JP2014227376A - 新規なイットリウム化合物、並びにそれを用いた共役ジエン重合用触媒及び共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なイットリウム化合物およびそれを用いた共役ジエン重合触媒及び共役ジエン重合体の製造方法に関するものである。
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの重合触媒に関しては、従来数多くの提案がなされており、その幾つかは工業化されている。例えば、高シス−1,4構造の共役ジエン重合体の製造方法としては、チタン、コバルト、ニッケル、ネオジム等の化合物と有機アルミニウムの組合せがよく用いられる。
周期律表第3族元素を触媒とする共役ジエンの重合は公知であり、これまでに様々な重合方法が提案されてきた。例えば、特開平7−268013号公報(特許文献1)には、希土類金属の塩、周期律表第I〜III族元素の有機金属化合物、含フッ素有機ホウ素化合物からなる触媒系が開示されている。
特開平11−80222号公報(特許文献2)には、周期律表第IIIB族金属の化合物、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、周期律表第I〜III族元素の有機金属化合物からなる重合触媒が開示されている。
国際公開第2006/049016号(特許文献3)には、嵩高い置換基を有するイットリウム化合物、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、および周期律表第2族、第12族及び第13族元素から選ばれる元素の有機金属化合物からなる触媒系が開示されている。
特開2008−56584号公報(特許文献4)には、スカンジウムあるいはイットリウムのカチオン性シクロペンタジエニル錯体を含むオレフィンあるいは共役ジエンの重合触媒が開示されている。しかしながら、活性はきわめて低い。
本発明は、窒素原子を含有する新規なイットリウム化合物およびそれを用いた共役ジエン重合触媒を提供することを目的とする。
本発明は、下記の一般式(1)で表されるイットリウム化合物である。
また、本発明は、上記のイットリウム化合物(A)、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B)、周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物(C)、を備えたことを特徴とする共役ジエン重合用触媒であり、それを用いて共役ジエン化合物を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法である。
本発明のイットリウム化合物を用いることにより、シス−1,4構造含有率の高い共役ジエン重合体を製造することができる重合触媒を提供することができる。
本発明のイットリウム化合物は、下記の一般式(1)で表されるイットリウム化合物である。
一般式(1)のR1〜R4における炭素数1〜12の置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基などの不飽和炭化水素基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、ベンジル基、トルイル基、フェネチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに、それらにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基などが任意の位置に置換されているものも含まれる。中でも、炭素数1〜12の飽和炭化水素基が好ましく、特に炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましい。
イットリウム化合物の具体例としては、一般式(1)のR1およびR2はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、R3はトリメチルシリル基である化合物が挙げられる。
上記のジイミン配位子を有するイットリウム化合物(A)は、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B)、周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物(C)と組み合わせることにより、共役ジエン重合触媒として用いることができる。
上記触媒系の(B)成分である非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物において、非配位性アニオンとしては、ホウ素含有化合物などが挙げられ、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフルオロボレ−トなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、フェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリ(i−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのアリ−ルホスホニウムカチオンを挙げることができる。
該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)成分である非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物の代わりに、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
それらの中でも、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙げられる。
上記触媒系の(C)成分である周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物としては、例えば、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム等が用いられる。これらの化合物の内で好ましいのは、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムブロマイド、ジアルキル亜鉛、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等である。
具体的な化合物としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ヘキシルマグネシウムアイオダイドなどのアルキルマグネシウムハライドを挙げることができる。
さらに、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウムを挙げることができる。
さらに、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジデシル亜鉛などのジアルキル亜鉛を挙げることができる。
さらに、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物も挙げることができる。
これらの周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。
上述した触媒を用いて共役ジエンの重合を行うことができるが、得られる共役ジエン重合体の分子量調節剤としては、(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物を用いることができる。
上述の分子量調節剤の(2)水素化金属化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、ボラン、水素化アルミニウム、水素化ガリウム、シラン、ゲルマン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウム、などが挙げられる。
また、(3)水素化有機金属化合物としては、メチルボラン、エチルボラン、プロピルボラン、ブチルボラン、フェニルボランなどのアルキルボラン、ジメチルボラン、ジエチルボラン、ジプロピルボラン、ジブチルボラン、ジフェニルボランなどのジアルキルボラン、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジハイドライド、ブチルアルミニウムジハイドライド、フェニルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムジハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジブチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、メチルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、フェニルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシラン、ジブチルシラン、ジフェニルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリフェニルシランなどのシラン類、メチルゲルマン、エチルゲルマン、プロピルゲルマン、ブチルゲルマン、フェニルゲルマン、ジメチルゲルマン、ジエチルゲルマン、ジプロピルゲルマン、ジブチルゲルマン、ジフェニルゲルマン、トリメチルゲルマン、トリエチルゲルマン、トリプロピルゲルマン、トリブチルゲルマン、トリフェニルゲルマンなどのゲルマン類、などが挙げられる。
これらの中でも、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライドが好ましく、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
(1)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(2)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、上述した分子量調節剤を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(3)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(A)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(B)成分を添加する。
(4)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(B)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(A)成分を添加する。
(5)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加した後、上述した分子量調節剤を添加する。
