JP2014231284A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を適正に配分するのに有効な技術を提供する。
【解決手段】車両制御装置100は、車両10に対する運転者の操作状態を検出する操作状態検出部31と、サスペンション機構を介して車両のバネ上に配置された車体10aに発生する運動状態を検出する運動状態検出部32と、車輪11〜14のそれぞれの駆動力又は制動力を独立して制御可能な制御部とを備え、制御部は、操作状態検出部31によって検出された操作状態と、運動状態検出部32によって検出された運動状態とに応じて、目標運動状態量に基づいて、車輪に駆動力又は制動力を配分する第1制御モードと、車両の走行路面の路面状態と、目標運動状態量との少なくとも一方から求められる車輪の滑り易さに基づいて、車輪に駆動力又は制動力を配分する第2制御モードとのいずれかの制御モードを選択的に達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両において複数の車輪のそれぞれの駆動力又は制動力を制御する技術に関する。
この種の車両、典型的にはインホイールモータ方式の車両では、車両走行時の車体の運動状態等に基づいてモータが制御されることにより各車輪に配分される駆動力又は制動力が制御される。例えば下記の特許文献1には、車両走行時の車体の運動状態、及び車両に対する運転者の操作状態から設定された目標運動状態量に基づいて各車輪に駆動力又は制動力を配分することにより車体の挙動の安定化させる技術が開示されている。この制御によれば、演算された目標ヨーモーメントを各輪に配分すると、サスペンション機構の幾何学的な配置の関係上、前輪の駆動力の方が後輪の駆動力よりも大きくなる。しかしながら、このような制御を用いると摩擦係数が低い路面においては、後輪よりも駆動力が多く配分されている前輪は摩擦限界に対する余裕が少なくなることが想定される。従って、この種の制御の設計に際しては、車体の目標運動状態量のみならず各車輪の滑り易さも包括的に考慮した上で、各車輪に駆動力又は制動力を適正に配分する技術が要請される。
特開2012−086712号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、車両において複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を適正に配分するのに有効な技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両制御装置は、操作状態検出部、運動状態検出部及び制御部を含む。操作状態検出部は、車両に対する運転者の操作状態を検出する機能を果たす。運動状態検出部は、サスペンション機構を介して車両のバネ上に配置された車体に発生する運動状態を検出する機能を果たす。制御部は、複数の車輪のそれぞれの駆動力又は制動力を独立して制御可能である。この制御部は、第1制御モードと第2制御モードとのいずれかの制御モードを選択的に達成する。第1制御モードでは、操作状態検出部によって検出された操作状態と運動状態検出部によって検出された運動状態とに応じて設定される目標運動状態量に基づいて、複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力が配分される。目標運動状態量として典型的には、車両を走行させるための目標前後駆動力、車体のロール方向(左右方向)の挙動を制御するための目標ロールモーメント、車体のピッチング方向(前後方向)の挙動を制御するための目標ピッチモーメント、車体のヨー方向(回頭方向)の挙動を制御するための目標ヨーモーメントが挙げられる。第2制御モードでは、車両の走行路面の路面状態と目標運動状態量との少なくとも一方から求められる複数の車輪の滑り易さに基づいて、複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力が配分される。この場合、第1制御モード及び第2制御モードのうちの一方の制御モードのみが選択されてもよいし、或いは第1制御モードからの切替えによって第2制御モードが選択されてもよい。これにより、車体の目標運動状態量を重視する場合には第1制御モードを選択することができ、車輪の滑り易さを重視する場合には第2制御モードを選択することができる。その結果、車体の目標運動状態量と車輪の滑り易さの双方を包括的に考慮して、各車輪に駆動力又は制動力を適正に配分することができる。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、制御部は、第1の駆動力配分演算部、第2の駆動力配分演算部及び演算選択部を含むのが好ましい。第1の駆動力配分演算部は、第1制御モードの選択時に複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を演算する機能を果たす。第2の駆動力配分演算部は、第2制御モードの選択時に複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を演算する機能を果たす。演算選択部は、路面状態と目標運動状態量との少なくとも一方から複数の車輪の滑り易さの状態を判定し、当該判定結果に基づいて第1の駆動力配分演算部と第2の駆動力配分演算部のいずれかを選択する機能を果たす。