JP2014232836A - 瞳透過率分布の計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検光学系の瞳透過率分布を比較的安価な計測機構を用いて効率的に計測する。【解決手段】投影光学系POの瞳透過率分布を計測する方法であって、物体面P1を介して投影光学系POに照明光ELを入射させ、投影光学系POの射出瞳と光学的に共役な受光面P3で第1の光強度分布を計測することと、投影光学系POに向けて照明光ELを供給し、物体面P1に配置された楔型プリズム26Xを用いて照明光ELをX方向に角度δaで偏向させ、その偏光した照明光ELを投影光学系POに入射させ、受光面P3で第2の光強度分布を計測することと、第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて投影光学系POの瞳のX方向の透過率分布を求めることと、を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測技術、この計測技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体デバイス又は液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程中で使用されるステッパー又はスキャニングステッパー等の露光装置(投影露光装置)において、投影光学系を介して形成されるパターン像のコントラストの向上を図るためには、投影光学系の瞳透過率分布が目標とする範囲の分布であることが望ましい。そのためには、オンボディで必要に応じて投影光学系の瞳透過率分布を計測できることが望ましい。
そこで、従来、露光装置に搭載された投影光学系の瞳透過率分布を計測するために、照明光学系の照明瞳の位置に例えば複数の開口が形成された開口板を設置し、被検光学系の瞳と所定の関係にある面に回折格子を設置し、照明光学系の開口板を介して回折格子を照明し、開口毎に回折格子で生成された1対の回折光が被検光学系を通過した後の強度を個別に計測する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この計測方法では、その開口板に形成される開口の数を増やすことによって、被検光学系の瞳の多くの位置での相対的な透過率(透過率分布)を高精度に計測できる。
従来の瞳透過率分布の計測方法は、照明光学系の照明瞳の位置に開口板を設置する必要があるため、開口板の設置及び取り外しに要する時間を含めてある程度の計測時間が必要である。また、従来の計測方法では、高精度の回折格子が必要であるため、計測機構の製造コストがある程度高くなっていた。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、被検光学系の瞳透過率分布を比較的安価な計測機構を用いて効率的に計測できるようにすることを目的とする。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、被検光学系の瞳透過率分布を比較的安価な計測機構を用いて効率的に計測できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測方法であって、第1面を介してその被検光学系に照明光を入射させ、その被検光学系の射出瞳と光学的に共役な第2面で第1の光強度分布を計測することと、その被検光学系に向けて照明光を供給し、その第1面においてその供給された照明光を第1方向に偏向させることと、その第1方向に偏向した照明光をその被検光学系に入射させ、その第2面で第2の光強度分布を計測することと、その第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいてその被検光学系の瞳のその第1方向の透過率分布を求めることと、を含む計測方法が提供される。
第2の態様によれば、露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、第1の態様の計測方法を用いて被検光学系としてのその投影光学系の瞳透過率分布を計測することと、その瞳透過率分布の計測結果に応じてそのパターンの照明条件を変更することと、を含む露光方法が提供される。
第3の態様によれば、被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測装置であって、第1面を介してその被検光学系を照明する照明系と、その照明系からの照明光の光路中であってその第1面上の位置である第1位置に退避可能な状態で配置されるとともに、入射する光を第1方向に偏向させる第1偏向部材と、その照明系からその第1面を介してその被検光学系に入射する照明光を受光して、その被検光学系の射出瞳と光学的に共役な第2面で光強度分布を計測する光強度分布計測部と、その第1偏向部材がその第1位置から退避している第1状態及びその第1位置に配置されている第2状態でそれぞれその光強度分布計測部によって計測される第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて、その被検光学系の瞳のその第1方向の透過率分布を求める演算装置と、を備える計測装置が提供される。
第3の態様によれば、被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測装置であって、第1面を介してその被検光学系を照明する照明系と、その照明系からの照明光の光路中であってその第1面上の位置である第1位置に退避可能な状態で配置されるとともに、入射する光を第1方向に偏向させる第1偏向部材と、その照明系からその第1面を介してその被検光学系に入射する照明光を受光して、その被検光学系の射出瞳と光学的に共役な第2面で光強度分布を計測する光強度分布計測部と、その第1偏向部材がその第1位置から退避している第1状態及びその第1位置に配置されている第2状態でそれぞれその光強度分布計測部によって計測される第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて、その被検光学系の瞳のその第1方向の透過率分布を求める演算装置と、を備える計測装置が提供される。
第4の態様によれば、照明光学系からの露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、被検光学系としてのその投影光学系の瞳透過率分布を計測するための第3の態様の計測装置と、その計測装置の計測結果に応じてその照明光学系の照明条件を変更する制御装置と、を備える露光装置が提供される。
第5の態様によれば、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
第5の態様によれば、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、第1面で照明光を偏向しない状態と偏向する状態とで光強度分布を計測することによって、比較的安価な計測機構を用いて被検光学系の瞳透過率分布を効率的に計測できる。
本発明の第1の実施形態につき図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの全体構成を概略的に示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。図1において、露光装置EXは投影光学系PO(投影ユニットPU)を備えており、以下においては、投影光学系POの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(走査方向)に沿ってY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(非走査方向)に沿ってX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの全体構成を概略的に示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。図1において、露光装置EXは投影光学系PO(投影ユニットPU)を備えており、以下においては、投影光学系POの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(走査方向)に沿ってY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(非走査方向)に沿ってX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)ELを発生する光源(不図示)と、この光源からの照明光ELでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系ILSと、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRSTとを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRから射出された照明光ELをウエハW(基板)に投射する投影光学系POを含む投影ユニットPUと、ウエハWを保持して移動するウエハステージWSTと、投影光学系POの瞳透過率分布を計測する計測装置10と、装置全体の動作を制御するコンピュータよりなる主制御系16等とを備えている。
照明光ELとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。照明光学系ILSは、図3に点線で概略構成を示すように、また、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源30から供給される所定方向の直線偏光又は非偏光等の露光用の照明光ELを反射するミラーMR1、その反射光を多数の傾斜角可変のミラー要素のアレイで反射する空間光変調器32、そのミラー要素のアレイからの光を集光及び反射する集光光学系33及びミラーMR2、並びにその反射された光からその射出面に面光源(照明瞳)を形成するフライアイレンズ34(オプティカルインテグレータ)を有する。フライアイレンズ34の射出面が照明瞳面IPPである。
