JP2014232026A - 付着物検出装置、移動体機器制御システム及び移動体 - Google Patents

付着物検出装置、移動体機器制御システム及び移動体 Download PDF

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真太郎 木田
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洋義 関口
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Abstract

【課題】受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下を抑制することを課題とする。【解決手段】光照射部202から光を照射したときの撮像画像の中から撮像部201における所定の閾値以上の受光量を受光している受光部に対応した撮像画像部分を不使用画像部分として特定するとともに、互いに異なる撮像時期に撮像した2つの撮像画像に基づき、特定された不使用画像部分を除いた撮像画像部分を処理対象として、両撮像画像間における画素値差が規定値以上である画像領域を付着物画像領域として検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、光源からの光が照射されるガラス等の光透過部材を撮像手段で撮像して得られる撮像画像に基づいて当該光透過部材に付着している付着物を検出する付着物検出装置、移動体機器制御システム及び移動体に関するものである。
この種の付着物検出装置としては、例えば、特許文献1に記載された画像処理システムが知られている。この画像処理システムでは、車両等のウィンドウガラス(光透過部材)に光源から光を照射し、そのウィンドウガラスからの反射光を、複数の受光部を二次元方向に配列してなる撮像手段で撮像し、その撮像画像に基づいてウィンドウガラスに付着した雨滴などの付着物を検出する。この画像処理システムにおいては、まず、光源を点灯したときの画像信号を撮像素子から画像処理プロセッサに入力する。そして、入力された画像信号に対してエッジ検出処理を実行し、雨滴の画像領域と雨滴でない画像領域との境界を強調したエッジ画像を作成する。その後、このエッジ画像に対して円形状の領域を検出する円検出処理を実行し、検出した円形状領域を雨滴の画像領域(付着物画像領域)として検出する。
また、特許文献2には、自動車等の車外に取り付けられた撮像装置のレンズを覆うレンズカバー状導光部(光透過部材)に付着した水滴等の付着物を検出する機能を備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置では、複数の受光部を二次元方向に配列してなる撮像手段を用いて、光源が点灯しているときに得られた画像と、光源が消灯しているときに得られた画像との濃度差分画像を生成する。前記特許文献2の撮像装置においては、付着物が付着している付着領域の画像濃度は、付着物が付着していない非付着領域の画像濃度よりも相対的に明るい(低い)ものである。よって、特許文献2の撮像装置では、濃度差分画像において所定の画像濃度以下である画素領域を付着物画像領域であると判断する。
光源で照明した光透過部材の照明範囲からの光を撮像して付着物を検出する場合、上述したいずれの特許文献に開示された技術においても、付着物が付着している付着領域からの光の受光量(撮像画像上の画素値)と、付着物が付着していない非付着領域からの光の受光量(撮像画像上の画素値)とに違いが生じることを利用して、付着物を検出する。このとき、光源によって照明される照明範囲内の照度が均一であれば、単一の撮像画像内において非付着領域を映し出す非付着物画像領域に対して規定値以上の画素値差(コントラスト)がある画像領域を付着物画像領域として検出することが可能である。
しかしながら、通常、単一の光源から照射される光による光透過部材上の照明範囲内には照度ムラが生じる。また、複数の光源を用いて光透過部材を照明する場合でも、個々の光源に照度ムラが存在するため、光透過部材上の照明範囲内の照度ムラを解消することは難しい。そのため、単一の光源を使う場合でも複数の光源を使う場合でも、光透過部材を照明する場合には、その照明範囲内には照度ムラが出てしまう。このような照度ムラが存在すると、単一の撮像画像中における画素値差(コントラスト)が、付着物画像領域と非付着物画像領域との違いによるものなのか、照度ムラによるものなのかを区別することが困難となる。その結果、高い付着物検出精度を得ることは難しい。
一方、付着物の検出方法としては、撮像時期が異なる2つの撮像画像間における同一箇所の画素値差を観測して付着物を検出する方法がある。この方法では、2つの撮像画像間における同一箇所の画素値差が規定値以上となった箇所については、当該2つの撮像画像間における先の撮像画像の撮像時期と後の撮像画像の撮像時期との間の時期に付着物が付着したということが検出できる。この方法によれば、光源による照明範囲内に照度ムラが存在していても、両撮像画像間における同一箇所については光源による照度は同一なので、付着物の検出精度に対する照度ムラの影響が少ない。よって、高い検出精度で付着物を検出することが可能である。
ところが、光源の光照射強度が大きすぎたり、強い外乱光が入射したりして、撮像素子の中に受光量が飽和状態になる部分(受光部)が現れると、その部分に対応した画像部分については、2つの撮像画像間における適正な画素値差を得ることができない。数値例を挙げて説明すると、例えば、受光量(画素値)が2であった非付着物画像領域に対応する箇所(非付着領域)に付着物が付着したときに、その受光量(画素値)が9に変化する場合を考える。この場合、その受光量差(画素値差)は9−2=7と算出され、比較的大きな差が得られるので、当該画像領域は付着物画像領域として適切に検出される。このとき、撮像素子を構成する各受光部の飽和量(飽和画素値)が10であるとした場合、受光量(画素値)が10になるまでは適切に受光量を検出できるが、10を超える受光量の場合には、これを適切に検出できず、飽和量である10として検出される。そのため、例えば、受光量(画素値)が8であった非付着物画像領域に対応する箇所(非付着領域)に付着物が付着した場合、その受光量(画素値)は本来15と検出されるべきところが、飽和量である10として検出される。この場合、本来であればその受光量差(画素値差)は15−8=7と算出されるべきところ、これが10−8=2と算出されてしまい、輝度差が本来よりも小さく算出される。その結果、当該画像領域は付着物画像領域として検出されない。このように撮像素子を構成する受光部が飽和状態になってしまう画像領域については、2つの撮像画像間における適正な画素値差が得られず、付着物の適切な検出を行うことができない。そのため、付着物の検出精度が低下するという問題があった。