これにより、第1制御モード及び第2制御モードのそれぞれの選択時に、駆動力又は制動力の演算を、第1の駆動力配分演算部及び第2の駆動力配分演算部のそれぞれにおいて独立して実行することができる。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、制御部は、演算選択部によって複数の車輪が滑り易い状態にないと判定された場合に第1制御モードを選択し、演算選択部によって複数の車輪が滑り易い状態にあると判定された場合に第2制御モードを選択するのが好ましい。これにより、複数の車輪が滑り易い状態にあるか否かを演算選択部によって判定した上で制御モードを選択することができる。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、第1の駆動力配分演算部は、演算選択部によって第1制御モードが選択されたとき、目標運動状態量としての、車両を走行させるため目標前後駆動力、車体のロール方向の挙動を制御するための目標ロールモーメント、車体のピッチング方向の挙動を制御するための目標ピッチモーメント、及び車体のヨー方向の挙動を制御するための目標ヨーモーメントを同時に実現するように、複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を配分する演算を行うのが好ましい。これにより、第1制御モードが選択されると、車体の目標運動状態量を重視した駆動力又は制動力の配分を実行できる。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、第2の駆動力配分演算部は、演算選択部によって第2制御モードが選択されたとき、複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を均等化する演算を行うのが好ましい。サスペンション機構の幾何学的な配置の関係に基づいた第1の駆動力配分演算部の演算結果によれば目標ヨーモーメントの各輪への配分が前輪と後輪とで不等配分となるのが一般的であるが、この第2の駆動力配分演算部の演算結果によれば前輪の摩擦限界に対する余裕が少なくなるのを抑制できる(前輪の摩擦限界に余裕をもたせることができる)。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、制御部は、第1制御モードの選択時に第1の駆動力配分演算部の演算結果に基づいて複数の車輪のうちの前輪に後輪よりも大きい駆動力又は制動力が配分されているとき、演算選択部によって複数の車輪が滑り易い状態にあると判定された場合には制御モードの選択を第1制御モードから第2制御モードに切替え、第2の駆動力配分演算部の演算結果に基づいて前輪から後輪へ駆動力又は制動力をシフトするのが好ましい。この場合、前輪の駆動力又は制動力を下げることで前輪の摩擦限界に対する余裕が少なくなるのを抑制できる(前輪の摩擦限界に余裕をもたせることができる)。
また本発明に係る前記の車両制御装置では、演算選択部は、路面状態である走行路面と複数の車輪との間の路面摩擦係数が閾値よりも小さく、且つ目標運動状態量としての、車体のヨー方向の挙動を制御するための目標ヨーモーメントが閾値よりも大きい場合に複数の車輪が滑り易い状態にあると判定するのが好ましい。この場合、路面摩擦係数は、複数の車輪が滑り易いか否かを判定するためのパラメータとなる。また、目標ヨーモーメントは、ヨー方向に関し複数の車輪に付与する駆動力又は制動力が大きいか否かを判定するためのパラメータであり、路面摩擦係数と同様にこの目標ヨーモーメントによっても複数の車輪が滑り易いか否かを判定可能である。これにより、制御モードを選択するための判定を演算選択部において精度良く行うことができる。
以上のように、本発明によれば、車両において複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を適正に配分することが可能になった。
図1は、本発明に係る車両10に搭載された車両制御装置100の概略構成を示す図である。 図2は、図1中の車両制御装置100の概略構成を示す図である。 図3は、車両10において前後方向の駆動力差が生じた際に車体10aに入力される力を説明するための図である。 図4は、車両制御装置100のECU40を構成する演算選択部43における処理フローを示す図である。 図5は、車両制御装置100の変更例に係る車両制御装置200の概略構成を示す図である。 図6は、車両制御装置200のECU40を構成する演算選択部43aにおける処理フローを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1には車両10に搭載された車両制御装置100の概略構成が示されている。車両10は、本発明の「車両」に相当するものであり、複数の車輪として左右前輪11,12及び左右後輪13,14を備えている。左右前輪11,12は、互いに又はそれぞれ独立してサスペンション機構15,16を介して車両10のバネ上としての車体10aに支持されている。また、左右後輪13,14は、互いに又はそれぞれ独立してサスペンション機構17,18を介して車両10の車体10aに支持されている。車両制御装置100は、4つの車輪11〜14のそれぞれに割り当てられ各輪の駆動力又は制動力を独立して制御可能な電動の4つのモータ19〜22、インバータ23、4つのモータ19〜22を制御する制御ユニット30を主体に構成されている。この車両制御装置100が本発明の「車両制御装置」に相当する。この図1において、矢印Fは車両10の前進方向を示し、矢印Rは車両10の後進方向を示している。また、矢印D1は車両10の左右方向を示し、矢印D2は車両10の前後方向を示している。
