JP2014227850A - 燃料デリバリパイプ - Google Patents

燃料デリバリパイプ Download PDF

Info

Publication number
JP2014227850A
JP2014227850A JP2013106114A JP2013106114A JP2014227850A JP 2014227850 A JP2014227850 A JP 2014227850A JP 2013106114 A JP2013106114 A JP 2013106114A JP 2013106114 A JP2013106114 A JP 2013106114A JP 2014227850 A JP2014227850 A JP 2014227850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
fuel delivery
pipe body
delivery pipe
distribution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013106114A
Other languages
English (en)
Inventor
建介 丹羽
Kensuke Niwa
建介 丹羽
正晴 永坂
Masaharu Nagasaka
正晴 永坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2013106114A priority Critical patent/JP2014227850A/ja
Publication of JP2014227850A publication Critical patent/JP2014227850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】パイプ本体に対して複数の分配パイプ部が一側方にずれている燃料デリバリパイプにおいて、メイン管路に対する分配管路の連通部に発生するバリを低減する。
【解決手段】燃料デリバリパイプ10は、燃料貯留側から送られてくる燃料が流れるメイン管路20を形成するパイプ本体21と、メイン管路20に交差しかつメイン管路20の燃料を内燃機関の各気筒に対応するインジェクタにそれぞれ分配する分配管路30を形成する複数の分配パイプ部31とを一体に有し、パイプ本体21に対して複数の分配パイプ部31が一側方にずれている。パイプ本体21には、パイプ本体21の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部41を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の各気筒に燃料を分配する樹脂製の燃料デリバリパイプに関する。
例えば、自動車の動力源となる内燃機関には、複数の気筒、例えば4気筒を備えるものがある。内燃機関には、燃料貯留側からの燃料を各気筒に燃料を分配するための燃料デリバリパイプが装備されている(例えば、特許文献1、2参照)。燃料デリバリパイプは、燃料貯留側から送られてくる燃料が流れるメイン管路を形成するパイプ本体と、メイン管路に交差しかつメイン管路の燃料を内燃機関の各気筒に対応するインジェクタにそれぞれ分配する分配管路を形成する複数の分配パイプ部とを一体に有している。また、燃料デリバリパイプは、樹脂製で、樹脂の射出成形により一体成形されている。
特開2000−73909号公報 特開2005−36781号公報
前記燃料デリバリパイプの1つのメイン管路と複数の分配管路とは互いに連通するため、燃料デリバリパイプの成形用の金型において、メイン管路を形成する中子(以下、「メイン管路用中子」という)に対して、分配管路を形成する中子(以下、「分配管路用中子」という)は交差状に当接されている。このため、金型のキャビティに注入される成形用樹脂(以下、「樹脂材料」という。)の注入状態によっては、樹脂材料の流動圧がメイン管路用中子を分配管路用中子から離す方向に作用し、メイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)が低下する。
また、パイプ本体に対して複数の分配パイプ部が直交していると、燃料デリバリパイプの高さ(分配管路の中心線方向に関する寸法)が大きくならざるを得ない(特許文献2参照)。しかし、内燃機関に対する燃料デリバリパイプの設置スペースの関係上、燃料デリバリパイプの高さを低くしたい要求がある。この場合、パイプ本体に対して複数の分配パイプ部を一側方にずらす(いわゆるオフセット)ことで、燃料デリバリパイプの高さを小さくすなわち低くすることができる(特許文献1参照)。すると、メイン管路用中子に対する分配管路用中子の当接位置がメイン管路用中子の半径方向(上下方向)からずれることにより、メイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)が低下する。