この問題に対しては、例えば、光源の光照射強度を小さめに調整して飽和状態になる受光部を少なく抑えるという対策が考えられる。しかしながら、光源は、前述のとおり、照度ムラを生じさせるため、光源の光照射強度を小さめに調整すると、照明範囲内に占める照度の低い領域の割合が相対的に拡大する。照度の低い領域は、付着物画像領域と非付着物画像領域との間の画素値差(受光量差)を大きくとることができないので、照度の高い領域に比べて付着物の検出精度が低い。したがって、光源の光照射強度を小さめに調整してしまうと、付着物検出精度の低い領域の割合が拡大し、かえって付着物の検出精度を低下させることになる。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、光源の光照射強度を小さめに調整することなく、受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下を抑制できる付着物検出装置、移動体機器制御システム及び付着物検出用プログラムを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、複数の受光部を二次元方向に配置してなる撮像手段を用いて、光源からの光が照射される光透過部材の付着物観測部分を撮像して得られる撮像画像から、該付着物観測部分に付着している付着物を検出する付着物検出処理を実行する検出処理手段を備えた付着物検出装置において、前記光源から光を照射したときの付着物観測部分の撮像画像の中から、前記撮像手段における所定の閾値以上の受光量を受光している受光部に対応した撮像画像部分を不使用画像部分として特定する不使用画像部分特定手段を有し、前記検出処理手段は、前記不使用画像部分特定手段により特定された不使用画像部分を除いた撮像画像部分を前記付着物検出処理の対象として、前記撮像手段によって前記付着物観測部分を互いに異なる撮像時期に撮像した2つの撮像画像間における画素値差に基づいて付着物を検出することを特徴とする。
本発明によれば、飽和状態となる受光部に対応した撮像画像部分についての付着物の誤検出を低減できるので、光源の光照射強度を小さめに調整することなく、受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下を抑制できるという優れた効果が得られる。
実施形態における車載機器制御システムの概略構成を示す模式図である。 同車載機器制御システムにおける雨滴検出装置を構成する撮像ユニット及び画像解析ユニットの概略構成の一例を示す模式図である。 同車載機器制御システムにおける雨滴検出装置を構成する撮像ユニット及び画像解析ユニットの概略構成の他の例を示す模式図である。 1つの光源で雨滴検出用画像領域を照明したときの画像の一例を示す説明図である。 8つの光源で雨滴検出用画像領域を照明したときの画像の一例を示す説明図である。 雨滴検出用の撮像画像データに適用可能なカットフィルタのフィルタ特性を示すグラフである。 雨滴検出用の撮像画像データに適用可能なバンドパスフィルタのフィルタ特性を示すグラフである。 撮像部に設けられる光学フィルタの正面図である。 同撮像部の撮像画像データの画像例を示す説明図である。 実施形態における雨滴量算出処理の流れを示すフローチャートである。 画像解析ユニットにおける雨滴量算出処理を実行する雨滴量算出処理部の機能ブロック図である。 (a)は、外乱光も付着物も存在しない状況において1つの光源による照明範囲に着目した光源画像の一例を示すものである。(b)は、外乱光が存在する状況における点灯時画像の一例を示すものである。(c)は、外乱光が存在する状況における消灯時画像の一例を示すものである。(d)は、ハッチングで示す不使用画像部分を除外したことを図示した説明図である。 (a)は、外乱光が存在しない状況における点灯時画像と、これに対応する受光量分布を示した説明図である。(b)は、外乱光が存在する状況における点灯時画像と、これに対応する受光量分布を示した説明図である。 実施形態における飽和画素マップ生成処理の流れを示すフローチャートである。 変形例における雨滴量算出処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る付着物検出装置を移動体機器制御システムである車載機器制御システムに用いた一実施形態について説明する。
なお、本発明に係る付着物検出装置は、車載機器制御システムに限らず、他のシステムにも適用できる。
図1は、本実施形態における車載機器制御システムの概略構成を示す模式図である。
本車載機器制御システムは、移動体である自動車などの自車両100に搭載された撮像部で撮像した自車両進行方向前方領域(撮像領域)の撮像画像データを利用して、ワイパーの駆動制御、ヘッドランプの配光制御、その他の車載機器の制御を行うものである。
本実施形態の車載機器制御システムに設けられる撮像部は、撮像ユニット101に設けられており、走行する自車両100の進行方向前方領域を撮像領域として撮像するものである。撮像ユニット101は、例えば、自車両100のフロントガラス105のルームミラー(図示せず)付近に設置される。撮像ユニット101の撮像部で撮像された撮像画像データは、画像解析ユニット102に入力される。画像解析ユニット102は、撮像部から送信されてくる撮像画像データを解析し、撮像画像データに自車両100の前方に存在する他車両の位置、方角、距離を算出したり、光透過部材であるフロントガラス105に付着する雨滴や異物などの付着物を検出したり、撮像領域内に存在する路面上の白線(区画線)等の検出対象物を検出したりする。他車両の検出では、他車両のテールランプを識別することで自車両100と同じ進行方向へ進行する先行車両を検出し、他車両のヘッドランプを識別することで自車両100とは反対方向へ進行する対向車両を検出する。
