JP2014234389A - 乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた乗用車用タイヤ - Google Patents

乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた乗用車用タイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低燃費性能を維持しながら耐摩耗性能および加工性をバランスよく向上させることのできる乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物を用いたトレッドを有する乗用車用タイヤを提供すること。
【解決手段】イソプレン系ゴムを5質量%以上、スチレンブタジエンゴムを10〜90質量%、ブタジエンゴムを5〜40質量%含むゴム成分を含有し、イソプレン系ゴムが、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10質量%以下である低ゲル化天然ゴムを含有する乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物からなるトレッドを有する乗用車用タイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物、およびこのゴム組成物を用いたトレッドを有する乗用車用タイヤに関する。
近年、車の低燃費化に対する要求が強くなり、転がり抵抗が少なく、発熱性の抑制されたタイヤに対する要求がますます強くなっている。とくにタイヤ部材の中でも占有比率の高いトレッド用ゴム組成物に対して優れた転がり抵抗特性が要求される。
これまで、トレッド用ゴム組成物の転がり抵抗特性を向上させるために、補強用充填剤であるカーボンブラックの一部をシリカに置換することがなされてきた。さらに、転がり抵抗特性を向上させる方法として、シリカの含有量を減量する方法や、補強性の小さいシリカを用いる方法が知られているが、これらの方法によるとゴム組成物の耐摩耗性やグリップ性能が大きく低下するという問題がある。
一方、ゴムと補強剤であるシリカとの結合がより強固になれば、転がり抵抗特性、耐摩耗性能およびグリップ性能がバランスよく優れたゴム組成物ができると考えられる。そこで、シリカを含有するトレッド用ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有や、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ゴム成分の使用により、シリカの分散性を向上させたり、シリカとゴム成分とを化学的に結合させたりすることで、シリカによる補強性をカーボンブラックと同程度にすることが検討されてきた。また、カーボン配合に比べ、シリカ配合は加工性や分散性に劣るため、シリカの分散性を向上させることを目的として、ゴム成分の一部に天然ゴムを配合することも行われている。
天然ゴムはシスポリイソプレンを主成分とするものであるが、合成ポリイソプレンゴムとは異なり、シスポリイソプレン以外に多くのゲル分を含む。このゲル分とは、原料ゴムにおける非ゴム成分であって溶剤に対して難溶性の成分をいい、天然ゴムが含有する蛋白質や、脂質などの不純物に起因するものと考えられている。このゲル分を含有する天然ゴムは見かけの分子量が高くなっており、ゴム組成物の製造に当たり、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げてからでないと加工性が悪く使用することができない。しかし、このような素練りは、ゲル分の原因となる分岐部分を切断するというよりも、主成分であるシスポリイソプレンの分子主鎖をランダムに切断してしまい、天然ゴム本来の特性である高い耐摩耗性や引張強度が失われるという問題がある。
ゲル分の原因として天然ゴム中の蛋白質が挙げられる。この蛋白質は新鮮な天然ゴムラテックスの固形分に対して約3〜5質量%含まれており、ゴム製品に接触したときに即時型アレルギーを誘発することが知られている。特許文献1には、アレルギーが防止され、グリーンストレングスが大きく加工性に優れた脱蛋白天然ゴムの製造方法が記載されているが、ゲル分を減らすこと、および乗用車用タイヤの低燃費性、加工性および耐摩耗性を向上させることについては考慮されていない。
また、特許文献2には、天然ゴムラテックスをリン酸塩で処理することで生成するリン酸マグネシウムを除去してマグネシウム含有率を減らし、そして固形化することによりゲル分を減らすことができることが記載されている。さらに、脱蛋白処理を併用すれば、ゲル分をより一層少なくできることが記載されている。しかしながら、乗用車用タイヤの低燃費性、加工性および耐摩耗性を向上させることについては考慮されていない。
特開平6−56903号公報 特許第4563651号公報
本発明は、低燃費性能を維持しながら耐摩耗性能および加工性をバランスよく向上させることのできる乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物を用いたトレッドを有する乗用車用タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴムを5質量%以上、スチレンブタジエンゴムを10〜90質量%、ブタジエンゴムを5〜40質量%含むゴム成分を含有し、イソプレン系ゴムが、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10質量%以下である低ゲル化天然ゴムを含有する乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物に関する。
素練促進剤を含有せず、かつ天然ゴムの素練工程を行わずにゴム成分の混練工程を行って製造されることが好ましい。
低ゲル化天然ゴムのマグネシウム含有率が8ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が5質量%以下であることが好ましい。
低ゲル化天然ゴムの窒素含有率が0.10質量%以下であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対し、シリカを5〜120質量部含有することが好ましい。
スチレンブタジエンゴムおよび/またはブタジエンゴムが、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ジエン系ゴムを含有し、当該変性ジエン系ゴムの含有量がゴム成分中に10質量%以上であることが好ましい。
また、本発明は前記のゴム組成物からなるトレッドを有する乗用車用タイヤに関する。