上記したように、メイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)が低下すると、メイン管路用中子と分配管路用中子との間に樹脂材料が侵入し、メイン管路に対する分配管路の連通部にバリが発生しやすくなる。このことは、メイン管路用中子が片持ち状態で支持されている関係上、メイン管路用中子の自由端側(先端側)で発生し易い。なお、バリが発生すると、バリを除去する作業工程が必要となって製造作業の煩雑化を招くことになる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、パイプ本体に対して複数の分配パイプ部が一側方にずれている燃料デリバリパイプにおいて、メイン管路に対する分配管路の連通部に発生するバリを低減することにある。
第1の発明は、燃料貯留側から送られてくる燃料が流れるメイン管路を形成するパイプ本体と、メイン管路に交差しかつメイン管路の燃料を内燃機関の各気筒に対応するインジェクタにそれぞれ分配する分配管路を形成する複数の分配パイプ部とを一体に有し、パイプ本体に対して複数の分配パイプ部が一側方にずれている樹脂製の燃料デリバリパイプであって、パイプ本体に、パイプ本体の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部を形成している。
この構成によると、パイプ本体に、パイプ本体の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部を形成したことにより、燃料デリバリパイプを成形する際に金型のパイプ本体の厚肉壁部に対応するキャビティ部における樹脂材料の流動性が促進されるすなわち流速が速まる。このため、流動性が促進された樹脂材料の流動圧が、金型におけるメイン管路を形成するメイン管路用中子を、分配管路を形成する分配管路用中子に押付けることになる。これにより、メイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)を高め、両中子の相互間に対する樹脂材料の侵入を防止することができる。よって、パイプ本体に対して複数の分配パイプ部が一側方にずれている燃料デリバリパイプにおいて、メイン管路に対する分配管路の連通部に発生するバリを低減することができる。
第2の発明は、第1の発明において、パイプ本体の厚肉壁部は、パイプ本体の分配パイプ部側とは反対側の部分又はその部分の周辺部が最大肉厚となるように形成されている。この構成によると、樹脂材料の流動圧によるメイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)を一層高めることができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、パイプ本体の肉厚は周方向に漸次的に変化するように形成されている。この構成によると、パイプ本体の肉厚が周方向に段付状に変化する場合と比べて、燃料デリバリパイプを成形する際における樹脂材料の流速の漸次的に変化させることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、パイプ本体は円管状に形成され、パイプ本体の厚肉壁部はその外径を大きくすることにより形成されている。この構成によると、パイプ本体に厚肉壁部を容易に形成することができる。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明において、パイプ本体は円管状に形成され、パイプ本体の厚肉壁部はその外径の中心をメイン管路の中心に対して偏心させることにより形成されている。この構成によると、パイプ本体に厚肉壁部を容易に形成することができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明において、パイプ本体の厚肉壁部に対応する樹脂注入口から射出された樹脂材料により形成されている。この構成によると、パイプ本体の厚肉壁部に対応する樹脂注入口から樹脂材料が射出(注入を含む)されることにより、樹脂材料の流動圧によるメイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)を高めることができる。
実施形態1にかかる燃料デリバリパイプを一部破断して示す側面図である。 燃料デリバリパイプを示す下面図である。 図1のIII−III線矢視断面図である。 金型を示す側断面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 燃料デリバリパイプを成形する際の樹脂材料の流動イメージを示す図である。 比較例にかかる燃料デリバリパイプを成形する際の樹脂材料の流動イメージを示す図である。 実施形態2にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態3にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態4にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態5にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態6にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態7にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。 実施形態8にかかる燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る燃料デリバリパイプを実施するための形態について説明する。