画像解析ユニット102の算出結果は、ランプ制御手段としてのヘッドランプ制御ユニット103に送られる。ヘッドランプ制御ユニット103は、例えば、画像解析ユニット102が算出した距離データから、自車両100の車載機器であるヘッドランプ104を制御する制御信号を生成する。具体的には、例えば、先行車両や対向車両の運転者の目に自車両100のヘッドランプの強い光が入射するのを避けて他車両の運転者の幻惑防止を行いつつ、自車両100の運転者の視界確保を実現できるように、ヘッドランプ104のハイビームおよびロービームの切り替えを制御したり、ヘッドランプ104の部分的な遮光制御を行ったりする。
画像解析ユニット102の算出結果は、ワイパー制御手段としてのワイパー制御ユニット106にも送られる。ワイパー制御ユニット106は、ワイパー107を制御して、自車両100のフロントガラス105に付着した雨滴や異物などの付着物を除去する。ワイパー制御ユニット106は、画像解析ユニット102が検出した付着物検出結果を受けて、ワイパー107を制御する制御信号を生成する。ワイパー制御ユニット106により生成された制御信号がワイパー107の図示しないワイパー駆動部に送られると、自車両100の運転者の視界を確保するべく、ワイパー107が稼動する。
また、画像解析ユニット102の算出結果は、車両走行制御手段としての車両走行制御ユニット108にも送られる。車両走行制御ユニット108は、画像解析ユニット102が検出した白線検出結果に基づいて、白線によって区画されている車線領域から自車両100が外れている場合等に、自車両100の運転者へ警告を報知したり、自車両のハンドルやブレーキを制御するなどの走行支援制御を行ったりする。
図2は、付着物検出装置としての雨滴検出装置200を構成する撮像ユニット101及び画像解析ユニット102の概略構成の一例を示す模式図である。
この雨滴検出装置200は、撮像ユニット101に設けられた撮像部201及び光照射部202と、画像解析ユニット102に設けられた雨滴量情報算出部203とから構成されている。本実施形態において、光照射部202は、フロントガラス105の外壁面に付着した付着物(以下、付着物が雨滴Rdである場合を例に挙げて説明する。)を検出するためのものである。
図2に示す雨滴検出装置200では、光照射部202から照射した光がフロントガラス105の内壁面から内部へ入射するように、光照射部202が配置されている。光照射部202からフロントガラス105の内部へ入射した光は、フロントガラス105の外壁面のうち雨滴Rdが付着していない非付着領域では、その多くがフロントガラス外壁面を透過し、撮像部201に受光されない。一方、フロントガラス105の外壁面のうち雨滴Rdが付着している付着領域では、その多くがフロントガラス外壁面で反射し、その正反射光が撮像部201に受光される。したがって、撮像部201での受光量は、非付着領域からの受光量が少なく、付着領域からの受光量が多い。よって、撮像画像上においては、非付着領域を映し出す非付着物画像領域である非雨滴画像領域の画素値(輝度)よりも付着領域を映し出す付着物画像領域である雨滴画像領域の画素値(輝度)の方が高いものとなる。
図3は、雨滴検出装置200を構成する撮像ユニット101及び画像解析ユニット102の概略構成の他の例を示す模式図である。
この雨滴検出装置200は、撮像ユニット101に設けられた撮像部201、光照射部202及び導光部204と、画像解析ユニット102に設けられた雨滴量情報算出部203とから構成されている。図3に示す雨滴検出装置200では、光照射部202から照射した光がプリズム等で構成される導光部204の内部へ入射する。導光部204は、フロントガラス105の内壁面に密着する密着面を有し、光照射部202から導光部204の内部へ入射した光は、導光部204の密着面とフロントガラス内壁面との境界面を透過してフロントガラス105の内部へ入射する。フロントガラス105の内部に入射した光は、フロントガラス105の外壁面のうち雨滴Rdが付着していない非付着領域では、その多くがフロントガラス外壁面で反射し、その正反射光が撮像部201に受光される。一方、フロントガラス105の外壁面のうち雨滴Rdが付着している付着領域では、その多くがフロントガラス外壁面を透過して、撮像部201には受光されない。したがって、撮像部201での受光量は、非付着領域からの受光量が多く、付着領域からの受光量が少ない。よって、撮像画像上においては、非付着領域を映し出す非雨滴画像領域の画素値(輝度)よりも付着領域を映し出す雨滴画像領域の画素値(輝度)の方が低いものとなる。
本実施形態では、図2に示す雨滴検出装置200でも、図3に示す雨滴検出装置200でも、同様に採用することができるが、以下の説明では、図3に示す雨滴検出装置200を例に挙げて説明する。
本実施形態では、撮像部201に設けられる撮像レンズの焦点は、無限遠又は無限遠とフロントガラス105の外壁面との間に設定している。これにより、フロントガラス105上に付着した雨滴Rdの検出を行う場合だけでなく、先行車両や対向車両の検出や白線の検出を行う場合にも、撮像部201の撮像画像データから適切な情報を取得することができる。
光照射部202は、光源を1又は2以上搭載する。1つの光源だけでフロントガラス105を照明する場合、その雨滴検出用画像領域214には、図4に示すような画像が表示される。この画像は、外乱光も付着物も存在しない状況において1つの光源でフロントガラス105を照明したときの光源画像を示している。図4に示すように、1つの光源から照射される光によるフロントガラス105上の照明範囲内には照度ムラが存在する。また、2以上の光源でフロントガラス105を照明する場合、その雨滴検出用画像領域214には、図5に示すような画像が表示される。この画像は、外乱光も付着物も存在しない状況において8つの光源でフロントガラス105を照明した光源画像を示している。図5に示すように、8つの光源から照射される光によるフロントガラス105上の照明範囲内にも照度ムラが存在する。
