におけるレジスト22を除去した部分に対応する金属薄膜21を除去する(ステップS8)。図6(c)に、エッチング処理後のガラス基板23を示す。さらに、エッチング処理が終了したなら、ガラス基板23上における不要なレジスト22を全て除去する(ステップS9)。この状態を図6(d)に示す。
この後、ガラス基板23の洗浄を行うとともに、ガラス板Gpの表面F上に形成されたドットパターンPdに対応する金属薄膜21の位置や寸法等が正規のデータに一致しているか否か測定により確認するとともに、傷等が存在しないか否か必要な外観等の検査を行う(ステップS10,S11)。以上の工程により、目的のNDフィルタ1を得ることができる(図6(d)参照)。即ち、ガラス板Gpの表面(上面)Fに、ドットパターンPdの形状を有する金属薄膜21による遮光性マスク層3を形成したNDフィルタ1を得ることができる。
なお、以上は、遮光性マスク層3を形成処理するに際し、薄膜形成処理を用いた一例を示したが、遮光性マスク層3を形成処理するに際しては、その他、インクジェット方式を用いた印刷処理やシルク印刷処理等も利用可能である。特に、ドットdが比較的大きい場合には、シルク印刷処理により比較的容易に実施できるとともに、精度や強度が要求される場合には、上述した薄膜形成処理が適切と思われ、遮光性マスク層3を形成処理する方法は、NDフィルタ1のグレードや求められる精度等によって適宜選択可能である。
このように、本実施形態に係るNDフィルタ1を製造するに際しては、平坦なガラス板Gpを用意し、このガラス板Gpの表面Fに、多数のドットd…を組合わせたドットパターンPdを用いることにより、周辺部Cfの透光量に対して中心部Csの透光量が減少する光透過率特性Qiとなる遮光性マスク層3を形成処理するようにしたため、目的のNDフィルタ1を容易かつ低コストに製造することができる。また、本実施形態に係るNDフィルタの製造方法によれば、遮光性マスク層3を形成処理するに際し、少なくとも、薄膜形成処理,インクジェット方式印刷処理,シルク印刷処理,のいずれか一つを含ませることができる。即ち、NDフィルタ1を製造するに際しては、汎用的な手法を含む各種形成処理技術を適用でき、製造工程の柔軟性及び容易性に優れるとともに、製造コストの低減にも寄与できる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、本発明における「超広角レンズ」とは、周辺光量の低下が無視できないレンズを全て含む概念であり、画角等により分類される概念ではない。実際、画角80〜100〔゜〕の広角レンズ(標準レンズの画角は46〔゜〕)に分類されるものであっても周辺光量の低下が問題となっている。したがって、本発明における「超広角レンズ」とは「広角レンズ」も含む概念である。一方、ドットdの幅Wd寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定することが望ましいが、必ずしも、この範囲に限定されるものではない。例えば、形成処理技術により25〔μm〕未満のドットdであっても、精度の高いドットdを容易に形成できる場合には、当該25〔μm〕未満のドットdで実施可能であるとともに、大型カメラであって使用するカメラレンズが大型(大口径)の場合には、250〔μm〕を超える幅Wd寸法のドットdにより実施可能である。また、ドットdは正方形の形状により形成した場合を例示したが、他の多角形をはじめ、円形,楕円形,線形等の単純形状をはじめ、+形等の各種形状により実施可能である。特に、線形については、周方向に沿った一定長さを有する円弧形又は放射方向に沿った一定長さを有する直線形等を利用できる。さらに、遮光性マスク層3の形成処理として、薄膜形成処理,インクジェット方式印刷処理,シルク印刷処理を挙げたが、他の形成処理方法を排除するものではない。なお、超広角レンズとは、必ずしもレンズの種類を示すものではなく、本発明においては、周辺部Cfの透光量が中心部Csに対して相対的に減少する光透過率特性を有するレンズという意味である。
本発明に係るNDフィルタ1は、スチルカメラやビデオカメラ等に使用する各種超広角レンズに利用することができる。
1:NDフィルタ,2:透明板,3:遮光性マスク層,F:透明板の表面,Cf:周辺部,Cs:中心部,Gp:ガラス板,Pd:ドットパターン,d…:ドット,Qi:光透過率特性,Wd:ドットの幅
Claims (6)
- 周辺部の透光量に対して中心部の透光量が減少する光透過率特性となる超広角レンズ用NDフィルタであって、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦な透明板の表面に、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる多数のドットを組合わせたドットパターンを用いることにより、少なくとも、周辺部におけるドットの面積を0とし、かつ中心部のドットの面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部の透光量に対して中心部の透光量が減少する光透過率特性となる遮光性マスク層を形成してなることを特徴とする超広角レンズ用NDフィルタ。
- 前記透明板は、ガラス板を用いることを特徴とする請求項1記載の超広角レンズ用NDフィルタの製造方法。
- 前記ドットの幅寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定することを特徴とする請求項1記載の超広角レンズ用NDフィルタ。
- 周辺部の透光量に対して中心部の透光量が減少する光透過率特性となる超広角レンズ用NDフィルタの製造方法であって、少なくとも光透過率が80〔%〕以上となる平坦な透明板を用意し、この透明板の表面に、少なくとも光透過率が20〔%〕以下となる多数のドットを組合わせたドットパターンを用いることにより、少なくとも、周辺部におけるドットの面積を0とし、かつ中心部のドットの面積を20〔%〕以上とすることにより、周辺部の透光量に対して中心部の透光量が減少する光透過率特性となる遮光性マスク層を形成処理することを特徴とする超広角レンズ用NDフィルタの製造方法。
- 前記ドットの幅寸法は、25〜250〔μm〕の範囲に選定することを特徴とする請求項4記載の超広角レンズ用NDフィルタの製造方法。
- 前記遮光性マスク層の形成処理には、少なくとも、薄膜形成処理,インクジェット方式印刷処理,シルク印刷処理,のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項4又は5記載の超広角レンズ用NDフィルタの製造方法。
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