[実施形態1]
実施形態1を説明する。図1は燃料デリバリパイプを一部破断して示す側面図、図2は燃料デリバリパイプを示す下面図、図3は図1のIII−III線矢視断面図である。なお、燃料デリバリパイプの長手方向を前後方向とするとともに燃料導入側を前方に向ける一方、インジェクタの取付け側を下方に向けた状態を基準として説明を行う。
図1に示すように、燃料デリバリパイプ10は、前後方向に延びる円管状のパイプ本体21と、パイプ本体21の下面側から下方に突出する円筒状の4つの分配パイプ部31とを備えている。燃料デリバリパイプ10は、パイプ本体21と複数の分配パイプ部31とを有する樹脂製の一体成形品である。なお、燃料デリバリパイプ10は、例えば4気筒の内燃機関(図示省略)に対応する。
前記パイプ本体21の前端部(図1において左端部)は開口されている。パイプ本体21の前端部の外周面には環状のフランジ部23が形成されている。また、パイプ本体21の後端部(図1において右端部)は、端壁部24により閉鎖されて袋小路状に形成されている。また、パイプ本体21内の管路をメイン管路20という。メイン管路20には、燃料貯留側である燃料タンク(図示省略)からの燃料が前端から後方に向かって流れる。
前記4つの分配パイプ部31は、前記パイプ本体21に対して前後方向に等間隔で配置されている。4つの分配パイプ部31は、パイプ本体21の長手方向(前後方向)に列状に並んでいる。分配パイプ部31は、内燃機関の各気筒に装備されるインジェクタ(図示省略)に接続可能に形成されている。また、分配パイプ部31内の管路を分配管路30という。分配管路30は、前記メイン管路20の燃料をインジェクタに分配する。また、分配パイプ部31の下端部の外周面には適数個の突起部33が形成されている(図2参照)。突起部33には、インジェクタの回り止めするためのクリップ(図示省略)が係合可能となっている。
図3に示すように、前記パイプ本体21における分配パイプ部31の接続部を除いた残りの部分は略円管状に形成されている。パイプ本体21の内周面25は、第1中心線L15を中心とする内径(半径)R1で形成されている。第1中心線L15は、パイプ本体21の長手方向すなわち延在方向(前後方向)に延びている。パイプ本体21の内周面25は前記メイン管路20の周壁面に相当する。なお、第1中心線L15は本明細書でいう「メイン管路の中心線」に相当する。
前記4つの分配パイプ部31は、前記パイプ本体21に対して交差状に形成されている。分配パイプ部31は有天円筒状に形成され、その内周面及び外周面は同心上に形成されている。分配パイプ部31の内周面は前記分配管路30の周壁面に相当する。分配パイプ部31の下端部の内周面には、下方に向かって口径を大きくするテーパ部34が形成されている(図3参照)。分配パイプ部31(詳しくは内周面及び外周面)の中心線を第2中心線L16という。第2中心線L16は、分配パイプ部31の延在方向(上下方向)に延びている。なお、第2中心線L16は本明細書でいう「分配管路30の中心線」に相当する。
前記4つの分配パイプ部31は、前記パイプ本体21に対して一側方(例えば左方(図2において下方)にずれて形成されている。すなわち、図3に示すように、前記第1中心線L15に直交しかつ前記第2中心線L16と平行をなす直線をL14とすると、その直線L14と第2中心線L16とに間にずれ量G18が設定されている。また、図1に示すように、側面視においては第1中心線L15と第2中心線L16とは直交し、第2中心線L16と直線L14とは整合する関係にある。また、本明細書でいう「直交」には「略直交」が含まれる。
図3に示すように、前記パイプ本体21と分配パイプ部31との接続部におけるメイン管路20と分配管路30との間の隔壁部には、小孔状の連通孔40が形成されている。すなわち、前記メイン管路20には、前記分配管路30が連通孔40を介して連通されている。したがって、メイン管路20の燃料は連通孔40を介して分配管路30へ流れる。また、連通孔40は、分配管路30の通路断面積よりも小さい通路断面積の開口孔により形成されている(図2参照)。また、連通孔40は、例えば四角形状に形成されている。
また、連通孔40の中心線L13は、第1中心線L15と第2中心線L16との間の中央部において両中心線L15,L16に対して平行をなしている。また、連通孔40の中心線L13は、側面視において第2中心線L16及び直線L14(図1参照)と整合する関係にある。また、メイン管路20に対する分配管路30の連通孔40の開口端面を分配管路30の連通部38(図3参照)という。