光照射部202に設けられる光源としては、LED(発光ダイオード)やLD(レーザーダイオード)を好適に用いることができる。本実施形態では、コスト、消費電力、省スペースの関係で、小型のLEDを光源として用いているため、複数のLEDを用いた光照射部202を採用してフロントガラス照明範囲を確保している。したがって、本実施形態において、雨滴検出用画像領域214上に現れる光源画像は図5に示すようなものとなる。なお、光照射部202には、光の発散を低減して照明範囲内での光効率を上げるため、光線を平行にするコリメートレンズ等を設けてもよい。
光照射部202の発光波長は、例えば可視光や赤外光を用いることができる。ただし、光照射部202の光で対向車両の運転者や歩行者等を眩惑するのを回避する場合には、可視光よりも波長が長くて画像センサの受光感度がおよぶ範囲の波長、例えば800nm以上1000nm以下の赤外光領域が好ましい。本実施形態の光照射部202は、赤外光領域の波長を有する光を照射するものである。
特に、直射日光などの外界からの光の影響を低減するためには、950nmを中心とした波長を選択することが有効である。ここで、フロントガラス105の外壁面で反射した光照射部202からの赤外波長光を撮像部201で撮像する際、撮像部201の画像センサでは、光照射部202からの赤外波長光のほか、例えば太陽光などの赤外波長光を含む大光量の外乱光も受光される。よって、光照射部202からの赤外波長光をこのような大光量の外乱光と区別するためには、光照射部202の発光量を外乱光よりも十分に大きくする必要があるが、このような大発光量の光照射部202を用いることは困難である場合が多い。
そこで、本実施形態においては、例えば、図6に示すように光照射部202の発光波長よりも短い波長の光をカットするようなカットフィルタか、もしくは、図7に示すように透過率のピークが光照射部202の発光波長とほぼ一致したバンドパスフィルタを介して、光照射部202からの光を画像センサで受光するように構成する。これにより、光照射部202の発光波長以外の光を除去して受光できるので、画像センサで受光される光照射部202からの光量は、外乱光に対して相対的に大きくなる。その結果、大発光量の光照射部202でなくても、光照射部202からの光を外乱光と区別することが可能となる。
ただし、本実施形態においては、撮像画像データから、フロントガラス105上の雨滴Rdを検出するだけでなく、先行車両や対向車両の検出や白線の検出も行う。そのため、撮像画像全体について光照射部202が照射する赤外波長光以外の波長帯を除去してしまうと、先行車両や対向車両の検出や白線の検出に必要な波長帯の光を画像センサで受光できず、これらの検出に支障をきたす。そこで、本実施形態では、撮像画像データの画像領域を、フロントガラス105上の雨滴Rdを検出するための雨滴検出用画像領域と、先行車両や対向車両の検出や白線の検出を行うための車両検出用画像領域とに区分し、雨滴検出用画像領域に対応する部分についてのみ光照射部202が照射する赤外波長光以外の波長帯を除去する光学フィルタを用いている。
図8は、光学フィルタの一例を示す正面図である。
図9は、撮像画像データの画像例を示す説明図である。
本実施形態の光学フィルタ210は、図9に示すように、車両検出用画像領域213である撮像画像上部2/3に対応する箇所に配置される赤外光カットフィルタ領域211と、雨滴検出用画像領域214である撮像画像下部1/3に対応する箇所に配置される赤外光透過フィルタ領域212とに、領域分割されている。赤外光透過フィルタ領域212には、図6に示したカットフィルタや図7に示したバンドパスフィルタを用いる。
対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに路端や白線の画像は、主に撮像画像中央部に存在することが多く、撮像画像下部には自車両前方の直近路面の画像が存在するのが通常である。よって、対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに路端や白線の識別に必要な情報は撮像画像中央部に集中しており、その識別において撮像画像下部の情報はあまり重要でない。よって、単一の撮像画像データから、対向車両や先行車両あるいは路端や白線の検出と雨滴の検出とを両立して行う場合には、図9に示すように、撮像画像下部を雨滴検出用画像領域214とし、撮像画像中央部を含む残りの撮像画像上部を車両検出用画像領域213とし、これに対応して光学フィルタ210を領域分割するのが好適である。
なお、撮像画像上部の情報は、自車両前方の上空の画像が存在するのが通常であり、撮像画像下部の情報と同様、対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに路端や白線の識別にはあまり重要でない。よって、雨滴検出用画像領域214を撮像画像上部に設けるようにしてもよいし、撮像画像上部と下部の両方に設けるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、撮像領域内の下部に自車両のボンネットが入り込んでくる場合がある。この場合、自車両のボンネットで反射した太陽光や先行車両のテールランプなどが外乱光となり、これが撮像画像データに含まれることで雨滴検出精度を悪化させる原因となる。このような場合でも、本実施形態では、撮像画像下部に対応する箇所に図6に示したカットフィルタや図7に示したバンドパスフィルタが配置されているので、ボンネットで反射した太陽光や先行車両のテールランプなどの外乱光が雨滴検出用画像領域214に含まれずに除去され、雨滴検出精度の悪化を抑制している。
また、本実施形態の光学フィルタ210における車両検出用画像領域213に対応する箇所には、赤外光カットフィルタ領域211が配置される。この箇所のフィルタ領域は、可視光を透過できればよいので、全波長帯を透過する非フィルタ領域でもよいが、光照射部202からの赤外波長光が入射してもこれによるノイズが軽減されるように、赤外波長をカットできるのが望ましい。
ここで、先行車両を検出する際には、撮像画像上のテールランプを識別することで先行車両の検出を行うが、テールランプは対向車両のヘッドランプと比較して光量が少なく、また街灯などの外乱光も多く存在するため、単なる輝度データのみからテールランプを高精度に検出するのは困難である。そのため、テールランプの識別には分光情報を利用し、赤色光の受光量に基づいてテールランプを識別するようにしてもよい。