空間光変調器32の各ミラー要素の傾斜角を制御することで、照明瞳面IPPの光強度分布を円形領域、複数極領域、又は輪帯状の領域等で光強度が大きくなる種々の照明条件に対応する分布に設定できる。必要に応じて照明瞳面IPP又はこの近傍に、可変開口絞り35が設置される。照明光学系ILSは、さらにその面光源からの照明光ELで投影光学系POの物体面P1のX方向に細長いスリット状の照明領域IAR(図1参照)を重畳して照明するコンデンサ光学系36、及び照明領域IARの形状を規定する可変視野絞り(不図示)等を有する。
図1において、ウエハWの露光時に、レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面(下面)には、回路パターンが形成されている。レチクルステージRSTは、不図示の複数のエアパッドを介してレチクルベース(不図示)のXY平面に平行な上面に非接触で支持され、例えばリニアモータ等を含むステージ駆動系(不図示)によって、その上面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計72によって、移動鏡74(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計72の計測値は、主制御系16に送られる。主制御系16は、その計測値に基づいて上記のステージ駆動系を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒60と、鏡筒60内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系POとを含む。投影光学系POは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有し、レチクルRのパターン面(レチクル面)のパターンの像をウエハWの表面(ウエハ面)に形成する。照明光学系ILSからの照明光ELによってレチクル面の照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ELにより、投影ユニットPU(投影光学系PO)を介して照明領域IAR内のレチクルRのパターンの像が、ウエハWの一つのショット領域上の露光領域IA(照明領域IARと光学的に共役な領域)に形成される。
図3に示すように、投影光学系POは物体面P1のパターンの像を像面P2(投影光学系POに関して物体面P1と光学的に共役な面)に形成する。また、投影光学系POの瞳ASaが形成される瞳面PLP(又は投影光学系POの入射瞳)は、照明光学系ILSの照明瞳面IPPと光学的に共役であり、物体面P1と瞳面PLPとは光学的にフーリエ変換の関係にある。瞳面PLP又はその近傍に可変の開口絞りASが設置されている。
図1において、ウエハWは、例えばシリコン等からなる直径が200mmから450mm程度の円板状の基材の表面に、フォトレジスト(感光剤)を所定の厚さ(例えば数10〜200nm程度)で塗布した基板を含む。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系POを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ66を保持する鏡筒60の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置の一部を構成するノズルユニット62が設けられている。ノズルユニット62は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給可能な供給口と、液体Lqを回収可能な多孔部材(メッシュ)が配置された回収口とを有する。ノズルユニット62の供給口は、供給流路及び供給管64Aを介して、液体Lqを送出可能な液体供給装置(不図示)に接続されている。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系POを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ66を保持する鏡筒60の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置の一部を構成するノズルユニット62が設けられている。ノズルユニット62は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給可能な供給口と、液体Lqを回収可能な多孔部材(メッシュ)が配置された回収口とを有する。ノズルユニット62の供給口は、供給流路及び供給管64Aを介して、液体Lqを送出可能な液体供給装置(不図示)に接続されている。
液浸法によるウエハWの露光時に、その液体供給装置から送出された液体Lqは、図1の供給管64A及びノズルユニット62の供給流路を流れた後、その供給口より照明光ELの光路空間を含むウエハW上の液浸領域に供給される。また、液浸領域からノズルユニット62の回収口を介して回収された液体Lqは、回収流路及び回収管64Bを介して液体回収装置(不図示)に回収される。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置は設けなくともよい。
また、ウエハステージWSTは、不図示の複数のエアパッドを介して、ベース盤WBのXY面に平行な上面に非接触で支持されている。また、ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系17によってX方向及びY方向に駆動可能である。露光装置EXは、ウエハステージWSTの位置情報を計測するためにレーザ干渉計よりなるウエハ干渉計76及び/又はエンコーダシステム(不図示)を含む位置計測システムを備えている。
ウエハステージWSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、その位置計測システムによって例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出され、その計測値は主制御系16に送られる。主制御系16は、その計測値に基づいてステージ駆動系17を制御することで、ウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。
ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体70と、ステージ本体70上に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体70内に設けられて、ステージ本体70に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ方向の位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZ・レベリング機構とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央上部には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ上に載置されるウエハの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面(又は保護部材)を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダ(ウエハの載置領域)よりも一回り大きい円形の開口が形成された高平面度の平板状のプレート体68が設けられている。
また、ウエハステージWSTのステージ本体70の上部に、上面がプレート体68の表面(投影光学系POの像面)とほぼ同じ高さになるように、投影光学系POの瞳面PLP(又は射出瞳)と光学的に共役な面である受光面P3(図3参照)における光強度分布を計測する計測部8が装着されている。
また、ウエハステージWSTのステージ本体70の上部に、上面がプレート体68の表面(投影光学系POの像面)とほぼ同じ高さになるように、投影光学系POの瞳面PLP(又は射出瞳)と光学的に共役な面である受光面P3(図3参照)における光強度分布を計測する計測部8が装着されている。
さらに、露光装置EXは、レチクルR及びウエハWのアライメントを行うためのアライメント系(不図示)、及びウエハWの表面のZ位置の分布を計測するオートフォーカスセンサ(不図示)を有する。オートフォーカスセンサの計測値に基づいて、ウエハステージWSTのZ・レベリング機構を駆動することで、露光中にウエハWの表面を投影光学系POの像面に合焦できる。
ウエハWの露光時に、基本的な動作として、レチクルR及びウエハWのアライメントが行われた後、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動(ステップ移動)によって、ウエハWの露光対象のショット領域が投影光学系POの露光領域の手前に移動する。そして、主制御系12の制御のもとで、レチクルRのパターンの一部の投影光学系POによる像でウエハWの当該ショット領域を露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期駆動して、投影光学系POに対してレチクルR及びウエハWを例えば投影倍率を速度比としてY方向に走査することによって、当該ショット領域の全面にレチクルRの転写用パターンの像が走査露光される。このようにステップ移動と走査露光とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの複数のショット領域に対して順次レチクルRのパターンの像が露光される。
このような露光に際して投影光学系POを介して形成されるパターン像のコントラストの向上を図るためには、投影光学系POの瞳透過率分布が目標範囲の分布(例えば平均値に対するばらつきが所定値以下となる均一な分布)であることが望ましい。このためには、必要に応じてオンボディで投影光学系POの瞳透過率分布を高精度に計測する必要がある。図3において、投影光学系POの瞳面PLPのX方向、Y方向の位置をx,yとして、照明光学系ILSから強度I1で投影光学系POに入射した光が、瞳面PLPの位置(x,y)を通過した後、投影光学系POから射出されるときの強度をI2とする。このとき、位置(x,y)における瞳透過率T(x,y)は、I2/I1で表される。そして、瞳面PLPにX方向及びY方向に所定間隔で格子状に設定した多くの位置(x,y)に関して瞳透過率を計測することで、瞳透過率分布が得られる。なお、実際に必要な瞳透過率分布は相対的な透過率分布であればよいため、計測対象は、例えば投影光学系POの光軸AX上での透過率を基準とした相対的な透過率分布でよい。