前記パイプ本体21には、パイプ本体21の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部41が形成されている。また、厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側とは反対側の部分(上端部)が最大肉厚となるように形成されている。また、パイプ本体21の肉厚は周方向に漸次的に変化するように形成されている。なお、パイプ本体21の形状については後で説明する。
図2に示すように、前記パイプ本体21の左側面(図2において下側面)には前後2つのボス部35が突出状に形成されている。ボス部35には、上下方向(図2において紙面表裏方向)に貫通する取付孔36が形成されている。取付孔36には、図示しない内燃機関に対する燃料デリバリパイプ10の取付けいわゆる締結に際して使用するボルトが挿通可能となっている。
次に、パイプ本体21の形状について説明する。
図3に示すように、パイプ本体21の分配パイプ部31の接続部を除いた残りの外周面27は、断面縦長小判状に形成されている。すなわち、外周面27は、分配パイプ部側すなわち略下半部の断面半円状の下半周面部43と、略上半部の断面半円状の上半周面部44と、下半周面部43と上半周面部44とを接続する左右の接続面部45とから構成されている。下半周面部43は、前記第1中心線L15を中心とする外径(半径)R2で形成されている。また、上半周面部44は、第3中心線L17を中心とする外径(半径)R2で形成されている。上半周面部44の外径(半径)R2と下半周面部43の外径(半径)R2は等しい。また、第3中心線L17は、前記直線L14上において第1中心線L15に対して上方へずれ量G1をもって偏心している。このように、パイプ本体21の外周面27を形成することにより、パイプ本体21の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部41が形成されている。また、パイプ本体21の肉厚は周方向に漸次的に変化するように形成されている。すなわち、パイプ本体21の外周面27は周方向になだらかに連続するように形成されている。
次に、上記した燃料デリバリパイプ10を製造すなわち成形する金型について説明する。図4は金型を示す側断面図、図5は図4のV−V線矢視断面図である。説明の都合上、燃料デリバリパイプ10の上下左右に準じて金型の上下左右を定める。また、金型における方位は、説明の便宜上、設定するものであり、金型の配置方向を限定するものではない。
図5に示すように、金型60は、第1外型61と第2外型66と第3外型68とメイン管路用中子71と4つの分配管路用中子76(図4参照)とを備えており、それらの型締めによって燃料デリバリパイプ10(図1〜図3参照)を成形するキャビティ82を形成する。第1外型61は固定型である。また、第2外型66及び第3外型68は、それぞれ第1外型61に対して型閉じ及び型開き可能に設けられている。
また、第1外型61、第2外型66及び第3外型68は、燃料デリバリパイプ10(図1〜図3参照)の外表面を成形するものである。第1外型61は、パイプ本体21の上部の外表面に対応する成形面を有している。また、第2外型66は、各分配パイプ部31を含むパイプ本体21の下部における右半部の外表面に対応する成形面を有している。また、第3外型68は、各分配パイプ部31を含むパイプ本体21の下部における左半部の外表面に対応する成形面を有している。
前記メイン管路用中子71は、前記燃料デリバリパイプ10のメイン管路20の内壁面を成形するもので、丸棒状でかつ先細りのテーパ状に形成されている。メイン管路用中子71は、前後方向(図4において左右方向)に移動可能に設けられている。また、メイン管路用中子71は、その基端部(前端部)が金型60側の把持機構(図示省略)によって把持されることにより片持ち状態で支持されている。このため、メイン管路用中子71の先端(後端)は自由端になっている。
前記分配管路用中子76は、前記燃料デリバリパイプ10の分配管路30の内壁面を成形するもので、段付円柱状に形成されている。分配管路用中子76は、上下方向に移動可能に設けられている。また、分配管路用中子76の先端部(上端部)には、連通孔40(図3参照)を成形するための凸部77が突出されている。型締め時において、凸部77とメイン管路用中子71とは当接部63において直交状にかつ面接触状に当接する。また、前記キャビティ82において、パイプ本体21の略上半部を成形するキャビティ部を第1キャビティ部(符号、82aを付す)といい、その略下半部を成形するキャビティ部を第2キャビティ部(符号、82bを付す)という。
図5に示すように、前記第1外型61には、前記キャビティ82に樹脂材料を注入するための樹脂注入口80が設けられている。樹脂注入口80は前記パイプ本体21の厚肉壁部41に対応すなわち連通している。また、樹脂注入口80は、前記メイン管路20の第1中心線L15に対して対向状をなすように配置されている。また、樹脂注入口80は、パイプ本体21の厚肉壁部41においてパイプ本体21の開口側(前側)に対応する位置に配置されている(図4参照)。本実施形態では、樹脂注入口80は、パイプ本体21の厚肉壁部41においてパイプ本体21の開口端側(前端側)に配置されている。なお、本明細書でいう「パイプ本体21の開口側(前側)」とは、パイプ本体21の長手方向の中央部よりも前側部分のことをいう。