撮像領域からの光は、撮像部201の撮像レンズを通り、光学フィルタ210を透過して、画像センサでその光強度に応じた電気信号に変換される。画像センサから出力される電気信号(アナログ信号)は、画像センサ上における各画素の明るさ(輝度)を示すデジタル信号に変換され、画像の水平・垂直同期信号とともに撮像画像データとして画像解析ユニット102へ出力される。
画像センサは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などを用いたイメージセンサであり、その受光素子(受光部)にはフォトダイオードを用いている。フォトダイオードは、画素ごとに二次元方向に配置されており、フォトダイオードの集光効率を上げるために、各フォトダイオードの入射側にはマイクロレンズが設けられている。この画像センサがワイヤボンディングなどの手法によりPWB(printed wiring board)に接合されてセンサ基板が形成されている。
次に、本実施形態における付着物検出処理である雨滴量算出処理について説明する。
図10は、本実施形態における雨滴量算出処理の流れを示すフローチャートである。
図11は、画像解析ユニット102における雨滴量算出処理を実行する雨滴量情報算出部203の機能ブロック図である。
所定の雨滴量検出タイミングが到来したら、まず、光照射部202を点灯させて(S1)、撮像部201により点灯時画像(照明時撮像画像)を撮像する(S2)。これにより、光照射部202からの光が照射されたフロントガラス105の付着物観測部分(雨滴観測部分)が撮像画像下部の雨滴検出用画像領域214に映し出された撮像画像(点灯時画像)のデータが、水平同期信号に同期して、画像格納メモリ301に格納される。続いて、光照射部202を消灯させて(S3)、撮像部により消灯時画像(非照明時撮像画像)を撮像する(S4)。これにより、光照射部202から光が照射されていない状態のフロントガラス105の雨滴観測部分が撮像画像下部の雨滴検出用画像領域214に映し出された撮像画像(消灯時画像)のデータが、水平同期信号に同期して、画像格納メモリ301に格納される。点灯時画像の撮像時点と消灯時画像の撮像時点とはより近い時点であるのが好ましい。したがって、本実施形態では、点灯時画像及び消灯時画像として、連続する2フレームで撮像したものを使用する。
なお、雨滴量情報算出部203に入力される垂直同期信号は、点灯時画像や消灯時画像の選択、画像格納メモリ301の書込許可などに利用される。また、点灯時画像や消灯時画像の画素数が多い場合には、適宜間引きして、画像格納メモリ301に格納するようにしてもよい。
次に、差分画像生成部303は、後述する飽和画素マップ生成処理によって生成される飽和画素マップをメモリ305から読み出し、雨滴量の算出に使用しない不使用画素を特定する(S5)。この不使用画素は、詳しくは後述するが、撮像部201の画像センサを構成する受光素子のうち飽和量を超える受光量を受光する可能性の高い受光素子(飽和状態の受光素子)に対応する撮像画像上の画素である。そして、本実施形態では、このような不使用画素については雨滴量の算出から除外するため、雨滴検出用画像領域214から不使用画素を除外した処理対象領域に対し、差分画像生成部303において、点灯時画像と消灯時画像の差分画像を作成する(S6)。この差分画像は、点灯時画像の画素値と消灯時画像の画素値との差分値を画素値とした画像である。本実施形態における点灯時画像及び消灯時画像が特定波長帯(光照射部202の発光波長を含む波長帯)についての輝度画像であり、その差分画像は輝度の差分をとった輝度差分画像となる。なお、点灯時画像及び消灯時画像は、例えば特定の偏光成分のみを撮像した偏光画像などの特殊な画像であってもよい。
図12(a)は、外乱光も付着物も存在しない状況において1つの光源による照明範囲に着目した光源画像の一例を示すものである。この例においては、略円形の照明範囲の中央が最も照度が高く、その径方向外方へ向かうにつれて照度が低くなるという照度分布をもっており、図中符号Aで示す中央部分は、対応する受光素子が飽和状態になっている飽和画素部分に相当する。光照射部202がこのような光源を点灯させた状態で撮像した雨滴検出用画像領域214は、外乱光と光照射部202からの光の両方を映し出したものとなる。そのため、図13(a)の下図に示すように、外乱光が存在しない状況であれば飽和値を超える飽和画素部分は僅かであっても、図13(b)の下図に示すように、外乱光が存在する状況下では照度が全体的に底上げされ、飽和値を超える飽和画素部分A’が多くなる。その結果、外乱光の影響により、図12(b)に示す飽和画素部分は、図12(a)に示した光照射部202からの光による飽和画素部分よりも多くなる。
一方で、光照射部202を消灯させた状態で撮像された雨滴検出用画像領域214は、図12(c)に示すように、光照射部202からの光を含まない外乱光のみを映し出したものとなる。実際の撮像状況下で撮像される点灯時画像は、光照射部202からの光と外乱光とを含むものであるため(図12(b))、本来は、図12(a)に示す光源画像の画素値と図12(c)に示す消灯時画像の画素値とを足し合わせた画素値をもつ画像となるべきである。この場合、点灯時画像と消灯時画像との輝度差分を計算することで得られる輝度差分画像の画素値は、外乱光の輝度分が適切に除外され、光照射部202からの光に対応したものとなる。
しかしながら、画素値は飽和値を超える値をとることができないので、足し合わせた画素値が飽和値を超えている画素の画素値はすべて飽和値を示すものとなる。したがって、点灯時画像中に飽和画素部分が存在していると、その画素部分については、消灯時画像との輝度差分を計算しても、外乱光の輝度分を適切に除外できない。より詳しくは、本来の外乱光の輝度分を超える画素値を除外してしまうことになる。そのため、光照射部202からの光に適切に対応したものとなる。輝度差分画像は、光照射部202からの光に適切に対応したものではなくなり、後述の雨滴検出を適切に行うことができなくなる。
そこで、本実施形態においては、後述する飽和画素マップ生成処理により、想定範囲内の外乱光が入射したときに飽和画素となり得る画素を示す飽和画素マップを生成し、その飽和画素マップによって特定される画素を不使用画素として、輝度差分画像の作成処理の対象から除外する。これにより、図12(d)中のハッチングで示す領域Bは、不使用画素として輝度差分画像の作成処理の対象から除外される。
