JP2014231376A - 袋体用注出具、注出具付袋体、袋体用注出具の成形金型、及び、袋体用注出具の製造方法 - Google Patents

袋体用注出具、注出具付袋体、袋体用注出具の成形金型、及び、袋体用注出具の製造方法 Download PDF

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Toru Ichikawa
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Abstract

【課題】バリア性を有する遮断筒を、基材樹脂との剥離を引き起こすことなく当該基材樹脂内に正確に位置決めして配置できるようにして、製造の容易化と品質向上を図ることのできる袋体用注出具、注出具付袋体、袋体用注出具の成形金型、及び、袋体用注出具の製造方法を提供する。
【解決手段】注出口5を取り囲む周壁10を、バリア性を有する遮断筒11と、遮断筒11を埋設する基材樹脂から成る周壁本体部10aと、を備えた構成とする。周壁本体部10aの軸方向の一端面に、周壁本体部10aに埋設された遮断筒11の軸方向の一端面に向かって窪む複数の窪み部13を周方向に沿って間欠的に設ける。製造時には、窪み部13に対応する部分で成形金型の一部を遮断筒11の軸方向の一端面に当接させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、袋体に取り付けられて袋体内の内容物を注出する袋体用注出具、注出具付袋体、袋体用注出具の成形金型、及び、袋体用注出具の製造方法に関するものである。
近年、スパウトパウチと呼称される注出具付袋体が普及している。この注出具付袋体は、軟包装と呼ばれる樹脂フィルムとアルミ等のバリア材からなる袋体(パウチ)の上部に、樹脂製の注出具(スパウト)が一体に取り付けられ、袋体に内容物を充填した後に注出具の端部に封止用の樹脂製キャップが取り付けられたものである。
この注出具付袋体の特徴は、軽量であることや、使用前使用後の状態において扁平状にでき、スペースを取ることもないので、運搬費用の削減或いは廃棄物としての減容化が可能ということである。また、この注出具付袋体は、袋体自体が柔軟なため内容物の押し出し性(スクイズ性)に優れ、例えば、マヨネーズやケチャップのような商品ではガラス瓶や硬質容器と比較して容器内部の空気を最小限に留めることが可能となる。したがって、この注出具付袋体は、酸化し易い内容物である前述のマヨネーズやケチャップ、食用油、酒類、調味料、コンデンスミルク等の乳製品用の容器として適したものであるといえる。
しかしながら、この注出具付袋体は、袋体部分ではガスバリア性を有するフィルムを選択し、積層することで充分なガスバリア性を付与することができるが、その一方で注出具部分は、ポリエチレンやポリプロピレン等の単体樹脂で構成すると、ガスバリア性の点では充分とは言い難い。
また、粘度の低い果汁等が内容物である場合は、流通中の振動や在庫時の温度変化等によって注出具付袋体内の内容物が対流するため、酸化による内容物の劣化は顕在化しづらいが、前述のマヨネーズやケチャップ等が内容物である場合は、それ自体の粘度が高いため、注出具付近に内容物が長時間滞留しやすく、酸化によって内容物が劣化してしまう可能性がある。
この問題に対処する注出具として、注出具の注出孔を取り囲む周壁の内部に、ガスバリア性に優れた素材でできた遮断筒を配置するようにしたものが案出されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1に記載の注出具は、ガスバリア性に優れた素材で遮断筒の骨格部を造形し、その骨格部の表面に、射出成形時に成形型内に充填される基材樹脂と溶着し易い樹脂を接合して遮断筒を形成し、その遮断筒を成形型内に入れて射出成形するようにしたものである。
特許文献2に記載の注出具は、ガスバリア性に優れた素材からなる遮断筒を成形金型内に配置し、その遮断筒の軸方向の一方の端面が製品外部に露出するように射出成形するようにしたものである。この注出具は、射出成形の後に、遮断筒が外部に露出する部分に別体のリング状の保護層が接着固定されている。
特開2001−213455号公報 特開2007−261630号公報
しかし、特許文献1に記載の注出具は、ガスバリア性に優れた骨格部の表面を溶着性に優れた素材で覆った構造の遮断筒を用意しなければならないため、射出成形を行うまでの準備に複雑な多くの工程を要し、製造コストが高騰することが懸念される。