左右前輪11,12は、それぞれモータ19,20により独立して駆動される。同様に、左右後輪13,14は、それぞれモータ21,22により独立して駆動される。上記のモータ19〜22は当該モータが対応する車輪11〜14の内部に取り付けられる場合には、所謂、インホイールモータとよばれ、左右前輪11,12および左右後輪13,14とともに車両10のバネ下に配置されている。また、モータ19〜22はバネ上に搭載されていてもよく、その場合はドライブシャフト(図示省略)を介して対応する車輪11〜14を駆動する。そして、各モータ19〜22をそれぞれ独立して制御することにより、左右前輪11,12及び左右後輪13,14のそれぞれを駆動方向(「力行方向」ともいう)又は制動方向(「回生方向」ともいう)に駆動するためのトルクが制御される。
これらモータ19〜22はいずれも、例えば交流同期モータとして構成されている。この場合、インバータ23を介して、駆動源として車両10に搭載された蓄電装置24(バッテリやキャパシタなど)の直流電力が交流電力に変換され、その交流電力が各モータに供給されることにより各モータが駆動されて、左右前輪11,12及び左右後輪13,14に駆動方向又は制動方向の駆動トルクが付与される。また、これらのモータ19〜22を、左右前輪11,12及び左右後輪13,14の回転エネルギーを利用して回生制御することも可能である。なお、4つのモータ19〜22はそれぞれが対応する車輪と直結された構造であってもよいし、或いは対応する車輪との間に減速機が介装された構成であってもよい。
4つの車輪11〜14のそれぞれと、対応する4つのモータ19〜22のそれぞれとの間には、ブレーキ機構25,26,27,28がそれぞれ設けられている。ブレーキ機構25〜28はいずれも、例えばディスクブレーキやドラムブレーキなどの公知の制動装置(所謂、「摩擦ブレーキ」)として構成される。これらブレーキ機構25〜28は、例えばマスタシリンダ(図示省略)からの油圧により、4つの車輪11〜14に制動力を生じさせるブレーキキャリパのピストンや、ブレーキシュー(ともに図示省略)などを作動させるブレーキアクチュエータ29に接続されている。上記インバータ23及びブレーキアクチュエータ29はそれぞれ、制御ユニット30に接続されている。
なお、上記の車両10では、4つの車輪11〜14のそれぞれを4つのモータ19〜22のそれぞれによって駆動する構成(即ち、四輪モータ車)以外に、2つの左右前輪11,12のそれぞれを2つのモータ19,20のそれぞれによって駆動する構成(即ち、前輪駆動の二輪モータ車)や、2つの左右後輪13,14のそれぞれを2つのモータ21,22のそれぞれによって駆動する構成(即ち、後輪駆動の二輪モータ車)を採用することもできる。
制御ユニット30は、互いに電気的に接続された検出機構30a及びECU40を含む。検出機構30aは、第1検出部31、第2検出部32及び第3検出部33を備え、これら第1〜第3検出部31〜33を含む各種センサからの出力信号がECU40に入力される。第1検出部31は、車両10の運転のために運転者によって操作された操作状態を検出するための操作状態検出手段として構成される。この第1検出部31が本発明の「操作状態検出部」に相当する。第2検出部32は、車両10の走行状態として、特にサスペンション機構15〜18を介して車両10のバネ上に配置された車体10aに発生した運動状態を検出するための運動状態検出手段として構成される。この第2検出部32が本発明の「運動状態検出部」に相当する。第3検出部33は、走行時に車両10に作用する外乱を検出するための外乱検出手段として構成される。
第1検出部31として、例えば車両操舵用のステアリングホイール(図示省略)に対する運転者の操作量(操舵角)を検出する操舵角センサや、アクセルペダル(図示省略)に対する運転者による操作量(踏み込み量や、角度、圧力など)を検出するアクセルセンサ、エンジン(図示省略)に設けられてアクセルペダルの操作に応じて作動するスロットルの開度を検出するスロットルセンサ、ブレーキペダル(図示省略)に対する運転者による操作量(踏み込み量や、角度、圧力など)を検出するブレーキセンサ、パーキングブレーキ(図示省略)のオン−オフ状態を検出するパーキングブレーキセンサ、イグニッション(図示省略)のオン−オフ状態を検出するイグニッションセンサなどが挙げられる。
第2検出部32として、例えば、車体10a(バネ上)の上下方向における上下加速度を検出するバネ上上下加速度センサ、車体10aに発生した左右方向の加速度を検出する左右加速度センサ(「横Gセンサ」ともいう)、車両10の車速を検出する車速センサ、車両10に発生したヨーレートを検出するヨーレートセンサ、車両10に発生したピッチレートを検出するピッチレートセンサ、車両10に発生したロールレートを検出するロールレートセンサなどが挙げられる。
第3検出部33として、例えばサスペンション機構15〜18のそれぞれのストローク量を検出するストロークセンサや、4つの車輪11〜14を含む車両10のバネ下の上下方向における上下加速度を検出するバネ下上下加速度センサ、車両10が走行する走行路面の路面情報(路面の凹凸の大きさ、路面摩擦係数等)を画像情報として検出するカメラセンサなどが挙げられる。
