JP4736772B2 - ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、嵩高い配位子を有するイットリウム化合物からなる重合触媒を用いた、シス1,4−構造含有率の高いポリブタジエンを、主にシンジオタクチック−1,2構造からなる結晶性ポリブタジエンにより補強したポリブタジエンゴム(以下、VCRと略す)の新規な製造方法に関する。
ポリブタジエンは、重合触媒によって種々のミクロ構造を有するポリマ−が得られることが知られている。コバルト化合物、あるいはニッケル化合物と有機アルミニウム化合物を用いたポリブタジエンは、一般にそのミクロ構造の特徴から(シス分95%以上)ハイシスBRと呼ばれ、その特徴を生かし、主としてタイヤ用の材料として工業的に生産され、使用されている。また、これらのハイシスBRのもつ特徴を生かし、より高機能な特徴を持ったBRとして、ハイシスBR中にシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(以下SPBと略)を分散させた複合体ゴム(VCR)が知られている。
特公昭49−17666号公報には、コバルト触媒を用いたSPB含有のハイシスBR複合体の製造法が開示されている。また、特公昭63−1324号公報には、ニッケル触媒を用いたSPB含有のハイシスBR複合体の製造法が開示されている。
また、特公平2−62123号、特公平4−48815号公報などにも、同様なBR組成物及びその製造方法が開示されている。
高シスポリブタジエンの分岐度の指標としてトルエン溶液粘度(t−cp)とムーニー粘度(ML)の比(t−cp/ML)がある。t−cpは濃厚溶液中での分子の絡み合いの程度を示すのであって、同程度の分子量分布の高シスポリブタジエンにあっては、分子量が同一であれば(すなわち、MLが同一であれば)分岐度の指標となるものである(t−cpが大きい程、分岐度は小さい)。また、t−cp/MLはMLの異なる高シスポリブタジエンの分岐度を比較する場合に指標として用いられる(t−cp/MLが大きい程、分岐度は小さい)。
複合体がタイヤの各種部材やその他の用途においては、従来のものでは得られない特性が求められることがあり、より高いt−cp、あるいは、より高いt−cp/MLが求められることがある。
ハイシス−1,4構造のポリブタジエンを得る方法として、上記の触媒系に加えて、周期律表3族の金属化合物を用いた重合触媒が知られている。
周期律表第3族元素を触媒とする共役ジエンの重合は公知であり、これまでに様々な重合方法が提案されてきた。例えば、特開平6−228221号公報(特許文献1)には、原子番号が57〜71または92の金属のうち、少なくとも1種の化合物を担体に担持した共役ジエンの(共)重合用担体担持固体触媒が開示されている。しかしながら、原子番号39であるイットリウム触媒については殆ど記載されていない。
特開平7−70143号公報(特許文献2)には、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)又はプラセオジム(Pr)と13族元素の有機金属化合物から構成される有機金属錯体が開示されている。しかしながら、イットリウム錯体については重合例が全く記載されていない。
特開平7−268013号公報(特許文献3)には、ネオジム(Nd)、プラゼオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)およびイットリウム(Y)をアルミニウムアルキルおよびホウ素のトリアルキル誘導体と組み合わせた触媒系が記載されているが、1,3−ブタジエンを重合させる方法の例示は、ネオジム、プラゼオジムに限られている。
また、特開平8−325330号公報(特許文献4)、特開平9−151219号公報(特許文献5)、特開平10−60174号公報(特許文献6)、特開平11−217465号公報(特許文献7)、特開平11−222536号公報(特許文献8)には、シス−1,4−ポリブタジエンを製造する触媒となる金属の例示としてイットリウムも挙げられているが、イットリウム触媒を用いた具体的な例示はされていない。
また、特開2003−226721号公報(特許文献9)には、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、アクチノイドからなる群から選択される元素の化合物を触媒として、シス−1,4−ポリブタジエンを製造する方法が開示されているが、イットリウム触媒を用いた具体的な例示はされておらず、1,3−ブタジエンを重合させる方法の例示は、ネオジム、プラゼオジムに限られている。
特開平6−228221号公報 特開平7−70143号公報 特開平7−268013号公報 特開平8−325330号公報 特開平9−151219号公報 特開平10−60174号公報 特開平11−217465号公報 特開平11−222536号公報 特開2003−226721号公報
1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、次いでこの重合系でシンジオタクチック−1,2重合するポリブタジエンの製造方法において、シス−1,4重合の触媒として、(A)下記の一般式で表される嵩高い配位子を有するイットリウム化合物、(B)非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、(C)周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物から得られる触媒を用い、シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、イオウ化合物を含む触媒系を用いることを特徴とするポリブタジエンの製造方法に関する。
Figure 0004736772
但し、R1,R2,R3は水素、または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Oは酸素原子を表し、Yはイットリウム原子を表す。
該シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、コバルト化合物、トリアルキルアルミニウム化合物、及びイオウ化合物を用いることを特徴とする上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
該ポリブタジエンが、(I)沸騰n−ヘキサン不溶分3〜30重量%と(II)沸騰n−ヘキサン可溶分97〜70重量%とからなる補強ポリブタジエンであることを特徴とする上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
該(I)沸騰n−ヘキサン不溶分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンであり、かつ(II)沸騰n−ヘキサン可溶分が90%以上のシス構造を有するシス−1,4−ポリブタジエンであることを特徴とする上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
シス−1,4重合において(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物で分子量を調節することを特徴とする上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
上記における(C)成分の有機金属化合物、および水素化有機金属化合物のうち少なくとも一方が、ジアルキルアルミニウムハイドライドであることを特徴とする上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