また、特許文献2に記載の注出具は、遮断筒の軸方向の一端が製品外部に露出するように射出成形したものであるが、この注出具の製造に際しては、成形金型の内面の一部に遮断筒の軸方向の一方の端面を突き当て、その状態で遮断筒の外側を覆う基材樹脂の射出を行う。この場合、遮断筒が製品内の適正位置に位置決めされるようになるものの、遮断筒の軸方向の一方の端面が基材樹脂の端部から完全に露出する、つまり、基材樹脂の端部に遮断筒の断面形状とほぼ合致する開口が形成されるため、製造後に遮断筒と基材樹脂が剥離して形状が維持できなくなる可能性が懸念される。
即ち、遮断筒をガスバリア性の高い樹脂で形成する場合、その樹脂は通常、基材樹脂であるポリエチレン等と接着する性質が無いため、単純な構造では二つの樹脂間で剥離が生じ、所望の形状を維持できなくなる可能性がある。
そこでこの発明は、バリア性を有する遮断筒を、基材樹脂との剥離を引き起こすことなく当該基材樹脂内に正確に位置決めして配置できるようにして、製造の容易化と品質向上を図ることのできる袋体用注出具、注出具付袋体、袋体用注出具の成形金型、及び、袋体用注出具の製造方法を提供しようとするものである。
この発明に係る袋体用注出具は、袋体の内部と外部とを導通させる注出孔を有し、当該注出孔を取り囲む周壁の基材樹脂内に、バリア性を有する遮断筒が埋設された袋体用注出具において、前記周壁が、前記遮断筒と、該遮断筒を埋設する前記基材樹脂から成る周壁本体部と、を有し、前記周壁本体部の軸方向の一端面には、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の一端面に向かって窪む複数の窪み部が周方向に沿って間欠的に設けられていることを特徴とするものである。
この袋体用注出具の場合、周壁本体部の軸方向の一端面の隣接する窪み部の間には、遮断筒の軸方向の一端面を径方向に跨ぐように基材樹脂の帯が配置され、遮断筒と周壁本体部の基材樹脂との剥離が規制される。また、製造時には、成形金型の一部を窪み部に対応する部分で遮断筒の軸方向の一端面に当接させ、その状態で成形金型内に基材樹脂を充填することにより、遮断筒を基材樹脂内に軸方向で正確に位置決めして配置することが可能となる。
この発明に係る袋体用注出具は、前記窪み部が、前記周壁本体部の軸方向の一端面と、その一端面に隣接する内周縁部に跨って段差状に形成され、前記窪み部の前記周壁本体部の内周縁部に位置される領域が、前記周壁本体部の内周面から前記遮断筒の内周面に向かって窪むようにしても良い。
この場合、製造時には、成形金型の一部を窪み部に対応する部分で遮断筒の軸方向の一端側の内周面に間欠的に当接させ、その状態で成形金型内に基材樹脂を充填することにより、遮断筒を基材樹脂内に径方向で正確に位置決めして配置することが可能となる。
また、この発明に係る袋体用注出具は、前記周壁本体部の軸方向の他端側の外周面に、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の他端面が臨む第1の凹部が設けられるようにしても良い。
この場合、製造時に、成形金型の一部を第1の凹部に対応する部分で遮断筒の軸方向の他端面に当接させることにより、遮断筒の軸方向の他端の軸方向の位置ずれを規制することが可能となる。
また、この発明に係る袋体用注出具は、前記周壁本体部の軸方向の他端側の外周面に、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の他端側の外周面が臨む第2の凹部が設けられるようにしても良い。
この場合、製造時に、成形金型の一部を第2の凹部に対応する部分で遮断筒の軸方向の他端側の外周面に当接させることにより、遮断筒の軸方向の他端の径方向の位置ずれを規制することが可能となる。
この発明に係る注出具付袋体は、前記いずれかに記載の袋体用注出具が袋体に取り付けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る袋体用注出具の成形金型は、袋体の内部と外部とを導通させる注出孔を有し、当該注出孔を取り囲む周壁の基材樹脂内に、バリア性を有する遮断筒が埋設された袋体用注出具の成形金型において、前記周壁の少なくとも内周面の一部と軸方向の一端を造形する第1の成形型と、前記周壁の少なくとも外周面の一部と軸方向の他端を造形する第2の成形型と、を備え、前記第1の成形型には、前記遮断筒を保持する筒保持部が設けられ、前記筒保持部には、前記遮断筒の軸方向の一端面方向に向かって突出し、前記遮断筒の軸方向の一端面に円周方向で離間した複数ヶ所で当接する複数の位置決め台が設けられていることを特徴とするものである。