ECU40は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、各種プログラムを実行するものである。このECU40は、特に第1〜第3検出部31〜33を含む各種センサからの出力信号に基づいて、インバータ23にモータ19〜22を制御するための制御信号を出力するとともに、ブレーキアクチュエータ29にブレーキ機構25〜28を制御するための制御信号を出力する機能を果たす。その結果、ECU40は、車両10の走行状態および車体10aの挙動を把握して、4つの車輪11〜14のそれぞれの駆動力又は制動力を制御することができる。即ち、このECU40は、4つのモータ19〜22及びインバータ23との協働によって、4つの車輪のそれぞれの駆動力又は制動力を独立して制御可能な制御部(本発明の「制御部」に相当する)が構成される。
このECU40は、図2に示すように、入力手段としての入力部41、車体挙動制御値演算手段としての車体挙動制御指令値演算部42、演算選択手段としての演算選択部43、第1の駆動力配分演算手段としての第1の駆動力配分演算部44、第2の駆動力配分演算手段としての第2の駆動力配分演算部45、モータトルク指令値演算手段としてのモータトルク指令値演算部46、出力手段としての出力部47を備えている。
入力部41には、第1検出部31、第2検出部32及び第3検出部33のそれぞれから信号が入力される。そして、入力部41は、第1検出部31からの入力信号に基づいて、例えば、運転者による操舵ハンドルの操舵角や、アクセルペダルの操作に伴うアクセル操作量およびスロットル開度、ブレーキペダルの操作に伴うブレーキ操作量、イグニッションのオン−オフ状態、蓄電装置24の充電状態などを取得する。また、入力部41は、第2検出部32からの入力信号に基づいて、例えば、車両10の車速や横加速度、車体10aにおけるロールレート、ピッチレート及びヨーレートなどを取得する。さらに、入力部41は、第3検出部33からの入力信号に基づいて、例えば、車両10が走行する走行路面に関する路面情報(路面の凹凸の大きさ、路面摩擦係数等)、車両10に対する横風の影響の大きさなどを取得する。このように、入力部41は、取得した各種検出値を車体挙動制御指令値演算部42に出力する。
車体挙動制御指令値演算部42は、入力部41から出力された各種検出値を用いて、車両10を走行させるための制御指令値として目標前後駆動力Fを演算するとともに、車体10aに発生した挙動を制御するための制御指令値として、ロール方向(左右方向)の挙動を制御するための目標ロールモーメントM、ピッチング方向(前後方向)の挙動を制御するための目標ピッチモーメントM、及びヨー方向(回頭方向)の挙動を制御するための目標ヨーモーメントM)を演算する機能を果たす。この車体挙動制御指令値演算部42は、演算した目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントM及び目標ヨーモーメントMを表す各指令値を、入力部41からの各種検出値とともに演算選択部43に出力する。
演算選択部43は、車体挙動制御指令値演算部42からの出力情報、即ち入力部41から出力された各種検出値、及び車体挙動制御指令値演算部42で演算された制御指令値、更には車両10の諸元データ等に基づいて、駆動力又は制動力の演算に係る演算部を第1の駆動力配分演算部44と第2の駆動力配分演算部44とのいずれかを選択する機能を果たす。即ち、この演算選択部43おいて、第1の駆動力配分演算部44と第2の駆動力配分演算部45の何れの演算結果を用いて4つの車輪11〜14の駆動力又は制動力の配分を行うかが選択的に決定される。この演算選択部43が本発明の「演算選択部」に相当する。
第1の駆動力配分演算部44は、車体挙動制御指令値演算部42からの指令値に基づいて、目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントM及び目標ヨーモーメントMを車輪11〜14に配分して発生させる駆動力を演算する機能を果たす。そして、この第1の駆動力配分演算部44は、演算した駆動力をモータトルク指令値演算部46に出力する。これにより、目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントM及び目標ヨーモーメントMを同時に実現するように車輪11〜14に駆動力を配分する第1の駆動力配分制御(「第1制御モード」における制御)が実行される。この場合、第1の駆動力配分演算部44は、典型的には下記の式(1)によって、左前輪11における左前輪駆動力Ffl、右前輪12における右前輪駆動力Ffr、左後輪13における左後輪駆動力Frl、右後輪14における右前輪駆動力Frrをそれぞれ演算することができる。この第1の駆動力配分演算部44が、本発明の「第1の駆動力配分演算部」に相当する。


Figure 2014231284
ここで、式(1)中のa,a,a,a,a,aは、車両10における各輪11〜14およびサスペンション機構15〜18の幾何学的な配置に基づいて決定されるものであり、下記の式(2)によって示される。

Figure 2014231284