上記のシス−1,4重合体がトルエン溶液粘度(t−cp)と100℃におけるムーニー粘度(ML)とが、t−cp/ML>3なる関係を満足する上記のポリブタジエンの製造方法に関する。
本発明は、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し,次いでこの重合系でシンジオタクチック−1,2重合するポリブタジエンの製造方法において、シス−1,4重合の触媒として(A)特定の嵩高い配位子を有するイットリウム化合物、(B)非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、(C)周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物、から得られる触媒を用いて、(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物で分子量を調節し、シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、イオウ化合物を含む触媒系を用いることを特徴とするポリブタジエンの製造方法を提供する。
本発明のシス−1,4重合触媒系の(A)成分であるイットリウム化合物は、以下の一般式で表される嵩高い配位子を有するイットリウム化合物である。
Figure 0004736772
但し、R1,R2,R3は水素、または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Oは酸素原子を表し、Yはイットリウム原子を表す。
R1,R2,R3の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、アリル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トルイル基、フェネチル基などが挙げられる。さらに、それらにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基などが任意の位置に置換されているものも含まれる。
本発明のシス−1,4重合触媒系の(A)成分であるイットリウム化合物としては、イットリウムの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、トリス(アセチルアセトナト)イットリウム、トリス(ヘキサンジオナト)イットリウム、トリス(ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ジメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(トリメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(テトラメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ペンタメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(ヘキサメチルヘプタンジオナト)イットリウム、トリスアセトアセタトイットリウム、などのイットリウム化合物、などが挙げられる。
本発明のシス−1,4重合触媒系の(B)成分である非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物において、非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレ−ト、テトラ(トリイル)ボレ−ト、テトラ(キシリル)ボレ−ト、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレ−ト、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレ−ト、テトラフルオロボレ−ト、ヘキサフルオロホスフェ−トなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、フェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンを挙げることができる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのアリ−ルホスホニウムカチオンを挙げることができる。
該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、トリフェニルカルボニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレ−ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機
アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
それらの中でも、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙げられる。
本発明におけるシス−1,4重合触媒系の(C)成分である周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物としては、例えば、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム等が用いられる。これらの化合物の内で好ましいのは、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムブロマイド、ジアルキル亜鉛、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等である。
具体的な化合物としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ヘキシルマグネシウムアイオダイドなどのアルキルマグネシウムハライドを挙げることができる。
さらに、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウムを挙げることができる。
さらに、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジデシル亜鉛などのトリアルキル亜鉛を挙げることができる。
さらに、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物も挙げることができる。
これらの周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。
上述した触媒を用いて共役ジエンのシス−1,4重合を行うことができるが、得られる共役ジエン重合体の分子量調節剤としては、(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物を用いることができる。
本発明における分子量調節剤の(2)水素化金属化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、ボラン、水素化アルミニウム、水素化ガリウム、シラン、ゲルマン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウム、などが挙げられる。