この成形金型によって袋体用注出具を製造する場合には、最初に第1の成形型の筒保持部に遮断筒を保持させ、このとき、筒保持部の複数の位置決め台を、遮断筒の軸方向の一端面に円周方向で離間した複数ヶ所で当接させる。次に、この状態で第1の成形型と第2の成形型を突き合わせて成形空間を形成し、その成形空間に溶融した基材樹脂を射出充填する。こうして、基材樹脂が固化した後に第1の成形型と第2の成形型を型開きすると、軸方向の一端面に位置決め台の痕跡である複数の窪み部が円環状に配置された袋体用注出具が造形される。こうして、造形された袋体用注出具は、遮断筒が基材樹脂内に軸方向で正確に位置決めされるとともに、軸方向の一端面に周方向に沿って複数の窪み部が間欠的に設けられる。それにより、隣接する窪み部の間には、遮断筒の端面を径方向に跨ぐように基材樹脂の帯が配置され、遮断筒と基材樹脂との剥離が規制されることになる。
この発明に係る袋体用注出具の成形金型は、さらに、前記位置決め台に、前記遮断筒の軸方向の一端側の内周面に当接する嵌合爪が設けられ、前記複数の位置決め台の嵌合爪に跨って前記遮断筒の内周面が嵌合されるようにしても良い。
この場合、第1の成形型の筒保持部に遮断筒が保持されるときに、遮断筒の軸方向の一端側の内周面が複数の位置決め台の嵌合爪に跨って嵌合され、その結果、遮断筒が第1の成形型に対して径方向にも正確に位置決めされる。また、遮断筒が複数の位置決め台の嵌合爪に跨って嵌合されるため、成形空間内に基材樹脂が射出充填される際に、遮断筒が、溶融した基材樹脂の高圧の流れや熱によって軸方向に位置ずれするのを防止される。
また、この発明に係る袋体用注出具の成形金型は、前記第2の成形型に、前記遮断筒の軸方向の他端面に当接する第1の規制突起が設けられるようにしても良い。
この場合、遮断筒の軸方向の他端方向のずれが第1の規制突起によって位置規制される。
また、この発明に係る袋体用注出具の成形金型は、前記第2の成形型に、前記遮断筒の軸方向の他端側の外周面に当接する第2の規制突起が設けられるようにしても良い。
この場合、遮断筒の軸方向の他端の径方向のずれが第2の規制突起によって位置規制される。
この発明に係る袋体用注出具の製造方法は、前記いずれかの袋体用注出具の成形金型を用い、前記成形金型内に基材樹脂を射出充填することを特徴とするものである。
したがって、この発明によれば、遮断筒と基材樹脂との剥離を引き起こすことなく、遮断筒を基材樹脂内に正確に位置決めして配置できるようになり、製造の容易化と品質向上を図ることが可能となる。
この発明の一実施形態の注出具の側面図である。 この発明の一実施形態の注出具の斜視図である。 この発明の一実施形態の注出具の図2のB−B断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態の注出具の図2のC−C断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態の注出具の図1のA−A断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態の成形金型の軸方向に沿う断面図である。 この発明の一実施形態の成形金型のコア型(第1の成形型)の斜視図である。 この発明の一実施形態の成形金型の図6のD部に対応する拡大断面図である。 この発明の一実施形態の成形金型の一部と遮断筒を示す斜視図である。 この発明の一実施形態の成形金型の軸方向に沿う断面図である。 この発明の他の実施形態の注出具の図4に対応する断面図である。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、この実施形態の袋体用注出具1(以下「注出具1」と呼ぶ。)を示す図である。この実施形態の注出具1は、密閉された袋体2に内部が導通するように取り付けられ、注出具付袋体100(図1参照)を構成するようになっている。
注出具1は、袋体2に挿し込まれて外側面に袋体2の内面がヒートシールにより溶着固定される接着部3と、接着部3と連続して形成されて袋体2から外部に突出する口部4と、を備えている。口部4は略円筒状に形成され、接着部3は口部4の外径よりも一回り大きい略楕円断面形状に形成されている。接着部3の断面は、正確には、長径側の両端部が扁平に潰された略楕円形状に形成されている。これにより、注出具1の接着部3が袋体2に挿し込まれた状態で、袋体2の対向するフィルム面が接着部3の外側面に隙間無く溶着固定されるようになっている。