本発明によれば、所定量のイソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを含むゴム成分を含有し、イソプレン系ゴムが所定の低ゲル化天然ゴムを含有する乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物とすることで、低燃費性能を維持しながら耐摩耗性能および加工性をバランスよく向上させることのできる乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物およびこのゴム組成物を用いたトレッドを有する乗用車用タイヤを提供することができる。
本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムを所定量含有し、イソプレン系ゴムが所定の低ゲル化天然ゴムを含有することを特徴とする。
前記イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、後述のシリカ用変性IRおよびエポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。これらのゴム成分は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、所定の低ゲル化天然ゴム(低ゲル化NR)を含有することを特徴とし、耐摩耗性、破壊特性および加工性のバランスを向上させるという点から低ゲル化NRのみをイソプレン系ゴムとして含有することが好ましい。ここで、本明細書中の低ゲル化NRとは、マグネシウム含有率およびゲル含有率を通常の天然ゴムより低減させた天然ゴムをいう。
低ゲル化NRのマグネシウム含有率は、20ppm以下であり、10ppm以下が好ましく、8ppm以下がより好ましい。マグネシウム含有率が20ppmを超える場合は、ゲル含有率が高くなり加工性が悪化する傾向がある。なお、天然ゴムのマグネシウム含有率はICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法により測定することができる。
また、低ゲル化NRのゲル含有率は、10質量%以下であり、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。ゲル含有率が10質量%を超える場合は加工性が悪化する傾向がある。なお、本明細書中のゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定される値であり、本明細書においてはゲル含有率またはゲル分と称する。天然ゴムのゲル含有率は、次の測定方法により測定される。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×105rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
低ゲル化NRの調製方法(マグネシウム含有率の低減方法)としては、特許第4563651号などに記載されている方法を使用できる。例えば、天然ゴムラテックスをリン酸塩で処理し、生成するリン酸マグネシウムを除去することでマグネシウム含有率を低減させ、その後固形化することでゲル含有率も減少させた天然ゴムを調製する方法が挙げられる。この調製方法によれば、天然ゴムラテックスの採取から固形化までの時間(日数)を調整することで、得られる低ゲル化天然ゴムのマグネシウム含有率およびゲル含有率を調整することができる。つまり、固形化するまでの日数を10日以内とすることにより、ゲル含有率が10質量%以下の天然ゴムを調製することができ、さらに工程を高速化することでさらにゲル含有率の低い天然ゴムを調製することができる。
さらに、低ゲル化NRは、脱蛋白処理が施された低ゲル化脱蛋白NRとすることが、耐摩耗性、破壊特性および加工性をより向上することができる点から好ましい。天然ゴムの脱蛋白方法としては、特開平6−56903号公報や特開2000−198881号公報などに記載されている従来から公知の方法を、低ゲル化NRに採用することができる。
低ゲル化脱蛋白NRの窒素含有率は0.10質量%以下であることが好ましく、0.08質量%以下であることがより好ましい。窒素含有率が0.10質量%を超える場合は、脱蛋白処理による効果が不充分となる傾向がある。また、窒素含有率の下限値は低い方が好ましく、できれば窒素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.03質量%である。なお、天然ゴムの窒素含有率はケルダール試験法により測定される。
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量は5質量%以上であり、10質量%以上が好ましい。イソプレン系ゴムの含有量が5質量%未満の場合は、加工性が悪化する傾向がある。また、イソプレン系ゴムの含有量は60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。イソプレン系ゴムの含有量が60質量%を超える場合は、グリップ性能が大幅に悪化する傾向がある。
また、ゴム成分中の低ゲル化NRの含有量は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。低ゲル化NRの含有量が5質量%未満の場合は低ゲル化NRを含有することの効果が不充分となる傾向がある。
低ゲル化されていない天然ゴムを含有するゴム組成物を製造する際は、混練工程の前に天然ゴムに素練促進剤を加え、練りロール機や密閉式混合機で素練りを行う必要がある。しかしながら、本発明のゴム組成物、特にイソプレン系ゴムとして低ゲル化NRのみを含有する場合や、低ゲル化NRおよびIRなどの素練りを必要としないイソプレン系ゴムのみを含有する場合は、NR(低ゲル化NR)を含有するにもかかわらず素練促進剤を含有せず、かつNRの素練工程を行わずにゴム成分の混練工程を行うことができる。
前記スチレンブタジエンゴム(SBR)としては、乳化重合により得られる乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合により得られる溶液重合SBR(S−SBR)、後述のシリカ用変性SBRなどが挙げられる。
ゴム成分中のSBRの含有量は10質量%以上であり、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。SBRの含有量が10質量%未満の場合は、グリップ性能が大幅に悪化する傾向がある。また、SBRの含有量は90質量%以下であり、80質量%以下が好ましい。SBRの含有量が90質量%を超える場合は、耐摩耗性能が悪化する傾向がある。