次に、前記金型60を用いて燃料デリバリパイプ10を成形する成形方法(製造方法)について説明する。
図4及び図5に示すように、第1外型61に第2外型66及び第3外型68を型締めした状態で、それらの外型61,66,68による成形空間内にメイン管路用中子71が挿入される。また、第2外型66と第3外型68による成形空間内に各分配管路用中子76がそれぞれ挿入される。各分配管路用中子76の凸部77がメイン管路用中子71に当接部63において当接される。これにより、金型60内にキャビティ82が形成される。そして、第1外型61の樹脂注入口80からキャビティ82内に樹脂材料(溶融樹脂)が射出(注入を含む)される。また、樹脂材料の固化後、各分配管路用中子76及びメイン管路用中子71が抜き出されるとともに、第2外型66及び第3外型68が型開きされることによって、成形品である燃料デリバリパイプ10が取出される。
ここで、燃料デリバリパイプ10を成形する際の樹脂材料の流動形態について説明する。図6は燃料デリバリパイプを成形する際の樹脂材料の流動イメージを示す図、図7は比較例にかかる燃料デリバリパイプを成形する際の樹脂材料の流動イメージを示す図である。図6及び図7において、J1〜J2は樹脂材料の注入段階を示している。なお、比較例(図7参照)は、パイプ本体21が周方向に略一定の肉厚の燃料デリバリパイプを成形する金型(符号、58を付す)を用いた場合である。図7には実施形態と同一部位に同一符号が付されている。
比較例の金型58(図7参照)によると、樹脂注入口80に近い注入段階J1,J2においては、樹脂材料は第1キャビティ部82aから第2キャビティ部82bへ向かって流れるため、樹脂材料の流動圧はメイン管路用中子71を分配管路用中子76に押付けるように作用する。しかし、注入段階J3においては、樹脂材料は第1キャビティ部82aと第2キャビティ部82bとをほとんど同時に流れるため、樹脂材料の流動圧はメイン管路用中子71を分配管路用中子76に押付ける方向にほとんど作用しない。また、注入段階J4においては、樹脂材料は第2キャビティ部82bから第1キャビティ部82aへ向かって流れるため、樹脂材料の流動圧はメイン管路用中子71を分配管路用中子76から離す方向に作用することになる。これにより、注入段階J3,J4付近において、分配管路用中子76に対するメイン管路用中子71の当接力(密着度)が低下するため、両中子71,76の当接部63間に樹脂材料が侵入し、メイン管路20に対する分配管路30の連通部38(図3参照)にバリが発生する。
これに対して、本実施形態の金型60(図6参照)によると、燃料デリバリパイプ10のパイプ本体21の厚肉壁部41に対応する第1キャビティ部82aが形成されている。第1キャビティ部82aの通路断面積は、第2キャビティ部の通路断面積よりも大きくなっている。したがって、第1キャビティ部82aにおいて樹脂材料の流動性が促進されるすなわち流速が速まる。このため、全ての注入段階J1〜J4において、樹脂材料は第1キャビティ部82aから第2キャビティ部82bへ向かって流れるため、樹脂材料の流動圧はメイン管路用中子71を分配管路用中子76に押付ける方向に作用することになる。これにより、分配管路用中子76に対するメイン管路用中子71の当接力(密着度)が高まるため、両中子71,76の当接部63間に対する樹脂材料の侵入を防止し、メイン管路20に対する分配管路30の連通部38(図3参照)に発生するバリを低減することができる。
前記した燃料デリバリパイプ10によると、パイプ本体21に、パイプ本体21の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部41(図1及び図3参照)を形成したことにより、燃料デリバリパイプ10を成形する際に金型60(図5参照)のパイプ本体21の厚肉壁部41に対応する第1キャビティ部82aにおける樹脂材料の流動性が促進されるすなわち流速が速まる。このため、流動性が促進された樹脂材料の流動圧が、金型60におけるメイン管路用中子71を分配管路用中子76に押付けることになる。これにより、メイン管路用中子71と分配管路用中子76との当接力(密着度)を高め、両中子71,76の相互間に対する樹脂材料の侵入を防止することができる。よって、パイプ本体21に対して複数の分配パイプ部31が一側方にずれている燃料デリバリパイプ10において、メイン管路20に対する分配管路30の連通部38に発生するバリを低減することができる。
また、パイプ本体21の厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側とは反対側の部分(上端部)が最大肉厚となるように形成されている。したがって、樹脂材料の流動圧によるメイン管路用中子と分配管路用中子との当接力(密着度)を一層高めることができる。
また、パイプ本体21の肉厚は周方向に漸次的に変化するように形成されている(図3参照)。したがって、パイプ本体21の肉厚が周方向に段付状に変化する場合と比べて、燃料デリバリパイプ10を成形する際における樹脂材料の流速の漸次的に変化させることができる。