また、口部4と接着部3の軸心位置には、断面円形状の連続した注出孔5が形成されている。この注出孔5は、注出具1が袋体2に取り付けられた状態において、接着部3側の端部が袋体2の内側に開口し、口部4側の端部が袋体2の外側に開口するようになっている。この実施形態では、口部4と接着部3が注出孔5を取り囲む周壁を構成している。以下では、口部4と接着部3を併せて適宜周壁10と呼ぶものとする。
口部4には、注出孔5の開口を封止するための樹脂製のキャップ6が着脱可能に螺合されるようになっている。口部4の外周面には、キャップ6が螺合されるねじ山7が形成されている。また、口部4の接着部3に近接する側の外周面には、径方向外側に張り出す係止フランジ8が一体に形成されている。この係止フランジ8は注出具付袋体100を搬送するときに把持し易いように設けられている。
注出具1は、全体の主要部分がポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂(以下、「基材樹脂」と呼ぶ。)によって形成され、注出孔5の周域部分に、酸素バリア性に優れた素材から成る円筒状の遮断筒11が埋設されている。この実施形態の遮断筒11は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)を基本に、成形性を高める目的でポリオレフィン系の樹脂をさらに重合させたものを用いている。以下では、基材樹脂の一例としてポリエチレンを用いるものとして説明する。
なお、この実施形態においては、酸素バリア性に優れた素材から成る遮断筒11を用いているが、遮断筒11には、酸素以外のガスに対するバリア性に優れた素材を用いたり、紫外線等の光線に対するバリア性に優れた素材を用いることも可能である。遮断筒11に、紫外線等の光線に対するバリア性に優れた素材を用いる場合には、例えば、顔料を樹脂に添加することにより、光線に対するバリア性を付与することができる。樹脂に添加する顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等の無機系の顔料を用いることができる。
また、遮断筒11を光線に対するバリア層とガスバリア層とを組み合わせて多層化することで、光線とガスの双方に対するバリア性を付与することも可能である。
また、注出具1の周壁10のうちの、基材樹脂によって形成されている部分(遮断筒11以外の部分)を周壁本体部10aと呼ぶものとする。
注出具1の基材樹脂内に埋設される遮断筒11は、周壁本体部10aのうちの、口部4の端部の近傍から接着部3の一部に跨る範囲に配置されている。遮断筒11は、注出具1を透過して注出具1の内側に浸入しようとする酸素を遮断するものであるが、接着部3は酸素がほぼ透過しない袋体2の内側に配置されるため、上記の範囲に配置することによって注出具1の内側への酸素の浸入をほぼ遮断することができる。
また、図4に示すように、樹脂製のキャップ6の内面には、注出具1の口部4に螺着したときに注出孔5内の軸方向の一端側の内周面に密接する円筒状のシール壁12が設けられている。
ここで、図2,図4に示すように、周壁本体部10aの口部4側の軸方向の端面(軸方向の一端面)と、その端面に隣接する内周縁部には、複数の段差状の窪み部13が円周方向に沿って間欠的に設けられている。窪み部13は、周壁本体部10aの口部4側の軸方向の端面から遮断筒11の軸方向の一端面に向かって窪み、かつ、窪み部13の周壁本体部10aの内周縁部に位置される領域が、周壁本体部10aの内周面から遮断筒11の内周面に向かって窪んでいる。複数の段差状の窪み部13は、後述するコア型21の形状によって造形されるものである。周壁本体部10aの口部4側の軸方向の端部は、複数の窪み部13が円周方向に沿って間欠的に設けられることにより、各隣接する窪み部13間の帯状片14が、遮断筒11の軸方向の一端面を径方向に跨いで、周壁本体部10aの外周領域と内周領域とを接続するようになっている。
周壁本体部10aの複数の窪み部13は、注出具1の口部4に樹脂製のキャップ6が螺着されたときに、図4に示すように、キャップ6の底面とシール壁12とによって封止される。
また、図2,図4,図5に示すように、周壁本体部10aの接着部3の外周面(軸方向の他端側の外周面)の一部には、遮断筒11の軸方向の他端面に臨む位置まで窪む第1の凹部15と、第1の凹部15よりも浅い第2の凹部16が連続して形成されている。第2の凹部16は、第1の凹部15の口部4側に隣接して配置され、ほぼ遮断筒11の外周面に臨む位置まで窪んでいる。