上記の式(1)及び(2)については、図1及び図3が参照される。即ち、図3に示すように、車両10の各車輪11〜14及びサスペンション機構15〜18の幾何学的な配置として、ホイールベースLに対して車両10の重心Cgと左右前輪11,12の車軸との間の距離をL、車両10の重心Cgと左右後輪13,14の車軸との間の距離をLrとし、また、図1に示すように、左右前輪11,12のトレッド幅をt、左右後輪13,14のトレッド幅をtとする。また、このような幾何学的な配置を有する車両10において、左右前輪11,12のサスペンション機構15,16の回転中心Cfと左右前輪11,12の接地点とを結ぶ線と水平線との間の角度をθ(以下、瞬間回転角θという)、左右後輪13,14のサスペンション機構17,18の回転中心Crと左右前輪13,14の接地点とを結ぶ線と水平線との間の角度をθ(以下、瞬間回転角θという)とする。
この場合、例えば、図3に示すように、左右前輪11,12側と左右後輪13,14側との間に前後方向における駆動力差ΔFが生じた場合、発生した駆動力差ΔFの分力、即ちサスペンション機構15〜18の反力として上下方向に作用する上下力が発生する。なお、図3においては、例えば、左右前輪11,12がそれぞれ発生する駆動力に比して左右後輪13,14側がそれぞれ発生する駆動力が大きい場合を示しており、その結果、左右前輪11,12側に発生する駆動力差ΔFが相対的に車両10の後方に作用する制動力として発生し、左右後輪13,14側に発生する駆動力差ΔFが相対的に車両10の前方に作用する駆動力として発生する状況を示している。したがって、逆に、左右後輪13,14がそれぞれ発生する駆動力に比して左右前輪11,12側がそれぞれ発生する駆動力が大きい場合には、左右前輪11,12側に発生する駆動力差ΔFが相対的に車両10の前方に作用する駆動力として発生し、左右後輪13,14側に発生する駆動力差ΔFが相対的に車両10の後方に作用する制動力として発生する。
そして、このように発生する上下力は、左右前輪11,12側においてはサスペンション機構15,16の瞬間回転角θを用いてΔF×tanθで表すことができ、左右前輪13,14側においてはサスペンション機構17,18の瞬間回転角θを用いてΔF×tanθで表すことができる。したがって、このように各車輪11〜14にて駆動力差ΔFを発生させて車体10aに入力される上下力ΔF×tanθと上下力ΔF×tanθとを車両10の重心Cg回りに作用させる場合、重心Cg回りに発生する作用力は、上述した車両10の各車輪11〜14およびサスペンション機構15〜18の配置から、上記の式(2)に従って幾何学的に決定される。
上記のサスペンション機構15〜18の幾何学的な配置では、角度θ<角度θという関係が一般的である。この場合、演算された目標ヨーモーメントMを各輪に配分すると、サスペンション機構15〜18の幾何学的な配置の関係上、前輪11,12の駆動力の方が後輪13,14の駆動力よりも大きくなるため、前輪11,12の摩擦限界に対する余裕が少なくなる。
一方で、第2の駆動力配分演算部45は、車体挙動制御指令値演算部42からの指令値に基づいて、目標ヨーモーメントMを車輪11〜14に配分して発生させる駆動力を演算する機能を果たす。即ち、この第2の駆動力配分演算部45は、目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントM及び目標ヨーモーメントMのうち目標ヨーモーメントMのみを用いて車輪11〜14に配分する駆動力を演算する点に関して、第1の駆動力配分演算部44と相違している。そして、この第2の駆動力配分演算部45は、演算した駆動力をモータトルク指令値演算部46に出力する。これにより、目標ヨーモーメントMを実現するように車輪11〜14に駆動力を配分する第2の駆動力配分制御(「第2制御モード」における制御)が実行される。この場合、第2の駆動力配分演算部45は、典型的には下記の式(3)によって、左前輪11における左前輪駆動力Ffl、右前輪12における右前輪駆動力Ffr、左後輪13における左後輪駆動力Frl、右後輪14における右前輪駆動力Frrをそれぞれ演算することができる。この第2の駆動力配分演算部45が、本発明の「第2の駆動力配分演算部」に相当する。

Figure 2014231284
式(3)に示すように、左右前輪11,12のトレッド幅tと左右後輪13,14のトレッド幅tが一致或いは概ね一致する場合には、第2の駆動力配分制御時に各車輪11〜14に配分する駆動力又は制動力が均等化される。
モータトルク指令値演算部46は、第1の駆動力配分演算部44又は第2の駆動力配分演算部45によって演算された駆動力に対応してモータ19〜22のそれぞれが発生すべきトルクの指令値を演算する機能を果たす。そして、モータトルク指令値演算部46は、演算したトルク指令値を出力部47に出力する。
出力部47は、モータトルク指令値演算部46によって演算されたトルク指令値に対応する駆動信号をインバータ23に出力する。これにより、インバータ23は、各モータ19〜22に対して供給する駆動電力(駆動電流)を制御して各モータ19〜22を駆動させる。これにより、各車輪11〜14に駆動トルクが発生する。その結果、車両10を運転者による操作状態に応じて適切に走行させることができるとともに、車体10aにおけるロール運動、ピッチ運動及びヨー運動を適正に制御することができる。