また、パイプ本体21の厚肉壁部41はその外径(半径)R2の中心である第3中心線L17をメイン管路20の中心である第1中心線L15に対して偏心させることにより形成されている(図3参照)。したがって、パイプ本体21に厚肉壁部41を容易に形成することができる。
また、パイプ本体21の厚肉壁部41に対応する樹脂注入口80から射出された樹脂材料により形成されている(図5参照)。したがって、パイプ本体21の厚肉壁部41に対応する樹脂注入口80から樹脂材料が射出(注入を含む)されることにより、樹脂材料の流動圧によるメイン管路用中子71と分配管路用中子76との当接力(密着度)を高めることができる。
また、第1中心線L15に樹脂注入口80を対向させている(図5参照)。したがって、樹脂注入口80から第1キャビティ部82aに注入される樹脂材料の注入力により、メイン管路用中子71を分配管路用中子76に効果的に押付けることができ、メイン管路用中子71と分配管路用中子76との当接力(密着度)を一層高めることができる。
また、第1キャビティ部82aにおいてパイプ本体21の開口側に対応する位置に樹脂注入口80が配置されている(図4参照)。したがって、メイン管路用中子71が片持ち状態で支持されている関係上、第1キャビティ部82aにおいてパイプ本体21の開口側とは反対側すなわち端壁部24側に樹脂注入口80を配置する場合と比べて、樹脂注入口80から第1キャビティ部82aに注入される樹脂材料の注入力によるメイン管路用中子71の位置ずれを抑制することができる。
[実施形態2]
実施形態2を説明する。本実施形態以降の実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。図8は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態は、実施形態1におけるパイプ本体21の外周面27の上半周面部44(図3参照)を、第1中心線L15を中心とする外径(半径)R3で形成した上半周面部(符号、44Aを付す)に変更したものである。外径(半径)R3は外径(半径)R2よりも大きい。なお、両接続面部45は、上方へ延出されて上半周面部44Aの左右両端部につながっている。また、厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側とは反対側の部分の周辺部(上端部の周辺部)が最大肉厚となるように形成されている。
本実施形態によると、パイプ本体21の厚肉壁部41はその外径(半径)R3を大きくすることにより形成されている。したがって、パイプ本体21に厚肉壁部41を容易に形成することができる。
[実施形態3]
実施形態3を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図9は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態は、実施形態1におけるパイプ本体21の外周面27(図3参照)を、第4中心線L18を中心とする外径(半径)R4で形成した外周面(符号、27Aを付す)に変更したものである。第4中心線L18は、前記第2中心線L16上において前記第1中心線L15に対して上方へずれ量G2をもって偏心している。外径(半径)R3は前記外径(半径)R2(図3参照)よりも大きい。また、ずれ量G2は、前記ずれ量G1(図3参照)よりも小さい。
本実施形態によると、パイプ本体21の厚肉壁部41はその外径(半径)R3を大きくすることにより形成されている。したがって、パイプ本体21に厚肉壁部41を容易に形成することができる。また、外周面27Aが外径(半径)R4で形成されているため、パイプ本体21の外径形状を単純化することができる。
[実施形態4]
実施形態4を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図10は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図10に示すように、本実施形態は、実施形態1におけるパイプ本体21の外周面27の上半周面部44(図3参照)を、第3中心線L17を中心とする外径(半径)R3で形成した上半周面部(符号、44Bを付す)に変更したものである。外径(半径)R3は前記外径(半径)R2(図3参照)よりも大きい。また、外径(半径)R3は前記実施形態2(図8参照)の外径(半径)R3と同じである。また、厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側とは反対側の部分(上端部)が最大肉厚となるように形成されている。なお、下半周面部43と上半周面部44Bとは両接続面部(符号、45Aを付す)によって接続されている。
本実施形態によると、パイプ本体21の厚肉壁部41はその外径(半径)R3を大きくすることにより形成されている。したがって、パイプ本体21に厚肉壁部41を容易に形成することができる。
[実施形態5]