この第1の凹部15と第2の凹部16は、周壁本体部10aの接着部3上に形成されているため、接着部3の外面に袋体2のフィルム面が溶着固定されたときに、そのフィルム面によって封止される。
図6〜図10は、注出具1を製造する射出成形用の成形金型20を示す図である。
成形金型20は、注出具1の周壁10(周壁本体部10a)の内周面と軸方向の一端(口部4側の端部)を造形するコア型21(第1の成形型)と、注出具1の周壁10の外周面と軸方向の他端(接着部3側の端部)を造形するキャビティ型22(第2の成形型)と、を備えている。
コア型21は、注出具1の周壁本体部10aの一端面を造形するベース壁23と、ベース壁23のほぼ中央に設けられて遮断筒11を保持する筒保持部24と、筒保持部24に連設されて周壁本体部10aの内周面(注出孔5)を造形する成形軸25と、を備えている。
成形軸25は、ベース壁23のほぼ中央部から前方に突出しており、筒保持部24は、成形軸25の基部側の外周に配置されている。
筒保持部24は、図7に示すように、成形軸25の基部側の外周を取り囲むほぼ同形状の4つの位置決め台26を備えている。各位置決め台26は、略扇形のブロック形状に形成され、その内周縁部に、軸方向に突出する断面円弧状の嵌合爪27が延設されている。
各位置決め台26は、ベース壁23からは、筒保持部24に保持される遮断筒11の軸方向の一端面方向に向かって突出しており、突出したその外縁側の前面が、遮断筒11の軸方向の一端面に当接する当接面26aとされている。また、円周方向で隣接する各位置決め台26の間には、所定の離間スペースSが確保されている。このため、4つの位置決め台26の当接面26aは、遮断筒11の軸方向の一端面に対し、円周方向に離間した複数ヶ所で当接する。
なお、この実施形態の場合、位置決め台26の外径(成形軸25の軸心を中心とする外径)は、遮断筒11の外径と同じに設定されている。
また、位置決め台26の嵌合爪27の外面は、遮断筒11の内周面に当接する円弧面とされている。遮断筒11は、軸方向の一端寄りの内周面が複数の嵌合爪27に跨って嵌合されることにより、径方向を位置決めされた状態において、コア型21の筒保持部24に固定される。また、このとき遮断筒11の軸方向の一端面が各位置決め台26の当接面26aに当接することにより、遮断筒11は、軸方向の一端側を位置決めされる。
なお、各嵌合爪27の先端側の外周コーナ部分には、図8に示すように、円弧状の曲面Rが設けられ、各嵌合爪27の外周側に遮断筒11を容易に嵌合できるようになっている。
一方、キャビティ型22は、基材樹脂を供給するための図示しない射出シリンダに接続されるとともに、成形後に製品を取り出せるように分離可能な複数の分割ブロックによって構成されている。また、キャビティ型22の成形空間Mに臨む部位のうちの、注出具1の周壁本体部10aの第1の凹部15と第2の凹部16に対応する位置には、遮断筒11の軸方向の他端面に当接する第1の規制突起28と、遮断筒11の軸方向の他端側の外周面に当接する第2の規制突起29とが突設されている。この実施形態の場合、第1の規制突起28と第2の規制突起29は、図9に示すように一体に形成されている。
また、第1の規制突起28と第2の規制突起29を保持するキャビティ型22の分割ブロックは、型開き時に製品(注出具1)の径方向外側方向に移動し得るようになっている。
つづいて、以上の成形金型20を用いた注出具1の製造について説明する。
最初に、予め用意した遮断筒11を、図7に示すように、コア型21の筒保持部24にセットする。具体的には、遮断筒11を成形軸25の周域を通過させて、遮断筒11の内周面を複数の位置決め台26の嵌合爪27の外面に嵌合し、最終的に、遮断筒11の軸方向の一端側の端面を複数の位置決め台26の当接面26aに当接させる。これにより、遮断筒11は、軸方向と径方向に位置決めされた状態でコア型21に固定される。
なお、遮断筒11は、上述した酸素バリア性の樹脂を原料として押し出し成形機によって長尺筒を造形し、その長尺筒を所定寸法に切断して形成される。
次に、図6に示すように、コア型21とキャビティ型22とを型締めし、コア型21とキャビティ型22の間に成形空間Mを形成する。このとき、キャビティ型22内に突設された第1の規制突起28と第2の規制突起29とは、図6,図9に示すように、遮断筒11の軸方向の他端側の端面と外周面とに当接し、若しくは、これらに近接して配置される。