瞳透過率分布の計測に関して、単に照明光学系ILSから射出された照明光ELを投影光学系POを介して所定の検出装置で検出し、この検出結果から透過率分布を求めると、得られた透過率分布には、照明光学系ILS及びその検出装置の透過率分布が含まれてしまう。本実施形態の露光装置EXは、照明光学系ILS及びそのような検出装置の透過率分布に影響されることなく、投影光学系POの瞳透過率分布のみを高精度に計測するために計測装置10を備えている。計測装置10は、レチクルステージRSTにレチクルRの代わりに載置可能な計測用レチクル20と、計測用レチクル20を照明する照明光学系ILSと、ウエハステージWSTに装着されて投影光学系POの射出瞳と光学的に共役な面で光強度分布(以下、瞳強度分布という。)を計測する計測部8と、計測部8の計測値から投影光学系POの瞳透過率分布を算出する演算装置12とを備えている。照明光学系ILSは、露光用及び計測用で兼用されている。
まず、計測用レチクル20は、例えば露光装置EXに備えられているレチクルライブラリ(不図示)中に収容され、必要に応じてレチクルローダ系(不図示)によって取り出されてレチクルステージRSTに載置される。計測用レチクル20は、レチクルステージRST上に載置されるレチクルRとほぼ同じ大きさで同じ厚さの照明光ELを透過するガラス基板22と、ガラス基板22の上面22bにY方向(走査方向)にほぼ一定間隔で設けられた互いに同じ構成の複数(一例として3個)の楔ユニット24A,24B,24Cとを有する。ガラス基板22の下面22aには金属膜等の遮光膜22cが形成され、楔ユニット24Aに対応して遮光膜22c中にY方向に沿って3個の微小な円形開口よりなる第1、第2、及び第3のピンホール28A,28B,28Cが形成され、他の楔ユニット24B,24Cに対応する位置の遮光膜22cにもそれぞれ3個のピンホール(図2(A)参照)が形成されている。
計測用レチクル20をレチクルステージRST上に載置した状態では、図2(A)に示すように一例として、楔ユニット24Aが照明領域IARのX方向(非走査方向)の中央の位置にあり、他の楔ユニット24B,24Cは照明領域IARの中央に対して±X方向にずれた位置に配置されている。そして、楔ユニット24Aは、ガラス基板22の上面でピンホール28B及び28Cに対向する位置にそれぞれ例えば光透過性の接着剤を介して固定されたX軸及びY軸の楔型プリズム26X及び26Yを有する。ガラス基板22の上面でピンホール28Aに対向する位置は平坦部26Fのままである。一例として、照明領域IARの中央(投影光学系POの光軸AX上)の位置を第1の計測位置MP1とすると、図2(A)の状態では、ピンホール28Bが計測位置MP1に位置している。同様に、照明領域IAR内の楔ユニット24B,24Cに対応するX方向の位置にも第2及び第3等の計測位置を設定できる。
楔型プリズム26X,26Yは、図2(B)及び図2(C)に拡大して示すように、それぞれθy方向及びθx方向に左回り(又は右回りでもよい)に頂角がθaとなるように形成されている。また、楔型プリズム26Xはガラス基板22の上面22bに固定されているが、図2(B)に点線の位置B1で示すように、ガラス基板22の下面22aのピンホール28Bの直下に固定してもよい。同様に、楔型プリズム26Yもピンホール28Cの直下(下面22a)に固定してもよい。
次に、ウエハステージWST中に装着された計測部8は、図4(B)に示すように、投影光学系PO側に配置されるXY面に平行な照明光ELを透過する平板状のガラス基板41を有する。ガラス基板41の上面には遮光膜42が形成され、図4(A)に示すように、遮光膜42の中央付近に近接して3個の微小な円形開口よりなる第1、第2、第3の検出用ピンホール43A,43B,43Cが形成されている。検出用ピンホール43Aは単なる円形開口として使用されるが、他の検出用ピンホール43B及び43C上にはそれぞれ微小なX軸及びY軸の楔型プリズム44X及び44Yが例えば光透過性の接着剤を介して固定されている。
図4(B)は、図4(A)の検出用ピンホール43Aを通る面に沿った断面図であり、図4(C)は検出用ピンホール43B(又は43C)を通る面に沿った断面図である。図4(B)において、計測部8は、検出用ピンホール43A(又は43B,43C)を通過した照明光ELを集光するレンズL1,L2,L3よりなる受光光学系46と、受光光学系46で集光された照明光ELを受光する受光面P3を有するCCD又はCMOS型の2次元の撮像素子48と、ガラス基板41、受光光学系46、及び撮像素子48を保持する筐体40とを有する。検出用ピンホール43A〜43Cは受光光学系46の光軸AXDの近傍にある。計測部8のガラス基板41の上面(遮光膜42)を図3の投影光学系POの像面P2に合致させた状態で、受光光学系46によって、投影光学系POの瞳面PLP(又は射出瞳)に対して撮像素子48の受光面P3は光学的に共役になる。
図4(C)に示すように、検出用ピンホール43B,43C上のX軸及びY軸の楔型プリズム44X,44Yは、それぞれθy方向及びθx方向に左回り(又は右回りでもよい)に頂角がθbとなるように形成されている。計測用レチクル20の楔型プリズム26X,26Yの頂角θaと計測部8の楔型プリズム44X,44Yの頂角θbとの関係については後述する。
なお、計測部8において、ガラス基板41の検出用ピンホール43B,43Cを覆うように微小な楔型プリズム44X,44Yを固定する代わりに、図4(D)に示すように、ガラス基板41の上面の遮光膜42中の検出用ピンホール43B(又は43C)内のガラス基板41に楔型プリズム44X(又は44Y)の頂角と同じ傾斜角の傾斜面41a(又は41b)を形成してもよい。検出用ピンホール43B中に傾斜面41aを形成するためには、一例として、ガラス基板41の上面の遮光膜42にエッチング等で検出用ピンホール43Bを形成した後、その検出用ピンホール43B内にガラス材料を堆積する。その後、検出用ピンホール43Bを覆うようにポジ型のフォトレジストを塗布し、このフォトレジストを図4(E)に示すようにX方向に次第に透過率が低下するマスク(グレーマスク)50を介して露光して現像することで、X方向に次第に厚くなるレジストパターンが形成される。そして、このレジストパターン及びこの下層のガラス材料に光軸方向に沿って異方性エッチングを施すことで傾斜面41aを形成できる。
なお、ガラス材料を堆積させる代わりに、ガラス基板41の上面の遮光膜42にエッチング等で検出用ピンホール43Bを形成した後、その検出用ピンホール43B内を彫り込むようにエッチングして傾斜面41aを形成してもよい。
なお、ガラス材料を堆積させる代わりに、ガラス基板41の上面の遮光膜42にエッチング等で検出用ピンホール43Bを形成した後、その検出用ピンホール43B内を彫り込むようにエッチングして傾斜面41aを形成してもよい。
本実施形態では、投影光学系POの瞳透過率分布を計測する場合、まず第1段階として、図3に示すように、レチクルステージRSTをY方向に駆動して、計測用レチクル20の楔ユニット24Aの平坦部26Fの下面22aのピンホール28Aを物体面P1の計測位置MP1に移動する。なお、計測位置MP1以外の例えば光軸AXから離れた位置にある計測位置を使用してもよい。ウエハステージWSTを駆動して、投影光学系POに関して計測位置MP1と光学的に共役な像面P2の計測位置MP2に計測部8のガラス基板41の検出用ピンホール43Aを移動する。この状態で、照明光学系ILSによって照明光ELで計測用レチクル20を照明し、ピンホール28Aから射出される照明光ELを投影光学系PO、計測部8の検出用ピンホール43A及び受光光学系46を介して撮像素子48の受光面P3で検出する。
ピンホール28Aから射出される照明光ELは、図7(A)に示すように、投影光学系POの瞳面PLPで開口絞りAS内の光軸AXを中心とする領域(以下、第1瞳領域という)52を通過して、図7(C)に示すように、撮像素子48の受光面P3の光軸AXDを中心とする領域56に入射する。ピンホール28Aから射出される照明光ELのうち、光軸AXに平行に投影光学系POに入射して、瞳面PLPの中心(光軸AX)を通る光(主光線)を光線EL1と呼ぶものとする。光線EL1は、光軸AX及び光軸AXDに平行に計測部8の受光面P3の中心に入射する。撮像素子48の領域56内の第1の瞳強度分布に対応する撮像信号が演算装置12に供給される。
次に、第2段階として、図5に示すように、計測用レチクル20の楔ユニット24AのX軸の楔型プリズム26Xの下面のピンホール28Bを物体面P1の計測位置MP1に移動する。これに対応して、像面P2の計測位置MP2に計測部8のガラス基板41上のX軸の楔型プリズム44Xで覆われた検出用ピンホール43Bを移動する。なお、本実施形態では、一例として投影光学系POはX及びY方向に倒立像を形成するものとして、図5では楔型プリズム26Xの頂角は左回りに角度θaであるとしている。
この状態で、照明光学系ILSによって照明光ELで計測用レチクル20を照明すると、楔型プリズム26Xにおける光束の偏向(振れ)によって、計測用レチクル20の物体面P1のピンホール28Bから射出される照明光ELは、図3のピンホール28Aから射出される点線で示す照明光ELPに対して、全体としてX方向(すなわち、Y軸に平行な軸の回りであるθy方向)に左回りに角度δaだけ傾斜して投影光学系POに入射する。入射した照明光ELは、投影光学系POの瞳面PLPで図7(A)の第1瞳領域52からX方向に幅Δxだけ横ずれした第2瞳領域52Xを通過して投影光学系POから射出された後、計測部8の楔型プリズム44X及び検出用ピンホール43B等を介して撮像素子48で受光される。