このようにして作成された輝度差分画像のデータは、メモリ305に保存される(S7)。その後、差分画像生成部303は、前回にメモリ305に保存した輝度差分画像のデータを読み出し、前回の輝度差分画像と今回の輝度差分画像との差分をとった時差分画像を作成する(S8)。この時差分画像は、前回の輝度差分画像の画素値と今回の輝度差分画像の画素値との差分値を画素値とした画像である。このようにして作成される時差分画像は、差分画像生成部303から雨滴量算出部304へ送られる。
本実施形態において、この時差分画像において規定値以上の画素値をもつ画像領域は、当該2つの輝度差分画像間における前回の輝度差分画像の作成時と今回の輝度差分画像の作成時との間の時期に雨滴が付着した箇所である。このような時差分画像の画素値から雨滴を検出する方法によれば、光源による照明範囲内に照度ムラが存在していても、両画像間における同一箇所については光源による照度は同一なので、雨滴Rdの検出精度に対する照度ムラの影響が少ない。よって、高い検出精度で雨滴Rdを検出することが可能である。
本実施形態においては、上述したように、光照射部202からの光のうち、雨滴Rdが付着しているフロントガラス105上の付着領域に入射する光は撮像部201に入射せず、雨滴Rdが付着していない非付着領域に入射した光は撮像部201に入射する。したがって、雨滴Rdを映し出す雨滴画像は、雨滴検出用画像領域214上において低輝度な画像として映し出される。したがって、雨滴Rdを映し出す雨滴画像領域は、時差分画像において大きな画素値をもつことになる。
そこで、本実施形態では、雨滴量算出部304において、時差分画像中から所定の規定値を超える画素値をもった画像領域を抽出し、抽出された画像領域を、雨滴Rdが映し出された雨滴画像領域の候補領域として特定する。具体的には、雨滴量算出部304は、まず、時差分画像の画素値を所定の規定値と比較することにより2値化処理を行う。この2値化処理では、例えば、所定の規定値以上の画素値をもつ画素に「1」、そうでない画素に「0」を割り振ることで、2値化画像を作成する。次に、この2値化画像において、「1」が割り振られた画素が近接している場合には、それらを1つの画像領域として認識するラベリング処理を実施する。これによって、時差分画像の画素値が大きい近接した複数の画素の集合が、1つの画像領域として抽出される。
次に、このようにして特定される雨滴画像領域の候補領域に対し、形状識別処理を行って雨滴画像領域を特定する。撮像画像上の雨滴画像の形状は円形状であることが多いので、抽出した雨滴画像領域の候補領域が円形状であるかどうかの形状識別処理を行い、その結果から雨滴画像領域を特定する。そして、このようにして特定された雨滴画像領域の数をカウントした結果を雨滴量として算出する(S9)。
ワイパー制御ユニット106は、例えば、この雨滴量の算出結果が所定の条件(例えば、連続して作成された20個の時差分画像について、いずれも雨滴量のカウント値が10以上であるという条件)を満たしたときに、ワイパー107の駆動制御やウォッシャー液の吐出制御を行う。本実施形態においては、飽和画素となり得る部分すなわち不使用画素部分Bについては、雨滴Rdの検出処理の対象にはならないので雨滴Rdの検出を行うことができないが、当該不使用画素部分Bで雨滴Rdの誤検知が発生することはなくなる。その結果、飽和画素による雨滴Rdの検出精度の低下は抑制される。
次に、上述した飽和画素マップを生成する飽和画素マップ生成処理について説明する。
図14は、本実施形態における飽和画素マップ生成処理の流れを示すフローチャートである。
飽和画素マップ生成処理は、例えば、電源投入時、一定時間が経過した時などの所定の処理開始タイミングが到来したときに実行される。所定の処理開始タイミングが到来したら、まず、光照射部202を点灯させて(S11)、撮像部201により点灯時画像を撮像する(S12)。これにより、例えば、図12(b)に示すような飽和画素部分A’を含む点灯時画像が得られる。この点灯時画像データは、図11に示すように、不使用画像部分特定手段としての不使用画素特定部302に送られる。不使用画素特定部302は、雨滴検出用画像領域214についての点灯時画像データが入力されると、飽和画素マップ生成処理で用いる各種パラメータを初期化する(S13)。具体的には、雨滴検出用画像領域214の幅w(x方向の画素数)、雨滴検出用画像領域214の高さh(y方向長さの画素数)、過去の飽和画素マップデータなどを初期化する。
その後、不使用画素特定部302は、雨滴検出用画像領域214における最初の画素座標(x,y)についての輝度値P(x,y)を、撮像した点灯時画像のデータから取得する(S14)。そして、取得した輝度値P(x,y)が所定の規定値以上であるか否かを判断する(S15)。このとき、輝度値P(x,y)が所定の規定値以上であると判断されると(S15のYes)、その画素を不使用画素とするために、その画素座標(x,y)にフラグを設定する(S16)。
輝度値P(x,y)を取得してからフラグを設定するまでの処理(S14〜S16)は、雨滴検出用画像領域214内の各画素について、最初の画素座標から所定の順番で順次行われる。そして、雨滴検出用画像領域214内の最終画素座標(w,h)まで処理を終えたら(S17のYes)、不使用画素特定部302は、フラグが設定された画素座標を示す飽和画素マップのデータをメモリ305に保存する(S18)。
本実施形態では、飽和画素マップ生成処理時に撮像した点灯時画像で飽和画素となっている画素を不使用画素としているが、不使用画素は、当該点灯時画像中の飽和画素と一致している必要はない。例えば、当該点灯時画像中の飽和画素部分よりも拡大した範囲を不使用画素としてもよいし、当該点灯時画像中の飽和画素部分よりも狭い範囲を不使用画素としてもよい。ただし、当該点灯時画像中の飽和画素部分よりも狭い範囲を不使用画素とする場合でも、外乱光が存在しない状況下で光照射部202を点灯させたときに飽和画素となる飽和画素部分については不使用画素となるようにするのが好ましい。このような画素は外乱光の強弱に関係なく飽和画素となるからである。
〔変形例〕
次に、前記実施形態における雨滴量算出処理の一変形例について説明する。