ここで、上記の演算選択部43における具体的な処理について図4を参照しつつ説明する。この処理は、図4に示すステップS101からステップS105までの処理を含む。この処理が更に1又は複数の別のステップを含んでいてもよい。概念的には、この処理によって車輪11〜14が滑り易い状態にない場合に第1の駆動力配分演算部44が選択される一方で、車輪11〜14が滑り易い状態にある場合に第2の駆動力配分演算部45が選択される。
具体的には、ステップS101では、車体挙動制御指令値演算部42から出力された目標ヨーモーメントMが大きいか否かが判定される(第1の判定ステップ)。典型的には、目標ヨーモーメントMと予め設定した閾値との比較によって、当該目標ヨーモーメントMが閾値を上回る場合に当該目標ヨーモーメントMが大きいと判定される。この目標ヨーモーメントMは、ヨー方向に関し車輪11〜14に付与する駆動力又は制動力が大きいか否か(また、モータ19〜22に与えるモータ出力が大きいか否か)を判定するためのパラメータとして用いられる。従って、目標ヨーモーメントMが大きいという判定結果の場合(ステップS101のYesの場合)、即ちヨー方向に関し車輪11〜14に付与する駆動力又は制動力が大きいという判定結果の場合には、この目標ヨーモーメントMに基づく駆動力又は制動力の制御によって車輪11〜14が滑り易い状態になると判定されてステップS102にすすむ。一方で、目標ヨーモーメントMが小さいという判定結果の場合(ステップS101のNoの場合)、即ちヨー方向に関し車輪11〜14に付与する駆動力又は制動力が小さいという判定結果の場合には、この目標ヨーモーメントMに基づく駆動力又は制動力の制御によって車輪11〜14が滑り易い状態にならないと判定されて、第1の駆動力配分演算部44によるステップS105の第1の駆動力配分制御が選択され実行される。
ステップS102では、路面摩擦係数μが小さいか否かを判定される(第2の判定ステップ)。典型的には、車両10の走行路面と車輪11〜14との間の路面摩擦係数μと予め設定した閾値との比較によって、当該路面摩擦係数μが閾値を下回る場合に当該路面摩擦係数μが小さいと判定される。この場合、例えば車両10の諸元データ等を各車輪11〜14の運動方程式に適用することによって、路面摩擦係数μを推定することができる。或いは、第3検出部33の1つであるカメラセンサによって検出された路面情報(路面の凹凸の大きさ、路面摩擦係数等)から路面摩擦係数μを推定することもできる。この路面摩擦係数μは、車輪11〜14が滑り易いか否かを判定するためのパラメータとして用いられる。従って、路面摩擦係数μが小さいという判定結果の場合(ステップS102のYesの場合)には、車輪11〜14が滑り易い状態にあると判定されてステップS103にすすむ。一方で、路面摩擦係数μが大きいという判定結果の場合(ステップS102のNoの場合)には、車輪11〜14が滑り易い状態にないと判定されて、第1の駆動力配分演算部44によるステップS105の第1の駆動力配分制御が選択され実行される。
ステップS103では、車体スリップ角βが大きいか否かが判定される(第3の判定ステップ)。典型的には、車体スリップ角βと予め設定した閾値との比較によって、当該車体スリップ角βが閾値を上回る場合に当該車体スリップ角βが大きいと判定される。この場合、例えば入力部41から出力された車両10の車速、横加速度、ヨーレート等を用いて車体スリップ角βを推定することができる。この車体スリップ角βは、車両10が横方向の挙動に関し不安定な状態にあるか否かを判定するためのパラメータとして用いられる。従って、車体スリップ角βが大きいという判定結果の場合(ステップS103のYesの場合)、即ち車両10が横方向の挙動に関し不安定な状態にあるという判定結果の場合には、各車輪11〜14が滑り易い状態にあると判定されて、第2の駆動力配分演算部45によるステップS104の第2の駆動力配分制御が選択され実行される。一方で、車体スリップ角βが小さいという判定結果の場合(ステップS103のNoの場合)、即ち車両10が横方向の挙動に関し安定した状態にあるという判定結果の場合には、車輪11〜14が滑り易い状態にないと判定されて、第1の駆動力配分演算部44によるステップS105の第1の駆動力配分制御が選択され実行される。
上記のステップS101〜S103に係る3つの判定ステップを組み合わせることによって、駆動力配分制御を選択するための判定を演算選択部43において精度良く行うことができる。この場合、これら3つの判定ステップの順序は適宜に変更することができる。また、これら3つの判定ステップのうちの少なくとも1つの判定ステップを採用することができる。また、これら3つの判定ステップのうちの複数を採用する場合、複数の判定ステップの判定を予め設定した順番で実行してもよいし、複数の判定ステップの判定を同時に行うこともできる。また、ステップS101に係る判定ステップでは、目標ヨーモーメントMの大きさに代えて或いは加えて、目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントMのうちの少なくとも1つの大きさを判定基準として用いることもできる。
上記の車両制御装置100によれば、車体10aの目標運動状態量を重視する場合には第1の駆動力配分制御を選択して実行することができ、車輪11〜14の滑り易さを重視する場合には第2の駆動力配分制御を選択して実行することができる。その結果、車体10aの目標運動状態量と車輪11〜14の滑り易さの双方を包括的に考慮して、各車輪11〜14に駆動力又は制動力を適正に配分することができる。