このとき、楔型プリズム26Xが無い場合に光軸AXに平行に投影光学系POに入射する光線をEL1とすると、楔型プリズム26Xが有る場合に、その光線EL1はX方向に角度δaだけ傾斜して投影光学系POに入射し、瞳面PLPを通過した後、光軸AXに対して右回りに角度δbだけ傾斜して、計測部8の楔型プリズム44Xに入射する。本実施形態では、楔型プリズム44Xの頂角θbは、その角度δbで傾斜して入射する光線EL1をその角度δbを相殺するように偏向させて、光軸AXDに平行に検出用ピンホール43Bを通過させるように設定されている。この結果、全体として角度δbだけ傾斜して計測部8に入射した照明光ELは、楔型プリズム44Xによって、全体として受光光学系46の光軸AXDに平行になるように偏向されて撮像素子48の受光面P3の図7(C)に示す領域56(図3の検出用ピンホール43Aを通過した照明光の入射領域と同じ領域)に入射する。撮像素子48の領域56内の第2の瞳強度分布に対応する検出信号が演算装置12に供給される。
ここで、計測用レチクル20の楔型プリズム26Xの頂角θaと計測部8の楔型プリズム44Xの頂角θbとの関係につき説明する。まず、図5において、光軸AXに対して傾斜して投影光学系POに入射する光線EL1の角度δaが楔型プリズム26Xにおける偏向角(振れ角)である。従って、楔型プリズム26Xの光学材料の屈折率をnとして、頂角θaが小さいという近似のもとで、次式が成立する。
δa=(n−1)θa …(1A)
また、投影光学系POに入射した光線EL1が、光軸AXに対して角度δbで傾斜して楔型プリズム44Xに入射して光軸AXDに平行になるということは、楔型プリズム44Xにおける偏向角(振れ角)が−δbであることを意味している。従って、楔型プリズム44Xの光学材料の屈折率をnとして、頂角θbが小さいという近似のもとで、次式が成立する。
また、投影光学系POに入射した光線EL1が、光軸AXに対して角度δbで傾斜して楔型プリズム44Xに入射して光軸AXDに平行になるということは、楔型プリズム44Xにおける偏向角(振れ角)が−δbであることを意味している。従って、楔型プリズム44Xの光学材料の屈折率をnとして、頂角θbが小さいという近似のもとで、次式が成立する。
−δb=(n−1)θb …(1B)
また、投影光学系POについては正弦条件が成立しているため、物体面P1から像面P2に対する投影倍率をβとすると、光線EL1が投影光学系POに入射するときの角度δa及び投影光学系POから射出するときの角度δbに関して次の関係が成立する。なお、図5では投影光学系POは倒立像を形成しているため、投影倍率βは負の値であり、角度δa(左回りの値)を正の値とすると、角度δb(右回りの値)は負の値となる。
また、投影光学系POについては正弦条件が成立しているため、物体面P1から像面P2に対する投影倍率をβとすると、光線EL1が投影光学系POに入射するときの角度δa及び投影光学系POから射出するときの角度δbに関して次の関係が成立する。なお、図5では投影光学系POは倒立像を形成しているため、投影倍率βは負の値であり、角度δa(左回りの値)を正の値とすると、角度δb(右回りの値)は負の値となる。
sinδa/sinδb=β …(2)
この式は、投影光学系POが縮小倍率である(βの絶対値が1より小さい)場合、光線EL1の入射時の傾斜角δaに対して射出時の傾斜角δbは絶対値が大きいことを意味する。
また、角度δa,δbが小さいという条件のもとで、式(2)は次のように近似できる。
この式は、投影光学系POが縮小倍率である(βの絶対値が1より小さい)場合、光線EL1の入射時の傾斜角δaに対して射出時の傾斜角δbは絶対値が大きいことを意味する。
また、角度δa,δbが小さいという条件のもとで、式(2)は次のように近似できる。
δa/δb=β …(2A)
式(2A)に式(1A)、(1B)を代入すると、楔型プリズム26X,44Xの頂角θa,θbに関して次の近似式が得られる。
θa/θb=−β …(3A)、すなわち θb=−θa/β …(3B)
投影光学系POが縮小倍率である場合、楔型プリズム26X,44Xの屈折率が同じであれば、式(3B)より楔型プリズム44Xの頂角θb(絶対値)は楔型プリズム26Xの頂角θaよりも大きくなる。
式(2A)に式(1A)、(1B)を代入すると、楔型プリズム26X,44Xの頂角θa,θbに関して次の近似式が得られる。
θa/θb=−β …(3A)、すなわち θb=−θa/β …(3B)
投影光学系POが縮小倍率である場合、楔型プリズム26X,44Xの屈折率が同じであれば、式(3B)より楔型プリズム44Xの頂角θb(絶対値)は楔型プリズム26Xの頂角θaよりも大きくなる。
一例として、投影光学系POの投影倍率を1/4とすると、βは−1/4になるため、式(3B)より次の関係が近似的に成立する。
θb=4・θa …(3C)
また、図7(C)の撮像素子48の1つの画素48aと共役な投影光学系POの瞳面PLP上の領域を図7(A)の単位瞳領域48aPとすると、上記の2回の計測時の瞳領域52及び52X間のX方向の位置ずれ量Δxは、一例としてその単位瞳領域48aPの幅程度である。また、投影光学系POの瞳面PLPより上流の光学系(不図示の前群光学系)の焦点距離をFfとすると、ずれ量Δxは近似的にFf・δaとなる。このため、このずれ量(Ff・δa)が単位瞳領域48aPの幅程度になるように楔型プリズム26Xの頂角θaを設定すればよい。
θb=4・θa …(3C)
また、図7(C)の撮像素子48の1つの画素48aと共役な投影光学系POの瞳面PLP上の領域を図7(A)の単位瞳領域48aPとすると、上記の2回の計測時の瞳領域52及び52X間のX方向の位置ずれ量Δxは、一例としてその単位瞳領域48aPの幅程度である。また、投影光学系POの瞳面PLPより上流の光学系(不図示の前群光学系)の焦点距離をFfとすると、ずれ量Δxは近似的にFf・δaとなる。このため、このずれ量(Ff・δa)が単位瞳領域48aPの幅程度になるように楔型プリズム26Xの頂角θaを設定すればよい。
なお、上記の関係式に代えて、以下の関係式を用いてもよい。
なお、以下の説明においては、図8に示すように、平行平板形状のガラス基板22の下面に円形開口28Dが形成されるように遮光膜22dが形成され、円形開口28D内を彫り込むようにエッチングして傾斜面が形成された計測用レチクル20を用い、平行平板形状のガラス基板41の上面に円形開口43Dが形成されるように遮光膜42が形成され、円形開口43D内を彫り込むようにエッチングして傾斜面が形成されたものを用いる場合を前提とする。
なお、以下の説明においては、図8に示すように、平行平板形状のガラス基板22の下面に円形開口28Dが形成されるように遮光膜22dが形成され、円形開口28D内を彫り込むようにエッチングして傾斜面が形成された計測用レチクル20を用い、平行平板形状のガラス基板41の上面に円形開口43Dが形成されるように遮光膜42が形成され、円形開口43D内を彫り込むようにエッチングして傾斜面が形成されたものを用いる場合を前提とする。
ここで、楔型プリズムに相当する光学部材の屈折率、すなわちガラス基板22の計測光波長での屈折率をn1とし、その射出側の媒質の計測光波長での屈折率をn2とし、楔型プリズムの頂角に相当する、傾斜面と光軸直交面とのなす角度をε、楔型プリズムに相当する部分を経て射出される計測光EL1の光軸AXとなす角度をζとすると、スネルの法則から
n1・sinε=n2・sin(ε+ζ) …(4A)
が成立する。
角度εおよびζが十分に小さい場合、
n1・ε=n2(ε+ζ) …(4B)
という近似が成立するため、式(4A)は近似的に次のようになる。
{(n1−n2)/n2}・ε=ζ …(4C)
n1・sinε=n2・sin(ε+ζ) …(4A)
が成立する。
角度εおよびζが十分に小さい場合、
n1・ε=n2(ε+ζ) …(4B)
という近似が成立するため、式(4A)は近似的に次のようになる。
{(n1−n2)/n2}・ε=ζ …(4C)
同様に、楔型プリズムに相当する光学部材の屈折率、すなわちガラス基板41の計測光波長での屈折率をn4とし、その入射側の媒質の計測光波長での屈折率をn3とし、楔型プリズムの頂角に相当する、傾斜面と光軸直交面とのなす角度をρ、投影光学系POを経て楔型プリズムに相当する部分に入射する計測光EL1の光軸AXとなす角度をγとすると、スネルの法則から、
n3・sin(γ+ρ)=n4・sinρ …(4D)
が成立する。
角度γ及びρが十分に小さい場合、
n3(γ+ρ)=n4・ρ …(4E)
という近似が成立する。
n3・sin(γ+ρ)=n4・sinρ …(4D)
が成立する。
角度γ及びρが十分に小さい場合、
n3(γ+ρ)=n4・ρ …(4E)
という近似が成立する。
ここで、kを定数として、
γ=ζ/(k・n3) …(4F)
とおくと、
ζ/k+n3・ρ=n4・ρ …(4G)
となり、さらに変形して、
k(n4−n3)・ρ=ζ …(4H)
を得る。これより、
{(n1−n2)/n2}・ε=k・(n4−n3)・ρ …(4I)
となる。
γ=ζ/(k・n3) …(4F)
とおくと、
ζ/k+n3・ρ=n4・ρ …(4G)
となり、さらに変形して、
k(n4−n3)・ρ=ζ …(4H)
を得る。これより、
{(n1−n2)/n2}・ε=k・(n4−n3)・ρ …(4I)
となる。
例えば、投影光学系POの像面側の液体を介して露光する液浸法を適用する場合、露光光(計測光)の波長での液体の屈折率n3を1.44とし、露光光(計測光)の波長での屈折率n1及びn4を1.56とし、定数kを0.25とすると、式(4I)から次の関係式を得る。
−17.2ε=ρ
このとき、図8から明らかな通り、楔の頂角の方向は逆向きとなる。
−17.2ε=ρ
このとき、図8から明らかな通り、楔の頂角の方向は逆向きとなる。
次に、上記の第1及び第2の瞳強度分布から瞳透過率分布を求めるための演算装置12における処理方法の一例を説明する。ここで、図3及び図5の状態で、計測部8の撮像素子48の撮像信号から得られる受光面P3のX方向の位置xにおける光強度をそれぞれI(x)、I’(x)とする。なお、受光面P3の位置xに対応する投影光学系POの瞳面PLPのX方向の位置もxとする。このとき、照明光学系ILSから投影光学系POの瞳面PLPの位置xに入射する照明光ELの入射時の強度をIIU(x)、瞳面PLPの位置xにおける透過率(瞳透過率)をTPL(x)、受光面P3の位置xに入射する光に対する計測部8の透過率をTMA(x)とすると、次の関係が成立する。