実施形態5を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものである。図11は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態は、パイプ本体21の厚肉壁部41を分配パイプ部側と点対称状に配置したものである。すなわち、第2中心線L16に対して第1中心線L15を中心として分配パイプ部31の接続部側に所定角度(例えば45°)をもって傾いた基準線L19が設定されており、その基準線L19を基準として、実施形態1における下半周面部43と上半周面部44と両接続面部45とを有する外周面27(図3参照)が形成されている。また、厚肉壁部41は、分配パイプ部側と点対称状の部分が最大肉厚となるように形成されている。
本実施形態によると、パイプ本体21の厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側と点対称状の部分が最大肉厚となるように形成されている。したがって、樹脂材料の流動圧によるメイン管路用中子71と分配管路用中子76との当接力(密着度)を一層高めることができる。なお、パイプ本体21の分配パイプ部側と点対称状の部分は、本明細書でいう「分配パイプ部側とは反対側の部分」に含まれる。
[実施形態6]
実施形態6を説明する。本実施形態は、前記実施形態5に変更を加えたものである。図12は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図12に示すように、本実施形態は、実施形態5におけるパイプ本体21の外周面27の上半周面部44(図11参照)を、実施形態2における上半周面部44A(図8参照)に変更したものである。また、厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側とは点対称状の部分の周辺部(上端部の周辺部)が最大肉厚となるように形成されている。
[実施形態7]
実施形態7を説明する。本実施形態は、前記実施形態5に変更を加えたものである。図13は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図13に示すように、本実施形態は、実施形態5におけるパイプ本体21の外周面27(図11参照)を、実施形態3における外周面27A(図9参照)に変更したものである。
[実施形態8]
実施形態8を説明する。本実施形態は、前記実施形態5に変更を加えたものである。図14は燃料デリバリパイプを図3に準じて示す断面図である。
図14に示すように、本実施形態は、実施形態5におけるパイプ本体21の外周面27の上半周面部44(図11参照)を、実施形態4の上半周面部44B(図10参照)に変更したものである。これにともない、実施形態5におけるパイプ本体21の外周面27の両接続面部45(図11参照)が実施形態4の接続面部45A(図10参照)に変更されている。また、厚肉壁部41は、パイプ本体21の分配パイプ部側と点対称状の部分が最大肉厚となるように形成されている。
[変形例]
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、パイプ本体21の厚肉壁部は、樹脂材料の流動圧が金型60のメイン管路用中子71を分配管路用中子76に押付けるように形成されていればよい。また、パイプ本体21の厚肉壁部の肉厚の形態は適宜変更することができる。また、前記実施形態ではパイプ本体21の外形側の形状の変更によって厚肉壁部を形成したが、パイプ本体21の内形側の形状の変更によって厚肉壁部を形成してもよい。また、パイプ本体21の肉厚は、前記実施形態では周方向に漸次的に変化するように形成したが、周方向に段付状に変化するように形成してもよい。また、パイプ本体21は、円管状に限らず、角管状に形成してもよい。
10…燃料デリバリパイプ
20…メイン管路
21…パイプ本体
30…分配管路
31…分配パイプ部
38…連通部
41…厚肉壁部
80…樹脂注入口

Claims (6)

  1. 燃料貯留側から送られてくる燃料が流れるメイン管路を形成するパイプ本体と、前記メイン管路に交差しかつメイン管路の燃料を内燃機関の各気筒に対応するインジェクタにそれぞれ分配する分配管路を形成する複数の分配パイプ部とを一体に有し、
    前記パイプ本体に対して前記複数の分配パイプ部が一側方にずれている
    樹脂製の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体に、パイプ本体の長手方向に沿って延びかつ分配パイプ部側の周辺部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉壁部を形成したことを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  2. 請求項1に記載の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体の厚肉壁部は、パイプ本体の分配パイプ部側とは反対側の部分又はその部分の周辺部が最大肉厚となるように形成されていることを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体の肉厚は周方向に漸次的に変化するように形成されていることを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体は円管状に形成され、