また、本発明における分子量調節剤の(3)水素化有機金属化合物としては、メチルボラン、エチルボラン、プロピルボラン、ブチルボラン、フェニルボランなどのアルキルボラン、ジメチルボラン、ジエチルボラン、ジプロピルボラン、ジブチルボラン、ジフェニルボランなどのジアルキルボラン、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジハイドライド、ブチルアルミニウムジハイドライド、フェニルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムジハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジブチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、メチルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、フェニルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシラン、ジブチルシラン、ジフェニルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリフェニルシランなどのシラン類、メチルゲルマン、エチルゲルマン、プロピルゲルマン、ブチルゲルマン、フェニルゲルマン、ジメチルゲルマン、ジエチルゲルマン、ジプロピルゲルマン、ジブチルゲルマン、ジフェニルゲルマン、トリメチルゲルマン、トリエチルゲルマン、トリプロピルゲルマン、トリブチルゲルマン、トリフェニルゲルマンなどのゲルマン類、などが挙げられる。
これらの中でも、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライドが好ましく、ジエチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
(1)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(2)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、上述した分子量調節剤を添加した後、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加する。
(3)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(A)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(B)成分を添加する。
(4)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(B)成分を添加し、(C)成分と上述した分子量調節剤を任意の順序で添加した後、(A)成分を添加する。
(5)不活性有機溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在下に(C)成分を添加し、(A)成分と(B)成分を任意の順序で添加した後、上述した分子量調節剤を添加する。
また、各成分をあらかじめ熟成して用いてもよい。中でも、(A)成分と(C)成分を熟成することが好ましい。
熟成条件としては、不活性溶媒中、重合すべき共役ジエン化合物モノマ−の存在下又は不存在に(A)成分と(C)成分を混合する。熟成温度は−50〜80℃、好ましくは−10〜50℃であり、熟成時間は0.01〜24時間、好ましくは0.05〜5時間、特に好ましくは0.1〜1時間である。
本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることもできる。
共役ジエン化合物モノマ−としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジエン化合物モノマ−が好ましい。
これらのモノマ−成分は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで重合すべき共役ジエン化合物モノマ−とは、モノマ−の全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。共役ジエンの他に、エチレン、プロピレン、アレン、1−ブテン、2−ブテン、1,2−ブタジエン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどのオレフィン化合物等を含んでいてもよい。
重合方法は、特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマ−そのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、又は溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等が挙げられる。
中でも、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
重合温度は−30〜150℃の範囲が好ましく、30〜100℃の範囲が特に好ましい。重合時間は1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間が特に好ましい。
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
本発明で得られるVCRのシス−1,4重合成分としては、好ましくは、シス−1,4構造を90%以上、さらに好ましくは92%以上、特に好ましくは96%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンが挙げられる。また、該共役ジエン重合体の[η]としては、好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは1〜7、特に好ましくは1.5〜5に制御することができる。
前記の如くして得られたシス−1,4重合反応混合物に1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。次いでこの重合系でシンジオタクチック−1,2重合する。シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、イオウ化合物を含む触媒系を用いる。
シンジオタクチック−1,2重合の触媒としては、R13Al(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。)で表されるトリアルキルアルミニウム化合物、イオウ化合物、及びコバルト化合物からなる触媒系が用いられる。
イオウ化合物としては、二硫化炭素、イソチオシアン酸フェニル、キサントゲン酸化合物などが挙げられる。中でも、二硫化炭素が好ましい。R13Al(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。)で表されるトリアルキルアルミニウム化合物は特にトリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。コバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリールフォスフィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコール錯体等が挙げられる。
トリアルキルアルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上,特に好ましくは0.5〜50ミリモルである。コバルト化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.001ミリモル以上、特に好ましくは0.01〜1ミリモルである。イオウ化合物の濃度は20ミリモル/L以下,特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。また水はシンジオタクチック−1,2重合において添加しても添加しなくてもよいが、添加する場合はトリアルキルアルミニウム化合物1ミリモルに対して、1.1ミリモル以下、好ましくは1ミリモル以下である。