また上記の車両制御装置100によれば、第1の駆動力配分制御及び第2の駆動力配分制御のそれぞれの選択時に、駆動力の演算を、第1の駆動力配分演算部44及び第2の駆動力配分演算部45のそれぞれにおいて独立して実行することができる。また各車輪11〜14が滑り易い状態にあるか否かを演算選択部43によって判定した上で第1の駆動力配分制御或いは第2の駆動力配分制御を選択することができる。特に、目標ヨーモーメントM、路面摩擦係数μ及び車体スリップ角βを演算選択部43での判定に用いることにより、駆動力配分制御を選択するための判定を精度良く行うことができる。
また上記の車両制御装置100によれば、第2の駆動力配分制御において各車輪11〜14に配分する駆動力又は制動力が均等化されるため、前輪11,12の駆動力又は制動力を下げることができ、これにより前輪11,12の摩擦限界に対する余裕が少なくなるのを抑制できる(前輪11,12の摩擦限界に余裕をもたせることができる)。各車輪11〜14への駆動力又は制動力の配分に関しては、車輪11〜14の滑り易さに応じて均等配分以外の別の配分形態を採用することもできる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、演算選択部43によって第1の駆動力配分制御及び第2の駆動力配分制御のうちの一方のみが選択される場合について記載したが、本発明では第1の駆動力配分制御からの切替えによって第2の駆動力配分制御が選択されるような変更例を採用することもできる。この変更例については図5及び図6が参照される。
図5に示す車両制御装置200は、図2に示す車両制御装置100の変更例であり、ECU40の構成のみが車両制御装置100の場合と相違している。即ち、この車両制御装置200のECU40では、演算選択部43に類似の演算選択部43aは、第1の駆動力配分演算部44から第2の駆動力配分演算部45へと演算方法を切替える演算切替部としての機能を果たす。この演算選択部43aの処理には、図6に示すステップS201からステップS205までの処理が含まれる。この処理が更に1又は複数の別のステップを含んでいてもよい。ステップS201は、前述のステップS105と同一のステップであり、このステップS201によれば第1の駆動力配分制御が選択され実行される。一方で、この第1の駆動力配分制御と並行して、前述の3つのステップS101〜S103と同一の3つのステップS202〜S204では各車輪11〜14が滑り易い状態にあるか否かが判定される。そして、これら3つのステップS202〜S204による判定の結果、各車輪11〜14が滑り易い状態にある場合に前述のステップS104と同一のステップであるステップS205に移行する。このステップS205によれば第2の駆動力配分制御が選択され実行される。これにより、車両10の通常走行時は第1の駆動力配分制御を優先し、各車輪11〜14が滑り易い状態にある場合にのみ第2の駆動力配分制御に移行することができる。
具体例として、第1の駆動力配分演算部44の演算結果に基づいて第車輪11〜14のうちの前輪11,12に後輪13,14よりも大きい駆動力又は制動力が配分されているとき、演算選択部43aによって車輪11〜14が滑り易い状態にあると判定された場合には駆動力配分制御の選択を第1の駆動力配分制御から第2の駆動力配分制御に切替え、第2の駆動力配分演算部45の演算結果に基づいて前輪11,12から後輪13,14へ駆動力又は制動力をシフトする。これにより、前輪11,12の駆動力又は制動力を第1の駆動力配分制御時よりも下げることができ、その結果、前輪11,12の摩擦限界に対する余裕が少なくなるのを抑制できる(前輪11,12の摩擦限界に余裕をもたせることができる)。この実施例の変更例として、第2の駆動力配分演算部45は、第1の駆動力配分演算部44の演算結果にかかわらず、車輪11〜14のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を均等化する演算を行ってもよい。
また上記実施の形態では、ECU40は、第1の駆動力配分制御時の演算を担当する第1の駆動力配分演算部44と、第2の駆動力配分制御時の演算を担当する第2の駆動力配分演算部45を備える場合について記載したが、本発明では、第1の駆動力配分制御時の演算と第2の駆動力配分制御時の演算の双方を同一の演算部に兼務させることもできる。
また上記実施の形態では、第2の駆動力配分演算部45が目標ヨーモーメントMのみを用いて車輪11〜14に配分する駆動力を演算する場合について記載したが、本発明では、第2の駆動力配分演算部45は、目標ヨーモーメントMに代えて、目標前後駆動力F、目標ロールモーメントM、目標ピッチモーメントMのうちのいずれかを用いて車輪11〜14に配分する駆動力を演算してもよい。
また上記実施の形態では、4つのモータ19〜22について駆動力又は制動力を配分する制御について記載したが、本発明では4つのモータ19〜22のうちの少なくとも2つのモータについて当該制御を実行することができる。この場合、車両の乗員に違和感を与えることがないように、4つの車輪11〜14の合計での駆動トルク又は制動トルクが制御前後で変化しないように設定されるのが好ましい。