雨滴量算出処理では、雨滴の量を算出できればよく、雨滴の付着箇所の情報を用いることはない。本変形例は、輝度差分画像のデータに代えて、点灯時画像の画素値(輝度値)の総和から消灯時画像の画素値(輝度値)の総和を差し引いた輝度総和差分値を用いる簡易な雨滴量算出処理である。
図15は、本変形例における雨滴量算出処理の流れを示すフローチャートである。
所定の雨滴量検出タイミングが到来したら、まず、光照射部202を点灯させて(S21)、撮像部により点灯時画像を撮像するとともに(S22)、事前に行われた飽和画素マップ生成処理によって生成された飽和画素マップを取得する(S23)。その後、雨滴検出用画像領域214における最初の画素座標(x,y)についての輝度値P(x,y)を、撮像した点灯時画像のデータから取得する(S24)。そして、飽和画素マップを参照して、取得した輝度値P(x,y)の画素座標(x,y)にフラグが設定されているか否か、すなわち、画素座標(x,y)に対応するフラグF(x,y)の値が1であるか否かを判断する(S25)。
この判断において、フラグF(x,y)が1である場合には(S25のYes)、その画素は不使用画素である判断して、画素座標(x,y)の輝度値P(x,y)は使用しない。一方、フラグF(x,y)がゼロである場合には(S25のNo)、その画素座標(x,y)の輝度値P(x,y)を、輝度総和差分値となるSumデータに加算する処理を行う(S26)。輝度値P(x,y)を取得してからSumデータに加算する処理までの処理(S24〜S26)は、点灯時画像における雨滴検出用画像領域214内の各画素について、最初の画素座標から所定の順番で順次行われる。この時点で得られるSumデータは、点灯時画像の雨滴検出用画像領域214における不使用画素(飽和画素になり得る画素)を除いた全画素値の総和を示すものとなる。
点灯時画像について雨滴検出用画像領域214内の最終画素座標(w,h)まで処理を終えたら(S27のYes)、次に、光照射部202を消灯させて(S28)、撮像部により消灯時画像を撮像する(S29)。そして、雨滴検出用画像領域214における最初の画素座標(x,y)についての輝度値P(x,y)を、撮像した消灯時画像のデータから取得する(S30)。その後、飽和画素マップを参照して、取得した輝度値P(x,y)の画素座標(x,y)にフラグが設定されているか否か、すなわち、画素座標(x,y)に対応するフラグF(x,y)の値が1であるか否かを判断する(S31)。
この判断において、フラグF(x,y)が1である場合には(S31のYes)、その画素は不使用画素である判断して、画素座標(x,y)の輝度値P(x,y)は使用しない。一方、フラグF(x,y)がゼロである場合には(S31のNo)、その画素座標(x,y)の輝度値P(x,y)を、Sumデータから減算する処理を行う(S32)。輝度値P(x,y)を取得してからSumデータの減算処理を行うまでの処理(S30〜S32)は、消灯時画像における雨滴検出用画像領域214内の各画素について、最初の画素座標から所定の順番で順次行われる。この結果、得られるSumデータは、点灯時画像の雨滴検出用画像領域214における不使用画素を除いた全画素値の総和から、消灯時画像の雨滴検出用画像領域214における不使用画素を除いた全画素値の総和を差し引いた輝度総和差分値を示すものとなる。
このようにして算出されたSumデータすなわち輝度総和差分値Sumは、後述する不使用画素の数に応じた補正を行った後、メモリ305に保存しておく(S32)。そして、今回の補正後の輝度総和差分値Sumと前回の補正後の輝度総和差分値Sumとの差分をとった時差分値を算出する(S33)。この時差分値は、前回と今回との間の時期に付着した雨滴の画像面積と高い相関関係を示すものであり、この時差分値から雨滴量が算出される(S34)。
本変形例においては、雨滴検出用画像領域214における不使用画素(飽和画素になり得る画素)の数が固定値でないため、不使用画素数が変動する場合がある。この場合、同じ雨滴量であっても、輝度総和差分値Sumの値が変化することになるので、不使用画素数が変動しても共通の相関関係を用いて雨滴量を算出する場合には、輝度総和差分値Sumを不使用画素の数に応じて補正するのが好ましい。そのため、本変形例では、前記処理ステップS32において、算出された輝度総和差分値Sumに対し、不使用画素の数に応じた補正を行っている。具体的には、例えば、算出された輝度総和差分値Sumに対し、(雨滴検出用画像領域214における全画素数)/{(雨滴検出用画像領域214における全画素数)−(不使用画素数)}という補正係数を乗じたものを、補正後の輝度総和差分値Sumとして、メモリ305に保存する。これにより、不使用画素数が変動しても、共通の相関関係を用いて精度の高い雨滴量の算出を行うことができる。
本変形例によれば、メモリ305に保存するデータが輝度総和差分値Sumという数値データであるため、メモリ305に輝度差分画像データを保存する前記実施形態の場合よりもメモリ容量を大幅に削減できる。
なお、本実施形態では、点灯時画像と消灯時画像の撮像順序は、点灯時画像の方が先である例について説明したが、消灯時画像の方が先に撮像される場合でも同様である。
また、本実施形態では、外乱光の影響を抑制すべく、点灯時画像と消灯時画像との輝度差分をとった輝度差分画像を用いて雨滴量の算出処理を行う場合について説明したが、点灯時画像のみを用いて雨滴量の算出処理を行ってもよい。この場合、点灯時画像同士の時差分画像又は時差分値から、上述した実施形態や変形例と同様の方法により、雨滴量を算出することができる。この場合でも、外乱光の変化が少ない状況等であれば、雨滴量を適切に算出することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