この後、図示しない射出シリンダから成形空間M内に溶融した基材樹脂を射出充填する。この基材樹脂の射出充填はキャビティ型22の底部側から行われる。溶融した基材樹脂がキャビティ型22の底部側から射出充填されると、その基材樹脂は、遮断筒11の外周側と内周側を回り込んで成形空間M内に行き渡る。このとき、遮断筒11の内周側に回り込んだ基材樹脂は、成形軸25と遮断筒11の間の隙間を通ってコア型21の筒保持部24方向に流入し、筒保持部24に達した基材樹脂は、筒保持部24の隣接する位置決め台26間の離間スペースSを通過して遮断筒11の外周側に流れ込む。このとき、隣接する位置決め台26間の離間スペースSに流れ込んだ溶融樹脂は、図2に示す注出具1の軸方向の一端の4つの帯状片14を造形する。
このように成形空間M内に高温の溶融樹脂が高圧で導入されると、成形金型20内の遮断筒11には、軸方向や径方向に押し動かそうとする種々の荷重が作用するが、遮断筒11は、軸方向の一端側が複数の位置決め台26の当接面26aと嵌合爪27によって位置決めされているため、成形空間M内を大きく変動することがない。また、遮断筒11の軸方向の他端側が溶融樹脂によって振れ動かされようとすると、その振れは第1の規制突起28と第2の規制突起29とによって規制される。
この後、成形空間M内の基材樹脂の固化を待ってコア型21とキャビティ型22を型開きし、成形品を成形金型20から取り出す。この後に成形品にバリ取り等の後処理を行い、注出具1の製造を完了する。
こうして製造された注出具1は、図2に示すように口部4の端部に位置決め台26の痕跡である複数の窪み部13が造形されるとともに、接着部3の外面に第1の規制突起28と第2の規制突起29の痕跡である第1の凹部15と第2の凹部16が造形される。窪み部13や第1,第2の凹部15,16では遮断筒11の一部が部分的に外部に露出することがあるが、実際の使用時には、前述のように窪み部13は樹脂製のキャップ6によって封止され、第1,第2の凹部15,16は袋体2のフィルム面によって封止される。
遮断筒11を形成する酸素バリア性の高い樹脂は、水酸基を分子構造の中に有していることから、水分に長時間接触すると脆化やバリア性の低下が起こり易い。しかし、上述のように窪み部13や第1,第2の凹部15,16が確実に封止されることから、使用時におけるこのような問題は生じない。
また、上記の成形金型20によって造形された注出具1は、位置決め台26の当接面26aと嵌合爪27によって遮断筒11が周壁本体部10aの基材樹脂内に正確に位置決めされることになるうえ、軸方向の一端側の複数の窪み部13の間に、基材樹脂による帯状片14が遮断筒11の端面を径方向に跨ぐように設けられるため、遮断筒11と基材樹脂との剥離を確実に規制し、注出具1の形状を安定的に維持することができる。
即ち、遮断筒11を形成する酸素バリア性を有する樹脂は、基材樹脂であるポリエチレン等との接着性が無いため、遮断筒11の断面と同サイズ若しくはそれよりも大きいサイズの開口が周壁10の端部に開口していると、その開口部分で遮断筒11と基材樹脂との剥離が生じることがあるが、上記のように製造された注出具1は、開口(窪み部13)の口開きが帯状片14によって確実に規制される。
したがって、上記の成形金型20を用いることにより、遮断筒11と基材樹脂との剥離を引き起こすことなく、遮断筒11を基材樹脂内に正確に位置決めして配置することができる。この結果、注出具1の製造の容易化と品質向上を図ることが可能となる。
ところで、遮断筒11を、できる限り短く、厚くすることによって射出成形時における遮断筒11の振れによる変形を防止できることが知られている。しかし、遮断筒11を短くするのには、バリア機能の必要性から限界があり、また、遮断筒11の厚みを厚くするのにも、寸法の安定性や強度の維持等の観点から限界がある。即ち、厚みについては、遮断筒11の厚みを厚くし過ぎると、遮断筒11の製造時に遮断筒11の中心部に熱がこもり、冷却時に不均等な収縮が生じて寸法が不安定になり易く、また、遮断筒11の厚みを厚くすると、その厚みを厚くした分だけ基材樹脂の厚みが薄くなり、その結果、強度が低下してしまう。
これに対し、上記の成形金型20は、遮断筒11を短くしたり、厚くすることなく射出成形時における遮断筒11の振れによる変形を確実に防止することができる。