I(x)=IIU(x)・TPL(x)・TMA(x) …(5A)
I’(x)=IIU(x)・TPL(x+Δx)・TMA(x) …(5B)
なお、図5の状態では、照明光ELは投影光学系POの瞳面PLPでΔxだけずれた瞳領域を通過するため、式(5B)中の投影光学系POの瞳透過率はTPL(x+Δx)となっている。これに対して、図5の状態で、照明光学系ILSから投影光学系POに入射して瞳面PLPでΔxだけずれた領域を通過する照明光の入射時の強度は、図3の位置ずれがない状態で入射するときの強度と同じである。このため、式(5B)中の照明光学系ILSから投影光学系POに入射する照明光の強度はIIU(x)のままでよい。また、図7(C)に示すように、図3及び図5の状態で計測部8の受光面P3で照明光ELは同じ領域56に入射しているため、式(5B)中の計測部8の透過率TMA(x)は式(5A)と同じである。
I’(x)=IIU(x)・TPL(x+Δx)・TMA(x) …(5B)
なお、図5の状態では、照明光ELは投影光学系POの瞳面PLPでΔxだけずれた瞳領域を通過するため、式(5B)中の投影光学系POの瞳透過率はTPL(x+Δx)となっている。これに対して、図5の状態で、照明光学系ILSから投影光学系POに入射して瞳面PLPでΔxだけずれた領域を通過する照明光の入射時の強度は、図3の位置ずれがない状態で入射するときの強度と同じである。このため、式(5B)中の照明光学系ILSから投影光学系POに入射する照明光の強度はIIU(x)のままでよい。また、図7(C)に示すように、図3及び図5の状態で計測部8の受光面P3で照明光ELは同じ領域56に入射しているため、式(5B)中の計測部8の透過率TMA(x)は式(5A)と同じである。
演算装置12では、式(5B)の光強度I’(x)(第2の瞳強度分布)を式(5A)の光強度I(x)(第1の瞳強度分布)で除算して以下の式(6)の関数f(x)を求める。この関数f(x)を位置xに関して1次近似すると式(7)が得られる。ただし、式(7)中の瞳透過率TPL(x+Δx)については式(8)の近似を行っている。式(7)から以下の式(9)が得られる。
その式(9)の両辺の積分を取ると以下の式(11)が得られ、式(11)から以下の式(12)が得られる。なお、Cは積分定数である。そして、式(12)から式(13)の投影光学系POの位置xの瞳透過率TPL(x)(X方向の瞳透過率分布)が得られる。
式(13)は、式(6)の関数f(x)をX方向に積分した値(デジタル演算の場合には積算値)と位置xとの差分をX方向への位置ずれ量Δxで除算して得られる値の指数関数が投影光学系POの瞳透過率に比例していることを意味している。なお、式(13)中のC’ は積分定数であり、得られる瞳透過率分布は相対値である。
実際には、図7(A)の投影光学系POの瞳面PLPにおいて、Y方向に単位瞳領域48aPの幅の間隔で設定されるX方向に平行な複数の計測ライン54Xに対応してそれぞれ式(13)の瞳透過率分布が求められる。
次に、第3段階として、図6に示すように、計測用レチクル20の楔ユニット24AのY軸の楔型プリズム26Yの下面のピンホール28Cを物体面P1の計測位置MP1に移動する。これに対応して、像面P2の計測位置MP2に計測部8のガラス基板41上のY軸の楔型プリズム44Yで覆われた検出用ピンホール43Cを移動する。この状態で、照明光学系ILSによって照明光ELで計測用レチクル20を照明すると、楔型プリズム26Yにおける光束の偏向(振れ)によって、ピンホール28Cから射出される照明光ELは、図3のピンホール28Aから射出される点線で示す照明光ELPに対して、全体としてY方向(すなわち、X軸に平行な軸の回りであるθx方向)に左回りに角度δaだけ傾斜して投影光学系POに入射する。入射した照明光ELは、投影光学系POの瞳面PLPで図7(B)の第1瞳領域52からY方向に幅Δyだけ横ずれした第3瞳領域52Yを通過して投影光学系POから射出された後、計測部8の楔型プリズム44Y及び検出用ピンホール43C等を介して撮像素子48で受光される。
次に、第3段階として、図6に示すように、計測用レチクル20の楔ユニット24AのY軸の楔型プリズム26Yの下面のピンホール28Cを物体面P1の計測位置MP1に移動する。これに対応して、像面P2の計測位置MP2に計測部8のガラス基板41上のY軸の楔型プリズム44Yで覆われた検出用ピンホール43Cを移動する。この状態で、照明光学系ILSによって照明光ELで計測用レチクル20を照明すると、楔型プリズム26Yにおける光束の偏向(振れ)によって、ピンホール28Cから射出される照明光ELは、図3のピンホール28Aから射出される点線で示す照明光ELPに対して、全体としてY方向(すなわち、X軸に平行な軸の回りであるθx方向)に左回りに角度δaだけ傾斜して投影光学系POに入射する。入射した照明光ELは、投影光学系POの瞳面PLPで図7(B)の第1瞳領域52からY方向に幅Δyだけ横ずれした第3瞳領域52Yを通過して投影光学系POから射出された後、計測部8の楔型プリズム44Y及び検出用ピンホール43C等を介して撮像素子48で受光される。
このとき、Y軸の楔型プリズム26Y,44Yの頂角θa及びθbはそれぞれ図5のX軸の楔型プリズム26X,44Xの頂角と同じであるため、投影光学系POを通過した照明光ELは、全体として光軸AXに対して右回りに角度δbだけ傾斜して、計測部8の楔型プリズム44Yに入射する。そして、楔型プリズム44Yでその角度δbを相殺するようにY方向に偏向された照明光ELは、検出用ピンホール43Cから全体として受光光学系46の光軸AXDに平行になるように射出されて撮像素子48の受光面P3の図7(C)に示す領域56に入射する。撮像素子48の領域56内の第3の瞳強度分布に対応する検出信号が演算装置12に供給される。
演算装置12では、第1及び第3の瞳強度分布に対して上記の式(6)及び式(13)と同様の演算を施すことによって、図7(B)の投影光学系POの瞳面PLPにおいて、X方向に単位瞳領域48aPの幅の間隔で設定されるY方向に平行な複数の計測ライン54Yに対応してそれぞれY方向の瞳透過率分布を求めることができる。
なお、図5の第2の瞳強度分布の計測時に、計測部8の検出用ピンホール43B上の楔型プリズム44Xが無い場合には、計測部8の受光面P3に入射する照明光ELの位置は全体としてX方向に−Δx(瞳面PLP上の幅に換算した値)だけ変化するため、式(5B)の光強度I’(x)の代わりに次の式(14)の光強度I’’(x)が計測される。この場合、図3の第1の瞳強度分布の計測で得られる光強度I(x)は次の式(15)(式(5A)と同じ式)であるため、式(6)に対応する関数f(x)を計算するために、式(14)を式(15)で除算しても、得られる式(16)の関数f(x)には計測部8の透過率分布が含まれる。
なお、図5の第2の瞳強度分布の計測時に、計測部8の検出用ピンホール43B上の楔型プリズム44Xが無い場合には、計測部8の受光面P3に入射する照明光ELの位置は全体としてX方向に−Δx(瞳面PLP上の幅に換算した値)だけ変化するため、式(5B)の光強度I’(x)の代わりに次の式(14)の光強度I’’(x)が計測される。この場合、図3の第1の瞳強度分布の計測で得られる光強度I(x)は次の式(15)(式(5A)と同じ式)であるため、式(6)に対応する関数f(x)を計算するために、式(14)を式(15)で除算しても、得られる式(16)の関数f(x)には計測部8の透過率分布が含まれる。
従って、楔型プリズム44X,44Yを使用しない場合には、投影光学系POの瞳透過率分布を計測部8の透過率分布と分離して計測することができない。
また、計測部8の透過率分布を予め求めておいてもよい。このためには、図3の状態で第1の瞳強度分布を計測した後、計測用レチクル20のピンホール28Aはそのままにしておいて、計測位置MP2に、図4(C)の計測部8の楔型プリズム44Xの下の検出用ピンホール43Bを移動して、第2の瞳強度分布を計測する。図4(C)において、照明光ELは検出用ピンホール43Bから全体として角度δbだけ傾斜して、受光光学系46を介して楔型プリズム44Xが無い場合の照明光ELAの光路に対してX方向に横ずれして撮像素子48に入射する。
また、計測部8の透過率分布を予め求めておいてもよい。このためには、図3の状態で第1の瞳強度分布を計測した後、計測用レチクル20のピンホール28Aはそのままにしておいて、計測位置MP2に、図4(C)の計測部8の楔型プリズム44Xの下の検出用ピンホール43Bを移動して、第2の瞳強度分布を計測する。図4(C)において、照明光ELは検出用ピンホール43Bから全体として角度δbだけ傾斜して、受光光学系46を介して楔型プリズム44Xが無い場合の照明光ELAの光路に対してX方向に横ずれして撮像素子48に入射する。
この場合、撮像素子48に入射する照明光ELの位置は全体としてX方向にΔx(瞳面PLP上の幅に換算した値)だけ変化するため、式(5B)の光強度I’(x)の代わりに次の式(17)の光強度I'''(x)で表される光強度分布が計測される。また、図3の第1の瞳強度分布の計測で得られる光強度I(x)は次の式(18)(式(5A)と同じ式)である。このため、式(6)に対応する関数f(x)を計算するために、式(17)を式(18)で除算することによって、式(19)で示すように投影光学系POの透過率TPL(x)から分離した形で計測部8の透過率TMA(x)のみの関数を求めることができる。従って、式(19)の関数f(x)を用いて、上記の式(13)と同様の次の式(20)から計測部8のみのX方向の透過率分布を求めることができる。
同様に、図3の計測位置MP2に、図4(C)の計測部8の楔型プリズム44Yの下の検出用ピンホール43Cを移動して、第3の瞳強度分布を計測することで、式(20)と同様の式から計測部8のみのY方向の透過率分布を求めることができる。このように計測部8の透過率分布が求められたときには、上記の式(16)中のTMA(x−Δx)/TMA(x)は既知の係数となる。この場合、投影光学系POの瞳透過率分布の計測時には、計測部8では楔型プリズム44X,44Yで覆われていない検出用ピンホール43Aのみを使用することも可能である。