前記ブタジエンゴム(BR)としては、ハイシス1,4−ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、スズ変性BR、後述のシリカ用変性BRなどが挙げられる。
前記ハイシスBRとは、シス1,4結合含有率が90質量%以上のブタジエンゴムである。このようなハイシスBRとして、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなどが挙げられる。
前記SPB含有BRは、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を単にBR中に分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)製のVCR−303、VCR−412、VCR−617などが挙げられる。
前記スズ変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合をおこなったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ−炭素結合で結合されたスズ変性BRなどが挙げられる。このようなスズ変性BRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1250Hなどが挙げられる。
これらの各種BRの中でも、加工性、耐摩耗性および破壊特性において優れるという点からBR130B、BR150BなどのハイシスBRを用いることが好ましい。
ゴム成分中のBRの含有量は5質量%以上であり、10質量%以上が好ましい。BRの含有量が5質量%未満の場合は耐摩耗性に劣る傾向がある。また、BRの含有量は40質量%以下であり、30質量%以下が好ましい。BRの含有量が40質量%を超える場合は破壊特性およびグリップ性能が大幅に悪化する傾向がある。
前記のイソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムが、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ジエン系ゴム(シリカ用変性ジエン系ゴム)を含むことが、低発熱性および加工性により優れることから好ましい。
前記シリカ用変性ジエン系ゴムとしては、官能基が導入されるジエン系ゴム(変性ジエン系ゴムの骨格を構成するポリマー)としてIRを用いたシリカ用変性IR、SBRを用いたシリカ用変性SBR、BRを用いたシリカ用変性BRなどが挙げられる。なかでも、加工性を低下させる恐れのあるSBRおよび/またはBRに官能基を導入したシリカ用変性SBRおよび/またはシリカ用変性BRとすることが、低発熱性および加工性のバランス改善効果が大きいという点からより好ましい。
また、シリカ用変性ジエン系ゴムには、ジエン系ゴム(ポリマー)の少なくとも一方の末端に、窒素、酸素およびケイ素の中から選ばれる少なくとも1つ以上の原子を含む官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴムや、末端だけでなく主鎖中も変性された主鎖末端変性ジエン系ゴムも含まれる。
前記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ピリジル基などが挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、低発熱性および耐摩耗性に優れるという点から、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
前記変性剤としては、下記式(1)で表される化合物を用いることが、ポリマーの分子量をコントロールし易く、tanδを増大させる低分子量成分を少なくすることができ、シリカとポリマー鎖との結合を強め、低発熱性能および耐摩耗性をより向上させることができる点から好ましい。
Figure 2014234389
前記式(1)で表される化合物において、R1、R2およびR3は、同一もしくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)またはこれらの誘導体を表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)などが挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基などの炭素数5〜8のシクロアルコキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基などの炭素数6〜8のアリールオキシ基など)も含まれる。
前記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基など)などが挙げられる。
前記アセタール基としては、例えば、−C(RR’)−OR”、−O−C(RR’)−OR”で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基などが挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基などが挙げられる。
1、R2およびR3は、ゴム組成物の低発熱性能およびゴム強度を好適に両立できるという点から、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
前記式(1)で表される化合物において、R4およびR5は、同一もしくは異なって、水素原子、アルキル基または環状エーテル基を表す。
4およびR5のアルキル基としては、例えば、前記アルキル基と同様の基を挙げることができる。
4およびR5の環状エーテル基としては、例えば、オキシラン基、オキセタン基、オキソラン基、オキサン基、オキセパン基、オキソカン基、オキソナン基、オキセカン基、オキセト基、オキソール基などのエーテル結合を1つ有する環状エーテル基、ジオキソラン基、ジオキサン基、ジオキセパン基、ジオキセカン基などのエーテル結合を2つ有する環状エーテル基、トリオキサン基などのエーテル結合を3つ有する環状エーテル基などが挙げられる。なかでも、エーテル結合を1つ有する炭素数2〜7の環状エーテル基が好ましく、エーテル結合を1つ有する炭素数3〜5の環状エーテル基がより好ましい。また、環状エーテル基は環骨格内に不飽和結合を有していないことが好ましい。
4およびR5は、ゴム組成物の低発熱性およびゴム強度を好適に両立できるという点から、アルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がさらに好ましく、メチル基が最も好ましい。