1,2重合する温度は0℃を超える温度〜100℃,好ましくは10〜100℃,更に好ましくは20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンを1,2重合する。1,2重合する際の重合系には前記のシス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好ましくは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加することで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽,又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を撹拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり,ポリマーが付着しやすいので高粘度液撹拌装置付きの重合槽,例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
重合反応が所定の重合率に達した後,常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT),リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP),硫黄系のジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく,老化防止剤の添加はVCR100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後,重合停止槽に供給し,この重合溶液にメタノール,エタノールなどのアルコール,水などの極性溶媒を大量に投入する方法,塩酸,硫酸などの無機酸,酢酸,安息香酸などの有機酸,塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの,それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したVCRを分離、洗浄、乾燥する。
このようにして得られたVCRは、(I)沸騰n−ヘキサン不溶分(H.I.)3〜30重量%と(II)沸騰n−ヘキサン可溶分97〜70重量%とからなる。沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が90%以上のシス−1,4−ポリブタジエンである。H.I.の融点が180〜215℃のSPBである。100℃でのMLは20〜150、好ましくは25〜100である。VCR中に分散したシンジオタクチック−1,2ポリブタジエンはシス−1,4−ポリブタジエンマトリックス中に微細な結晶として均一に分散している。
本発明により得られるVCRは単独でまたは他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し,必要ならばプロセス油で油展し,次いでカーボンブラックなどの充填剤,加硫剤,加硫促進剤その他通常の配合剤を加えて加硫し,タイヤ用として有用であり,トレッド,サイウォール,スティフナー,ビードフィラー,インナーライナー,カーカスなどに,その他,ホース,ベルトその他の各種工業用品等の機械的特性及び耐摩耗性が要求されるゴム用途に使用される。また,プラスチックスの改質剤として使用することもできる。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。重合条件並びに重合結果については表1にまとめて記載した。
ムーニー粘度(ML1+4、100℃):JIS−K6300に従い株式会社島津製作所製のムーニー粘度計を使用して100℃で1分予熱したのち、4分間測定してゴムのムーニ−粘度(ML1+4、100℃)として表示した。
トルエン溶液粘度(T−cp):シスBRを5重量%になるようにトルエンに溶解して溶液粘度を、キャノンフェンスケ粘度計を用いて25℃で測定した。
ポリマー中のSPB部含有率(H.I.)は、ソックスレー抽出器を用い、円筒ろ紙に入れた2gのポリマーを、200mlのn−ヘキサンで4時間沸騰抽出して得られる不溶部の重量%として計算した。
ポリマー中のSPB部の融点(Tm)及び結晶化温度(Tc)は、DSC測定において昇温時の吸熱ピークおよび降温時の発熱ピークそれぞれのピークトップ温度から求めた。
(実施例1)
(1)シス−1,4成分の製造
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、ジエチルアルミニウムヒドリド(DEAH)のトルエン溶液(2mol/L)0.9mlを添加し、毎分550回転で3分間攪拌した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イットリウムのトルエン溶液(20mmol/L)1.8mlを添加して40℃まで加温した。4分間攪拌したのち、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液(0.43mol/L)0.18mlを添加して重合を開始し、40℃で30分間重合を行った。
(2)シンジオ−1,2成分の製造
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のトルエン溶液(1mol/L)1.2mlを添加し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.05mol/L)1.2ml、二硫化炭素(CS2)のトルエン溶液(1mol/L)を0.24ml添加し、さらに40℃で10分間重合させた。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し重合を停止した。オートクレーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
(実施例2)
シンジオ−1,2成分の製造において、TEAのトルエン溶液(1mol/L)を1.8ml、Co(Oct)2のトルエン溶液(0.05mol/L)を1.8ml、CS2のトルエン溶液(1mol/L)を0.36ml添加した以外は、実施例1と同様に重合を行った。
(実施例3)
(1)シス−1,4成分の製造
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、ジエチルアルミニウムヒドリド(DEAH)のトルエン溶液(2mol/L)0.9mlを添加し、毎分550回転で3分間攪拌した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イットリウムのトルエン溶液(20mmol/L)1.8mlを添加して40℃まで加温した。4分間攪拌したのち、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液(0.43mol/L)0.18mlを添加して重合を開始し、40℃で30分間重合を行った。
(2)シンジオ−1,2成分の製造
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のトルエン溶液(1mol/L)1.8mlを添加し、引き続き水(H2O)を0.5mmol/Lになるように添加し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.05mol/L)1.8ml、二硫化炭素(CS2)のトルエン溶液(1mol/L)を0.36ml添加し、さらに40℃で10分間重合させた。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し重合を停止した。オートクレーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