また、各成分をあらかじめ熟成して用いてもよい。中でも、(A)成分と(C)成分を熟成することが好ましい。
熟成条件としては、不活性溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(A)成分と(C)成分を混合する。熟成温度は−50〜80℃、好ましくは−10〜50℃であり、熟成時間は0〜24時間、好ましくは0〜5時間、特に好ましくは0.05〜1時間である。
本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることもできる。
共役ジエン化合物モノマ−としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジエン化合物モノマ−が好ましい。
これらのモノマ−成分は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで重合すべき共役ジエン化合物モノマ−とは、モノマ−の全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。共役ジエンの他に、エチレン、プロピレン、アレン、1−ブテン、2−ブテン、1,2−ブタジエン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどのオレフィン化合物等を含んでいてもよい。
重合方法は、特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマ−そのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、又は溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等が挙げられる。
中でも、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
重合温度は−30〜150℃の範囲が好ましく、30〜100℃の範囲が特に好ましい。重合時間は1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間が特に好ましい。
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。物性等の測定方法は以下の通りである。
1)NMRスペクトル: JEOL社製JNM・AL400スペクトルメーターを用いて測定した。
2)Y含量の測定: ICP発光分析法にて行った。測定には、バリアンジャパン社製Vista MPX型を用いた。
3)元素分析: ヤナコ社製CHNコーダー MT−5型を用いて行った。
4)ミクロ構造: 赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
5)固有粘度([η]): ポリマーのトルエン溶液を使用して、30℃で測定した。
1)NMRスペクトル: JEOL社製JNM・AL400スペクトルメーターを用いて測定した。
2)Y含量の測定: ICP発光分析法にて行った。測定には、バリアンジャパン社製Vista MPX型を用いた。
3)元素分析: ヤナコ社製CHNコーダー MT−5型を用いて行った。
4)ミクロ構造: 赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
5)固有粘度([η]): ポリマーのトルエン溶液を使用して、30℃で測定した。
(合成例1)
50ml容の梨形二つ口フラスコにAldrich製トリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムを1.15g(2.01mmol)および脱水トルエン15mlを加え、マグネティックスターラーにて攪拌した。これとは別にN,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミン0.77g(4.23mmol)を脱水トルエン15mlに溶かした溶液を用意し、上記のトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムのトルエン溶液に滴下した。トルエン還流下で24時間反応を行い、トルエンを留去し、減圧乾固した。得られた固体を減圧乾固し、ビス[N,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミナト]イットリウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]を得た。収量0.363g(0.59mmol)、収率30%。
生成物の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の結果、1H−NMR δ(ppm):0.6(18H)、1.2−1.4(24H)、1.8(12H)、3.9(4H)、4.2(2H) ただし、測定溶媒はC6D6を用いた。
生成物のY含量は13%、C含量は54.7%、H含量は9.8%、N含量は10.6%であった。
であった。
50ml容の梨形二つ口フラスコにAldrich製トリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムを1.15g(2.01mmol)および脱水トルエン15mlを加え、マグネティックスターラーにて攪拌した。これとは別にN,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミン0.77g(4.23mmol)を脱水トルエン15mlに溶かした溶液を用意し、上記のトリス[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]イットリウムのトルエン溶液に滴下した。トルエン還流下で24時間反応を行い、トルエンを留去し、減圧乾固した。得られた固体を減圧乾固し、ビス[N,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミナト]イットリウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]を得た。収量0.363g(0.59mmol)、収率30%。
生成物の核磁気共鳴スペクトル(NMR)の結果、1H−NMR δ(ppm):0.6(18H)、1.2−1.4(24H)、1.8(12H)、3.9(4H)、4.2(2H) ただし、測定溶媒はC6D6を用いた。
生成物のY含量は13%、C含量は54.7%、H含量は9.8%、N含量は10.6%であった。
であった。
(実施例1)
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン260ml及びブタジエン140mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBALH)のトルエン溶液(1mol/L)0.4mlを添加し、毎分500回転で3分間攪拌した。次に、ビス[N,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミナト]イットリウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]のトルエン溶液(20mmol/L)1mlを添加して4分間攪拌したのち、40℃まで昇温してトリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液(0.43mol/L)0.1mlを添加して重合を開始した。40℃で60分重合後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。活性は1370[gPB/mmol(Y)/h]であった。ミクロ構造はシス−1,4が92.1%、トランス−1,4が2.5%、ビニル−1,2が5.4%。固有粘度[η]=4.7、分子量Mn=1.83×105、Mw=12.63×105、分子量分布=6.9であった。
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン260ml及びブタジエン140mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBALH)のトルエン溶液(1mol/L)0.4mlを添加し、毎分500回転で3分間攪拌した。次に、ビス[N,N‘−ジイソプロピル−ペンタン−2,4−ジイミナト]イットリウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]のトルエン溶液(20mmol/L)1mlを添加して4分間攪拌したのち、40℃まで昇温してトリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液(0.43mol/L)0.1mlを添加して重合を開始した。40℃で60分重合後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mlを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。活性は1370[gPB/mmol(Y)/h]であった。ミクロ構造はシス−1,4が92.1%、トランス−1,4が2.5%、ビニル−1,2が5.4%。固有粘度[η]=4.7、分子量Mn=1.83×105、Mw=12.63×105、分子量分布=6.9であった。
Claims (7)
- R1、R2は炭素数1〜6の飽和炭化水素基を表し、R3はケイ素を含む置換基を表すことを特徴とする請求項1に記載のイットリウム化合物。
- 請求項1から3のいずれかに記載のイットリウム化合物(A)、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B)、周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物(C)、を備えたことを特徴とする共役ジエン重合用触媒。
- (B)成分の非配位性アニオンがホウ素含有化合物であり、カチオンがカルボニウムイオンであることを特徴とする請求項4に記載の共役ジエン重合触媒。
- (C)成分が有機アルミニウム化合物であることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の共役ジエン重合用触媒。
- 請求項4〜6のいずれかに記載の共役ジエン重合触媒を用いて共役ジエン化合物を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法。
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2013
- 2013-05-23 JP JP2013108498A patent/JP2014227376A/ja active Pending
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