前記式(1)で表される化合物において、nは整数を表す。nはゴム組成物の低発熱性およびゴム強度が好適に両立できるという点から、1〜5の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましく、3がさらに好ましい。nが0の場合はケイ素原子と窒素原子との結合が困難であり、また、nが6以上の場合は変性剤としての効果が薄れる傾向がある。
変性剤によるジエン系ゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報等に記載されている方法等、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ジエン系ゴムと変性剤とを接触させればよく、調製した重合体溶液中に変性剤を添加して反応させる方法等が挙げられる。
前記シリカ用変性ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましい。10万未満の場合は、ゴム強度および耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、Mwは250万以下が好ましく、200万以下がより好ましい。250万を超える場合は、加工性が悪化する傾向がある。なお、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
シリカ用変性ジエン系ゴムがシリカ用変性SBRである場合、シリカ用変性SBR100質量%中のアルコキシスチレン成分含有率は、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。30質量%を超える場合は、コストに見合った効果が得られない傾向がある。また、アルコキシスチレン成分含有率は、0.05質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。0.05質量%未満の場合は、シリカの分散性を充分に改善できなくなる傾向がある。なお、アルコキシスチレン成分含有率は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
また、シリカ用変性SBRのスチレン成分含有率は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。80質量%を超える場合は、破壊強度が低下する傾向がある。また、スチレン成分含有率は、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましい。5質量%未満の場合は、グリップ性能が低下する傾向がある。なお、スチレン成分含有率は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
シリカ用変性ジエン系ゴムを含有する場合のゴム成分中の含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。含有量が10質量%未満の場合は、低発熱性および加工性の改善効果が不充分となる傾向がある。
本発明で用いられるゴム成分は、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴム以外の他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、例えば、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。
本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、前記のゴム成分に対して、通常ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカおよびカーボンブラックなどの補強用充填剤、硫黄、シランカップリング剤、各種オイル、軟化剤、ワックス、各種老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種加硫促進剤などを好適に含有することができる。
シリカを含有することが、タイヤのウェット制動性能および低発熱性が向上するという点から好ましい。シリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は50m2/g以上が好ましく、80m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましい。N2SAが50m2/g未満の場合は、充分な補強性が得られない恐れがある。また、シリカのN2SAは、500m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましい。500m2/gを超える場合は、加工性が大幅に悪化する恐れがある。なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。シリカを5質量部以上含有することで、低燃費性能を向上させることができる。また、シリカの含有量は、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。シリカの含有量が150質量部を超える場合は、加工性が悪化する恐れがある。
シリカを含有する場合はシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、EVONIK−DEGUSSA社製のSi75、Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)、同社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT−Z100、NXT−Z45、NXTなどのメルカプト系(メルカプト基を有するシランカップリング剤)、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系、メルカプト系がシリカとの結合力が強く、低発熱性において優れるという点から好ましい。また、メルカプト系を使用すると、転がり抵抗特性および耐久性を好適に向上できるという点からより好ましい。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が2質量部未満の場合は、シリカ分散性の改善効果が充分に得られない傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が25質量部を超える場合は、コストに見合った効果が得られない傾向がある。