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、計測装置10を用いる投影光学系POの瞳透過率分布の計測動作を含む露光動作の一例につき図9のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御系16によって制御される。
まず、図9のステップ102において、レチクルローダ系(不図示)により図1のレチクルステージRSTに計測用レチクル20をロードし、ガラス基板22に形成されたアライメントマーク(不図示)を用いて計測用レチクル20のアライメントを行う。また、一例として、照明光学系ILSの照明瞳面IPPにおける二次光源は最大の円形(σ値がほぼ1の円形)として、投影光学系POの開口絞りASの開口径は最大にしておく。そして、レチクルステージRSTを駆動して、図3に示すように、計測用レチクル20のピンホール28Aを計測位置MP1に移動し(ステップ104)、ウエハステージWSTを駆動して計測部8の検出用ピンホール43Aを対応する計測位置MP2に移動し(ステップ106)、照明光学系ILSからの照明光ELを物体面P1のピンホール28Aを介して投影光学系POに供給し、投影光学系POを通過した照明光ELを計測部8の検出用ピンホール43Aを介して撮像素子48の受光面P3で検出し、第1の瞳強度分布を計測する(ステップ108)。
まず、図9のステップ102において、レチクルローダ系(不図示)により図1のレチクルステージRSTに計測用レチクル20をロードし、ガラス基板22に形成されたアライメントマーク(不図示)を用いて計測用レチクル20のアライメントを行う。また、一例として、照明光学系ILSの照明瞳面IPPにおける二次光源は最大の円形(σ値がほぼ1の円形)として、投影光学系POの開口絞りASの開口径は最大にしておく。そして、レチクルステージRSTを駆動して、図3に示すように、計測用レチクル20のピンホール28Aを計測位置MP1に移動し(ステップ104)、ウエハステージWSTを駆動して計測部8の検出用ピンホール43Aを対応する計測位置MP2に移動し(ステップ106)、照明光学系ILSからの照明光ELを物体面P1のピンホール28Aを介して投影光学系POに供給し、投影光学系POを通過した照明光ELを計測部8の検出用ピンホール43Aを介して撮像素子48の受光面P3で検出し、第1の瞳強度分布を計測する(ステップ108)。
その後、図5に示すように、計測用レチクル20の楔型プリズム26Xの下のピンホール28Bを計測位置MP1に移動し(ステップ110)、計測部8の楔型プリズム44Xの下の検出用ピンホール43Bを対応する計測位置MP2に移動し(ステップ112)、照明光学系ILSからの照明光ELを物体面P1上の楔型プリズム26XでX方向に偏向させてピンホール28Bを介して投影光学系POに供給し、投影光学系POを通過した照明光ELを計測部8の像面P2上の楔型プリズム44Xで相殺するように偏向させて検出用ピンホール43Bを介して撮像素子48で検出し、第2の瞳強度分布を計測する(ステップ114)。さらに、図6に示すように、計測用レチクル20の楔型プリズム26Yの下のピンホール28Cを計測位置MP1に移動し(ステップ116)、計測部8の楔型プリズム44Yの下の検出用ピンホール43Cを対応する計測位置MP2に移動し(ステップ118)、照明光学系ILSからの照明光ELを物体面P1の楔型プリズム26YでY方向に偏向させてピンホール28Cを介して投影光学系POに供給し、投影光学系POを通過した照明光ELを計測部8の楔型プリズム44Yで相殺するように偏向させて検出用ピンホール43Cを介して撮像素子48で検出し、第3の瞳強度分布を計測する(ステップ120)。
そして、演算装置12において、得られた第2の瞳強度分布を第1の瞳強度分布で除算して式(6)の関数f(x)を求め、関数f(x)の計測方向(X方向)への積分(実際には積算される)を行い(ステップ122)、その関数f(x)の積分値(積算値)を含む式(13)の演算を行って、投影光学系POのX方向の瞳透過率分を求める(ステップ124)。さらに、得られた第3の瞳強度分布を第1の瞳強度分布で除算して式(6)に対応するY方向の位置yの関数f(y)を求め、関数f(y)の計測方向(Y方向)への積分(積算)を行い(ステップ126)、その関数f(y)の積分値(積算値)を含む式(13)に対応する演算を行って、投影光学系POのY方向の瞳透過率分を求める(ステップ128)。
さらに、ステップ128では、得られたX方向及びY方向の瞳透過率分布を合成して投影光学系POの瞳面PLPの全面での瞳透過率分布を求める。一例として、瞳面PLPの中心(光軸AX上)の透過率をある基準値Taxと仮定し、この基準値Taxから例えば図7(B)の瞳面PLPの中心を通るY方向の計測ライン54Ya上の瞳透過率分布の相対値を求める。さらに、この計測ライン54Ya上の瞳透過率分布の相対値から図7(A)の複数のX方向の計測ライン54X上の瞳透過率分布の相対値を求めることで、瞳面PLP内の全面の瞳透過率分布を光軸AX上の基準値Taxに対する相対値として求めることができる。
なお、同様に基準値Taxを用いて光軸AXを通るX方向の計測ライン54Xに沿って瞳透過率分布の相対値を求め、この相対値を基準として図7(B)の複数のY方向の計測ライン54Y上の瞳透過率分布の相対値を求めてもよい。さらに、複数のX方向の計測ライン54X上の瞳透過率分布の相対値と、複数のY方向の計測ライン54Y上の瞳透過率分布の相対値との平均値を、瞳面PLPの瞳透過率分布としてもよい。その他に、一例として、照明光学系ILSから投影光学系POに例えばσ値(コヒーレンスファクタ)の小さい光束を供給し、この供給時の光強度と射出時の光強度とを計測することで、投影光学系POの瞳面PLPの中心(光軸AX上)の透過率の絶対値を求めてもよい。この透過率の絶対値をその光軸AX上の透過率の基準値Taxとして用いることで、瞳面PLP内の全面の瞳透過率の絶対値の分布を求めることができる。演算装置12では、求めた投影光学系POの瞳透過率分布の情報を主制御系16に供給する。
この場合、例えば求められた瞳透過率分布の平均値からのばらつきが好ましい値よりも大きいような場合には、主制御系16は一例として照明光学系ILSの空間光変調器32の制御部(不図示)を介して照明瞳面IPPにおける光強度分布(照明条件)を補正する(ステップ130)。例えば投影光学系POの瞳面PLPの中央の透過率が周辺の透過率よりもわずかに高いような場合には、一例として、空間光変調器32を用いて、照明瞳面IPPの中央の光強度を周辺の光強度よりもわずかに低くしてもよい。これによって、投影光学系POの瞳面PLPを通過する照明光ELの光強度がより均一になり、レチクルRのパターンの像をより高いコントラストで露光できるようになる。
そして、レチクルステージRSTの計測用レチクル20を実際の露光用のレチクルRに交換し(ステップ132)、照明光学系ILSの照明条件をレチクルRに合わせて設定した後、露光装置EXにおいてレチクルRのパターンの像を所定ロットのウエハに露光する(ステップ134)。このステップ102〜130の動作は例えば定期的に行うようにしてもよいが、必要に応じて随時行うようにしてもよい。
この動作によれば、計測用レチクル20及び計測部8を用いてオンボディで、照明光学系ILS及び計測部8の透過率分布に影響されることなく、投影光学系POの瞳透過率分布を高精度に計測できる。さらに、瞳面PLPを通過する照明光ELの瞳強度分布と、瞳面PLPでX方向又はY方向に位置ずれした領域を通過する照明光ELの瞳強度分布とを計測することは、光強度分布の面計測を行うことを意味する。このような面計測によれば、点計測に比べて計測効率が高いとともに、SN比が高くなるため、きわめて高い計測精度が得られる。
さらに、必要に応じて対応する照明条件の補正を行うことができるため、常にレチクルRのパターンの像を高いコントラストで高精度にウエハに露光できる。さらに、照明光学系ILSの開口絞り35の交換等を行う必要がなく、レチクルステージRSTに計測用レチクル20を載置するのみで、極めて効率的に高速に投影光学系POの瞳透過率分布を計測できる。また、計測装置10の計測用レチクル20は楔型プリズム26X,26Y等を有するのみで、高精度な回折格子のような高価な部材を使用する必要なないため、計測装置10を安価に製造できる。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは、投影光学系PO(被検光学系)の瞳透過率分布を計測する計測装置10を備えている。そして、計測装置10は物体面P1(第1面)を介して投影光学系POを照明する照明光学系ILSと、照明光学系ILSからの照明光ELの光路中であって物体面P1上の位置である計測位置MP1(第1位置)に退避可能な状態で配置されるとともに、入射する光をX方向に角度δaで偏向させるX軸の楔型プリズム26X(第1偏向部材)と、照明光学系ILSから物体面P1を介して投影光学系POに入射する照明光ELを受光して、投影光学系POの射出瞳(又は瞳面PLP)と光学的に共役な受光面P3(第2面)で光強度分布を計測する計測部8と、演算装置12と、を備えている。そして、演算装置12は、楔型プリズム26Xが計測位置MP1から退避している第1状態及び計測位置MP1に配置されている第2状態でそれぞれ計測部8によって計測される第1及び第2の瞳強度分布(光強度分布)の計測値に基づいて、投影光学系POの瞳のX方向の透過率分布を求める。
また、計測装置10を用いて影光学系POの瞳透過率分布を計測する方法は、照明光学系ILSから物体面P1を介して投影光学系POに照明光ELを入射させ、投影光学系POの射出瞳と光学的に共役な受光面P3で第1の瞳強度分布を計測するステップ104〜108と、照明光学系ILSから投影光学系POに向けて照明光ELを供給し、物体面P1に配置されたX軸の楔型プリズム26Xを用いてその供給された照明光ELをX方向(第1方向)に(Y軸に平行な軸の回りに)角度δaで偏向させて、そのX方向に偏光した照明光ELを投影光学系POに入射させ、受光面P3で第2の瞳強度分布を計測するステップ110〜114と、第1及び第2の瞳強度分布の計測値に基づいて投影光学系POの瞳のX方向の透過率分布を求めるステップ122,124と、を有する。