本発明では、車両に設けられる複数の車輪の数や当該車輪をそれぞれ独立して駆動可能又は制動可能な複数のモータの数については特に限定されるものではなく、設計の要請等に応じて適宜に変更可能である。
10…車両、10a…車体、11…左前輪、12…右前輪、13…左後輪、14…右後輪、15,16,17,18…サスペンション機構、19,20,21,22…モータ、23…インバータ、24…蓄電装置、25,26,27,28…ブレーキ機構、29…ブレーキアクチュエータ、30…制御ユニット、30a…検出機構、31…第1検出センサ、32…第2検出センサ、33…第3検出センサ、40…ECU、41…入力部、42…車体挙動制御指令値演算部、43,43a…演算選択部、44…第1の駆動力配分演算部、45…第2の駆動力配分演算部、46…モータトルク指令値演算部、47…出力部、100,200…車両制御装置

Claims (7)

  1. 車両に対する運転者の操作状態を検出する操作状態検出部と、サスペンション機構を介して前記車両のバネ上に配置された車体に発生する運動状態を検出する運動状態検出部と、複数の車輪のそれぞれの駆動力又は制動力を独立して制御可能な制御部と、を備えた車両制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記操作状態検出部によって検出された前記操作状態と前記運動状態検出部によって検出された前記運動状態とに応じて設定される目標運動状態量に基づいて前記複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を配分する第1制御モードと、
    前記車両の走行路面の路面状態と前記目標運動状態量との少なくとも一方から求められる前記複数の車輪の滑り易さに基づいて前記複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を配分する第2制御モードと、
    のいずれかの制御モードを選択的に達成する、車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1制御モードの選択時に前記複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を演算する第1の駆動力配分演算部と、前記第2制御モードの選択時に前記複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を演算する第2の駆動力配分演算部と、前記路面状態と前記目標運動状態量との少なくとも一方から前記複数の車輪の滑り易さの状態を判定し、当該判定結果に基づいて前記第1の駆動力配分演算部と前記第2の駆動力配分演算部のいずれかを選択する演算選択部と、を含む、車両制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両制御装置であって、
    前記制御部は、前記演算選択部によって前記複数の車輪が滑り易い状態にないと判定された場合に前記第1制御モードを選択し、前記演算選択部によって前記複数の車輪が滑り易い状態にあると判定された場合に前記第2制御モードを選択する、車両制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載の車両制御装置であって、
    前記第1の駆動力配分演算部は、前記演算選択部によって前記第1制御モードが選択されたとき、前記目標運動状態量としての、車両を走行させるため目標前後駆動力、前記車体のロール方向の挙動を制御するための目標ロールモーメント、前記車体のピッチング方向の挙動を制御するための目標ピッチモーメント、及び前記車体のヨー方向の挙動を制御するための目標ヨーモーメントを同時に実現するように、前記複数の車輪のそれぞれに駆動力又は制動力を配分する演算を行う、車両制御装置。
  5. 請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記第2の駆動力配分演算部は、前記演算選択部によって前記第2制御モードが選択されたとき、前記複数の車輪のそれぞれに配分する駆動力又は制動力を均等化する演算を行う、車両制御装置。
  6. 請求項2〜4のうちのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1制御モードの選択時に前記第1の駆動力配分演算部の演算結果に基づいて前記複数の車輪のうちの前輪に後輪よりも大きい駆動力又は制動力が配分されているとき、前記演算選択部によって前記複数の車輪が滑り易い状態にあると判定された場合には制御モードの選択を前記第1制御モードから前記第2制御モードに切替え、前記第2の駆動力配分演算部の演算結果に基づいて前記前輪から前記後輪へ駆動力又は制動力をシフトする、車両制御装置。
  7. 請求項2〜6のうちのいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記演算選択部は、前記路面状態である前記走行路面と前記複数の車輪との間の路面摩擦係数が閾値よりも小さく、且つ前記目標運動状態量としての、前記車体のヨー方向の挙動を制御するための目標ヨーモーメントが閾値よりも大きい場合に前記複数の車輪が滑り易い状態にあると判定する、車両制御装置。
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