カーボンブラックを含有することが、ゴム組成物の補強性、耐紫外線劣化性および耐クラック性が向上するという点から好ましい。カーボンブラックとしては、タイヤ製造において一般的に用いられるSAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPFなどが挙げられ、これらのカーボンブラックを単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は20m2/g以上が好ましく、35m2/g以上がより好ましく、70m2/g以上がさらに好ましい。N2SAが20m2/g未満の場合は、充分な補強性が得られない恐れがある。また、カーボンブラックのN2SAは、200m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましい。200m2/gを超える場合は、良好に分散させることが困難となる傾向、加工性が悪化する傾向がある。なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2のA法によって測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。カーボンブラックの含有量が5質量部未満の場合は、充分な補強性が得られない恐れがある。また、カーボンブラックの含有量は、100質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、45質量部以下がさらに好ましい。カーボンブラックの含有量が100質量部を超える場合は、良好に分散させることが困難となる傾向、加工性が悪化する傾向がある。
本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密開式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に適用することができるが、低燃費性能を維持しながら耐摩耗性能および加工性にバランスよく優れることから乗用車用タイヤのトレッドに適用することが好ましい。また、トレッドがキャップトレッドとベーストレッドとを有する多層構造のトレッドである場合は、キャップトレッドに適用することが好ましい。
本発明の乗用車用タイヤは、本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した本発明の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の乗用車用タイヤを製造することができる。
実施例にもとづいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品をまとめて説明する。
天然ゴムA〜E:後述の天然ゴムサンプルの調製で得られた各天然ゴム
SBR A:SBR:日本ゼオン(株)製のNipol NS116(S−SBR、ビニル含有率60質量%、結合スチレン量:20質量%)
SBR B:後述のSBR Bの調製で得られたシリカ用変性S−SBR
BR:宇部興産(株)製のBR150B(ハイシスBR、シス−1,4結合含量:97%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N220、N2SA:114m2/g)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のULTRASIL VN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
天然ゴムサンプルの調製
天然ゴムA
採取した天然ゴムラテックス(固形分30%)に、その総質量の0.1%となるようにリン酸アンモニウムを添加して一夜静置した後、上澄みを回収し、沈殿したリン酸マグネシウムを除去した。次いで、上澄みとして回収したゴムラテックスをスモークド・シート(RSS)の調製法に準じて固形化し、生ゴム(天然ゴムA)とした。すなわち、ゴムラテックスを固形分濃度約15質量%までイオン交換水で希釈し、これに2〜20質量%の蟻酸を添加してゴム分を凝固させ、凝固したゴムをロールに通しながら漿液を絞り、シート状にした。これを45℃のオーブンで乾燥させて固形の天然ゴムAを調製した。天然ゴムラテックスの採取から固形化までは10日で行った。
天然ゴムB
各工程を高速化して、天然ゴムラテックスの採取から固形化までを7日で行ったこと以外は、天然ゴムAの作成方法と同様の方法で生ゴム(天然ゴムB)を調製した。
天然ゴムC
採取した天然ゴムラテックス(固形分30%)に、その総質量の0.1%となるようにリン酸アンモニウムを添加して一夜静置した後、上澄みを回収し、沈殿したリン酸マグネシウムを除去した。そして、上澄みとして回収したゴムラテックスを、2日経過後に、特開2000−198881号公報に記載の方法に準じて脱蛋白処理を行った。すなわち、上記ラテックス約167質量部(ゴム固形分100質量部)に対し、0.067質量部のプロテアーゼ(蛋白質分解酵素)、1.5質量部の10%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(界面活性剤、花王(株)製のKP4401)を添加し、水で希釈して、ゴム固形分が30質量%の天然ゴムラテックスを調製した。次いで、このラテックスを室温で16時間撹拌しながら熟成させ、蛋白質の分解処理を行い、処理後のラテックス約333質量部(ゴム固形分100質量部)を水で希釈して全量を1000質量部(ゴム固形分約10質量%)に調整した後、10000rpm(約9000Gの重力加速度)で30分間遠心分離を行った。遠心分離処理後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することによりゴム固形分を60質量%に調整し、脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。そして、得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを固形分濃度約15質量%までイオン交換水で希釈し、これに2〜20質量%の蟻酸を添加してゴム分を凝固させた。この凝固したゴムをロールに通しながら漿液を絞り、シート状にした。これを45℃のオーブンで乾燥させて固形の生ゴム(天然ゴムC)を調製した。天然ゴムラテックスの採取から固形化までを、10日で行った。
天然ゴムD
リン酸アンモニウムを添加しリン酸マグネシウムを除去する工程を除いた以外は天然ゴムCの作成方法と同様の方法で天然ゴムDを調製した。
天然ゴムE
100質量部の天然ゴム(TSR20)に対し、素練促進剤(大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSD)を0.4質量部加え、1.7Lバンバリーを用いて素練りを行い天然ゴムEを調製した。
調製された天然ゴムA〜DおよびTSR20について次の測定を行った。測定結果を表1に示す。
<ゲル含有率の測定>