本実施形態によれば、物体面P1で照明光を偏向しない状態と偏向する状態とで計測部8によって瞳強度分布(光強度分布)を計測することによって、照明光学系ILS及び計測部8の透過率分布に影響されることなく、かつ比較的安価な計測装置10(計測機構)を用いて投影光学系POの瞳透過率分布を効率的に計測できる。
また、露光装置EXは、照明光学系ILSからの照明光ELでレチクルRのパターン及び投影光学系POを介してウエハW(基板)を露光する露光装置であって、投影光学系POの瞳透過率分布を計測するための計測装置10と、計測装置10の計測結果に応じて照明光学系ILSの照明条件(照明瞳面IPPの光強度分布)を変更する主制御系16(制御装置)(ステップ130)と、を備えている。
また、露光装置EXは、照明光学系ILSからの照明光ELでレチクルRのパターン及び投影光学系POを介してウエハW(基板)を露光する露光装置であって、投影光学系POの瞳透過率分布を計測するための計測装置10と、計測装置10の計測結果に応じて照明光学系ILSの照明条件(照明瞳面IPPの光強度分布)を変更する主制御系16(制御装置)(ステップ130)と、を備えている。
この露光装置EX、又は露光装置EXによる露光方法によれば、必要に応じて、照明光学系ILSの照明条件を補正することで、投影光学系POの瞳面PLPを通過する照明光の光強度分布をより均一にさせて、レチクルRのパターンの投影光学系POによる像をより高いコントラストでウエハに露光できる。
なお、本実施形態では、投影光学系POのX方向及びY方向の瞳透過率分布を求めているが、例えば投影光学系POのX方向のみの瞳透過率分布を求めるのみでもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系POのX方向及びY方向の瞳透過率分布を求めているが、例えば投影光学系POのX方向のみの瞳透過率分布を求めるのみでもよい。
次に、第2の実施形態につき図10を参照して説明する。本実施形態の露光装置の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、投影光学系POの瞳透過率分布を計測するための計測装置の構成が一部異なっている。以下、図10において、図5に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10は、本実施形態の計測装置10Aを備えた露光装置EXAにおいて、投影光学系POのX方向の瞳透過率分布を計測している状態を示す。図10において、計測装置10Aは、レチクルステージRSTに載置可能な計測用レチクル20と、ウエハステージWSTに装着された計測部8Aと、ウエハステージWSTに対して計測部8AをX方向に傾斜させるX軸の駆動部56Xと、計測部8AをY方向に傾斜させるY軸の駆動部56Y(不図示)とを備えている。そして、計測部8Aは、検出用ピンホール43Aが形成されたガラス基板41と、受光光学系46と、撮像素子48と、これらの部材を固定する筐体40とを有する。駆動部56X(56Y)で計測部8AをX方向(Y方向)に傾斜させることで、受光光学系46の光軸AXD及び撮像素子48の受光面P3も同じ角度でX方向(Y方向)に傾斜する。また、計測部8Aのガラス基板41には検出用ピンホール43Aが形成されているのみで、楔型プリズム44X,44Yは設けられていない。これ以外の構成は第1の実施形態と同様である。
図10は、本実施形態の計測装置10Aを備えた露光装置EXAにおいて、投影光学系POのX方向の瞳透過率分布を計測している状態を示す。図10において、計測装置10Aは、レチクルステージRSTに載置可能な計測用レチクル20と、ウエハステージWSTに装着された計測部8Aと、ウエハステージWSTに対して計測部8AをX方向に傾斜させるX軸の駆動部56Xと、計測部8AをY方向に傾斜させるY軸の駆動部56Y(不図示)とを備えている。そして、計測部8Aは、検出用ピンホール43Aが形成されたガラス基板41と、受光光学系46と、撮像素子48と、これらの部材を固定する筐体40とを有する。駆動部56X(56Y)で計測部8AをX方向(Y方向)に傾斜させることで、受光光学系46の光軸AXD及び撮像素子48の受光面P3も同じ角度でX方向(Y方向)に傾斜する。また、計測部8Aのガラス基板41には検出用ピンホール43Aが形成されているのみで、楔型プリズム44X,44Yは設けられていない。これ以外の構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態で投影光学系POの瞳透過率分布を計測する場合、第1の瞳強度分布を求める動作は第1の実施形態の図3及びステップ104〜108の動作と同じである。そして、本実施形態で第2の瞳強度分布を求めるときに、図10に示すように、物体面P1の計測位置に計測用レチクル20の楔型プリズム26Xの下のピンホール28Bを移動し、対応する像面P2の計測位置に計測部8Aの検出用ピンホール43Aを移動する。さらに、投影光学系POから全体として角度δbだけ傾斜して射出される照明光EL(中心の光線をEL1とする)の傾斜角を相殺するように、すなわちその角度δbだけ、駆動部56Xを介して計測部8AをX方向に傾斜させて、撮像素子48で第2の瞳強度分布を計測する。この際に、撮像素子48の受光面P3では、図7(C)に示すように、第1の瞳強度分布を計測するときと同じ領域56に照明光ELが入射する。従って、得られた第1及び第2の瞳強度分布を第1の実施形態と同じように演算処理することによって、照明光学系ILS及び計測部8Aの透過率分布の影響がない状態で、投影光学系POのみのX方向の瞳透過率分布を効率的に計測できる。
同様に、第3の瞳強度分布を求めるときには、物体面P1の計測位置に計測用レチクル20の楔型プリズム26Yの下のピンホール28Cを移動し(図6参照)、対応する像面P2の計測位置には計測部8Aの検出用ピンホール43Aを設置したままにしておく。そして、投影光学系POから全体として角度δbだけY方向に傾斜して射出される照明光ELの傾斜角を相殺するように、すなわちその角度δbだけ、駆動部(不図示)を介して計測部8AをY方向に傾斜させて、撮像素子48で第3の瞳強度分布を計測する。そして、得られた第1及び第3の瞳強度分布を第1の実施形態と同じように演算処理することによって、投影光学系POのみのY方向の瞳透過率分布を効率的に計測できる。
このように本実施形態によれば、計測部8Aの構成も簡素化した上で、投影光学系POの瞳透過率分布を効率的に、かつ高精度に計測できる。
なお、上述の実施形態では、楔型プリズムを平行平板形状のガラス基板の上に設けたが、受光光学系46のうち最も入射側に配置されるレンズL1を入射側に平面を向けた平凸形状として、その平凸レンズL1の平面に楔型プリズムを設けてもよい。また、受光光学系46のうち最も入射側に配置されるレンズL1を入射側に平面を向けた平凸形状とし、平凸レンズL1と、楔型プリズムが設けられた平行平板形状のガラス基板とを接合する構成であってもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX,EXA又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX,EXA又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
なお、上述の実施形態では、楔型プリズムを平行平板形状のガラス基板の上に設けたが、受光光学系46のうち最も入射側に配置されるレンズL1を入射側に平面を向けた平凸形状として、その平凸レンズL1の平面に楔型プリズムを設けてもよい。また、受光光学系46のうち最も入射側に配置されるレンズL1を入射側に平面を向けた平凸形状とし、平凸レンズL1と、楔型プリズムが設けられた平行平板形状のガラス基板とを接合する構成であってもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX,EXA又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX,EXA又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い替えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、露光装置又は露光方法において短い計測時間でレチクルのパターンの像を高いコントラストでウエハに露光できるようになるため、電子デバイスを効率的に高精度に製造できる。
なお、上記の実施形態の瞳透過率分布の計測方法及び装置は、ステッパー型の露光装置等にも適用できる。
なお、上記の実施形態の瞳透過率分布の計測方法及び装置は、ステッパー型の露光装置等にも適用できる。
また、本実施形態のデバイス製造方法では、特に半導体デバイスの製造方法について説明したが、本実施形態のデバイス製造方法は、半導体材料を使用したデバイスの他、例えば液晶パネルや磁気ディスクなどの半導体材料以外の材料を使用したデバイスの製造にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、ILS…照明光学系、R…レチクル、RST…レクチルステージ、PO…投影光学系、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、8,8A…光強度分布の計測部、10,10A…瞳透過率分布の計測装置、12…演算装置、20…計測用レチクル、26X,26Y…物体面側の楔型プリズム、28A〜28C…ピンホール、43A〜43C…検出用ピンホール、44X,44Y…像面側の楔型プリズム、48…撮像素子
Claims (23)
- 被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測方法であって、
第1面を介して前記被検光学系に照明光を入射させ、前記被検光学系の射出瞳と光学的に共役な第2面で第1の光強度分布を計測することと、
前記被検光学系に向けて照明光を供給し、前記第1面において前記供給された照明光を第1方向に偏向させることと、
前記第1方向に偏向した照明光を前記被検光学系に入射させ、前記第2面で第2の光強度分布を計測することと、