    前記パイプ本体の厚肉壁部はその外径を大きくすることにより形成されている
    ことを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体は円管状に形成され、
    前記パイプ本体の厚肉壁部はその外径の中心を前記メイン管路の中心に対して偏心させることにより形成されている
    ことを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料デリバリパイプであって、
    前記パイプ本体の厚肉壁部に対応する樹脂注入口から射出された樹脂材料により形成されていることを特徴とする燃料デリバリパイプ。
JP2013106114A 2013-05-20 2013-05-20 燃料デリバリパイプ Pending JP2014227850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106114A JP2014227850A (ja) 2013-05-20 2013-05-20 燃料デリバリパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106114A JP2014227850A (ja) 2013-05-20 2013-05-20 燃料デリバリパイプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014227850A true JP2014227850A (ja) 2014-12-08

Family

ID=52127947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013106114A Pending JP2014227850A (ja) 2013-05-20 2013-05-20 燃料デリバリパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014227850A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020101126A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 ダイハツ工業株式会社 合成樹脂製の燃料デリバリ管

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020101126A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 ダイハツ工業株式会社 合成樹脂製の燃料デリバリ管
JP7193217B2 (ja) 2018-12-21 2022-12-20 ダイハツ工業株式会社 合成樹脂製の燃料デリバリ管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5496924B2 (ja) インサート成形品の製造方法、インサートナット、ピン部材、及び、インサート成形品
JP2014029150A (ja) 燃料デリバリパイプおよび燃料デリバリパイプの製造方法
JP5559333B2 (ja) 燃料タンクのシール構造及びその形成方法
CN203362256U (zh) 一体形成有流路的装置主体
JP2014227850A (ja) 燃料デリバリパイプ
US7121246B2 (en) Intake passage of an internal combustion engine
US20110265766A1 (en) Fuel delivery pipe
JP2014227849A (ja) 燃料デリバリパイプ
JP5829983B2 (ja) デリバリパイプの成形方法
US10639824B2 (en) Die assembly for intake port insert
JP2013024229A (ja) 樹脂製インテークマニホールド
JP6013085B2 (ja) 樹脂製インテークマニホールド
JP6303926B2 (ja) 給油装置
US8091586B2 (en) Method of manufacturing a venturi tube for a fuel system
JP2011074862A (ja) インテークマニホールド
JP2008297908A (ja) 樹脂製インテークマニホールドの製造方法及び製造装置
CN211599867U (zh) 接头部件
JP2016160766A (ja) スペーサ
JP5780949B2 (ja) 燃料分配管の製造方法
JP6218644B2 (ja) 吸気装置の製造方法
JP2009221859A (ja) 樹脂製インテークマニホールド
CN207325908U (zh) 一种压铸浇注装置
JP2008208771A (ja) インテークマニホールドのガス供給管取付構造
CN101516602B (zh) 用于生产关于内燃机的且由塑料组成的进气***的方法和注塑模具以及所生产的进气***
CN101761397B (zh) 一种节气门体结构