(実施例4)
シンジオ−1,2成分の製造において、H2Oを1mmol/Lになるように添加した以外は、実施例3と同様に重合を行った。重合結果を表1に示した。
(実施例5)
内容量2Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、トルエン390ml及びブタジエン210mlからなる溶液を仕込み、溶液の温度を30℃とした後、ジエチルアルミニウムヒドリド(DEAH)のトルエン溶液(2mol/L)0.9mlを添加し、毎分550回転で3分間攪拌した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)イットリウムのトルエン溶液(20mmol/L)1.8mlを添加して40℃まで加温した。4分間攪拌したのち、トリフェニルカルベニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液(0.43mol/L)0.18mlを添加して重合を開始し、40℃で30分間重合を行った。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し重合を停止した。オートクレーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
(比較例1)
(1)Co触媒系によるシス−1,4成分の製造
内容量 1.6Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、ブタジエン30wt%、シクロヘキサン41wt%および2−ブテン29wt%を混合した溶液700mLを仕込み、室温にて二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25mol/L)を0.7ml、水(H2O)を濃度が2.4mmol/Lになるように添加し、25℃で30分間、400rpmで撹拌した。ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)を3ml、チオジプロピオン酸ジラウリル(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02mol/L)を0.5ml、1,5−シクロオクタジエンのシクロヘキサン溶液(5mol/L)を1.7ml添加し、25℃で5分間撹拌した。その後55℃に加温し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)を1ml添加して重合を開始し、60℃で20分間重合させた。
(2)シンジオ-1,2成分の製造
次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)を2.25ml添加して2分間攪拌し、水を濃度が4.3mmol/Lになるように添加して5分間攪拌し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.05mol/L)を1.2ml添加し、さらに60℃で20分間重合させた。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
(比較例2)
内容量 1.6Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、ブタジエン30wt%、シクロヘキサン41wt%および2−ブテン29wt%を混合した溶液700mLを仕込み、室温にて二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25mol/L)を0.7ml、水(H2O)を濃度が2.4mmol/Lになるように添加し、25℃で30分間、400rpmで撹拌した。ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)を3ml、チオジプロピオン酸ジラウリル(TPL)のシクロヘキサン溶液(0.02mol/L)を0.5ml、1,5−シクロオクタジエンのシクロヘキサン溶液(5mol/L)を1.7ml添加し、25℃で5分間撹拌した。その後55℃に加温し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.005mol/L)を1ml添加して重合を開始し、60℃で20分間重合させた。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表1に示した。
Figure 0004736772

Claims (7)

  1. 1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、次いでこの重合系でシンジオタクチック−1,2重合するポリブタジエンの製造方法において、シス−1,4重合の触媒として、
    (A)下記の一般式で表される嵩高い配位子を有するイットリウム化合物、(B)非配位
    性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、(C)周期律表第2族、12族、13
    族から選ばれる元素の有機金属化合物から得られる触媒を用い、シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、イオウ化合物を含む触媒系を用いることを特徴とするポリブタジエンの製造方法。
    Figure 0004736772
    但し、R1,R2,R3は水素、または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Oは酸素原子を表し、Yはイットリウム原子を表す。
  2. 該シンジオタクチック−1,2重合の触媒として、コバルト化合物、トリアルキルアルミニウム化合物、及びイオウ化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリブタジエンの製造方法。
  3. 該ポリブタジエンが、(I)沸騰n−ヘキサン不溶分3〜30重量%と(II)沸騰n−ヘキサン可溶分97〜70重量%とからなる補強ポリブタジエンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリブタジエンの製造方法。
  4. 該(I)沸騰n−ヘキサン不溶分がシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンであり、かつ(II)沸騰n−ヘキサン可溶分が90%以上のシス構造を有するシス−1,4−ポリブタジエンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリブタジエンの製造方法。
  5. シス−1,4重合において(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物で分子量を調節することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリブタジエンの製造方法。
  6. 請求項1における(C)成分の有機金属化合物、請求項5における水素化有機金属化合物のうち少なくとも一方が、ジアルキルアルミニウムハイドライドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリブタジエンの製造方法。
  7. 請求項1に記載のシス−1,4重合体がトルエン溶液粘度(t−cp)と100℃におけるムーニー粘度(ML)とが、t−cp/ML>3なる関係を満足する請求項1〜6のいずれかに記載のポリブタジエンの製造方法。
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