各天然ゴムサンプルを1mm×1mmに切断し70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、1.3×105rpmで30分間遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥させて質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量/最初のサンプル質量]×100
<マグネシウム(Mg)含有率の測定>
ICP発光分光分析装置((株)島津製作所製のICPS−8100)を用いて各天然ゴムサンプル中のマグネシウム含有率を測定した。
<窒素含有率の測定>
ケルダール試験法により各天然ゴムサンプル中の窒素含有率を測定した。
Figure 2014234389
SBR B(シリカ用変性S−SBR)の調製
以下の各種薬品を使用した。
n−ヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
p−メトキシスチレン:関東化学(株)製
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
変性剤:アヅマックス(株)製の3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
シクロヘキサン:和光純薬工業(株)製
ピロリジン:和光純薬工業(株)製
ジビニルベンゼン:東京化成工業(株)製
イソプロパノール:和光純薬工業(株)製
メタノール:関東化学(株)製
充分に窒素置換した耐熱容器にn−ヘキサン1500ml、スチレン100mmol、1,3−ブタジエン800mmol、p−メトキシスチレン5mmol、テトラメチルエチレンジアミン0.2mmol、n−ブチルリチウム0.12mmolを加えて、0℃で48時間攪拌することでS−SBRを重合した。その後、得られたS−SBR溶液に、変性剤を0.15mmol加えて、0℃で1時間攪拌することで変性させた。その後、アルコールを加えて反応を止め、反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、再沈殿精製によりSBR B(シリカ用変性S−SBR)を得た。得られたSBR BはMw500,000、アルコキシスチレン成分含有率1.2質量%、スチレン成分含有率19質量%であった。
SBR Bの、重量平均分子量ならびにアルコキシスチレン成分、スチレン成分および窒素含有化合物の含有率の測定方法を以下に示す。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGELSUPERMALTPOREHZ−M)を用い、標準ポリスチレンにより換算して測定した。
<アルコキシスチレン成分、スチレン成分および窒素含有化合物の含有率の測定>
アルコキシスチレン成分含有率の測定は、NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズの装置)を用いて行った。
実施例1〜9および比較例1〜6
表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物および加硫ゴム組成物を用いて以下に示す方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
<低燃費性>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。結果は比較例3を100とした指数で示す。指数が大きいほど、低燃費性性能に優れることを示す。
<加工性>
JIS K6300に準じて、130℃における未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。結果は比較例3を100とした指数で示す。指数が大きいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
<耐摩耗性>
(株)岩本製作所製のランボーン摩耗試験機を用いて、表面回転速度50m/分、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/分、スリップ率20%の条件下で各加硫ゴム組成物のランボーン摩耗量を測定した。結果は比較例3を100とした指数で示す。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2014234389
表2の結果より、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10質量%以下である低ゲル化天然ゴムを含有するゴム組成物は低燃費性能を維持しながら耐摩耗性能および加工性にバランスよく優れることがわかる。

Claims (7)

  1. イソプレン系ゴムを5質量%以上、スチレンブタジエンゴムを10〜90質量%、ブタジエンゴムを5〜40質量%含むゴム成分を含有し、
    イソプレン系ゴムが、マグネシウム含有率が20ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が10質量%以下である低ゲル化天然ゴムを含有する乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  2. 素練促進剤を含有せず、かつ天然ゴムの素練工程を行わずにゴム成分の混練工程を行って製造される請求項1記載の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  3. 低ゲル化天然ゴムのマグネシウム含有率が8ppm以下であり、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が5質量%以下である請求項1または2記載の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  4. 低ゲル化天然ゴムの窒素含有率が0.10質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対し、シリカを5〜120質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  6. スチレンブタジエンゴムおよび/またはブタジエンゴムが、シリカと相互作用を持つ官能基を有する変性ジエン系ゴムを含有し、
    当該変性ジエン系ゴムの含有量がゴム成分中に10質量%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の乗用車用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるトレッドを有する乗用車用タイヤ。
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