前記第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて前記被検光学系の瞳の前記第1方向の透過率分布を求めることと、
を含む計測方法。 - 前記第2面で前記第2の光強度分布を計測するときに、前記被検光学系から射出される照明光を、前記被検光学系に関して前記第1面と光学的に共役な第3面で前記第1方向への偏向を相殺するように偏向して前記第2面で検出する請求項1に記載の計測方法。
- 前記被検光学系の投影倍率は縮小倍率であり、
前記第3面での照明光の偏向角は前記第1面での偏向角よりも大きい請求項2に記載の計測方法。 - 前記第1面において前記供給された照明光を前記第1方向に偏向させるために、前記第1面に配置された第1偏向部材を使用し、
前記第3面において前記被検光学系から射出された照明光を前記第1方向への偏向を相殺するように偏向させるために、前記第3面に配置された第2偏向部材を使用する請求項2又は3に記載の計測方法。 - 前記被検光学系に向けて照明光を供給し、前記第1面において前記供給された照明光を前記第1方向に交差する第2方向に偏向させることと、
前記第2方向に偏向した照明光を前記被検光学系に入射させ、前記第2面で第3の光強度分布を計測することと、
前記第1及び第3の光強度分布の計測値に基づいて前記被検光学系の瞳の前記第2方向の透過率分布を求めることと、
を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の計測方法。 - 前記第1面において前記供給された照明光を前記第2方向に偏向させるために、前記第1面に配置された第3偏向部材を使用する請求項5に記載の計測方法。
- 前記第2面で前記第1の光強度分布を計測するときに、前記第2面を前記被検光学系の光軸に対して直交させて前記照明光を受光するとともに、
前記第2面で前記第2の光強度分布を計測するときに、前記第1面で前記第1方向に偏向した照明光の偏向を相殺するように前記第2面を前記被検光学系の光軸に直交する面に対して傾斜させて前記照明光を受光する請求項1に記載の計測方法。 - 前記被検光学系の投影倍率は縮小倍率であり、
前記第2面で前記第2の光強度分布を計測するときの前記第2面の傾斜角は、前記第1面での照明光の偏向角よりも大きい請求項7に記載の計測方法。 - 前記第2面で前記第1の光強度分布を計測するときに、前記被検光学系の前記射出瞳と前記第2面とを光学系に共役にする集光光学系を介して前記照明光を受光するとともに、
前記第2面で前記第2の光強度分布を計測するときに、前記第1面で前記第1方向に偏向した照明光の偏向を相殺するように前記集光光学系の光軸を傾斜させて前記照明光を受光する請求項1に記載の計測方法。 - 前記第2面で前記第1の光強度分布を計測するときに、前記第2面を前記被検光学系の光軸に対して直交させて前記照明光を受光するとともに、
前記第2面で前記第3の光強度分布を計測するときに、前記第2方向に偏向した照明光の偏向を相殺するように前記第2面を前記被検光学系の光軸に直交する面に対して傾斜させて前記照明光を受光する請求項5又は6に記載の計測方法。 - 前記第2面で前記第1の光強度分布を計測するときに、前記被検光学系の射出瞳と前記第2面とを光学的に共役にする集光光学系を介して前記照明光を受光するとともに、
前記第2面で前記第3の光強度分布を計測するときに、前記第2方向に偏向した照明光の偏向を相殺するように前記集光光学系の光軸を傾斜させて前記照明光を受光する請求項5又は6に記載の計測方法。 - 前記第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて前記被検光学系の瞳の前記第1方向の透過率分布を求めることは、
前記第2の光強度分布の計測値を前記第1の光強度分布の計測値で除算することと、
前記除算して得られた値を前記第1方向に積分することと、を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の計測方法。 - 前記第1面は前記被検光学系の入射瞳と光学的にフーリエ変換の関係にある請求項1〜12のいずれか一項に記載の計測方法。
- 露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の計測方法を用いて被検光学系としての前記投影光学系の瞳透過率分布を計測することと、
前記瞳透過率分布の計測結果に応じて前記パターンの照明条件を変更することと、
を含む露光方法。 - 被検光学系の瞳透過率分布を計測する計測装置であって、
第1面を介して前記被検光学系を照明する照明系と、
前記照明系からの照明光の光路中であって前記第1面上の位置である第1位置に退避可能な状態で配置されるとともに、入射する光を第1方向に偏向させる第1偏向部材と、
前記照明系から前記第1面を介して前記被検光学系に入射する照明光を受光して、前記被検光学系の射出瞳と光学的に共役な第2面で光強度分布を計測する光強度分布計測部と、
前記第1偏向部材が前記第1位置から退避している第1状態及び前記第1位置に配置されている第2状態でそれぞれ前記光強度分布計測部によって計測される第1及び第2の光強度分布の計測値に基づいて、前記被検光学系の瞳の前記第1方向の透過率分布を求める演算装置と、
を備える計測装置。 - 前記被検光学系に関して前記第1面と光学的に共役な第3面上の位置であって前記第1位置と光学的に共役な第2位置に退避可能な状態で配置されるとともに、前記第1偏向部材による光の偏向を相殺するように入射する光を偏向させる第2偏向部材を備え、
前記光強度分布計測部によって前記第2の光強度分布を計測するときに、前記光強度分布計測部は、前記第1偏向部材、前記被検光学系、及び前記第2偏向部材を介した光を受光する請求項15に記載の計測装置。 - 前記第1面上の前記第1位置に退避可能な状態で配置されるとともに、入射する光を前記第1方向に交差する第2方向に偏向させる第3偏向部材を備え、
前記演算装置は、前記第1の光強度分布の計測値、及び前記第3偏向部材が前記第1位置に配置されている第3状態で前記光強度分布計測部によって計測される第3の光強度分布の計測値に基づいて、前記被検光学系の瞳の前記第2方向の透過率分布を求める請求項15又は16に記載の計測装置。 - 前記被検光学系の前記射出瞳と前記第2面とを光学的に共役にする集光光学系と、
前記集光光学系及び前記光強度分布計測部を一体として傾斜可能な駆動部と、を備え、
前記光強度分布計測部によって前記第2の光強度分布を計測するときに、前記駆動部によって前記第1偏向部材による照明光の前記第1方向の偏向を相殺するように前記集光光学系の光軸を傾斜させる請求項15に記載の計測装置。 - 前記被検光学系の前記射出瞳と前記第2面とを光学的に共役にする集光光学系と、
前記集光学系及び前記光強度分布計測部を一体として傾斜可能な駆動部と、を備え、
前記光強度分布計測部によって前記第3の光強度分布を計測するときに、前記駆動部によって前記第3偏向部材による照明光の前記第2方向の偏向を相殺するように前記集光光学系の光軸を傾斜させる請求項17に記載の計測装置。 - 前記演算装置は、前記第2の光強度分布の計測値を前記第1の光強度分布の計測値で除算し、前記除算して得られた値を前記第1方向に積分する請求項15〜19のいずれか一項に記載の計測装置。
- 照明光学系からの露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
被検光学系としての前記投影光学系の瞳透過率分布を計測するための請求項15〜20のいずれか一項に記載の計測装置と、
前記計測装置の計測結果に応じて前記照明光学系の照明条件を変更する制御装置と、
を備える露光装置。 - 請求項14に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。 - 請求項21に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。
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JP2013113845A JP2014232836A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 瞳透過率分布の計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 |
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JP2013113845A JP2014232836A (ja) | 2013-05-30 | 2013-05-30 | 瞳透過率分布の計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 |
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CN113552773A (zh) * | 2020-04-23 | 2021-10-26 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 光刻机、瞳面透过率分布检测装置及检测方法 |
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2013
- 2013-05-30 JP JP2013113845A patent/JP2014232836A/ja active Pending
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CN113552773A (zh) * | 2020-04-23 | 2021-10-26 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 光刻机、瞳面透过率分布检测装置及检测方法 |
CN113552773B (zh) * | 2020-04-23 | 2023-02-10 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 光刻机、瞳面透过率分布检测装置及检测方法 |
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