ここで、キャビティ型22側の第1の規制突起28や第2の規制突起29は必ずしも設けなくても良いが、この実施形態のように第1の規制突起28や第2の規制突起29を設けるようにした場合には、射出成形時における遮断筒11の軸方向の他端側の振れをより確実に規制することができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態の注出具1においては、周壁本体部10aの口部4側の端面に複数の窪み部13が円周方向に沿って間欠的に設けられ、周壁本体部10aの接着部3側の外周面に第1の凹部15と第2の凹部16が設けられているが、遮断筒11が内容物と接触しても劣化等を生じる心配のない場合には、図11に示す実施形態のように、周壁本体部10aの接着部3側の端面に複数の窪み部13を円周方向に沿って間欠的に設け、周壁本体部10aの口部4側の外周面に第1の凹部15と第2の凹部16を設けるようにしても良い。なお、図11においては、図1〜図5に示した実施形態と同一部分に同一符号を付している。
1 注出具
2 袋体
5 注出孔
10 周壁
10a 周壁本体部
11 遮断筒
13 窪み部
15 第1の凹部
16 第2の凹部
20 成形金型
21 コア型(第1の成形型)
22 キャビティ型(第2の成形型)
24 筒保持部
26 位置決め台
27 嵌合爪
28 第1の規制突起
29 第2の規制突起
100 注出具付袋体

Claims (10)

  1. 袋体の内部と外部とを導通させる注出孔を有し、当該注出孔を取り囲む周壁の基材樹脂内に、バリア性を有する遮断筒が埋設された袋体用注出具において、
    前記周壁が、前記遮断筒と、該遮断筒を埋設する前記基材樹脂から成る周壁本体部と、を有し、
    前記周壁本体部の軸方向の一端面には、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の一端面に向かって窪む複数の窪み部が周方向に沿って間欠的に設けられていることを特徴とする袋体用注出具。
  2. 前記窪み部は、前記周壁本体部の軸方向の一端面と、その一端面に隣接する内周縁部に跨って段差状に形成され、前記窪み部の前記周壁本体部の内周縁部に位置される領域が、前記周壁本体部の内周面から前記遮断筒の内周面に向かって窪んでいることを特徴とする請求項1に記載の袋体用注出具。
  3. 前記周壁本体部の軸方向の他端側の外周面には、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の他端面が臨む第1の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の袋体用注出具。
  4. 前記周壁本体部の軸方向の他端側の外周面には、当該周壁本体部に埋設された前記遮断筒の軸方向の他端側の外周面が臨む第2の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋体用注出具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の袋体用注出具が袋体に取り付けられていることを特徴とする注出具付袋体。
  6. 袋体の内部と外部とを導通させる注出孔を有し、当該注出孔を取り囲む周壁の基材樹脂内に、バリア性を有する遮断筒が埋設された袋体用注出具の成形金型において、
    前記周壁の少なくとも内周面の一部と軸方向の一端を造形する第1の成形型と、
    前記周壁の少なくとも外周面の一部と軸方向の他端を造形する第2の成形型と、を備え、
    前記第1の成形型には、前記遮断筒を保持する筒保持部が設けられ、
    前記筒保持部には、前記遮断筒の軸方向の一端面方向に向かって突出し、前記遮断筒の軸方向の一端面に円周方向で離間した複数ヶ所で当接する複数の位置決め台が設けられていることを特徴とする袋体用注出具の成形金型。
  7. 前記位置決め台に、前記遮断筒の軸方向の一端側の内周面に当接する嵌合爪が設けられ、
    前記複数の位置決め台の嵌合爪に跨って前記遮断筒の内周面が嵌合されることを特徴とする請求項6に記載の袋体用注出具の成形金型。
  8. 前記第2の成形型に、前記遮断筒の軸方向の他端面に当接する第1の規制突起が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の袋体用注出具の成形金型。
  9. 前記第2の成形型に、前記遮断筒の軸方向の他端側の外周面に当接する第2の規制突起が設けられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の袋体用注出具の成形金型。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の袋体用注出具の成形金型を用い、前記成形金型内に基材樹脂を射出充填することを特徴とする袋体用注出具の製造方法。
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