複数の受光素子等の受光部を二次元方向に配置してなる画像センサを備えた撮像部201等の撮像手段を用いて、光照射部202等の光源からの光が照射されるフロントガラス105等の光透過部材の付着物観測部分を撮像して得られる撮像画像から、該付着物観測部分に付着している雨滴Rd等の付着物を検出する雨滴量算出処理等の付着物検出処理を実行する差分画像生成部303及び雨滴量算出部304等の検出処理手段を備えた雨滴検出装置200等の付着物検出装置において、前記光源から光を照射したときの付着物観測部分の撮像画像の中から、前記撮像手段における飽和値等の所定の閾値以上の受光量を受光している受光部に対応した撮像画像部分を不使用画像部分として特定する不使用画素特定部302等の不使用画像部分特定手段を有し、前記検出処理手段は、前記不使用画像部分特定手段により特定された不使用画像部分を除いた撮像画像部分を前記付着物検出処理の対象として、前記撮像手段によって前記付着物観測部分を互いに異なる撮像時期に撮像した2つの輝度差分画像等の2つの撮像画像間における画素値差(時差分画像の画素値又は時差分値)に基づいて付着物を検出することを特徴とする。
これによれば、所定の閾値以上の受光量を受光している受光部に対応した撮像画像部分を不使用画像部分とし、これを除いた撮像画像部分を用いて付着物を検出する。したがって、前記所定の閾値を適切に設定することにより、光源の光照射強度を小さめに調整しなくても、飽和状態となる受光部に対応した撮像画像部分について付着物の誤検知を低減できる。よって、受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下を抑制できる。しかも、光源の光照射強度を小さめに調整しないで済むので、光源による照明範囲内に占める低照度領域の割合の拡大により付着物検出精度が低下することがない。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記2つの撮像画像は、それぞれ、前記光源から光を照射したときの付着物観測部分を撮像した点灯時画像等の照明時撮像画像と該照明時撮像画像の撮像時期に前後して該光源から光を照射していないときの付着物観測部分を撮像した消灯時画像等の非照明時撮像画像との差分画像(輝度差分画像)であることを特徴とする。
これによれば、外乱光の変化の影響が少ない付着物の検出が可能となる。
(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記2つの撮像画像は、前記光源から照射される光を選択的に透過させる赤外光透過フィルタ領域212等の光学フィルタを介して撮像されたものであることを特徴とする。
これによれば、外乱光の影響が少ない付着物の検出が可能となる。
(態様D)
自車両100等の移動体におけるフロントガラス105等の光透過部材の付着物観測部分に付着する雨滴Rd等の付着物を検出する付着物検出手段と、前記付着物検出手段の検出結果に基づいて、前記移動体に搭載されたワイパー107等の所定の機器を制御するワイパー制御ユニット106等の移動体機器制御手段とを備えた移動体機器制御システムにおいて、前記付着物検出手段として、前記態様A〜Cのいずれかの態様に係る付着物検出装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下が抑制されるので、移動体に搭載された所定の機器を適切に制御することができる。
(態様E)
ワイパー107等の所定の機器を搭載して移動する自車両100等の移動体において、前記所定の機器を制御する手段として、前記態様Dに係る移動体機器制御システムを用いたことを特徴とする。
これによれば、受光部が飽和状態になることによる付着物の検出精度の低下が抑制されるので、所定の機器を適切に制御できる移動体を提供することができる。
100 自車両
101 撮像ユニット
102 画像解析ユニット
105 フロントガラス
106 ワイパー制御ユニット
107 ワイパー
200 雨滴検出装置
201 撮像部
202 光照射部
203 雨滴量情報算出部
204 導光部
210 光学フィルタ
211 赤外光カットフィルタ領域
212 赤外光透過フィルタ領域
213 車両検出用画像領域
214 雨滴検出用画像領域
301 画像格納メモリ
302 不使用画素特定部
303 差分画像生成部
304 雨滴量算出部
305 メモリ
特開2005−195566号公報 特開2008−64630号公報

Claims (5)

  1. 複数の受光部を二次元方向に配置してなる撮像手段を用いて、光源からの光が照射される光透過部材の付着物観測部分を撮像して得られる撮像画像から、該付着物観測部分に付着している付着物を検出する付着物検出処理を実行する検出処理手段を備えた付着物検出装置において、
    前記光源から光を照射したときの付着物観測部分の撮像画像の中から、前記撮像手段における所定の閾値以上の受光量を受光している受光部に対応した撮像画像部分を不使用画像部分として特定する不使用画像部分特定手段を有し、
    前記検出処理手段は、前記不使用画像部分特定手段により特定された不使用画像部分を除いた撮像画像部分を前記付着物検出処理の対象として、前記撮像手段によって前記付着物観測部分を互いに異なる撮像時期に撮像した2つの撮像画像間における画素値差に基づいて付着物を検出することを特徴とする付着物検出装置。
  2. 請求項1の付着物検出装置において、
    前記2つの撮像画像は、それぞれ、前記光源から光を照射したときの付着物観測部分を撮像した照明時撮像画像と該照明時撮像画像の撮像時期に前後して該光源から光を照射していないときの付着物観測部分を撮像した非照明時撮像画像との差分画像であることを特徴とする付着物検出装置。
  3. 請求項1又は2の付着物検出装置において、
    前記2つの撮像画像は、前記光源から照射される光を選択的に透過させる光学フィルタを介して撮像されたものであることを特徴とする付着物検出装置。
  4. 移動体における光透過部材の付着物観測部分に付着する付着物を検出する付着物検出手段と、
    前記付着物検出手段の検出結果に基づいて、前記移動体に搭載された所定の機器を制御する移動体機器制御手段とを備えた移動体機器制御システムにおいて、
    前記付着物検出手段として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の付着物検出装置を用いたことを特徴とする移動体機器制御システム。
  5. 所定の機器を搭載して移動する移動体において、
    前記所定の機器を制御する手段として、請求項4の移動体機器制御システムを用いたことを特徴とする移動体。
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